JP3620387B2 - 同軸ケーブル - Google Patents
同軸ケーブル Download PDFInfo
- Publication number
- JP3620387B2 JP3620387B2 JP37461399A JP37461399A JP3620387B2 JP 3620387 B2 JP3620387 B2 JP 3620387B2 JP 37461399 A JP37461399 A JP 37461399A JP 37461399 A JP37461399 A JP 37461399A JP 3620387 B2 JP3620387 B2 JP 3620387B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- conductor
- coaxial cable
- cable
- conductor portion
- outer conductor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Communication Cables (AREA)
- Waveguides (AREA)
Description
【発明が属する技術分野】
本発明は同軸ケーブルに関し、特に高い高周波信号の送信の可能な同軸ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】
同軸ケーブルは、円筒形の外部導体と、その内部中央に備える線状の中心導体との一組の導体による通信ケーブルであり、通信する電流の帰路である外部導体が遮蔽作用をし通信を保護するため、高周波における伝送損失が小さく漏話特性やインピーダンス均衡性に優れている。
【0003】
このため、長距離広帯域の通信等に適しており、基幹回線網やCATVやLAN等に広く実用化されており、またコンピュータ等の電子機器を高速化するためには、高周波の信号を同軸ケーブルなどの伝送線路を使って伝送することが必要である。
【0004】
しかし、同軸ケーブルにおいても伝送信号の周波数が数GHzにも及ぶと、信号波形がなまったり信号振幅が小さくなるなどの減衰が問題となる。この問題の主要因の一つとして挙げられるのが表皮効果である。
【0005】
表皮効果とは、信号の周波数fが高くなるにつれて電流が導体の表面のみを流れる現象をいい、具体的には、式1に示すように電流の流れる導体表面の厚さδが薄くなる現象である。
【0006】
δ=√{ρ/πμf}……式1
(δ:表皮厚さ[m]、π:円周率(=3.14・・・)、μ:透磁率(=μ0=4π*10−7[H/m])、f:周波数[Hz]、ρ:固有抵抗(=1.7*10−8[Ωm](銅の場合))
具体例として、周波数fが1GHzにおける銅の表皮厚さδは、わずか約2μmである。
【0007】
しかしまた一方で、表皮効果により、高周波信号は導体の表面部分のみを流れるため、同軸ケーブルの抵抗が著しく増加し通信の大きな障害となった。
【0008】
このためケーブルの抵抗を抑え高周波信号の送信を実現するためには、ケーブルの単位長さ当たりの導体部の表面積を広くする必要があり、従来では同軸ケーブルの中心導体及び外部導体の直径を太くする方法がとられていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、同軸ケーブルの中心導体及び外部導体の直径を太くする従来の方法では、実装体積の点から電子機器の配線への使用には制約があった。
【0010】
本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解決し、同軸ケーブルの径を大きくすることなく、表皮効果による抵抗値の増加を抑え、数GHzや数十GHzもの高周波信号に対しても良好に通信が可能な同軸ケーブルを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の同軸ケーブルは、中心導体部を中心として、導体部を同心円状に内側から内部導体部、外部導体部の順に配置し、前記内部導体部を信号導体とし、前記中心導体と前記外部導体を接地とし、前記中心導体部と、前記内部導体部と、前記外部導体部のうち一つ以上の導体部に凹凸を備えることにより、同軸ケーブルの直径当たりの導体部の表面積を広く備えることを特徴とする。
【0012】
請求項2の本発明の同軸ケーブルは、ケーブルの中心部に中心導体部を、周囲に外部導体部を備える同軸ケーブルにおいて、前記中心導体部と前記外部導体部に凹凸を備え、同軸ケーブルの直径当たりの導体部の表面積を広く備えることを特徴とする。
【0013】
請求項3の本発明の同軸ケーブルは、前記中心導体部と前記外部導体部の凹凸の配置は、一方の導体部の凹部の位置と、もう一方の導体部の凸部の位置とが向かい合うように配置し、かつ、全体として所定の特性インピーダンスを備えることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の第1の実施の形態の同軸ケーブル10の一実施例の断面図である。
【0019】
図1を参照すると、本実施の形態の同軸ケーブル10は、中心から中心導体11、内部導体12、外部導体13が同心円状に配され、かつ各導体の間には第1絶縁体15と第2絶縁体16を配している。また、内部導体12を信号導体とし、かつ中心導体11及び外部導体13を接地として、信号を送信する。
【0020】
本実施の形態の同軸ケーブル10は、導体部が三層構造を成し、更に三層構造の中央である内部導体12により信号の送信を行う方式のため、従来の(中心の信号導体と周囲の接地の導体との)2層構造の同軸ケーブルと比べて、ケーブルの直径当たりの表皮効果により信号が流れる導体部の断面積が広く、このため低い抵抗値が実現され効率の良い通信が可能となるのである。
【0021】
つまり、同軸ケーブル10の内部導体12に高周波の信号を伝送すると、中心導体11の外径表面と、内部導体12の内径と外径の両表面と、外部導体13の内径表面にそれぞれ表皮効果による電流が流れる層ができる。このため、外部導体13と径が同じ従来の同軸ケーブル10に比して等価的に電流が流れる層の断面積を増やすことができ、結果的に抵抗値を低減できるという効果がある。
【0022】
伝搬遅延時間τを等しくするために、第1絶縁体15の比誘電率と、第2絶縁体16の絶縁体の比誘電率の値は等しいものとする。このため、本実施の形態の同軸ケーブル10においては、特に同一材料により両者を構成する。
【0023】
尚、各部の直径や厚さ、及び絶縁体の比誘電率や導体の固有抵抗は、内部導体12を信号導体とし、かつ中心導体11と外部導体13を接地とした場合に、所望の特性インピーダンスZ0(50Ω等)になるよう制御されるものとする。
【0024】
なお、特開昭61−047017号公報に開示された従来技術では、原子力発電所等において発生する非常に強い電気的また電磁的障害に対応する目的で、外部導体を2重に備え外部からの遮蔽作用を強化した同軸ケーブル(つまり内側からSig/GND/GND)が提案されているが、しかし本実施の形態の同軸ケーブル10では、ケーブルの直径を太くすることなく高周波におけるケーブルの抵抗値を下げることが目的であり、また中心導体11ではなく内部導体12を信号導体とする(つまり内側からGND/Sig/GND)ことを特徴としており、この従来技術と本実施の形態の同軸ケーブル10とは全く異なるものである。つまり、この従来技術の同軸ケーブルでは、通常の同軸ケーブルと比較してケーブルの直径が太くなるのみで抵抗値は改善されない。
【0025】
次に、本実施の形態の同軸ケーブルの具体的な一実施例を説明する。
【0026】
図2は本実施の形態の同軸ケーブル10の具体的な一実施例の断面図であり、図4は従来の同軸ケーブル10bの断面図であり、図2と図4の同軸ケーブルは共に1GHzの信号に対し50Ωの特性インピーダンスを備えるものである。
【0027】
図2と図4の各部寸法は、株式会社アプライド・シミュレーション・テクノロジ社製ApsimRLGCで導出した値であり、導体部は銅(固有抵抗ρ=1.7*10−8[Ωm])を用い、絶縁部の比誘電率εrは1.3として計算している。
【0028】
高周波信号を流れる電流の抵抗は、表皮効果により信号線の表面積に依存し、本実施の形態の同軸ケーブル10の信号線である内部導体12の高周波信号の電流が流れる面は外側と内側の双方であり、従来の同軸ケーブル10bの信号線である中心導体11bはその外側しか高周波電流の流れる面を備えないため、同じ50Ωの特性インピーダンスを実現するために必要とする信号線や同軸ケーブルの太さが大きく異なり、図2及び図4を参照すると約1.5倍もの違いを示している。
【0029】
以上説明した本実施の形態の同軸ケーブル10により、ケーブルの直径を太くすることなく抵抗値の増加を抑えることができる。
【0030】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0031】
図3は、本発明の第2の実施の形態の同軸ケーブル10aの断面図である。
【0032】
図3を参照すると、本実施の形態の同軸ケーブル10aは、中心から中心導体11a外部導体13aが同心円状に配され、導体間に絶縁体17を配する。
【0033】
2つの導体部の組により構成する点においては、従来の同軸ケーブル10と同様であるが、中心導体11aと外部導体13aが互いに凸凹の関係を多数持たせることを特徴とし、このため第1の実施の形態と同様に、外部導体13a径が同じ従来の同軸ケーブルに比して等価的に電流が流れる層の断面積を増やすことができ、高周波信号を送信するための抵抗値を低減することができる。
【0034】
また、この凹凸の配置は、一方の導体の凹部の位置と、もう一方の導体の凸部の位置とが互いに向かい合うように配置している。
【0035】
以上好ましい実施の形態及び実施例をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
【0036】
例えば、第1の実施の形態の同軸ケーブル10に、第2の実施の形態の凹凸を備える形態を採用し、内部導体12及び外部導体13に、または3箇所の導体全てに凹凸部を備えることで、ケーブルの直径当たりの抵抗値を更に削減することが可能である。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の同軸ケーブルによれば、以下のような効果が達成される。
【0038】
第1に、本発明の同軸ケーブルは、同軸ケーブルの径を大きくすることなく、高周波の信号伝送で問題となる表皮効果に起因する抵抗値の増加を低減することができる。
【0039】
第2に、従来の同軸ケーブルより実装体積を小さくできるため、電子機器の配線などへの使用が可能である。
【0040】
第3に、従来では光ケーブル等を必要とした数GHzや数十GHzもの高周波信号に対しても、本発明の同軸ケーブルにより良好に通信ができる。
【0041】
第4に、本発明の同軸ケーブルは、より細いケーブルにより高周波の信号を送信できるため、同軸ケーブルを何本も束ねて設置する機関回線網等の工事の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の同軸ケーブルの断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の同軸ケーブルの具体的な一実施例の断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の同軸ケーブルの断面図である。
【図4】従来の同軸ケーブルの断面図である。
【符号の説明】
10、10a、10b 同軸ケーブル
11、11a、11b 中心導体
12 内部導体
13、13a、13b 外部導体
15 第1絶縁体
16 第2絶縁体
17、17b 絶縁体
Claims (3)
- 中心導体部を中心として、導体部を同心円状に内側から内部導体部、外部導体部の順に配置し、前記内部導体部を信号導体とし、前記中心導体と前記外部導体を接地とし、
前記中心導体部と、前記内部導体部と、前記外部導体部のうち一つ以上の導体部に凹凸を備えることにより、同軸ケーブルの直径当たりの導体部の表面積を広く備えることを特徴とする同軸ケーブル。 - ケーブルの中心部に中心導体部を、周囲に外部導体部を備える同軸ケーブルにおいて、前記中心導体部と前記外部導体部に凹凸を備え、同軸ケーブルの直径当たりの導体部の表面積を広く備えることを特徴とする同軸ケーブル。
- 前記中心導体部と前記外部導体部の凹凸の配置は、一方の導体部の凹部の位置と、もう一方の導体部の凸部の位置とが向かい合うように配置し、かつ、全体として所定の特性インピーダンスを備えることを特徴とする請求項2に記載の同軸ケーブル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37461399A JP3620387B2 (ja) | 1999-12-28 | 1999-12-28 | 同軸ケーブル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37461399A JP3620387B2 (ja) | 1999-12-28 | 1999-12-28 | 同軸ケーブル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001184955A JP2001184955A (ja) | 2001-07-06 |
JP3620387B2 true JP3620387B2 (ja) | 2005-02-16 |
Family
ID=18504140
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP37461399A Expired - Fee Related JP3620387B2 (ja) | 1999-12-28 | 1999-12-28 | 同軸ケーブル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3620387B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010238666A (ja) * | 2010-04-26 | 2010-10-21 | Sumida Electric Co Ltd | 線材及び線材の製造方法 |
JP6640289B1 (ja) * | 2018-08-08 | 2020-02-05 | 株式会社フジクラ | 同軸ケーブル |
-
1999
- 1999-12-28 JP JP37461399A patent/JP3620387B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001184955A (ja) | 2001-07-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5574250A (en) | Multiple differential pair cable | |
US9159472B2 (en) | Twinax cable design for improved electrical performance | |
US5321372A (en) | Apparatus and method for terminating cables to minimize emissions and susceptibility | |
KR100609199B1 (ko) | 데이터전송케이블 | |
CA2603101C (en) | Discontinuous cable shield system and method | |
CA2269161A1 (en) | High performance data cable | |
US20080173464A1 (en) | Shielded flat pair cable with integrated resonant filter compensation | |
JPH07134917A (ja) | 難燃性通信ケーブル | |
JPH04218214A (ja) | 通信伝送ケーブルと電磁干渉を抑圧する装置を有する通信伝送システム | |
US20150333450A1 (en) | Method for connecting differential transmission cable, differential transmission cable and electric device | |
US4158185A (en) | Overhead transmission line with communication core | |
US7245201B1 (en) | Power line coupling device and method of using the same | |
JP3620387B2 (ja) | 同軸ケーブル | |
JP5347166B2 (ja) | Lan配線システムにおける最大リンク長を延長するlan用平衡ケーブルの発明 | |
KR101817258B1 (ko) | 채널 이퀄라이저를 이용한 중장거리용 usb 연장 케이블 | |
US10535449B2 (en) | Notched conductor for telecommunication | |
EP3764457A1 (en) | Waveguide for transmitting electromagnetic wave signals | |
CN210837284U (zh) | 一种高对称性高速率数据传输线 | |
EP4280231A1 (en) | Data transmission cable | |
CN110610779A (zh) | 一种高对称性高速率数据传输线 | |
US20230230718A1 (en) | Intermittent tape | |
US20230238743A1 (en) | Connector cable | |
JP2000195346A (ja) | 通信ケ―ブル | |
JP3547164B2 (ja) | 通信ケーブル | |
KR20230068501A (ko) | 이더넷 케이블 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040531 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040726 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040924 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20041026 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20041108 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071126 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081126 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081126 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091126 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091126 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101126 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111126 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111126 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121126 Year of fee payment: 8 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |