JP3619548B2 - 内外筒間が分離した保形性の多筒型容器 - Google Patents

内外筒間が分離した保形性の多筒型容器 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は外筒と内筒とから形成された保形性の多筒型容器であって、その胴部において両層の間が分離されている特殊ポンプ付き多筒型容器に関する。詳しくは、本発明はチューブ型容器であって、その内容物の排出によっても外筒が当初の形状を殆ど保持している外気非吸入型のポンプ付き多筒型容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
合成樹脂製のチューブ容器においてその胴部における外胴部と内胴部とが相互に接着しにくい樹脂で作成された二重壁型のものは既知である(特公昭52−32314号公報)。このチューブ容器はその外胴部を「ポリエチレン又はビニール等の単体の合成樹脂製のもの」とし、その内胴部を「アルミ或は紙等の表裏両面へポリエチレン等の樹脂膜をラミネートした復元性のない積層シート」として形成されている。
【0003】
しかし、上記の二重壁型のチューブ容器には「内胴部」の材料についてそれ以上の開示も示唆も全く無い。
また、同様な改良としては「絞り出し容器」であることを規定した上に、「その容器を互いに接着性を有しない軟質プラスチックからなる内側層と外側層より構成する」ことを規定したものも既知である(実開平1−132539号公報)。この考案も当然ながらその内側層及び外側層の何れにも詳しい材質を開示してはいない。まして、両層の材質の具体的組合せに関する開示は全く欠如しており、唯一「内層は内容物の性質に応じて複数層のラミネート層で行なうこともできる」という記載があるに留まる。
【0004】
更に別の改良例としては、「多層ブロー容器であって、内層と外層とが互いに接着性の有しない合成樹脂材料」で形成された例も既知である(実開平3−87654号公報)。この考案はその添付図から見て、チューブ容器よりも「瓶」を意図しており、その両層が互に接着性を有しないに拘らず係止させる為の口頚部の係合及び底面締切部の係合に改良の主眼を置いている。上記2例と同様に、本例でも両層の材料組合せについては殆ど開示していない。
【0005】
チューブ内容物の取出し手段としてポンプを用いれば絞り出さずに済むとの発想の改良として、内容物の吸い出し後にチューブ内に生ずる陰圧(負圧)を補償する為の外気の侵入(エアーバック)を阻止する構造のポンプ通称、「エアーバックレスポンプ」を装着したポンプ付きチューブも既知である。この考案においては、チューブの胴部を形成する材料に関する開示は見当たらず、少なくとも例示は単層の胴部である。従って、このポンプ付きチューブでは内容物を多少に拘らず吸い出した後にはチューブが収縮する事態が生ずることは避け難い筈である。
【0006】
他にも外気非吸入型に似通った構造の弁を装着した瓶型容器の考案(実開昭52−95755号公報)及び不使用時に生じ易い放出オリフィスの封止を防止し得る霧吹き装置の発明(特公昭43−23198号公報)が既知である。しかし、前者は定量押出を実現する構造に重点を置いているに過ぎず、現実に外気逆流阻止機能が発揮されているとの開示は見当たらない。強いて言えば、2ヶ所のボールバルブによる閉止と軟質ゴム等の可撓性物質により形成された下広がりのカップ状ピストンとから総合的に推測される可能性が残るに過ぎない。しかも、容器側の壁の構成、材質又はそれらの組合せの何れについても、通り一遍以外には全く開示されてはいない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の先行改良技術が何れも容器壁の改良かその吸い上げポンプかの片方に重点を置いているに留まり、両者の結合によって実用上の観点から特段の効果を奏するには想到していない問題点を解決する為に完成されたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は先行技術に伴う上記の問題点を課題として、それを解決する為に種々模索の結果下掲の「発明の基本的構成」及び「発明の改良構成1」〜「発明の改良構成6」に規定された構成が必須であることを見出した。
【0009】
[発明の基本的構成]
内筒と外筒とで形成された多筒型容器において、その外筒が可撓性と保形性とに富む樹脂で形成された平均層厚200μm以上の層であると共に、その内筒が柔軟性、内容物残量に追随する収縮性及び内容物保存性に優れた樹脂で形成された総括平均層厚120〜700μmの層であって前記両層の間がその胴部においては分離し、更に外気非吸入型の吸い上げポンプが多筒型容器に装着されていると共に、外筒と内筒との間に外気を進入させる為の手段が設けられている保形性の多筒型容器。
【0010】
[発明の改良構成1]
外筒がオレフィン系樹脂又は熱可塑性ポリエステル樹脂で形成された平均層厚200μm以上、内筒が積層体であってその外皮層が平均層厚10〜100μmのポリアミド樹脂もしくはエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂で形成され、中間層が平均層厚10〜100μmの接着性重合体で形成され、内層が平均層厚100〜500μmのオレフィン系樹脂で形成されている「発明の基本的構成」に記載の保形性の多筒型容器。
【0011】
[発明の改良構成2]
外筒を形成するオレフィン系樹脂がエチレン系樹脂、プロピレン系樹脂及び4−メチル−1−ペンテン系樹脂から選ばれる1種以上である「発明の基本的構成」及び「発明の改良構成1」に記載の保形性の多筒型容器。
【0012】
[発明の改良構成3]
外筒を形成する熱可塑性ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートイソフタレート及びポリブチレンテレフタレートから選ばれる1種以上である「発明の基本的構成」並びに「発明の改良構成1」及び「発明の改良構成2」に記載の保形性の多筒型容器。
【0013】
[発明の改良構成4]
中間層を形成する接着性重合体がエチレン系樹脂の無水マレイン酸改質物、プロピレン系樹脂の無水マレイン酸改質物及びエチレン−プロピレン共重合体の無水マレイン酸改質物から選ばれる1種以上の改質重合体である「発明の基本的構成」及び「発明の改良構成1」〜「発明の改良構成3」に記載の保形性の多筒型容器。
【0014】
[発明の改良構成5]
内層を形成するポリオレフィン系樹脂がエチレン系低密度樹脂及びプロピレン系の結晶性樹脂から選ばれる1種以上である「発明の基本的構成」及び「発明の改良構成1」〜「発明の改良構成4」に記載の保形性の多筒型容器。
【0015】
[発明の改良構成6]
外筒がその内壁に複数個の凹部及び凸部を備えている「発明の基本的構成」及び「発明の改良構成1」〜「発明の改良構成5」に記載の保形性の多筒型容器。
【0016】
[発明の改良構成7]
外筒がその内壁に備えている複数個の凹部及び凸部が反射、光輝等を生ずる程度に微細である「発明の基本的構成」及び「発明の改良構成1」〜「発明の改良構成6」に記載の保形性の多筒型容器。
【0017】
<発明の好適態様>
本発明を実施する為の種々の要件について以下に具体的に説明する。先ず、図面に基づけば本発明の好適態様は下掲の通りである。
【0018】
図1は本発明の外気非吸入型ポンプ付き保形性多筒型容器(以下、「本発明の容器」と略称することがある)の正面部分見取り図、側面部分見取り図及び平面見取り図を示す。ここで「部分見取り図」とは、容器の下半部が省略されていることを示す表現である。
【0019】
図1の(a)は本発明の容器をその断面(図2参照)に現れる楕円形の長軸方向から見た部分見取り図(「部分正面図」と称することがある)、図1の(b)は(a)の場合と同一の楕円形の短軸方向から見た部分見取り図(「部分側面図」と称することがある)及び図1の(c)は平面見取り図である。図1の(a)において本発明の容器(T)は内容物収容部材(1)及びスプレーポンプ部材(2)の両部材で構成されている。なお、図1の(a)〜図1の(c)から明らかな様に、図1の態様では内容物収容部材(1)は断面楕円形に成形されている。なお、その材質及び構造については後に説明する。
【0020】
図1では判りにくいが、スプレーポンプ部材(2)は袴部分(21)、係合部分(22)、保護ガイド部分(23)、ポンプヘッド部分(24)及びスプレーノズル部分(25)の部分で形成されており、内容物収容部材(1)の口頚部に装着されている。その各部について説明する。図1の(a)で袴部分(21)の下縁内壁において内容物収容部材(1)の肩部(符号は図2参照)に装着され、その頂面から稍小径の係合部分(22)が立上がる。
【0021】
係合部分(22)は袴部分(21)と実際には一体に成形されている。係合部分(22)の外形は袴部分(21)よりも一回り小さな楕円形であって、その前後壁に保護キャップ(符号は後記)と係合する形状を備えている。係合部分(22)が袴部分(21)よりも小径に作成される理由は保護キャップの下縁をその段差部で受け止めることにある。
【0022】
図1の(a)における保護ガイド部分(23)の外形は係合部分(22)のそれとは異なって通常は真円形である。その理由は保護ガイド部分(23)に遊動的に内嵌されるスプレーヘッド(24)の形状に合致させた点にあるに過ぎず、本質的なものではない。この保護ガイド部分(23)の役割はポンプヘッド部分(24)が上下する際の保護ガイドである。即ち、ポンプヘッド部分(24)は別図に示される様に細い導管の末端に冠装されて上下するから、保護ガイド部分(23)が無ければ該細い導管に前後左右から加えられ得る力によって当該導管が折損する等の事態が生じ得る。
【0023】
従って、この事態を防止するには保護ガイド部分(23)がポンプヘッド部分(24)を略全周に亙って包囲することが有益である。とはいえ、保護ガイド部分(23)の高さには制限がある。即ち、その高さはポンプヘッド部分(24)が押し込まれて停止した場合のその頂面以下に制限され、通常は保護ガイド部分(23)の高さはポンプヘッド部分(24)の頂面よりも稍低い位置に設定される。
【0024】
図1のスプレーノズル部分(25)はスプレーノズルである。この部分はポンプヘッド部分(24)とは別に成形されて、ポンプヘッド部分(24)に後刻装着される。前記の保護ガイド部分(23)はこのスプレーノズル部分(25)の上下動を妨害せずにそれを保護案内する役割を果たす為に、その前部にスプレーノズル部分(25)の上下動範囲に対応した切欠きを備えているる。その理由は詳しくはスプレーノズル部分(25)が強い外力によって脱落する恐れを防止することにある。
【0025】
図2は本発明の容器の模式的縦断面図である。但し、ポンプ部材の導管部分は切断されていない。図2の(a)は本発明の容器をその断面楕円の短径を含む平面で切断した縦断面(本発明ではこれを「短径縦断面」と称することがある)を長径方向から見た短径縦断面図であり、図2の(b)は本発明の容器を断面楕円の長径を含む平面で切断した縦断面(本発明ではこれを「長径縦断面」と称することがある)を短径方向から見た長径縦断面図である。また、図2では保護キャップ(C)が冠装された状態が示されている。
【0026】
図2の(a)においては、本発明の容器が多層型の構成を採っていることが明らかに示されている。図2において外筒(1)は断面楕円形の中空有底円筒であり、その両方の肩部(1s)内壁から内筒(3)が立ち上がって外筒(1)の内壁とは分離しながら外筒(1)の底付近まで到達し、その尾端域(3e)で封止部(3b)を形成して密閉筒が完成する。
【0027】
外筒(1)の底も内筒の底と同様に封止部を形成するが、通常はその封止部の一部分に未封止部分を残して外気との流通が実現される。勿論、外筒(1)と内筒(3)との中間区域に外気の流通を可能にする手段はこれに限らない。
【0028】
他方、内筒(3)は開始端で外筒(1)の内壁に融着されて気密性を保ち、内部に収容された低粘度液体〜稍高粘度の流動物例えばローション等をスプレーポンプ(2)のスプレーヘッド(24)に装着されたスプレーノズル(25)から霧状で送り出す。
【0029】
図2の(b)は上記の様に、本発明の容器(T)の長径断面図であって、図2の(a)と同一物を異なる方向から見た形状を示すに過ぎない。とはいえ、図2の(a)には示されていないスプレーノズル(25)と共に、内筒(3)の尾端域(3e)における封止部(シール部)(3b)が図示されている。
【0030】
図2の(c)は本発明の容器(T)を線A−Aで切断した横断面形状を矢印方向へ見た形状を示す。この図によって本発明の容器(T)が楕円形断面形状に成形されていることが明らかに判る。外筒(1)及び内筒(3)は相互に同心の楕円断面の筒状体であり、同図の中心部に描かれた同心円はスプレーポンプ(2)の脚部(2f)を示す。その中心の小円は細い導管(2d)であって、これを通じて内筒(3)内に収容された内容物例えば、医薬、化粧品等の美容料、整髪料その他の理容料もしくは香料又は塗料その他の着色剤等をスプレーヘッド(24)へ給送することができる。
【0031】
図2の(d)は本発明の容器(T)を構成する内筒(3)の層構成を示す模式的部分拡大断面図である。同図は内筒(3)が外皮層(3s)、中間層(3c)及び内層(3i)の3層で構成されている例を示している。ここで、外皮層(3s)が外筒(T)に最も近い位置を占めている。
【0032】
<<容器の変形態様>>
本発明の容器(T)において外筒(1)は2層以上の積層体であっても良い。この場合には「積層体」を形成する各構成層の間は当然ながら結合されて一体的に働くことが重要である。内筒(3)の下端域(3e)は図示の様な平シールに限らず、継ぎ目無し丸底即ち、内筒(3)がインジェクションブローにおけるプリフォームの様な形状に当初から作成された積層袋であっても良い。内容物取り出しの為に装着される吸い出しポンプ(2)はスプレーポンプに限らず、ポンプ機能で取り出された内容物を多孔質塗布具例えば、スポンジ小片又は塗布用パンケーキ等に含浸させる形式のものでも良い。
【0033】
<<容器の材料及び平均層厚>>
本発明の容器(T)を形成する材料について、以下に説明する。該容器が化粧品、医薬品、香料等を収容する場合には、通常の容器に要求される属性に加えて衛生性、人体無害性、高温消毒に対する耐久性等が上乗せされる。
◆保護キャップ(C)
比較的可撓性に富むことが要求されることから、通常は熱可塑性樹脂で形成される。この部材はその内側に包まれる部材等を保護し、繰返して着脱されても弛緩を生じにくいことに加えて、それ自体も衝撃、傷つき及び摩耗等に対して十分な耐久性を備えることが好ましい。これらの要求を総合的に充足する材料として、通常はオレフィン系樹脂、中でもプロピレン系樹脂が好ましく用いられる。
◆外筒(1)
比較的保形性及び可撓性に富むことに加えて、その内壁面が内筒の外壁面と粘着しにくいことが要求される。従って、通常は保護キャップ(C)と同様にオレフィン系樹脂又は熱可塑性ポリエステル樹脂が適するが、中でもプロピレン系結晶性樹脂が好ましく用いられる。尤も、特に寒冷地向けの製品として耐低温性が要求される場合には、エチレン系樹脂が適する。その低温脆性は−80℃付近でも十分に実用に耐える。保形性(変形回復性)を確保する為には、その平均層厚は通常200μm以上、好ましくは250〜1000μmに設定される。
◆内筒(3)
極めて柔軟で内圧低下に順応して収縮することによって内容物を残さずに吸い出し得る様に絞られること加えて、内容物を変質させない様にする為に防湿性及びガス遮断性に富むことが要求される。勿論、内筒(3)の外皮層(3s)に対しては粘着しないことを要する。従って、防湿性に優れるがガス特に酸素又は二酸化炭素等に対する遮断性には不足するオレフィン系樹脂単層では足りず、この層と防湿性は兎も角も上記のガス遮断性に富む材料からなる層とを併用する外は無い。
【0034】
内筒(3)は通常は下記の各層で形成される積層体の形態で用いられる:
◆◆外皮層(3s)はポリアミド樹脂又はエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂で形成された平均層厚10〜100μm、好ましくは20〜80μmのもの、
◆◆中間層(3c)は「接着性重合体」と称されるエチレン系樹脂の無水マレイン酸改質物、プロピレン系樹脂の無水マレイン酸改質物及びエチレン−プロピレン共重合体の無水マレイン酸改質物から選ばれる1種以上の改質重合体(エラストマーをも包含)で形成された平均層厚10〜100μm、好ましくは20〜60μmのもの、
◆◆内層(3i)はオレフィン系樹脂、好ましくはエチレン系低密度樹脂及びプロピレン系の結晶性樹脂から選ばれる1種以上で形成された平均層厚100〜500μm、好ましくは150〜400μmのもの。
【0035】
上記の内筒(3)における外皮層(3s)の材料であるポリアミド樹脂(ナイロン)は大別して単一種類の環状モノマーであるラクタムの開環付加重合によるものと、2種類の別異モノマーの共縮重合によるものとである。
【0036】
ラクタムの開環付加重合によるものは例えば6−ナイロン、7−ナイロン、11−ナイロン又は12−ナイロン等であり、2種類の別異モノマーの共縮重合によるものは例えば6,6−ナイロン(66−ナイロン)、 6,7−ナイロン(67−ナイロン)、6,10−ナイロン(610−ナイロン)又は6,12−ナイロン(612−ナイロン)である。これらの中でも、性能及び価格との均衡からは6−ナイロン及び6,6−ナイロンが常用される。
【0037】
上記の内筒(3)における内層(3I)の材料であるオレフィン系樹脂、好ましくはエチレン系低密度樹脂及びプロピレン系の結晶性樹脂から選ばれる1種以上において、エチレン系低密度樹脂はエチレンをラジカル開始剤の存在下に重合させて得られた樹脂である。この低密度樹脂には、エチレンと小割合の別異のモノマー例えば酢酸ビニル等との共重合体も包含され得る。また、異なる重合方法即ち、エチレンと他の1−オレフィン例えば1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン又は1−オクテン等を配位化合物系触媒の存在下で重合させて得られる通称「線状低密度ポリエチレン(LLDPE)」も勿論、本発明の目的に適合する。
【0038】
他方、プロピレン系の結晶性樹脂は通常は配位化合物系触媒の存在下で酸素及び水分その他の触媒毒の不在下に常圧から比較的低い加圧の条件下でプロピレンを単独に又はそれと他の重合性モノマーとを共重合させることによって得られる結晶性樹脂である。
【0039】
<<内筒外壁及び外筒内壁の好適形状>>
本発明の容器を形成する外筒(1)は保形性即ち、加えられた外力によって変形しにくいことに加えて、生じた変形から速やかに復元することを要求されている。この要求を充足する為の一策として、その内壁に下端から肩部へ到る1本以上の縦リブもしくは突条又は波型の断面形状例えば鋸歯状等の断面形状を付与することが有益である。
【0040】
他方、本発明の容器を形成する内筒(3)の外壁には別の見地に立つ縦リブもしくは突条又は上記形状波型の断面形状例えば鋸歯状等の断面形状を付与することが有益である。その見地とは、内筒(3)がそのの下端から確実に収縮する方策にある。即ち、内容物が残存しているに拘らずそれよりも上部の内筒(3)の内壁が相互に密着する事態は極力防止すべきである。この場合には密着部の下方に残存する内容物がポンプによっては吸い出され兼ねる虞があるからである。
【0041】
上記の事態を防止する為に最良の策は内筒(3)を上方へ行くに伴って硬質化する様に作成することである。しかし、これは非実用的であるから次善の策として、内筒(3)の外壁に縦方向へ走る補強形状を付与することが本発明の容器の一層の改善形状として浮上する。
【0042】
【作用】
本発明の容器(T)においては、各部材間に下記の作用が生じている:
(1)外筒(1)から分離された内筒(3)の軟質化によって内筒(3)がその内容物残存量に応じて収縮する、
(2)外気非吸入型(エアーバックレス)ポンプの採用は内筒(3)の軟質化によって可能となった、
【0043】
【発明の効果】
本発明の容器は上記の構成によって下記の各種の効果を奏する:
(1)外筒が十分な保形性を発揮する寄与によって、容器自体の外観は期待通りに温存された
(2)内筒が内容物の上方で閉止する事態が防止される結果、内容物が殆ど吸い出されて十分に利用され得る
(3)内容物が逆流する外気によって変質又は更には失効される虞が無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の外気非吸入型ポンプ付き保形性多筒型容器の部分正面図、部分側面図及び平面見取り図を示す。図1の(a)は本発明の容器をその断面に現れる楕円形の長軸方向から見た部分見取り図、図1の(b)は(a)の場合と同一の楕円形の短軸方向から見た部分見取り図及び図1の(c)は平面見取り図である。
【図2】図2は本発明の容器の模式的縦断面図である。但し、ポンプ部材の導管部分は切断されていない。図2の(a)は本発明の容器をその断面楕円の短径を含む平面で切断した縦断面を長径方向から見た短径縦断面図、図2の(b)は本発明の容器を断面楕円の長径を含む平面で切断した縦断面を短径方向から見た長径縦断面図、図2の(c)は本発明の容器(T)を線A−Aで切断した横断面形状を矢印方向へ見た形状を示し、図2の(d)は本発明の容器(T)を構成する内筒(3)の層構成を示す模式的部分拡大断面図である。
【符号の簡単な説明】
1 本発明の容器における内容物収容部材の外筒
2 本発明の容器におけるスプレーポンプ
3 本発明の容器における内容物収容部材の内筒
21 本発明の容器におけるスプレーポンプの袴部分
22 本発明の容器におけるスプレーポンプの係合部分
23 本発明の容器におけるスプレーポンプの保護ガイド
24 本発明の容器におけるスプレーポンプのポンプヘッド
25 本発明の容器におけるスプレーポンプのスプレーノズル
1s 本発明の容器における外筒の肩部
2d 本発明の容器におけるスプレーポンプ内の細い導管
2f 本発明の容器におけるスプレーポンプの脚部
3b 本発明の容器における内筒の封止部
3c 本発明の容器における内筒の構成層中の中間層
3e 本発明の容器における内筒の下端
3i 本発明の容器における内筒の構成層中の内層
3s 本発明の容器における内筒の構成層中の外皮層
C 本発明の容器における保護キャップ
T 本発明の容器

Claims (5)

  1. 内筒と外筒とで形成された多筒型容器において、その外筒が可撓性と保形性とに富む樹脂で形成された平均層厚200μm以上の層であると共に、その内筒が柔軟性、内容物残量に追随する収縮性及び内容物保存性に優れた樹脂で形成された総括平均層厚120〜700μmの層であって前記両層の間がその胴部においては分離し、更に外気非吸入型の吸い上げポンプが多筒型容器に装着されていると共に、外筒と内筒との間に外気を進入させる為の手段が設けられている保形性の多筒型容器であって、
    前記外筒が、オレフィン系樹脂又は熱可塑性ポリエステル樹脂で形成された平均層厚200μm以上であり、
    前記内筒が、外皮層と、中間層と、内層とからなる積層体であり、
    前記外皮層が、平均層厚10〜100μmのポリアミド樹脂もしくはエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂で形成され、
    前記中間層が、平均層厚10〜100μmのエチレン系樹脂の無水マレイン酸改質物、プロピレン系樹脂の無水マレイン酸改質物及びエチレン−プロピレン共重合体の無水マレイン酸改質物から選ばれる1種以上の接着性重合体で形成され、
    前記内層が、平均層厚100〜500μmのエチレン系低密度樹脂及びプロピレン系の結晶性樹脂から選ばれる1種以上のオレフィン系樹脂で形成されている保形性の多筒型容器。
  2. 外筒を形成するオレフィン系樹脂がエチレン系樹脂、プロピレン系樹脂及び4-メチル-1-ペンテン系樹脂から選ばれる1種以上である請求項に記載の保形性の多筒型容器。
  3. 外筒を形成する熱可塑性ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートイソフタレート及びポリブチレンテレフタレートから選ばれる1種以上である請求項1〜の何れかに記載の保形性の多筒型容器。
  4. 外筒がその内壁に複数個の凹部及び凸部を備えている請求項1〜の何れかに記載の保形性の多筒型容器。
  5. 外筒がその内壁に備えている複数個の凹部及び凸部が反射、光輝等を生ずる程度に微細である請求項1〜の何れかに記載の保形性の多筒型容器。
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