JP3618695B2 - 線材表面加工装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属線材製造工程等において適用され、線材表面のスケール除去、酸化被膜除去または表面下地形成等の処理を簡便かつ高能率で行なえるようにした線材表面加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に金属線材等の製造工程においては、素材となる新線材からダイスを通して目的の線径に加工するが、この線材製造工程においては、新線材製造段階やダイス加工後に行う熱処理の際に酸化被膜が発生したり、スケールが付着する。そこで、このような新線材製造段階で発生する酸化被膜の除去、新線材を目的の線径にダイス加工した後に行う熱処理で発生する酸化被膜除去、および線材のメッキ処理の前工程としての表面下地形成など、線材表面を加工する工程が必要となる。なお、線材の製造工程では複数本の線材が並行して加工され、それぞれの線材の線径も相違しているのが通常である。
【0003】
従来、これらの工程では塩酸等の薬品により表面処理を行っている。塩酸等の薬品処理の場合、処理効果が金属表面と薬品との化学反応速度に依存するため、処理すべき金属表面の対象物、すなわち酸化被膜の厚さや性状、および線材の線径の相違などによって、適切な反応時間を調節する必要がある。
【0004】
また、前記のように、複数本の線材を並行して加工しているのが通常であるため、大型の薬品槽に大量の薬品を貯蔵し、この薬品槽に各線材ラインを通過させて表面加工を行っている。表面加工の調節は、線材のライン速度と薬品との接触時間にて調節される。線材表面加工工程で使用される薬品は、金属との化学反応を起こし、加工時間に従って化学変化していくので、反応を維持するために薬品の補充や交換も必要となる。
【0005】
また、薬液槽内には金属との反応や他の不純物が増加していくため、薬品の再生等のための設備や処理も必要になる。さらに、金属表面加工に用いられる薬品には強酸等が用いられることが多く、また金属との反応速度を上げるために薬品を加熱して使用する場合もあって非常に危険であるため、ここで発生する薬品蒸気を凝縮中和する設備も必要になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の線材表面加工工程では、薬品による化学反応処理が用いられているため、作業環境として危険な環境であるばかりでなく、薬品などの廃棄物が大量に発生する等の問題点があった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、線材製造工程等において薬品使用等による化学的手段に代え、機械的手段のみで線材表面の酸化被膜除去や表面加工を行なえるようにし、設備の簡素化と同時に優れた表面処理効果が得られる線材表面加工装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、請求項1に係る発明では、処理すべき線材の外径よりも大きい内径を持ち、前記線材をその軸方向に沿って連続的に挿通させることができる一定長さの加工管と、この加工管に接続される高速空気流動手段および研掃材供給手段とを備え、前記加工管は、その加工管の軸方向一端側に配置されて外部から空気を導入することができる空気入口と、この空気入口と同一位置またはそれよりも前記加工管の他端側位置に配置されて外部から研掃材を導入することができる研掃材入口と、これら空気入口および研掃材入口から導入された空気および研掃材を混合させる混合室と、この混合室から前記加工管の他端側に向って前記空気と前記研掃材との混合体を前記線材の周囲に沿って乱流状態で流動させる一定長さの管主部と、この管主部の混合体流れ方向下流側に配置されて前記混合体を外部に排出することができる混合体出口とを有するものであり、前記高速空気流動手段は、前記加工管の空気入口および混合体出口の少なくともいずれか一方に接続されて前記管主部にて前記混合体に乱流を発生させるものであり、前記研掃材供給手段は、前記加工管の研掃材入口に連続的に研掃材を供給するものであることを特徴とする線材表面加工装置を提供する。
【0010】
請求項2に係る発明では、請求項2記載の線材表面加工装置において、加工管に乱流発生手段として、前記加工管の内径を線材の外径よりも大径として管内を乱流が発生し得る狭隘空間とする手段、前記加工管に拡径部、縮径部もしくはその両方を設けて減圧により乱流を発生させる手段、この拡径部内に螺旋状その他の通路形成体を設けて乱流を発生させる手段、前記加工管の内面に流路抵抗体もしくは偏流発生部材を突設して乱流を発生させる手段、またはこれらのいずれか2以上を組合せる手段を備えたことを特徴とする線材表面加工装置を提供する。
【0011】
請求項3に係る発明では、請求項1または2記載の線材表面加工装置において、加工管の混合体出口部よりも混合体の流れ方向下流側の内面に、高耐摩耗性の管壁防護部材を設けたことを特徴とする線材表面加工装置を提供する。
【0012】
請求項4に係る発明では、請求項1から3までのいずれかに記載の線材表面加工装置において、加工管の混合体出口部よりも混合体の流れ方向下流側の位置に空気シール部を設けるとともに、研掃材混合室よりも上流側に空気流入室を設けたことを特徴とする線材表面加工装置を提供する。
【0013】
請求項5に係る発明では、請求項1から4までのいずれかに記載の線材表面加工装置において、加工管の少なくとも一部を開放可能としたことを特徴とする線材表面加工装置を提供する。
【0014】
請求項6に係る発明では、請求項1から5までのいずれかに記載の線材表面加工装置において、加工管を複数、並列に設置したことを特徴とする線材表面加工装置を提供する。
【0015】
請求項7に係る発明では、請求項1から6までのいずれかに記載の線材表面加工装置において、加工管から排出される混合体から研掃材を回収する研掃材回収手段を備えたことを特徴とする線材表面加工装置を提供する。
【0016】
請求項8に係る発明では、請求項7記載の線材表面加工装置において、研掃材回収手段で回収した研掃材を研掃材供給系統に還流させる研掃材還流手段を備えたことを特徴とする線材表面加工装置を提供する。
【0017】
請求項9に係る発明では、請求項1〜8までのいずれかに記載の線材表面加工装置において、加工管の空気入口の下流に研掃材との混合を行わせる混合室を設けたことを特徴とする線材表面加工装置を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る線材表面加工装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0019】
第1実施形態(図1〜図3)
図1は本発明の第1実施形態による線材表面加工装置の全体構成を示す説明図である。図2は、図1に示した加工管を拡大して示す断面図であり、図3は図2のA−A線断面図である。
【0020】
図1に示すように、本実施形態の線材表面加工装置は、処理すべき線材1をその軸方向に沿って連続的に挿通させることができる一定長さの加工管2と、この加工管2に接続される高速空気流動手段3、研掃材供給手段4、研掃材回収手段5および研掃材還流手段6等とを備えて構成されている。
【0021】
線材1は例えば鋼等の金属線であり、ダイス加工により円形断面を有するものとして成形されている。この線材1のコイルを引出して熱処理工程で熱処理した後に、本実施形態の線材表面加工装置に挿通してスケール除去、酸化被膜除去等を行い、その後一連の連続処理として後段のメッキ工程に送り出し、システム的に処理するものである。なお、本実施形態で処理対象とする線材1は、例えば直径3mmのものである。
【0022】
加工管2は線材1の外径よりも僅かに大きい内径(例えば10mmφ)を有する直線状で、全長が例えば600mmの水平な管として構成されている。なお、加工管2は図示しない所定の支持構造によって固定されている。
【0023】
図2は加工管2の構成を拡大して示している。この図2に示すように、加工管2は軸方向両端部にそれぞれフランジ10,11を有し、これらフランジ10,11の外側面に加工管2の内部を閉塞するためのディスク状のシール体取付板12,13およびシール体14,15が設けられている。シール体取付板12,13には線材1が自由に挿通し得る円形孔が形成され、シール体14,15には線材1の外周面に極めて接近する小孔の円形孔が形成されている。なお、本実施形態においては線材1が図2の左方より右方(矢印a方向)に向って移動する場合について説明する。
【0024】
加工管2の線材送出端側(図の右端側)には、シール板取付板13と一定距離離間して対向する配置で、このシール板取付板13と略同形状のディスク状の空気入口側仕切板16が設けられている。これらシール板取付板13および空気入口側仕切板16と、加工管2の周壁部分とによって囲まれる円柱状の空間により、空気流入室17が形成されている。そして、この空気流入室17に臨む加工管2の周壁部分には、外部から管が貫通して形成された空気入口室18が設けられ、この空気入口室18を介して外部から空気流入室17に空気7を導入することができる空気入口ユニット18aが構成されている。
【0025】
また、空気流入室17に隣接する加工管2の周壁部分は、高耐摩耗性材料からなる混合体入口ユニット19として構成されている。この混合体入口ユニット19の内部空間が、空気流入室17と連通する研掃材混合室20とされている。即ち、混合体入口ユニット19には、外部から管が貫通して形成された研掃材入口21が設けられ、この研掃材入口21を介して、外部から研掃材混合室20内に研掃材8を導入することができるようになっている。この研掃材混合室20内では、隣接する空気流入室17から流入する空気7と研掃材入口21から流入する研掃材8とが混合する。
【0026】
なお、研掃材8には、100μmオーダーの硬質材微粒子、例えばアルミナその他の各種セラミックス、スチール、硬質ガラス等の粒子が適用される。
【0027】
研掃材混合室20を形成する周壁ユニット19には、長尺な加工主部ユニット22が連結されている。この加工主部ユニット22は加工管2の主部を構成するものであり、その内部では線材1の移動方向a(図の左方から右方に向う方向)に対し、空気7と研掃材8との混合体9が対抗する方向(矢印b方向;図の右方から左方に向う方向)に、乱流となって流動しつつ、線材1の外周面に接触する作用、即ち研掃作用が行われる。この研掃作用によって、線材1の表面に形成されているスケールや酸化被膜が剥離される。
【0028】
また、加工主部ユニット22のさらに加工管2の他端側(図の左端側)には、混合体出口ユニット23と、出口シールユニット24とが連結されている。混合体出口ユニット23は、上述した混合体入口ユニット19と略同様の材料により構成され、その周壁に管が貫通して形成される混合体出口25が設けられている。また、混合体出口25の加工管2他端側(左端側)には、ディスク状の混合体出口側仕切板26が設けられ、さらにこれら混合体出口25と混合体出口側仕切板26との間には、高耐摩耗材料からなる管壁防護部材としての保護筒27が設けられている。この保護筒27は、線材1をその内部に挿通する形で、混合体出口ユニット23の混合体出口25下流側の壁全体を遮蔽する状態で配置されている。
【0029】
さらに、出口シールユニット24は、空気入口ユニット18aと略対称的な構成とされている。即ち、この出口シールユニット24は、加工管2の左端側、即ち線材1の導入端側に位置している。そして、前述したシール取付板12と、これと軸方向で一定距離離間して対向配置された前述したディスク状の空気出口側仕切板26と、出口シールユニット24の周壁部分とによって囲まれる空間により、空気シール室28が形成されている。また、出口シールユニット24の周壁部分に外部から管が貫通して形成された第2空気入口29が設けられている。この第2空気入口29から、空気シール室28内にシール用の空気が供給されて充満し、さらに余分な空気は、隣接する空気出口側仕切板26の中心部の隙間を介して混合体出口ユニット23の内部空間に流入し、混合体出口25を介して外部に排出される。
【0030】
次に、本実施形態では、高速空気流動手段3として、圧縮空気を供給する空気供給系統30が設置されている。この空気供給系統30は、空気圧縮機またはブロア等の空気加圧装置31を備えている。そして、この空気圧縮機またはブロア等の空気加圧装置31が、加工管2の一端側(右端側)に設けた空気入口18と、他端側(左端側)に設けた第2空気入口29とに対し、分岐した空気配管32,33を介してそれぞれ接続されている。これにより、空気加圧装置31で加圧された空気は、各空気配管32,33を経て、加工管2の両端部に配置された空気入口18,29から空気流入室17と空気シール室28とにそれぞれ流入する。
【0031】
また、研掃材供給手段4は、研掃材8を収容した研掃材供給槽35と、この研掃材供給槽35から研掃材8を加工管2の研掃材入口21に供給する研掃材供給配管39とにより構成されている。そして、空気供給系統30による高速空気供給とともに、研掃材供給槽35から空気研掃材入口21に研掃材が連続的に供給されるようになっている。
【0032】
さらに、研掃材回収手段5は、使用済研掃材を回収するための研掃材回収手段としてのサイクロンセパレータ36、その他ダストフィルタ37および集塵機38等を備えて構成される。研掃材供給槽35は、研掃材供給配管39を介して研掃材入口21に接続されている。サイクロンセパレータ36は、空気7と研掃材8との混合体9を排出するための混合体出口25に、排出管40を介して接続されている。このサイクロンセパレータ36が研掃材供給槽35に回収管41を介して接続されている。研掃材8を供給するための研掃材供給槽35、さらにサイクロンセパレータ36にダストフィルタ37および集塵機38が排気管42,43を介して接続されている。
【0033】
なお、研掃材供給槽35側には、高圧となる研掃材混合室20側からの逆流防止のため、図示しないが例えばロータリバルブあるいは中間槽等の逆流防止手段が設けられている。また、図3に示すように、加工管2の上半部は、適宜のヒンジ機構等によって開口できる構成としてある。
【0034】
次に作用を説明する。
【0035】
線材1は従来と同様の線材製造工程で巻取り装置により牽引されている。空気圧縮機あるいはブロア等の空気加圧装置31から送気された空気7は、加工管2の空気流入室17に流入した後、研掃材混入室20で研掃材8と混合されて加速され、高速混合体となって加工管2の加工主部ユニット22内に入る。加工主部ユニット22の周壁は線材1の外径より僅かに大きい内径をしているため、加工主部ユニット22内では研掃材8が高速の乱流状態となり、線材1に衝突しながら混合体出口25から加工管2の外部に流出する。
【0036】
また、加工管2の内径が小さいことにより、研掃材8が線材1に衝突する回数が増加し、研掃材8の流量を減少させることができるとともに、研掃材8に与えられたエネルギの無駄を少なくし、加工効果の増大を図ることができる。加工管2の外部に流出した空気は、サイクロンセパレータ36やダストフィルタ37で研掃くずや剥離した酸化被膜等を除去される。研掃材8は回収され、再利用される。
【0037】
なお、図1および図2に示した例では、加工管2を一定径の小径管体として構成したが、本実施形態では加工管2に大径部を設けることができる。即ち、図1,図2に示した構成においては、加工管2の全体が小径部となっているので、空気7と研掃材8との混合体9は、その小径部において、より加速された状態で乱流となり、線材1と衝突する。しかし、研掃材8は高速で流動するため、線材1と研掃材8との衝突回数には一定の制限がある。
【0038】
そこで、例えば、加工管2の空気流れ方向上流側、すなわち研掃材混入室17側の部分を径の小さい小径部とし、下流側である加工主部ユニット22の部分を径の大きい拡径部とした場合には、小径部から出た研掃材8としての粒体が拡径部で再び流れが乱されて乱流状態となり、これにより線材1と再度衝突を開始させることができる。したがって、拡径部を設けることによって研掃材8の線材1への衝突回数を増大させて、加工効率を大幅に向上させることが可能となる。
【0039】
加工管2の後部には空気シール室28が設置され、この空気シール室28には、空気流入室17の上流の空気が導かれて加工管2内より圧力が高くなることから、加工管2内を流れる研掃材8が空気シール室28に流入することはなく、研掃材8の外部への流出を防止することができる。即ち、加工管2内の空気は、空気流入室7や空気シール室28よりも常に圧力が低くなっているため、研掃材8が外部に流出することが防止される。
【0040】
また、空気流入室17の下流側に研掃材混合室20が設けられ、空気7と研掃材8との混合流体6が直線的に流れるため、研掃材8を上流で混合した場合のような空気流入室17内での流路変更がなく、摩耗を防止することができる。また、加工管2は図3に示したように、上部を開放できる構造としているので、線材1の装着や加工管2内の保守を容易に行うことができる。
【0041】
以上のように、本実施形態によれば、加工対象となる線材1の外径よりも大きい内径を持つ加工管2内に、線材1を挿通して連続的に移動させながら、加工管2内にその長さ方向一端側から他端側に向けて空気7と研掃材8とを混合体9として高速で流動させ、加工管2内で混合体9を乱流状態で線材2の表面に接触させるようにしたので、機械的方法によって線材1に表面加工を施すことが可能となる。したがって、線材製造工程等において薬品使用等による化学的手段を適用する必要なく線材表面の酸化被膜除去や表面加工を行なえるので、設備の簡素化と同時に優れた表面処理効果が得られるようになる。
【0042】
また、本実施形態の構成によると、線材1の外径よりも大きい内径を持ち、線材1をその軸方向に沿って連続的に挿通させることができる一定長さの加工管2と、この加工管2に接続される高速空気流動手段3と、研掃材供給手段4とを備え、加工管2は、その加工管2の軸方向一端側に配置されて外部から空気を導入することができる空気入口18と、この空気入口18よりも加工管2の他端側位置に配置されて外部から研掃材8を導入することができる研掃材入口21と、これら空気入口18および研掃材入口21から導入された空気7および研掃材8を混合させる混合室20と、この混合室20から加工管2の他端側に向って混合体9を線材1の周囲に沿って乱流状態で流動させる一定長さの管主部としての加工主部ユニット22と、この加工主部ユニット22の混合体流れ方向下流側に配置されて混合体9を外部に排出することができる混合体出口25とを有するものであるから、構成が極めて簡素である。
【0043】
また、加工管2の混合体出口25よりも混合体9の流れ方向下流側の内面に、高耐摩耗性の管壁防護部材としての保護筒27を設けたことにより、混合体出口25が混合体9の流れ方向に直交する状態で配置されている場合においても、流れ方向下流側の部分における摩耗防止が有効に図れる。さらに、加工管2の混合体出口25よりも混合体9の流れ方向下流側の位置に空気シール室28を設けるとともに、研掃材混合室20よりも上流側に空気流入室17を設けたことにより、混合体の管外への流出や、外気の管内への流入等を防止して高能率の線材表面加工が行なえる。そして、前述したように、加工管2の少なくとも一部を開放可能としたことにより、線材1の装着や、管壁の補修等が容易に行なえる等の効果が奏される。
【0044】
さらに、加工管2から排出される混合体9から研掃材8を回収する研掃材回収手段5を設け、さらに研掃材回収手段5で回収した研掃材を研掃材供給系統に還流させる研掃材還流手段6を設けたことにより、使用済の研掃材8でも粒径が大きく再使用できるものは有効に利用できるようになり、資源の有効活用も図れる。
【0045】
第2実施形態(図4)
本実施形態は、複数の加工管2を配置して多量の線材1を加工する場合に好適なシステム構成についてのものである。図4は、本実施形態を示すシステム構成図である。
【0046】
この図4に示すように、本実施形態では第1実施形態と略同様の加工管2が複数台、並列に設置されており、各加工管2の研掃材入口21には、一括して研掃材を供給するための研掃材供給装置44が接続されている。
【0047】
なお、前述した第1実施形態では、空気圧縮機またはブロア等の空気加圧装置31を設置し、加工管2内に加圧空気を導入する構成としたのに対し、本実施形態では、吸引ブロア等の吸引装置45を設け、各加工管2の混合体出口25からヘッダ46を介し、サイクロンセパレータ36およびダストフィルタ37等を介して吸引作用を行うことにより、加工管2内に研掃材8を流動させるようになっている。
【0048】
即ち、本実施形態においては、加工管2の空気入口21が大気吸込用の吸込口とされている。また、吸引によって混合体出口25を負圧にすることから、第1実施形態における空気シール室28および第2空気入口29等は不要となっている。なお、サイクロンセパレータ36において回収された研掃材8は、戻し配管47を介して研掃材供給装置44に戻す構成としてある。
【0049】
本実施形態によれば、複数の加工管2を並列に配置して多数の線材1を同時に表面加工することができ、その場合に空気吸引方式を採用して研掃材8を混合流動させて線材1の表面加工を行う構成としたことにより、簡便な構成で能率のよい線材1の表面加工が行える。
【0050】
第3実施形態(図5)
本実施形態は、加工管2に乱流発生手段として拡径部を設け、減圧により乱流を発生させるとともに、この拡径部内に螺旋状その他の通路形成体を設けて乱流を発生させるようにしたものである。図5は、乱流発生手段を設けた加工管2の内部構成を示している。
【0051】
本実施形態においては、空気7と研掃材8との混合体9を流通させるための加工管2が、上流側においては線材1の外径より若干大きいだけの小径部分2aとなっているが、下流側の部分では例えば内径が2倍程度に拡大された拡径部48として構成されている。そして、拡径部48内には、さらに螺旋形状の乱流発生部材49が設置されている。この乱流発生部材49は、例えばコイルスプリング状に形成されている。なお、他の構成については、前記第1実施形態と同様であるから、図5に図1等と同一の符号を付して、説明を省略する。
【0052】
このような構成によると、まず、加工管2の上流側の小径部2aから出た研掃材8が拡径部48に流入する際に減圧されて乱流となり、これにより混合体9の線材1表面への接触回数が増大する。また、拡径部48内にはコイルスプリング状の乱流発生部材49が設置されているので、混合体9の乱れの力によって乱流発生部材49が振動するとともに、この乱流発生部材49が円形断面および螺旋状の外表面形状を有することにより、研掃材8が乱流発生部材49に当接した後に、ランダムな角度に跳ね返る作用が行なわれる。したがって、このような乱流により、線材1に研掃材8が衝突する効率をさらに倍増させることができる。
【0053】
なお、乱流発生部材49の外径を拡径部48の内径よりも僅かに小さくしておけば、研掃材8を加工管2の中心に集める機能が得られ、拡径部48の周壁への研掃材8の衝突を減少させることができる。これにより、乱流発生部材49が同時に管内面への研掃材8の衝突防止用のバッファとしても機能させることができ、加工管2の拡径部48の内面摩耗を大幅に減少させる効果が得られる。
【0054】
第4実施形態(図6〜図8)
本実施形態は、乱流発生手段として、流路抵抗体もしくは偏流発生部材を突設して乱流を発生させる構成を採用したものである。図6は乱流発生機構を示す全体断面図であり、図7は図6のB−B線拡大断面図である。図8は乱流についての作用説明図である。
【0055】
図6および図7に示すように、この第4実施形態では、加工管2の内部に流路抵抗体もしくは偏流発生部材として、複数の柱状体50が設置されている。これらの柱状体50は、例えば加工管2の軸心から偏心した位置に、その軸心と直交する方向に沿って突設されている。そして、複数の柱状体50が例えば交互に千鳥状に配列されている。また、各柱状体50は、例えば混合体9の流れ方向の上流側が広く、下流側が狭い断面台形状のものとされている。
【0056】
このような構成の柱状体50による乱流発生手段によると、空気7と研掃材8との混合体9が加工管2内を流動する際に、柱状体50と接触する。これにより、図8に示すように、柱状体50の後流側にカルマン渦が発生し、この乱流発生によって線材1の表面に研掃材8が接触する回数が増加し、加工性を向上させることができる。
【0057】
本実施形態において、柱状体50を加工管2内に角度を変えて複数設置することにより、乱流を連続的に発生させることができる。なお、柱状体50は偏流を発生させる偏流発生部材としても機能する。なお、偏流発生手段としては、本実施形態で示した構成のほか、図示しないがバッフル板、あるいは偏心ロータを適用することもできる。
【0058】
以上の第4実施形態によれば、加工管2の内部に、必要に応じて乱流発生機構を設けることにより、さらに加工効率を向上させることができる。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、薬品による化学反応によって線材の表面加工を行っていた従来技術に比し、機械的な手段によって線材の表面加工が可能になり、薬品を使用することによる問題点を解消することができるとともに、線材より大きい口径の加工管を用いることで線材表面加工装置としての構成のコンパクト化が図れ、線材1本当りの加工管の設置場所が少なくて済むことにより、複数本の同時並行加工を行うことが可能となる等、表面加工の能率も大幅に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る線材表面加工装置の第1実施形態を示す全体説明図。
【図2】図1の要部を拡大して示す断面図。
【図3】図2のA−A線に沿う拡大断面による説明図。
【図4】本発明に係る線材表面加工装置の第2実施形態を示す全体説明図。
【図5】本発明に係る線材表面加工装置の第3実施形態の構成を示す断面図。
【図6】本発明に係る線材表面加工装置の第4実施形態の構成を示す断面図。
【図7】図6のB−B線に沿う拡大断面図。
【図8】図6に示した第4実施形態の作用説明図。
【符号の説明】
1 線材
2 加工管
3 高速空気流動手段
4 研掃材供給手段
5 研掃材回収手段
6 研掃材還流手段
7 空気
8 研掃材
9 混合体
10,11 フランジ
12,13 シール体取付板
14,15 シール体
16 空気入口側仕切板
17 空気流入室
18 空気入口
18a 空気入口ユニット
19 混合体入口ユニット
20 研掃材混合室
21 研掃材入口
22 加工主部ユニット
23 混合体出口ユニット
24 出口シールユニット
25 混合体出口
26 混合体出口側仕切板
27 保護筒
28 空気シール室
29 第2空気入口
30 空気供給系統
31 空気加圧装置
32,33 空気配管
35 研掃材供給槽
36 サイクロンセパレータ
37 ダストフィルタ
38 集塵機
39 研掃材供給配管
40 排出管
41 回収管
42,43 排気管
44 研掃材供給装置
45 吸引装置
46 ヘッダ
47 戻し配管
48 拡径部
49 乱流発生部材
50 柱状体

Claims (9)

  1. 処理すべき線材の外径よりも大きい内径を持ち、前記線材をその軸方向に沿って連続的に挿通させることができる一定長さの加工管と、この加工管に接続される高速空気流動手段および研掃材供給手段とを備え、前記加工管は、その加工管の軸方向一端側に配置されて外部から空気を導入することができる空気入口と、この空気入口と同一位置またはそれよりも前記加工管の他端側位置に配置されて外部から研掃材を導入することができる研掃材入口と、これら空気入口および研掃材入口から導入された空気および研掃材を混合させる混合室と、この混合室から前記加工管の他端側に向って前記空気と前記研掃材との混合体を前記線材の周囲に沿って乱流状態で流動させる一定長さの管主部と、この管主部の混合体流れ方向下流側に配置されて前記混合体を外部に排出することができる混合体出口とを有するものであり、前記高速空気流動手段は、前記加工管の空気入口および混合体出口の少なくともいずれか一方に接続されて前記管主部にて前記混合体に乱流を発生させるものであり、前記研掃材供給手段は、前記加工管の研掃材入口に連続的に研掃材を供給するものであることを特徴とする線材表面加工装置。
  2. 請求項1記載の線材表面加工装置において、加工管に乱流発生手段として、前記加工管の内径を線材の外径よりも大径として管内を乱流が発生し得る狭隘空間とする手段、前記加工管に拡径部、縮径部もしくはその両方を設けて減圧により乱流を発生させる手段、この拡径部内に螺旋状その他の通路形成体を設けて乱流を発生させる手段、前記加工管の内面に流路抵抗体もしくは偏流発生部材を突設して乱流を発生させる手段、またはこれらのいずれか2以上を組合せる手段を備えたことを特徴とする線材表面加工装置。
  3. 請求項1または2記載の線材表面加工装置において、加工管の混合体出口部よりも混合体の流れ方向下流側の内面に、高耐摩耗性の管壁防護部材を設けたことを特徴とする線材表面加工装置。
  4. 請求項1から3までのいずれかに記載の線材表面加工装置において、加工管の混合体出口部よりも混合体の流れ方向下流側の位置に空気シール部を設けるとともに、研掃材混合室よりも上流側に空気流入室を設けたことを特徴とする線材表面加工装置。
  5. 請求項1から4までのいずれかに記載の線材表面加工装置において、加工管の少なくとも一部を開放可能としたことを特徴とする線材表面加工装置。
  6. 請求項1から5までのいずれかに記載の線材表面加工装置において、加工管を複数、並列に設置したことを特徴とする線材表面加工装置。
  7. 請求項1から6までのいずれかに記載の線材表面加工装置において、加工管から排出される混合体から研掃材を回収する研掃材回収手段を備えたことを特徴とする線材表面加工装置。
  8. 請求項7記載の線材表面加工装置において、研掃材回収手段で回収した研掃材を研掃材供給系統に還流させる研掃材還流手段を備えたことを特徴とする線材表面加工装置。
  9. 請求項1〜8までのいずれかに記載の線材表面加工装置において、加工管の空気入口の下流に研掃材との混合を行わせる混合室を設けたことを特徴とする線材表面加工装置。
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