JP3617174B2 - Paper feeding device and printing device using the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホッパ内に積層された用紙を給紙ローラによって一枚ずつ送り出す給紙装置及びこれを用いた印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタに使用される給紙装置として、ホッパの最上位の用紙をその表面に当接する給紙ローラで所定の送り方向へ送り出しつつ、送り出される用紙の先端をホッパに連なる傾斜面に当接させ、そのときの用紙の撓みを利用して最上位の用紙をその下の用紙から分離してホッパ外の所定位置(例えば印刷位置)に供給するものが知られている(例えば特開平2−132018号公報、米国特許第5026042号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種の装置では、傾斜面の性質、例えば勾配や摩擦係数等によって用紙の分離性能が限定され、適用可能な用紙の種類が限られる。
【0004】
そこで、本発明では、種々の用紙をそれらの剛性に拘りなく確実に分離できる信頼性の高い給紙装置及び印刷装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以下、本発明の実施形態を示す図面に対応付けて本発明を説明する。但し、本発明は図示の形態に限定されない。
【0006】
請求項1の発明は、用紙Sを積層状態で収容するホッパ3と、ホッパ3に収容された用紙Sの表面に当接して当該用紙Sを所定の送り方向へ送り出す給紙ローラ41とを具備し、ホッパ3の送り方向の端部には、ホッパ3から送り出される用紙Sが突き当たるようにして壁部5が設けられ、壁部5には、ホッパ3よりも上方へ離れるに従って送り方向に漸次傾く傾斜面51と、傾斜面51から突出するストッパ61とが設けられ、傾斜面51には、ストッパ61の用紙Sに対する接触面610よりも摩擦係数の高い摩擦部53が設けられた給紙装置を特徴とする。この発明によれば、用紙Sがストッパ61を乗り越えるときの撓みを利用して用紙の分離を促進できる。また、傾斜面51の摩擦部53を利用して用紙Sに分離作用を与えることもできる。
【0007】
請求項2の発明では、請求項1の給紙装置において、ストッパ61が傾斜面51に対して出没可能とされている。従って、用紙Sの剛性が小さいときにはストッパ61を傾斜面51から突出させ、剛性が大きいときにストッパ61を傾斜面51下に格納して傾斜面51の摩擦部53による分離効果を発揮させるように、用紙Sの剛性に応じて分離効果を使い分けることができる。
【0008】
請求項3の発明では、請求項1の給紙装置において、摩擦部53は、傾斜面51から突出したストッパ61と用紙Sの先端とが接触を開始する位置P1(図4参照)よりも送り方向に偏った位置で用紙Sの先端と接触を開始するように設けられている。また、請求項4の発明では、請求項1の給紙装置において、傾斜面51から突出したストッパ61の接触面610と傾斜面51とが交差する位置P1よりも送り方向に偏った領域に限って摩擦部53が傾斜面51上に露出している。
【0009】
請求項3、4の発明によれば、壁部5に沿って用紙Sが移動を開始する時点では摩擦部53と用紙Sとが接触しない。従って、用紙Sの移動開始時に壁部5と用紙Sとの間に働く静止摩擦力を低下させて給紙ローラ41の空転を防止できる。一方、用紙Sが移動を開始した後は摩擦部53により用紙Sに抵抗を与えてその分離を促すことができる。
【0010】
請求項5の発明では、請求項1の発明において、傾斜面51にはストッパ61に対して用紙の幅方向に並べて溝部52が設けられ、摩擦部53は、溝部52内から送り方向に引き出されて傾斜面51上に露出するように設けられている。この発明においても、壁部5に沿って用紙Sが移動を開始する時点では摩擦部53と用紙Sとが接触しないから、用紙Sの移動開始時に壁部5と用紙Sとの間に働く静止摩擦力を低下させて給紙ローラ41の空転を防止できる。一方、用紙Sが移動を開始した後は摩擦部53により用紙Sに抵抗を与えてその分離を促すことができる。加えて、摩擦部53の一部が溝部52内にあるため、傾斜面51に摩擦部53を接合する場合にその接合面積を大きく確保して接合強度を増加させつつ、摩擦部53が傾斜面51上に露出する範囲を制限できる。しかも、摩擦部53の端部が用紙Sの先端で押されることもないからその剥がれが防止される。
【0011】
請求項6の発明では、請求項1の給紙装置において、給紙ローラ41が用紙Sの幅方向に間隔をおいて二以上設けられ、摩擦部53は、各給紙ローラ41a、41bから用紙Sに作用する力F1、F2の合力F3の作用線AL(図参照)に対して用紙Sの幅方向に対称に配置されている。この発明によれば、摩擦部53における抵抗により用紙Sが斜行(送り方向に対して斜めに移動する状態)するおそれがない。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の給紙装置2と、給紙装置2の壁部5よりも送り方向前方に配置されて用紙Sにインク滴を噴出する印刷ヘッド13と、を備えたことを特徴とするものである。従って、用紙Sの供給不良に起因する印刷ミスを減らすことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1〜図6は、本発明をインクジェットプリンタに適用した実施形態を示すものである。図2から明らかなように、このインクジェットプリンタは、用紙Sに所定の印刷を施す印刷機構1と、この印刷機構1に用紙Sを一枚ずつ供給する給紙装置2とを有する。用紙Sは、一定寸法の矩形状に裁断されたいわゆる単票用紙である。
【0014】
印刷機構1には、ガイドレール10に沿って往復移動するキャリッジ11と、キャリッジ11に支持されたインクカートリッジ12及び印刷ヘッド13が設けられる。ガイドレール10は、給紙装置2から供給される用紙Sの幅方向、すなわち用紙Sの表面と平行でかつ用紙Sの送り方向(図中の矢印A方向)と直交する方向に配置される。印刷時には、キャリッジ11が不図示の駆動源(例えばモータ)にて往復駆動されつつ印刷ヘッド13からその下方を通過する用紙Sに向かってインク滴が噴出され、それにより用紙Sに文字や図形が印刷される。なお、用紙Sの送り方向はその用紙Sの移動経路の構成によって適宜変化するが、図2ではホッパ3から用紙Sが送り出される方向によって代表している。以下でも特に断らない限り送り方向は図2の矢印A方向を意味する。
【0015】
給紙装置2は、用紙Sを積層状態で収容するホッパ3と、ホッパ3から用紙Sを送り出すための送出機構4と、ホッパ3から送り出される用紙Sが突き当たるように設けられた壁部5と、その壁部5に設けられたストッパ機構6と、壁部5よりも用紙Sの送り方向前方に配置されて印刷ヘッド13の直下に用紙Sを搬送する搬送機構7とを有する。
【0016】
ホッパ3には、プリンタに対して着脱可能な給紙カセット30が設けられる。給紙カセット30は、プリンタフレーム8に形成されたカセット受け面80、81により、その先端300側(用紙Sの排出端側)を下にして斜めに傾いた状態で支持される。給紙カセット30の内部には押上板31が設けられ、この押上板31の上面310に用紙Sが積層される。図1に示したように、押上板31の側方には、用紙Sをその幅方向(図1の上下方向)に挟み込む一対の用紙ガイド32、33が設けられる。図1において下側に配置された第1の用紙ガイド32は固定され、反対側の第2の用紙ガイド33は用紙Sの幅方向に移動自在である。
【0017】
押上板31に載置される用紙Sは第1の用紙ガイド32に突き当てられて幅方向に位置決めされ、その位置決めされた用紙Sに第2の用紙ガイド33が突き当てられる。従って、ホッパ3内に収容された用紙Sは、その用紙幅に拘りなく、第1の用紙ガイド32に突き当たる側がほぼ一定位置となるよう保持される。
【0018】
図2に示すように、押上板31は給紙カセット30の後端301側に設けられた回動軸34を中心として回動可能であり、ばね35により送出機構4側に付勢される。これにより用紙Sの先端側が押し上げられる。なお、回動軸34は用紙Sの幅方向と平行である。押上板31は例えば樹脂にて形成され、その素材が露出する上面310の摩擦係数は比較的小さい。従って、積層された用紙Sの相互間の摩擦抵抗と比較して、ホッパ3内の最下位の用紙Sと押上板31の上面310との間の摩擦抵抗は小さく、そのため、用紙Sの枚数が少ないとき(例えば2、3枚のとき)には全ての用紙Sが押上板31の上面310を滑って一度に送り出されるおそれがある。そこで、押上板31の上面310には、最下位の用紙Sをホッパ3内に拘束するための摩擦部材36が取付けられる。摩擦部材36としては例えばコルクが使用される。
【0019】
図1及び図2に示したように、送出機構4は、用紙Sの幅方向と平行な支持軸40と、支持軸40上に間隔をおいて取付けられた一対の給紙ローラ41a、41b及び5枚のカラー42a、42b、42c、42d、42eを有する。なお、各給紙ローラ41a、41bを区別する必要がないときはこれらを給紙ローラ41と表記し、各カラー42a〜42eを区別する必要がないときはこれらをカラー42と表記する。
【0020】
支持軸40は、不図示の駆動源により図2の時計方向及び反時計方向の双方に回転可能である。給紙ローラ41は略半円形状に形成され、支持軸40と一体に回転可能である。支持軸40の外周には、その摩擦係数を高めるためにゴム等の摩擦部材(不図示)が被せられる。カラー42は給紙ローラ41よりも幾らか小径の円板状に形成され、支持軸40に対して相対的に回転自在である。支持軸40が図2の時計方向に回転して給紙ローラ41の円周部分がホッパ3と対向すると、押上板31にて押し上げられた用紙Sが給紙ローラ41の外周に押し付けられ、それによりホッパ3の最上位の用紙Sが押し出される。給紙ローラ41の回転が進行してその切り欠かれた部分がホッパ3側に繰り出されると、ホッパ3内に残された用紙Sがカラー42の外周面に突き当てられる。これにより、用紙Sの送出完了後、次の用紙Sの送り出しが開始される迄の間、用紙Sの浮き上がりが阻止され、その結果、用紙Sの浮き上がりに起因する重送が防がれる。
【0021】
図1に示したように、カラー42としては、一対の給紙ローラ41の間の中心線L上に配置される第1のカラー42aと、第1の用紙ガイド32に近い側の第1の給紙ローラ41aと第1のカラー42aとの間に配置される第2のカラー42bと、第1の給紙ローラ41aよりも第1の用紙ガイド32に近づけて配置された第3のカラー42cと、第1の用紙ガイド32から遠い側の第2の給紙ローラ41bと第1のカラー42aとの間に配置される第4のカラー42dと、第1の用紙ガイド32に対して第2の給紙ローラ41bよりも遠ざけて配置された第5のカラー42eとが設けられている。このため、用紙ガイド32に突き当てられる用紙Sの幅により、給紙ローラ41a、41b及びカラー42a〜42eと用紙Sとの接触数が変化する。なお、図1の用紙S1は官製はがき(100mm×148mm)を、用紙S2はA4用紙(210mm×297mm)若しくはレター用紙(216mm×279mm)をそれぞれ想定したものである。
【0022】
押上板31の摩擦部材36は、給紙ローラ41a、41b及びそれらに隣接する第2のカラー42b及び第4のカラー42dと対向するように一対設けられている。これにより、押上板31に作用するばね35の力を給紙ローラ41a、41b及びカラー42b、42dと摩擦部材36との間に直線的に作用させて摩擦部材36による用紙Sの分離効果を高めることができる。
【0023】
図2に示したように、壁部5はプリンタフレーム8に一体に形成される。壁部5の詳細を図3及び図4に示す。壁部5には、給紙カセット30の先端から下降する用紙Sを受け止める用紙受け面50と、この用紙受け面50の上方に連続し、給紙カセット30から上方へ離れるに従って用紙Sの送り方向へ傾く傾斜面51とが形成される。給紙カセット30から送り出される用紙Sは壁部5を乗り越えて搬送機構7側へ移動する。図1にも示したように、傾斜面51には抜き孔510が設けられ、その抜き孔510内に上述したストッパ機構6が配置される。なお、傾斜面51は湾曲させてもよく、その表面に送り方向へ延びる突条部511を設けてもよい。突条部511が設けられている場合には、その突条部511の上面によって傾斜面51の形状が規定される。
【0024】
ストッパ機構6は、ホッパ3の底側に用紙Sの幅方向と平行に設けられた回転軸60を中心に回動して傾斜面51から出没可能なストッパ61と、このストッパ61を傾斜面51からホッパ3側へ突出するように付勢するコイルばね62とを有する。回転軸60及びコイルばね62はフレーム8に支持される。ストッパ61には用紙Sに対する接触面610が設けられる。ストッパ61が傾斜面51から突出した状態では、用紙Sの送り方向に関して傾斜面51よりも接触面610の方が勾配が大きい。
【0025】
図4(a)に示したように、ストッパ61が傾斜面51から最大に突出したときに、接触面610と傾斜面51とが交差する位置P1は、ホッパ3から送り出された用紙Sの先端が壁部5に突き当たる位置にほぼ等しい。なお、ホッパ3内の用紙Sの枚数に応じて押上板31の角度が変化し、それに応じて用紙Sの先端が壁部5と接触を開始する位置も変化する。従って、上記の交差位置P1は、用紙Sの先端の接触位置が傾斜面51側に最も偏るとき、すなわちホッパ3内の用紙Sの枚数が最も少ないときを基準に設定することが望ましい。
【0026】
ストッパ61はプリンタフレーム8と同じく樹脂にて形成され、その剛性は接触面610に突き当たる用紙Sが押す力に抗して一定形態を保つように高く設定されている。コイルばね62がストッパ61を押す力は、用紙Sの剛性に応じてストッパ61が傾斜面51から出没するように設定され、それにより用紙Sの剛性に応じた適切な分離効果が保障される。
【0027】
すなわち、剛性の大きい用紙S(例えばはがきや封筒のような厚紙)が接触面を押すときには、図3に実線で示すようにストッパ61が傾斜面51とほぼ同一面まで押し込まれ、用紙Sの先端が傾斜面51を滑りつつホッパ3から送り出される。このとき、ホッパ3から複数の用紙Sが同時に送り出されても、それらの用紙Sは傾斜面51に突き当たったときの撓みによって容易に相互に分離される。その結果、最上位の用紙Sのみが給紙ローラ41に押されて傾斜面51を乗り越える。一方、薄くて剛性の小さい用紙Sがストッパ61を押すときには、図4(a)に示すようにその用紙ではばね62を圧縮することなくストッパ61が傾斜面51から突出し、図4(b)、(c)に示したように、用紙Sはストッパ61を乗り越えるようにして送り出される。この場合、ストッパ61が傾斜面51下に没した場合と比較して用紙Sの先端部が大きく撓むので、剛性の小さい用紙Sでも十分に分離され、最上位の用紙Sよりも下の用紙Sがストッパ61にて確実に拘束される。
【0028】
このように剛性の小さい用紙Sは専らストッパ61にて分離されるので、傾斜面51の勾配は剛性の大きい用紙Sに対して適切な分離作用が働くように設定すればよく、それにより種々の用紙Sをそれらの剛性の大小に拘りなく確実に分離できる。なお、剛性の小さい用紙Sに合わせて傾斜面51の勾配を大きく設定した場合には、剛性の大きい用紙Sが傾斜面51を乗り越えられず、用紙Sがホッパ3内に止まったまま給紙ローラ41が空転するおそれが大きい。
【0029】
図1に示すように、用紙Sの幅方向に関してストッパ61は一対の給紙ローラ41の中心線L上に配置されている。このため、給紙ローラ41aのみと接触する用紙S1と、給紙ローラ41a、41bの双方に接触する用紙S2の双方に対して共通のストッパ61を利用でき、ストッパ61の個数が最小限で足りる。また、用紙Sの幅方向に関して、一対の給紙ローラ41a、41bの間を略二等分する位置にストッパ61の抵抗が加わるから、用紙Sの斜行が防がれる。なお、図1に想像線で示すように、第1の給紙ローラ41aと第1の用紙ガイド32との間にストッパ機構6を追加してもよい。
【0030】
傾斜面51には、用紙Sの送り方向において一対の給紙ローラ41の延長上に位置するようにして凹部512が設けられる。図1に想像線S´で示したように、給紙ローラ41に押された用紙Sの先端部はこれらの凹部512に落ち込むように変形すると同時に、凹部512の間の略中央位置でストッパ61にて反対方向へ押し返される。これにより用紙Sの分離効果が高まる。なお、凹部512を抜き孔510と同一形状に形成し、ストッパ機構6を凹部512内に設置可能としてもよい。
【0031】
図1及び図5に示したように、壁部5には凹部512と用紙Sの幅方向に並ぶようにして一対の溝部52が形成されている。これらの溝部52には摩擦部材53がそれぞれ接着され、それらの摩擦部材53は溝部52から送り方向へ引き出されて傾斜面51上に露出する。これらの摩擦部材53は、傾斜面51の摩擦係数をストッパ61の接触面のそれよりも高めて傾斜面51による用紙Sの分離性能を改善する。なお、傾斜面51に突条部511が設けられる場合、摩擦部材53の傾斜面51上への露出部分は、突条部511の上面と略同一高さに設定する。
【0032】
摩擦部材53が傾斜面51上に露出する位置P2は、傾斜面51に最大に突出したストッパ61の接触面610と傾斜面51とが交差する位置P1(図4(a)参照)よりも送り方向に偏っている。その理由は、壁部5に突き当てられて静止する用紙Sの先端と壁部5との間の静止摩擦力を小さくして用紙Sが移動を開始するときの給紙ローラ41の空転を防止するとともに、用紙Sが移動を開始した後は傾斜面51と用紙Sとの間の摩擦抵抗を増加させて用紙Sの分離効果を高める点にある。なお、用紙Sの剛性によって位置P1が変化するときは、剛性の最も大きい用紙Sを使用した場合を基準として位置P1を決定することが望ましい。
【0033】
剛性の大きい用紙は、前述のようにストッパ61を傾斜面51とほぼ同一面まで押し込んで傾斜面51を滑るため、摩擦部材53により分離効果が高められる。剛性の小さい用紙は、給紙ローラ41の送り力により凹部512に落ち込むように変形しやすいため、ストッパ61が突出した状態にあっても、その凹部512の横に隣接する摩擦微罪53にも容易に接触し、分離効果が高められる。
【0034】
用紙Sの幅方向に関する摩擦部材53の取り付け位置は給送ローラ41a、41bの間の中心線Lに対して対称に設定し、それにより給紙ローラ41から用紙Sに作用する送り力と摩擦部材53の抵抗とを均衡させて用紙Sの斜行を防止する。この点は、給紙ローラ41とストッパ61との関係と同じである。好ましくは、ストッパ61と間隔をおいて、給紙ローラ41のほぼ延長線付近が有効である。
【0035】
摩擦部材53は、ポリエステルフィルムの表面にアルミナの粒子を付着したもの、その他公知の高摩擦部材で構成される。なお、溝部52を設けることなく摩擦部材53を図6の位置P2よりも送り方向に離れた領域に限って傾斜面51に貼り付けてもよい。但し、摩擦部材53の一部を溝部52に収容した場合には、摩擦部材53の端部が用紙Sの先端に押されて剥がれるおそれがなく、しかも摩擦部材53と壁部5との接合面積が増加して接合強度が改善される。摩擦部材53に代えて、傾斜面51の一部に摩擦係数を高める加工を施してもよい。
【0036】
壁部5を乗り越えた用紙Sは搬送機構7の搬送ローラ70と従動ローラ71との間に導かれる。搬送ローラ70は、用紙Sが給紙ローラ41にて所定長さ送り出されるまで図2の時計方向に回転駆動され、その後に図2の反時計方向へ回転駆動される。これにより用紙Sの先端が搬送ローラ70の軸線方向に揃えられつつ印刷機構1側へ送られる。
【0037】
本発明は上述した実施形態に限らず、種々の形態にて実施可能である。例えば摩擦部材53は二個所に限らず、一個所あるいは三個所以上設けてもよい。給紙カセット30の用紙ガイド32、33を用紙幅方向に関して互いに逆方向に対称に連動させ、それにより用紙Sの中心線を用紙幅に拘りなくホッパ3の中心と常に一致させる給紙装置であっても本発明は適用できる。幅の等しい給紙ローラ41a、41bに代え、図6に示すように相互に幅の異なる給紙ローラ41c、41dを使用してもよい。この場合、各給紙ローラ41c、41dの送り力F1、F2の大きさが互いに異なるため、それらの送り力F1、F2の合力F3の作用線ALに対して用紙Sの幅方向に対称に1又は2以上のストッパ機構6を設けるとよい。摩擦部材53についても作用線ALに対称(すなわち図21においてδ1=δ2)に配置するとよい。3個以上の給紙ローラ41が使用される場合も同様である。
【0038】
ストッパ61の位置は手動で切り替えるようにしてもよい。また、例えば第2の給紙ローラ41bの近傍にのみストッパ61を配置することにより、幅の大きい用紙S2のみをストッパ61に当接させ、はがきのように幅の小さい用紙S1はストッパ61に当接することなく摩擦部材53上を移動するように構成してもよい。この場合、ストッパ61は傾斜面51から突出したままでもよい。ストッパ61をゴム等の弾性材料で構成して用紙Sの押す力で幾らか変形させるようにしてもよい。その場合でも、用紙Sに対して、傾斜面51とストッパ61の接触面610の二種類を選択的に接触させる限りは、従来よりも分離可能な用紙の種類を拡大できる。本発明の給紙装置は、インクジェットプリンタに限らず、レーザープリンタ等の他のプリンタ、コピー機、ファクシミリ等の各種の印刷装置に適用できる。用紙を水平に保持する給紙装置であっても本発明は適用できる。
【0039】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1〜6の給紙装置によれば、傾斜面から突出したストッパによる用紙の分離作用と、傾斜面に設けた摩擦部の分離作用とを利用して種々の用紙を確実に分離できる。加えて、請求項2の発明によれば、ストッパを出没させてストッパによる分離作用と摩擦部による分離作用とを使い分けることにより、対応可能な用紙の範囲を拡大できる。請求項3〜5の発明によれば、用紙が移動を開始する際の給紙ローラの空転を防止するとともに、用紙が移動を開始した後は摩擦部にて用紙を確実に分離できるようになるから、給紙ミスをより確実に防止できる。特に請求項5の発明によれば、傾斜面からの摩擦部の剥がれを防止して給紙装置の耐久性を向上させることができる。請求項6の発明によれば用紙の斜行を防止して給紙ミスをより確実に防止できるようになる。
【0040】
請求項7の発明では、請求項1〜6の給紙装置の優れた給紙性能を利用して、用紙の供給不良に起因する印刷ミスが少なくて信頼性の高いインクジェットプリンタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタのホッパから印刷機構に至る部分を図2の矢印I方向から示した平面図。
【図2】本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタのホッパから印刷機構に至る部分の縦断面図。
【図3】剛性の大きい用紙によってストッパが押し込まれた状態を示す図。
【図4】剛性の小さい用紙がストッパを乗り越えて送り出される状態を示す図。
【図5】図1のV −V 線に沿った断面図。
【図6】幅が異なる給紙ローラを使用したときのストッパと傾斜面上の摩擦部材の配置を示す図。
【符号の説明】
1…印刷機構
2…給紙装置
3…ホッパ
4…送出機構
5…壁部
6…ストッパ機構
7…搬送機構
8…プリンタフレーム
13…印刷ヘッド
30…給紙カセット
31…押上板
41…給紙ローラ
42…カラー
51…壁部の傾斜面
52…溝部
53…摩擦部材
61…ストッパ
62…コイルばね
610…ストッパの接触面[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a sheet feeding device that feeds sheets stacked in a hopper one by one by a sheet feeding roller, and a printing apparatus using the sheet feeding device.
[0002]
[Prior art]
As a paper feeding device used in the printer, while feeding the uppermost paper of the hopper in a predetermined feeding direction with a paper feeding roller that comes into contact with the surface, the leading edge of the paper to be fed is brought into contact with an inclined surface connected to the hopper, It is known that the uppermost sheet is separated from the sheet underneath by using the bending of the sheet at that time and is supplied to a predetermined position (for example, printing position) outside the hopper (for example, Japanese Patent Laid-Open No. 2-132018). Gazette, U.S. Pat. No. 5,260,042).
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
In this type of apparatus, the sheet separation performance is limited by the properties of the inclined surface, such as the gradient and the coefficient of friction, and the types of applicable sheets are limited.
[0004]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a highly reliable paper feeding device and printing device that can reliably separate various paper sheets regardless of their rigidity.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
Hereinafter, the present invention will be described with reference to the drawings illustrating embodiments of the present invention. However, the present invention is not limited to the illustrated form.
[0006]
The invention of
[0007]
According to the second aspect of the present invention, in the paper feeding device of the first aspect, the
[0008]
According to a third aspect of the present invention, in the paper feeding device of the first aspect, the
[0009]
According to the third and fourth aspects of the present invention, the
[0010]
According to a fifth aspect of the present invention, in the first aspect of the invention, the
[0011]
According to a sixth aspect of the present invention, in the paper feeding device of the first aspect, two or more
[0012]
According to a seventh aspect of the present invention, the
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
1 to 6 show an embodiment in which the present invention is applied to an ink jet printer. As is apparent from FIG. 2, the ink jet printer includes a
[0014]
The
[0015]
The
[0016]
The hopper 3 is provided with a
[0017]
The sheet S placed on the push-up
[0018]
As shown in FIG. 2, the push-up
[0019]
As shown in FIGS. 1 and 2, the feeding mechanism 4 includes a
[0020]
The
[0021]
As shown in FIG. 1, as the
[0022]
A pair of
[0023]
As shown in FIG. 2, the
[0024]
The
[0025]
As shown in FIG. 4A, when the
[0026]
The
[0027]
That is, when a sheet S having high rigidity (for example, a thick sheet such as a postcard or an envelope) presses the contact surface, the
[0028]
Since the sheet S having a small rigidity is exclusively separated by the
[0029]
As shown in FIG. 1, the
[0030]
The
[0031]
As shown in FIGS. 1 and 5, a pair of
[0032]
The position P2 at which the
[0033]
As described above, the sheet having high rigidity pushes the
[0034]
The attachment position of the
[0035]
The
[0036]
The sheet S that has passed over the
[0037]
The present invention is not limited to the above-described embodiment, and can be implemented in various forms. For example, the number of
[0038]
The position of the
[0039]
【The invention's effect】
As described above, according to the sheet feeding device of the first to sixth aspects, various functions can be achieved by utilizing the sheet separating action by the stopper protruding from the inclined surface and the separating action of the friction portion provided on the inclined surface. The paper can be reliably separated. In addition, according to the second aspect of the present invention, the range of sheets that can be handled can be expanded by using the separating action by the stopper and the separating action by the friction portion by moving the stopper in and out. According to the third to fifth aspects of the invention, it is possible to prevent the paper feeding roller from slipping when the paper starts to move, and to reliably separate the paper at the friction portion after the paper starts to move. Therefore, it is possible to more reliably prevent paper feeding errors. In particular, according to the invention of
[0040]
According to the seventh aspect of the invention, the excellent paper feeding performance of the paper feeding device of the first to sixth aspects can be used to provide a highly reliable ink jet printer with few printing errors due to poor paper supply.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a plan view showing a portion from a hopper to a printing mechanism of an ink jet printer according to an embodiment of the present invention from the direction of arrow I in FIG.
FIG. 2 is a longitudinal sectional view of a portion from the hopper to the printing mechanism of the ink jet printer according to the embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a diagram illustrating a state where a stopper is pushed in by a sheet having high rigidity.
FIG. 4 is a diagram illustrating a state in which a sheet with low rigidity is fed over a stopper.
5 is a cross-sectional view taken along the line V-V in FIG.
FIG. 6 is a diagram illustrating an arrangement of a stopper and a friction member on an inclined surface when paper feed rollers having different widths are used.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (7)
前記ホッパに収容された用紙の表面に当接して当該用紙を所定の送り方向へ送り出す給紙ローラと、を具備し、
前記ホッパの前記送り方向の端部には、前記ホッパから送り出される用紙が突き当たるようにして壁部が設けられ、
前記壁部には、前記ホッパよりも上方へ離れるに従って前記送り方向に漸次傾く傾斜面と、前記傾斜面から突出するストッパとが設けられ、
前記傾斜面には、前記ストッパの前記用紙に対する接触面よりも摩擦係数の高い摩擦部が設けられていることを特徴とする給紙装置。A hopper for storing sheets in a stacked state;
A paper feed roller that contacts the surface of the paper stored in the hopper and feeds the paper in a predetermined feeding direction;
A wall portion is provided at an end portion of the hopper in the feeding direction so that a sheet fed from the hopper hits,
The wall portion is provided with an inclined surface that gradually inclines in the feeding direction as it moves upward from the hopper, and a stopper that protrudes from the inclined surface,
The sheet feeding device, wherein the inclined surface is provided with a friction portion having a higher coefficient of friction than a contact surface of the stopper with respect to the sheet.
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