JP3617047B2 - アンテナおよび情報伝達装置 - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、アンテナおよび情報伝達装置に関する。特に、複数のループアンテナを、その中心部が一致するように、同一平面上に配置することにより、通信距離を延長することができるようにしたアンテナおよび情報伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、自動改札システムなどで用いられている定期券には、磁気的に情報が記録されており、自動改札機では、定期券が挿入されると、その磁気記録がなされている部分に磁気ヘッドを接触させて、情報を読み取るようになされている。
【0003】
このため、利用者は、定期券をケースに収納している場合には、そこから取り出して、自動改札機に挿入する必要があり、面倒であった。
【0004】
そこで、本件出願人は、非接触カードシステムを先に提案している。この非接触カードシステムによれば、非接触で情報のやりとり(データ通信)などを行うことができるので、これを、上述したような自動改札システムに適用した場合には、利用者は、定期券をケースに収納したままでも、自動改札機を出入りすることが可能となる。
【0005】
図19は、本件出願人が、先に提案した非接触カードシステムの構成例を示している。この非接触カードシステムは、上述した定期券に相当するICカードと、電磁波を媒体としてICカードに対して、非接触で電源となる電力を供給するとともに、データの読み書きやその他必要な処理を行うリーダ/ライタで構成されている。
【0006】
リーダ/ライタは、次のように構成されている。即ち、ホストコンピュータ91は、例えば図示せぬ他の装置や、あるいはシステムの管理者の指示に対応して、所定のアプリケーションプログラムをディジタル信号処理部92に送信してロードさせたり、リーダ/ライタの動作モードを決めたり、あるいはディジタル信号処理部92から、後述するようにして受信されたデータを読み出すようになされている。
【0007】
ディジタル信号処理部92は、ホストコンピュータ92から送信されてきたアプリケーションプログラムをロードし、そのプログラムにしたがった処理を行うようになされている。また、ディジタル信号処理部92は、ホストコンピュータ92の指示にしたがって、アンプ94の増幅率を制御したり、あるいはアンプ100より送信されてきたデータを受信し、そのデータに対して所定の処理を施し、ホストコンピュータ91に送信するようになされている。
【0008】
キャリア発生器93は、その一方の出力端子がループアンテナ97の一端と接続され、また他方の出力端子がアンプ94の入力端子に接続されており、所定の周波数のキャリアを出力するようになされている。アンプ94は、電圧制御型のアンプで、その出力端子は、抵抗(ドライブインピーダンス)95を介して、ループアンテナ97の他端と接続されている。上述したように、アンプ94における増幅率は、ディジタル信号処理部92によって制御されるようになされており、従ってキャリア発生器93が出力するキャリアは、ディジタル信号処理部92によってアンプ94の増幅率が変化されることにより振幅変調されるようになされている。
【0009】
コンデンサ96は、その一端が、キャリア発生器93とループアンテナ97との接続点と接続され、他端が、抵抗95とループアンテナ97との接続点に接続されている。ループアンテナ97は、コイルと等価であるから、コンデンサ96とループアンテナ97とで共振回路(並列共振回路)が構成されている。なお、ループアンテナ97は、例えばプリント基板上にパターンとして形成されている。
【0010】
抵抗95とループアンテナ97との接続点には、検波用のダイオード98のアノードが接続されており、そのカソードは、カップリングコンデンサ(結合コンデンサ)99を介して、アンプ100の入力端子と接続されている。そして、アンプ100の出力端子は、ディジタル信号処理部92と接続されている。
【0011】
次に、図20のフローチャートを参照して、その動作について説明する。リーダ/ライタでは、まず最初に、ステップS1において、電磁波として、コマンドおよび必要ならば書き込みデータが送出され、さらに一定期間、無変調波が送出される。即ち、まずホストコンピュータ91において、他の装置や、あるいはシステムの管理者の指示に対応して、所定のアプリケーションプログラムおよび必要ならな書き込みデータがディジタル信号処理部92に送信される。その後、ホストコンピュータ91では、ディジタル信号処理部92に対し、起動がかけられる。
【0012】
ディジタル信号処理部92は、ホストコンピュータ91からプログラムを受信すると、それを内蔵するメモリにロードする(書き込みデータも受信した場合には、それも記憶される)。そして、ホストコンピュータ91から起動がかけられると、ロードしたプログラムにしたがって処理を行う。即ち、例えばICカードに対して処理を指示するコマンドや、ICカードに実行させるべきプログラム、その他の書き込みデータなどに対応して、アンプ94の増幅率を制御する。
【0013】
アンプ94には、キャリア発生器93からキャリアが入力されており、従ってアンプ94では、キャリアが、ディジタル信号処理部92からのコマンドや、プログラム、データにしたがって振幅変調されて出力される。よって、キャリア発生器93とアンプ94とは振幅変調器を構成しているということができる。
【0014】
アンプ94より出力された振幅変調波は、抵抗95を介して、共振回路を構成するコンデンサ(共振容量)96およびループアンテナ97に出力される。このコンデンサ96およびループアンテナ97で構成される共振回路の共振周波数は、キャリア発生器93が出力するキャリアの周波数に設定されており、従ってアンプ94より出力された振幅変調波は、ループアンテナ97より電磁界として、効率良く放射される。
【0015】
その後、リーダ/ライタでは、ディジタル信号処理部92によって、アンプ94の増幅率が一定値になるように制御され、これにより無変調波が、上述した振幅変調波と同様にして、電磁界として、効率良く放射される。
【0016】
そして、ステップS2に進み、ICカードから応答があったか否かが判定される。ここで、ICカードから応答があったか否かは、次のようにして判定される。即ち、ICカードにおいては、後述するように、ループアンテナ31とコンデンサ(共振容量)32とが並列に接続されて共振回路が構成されている。さらに、コンデンサ32には、コンデンサ38とFET(NチャネルFET)39とが直列接続された直列回路が並列接続されており、従って、FET39がオン/オフすることで、共振回路は、ループアンテナ31およびコンデンサ32、またはループアンテナ31、コンデンサ32、および39で構成されるようになり、その共振周波数(インピーダンス)が変化するようになされている。
【0017】
ICカードでは、リーダ/ライタに応答する場合、FET39をオン/オフするようになされており、これにより、その共振回路の共振周波数(インピーダンス)を変化させる。この場合、ICカードとリーダ/ライタとが、ループアンテナ31と97との間で相互誘導を生じる距離にあれば、上述したように無変調波に対応する電磁界を放射しているリーダ/ライタのコンデンサ96とループアンテナ97との接続点である点AおよびBからループアンテナ97側を見たインピーダンスは、FET39のオン/オフに対応して変化することになり、従って点A(B)の電圧も変化することになる。点Aにおける電圧は、ダイオード98で検波され、コンデンサ99で直流分をカットされ、さらにアンプ100で増幅されて、ディジタル信号処理部92に入力されるので、ICカードから応答があったか否かは、ディジタル信号処理部92において、アンプ100からの信号に基づいて判定される。
【0018】
ステップS2において、ICカードから応答がなかったと判定された場合、即ちICカードとリーダ/ライタとが、ループアンテナ31と97との間で相互誘導を生じる距離にない場合、ステップS1に戻り、再びステップS1からの処理を繰り返す。また、ステップS2において、ICカードから応答があったと判定された場合、ステップS3に進み、ディジタル信号処理部92において、上述したように得られる応答としてのアンプ100の出力信号が復調され、その復調データに基づいて、必要な処理が行われて、処理を終了する。
【0019】
次に、ICカードについて説明する。ICカードは、次のように構成される。即ち、ループアンテナ31とコンデンサ32とは並列に接続されている。ループアンテナ31は、上述したループアンテナ97と同様にコイルと等価であるから、ループアンテナ31とコンデンサ32とは並列共振回路を構成している。ループアンテナ31とコンデンサ32との接続点の一方は、コンデンサ38の一端に接続されており、他方は、FET39のソースと接続されている。そして、FET39のドレインは、コンデンサ38の他端と接続されている。
【0020】
ループアンテナ31とコンデンサ32との接続点と、コンデンサ38との接続点には、抵抗33の一端、およびダイオード83のアノードが接続されている。ダイオード83は、整流、検波用のもので、そのカソードは、定電圧レギュレータ37の入力端子と接続されている。
【0021】
抵抗33の他端には、複数のダイオードが直列に多段接続されたダイオード群81のアノード、およびダイオード群82のカソードが接続されている。ダイオード群81のカソード、およびダイオード群82のアノードは、ともにFET39のソースと接続されている。なお、FET39のソースは接地されている。
【0022】
ダイオード83と、定電圧レギュレータ37の入力端子との接続点には、平滑用のコンデンサ35の一端が接続されており、その他端は接地されている。定電圧レギュレータ37は、その入力端子に印加される電圧を、所定の一定の電圧VDDに安定化して、その出力端子から出力するようになされている。定電圧レギュレータ37の出力端子には、バイパスコンデンサ36の一端が接続されており、その他端は接地されている。なお、定電圧レギュレータ37はアース端子を有し、そのアース端子は接地されている。
【0023】
カップリングコンデンサ40の一端は、ダイオード83と定電圧レギュレータ37との接続点に接続されており、その他端は、アンプ41の入力端子と接続されている。アンプ41は、その入力端子に入力される信号を増幅して出力端子から出力するようになされており、その出力端子は、ディジタル信号処理部42の入力端子に接続されている。ディジタル信号処理部42は、アンプ41から入力される信号に対応して、所定の処理を行うようになされている。また、ディジタル信号処理部42は出力端子を有し、その出力端子は、FET39のゲートに接続されている。従って、FET39は、ディジタル信号処理部42より、そのゲートに印加される電圧に対応してオン/オフするようになされている。
【0024】
なお、アンプ41およびディジタル信号処理部42は、定電圧レギュレータ37が出力する電圧VDDが電源として供給されるようになされている。また、アンプ41およびディジタル信号処理部42はアース端子を有し、そのアース端子は接地されている。さらに、ディジタル信号処理部42は、不揮発性メモリ43を内蔵し、アンプ41からのデータなどを記憶し、また記憶したデータなどに応じて、FET39をオン/オフさせるようになされている。
【0025】
次に、図21のフローチャートを参照して、その動作について説明する。ICカードでは、まず最初に、ステップS11において、リーダ/ライタから放射された電磁波が受信される。即ち、ICカードが、リーダ/ライタに近づけられ、ループアンテナ31と97との間で相互誘導を生じる距離となると、ループアンテナ31は、ループアンテナ97より放射された電磁界(磁束)のうち、そこに鎖交する磁束の変化(磁界の変化)に応じて逆起電力を生じる。このようにして発生した電圧のうち、ループアンテナ31およびコンデンサ32で構成される共振回路の共振周波数を中心とする所定の周波数帯域のものは、効率良く、後段のブロックに通過される。
【0026】
なお、ループアンテナ31およびコンデンサ32で構成される共振回路の共振周波数は、例えばリーダ/ライタが有するキャリア発生器93が発生するキャリアの周波数とされている。
【0027】
そして、ステップS12に進み、動作するのに電源を必要とするブロックであるアンプ41およびディジタル信号処理部42に、電圧VDDが電源として供給され、さらにループアンテナ31およびコンデンサ32で構成される共振回路を通過した信号が検波される。
【0028】
即ち、ループアンテナ31およびコンデンサ32で構成される共振回路を通過した信号は、ダイオード83を介することにより整流され、さらに平滑用のコンデンサ35を介することによりリップルが除去される。このリップルの除去された信号は、定電圧レギュレータ37に供給され、そこで安定化されることにより所定の一定電圧VDDとされる。そして、この電圧VDDが、電源として、アンプ41およびディジタル信号処理部42に供給される。
【0029】
以上のようにして、アンプ41およびディジタル信号処理部42に電源が供給され、その動作が可能な状態となった後、ループアンテナ31およびコンデンサ32で構成される共振回路を通過した信号は、ダイオード83を介することにより検波され、コンデンサ40に供給される。
【0030】
そして、ステップS13に進み、リーダ/ライタから電磁波として放射されたコマンドやデータなどが、ディジタル信号処理部42に出力される。即ち、コンデンサ40では、ダイオード83で検波された信号から直流分が除去され、アンプ41に供給される。アンプ41では、コンデンサ40からの信号が、必要なレベルに増幅され、ディジタル信号処理部42に供給される。
【0031】
ディジタル信号処理部42では、ステップS14において、アンプ41から供給された信号に含まれるコマンドが解釈され、ステップS15に進み、そのコマンドが、書き込みを要求するものであるか否かが判定される。ステップS15において、コマンドが書き込みを要求するものであると判定された場合、ステップS16に進み、アンプ41から供給された信号に含まれるデータが、不揮発性メモリ43に書き込まれ、ステップS17に進む。
【0032】
また、ステップS15において、コマンドが書き込みを要求するものでないと判定された場合、ステップS16をスキップして、ステップS17に進み、そのコマンドが、読み出しを要求するものであるか否かが判定される。ステップS17において、コマンドが読み出しを要求するものであると判定された場合、ステップS18に進み、データの読み出し処理が行われ、ステップS19に進む。即ち、ステップS18では、不揮発性メモリ43に記憶されているデータが読み出され、そのデータに対応して、FET39のゲートに電圧が印加され、ステップS19に進む。
【0033】
ここで、FET39は、そのゲートに印加される電圧に応じてオン/オフし(なお、通常は、オフ状態になっている)、FET39がオンになった場合には、ループアンテナ31およびコンデンサ32でなる並列共振回路に、コンデンサ38が並列に接続されることになるので、上述したようにして、リーダ/ライタにおける点Aの電圧は、読み出されたデータに対応して変化することになる。
【0034】
また、ステップS17において、コマンドが読み出しを要求するものでないと判定された場合、ステップS19に進み、そのコマンドに対応した処理、即ち、例えばアンプ41から供給された信号に含まれるプログラムを実行するなどの処理が行われ、処理を終了する。
【0035】
なお、ICカードが、リーダ/ライタに極端に近づけられた場合、ループアンテナ31において、高い電圧(過剰電圧)(過電圧)が発生し、これによりICカードに、大きな電流(過剰電流)(過電流)が流れ、ICカードが損傷することが考えられる。そこで、ICカードでは、そのような大きな電流が、ループアンテナ31およびコイル32でなる共振回路から出力された場合に、そのうちの一部をバイパスさせることにより、共振回路の出力電圧をピーク値が所定値以下に制限するようになされている。
【0036】
即ち、例えば、いまダイオード83に順方向電圧または逆方向電圧が印加されるときに、ループアンテナ31およびコイル32でなる共振回路から出力される電流の極性を、それぞれ正極性または負極性というとすると、共振回路から正極性の電流が出力されている場合に、抵抗33とダイオード群82との間の電位差が、所定値以上になると、抵抗33およびダイオード群82を介してバイパス電流が流れ、また負極性の電流が流れている場合に、ダイオード群81と抵抗33との間の電位差が、所定値以上になると、ダイオード群81および抵抗33を介してバイパス電流が流れるようになされている。
【0037】
従って、ダイオード群81または82それぞれが、例えば5個のダイオードで構成されており、順方向に電流が流れるときの、各ダイオードにおける電圧降下が、例えば0.7Vだとすると、ループアンテナ31およびコンデンサ32の接続点間の電位差が3.5(=0.7×5)V以上になろうとすると、抵抗33およびダイオード群82、またはダイオード群81および抵抗33を介してバイパス電流が流れ、これによりループアンテナ31およびコンデンサ32の接続点間の電位差は、3.5V以下に制限される。
【0038】
よって、抵抗33、ダイオード群81、および82は保護回路を構成しているということができる。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、以上のような非接触カードシステムでは、ICカードとリーダ/ライタとの間の通信距離を延ばすことが望まれる。ICカードとリーダ/ライタとが離れていても、ICカードに対し、充分な電力を供給するとともに、正確に受信可能なデータを伝送するには、例えばリーダ/ライタのループアンテナ97から発生させる磁界の強度を強くする方法がある。そして、ループアンテナ97から発生させる磁界を強くするには、そこに印加する電圧を高くしたり、ループアンテナ97の巻数を減らし、そのインダクタンスを小さくする方法などがある。
【0040】
しかしながら、以上の方法によりループアンテナ97が発生する磁界を強くする場合、ICカードとリーダ/ライタとが接近したときに、ICカードのループアンテナ31の端子間に大きな過電圧が生じ、保護回路があっても、ICカードが損傷するおそれがある課題があった。さらに、電波法には、電界の放射位置から3mの距離の位置において、電界強度が500μV/m以下としなければならない旨が規定されているが、磁界を強くする場合には、それに伴い、電界の強度も強くなり、電波法に抵触することになる。
【0041】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ICカードの損傷や電波法への抵触その他の副作用を生じさせることなく、ICカードとリーダ/ライタとの通信距離を延長することができるようにするものである。
【0042】
【課題を解決するための手段】
本発明のアンテナは、所定方向の磁界を発生する第1のループアンテナと、ICカードが近接した際、ICカードのアンテナに過電圧が発生するのを防止するように、第1のループアンテナが発生する磁界と反対方向の磁界を発生するように構成された第2のループアンテナと、ICカードとの通信位置から離れた位置の電界を低下させるように、第1のループアンテナが発生する磁界と反対方向の磁界を発生するように構成された第3のループアンテナとを備え、第1、第2および第3のループアンテナは、それらの中心部が一致するように同一平面上に配置され、第1のループアンテナの巻数、面積、それに流れる電流をそれぞれN 1 ,S 1 ,I 1 、第2のループアンテナの巻数、面積、それに流れる電流をそれぞれN 2 ,S 2 ,I 2 、第3のループアンテナの巻数、面積、それに流れる電流をそれぞれN 3 ,S 3 ,I 3 としたとき、第1の式N 1 ×S 1 ×I 1 +N 2 ×S 2 ×I 2 +N 3 ×S 3 ×I 3 =0を満たすように構成されることを特徴とする。
【0043】
第1、第2および第3のループアンテナは、その中心部が一致するように、同一平面上に配置されたM個のループアンテナのうちの3つのループアンテナであり、M個のループアンテナのうちのm(mは、1以上M以下の整数)番目のループアンテナの巻数、面積、各ループアンテナに流れる電流をそれぞれN m ,S m ,I m とするとき、M個のループアンテナは、第1の式に替えて、第2の式ΣN m m m =0を満たすように構成されるようにすることができる。
第1、第2および第3のループアンテナは直列接続されるようにすることができる。
【0044】
本発明の情報伝達装置は、所定方向の磁界を発生する第1のループアンテナと、ICカードが近接した際、ICカードのアンテナに過電圧が発生するのを防止するように、第1のループアンテナが発生する磁界と反対方向の磁界を発生するように構成された第2のループアンテナと、ICカードとの通信位置から離れた位置の電界を低下させるように、第1のループアンテナが発生する磁界と反対方向の磁界を発生するように構成された第3のループアンテナとを備え、第1、第2および第3のループアンテナは、それらの中心部が一致するように同一平面上に配置され、第1のループアンテナの巻数、面積、それに流れる電流をそれぞれN 1 ,S 1 ,I 1 、第2のループアンテナの巻数、面積、それに流れる電流をそれぞれN 2 ,S 2 ,I 2 、第3のループアンテナの巻数、面積、それに流れる電流をそれぞれN 3 ,S 3 ,I 3 としたとき、第1の式N 1 ×S 1 ×I 1 +N 2 ×S 2 ×I 2 +N 3 ×S 3 ×I 3 =0を満たすように構成されることを特徴とする。
【0045】
第1、第2および第3のループアンテナは互いに相似形であるようにすることができる。
第1、第2および第3のループアンテナは直列接続されるようにすることができる。
第1、第2および第3のループアンテナは、その中心部が一致するように、同一平面上に配置されたM個のループアンテナのうちの3つのループアンテナであり、M個のループアンテナのうちのm(mは、1以上M以下の整数)番目のループアンテナの巻数、面積、各ループアンテナに流れる電流をそれぞれN m ,S m ,I m とするとき、M個のループアンテナは、第1の式に替えて、第2の式ΣN m m m =0を満たすように構成されるようにすることができる。
【0046】
【作用】
本発明のアンテナにおいては、所定方向の磁界を発生する第1のループアンテナと、ICカードが近接した際、ICカードのアンテナに過電圧が発生するのを防止するように、第1のループアンテナが発生する磁界と反対方向の磁界を発生するように構成された第2のループアンテナと、ICカードとの通信位置から離れた位置の電界を低下させるように、第1のループアンテナが発生する磁界と反対方向の磁界を発生するように構成された第3のループアンテナとが備えられる。また、第1、第2および第3のループアンテナは、それらの中心部が一致するように同一平面上に配置され、第1のループアンテナの巻数、面積、それに流れる電流をそれぞれN 1 ,S 1 ,I 1 、第2のループアンテナの巻数、面積、それに流れる電流をそれぞれN 2 ,S 2 ,I 2 、第3のループアンテナの巻数、面積、それに流れる電流をそれぞれN 3 ,S 3 ,I 3 としたとき、第1の式N 1 ×S 1 ×I 1 +N 2 ×S 2 ×I 2 +N 3 ×S 3 ×I 3 =0を満たすように構成される。
【0047】
本発明の情報伝達装置においては、所定方向の磁界を発生する第1のループアンテナと、ICカードが近接した際、ICカードのアンテナに過電圧が発生するのを防止するように、第1のループアンテナが発生する磁界と反対方向の磁界を発生するように構成された第2のループアンテナと、ICカードとの通信位置から離れた位置の電界を低下させるように、第1のループアンテナが発生する磁界と反対方向の磁界を発生するように構成された第3のループアンテナとが備えられる。また、第1、第2および第3のループアンテナは、それらの中心部が一致するように同一平面上に配置され、第1のループアンテナの巻数、面積、それに流れる電流をそれぞれN 1 ,S 1 ,I 1 、第2のループアンテナの巻数、面積、それに流れる電流をそれぞれN 2 ,S 2 ,I 2 、第3のループアンテナの巻数、面積、それに流れる電流をそれぞれN 3 ,S 3 ,I 3 としたとき、第1の式N 1 ×S 1 ×I 1 +N 2 ×S 2 ×I 2 +N 3 ×S 3 ×I 3 =0を満たすように構成される。
【0048】
【実施例】
図1は、本発明を適用したリーダ/ライタの一実施例の構成を示している。なお、図中、図19における場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、その説明は省略する。即ち、このリーダ/ライタは、ループアンテナ97に代えて、3個のループアンテナL1,L1’,L1’’がアンテナとして設けられている他は、図19のリーダ/ライタと同様に構成されている。
【0049】
3つのループアンテナL1,L1’,L1’’の形状(断面形状)は、例えばいずれも長方形状にされており、さらにそれらは相似にされている。なお、ループアンテナL1,L1’,L1’’のうちのL1またはL1’’が、それぞれ最も大きなものまたは小さなものとされており、ループアンテナL1’の形状は、ICカード(図19)のループアンテナ31と同一にされている(従って、図19のループアンテナ31の断面形状は、長方形になっている)。また、本実施例では、ループアンテナL1’’は、ループアンテナ31より充分小さいものとされている。
【0050】
そして、それらは、その中心部(例えば、重心など)が、プリント基板上の所定の点Oに一致するように、かつ同一平面上(本実施例では、プリント基板上)に配置されている(なお、図1では、3つのループアンテナL1,L1’,L1’’を、すべてプリント基板の所定の面上に配置してあるが、そのうちのいずれかをプリント基板上の所定の面上に配置し、残りを、その裏面に配置することも可能である(このような場合も、実質的に、3つのループアンテナL1,L1’,L1’’が同一面上に配置されているということができる))。
【0051】
さらに、図1の実施例では、3つのループアンテナL1,L1’,L1’’は、直列に接続されており、また、その接続方法は、電流が流れることにより発生する磁界の方向が、ループアンテナL1と、L1’またはL1’’それぞれとでは反対方向になるようになされている。従って、ループアンテナL1’およびL1’’では、それぞれに電流が流れることにより、同一方向(ループアンテナL1が発生する磁界の方向とは逆方向)に磁界が発生されるようになされている。
【0052】
また、ループアンテナL1,L1’,L1’’は、その巻数および面積(断面積)が所定の条件を満足するようになされている。これにより、最も大きいループアンテナL1は、従来のループアンテナ97より強い磁界を発生し、主として、ICカードとの通信距離を延長するようになされている。また、2番目のループアンテナL1’は、ループアンテナL1が発生する磁界とは反対方向の磁界を発生し、主として、ICカードとリーダ/ライタとが近接した場合に、ICカードのループアンテナ31に鎖交する磁束を低減して、ICカードの損傷を防止するようになされている。さらに、最も小さいループアンテナL1’’は、ループアンテナL1’と同様に、ループアンテナL1が発生する磁界とは反対方向の磁界を発生し、主として、電波法で問題となる、ループアンテナL1,L1’,L1’’から3mの位置における電界を(500μV/m以下に)低下させるようになされている。
【0053】
次に、以上のようなループアンテナL1,L1’,L1’’で構成されるアンテナによって、ICカードの損傷、電波法への抵触などを生じさせることなく、ICカードとリーダ/ライタとの通信距離が延長される原理について説明する。
【0054】
図2は、前述した図19の非接触カードシステムをモデル化した電気回路を示している。電圧源1は、コイルL1に、所定の交流電圧を印加するようになされており、図19のキャリア発生器93、アンプ94、抵抗95、コンデンサ96に相当する。コイル(ループアンテナ)L1は、図19のループアンテナ97(あるいは、図1のループアンテナL1)に相当する。以上の電圧源1およびコイルL1が、図19のリーダ/ライタに相当する。
【0055】
コイル(ループアンテナ)L2は、図19のループアンテナ31に相当する。抵抗R2は、コイルL2の直流抵抗分であり、その一端がコイルL2の一端に接続され、他端が、コンデンサCの一端に接続されている。コンデンサCは、図19のコンデンサ32に相当し、その他端は、コイルL2の他端と接続されている。抵抗Rは、負荷抵抗で、図19のICカードのコンデンサ32より後段の部分に相当する。抵抗Rの一端は、コンデンサCと抵抗R2との接続点に接続されており、またその他端は、コンデンサCとコイルL2との接続点に接続されている。以上のコイルL2、抵抗R2、コンデンサC、および抵抗Rが、図19のICカードに相当する。
【0056】
図2に示す回路図において、いま、電圧源1によりコイルL1に印加される電圧をV1と、その電圧V1によって、コイルL1に流れる電流をI1と、その電流I1がコイルL1に流れることにより発生する磁界による電磁誘導によって、コイルL2に流れる電流をI2と、その電流I2がコイルL2に流れることにより、抵抗Rに印加される電圧をV2と、コイルL1とL2との相互インダクタンスをMと、それぞれすると、式(1)および(2)が、回路理論的に成立する。
【0057】
【数1】
Figure 0003617047
但し、jは、(−1)1/2+90度のロテータを意味し、ωは、電圧源1が出力する交流電圧(キャリア)の角周波数である。
【0058】
式(1)および(2)から、I1およびI2を消去して、電圧V2を、電圧V1で表すと、式(3)に示すようになる。
【0059】
【数2】
Figure 0003617047
【0060】
従って、電圧V2の絶対値|V2|は、式(4)に示すようになる。
【0061】
【数3】
Figure 0003617047
【0062】
ここで、ICカードとリーダ/ライタとの通信距離を延長するには、ICカードにおける電圧V2の絶対値|V2|を大きくする必要がある。そこで、|V2|を最大にするコンデンサCの静電容量を求めてみると、次のようになる。
【0063】
即ち、いま、A=L1×L2−Mとするとともに、式(4)の分母をf(C)とすると、f(C)は、次式に示すようになる。
【0064】
【数4】
Figure 0003617047
【0065】
式(5)をCについて微分し、f(C)の導関数f’(C)を求めると、それは式(6)に示すようになる。
【0066】
【数5】
Figure 0003617047
【0067】
そして、f’(C)=0とし、f(C)の極値(最小値)を与えるCを求めると、それは次式で示すようになる。
【0068】
【数6】
Figure 0003617047
【0069】
式(7)で表されるCは、共振の条件であり、Cが、式(7)で与えられる値とされている場合、|V2|は最大となり、リーダ/ライタから、ICカードに対し、最も効率良く電力の供給およびデータの伝送が行われる。
【0070】
次に、コイルL1,L2のそれぞれインダクタンス、および両者の相互インダクタンスMを、電磁気学的に計算すると、次のようになる。なお、ここでは、コイルL1,L2は、横×縦が、それぞれA1×B1,A2×B2の長方形であるとする。
【0071】
インダクタンスL1またはL2は、例えば「詳細電磁気学演習」、共立出版株式会社、近藤憲一・山崎修一郎 共偏などに記載されているように、式(8)または(9)によりそれぞれ計算することができる。
【0072】
【数7】
Figure 0003617047
【数8】
Figure 0003617047
但し、μは、比透磁率を表し、またr1またはr2は、それぞれコイルL1またはL2を構成する導体の線径を表す。
【0073】
次に、相互インダクタンスMは、次のようにして求めることができる。即ち、図3に示すように、ある導体に電流Iが流れているときに、その導体の一部分(ベクトル)dsによって、そこから距離(ベクトル)rだけ離れた点Pに生じる磁界(ベクトル)dHは、ビオ・サーバル(Biot−Savarl)の法則により、次式で表すことができる。
【0074】
dH=I×ds×r/(4×π×|r|) (10)
但し、式(10)において、dsとrとの間の×は、ベクトルdsとrとの外積(|ds||r|sinθ,θはベクトルdsとrがつくる角度)を意味する。
【0075】
いま、コイルL1が、互いに直行するx,y,z軸で表現されるxyz座標系において、図4に示すように、その重心が、原点(0,0,0)に一致し、その横または縦が、それぞれxまたはy軸と平行になるように配置されている(従って、コイルL1は、xy平面上に位置するように配置されている)ものとすると、コイルL1に電流I1が流れることにより、点(x,y,z)における磁界(ベクトル)Hは、式(10)に示したビオ・サバールの法則から、式(11)のように表される。
【0076】
【数9】
Figure 0003617047
【0077】
但し、式(11)において、aまたはbは、それぞれ式(12)または(13)で示されるものである。
a=1/2×A1 (12)
b=1/2×B1 (13)
また、N1は、コイルL1の巻数を表し、ベクトルi,i,iは、それぞれx,y,z軸方向の単位ベクトルである(従って、i=(1,0,0),i=(0,1,0),i=(0,0,1))。
【0078】
ここで、式(11)から、コイルL1に電流I1が流れることにより、そこから距離DISだけ離れた点に生じる磁界H(以下、適宜、距離−磁界特性という)は、図5に示すようになる。なお、図5(後述する図8および図9についても同様)は、A1=B1の場合、即ちコイルL1の形状が正方形である場合の距離−磁界特性を表している。また、図5は、コイルL1の面積を変化させた場合の距離−磁界特性も示しており、同図から、面積が小さくなるほど、近距離での磁界が強くなり、また面積が大きくなるほど、遠距離での磁界が、近距離での磁界と変わらないことがわかる。また、面積にかかわらず、さらに遠距離では、磁界が同じように減衰していくことがわかる。なお、コイルL1に電流I1が流れることにより、そこから距離DISだけ離れた点に生じる電界E(以下、適宜、距離−電界特性という)も、図5の距離−磁界特性と同様になる。
【0079】
次に、説明を簡単にするために、図6に示すように、コイルL2が、コイルL1と平行な平面内に配置されており、かつその重心がコイルL1と同様にz軸上にあるとすると、コイルL1が発生する磁界Hにより、コイルL2に鎖交する鎖交磁束φは、コイルL1が発生する磁界Hのうちのz成分Hを、コイルL2の断面(図中、斜線を付してある部分)について面積分したものであるから、次式で求めることができる。
【数10】
Figure 0003617047
但し、μは、透磁率を表す。
【0080】
また、コイルL2の巻数をN2とすると、相互インダクタンスMの定義から次式が成立する。
【数11】
Figure 0003617047
【0081】
従って、式(14)および(15)から、相互インダクタンスMは、式(16)で表すことができる。
【0082】
【数12】
Figure 0003617047
【0083】
ところで、コイルL1の縦および横の長さを数10cm以下(コイルL1が、例えば円形である場合には、その直径が数10cm以下)とした場合、前述したように、電波法で電界の強さが問題となる3mの位置から、コイルL1を見たときには、コイルL1は、微少コイル(微少ループアンテナ)と考えることができる。
【0084】
いま、図7に示すように、xy平面上に配置された微少ループアンテナに電流Iが流れることにより、原点から距離rだけ離れた点であって、原点とを結ぶ直線と、z軸との角度がθで、xy平面に対する垂線がxy平面に交わる点と原点とを結ぶ直線と、y軸との角度がφである点P(r,θ,φ)に生じる磁界H(ベクトル)のr成分Hrもしくはθ成分Hθ、または電界E(ベクトル)のφ成分Eφは、例えば「アンテナ電波伝搬」、コロナ社、虫明康人 著などに記載されているように、それぞれ式(17)乃至(19)に示すようになる。
【0085】
【数13】
Figure 0003617047
【数14】
Figure 0003617047
【数15】
Figure 0003617047
但し、k=ω×(ε×μ)=ω/cで、εは誘電率を、cは光速を、それぞれ表す。また、Sは、微少ループアンテナの面積を表す。
【0086】
式(17)および(18)、または(19)より、微少ループアンテナについての距離−磁界特性または距離−電界特性は、それぞれ図8または図9に示すようになる。図8および図9からわかるように、微少ループアンテナについての磁界HまたはEの距離DISに対する減衰度は、その面積にかかわらず、一意的に、図8または図9に示すようになる。また、図5および図8に示した距離−磁界特性は、両者を比較することにより、コイルL1が微少ループアンテナとみなすことのできる距離では、一致することがわかる。このことは、距離−電界特性についても同様である。
【0087】
次に、式(4),(8)、および(9)から、コイルL1とL2とが離れ、相互インダクタンスMが減少した場合に、ICカード(図2)において、充分なレベルの電圧V2を得るためには、即ち、ICカードとリーダ/ライタとが離れた場合に通信可能状態とするためには、コイルL2の巻数N2を大きくするなどのICカードの回路構成を改善する必要がある。また、さらにICカードとリーダ/ライタとの通信距離を延ばすには、ICカードの回路構成を改善するだけでは困難で、電圧源1の出力電圧V1を高くしたり、コイルL1の巻数N1を小さくするなどして、コイルL1が発生する磁界を強くする必要がある。
【0088】
いま、コイルL1の距離−磁界特性が、例えば図10に実線で示すようなものであった場合に、例えば電圧源1の出力電圧V1を高くしたり、コイルL1の巻数N1を小さくしたりすると、同図において点線で示すように、コイルL1の距離−磁界特性は、全体的に上昇する。従って、ICカードが動作可能な最低限の磁界の強さ(以下、適宜、受信可能レベルという)をLV1とすると、図10において点線で示す距離−磁界特性が受信可能レベルLV1となる距離は、同図において実線で示す距離−磁界特性が受信レベルLV1となる距離よりも、d1だけ長くなる。よって、この場合、ICカードと、リーダ/ライタとの通信距離は、距離d1だけ延長されることになる。
【0089】
しかしながら、この場合、図10において点線で示す距離−磁界特性は、距離の短い部分で、ICカードが損傷するおそれのある磁界の強さ(以下、適宜、過電圧レベルという)LV2以上となることがある。
【0090】
さらに、この場合、図10において実線で示す距離−磁界特性を、点線で示すように変更することにより、それに対応して、距離−電界特性も、図11において実線で示すものから、点線で示すものに変化する(図10における実線または点線の距離−磁界特性と、図11における実線または点線の距離−電界特性は、それぞれ対応している)。従って、図11に実線で示す距離−電界特性が、距離が3mの位置において、電界強度が500μV/mとなるものであった場合には、図11に点線で示す距離−電界特性は、距離が3mの位置において、電界強度が500μV/mを超えるものとなり、電波法に抵触することになる。
【0091】
以上から、ICカードの損傷、電波法への抵触を生じることなく、ICカードとリーダ/ライタとの通信距離を延長するには、コイルL1が発生する磁界を強くするだけでなく、コイルL1に近い位置での磁界を減衰させるとともに、コイルL1から遠方(コイルL1から3mの位置)における電界を500μV/m以下にする必要がある。
【0092】
そこで、図1に示したように、アンテナを、3個のループアンテナL1,L1’,L1’’で構成した場合、そのアンテナが発生する磁界(ベクトル)Hまたは電界(ベクトル)Eは、ループアンテナL1,L1’,L1’’それぞれが発生する磁界(ベクトル)H1,H1’H1’’または電界E1,E1’,E1’’を、次式で示すように線形加算したものとなる。
H=H1+H1’+H1’’ (20)
E=E1+E1’+E1’’ (21)
【0093】
従って、例えば図12に示すように、ループアンテナL1’またはL1’’には、それぞれ右回りに電流I1’またはI1’’が流れ、ループアンテナL1には、ループアンテナL1’およびL1’’とは逆に、左回りに電流I1が流れる場合、アンテナ全体についての式(17)乃至(19)それぞれは、式(20),(21)から、式(22)乃至(24)に示すようになる。
【0094】
【数16】
Figure 0003617047
【数17】
Figure 0003617047
【数18】
Figure 0003617047
【0095】
但し、N1,N1’,N1’’は、それぞれループアンテナL1,L1’,L1’’の巻数を表し、また、S1,S1’S1’’は、それぞれループアンテナL1,L1’,L1’’の面積(断面積)を表す。さらに、図7における微少ループアンテナは、巻数が1のものとしているので、同図に示した微少ループアンテナに流れる電流I、即ち式(17)乃至(19)における電流Iは、式(22)乃至(24)における巻数N1,N1’,N1’’それぞれと、電流I1,I1’,I1’’それぞれとの積N1×I1,N1’×I1’,N1’’×I1’’に相当する。
【0096】
式(24)から、式
N1×I1×S1+N1’×I1’×S1’+N1’’×I1’’×S1’’=0 (25)
を満足するように、ループアンテナL1,L1’,L1’’それぞれに流れる電流I1,I1’,I1’’、それぞれの巻数N1,N1’,N1’’、およびそれぞれの面積S1,S1’S1’’を決めることで、例えばループアンテナL1が発生する磁界を強くしても、電波法で電界強度が問題となるような遠方(ループアンテナL1,L1’,L1’’が微少ループアンテナとみなすことのできる位置)(アンテナから3m離れた位置)における電界強度は、ループアンテナL1が発生する電界が、それとは逆方向の電流が流れるループアンテナL1’およびL1’’(特に、L1’’)が発生する電界により打ち消されることにより、500μV/m以下とすることができる。即ち、式(25)の条件を満足する場合においては、ループアンテナL1が発生する磁界を強くして、ICカードとリーダ/ライタとの通信距離を延長しても、電波法への抵触を防止することができる。
【0097】
なお、式(25)で示す条件は、アンテナがM(Mは2以上の整数)個のループアンテナで構成されるとした場合に、そのM個のループアンテナのうちのm(mは、1以上M以下の整数)番目のループアンテナの巻数または面積を、それぞれNまたはSとするとともに、そのループアンテナに流れる電流を、Iとし、mを1乃至Mに変えてのサメーションをΣで表すとき、式
ΣN=0
となる(但し、ループアンテナを所定の方向に流れる電流の符号は正とし、それとは反対方向に流れる電流の符号は負とする)。
【0098】
ループアンテナL1から近い位置の磁界は、図5に示したようにほぼ一定で、かつ離れた位置の磁界より強いから、ICカードとリーダ/ライタとの通信距離を延長するためには、ループアンテナL1から離れた位置での磁界を強くことを考えれば良い。ループアンテナL1から離れた位置での磁界を強くするには、微少ループアンテナについての磁界HrまたはHθをそれぞれ示した式(17)または(18)から、|N1×I1×S1|を大きくすれば良い(式(17)および(18)におけるIは、上述したようにN1×I1に相当する)。
【0099】
ここで、図13は、図12をDD’から見た断面図である。なお、同図(後述する図13についても同様)における矢印は、ループアンテナL1,L1’,L1’’それぞれによって発生される磁界を示している。また、ここでは、説明を簡単にするために、ループアンテナL1,L1’,L1’’が正方形であり、従って、ループアンテナL1’と同一形状のループアンテナ31(ICカードのループアンテナ31(図19))も正方形であるとする。即ち、ループアンテナL1,L1’,L1’’それぞれの横×縦の長さをa1×b1,a1’×b1’,a1’’×b1’’とするとともに、ループアンテナ31の縦×横の長さをa2×b2とするとき、次式が成立するものとする。
a1>a1’>a1’’(b1>b1’>b1’’),
a1’=(あるいは≒)a2(b1’=(あるいは≒)b2),
a1=b1,a1’=b1’,a1’’=b1’’,a2=b2
【0100】
この場合、図12のループアンテナL1,L1’,L1’’が配置された平面において、DD’を、点Oを中心に90度回転させた部分の断面を見ても、図13に示した場合と同様になる。
【0101】
式(25)を満足しながら、|N1×I1×S1|を大きくした場合、同式より、|N1’×I1’×S1’|および|N1’’×I1’’×S1’’|は、例えばいずれも|N1×I1×S1|の1/2となる。即ち、ループアンテナL1’およびL1’’が発生する磁界(電界についても同様)は、ループアンテナL1が発生する磁界よりも十分弱くなる。
【0102】
従って、ループアンテナL1によれば、そこから発生する磁界が強いので、ループアンテナ31(ICカード)がある程度遠い位置にあっても、ICカードとの通信が可能となる。また、この場合、ループアンテナL1’およびL1’’が発生する磁界は弱いので、この磁界が、ICカードとの通信に与える影響は、ほとんど無視することができる。さらに、この場合、ループアンテナL1から、かなり遠方の位置(ループアンテナL1から3m弱程度離れた位置)の電界は、式(25)を満足するときには、ループアンテナL1が発生する電界が、ループアンテナL1’およびL1’’(特に、L1’’)が発生する電界により打ち消されるので、電波法に抵触にしない500μV/m以下となる。
【0103】
一方、ICカードがリーダ/ライタに近接し、ループアンテナL1,L1’,L1’’それぞれと31との位置関係が、図14に示すようになった場合、ループアンテナL1が発生する磁界のみを考えれば、電圧V2は、ICカードを損傷するような電圧となる。しかしながら、ループアンテナL1’と31とは同一形状であるため、それらが近接することで、その相互結合が急激に高まる。ループアンテナL1’は、ループアンテナL1とは逆方向の磁界を発生しているから、その磁界により、ループアンテナL1が発生する磁界の一部が打ち消され、これにより、電圧V2は、それほど高い電圧にはならず、従って、ICカードの損傷を防止することができる。なお、この場合、ループアンテナL1’’が発生する磁界は弱く、また、その面積も、上述したようにループアンテナ31に比較して充分小さいので、ループアンテナ31が、ループアンテナL1’’に近接しても、その結合は弱く、ループアンテナL1’’が発生する磁界が、ICカードとの通信に与える影響は、ほとんど無視することができる。
【0104】
図15または図16は、ループアンテナL1,L1’,L1’’で構成されるアンテナについての距離−磁界特性または距離−電界特性を表している。図15に示すように、本願のアンテナによれば、近い位置の磁界は、ループアンテナL1による磁界が、ループアンテナL1’による磁界により低減されるので、過電圧レベルLV2を超えることがなく、また遠い位置の磁界が受信可能レベルLV1以下となる距離は、ループアンテナL1による磁界が強いので、従来の場合(図中、点線で示す部分)よりも、距離dだけ長くなっている。さらに、図16に示すように、遠い位置(アンテナから3m弱の位置)の電界は、ループアンテナL1による電界が、ループアンテナL1’’による電界により打ち消されるので、その位置付近で、急激に、500μV/m以下となる。
【0105】
従って、この場合、ICカードの損傷や電波法への抵触を生じることなく、ICカードとリーダ/ライタとの通信距離を延長することができる。さらに、この場合、いわゆるピークやディップの発生などの、アンテナの指向性パターンの悪化などの副作用が生じることもない。また、ループアンテナL1を、従来のリーダ/ライタのループアンテナ97と同程度とすることで、アンテナの大型化も防止することができる。
【0106】
次に、図1に示したリーダ/ライタにおいて、ループアンテナL1,L1’,L1’’は、上述したように直列に接続されているので、それぞれに流れる電流I1,I1’,I1’’の大きさはすべて同一である。従って、いま、図17に示すように、ループアンテナL1,L1’,L1’’のいずれにも、電流I(=I1=I1’=I1’’)が流れるとすると、式(25)は、その左辺からI1,I1’,I1’’を削除し、次式のように変形することができる。
【0107】
N1×S1+N1’×S1’+N1’’×S1’’=0 (26)
但し、ループアンテナ(の断面)からの磁界の方向が所定の方向(例えば、図17のおいて上方向)と一致するとき、そのループアンテナの面積の符号は正とし、その磁界の方向が所定の方向と反対方向(例えば、図17において、下方向)に一致するとき、そのループアンテナの面積の符号は負とする。
【0108】
従って、図1に示したリーダ/ライタにおいては、式(26)を満足するようにすることで、上述したような効果を得ることができる。ループアンテナL1,L1’,L1’’それぞれに電流I1,I1’,I1’’を流し、式(25)を満足するようにする場合には、電流I1,I1’,I1’’それぞれを制御する必要があるが、ループアンテナL1,L1’,L1’’を直列に接続し、それらに同一の大きさの電流Iを流すようにして、式(26)を満足するようにする場合には、電流Iの制御は行わずに済むので、回路の設計を容易に行うことが可能となる。
【0109】
なお、式(26)で示す条件は、アンテナがM(Mは2以上の整数)個のループアンテナで構成されるとした場合に、そのM個のループアンテナのうちのm(mは、1以上M以下の整数)番目のループアンテナの巻数または面積を、それぞれNまたはSとするとともに、mを1乃至Mに変えてのサメーションをΣで表すとき、式
ΣN=0
となる。
【0110】
次に、以上のようなループアンテナL1,L1’,L1’’で構成されるアンテナを有する図1のリーダ/ライタを備える非接触カードシステムを、モデル化(シンボル化)した電気回路を図18に示す。なお、図中、図2における場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は、適宜省略する。
【0111】
電圧源1、ループアンテナL1,L1’,L1’’で構成されている回路は、リーダ/ライタに相当する。ループアンテナL1,L1’,L1’’は、電圧源1に対し、直列に接続されており、また、その接続方法は、電圧源1から供給される電流I1によって、ループアンテナL1’およびL1’’が、同一方向の磁界を発生し、ループアンテナL1が、ループアンテナL1’およびL1’’とは反対方向の磁界を発生するようになされている。
【0112】
図18に示す回路において、ループアンテナL1とL1’との相互インダクタンス、ループアンテナL1とL1’’との相互インダクタンス、ループアンテナL1とL2との相互インダクタンス、ループアンテナL1’とL1’’との相互インダクタンス、ループアンテナL1’とL2との相互インダクタンス、またはループアンテナL1’’とL2との相互インダクタンスを、それぞれM11’,M 1’’,M12,M1’1’’,M1’2、またはM1’’2とすると、式(27)および(28)が、回路理論的に成立する。
【0113】
【数19】
Figure 0003617047
【0114】
ここで、式(29)および(30)のようにおき、式(27)および(28)から、I1およびI2を消去して、電圧V2を、電圧V1で表すと、式(31)に示すようになる。
【0115】
【数20】
Figure 0003617047
【数21】
Figure 0003617047
【0116】
従って、電圧V2の絶対値|V2|は、式(32)に示すようになる。
【0117】
【数22】
Figure 0003617047
【0118】
式(32)から、ICカードとリーダ/ライタとの通信距離を最も長くする、即ち電圧V2の絶対値|V2|を最も大きくする静電容量Cは、式(33)で与えられることになる。
【0119】
【数23】
Figure 0003617047
【0120】
以上、本発明を、ICカードのリーダ/ライタに適用した場合について説明したが、本発明は、リーダ/ライタの他、ループアンテナから磁界を発生し、電磁誘導を利用して、情報の伝達を行うあらゆる装置に適用可能である。
【0121】
なお、本実施例においては、アンテナを3個のループアンテナL1,L1’,L1’’で構成するようにしたが、アンテナを構成するループアンテナの数は、3に限定されるものではない。即ち、アンテナを構成するループアンテナの数は、2以上のいずれかの数とすることが可能である。具体的には、例えばICカードが、かなり大きな電圧に耐え得るものであれば、ループアンテナL1’は設ける必要がなく、この場合、アンテナは、2個のループアンテナL1およびL1’’で構成することが可能である。さらに、アンテナの距離−磁界特性および距離−電界特性をより微細にコントロールする場合には、3個のループアンテナL1,L1’,L1’’に1以上のループアンテナを加えて、アンテナを構成するようにすれば良い。
【0122】
また、本実施例では、3個のループアンテナL1,L1’,L1’’が、互いに相似になるようにしたが、これらは相似でなくても良い。但し、相似であった方が、回路設計が容易になる。
【0123】
さらに、本実施例では、ループアンテナの形状を、長方形(正方形)とするようにしたが、これに限られるものではない。即ち、ループアンテナの形状は、例えば円形や、正方形以外の正多角形、台形や、楕円形、正多角形以外の多角形などとすることが可能である。
【0124】
また、本実施例では、大きさの異なる3個のループアンテナL1,L1’,L1’’のうちのループアンテナL1’を、ICカードのループアンテナ31と同一形状とするようにしたが、その他、ループアンテナL1またはL1’’を、ICカードのループアンテナ31と同一形状とすることもできる。また、ループアンテナL1,L1’,L1’’の形状は、ICカードのループアンテナ31の形状とは無関係に決めることも可能である。但し、ループアンテナL1’を、ICカードのループアンテナ31と同一形状とした場合には、回路の設計が容易になる。
【0125】
また、本実施例では、リーダ/ライタから、ICカードに対し、電源を供給するようにしたが、ICカードには電源を内蔵させ、リーダ/ライタからは、ICカードに電源を供給せずに済むようにすることも可能である。
【0126】
【発明の効果】
本発明のアンテナによれば、第1、第2および第3のループアンテナが全体として放射する電磁界を、所望の特性とすることができるようになる。
【0127】
本発明の情報伝達装置によれば、副作用を生じることなく、その通信距離を延長することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したICカードのリーダ/ライタの一実施例の構成を示す図である。
【図2】図19の非接触カードシステムをモデル化した回路図である。
【図3】ビオ・サバールの法則を説明するための図である。
【図4】図2のループアンテナL1の配置状態を説明するための図である。
【図5】図2のループアンテナL1の近距離における距離−磁界特性を示す図である。
【図6】図2のループアンテナL1が発生する磁界Hにより、ループアンテナL2に鎖交する鎖交磁束を説明するための図である。
【図7】ループアンテナL1が微少ループアンテナとみなすことのできる場合に、そこから放射される電磁界を説明するための図である。
【図8】ループアンテナL1が微少ループアンテナとみなすことのできる場合の、その距離−磁界特性を示す図である。
【図9】ループアンテナL1が微少ループアンテナとみなすことのできる場合の、その距離−電界特性を示す図である。
【図10】ループアンテナL1から距離の短い部分で、そこから発生される磁界が、過電圧レベルLV2を超える状態を示す図である。
【図11】ループアンテナL1から発生される電界が、電波法に抵触する状態を示す図である。
【図12】本発明の原理を説明するための図である。
【図13】図12をDD’から見た断面図である。
【図14】図12をDD’から見た断面図である。
【図15】ループアンテナL1,L1’,L1’’で構成されるアンテナ全体についての距離−磁界特性を示す図である。
【図16】ループアンテナL1,L1’,L1’’で構成されるアンテナ全体についての距離−電界特性を示す図である。
【図17】ループアンテナL1,L1’,L1’’に、同一の大きさの電流Iが流れている状態を示す図である。
【図18】図1のリーダ/ライタを含んで構成される非接触カードシステムをモデル化した回路図である。
【図19】従来の非接触カードシステムの一例の構成を示す図である。
【図20】図19のリーダ/ライタの動作を説明するフローチャートである。
【図21】図19のICカードの動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 電圧源
91 ホストコンピュータ
92 ディジタル信号処理部
93 キャリア発生器
94 アンプ
95 抵抗
96 コンデンサ
98 ダイオード
99 コンデンサ
100 アンプ
L1,L1’,L1’’ ループアンテナ

Claims (7)

  1. 電磁誘導を利用してICカードとの通信を行うリーダ/ライタのアンテナであって、
    所定方向の磁界を発生する第1のループアンテナと、
    前記ICカードが近接した際、前記ICカードのアンテナに過電圧が発生するのを防止するように、前記第1のループアンテナが発生する磁界と反対方向の磁界を発生するように構成された第2のループアンテナと、
    前記ICカードとの通信位置から離れた位置の電界を低下させるように、前記第1のループアンテナが発生する磁界と反対方向の磁界を発生するように構成された第3のループアンテナと
    を備え、
    前記第1、第2および第3のループアンテナは、それらの中心部が一致するように同一平面上に配置され、前記第1のループアンテナの巻数、面積、それに流れる電流をそれぞれN 1 ,S 1 ,I 1 、前記第2のループアンテナの巻数、面積、それに流れる電流をそれぞれN 2 ,S 2 ,I 2 、前記第3のループアンテナの巻数、面積、それに流れる電流をそれぞれN 3 ,S 3 ,I 3 としたとき、第1の式
    1 ×S 1 ×I 1 +N 2 ×S 2 ×I 2 +N 3 ×S 3 ×I 3 =0
    を満たすように構成される
    ことを特徴とするアンテナ。
  2. 前記第1、第2および第3のループアンテナは、その中心部が一致するように、同一平面上に配置されたM個のループアンテナのうちの3つのループアンテナであり、
    前記M個のループアンテナのうちのm(mは、1以上M以下の整数)番目のループアンテナの巻数、面積、各ループアンテナに流れる電流をそれぞれN m ,S m ,I m とするとき、前記M個のループアンテナは、前記第1の式に替えて、第2の式
    ΣN m m m =0
    を満たすように構成される
    ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
  3. 前記第1、第2および第3のループアンテナは直列接続されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
  4. ICカードとの通信を電磁誘導を利用して行う情報伝達装置であって、
    所定方向の磁界を発生する第1のループアンテナと、
    前記ICカードが近接した際、前記ICカードのアンテナに過電圧が発生するのを防止するように、前記第1のループアンテナが発生する磁界と反対方向の磁界を発生するように構成された第2のループアンテナと、
    前記ICカードとの通信位置から離れた位置の電界を低下させるように、前記第1のループアンテナが発生する磁界と反対方向の磁界を発生するように構成された第3のループアンテナと
    を備え、
    前記第1、第2および第3のループアンテナは、それらの中心部が一致するように同一平面上に配置され、前記第1のループアンテナの巻数、面積、それに流れる電流をそれぞれN 1 ,S 1 ,I 1 、前記第2のループアンテナの巻数、面積、それに流れる電流をそれぞれN 2 ,S 2 ,I 2 、前記第3のループアンテナの巻数、面積、それに流れる電流をそれぞれN 3 ,S 3 ,I 3 としたとき、第1の式
    1 ×S 1 ×I 1 +N 2 ×S 2 ×I 2 +N 3 ×S 3 ×I 3 =0
    を満たすように構成される
    ことを特徴とする情報伝達装置。
  5. 前記第1、第2および第3のループアンテナは互いに相似形である
    ことを特徴とする請求項4に記載の情報伝達装置。
  6. 前記第1、第2および第3のループアンテナは直列接続されている
    ことを特徴とする請求項4に記載の情報伝達装置。
  7. 前記第1、第2および第3のループアンテナは、その中心部が一致するように、同一平面上に配置されたM個のループアンテナのうちの3つのループアンテナであり、
    前記M個のループアンテナのうちのm(mは、1以上M以下の整数)番目のループアンテナの巻数、面積、各ループアンテナに流れる電流をそれぞれN m ,S m ,I m とするとき、前記M個のループアンテナは、前記第1の式に替えて、第2の式
    ΣN m m m =0
    を満たすように構成される
    ことを特徴とする請求項4に記載の情報伝達装置。
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