JP3616426B2 - 低出力半導体レーザー治療器 - Google Patents

低出力半導体レーザー治療器 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は半導体レーザー治療器に関し、更に詳しくは被検者の呼気を検出する呼吸センサー部とレーザー光照射を制御する制御部と治療開始及び皮膚患部を検知するプローブ部とを有し、プローブ部のタッチセンサーの作動で制御部を動作し、被検者の呼気時のみにレーザー光を患部に照射して被検者の疼痛緩解や生体活性化作用を促進せしめるようにした低出力半導体レーザー治療器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の疼痛治療用の医用半導体レーザー治療器としては、筋肉・関節の疼痛緩解に適用するような、レーザー種類では波長780nmないし830nmの近赤外線で、10mWから60mWのレーザー光出力からなる半導体レーザーを利用した構造のものが知られている(特開平5−57026号)。このようなレーザー治療器においては、治療中、レーザー光の照射は常時行われるものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
医用レーザー治療器の中でも、疼痛治療用低出力半導体レーザー治療器は、近年その治療効果が認められ、高齢化社会の到来とともに、年々治療を求める患者数が増加する傾向にある。この種の低出力半導体レーザー治療器による治療効果についてはレーザー光出力すなわち、物理刺激の量(エネルギー)が大きく寄与するとされ、大出力化への傾向が進んでいるが、大出力化になればなるほど、治療時における危険性も増大し、治療場所も特定化され、取り扱いも煩雑となる。従って、この種の疼痛治療が、極めて安全かつ簡便に、しかも治療場所が特定されることなく実施し得る治療器の開発が強く要望されていた。
【0004】
本発明者は、このような要望を満足せしめるため、被検者の自律神経機能と呼吸運動との関係に着目して種々の研究を行った。その結果、被検者の呼吸とくに呼気時のみに同期してレーザー光照射を皮膚患部に対して行えば極めて効果的な治療効果が得られることを究明し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、自律神経機能と呼吸運動とは密接な関係がある。呼吸運動による自律神経機能の変化は、瞬時心拍数の変化を指標として観察することができ、吸気時には心拍数は増加し、呼気時には減少する。更にまた、呼吸による心拍数の変化は副交感神経機能により調節されており、呼気時には副交感神経機能が亢進し、吸気時には抑制される。
【0006】
しかるに、例えば電気、機械、熱、光エネルギー等による物理刺激により生体を刺激し、生体の刺激に対するリバウンドを利用し交感神経の過緊張を緩和し、血管を拡張し、末梢循環を改善することで、疼痛の緩解、消炎効果を実現し、副交感神経機能を亢進させることにより自律神経機能のバランス改善せしめることができることになる。
【0007】
従って、本発明の目的は被検者の呼気時のみに、極めて安全に使用できる軽微な物理刺激(低出力)レーザー光(1mW〜10mW)を被検者の皮膚患部に照射せしめることで、自律神経機能に有効な作用を与えて、極めて効果的な治療効果を期待でき、かつまた、治療手技においても特別の熟練度を必要とすることなく、広く適用できる低出力半導体レーザー治療器を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記のごとく本発明の課題は、レーザー光照射を制御する制御部と被検者の皮膚患部を検知しかつ治療開始を制御するするプローブ部と被検者の呼気を検知する呼吸センサー部とから構成され、該呼吸センサー部が被検者の呼気信号を検知した時のみ制御部を制御してレーザー光を被検者の皮膚患部に照射せしめることにより、レーザー光の照射が被検者の呼吸と同期、特にそのレーザー光照射が極めて有効な呼気時のみに同期して行わせることができる。
【0009】
上記の制御部は呼気時のみにレーザー光照射を制御する中央処理装置を有し、該中央処理装置は治療器の電源回路、被検者の呼気を検知する呼吸モニター回路と接続され、かつまた、上記の中央処理装置は治療器が異常事態となった場合の異常警報回路、被検者の皮膚患部を検知しかつ治療開始制御を行うプローブ部と接続するための接続回路、レーザー光照射中の動作状態を示す表示回路、更に、治療時間を決定する照射時間設定計数回路、レーザー光により皮膚患部を治療中であることを示す治療中通報回路にそれぞれ接続され、当該治療器を安全に使用することができる。
【0010】
更に、本発明は前記のプローブ部は被検者の皮膚患部と接触せしめられるタッチセンサーを有し、該タッチセンサーは半透明のレーザー光案内体の先端部に装備され、該レーザー光案内体にはレーザー光照射中を表示する発光ダイオードが内装され、それの高輝度発光により操作者がレーザー光照射中であることを目視し得る。更に、皮膚患部を検知するタッチセンサーにより動作されかつレーザー駆動回路を制御する制御回路を有し、該制御回路は前記のレーザー光照射を制御する制御部と接続される接続回路と低出力半導体レーザーの駆動回路に接続される。
【0011】
前記プローブ部の接続回路には照射時間設定スイッチと呼吸モニター表示回路がそれぞれ接続され、かつまた、上記の制御回路にはレーザー光の照射開始を行う治療開始スイッチを接続して構成されていて、レーザー光案内体の先端に設けたタッチセンサーが被検者の皮膚患部に触れているとき、プローブ部に設けた治療開始スイッチをオンにすれば制御回路が半導体レーザーの駆動回路を動作し、レーザー光照射の動作開始が行われることになり、当該装置の操作性が容易となりかつ安全性が高められる。
【0012】
前記の呼吸センサー部は被検者の鼻腔の温度を検出するサーミスターと環境温度の変化による感度補正を行うサーミスターとを備え、鼻腔の温度を検出するサーミスターの温度が呼気時に僅かでも高くなると差動アンプを介して呼吸モニター回路が動作されるようにし、更に制御部には制御ボックスを有し、そのフロントパネルには少なくともレーザー光照射中表示を示す発光ダイオードと皮膚患部の検知表意を示す発光ダイオードとを備えているため、呼気信号が確実に検知されるでレーザー光の同期動作が正確に行える。
【0013】
上記のプローブ部には被検者の呼気を検知表示する発光ダイオードと、レーザー光照射中を表示する発光ダイオードとを備えている。さらに具体的には、プローブ部はプローブ本体を備え、プローブ本体にはレーザー光照射中表示のための発光ダイオードを有しかつ皮膚患部検知用タッチセンサーと、当該治療器をリモートコントロール式に操作するための治療開始スイッチと、呼吸センサー部の動作状態を表示する呼気表示発光ダイオードと、レーザー光の照射時間設定スイッチとを有するユニット構造に構成されている。
【0014】
前記制御部の接続回路とプローブ部の接続回路とが互いに接続され、該制御部の呼吸モニター回路と呼吸センサー部とがそれぞれ接続され、プローブ部の先端部に設けたタッチセンサーが被検者の皮膚患部に触れ、かつ、呼吸センサー部が被検者の呼気を検知した時のみ、呼吸モニター回路を介して中央処理装置の動作によりレーザー光が照射され、従って呼気時に同期してレーザー光が被検者の皮膚患部に照射されることになる。
【0015】
上記のプローブ部に設けた被検者の皮膚患部を検知するタッチセンサーは、プローブ本体に対して任意の角度を保って設けられた半透明のレーザー光案内体に装備され、該案内体はレーザー光照射を表示する高輝度を発する発光ダイオードを備えている。被検者への治療に際しては、タッチセンサーが皮膚患部に適切な角度を保って接触せしめられる。制御部とプローブ部と呼吸センサー部とは電気的に離接可能に構成する。
【0016】
【実施例】
以下に図面に示した本発明の実施例について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は本発明の医用低出力半導体レーザー治療器の構成が概略的に示してあり、レーザー光照射を制御する制御部1、被検者の呼気を検出する呼吸センサー部2および被検者の皮膚患部を検知しかつ治療開始を制御するプローブ部3とから構成されている。制御部1は制御ボックス1aを備え、そのフロントパネル4にはレーザ光照射中を表示する発光ダイオード5、被検者の皮膚患部を検知表示する発光ダイオード6、及び被検者の呼気を検出表示する発光ダイオード7を夫々備えている。
【0017】
呼吸センサー部2は制御部1にコード2aを介して離接可能に接続され、かつまた、呼吸センサー部2は例えば粘着テープ8により被検者の鼻腔部付近にセットされ、呼吸センサー9によって被検者の呼気が確実に検出される。なお、呼吸センサー部2の被検者へのセットは本例のように粘着テープ8によらず例えば装着バンドを被検者のヘッドに装着することにより、呼吸センサー9が所定の箇所へセットされるようにしてもよい。
【0018】
プローブ部3は把持し易いようにハンドタイプに構成されていて、上記の制御部1にコード3aを介して離接可能に接続され、しかもプローブ部3は角柱状のプローブ本体10を備えている。プローブ本体10の上面パネルト11の先端側には治療開始スイッチ12が設けられ、操作者が当該治療器をリモートコントロール式に操作でき、その操作性が高められている。治療開始スイッチ12と反対側のプローブ本体10の上面パネル11の後端側には被検者の呼気を検出表示する発光ダイオード13とレーザー光の照射時間を設定する設定スイッチ14が設けてある。
【0019】
プローブ本体10の先端側は適宜の角度に屈曲させてあり、その先端部には先端にタッチセンサー15を装備せしめた半透明の合成樹脂材料からなるレーザー光案内体16が設けてある。上記プローブ本体10の先端側の適宜の屈曲により、プローブ本体10を把持した時、タッチセンサー15を被検者の皮膚患部に対して密接し易いようになっている。レーザー光案内体16にはレーザー光の照射中を表示する発光ダイオードが組み込んであり、その高輝度発光により操作者がレーザー光照射が行われていることを目視し得るようになっている。
【0020】
図2は本発明による低出力半導体レーザー治療器の制御部1、呼吸センサー部2及びプローブ部3の詳細ブロック図が示してある。被検者の呼気時のみレーザー光照射を制御する制御部1は治療器の電源回路20と呼吸モニター回路21を備えていて、これらは中央処理装置22に接続してある。呼吸モニター回路21はコード2aを介して被検者の呼気を検出する呼吸センサー部2と接続され、呼吸センサー部2により検出された呼気信号が呼吸モニター回路21に導入され、中央処理装置22を動作し、呼気時のみレーザー光照射が行われる。
【0021】
制御部1の中央処理装置22はレーザー光照射の動作状態を表示する表示回路23、皮膚患部へレーザー光照射する照射時間の設定計数回路24、当該治療器が治療作動中であることを表示する通報回路25がそれぞれ接続してある。更にまた、中央処理装置22は、当該治療器の異常状態を警報する警報回路26およびプローブ部3とコード3aで離接可能に接続される接続回路27に接続してある。従って、呼吸モニター回路21より中央処理装置22が動作されることにより、レーザー光照射が行われる。
【0022】
プローブ部3は制御回路35を備え、該制御回路35はタッチセンサー15のタッチセンサー回路31により動作される。制御回路35はプローブ本体10に設けた治療開始スイッチ12によりオン・オフ制御される。制御回路35はタッチセンサー回路31の動作により低出力半導体レーザー32の駆動回路33を制御する。制御部1の接続回路27とコード3aを介して離接可能に接続された接続回路30は制御回路35を動作し、該制御回路35はレーザー光の照射時間設定スイッチ14と呼吸モニター表示回路34に接続してある。
【0023】
図3は呼吸センサー部2により動作される呼吸モニター回路21が詳細に示してある。呼吸センサー部2は2個のサーミスター40、41から構成され、サーミスター40は鼻腔の温度を検出するものであり、サーミスター41は環境温度たとえば鼻腔温度の変化による感度補正を行うものである。サーミスター40、41は抵抗42、、42a及び43を介して差動アンプ45に接続され、鼻腔温度が呼気時に僅かでも高くなると、差動アンプ45が動作される。差動アンプ45の動作によりインバータ46を介してロジックレベル(5V)に変換し、呼吸モニター回路21がアクティブ状態となる。
【0024】
この時、被検者の呼気時を検知表示する制御部1の呼気発光ダイオード7が点灯され、同時にプローブ部3の呼気発光ダイオード13も点灯される。この状態において、プローブ部3の先端部のタッチセンサー15を被検者の皮膚患部に触れさせておけば、タッチセンサー15により動作するタッチセンサー回路31を介して制御回路35が動作され、タッチセンサー15のON信号との論理積で皮膚検知論理積回路47がアクティブ状態となり、レーザー光発射が可能な状態となる。
【0025】
この呼気信号と皮膚検知論理積回路47はインバータ回路48を介して抵抗48a及びコンデンサー48bにより構成される遅延回路により安定化され、更にフリップフロップ回路49、50により、時定数が調整されて、制御部1の中央処理装置22に供給される。
【0026】
さて、プローブ部3のレーザー光照射時間設定スイッチ14にてトリガーすると、その信号が照射時間設定スイッチ回路14を介して接続回路30に供給され、更に接続回路27、中央処理装置22を介して照射時間設定計数回路24に治療時間が設定される。この設定時間は一般的には30秒〜2分程度である。そこで、呼吸センサー部2を被検者の鼻腔付近にセットした状態で、プローブ部3のタッチセンサー15を被検者の皮膚患部に軽く押しあてるとタッチセンサー回路31を介して制御回路35が動作される。
【0027】
同時に制御回路35の動作が接続回路30、27を介して中央処理装置22に伝送される。しかるに、呼吸センサー部2を被検者の鼻腔近傍にセットした状態で、プローブ部3のタッチセンサー15を被検者の皮膚患部に接触せしめると、制御部1の動作状態表示回路23の皮膚検知表示の発光ダイオード7が点灯し、操作者はその状態を目視により確認できる。
【0028】
この状態を確認して後、プローブ部3に設けた治療開始スイッチ12を操作すると、サーミスタ40、41が被検者の呼吸とくに呼気を検出し、その検出信号が呼吸モニター回路21を介して中央処理装置22に供給される。この信号により制御部1の中央処理装置22がレーザー駆動回路33を動作し、低出力半導体レーザー32から1mW〜10mWのうち、予め任意の出力光に選択された低出力レーザー光発射が行われる。レーザー光照射中はダイオード51aを介して論理積回路51が動作してアラーム音を発する。
【0029】
前記の治療開始スイッチ12が操作されることにより、接続回路30,27を介して中央処理装置22に伝送されレーザー光照射が開始され、その動作状態を表示する表示回路23の発光ダイオード5が点灯し、同時に治療中であることの通補回路25が通報音となって発生される。レーザー光照射中は、半透明の案内体15内の発光ダイオードが点灯してレーザー光照射中であることを通報する。更に、レーザー光照射時間設定計数回路24は治療時間を減数表示する。設定した治療時間に達すると、警報音とともにレーザー光照射が終了する。
【0030】
この後、治療前にあらかじめ設定した治療時間が中央処理装置22により再び設定され、レーザー光照射時間がレーザー光照射時間設定計数回路24に再表示され、更なる治療を前記と同様の操作により行うことができる。
尚、治療の途中でレーザー光照射を中断する場合は、タッチセンサー15を被検者の皮膚患部から離すとレーザー光照射が中断され、かつまた、レーザー光照射時間設定スイッチ14を押すことで、中央処理装置22をリセットすることができる。
【0031】
上記のように、低出力レーザー光(1mW〜10mW)照射が、被検者の呼気時のみ物理刺激の量(エネルギー)として皮膚患部に与えられる。呼吸運動により自律神経機能は種々の変動しており、特に呼気時においては副交感神経機能が亢進され、筋肉の緩和が実現される。従って、被検者の呼気時のみにレーザー光照射を行うことは、自律神経機能に有効な作用を及ぼし、極めて軽微な刺激(低出力)で疼痛緩解や自律神経の有効な治療効果を実現することが可能となる。
【0032】
本発明者は、本低出力半導体レーザー治療器により被検者の皮膚患部に極めて軽微な刺激(低出力)を与えて、疼痛緩解や自律神経の有効な治療効果を以下の方法によって確認した。
【0033】
【発明の効果】
1.生体の自律神経機能リズム
(1)呼吸リズムと自律神経機能
生体の自律神経機能は、種々の変動をしており、種々の健康法や鍼灸臨床等で最も注目されるのは呼吸、体位などによるリズムである。
【0034】
図4(a)から呼吸運動による自律神経機能の変化を瞬時心拍数の変化を指標として、自律神経機能遮断剤を用いて検討したものである。
図4(b)から深呼吸による心拍数の変化が、アトロピンによる副交感神経機能の遮断により消失するところから、呼吸による心拍数の変化は副交感神経機能により調節されていることがわかる。
図4(c)から深呼吸を連続すると交換神経機能の影響が混入してくることがわかる。
以上の結果から、深呼吸運動による心拍数の変動は、副交感神経機能の遮断で消失するので、副交感神経の作用であることがわかる。
【0035】
図5は吸気時、呼気時の副交感神経機能変化の方向を示したものである。吸気時には瞬時心拍数は増加するが、副交感神経の活動は低下し、呼気時には瞬時心拍数は減少するが、副交感神経の活動は亢進する。従って、心拍数が増加することは副交感神経機能が抑制方向に動いていることであり、心拍数が減少するということは副交感神経機能が亢進方向に動いているとである。この現象は、副交感神経により支配されているので、吸気時には副交感神経機能が抑制される方向を向いており、呼気時には副交感神経機能が亢進する方向を向いていることがわかる。
【0036】
2.物理刺激による生体反応と呼気時生体条件の同調
(1)皮膚・皮下組織への物理刺激による反応
レーザー光等物理刺激の多くは、痛みを与えない限り副交感神経機能を高める反応を生起する。
(2)物理刺激による反応と生体内で起きている減少との同調
物理刺激による副交感神経機能を高める反応と生体内において呼気時における副交感神経機能を高めている減少とが同調し、極めて軽微な刺激で大きな反応を確実に生起できる。
(3)同調による自律神経機能の高まりが解けにくい歪みを改善させる。
緊張の連続、疲労などによる筋の過緊張は運動時の痛みの原因である。このような筋の過緊張は自律神経の高まりにより解消される。
【0037】
3.ダブルブラインドによるレーザー光の自律神経反応についての検討
目的;刺激による反応を客観的に確認する。
方法;物理刺激で刺激感覚のあるものではダミーが作れないが、刺激感覚の
無いレーザー光であれば可能である。
【0038】
実験例 1
健康成人30名(男性19名、女性11名)、年齢18〜46歳(平均21.3±5.2歳)を対象にポリグラフシステムを用いて、レーザー照射前と照射後(10分後、20分後、30分後)で心拍数、心拍数による自律神経機能の変化(臥位から立位への体位変換による心拍数の変動)を観察し検討した。
【0039】
分析には西條らによる動的自律神経機能観察法(理療の科学、第16巻第1号、平成4年、心拍数で観察できる自律神経機能状態)を用いた。この動的自律神経機能観察法とは、臥位や立体の体位変換、深呼吸、嚥下等の負荷を加えて、それらの負荷に対する反応の仕方から自律神経機能を読みとるものである。
【0040】
被検者の実験条件としては、あらかじめコンピューター管理でレーザー光照射する群(以下、照射群として16名)およびレーザー光照射しない群(以下、非照射群として14名)を無作為割付けで行った(二重盲検)。
実験装置は低出力半導体レーザー装置として皮膚接触式半導体低出力レーザー光(波長780nm、出力1mW)を用いた。
レーザー光の刺激部位は、左前腕後面手関節の中枢2横指(外関)である。
刺激方法は、刺激対象の前腕を水平に置き、約30グラムあるレーザー発射端子を垂直に刺激部位に呼気時にのみ力を加えずにのせた。
刺激時間は、3分間とした。その実験結果は、図6〜図8に示した。
【0041】
図6は被検者の臥位時安静心拍数の変化(心拍数/分)を示したものであり、レーザー発射前をコントロールとして、レーザー発射10分後では、照射群では約−5、非照射群では約−3、レーザー発射20分後では、照射群では約−5、非照射群では約−3、レーザー発射30分後では、照射群では約−6、非照射群では約−4であった。
以上の結果から、被検者の臥位時安静心拍数の変化(心拍数/分)は、照射群では非照射群に較べて心拍数が減少していることが分かる。
【0042】
図7は、副交感神経機能関与度の変化(心拍数/分)を示したものであり、レーザー発射前をコントールとして、レーザー発射10分後では、照射群では約7.5、非照射群では約−2.5、レーザー発射20分後では、照射群では約7.5、非照射群では約1.5、レーザー発射30分後では、照射群では約9、非照射群では約5であった。
以上の結果から、被検者の副交感神経機能関与度の変化(心拍数/分)は、照射群では非照射群に較べて心拍数が増加していることが分かる。
【0043】
図8は、交感神経機能関与度の変化(心拍数/分)を示したものであり、レーザー発射前をコントールとして、レーザー発射10分後では、照射群では約2.5、非照射群では0、レーザー発射20分後では、照射群では約3、非照射群では約−1、レーザー発射30分後では、照射群では約3.5、非照射群では約0.5であった。
以上の結果から、被検者の交感神経機能関与度の変化(心拍数/分)は、照射群では非照射群に較べて心拍数が増加していることが分かる。
【0044】
以上の実験結果より明らかように、1mW出力の低出力レーザー光の生体照射は、副交感神経機能が高まるリズムに合わせ、即ち、呼気時に低出力レーザー光を選択的に照射すれば副交感神経機能を一層高める現象が生じ、極めて軽微な物理刺激で大きな生体活性を生起せしめることができる。すなわち、低出力レーザー光の呼気時の生体照射が、副交感神経機能を高め得ることがダブルブラインド法により科学的に証明され、かつ呼気時の低出力レーザー光の生体照射による治療法は、生体のもっているホメオスタシス(homeostasis)を高める治療法のため、副作用の危険性もなく、安全にしかも広範に適用し得ることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による低出力半導体レーザー治療器の略図的外観図である。
【図2】本発明による低出力半導体レーザー治療器のブロック図である。
【図3】本発明による低出力半導体レーザー治療器における呼吸モニター部の回路図である。
【図4】呼吸運動による自律神経機能の変化を瞬時心拍数の変化を指標として表したグラフである。
【図5】吸気時、呼気時の副交感神経機能変化の方向を示すグラフである。
【図6】被検者の臥位時安静心拍数の変化を示すグラフである。
【図7】被検者の副交感神経機能関与度の変化を示すグラフである。
【図8】被検者の交感神経機能関与度の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 制御部
2 呼吸センサー部
3 プローブ部
4 フロントパネル
5 レーザー光照射表示の発光ダイオード
6 皮膚患部の検知発光ダイオード
7、13 呼気用発光ダイオード
9 呼吸センサー
10 プローブ本体
11 上面パネル
12 治療開始スイッチ
14 照射時間設定スイッチ
15 タッチセンサー
20 電源回路
21 呼吸モニター回路
22 中央処理装置
22 動作状態表示回路
24 照射時間設定計数回路
25 治療中通報回路
26 装置異常警報回路
27、30 接続回路
31 タッチセンサー回路
32 低出力半導体レーザー
33 駆動回路
40、41 サーミスター
45 差動アンプ

Claims (10)

  1. レーザー光照射を制御する制御部、該制御部1に接続され治療開始および皮膚患部を検知するプローブ部、制御部1に接続され被検者の呼気を検出する呼吸センサー部とから構成され、前記のプローブ部3が治療開始と皮膚患部を検知して制御部1を動作せしめかつ呼吸センサー部被検者の呼気検出したときのみレーザー光が被検者の皮膚患部に照射されるようにしたことを特徴とする低出力半導体レーザー治療器。
  2. レーザー光照射を制御する制御部は中央処理装置を有し、該中央処理装置は電源回路、呼吸モニター回路と接続され、更に上記の中央処理装置は装置異常警報回路接続回路動作状態表示回路照射時間設定計数回路及び治療中通報回路それぞれ接続して構成したことを特徴とする請求項1に記載の低出力半導体レーザー治療器。
  3. プローブ部はタッチセンサーにより動作される制御回路を有し、該制御回路は接続回路と低出力半導体レーザーの駆動回路接続され、前記接続回路照射時間設定スイッチ回路と呼吸モニター表示回路それぞれ接続され、かつ前記の制御回路治療開始スイッチと接続して構成したことを特徴とする請求項1に記載の低出力半導体レーザー治療器。
  4. 呼吸センサー部は被検者の鼻腔の温度を検出するサーミスターと環境温度の変化による感度補正を行うサーミスターとから構成され、鼻腔の温度を検出するサーミスターの温度が呼気時に僅かでも高くなると差動アンプを介して呼吸モニター回路を動作することを特徴とする請求項1に記載の低出力半導体レーザー治療器。
  5. レーザー光照射を制御する制御部は制御ボックスを有し、そのフロントパネルに少なくともレーザー光照射中表示のための発光ダイオードと皮膚検知表示のための発光ダイオードとを備えていることを特徴とする請求項1に記載の低出力半導体レーザー治療器。
  6. プローブ部に被検者の呼気を表示する発光ダイオードとレーザー光照射中を表示する発光ダイオードとを備えたことを特徴とする請求項1に記載の低出力半導体レーザー治療器。
  7. プローブ部のプローブ本体任意の角度を保って半透明のレーザー光案内体を有し、該レーザー光案内体はレーザー照射中表示のための発光ダイオードと皮膚患部を検知するタッチセンサーとを有しており、かつまた、プローブ本体は治療開始スイッチと呼吸センサー部の動作状態を表示する発光ダイオードとレーザー光の照射時間設定スイッチとを有するユニット構造に構成したことを特徴とする請求項1に記載の低出力半導体レーザー治療器。
  8. 制御部の接続回路とプローブ部の接続回路とが互いに接続され、かつ、制御部の呼吸モニター回路と呼吸センサー部とが互いに接続されて構成されることを特徴とする請求項1に記載の低出力半導体レーザー治療器。
  9. レーザー光案内体の先端部に皮膚患部検出用のタッチセンサーを設け、該タッチセンサーで皮膚患部を検知し治療開始により中央処装置とプローブ部を動作し、呼吸センサー部が被検者の呼気を検出したときのみレーザー光が照射されるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の低出力半導体レーザー治療器。
  10. レーザー光案内体の先端部に設けた皮膚患部検出用のタッチセンサーは、プローブ本体に対して任意の角度を保ちかつ前記タッチセンサーが皮膚患部に対して適切な角度を保って接触されるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の低出力半導体レーザー治療器。
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