JP3616070B2 - ガス温度非接触計測装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高圧・高温のガス雰囲気内の温度を計測する非接触ガス温度計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスタービン燃焼器として、従来、例えば図14に示すようなものがある。
図14に示すように、ガスタービン100 の燃焼器においては、燃焼器内筒101 に設けられた燃料ノズル102 から噴射され、燃焼器尾筒103 内に導入された燃料Fと、圧縮機104 から吐出され、燃焼器尾筒103 内に導入された圧縮空気PAとを、燃焼器尾筒103 の後流側に設けられた燃焼域で燃焼させ、高圧・高温の燃焼ガスCGを発生させて、燃焼域後流側に設置された静翼105 により、この燃焼ガスCGの流速、流れの方向を設計値通りに設定し、動翼106 に供給して作動させ、圧縮機104 を駆動するとともに、余剰の駆動力を外部へ出力するようにしている。
【0003】
また、燃焼器内筒101 内にも、圧縮機104 からの圧縮空気PAが供給され、燃料ノズル102 の前方には、燃料ノズル102 のうち保炎用として設けられた燃料ノズル102 から供給された燃料Fとを混合させた混合気を着火させた保炎が常に形成されるようにしている。即ち、燃焼域には、燃料ノズル102 から噴射され、保炎で着火されて燃焼器内筒101 から燃料F濃度の濃い燃焼ガスCGの状態にして流入させるようにした燃料Fが供給される。
【0004】
他方、燃料域には圧縮機104 から車室107 内に吐出された圧縮空気PAのうち、前述した燃焼器内筒101 に供給される圧縮空気PAを除く、圧縮空気PAが車室107 内に設けた開口部から燃焼器尾筒103 内に流入して供給される。この車室107 内に開口する開口部から流入して燃焼域に供給される圧縮空気PAの流量は、燃焼器内筒101 から供給される燃料Fとの混合比率が、燃焼域で最も燃焼効率の良い燃焼ガスCGを発生させることのできる比率に調整するために、燃焼器尾筒103 の開口部近傍の内部に設置するようにしている、バイパス弁108 の開閉操作により制御されるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ガスタービンの運転監視において最も重要な項目の一つが、ガスタービン入口の温度である。これは、ガスタービン自身の異常を最も直接的に示すものであり、これを監視することにより、ガスタービンの運転に支障をきたす重大な損傷等を未然に防ぐことができる。
現在、ガスタービンの運転監視は、最終段タービン出口のガス温度いわゆるブレードパス温度を常時監視して間接的にガスタービンの運転監視を行っているが、本監視法では、タービン本体の異常か、タービンの上流側、つまり、燃焼器の異常か直接的に判断できない、という問題がある。
【0006】
そこで、タービンのガス温度を計測する方法として、下記のような熱電対を用いた計測法や、放射温度計等を用いることが提案されている。
【0007】
(1)熱電対温度計
従来高温ガスの熱電対式温度としては、白金系のJIS−Bタイプが用いられるが、使用限界としては、1900K程度が限界であり、しかも熱電対を保護するための保護管が必要となる。ここで、水冷二重管を使う場合には、比較的低温の保護管への熱伝導、輻射による熱損失のため、熱電対の指示値が低下する、という問題がある。
また、例えばガスタービンのような高速の高温ガス中に熱電対および保護管を挿入するため、流れをみだし、しかも、何らかの原因で損傷した場合には、後流のタービン等に大きなダメージを与える危険性があるので、問題である。
【0008】
(2)放射温度計(光ファイバー温度計)
この温度計は、高温ガス中に挿入した金属の輻射からガス温度を求める方式であり、高温強度のあるサファヤアロッドの先端に数ミクロンの白金又は白金・ロジウムを被覆し、この金属が放射する放射光をサファイヤロッド内面の全反射および接続された光ファイバでディテクターに導かれ、特定の波長の輻射強度より温度を求めるものである。
本方式は、熱電対温度計と異なり、センサーの白金膜が非常に薄く、温度応答性が非常に優れている。しかし、高温、高圧でしかも高流速の場では、サファイヤロッドの強度は、十分ではなく、前述の熱電対方式と同様に保護管が必要となり、実機適用時に同じ問題を抱えている。
【0009】
熱電対および放射温度計については、すでに実用段階にあるが、今回のようなガスタービンのガス温度計測への適用を考えた場合、いずれも保護管が必要となり、万が一の場合の損傷による後流のタービン等へのダメージが危険なので、このような危険性のない非接触式のガス温度計の開発が望まれている。
【0010】
また、高圧(2PMa)で高温のガス温度をレーザ光を照射して計測することを検討したが、高圧ガス雰囲気においては、ブロードニング現象を生じ、実用化に問題がある。
【0011】
さらに、高圧・高温でのガス反応においても反応温度を正確に測定して、どのような状態で反応が進行するかを判断することが求められているが、未だこのような高圧・高温でのガス温度を迅速に計測する手段がないのが現状である。
【0012】
特に、上述したような熱電対温度計を挿入する場合には、保護管を必要とするが、該保護管の材質により、何らかの触媒作用を引き起し、反応を的確にモニタリングすることができない、という不具合も生じるので、非接触式でのガス計測が求められている。
【0013】
そこで、本発明では、上記問題に鑑み、例えばタービン等のガス温度を直接監視することにより、運転の状態を迅速に判断することができるガス温度非接触計測装置を提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する第1の発明は、1MPa以上、1200K〜1600Kのガス雰囲気内にレーザ光を照射するレーザ光照射手段と、該照射したレーザ光の透過光又は反射光を受光する検出器とを備え、照射するレーザ光を少なくとも0.5nm以上波長掃引することを特徴とする非接触ガス温度計測装置にある。
【0017】
第2の発明は、第1の発明において、上記ガスに含まれる水蒸気(H2O)、酸素(O2 )、又は二酸化炭素(CO2)のいずれかのレーザ光の吸収比率を計測することを特徴とする非接触ガス温度計測装置にある。
【0018】
第3の発明は、第2の発明において、上記水蒸気(H2O)の場合は波長1100〜2000nmの波長域で、酸素(O2)の場合は波長768〜769nmの波長域で、又は二酸化炭素(CO2)の場合は1500〜1600nmの波長域でレーザ光の吸収比率を計測することを特徴とする非接触ガス温度計測装置にある。
【0020】
第4の発明は、第1の発明において、レーザ光を照射する半導体レーザと、上記ガスの通路壁に設けられた光学窓と、レーザ光を反射する反射鏡と、反射された反射光を検出する検出器とを備えたことを特徴とする非接触ガス温度計測装置にある。
【0021】
第5の発明は、第1の発明において、レーザ光を照射する半導体レーザと、上記ガスの通路壁に設けられ、レーザ光を入射する光学窓と、上記ガスを透過したレーザ光を出射する光学窓と、出射されたレーザ光を検出する検出器とを備えたことを特徴とする非接触ガス温度計測装置にある。
【0022】
第6の発明は、第4又は5の発明において、上記光学窓が断面形状が楔形であると共に、光軸と直交しないように上記光学窓を設けたことを特徴とする非接触ガス温度計測装置にある。
【0024】
第7の発明は、第11の発明において、上記ガスがガスタービンの燃焼ガスであることを特徴とする非接触ガス温度計測装置にある。
【0025】
第8の発明は、1MPa以上、1200K〜1600Kのガス雰囲気内にレーザ光を照射し、照射したレーザ光の透過光又は反射光を受光し、照射するレーザ光を少なくとも0.5nm以上波長掃引することを特徴とする非接触ガス温度計測方法にある。
【0028】
第9の発明は、第8の発明において、上記ガスに含まれる水蒸気(H2O)、酸素(O2 )、又は二酸化炭素(CO2)のいずれかのレーザ光の吸収比率を計測することを特徴とする非接触ガス温度計測方法にある。
【0029】
第10の発明は、第9の発明において、上記水蒸気(H2O)の場合は波長1100〜2000nmの波長域で、酸素(O2)の場合は波長768〜769nmの波長域で、又は二酸化炭素(CO2)の場合は1500〜1600nmの波長域でレーザ光の吸収比率を計測することを特徴とする非接触ガス温度計測方法にある。
【0031】
第11の発明は、第8の発明において、上記ガスがガスタービンの燃焼ガスであることを特徴とする非接触ガス温度計測方法にある。
【0032】
第12の発明は、複数本の燃焼器を備えたガスタービンであって、第1ないし第6のいずれかの非接触ガス温度計測装置を備え、燃焼器からの燃焼ガスの温度を計測し、温度計測装置からの情報から各燃焼器の温度制御を個別に行うことを特徴とするガスタービンの運転制御方法にある。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を以下に説明するが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【0034】
[第1の実施の形態]
図1に本実施の形態にかかるガス温度非接触計測装置の概略を示す。
図1に示すように、本実施の形態にかかるガス温度非接触計測装置は、高圧・高温ガス通路10内の高圧・高温ガス11が通過する領域内にレーザ光12を照射するレーザ光照射手段13と、該照射したレーザ光12の透過光14を受光する測定用検出器15とを備えてなるものである。
また、図1中、符号17はレーザ光照射手段13からレーザ光12を所定場所まで導く光ファイバ、符号18はレーザ光12を出射するレーザ光出射部を各々図示する。
本発明において、高圧とは0.2MPa以上、さらには1MPa以上の圧力をいうが、特に限定されるものではない。
【0035】
本実施の形態では、レーザ光12の時間の変化における信号強度の変化を除くために、参照用光検出器16を設けており、図2に示すように、測定時間に応じた両者の検出器の比を求めるようにしている。
【0036】
また、上記ガス通路10には光学窓19がハの字型に設置されていると共に、該光学窓19の断面形状を楔形としている。これは、光学窓19の断面形状をみかけ状平行とする場合には、自己の多重反射が生じるのでこのようなノイズを検出しないようにするためである。
また、同様な目的で、上記光学窓19はレーザ光12の光軸と直交しないようにハの字型に設置するようにしている。
【0037】
また、上記光学窓19の内面側にはパージガス20が吹付けられるようにしており、光学窓19の内面にガス中の不純物等の付着を防止し、レーザ光の減衰を防止している。
【0038】
また、光学窓19の高圧・高温ガス通路10の外側の光学機器側を覆うように、負圧容器21が設けられており、通路内の圧力(P0 )よりも負圧容器21内の圧力(P1 )を負圧(P0 >P1 )となるようにしている。これにより、光学窓19が破損した場合であっても、高圧・高温ガス通路10の内部に破片等が飛散することを防止するようにしている。
【0039】
本発明では、特に高圧・高温ガスに含まれる水蒸気(H2 O)、酸素(O2 )、メタン(CH4 )、又は二酸化炭素(CO2 )のいずれかのレーザ光の吸収比率を計測することで温度を迅速に計測するようにしている。
【0040】
ここで、上記水蒸気(H2 O)の場合は波長1100〜2000nmの波長域(更に好ましくは波長1500〜1600nmの波長域)でレーザ光の吸収比率を計測することが特に好ましい。
【0041】
また、酸素(O2 )の場合は波長1500〜1600nmの波長域でレーザ光の吸収比率を計測することが特に好ましい。
【0042】
メタン(CH4 )の場合は波長1600〜1800nmの波長域でレーザ光の吸収比率を計測することが特に好ましい。
【0043】
二酸化炭素(CO2 )の場合は1500〜1600nmの波長域でレーザ光の吸収比率を計測することが特に好ましい。
【0044】
高圧・高温ガス10中での特定の物質の温度計測スペクトルの一例を図3〜図8に示す。
【0045】
図3は2MPaにおける水蒸気(H2 O)の各温度(1200K、1400K、1600K)の測定波長1554.8〜1555.5nmの範囲における計測スペクトル図である。
【0046】
図4は2MPaにおける水蒸気(H2 O)の各温度(1200K、1400K、1600K)の測定波長1565.8〜1566.8nmの範囲における計測スペクトル図である。
【0047】
図5は2MPaにおける水蒸気(H2 O)の各温度(1200K、1400K、1600K)の測定波長1523〜1524nmの範囲における計測スペクトル図である。
【0048】
図6は2MPaにおける二酸化炭素(CO2 )の各温度(1200K、1400K、1600K)の測定波長1504.5〜1505.2nmの範囲における計測スペクトル図である。
【0049】
図7は1MPaにおけるメタン(CH4 )の各温度(300K、400K、500K)の測定波長1667.5〜1669nmの範囲における計測スペクトル図である。
【0050】
図8は2MPaにおける酸素(O2 )の各温度(1200K、1400K、1600K)の測定波長768〜769の範囲における計測スペクトル図である。
【0051】
上記レーザ光照射手段13から照射するレーザ光12は少なくとも0.5nm以上波長掃引するようにしている。これは、高圧・高温ガス中では各物質のスペクトルがブロードとなるので、少なくとも0.5nm以上波長掃引することで、ある波長域の変化スペクトルを計測し、その温度に特有のスペクトルバンドから温度を特定するようにしている。
【0052】
このため半導体レーザの駆動電源を変化させ、波長を変化させるようにしているが、これに限定されるものではない。
【0053】
また、波長掃引する替わりに、例えば水蒸気の測定スペクトルを示す図9に示すように、照射するレーザ光12を複数の異なる複数点の波長を用いて測定するようにしてもよい。
【0054】
この場合には、図9にも示すように、少なくとも3点(A,B,C)以上の異なる波長において計測することが内因(特に光学窓の汚れ等)の考慮の点から望ましい。
【0055】
なお、上記複数の異なる波長のレーザ光を用いて、温度計測した場合には、測定領域内のガス圧力の要因を考慮する必要があるので、より好ましくは、高圧・高温ガス通路10内のガス圧力を検知する圧力計Pを備えるようにすればよい。
【0056】
[第2の実施の形態]
図10に本実施の形態にかかるガス温度非接触計測装置の概略を示す。
図10に示すように、本実施の形態にかかるガス温度非接触計測装置は、高圧・高温ガス通路10内の高圧・高温ガス11が通過する領域内にレーザ光12を照射するレーザ光照射手段13と、
通路10内のいずれかに設けられ、上記照射したレーザ光12を反射させる反射ミラー31と、
上記反射ミラー31からの反射32を受光する測定用検出器15とを備えてなるものである。
また、図10中、符号33は反射光を集光する集光レンズを図示する。
【0057】
本実施の形態の場合には、装置構造の観点からレーザの透過光を測定することができないような場合に、特に好適なものとなる。
【0058】
[第3の実施の形態]
以下、本発明のガス温度非接触計測装置を用いてガスタービンの燃焼器のガス温度を計測する場合について説明する。
【0059】
図11はタービン燃焼器部分の概略図である。
図11に示すように、燃焼器からの高圧・高温の燃焼ガスCGは、静翼105 により、この燃焼ガスCGの流速、流れの方向を設計値通りに設定し、動翼106 に供給して作動させ、圧縮機104 を駆動している。
本実施の形態では、上記静翼105 の先端近傍に反射ミラー31を設け、車室107 の外部に設けたレーザ照射手段からのレーザ光12を反射させ、該反射光32を車室107 の外部に設けた15で検出するようにしている。
【0060】
本実施の形態では、反射ミラー31を静翼105 と動翼106 との間の軸心側に設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、燃焼ガスCGを効率よく測定することができる場所であればいずれに設置してもよい。また、反射ミラーを設けることなく、静翼105 の一部を加工してレーザ光12の反射部分を形成するようにしてもよい。
【0061】
上記車室107 と、翼室110 には光学窓19A,19Bが各々設けられている。またレーザ照射手段13及び検出器15は負圧容器20により負圧雰囲気としている。
【0062】
上記光学窓の断面形状は楔形(ハの字形)であり、レーザ光12の光軸と直交しない角度に上記光学窓19A,19Bを設置するようにしている。
【0063】
上記ガス温度非接触計測装置を用いてガスタービンの燃焼器のガス温度を計測することで、ガスタービンの運転監視において最も重要な項目の一つであるガスタービン入口の温度をオンラインで迅速に監視することができる。
この結果、ガスタービン自身の異常等を迅速に監視することで、ガスタービンの運転に支障をきたす重大な損傷等を未然に防ぐことができることになる。
【0064】
[第4の実施の形態]
図12に本実施の形態にかかるガス温度非接触計測装置の概略を示す。
図12に示すように、本実施の形態にかかるガス温度非接触計測装置は、タービン静翼105 の一部に加工を施し、反射凹35部を形成し、該凹部35にレーザ光12を照射して反射させて、内部の温度をレーザ光により計測するようにしてもよい。
【0065】
[第5の実施の形態]
図13に本実施の形態にかかるガス温度非接触計測装置を複数設置したガスタービンの概略図を示す。
図13に示すように、本実施の形態のタービン100 は、各燃焼器201 にファイバスプリッタ202 を用いて、レーザ光12を複数に分岐させ、複数の燃焼器201 A〜201 Bに設置したので、複数の燃焼器201 A〜201 Bにおける燃焼に不具合があった場合においても、温度を迅速に計測することができる。
よって、該計測結果に応じて、燃焼制御手段203 により、各燃焼器201 A〜201 Bにおける燃焼をオンラインで迅速に個別制御することができる。
【0066】
これにより、従来のような最終段タービン出口のガス温度いわゆるブレードパス温度を常時監視して間接的にガスタービンの運転監視を行っているものとは異なり、タービン本体の異常か、タービンの上流側、つまり、燃焼器の異常かを直接的に且つ迅速に判断することができるものとなる。
この結果、燃焼制御を迅速に判断できるので、長期間に亙って安定してタービン燃焼を継続することができ、安定運転が可能となる。
【0067】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、高圧・高温のガス雰囲気内にレーザ光を照射するレーザ光照射手段と、該照射したレーザ光の透過光又は反射光を受光する検出器とを備え、照射するレーザ光を少なくとも0.5nm以上波長掃引することとしたので、高圧・高温ガスに含まれる水蒸気(H2O)、酸素(O2 )、又は二酸化炭素(CO2)のいずれかのレーザ光の吸収比率を計測することより高圧・高温のガス雰囲気内の温度を迅速に計測することができる。
【0068】
特に、タービンの燃焼器にガス温度非接触計測装置を設けることで、ガスタービンの運転監視において最も重要な項目の一つであるガスタービン入口の温度をオンラインで迅速に監視することができ、この結果、ガスタービン自身の異常等を迅速に監視することで、ガスタービンの運転に支障をきたす重大な損傷等を未然に防ぐことができることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかるガス温度非接触計測装置の概略図である。
【図2】レーザの信号強度と時間との関係図(a)、2台の検出器の比と時間との関係図である。
【図3】2MPaにおける水蒸気(H2 O)の各温度における計測スペクトル図である。
【図4】2MPaにおける水蒸気(H2 O)の各温度における計測スペクトル図である。
【図5】2MPaにおける水蒸気(H2 O)の各温度における計測スペクトル図である。
【図6】2MPaにおける二酸化炭素(CO2 )の各温度における計測スペクトル図である。
【図7】1MPaにおけるメタン(CH4 )の各温度における計測スペクトル図である。
【図8】2MPaにおける酸素(O2 )の各温度における計測スペクトル図である。
【図9】2MPaにおける水蒸気(H2 O)の各温度における計測スペクトル図である。
【図10】第2の実施の形態にかかるガス温度非接触計測装置の概略図である。
【図11】第3の実施の形態にかかるガス温度非接触計測装置を備えたガスタービン燃焼器の該略図である。
【図12】第4の実施の形態にかかるガス温度非接触計測装置の概略図である。
【図13】第4の実施の形態にかかるガス温度非接触計測装置を備えたガスタービン燃焼器のガスタービン燃焼器の概略図である。
【図14】従来のガスタービン燃焼器の断面図である。
【符号の説明】
10 高圧・高温ガス通路
11 高圧・高温ガス
12 レーザ光
13 レーザ光照射手段
14 透過光
15 測定用検出器
17 光ファイバ
18 レーザ光出射部
Claims (12)
- 1MPa以上、1200K〜1600Kのガス雰囲気内にレーザ光を照射するレーザ光照射手段と、該照射したレーザ光の透過光又は反射光を受光する検出器とを備え、照射するレーザ光を少なくとも0.5nm以上波長掃引することを特徴とする非接触ガス温度計測装置。
- 請求項1において、上記ガスに含まれる水蒸気(H2O)、酸素(O2 )、又は二酸化炭素(CO2)のいずれかのレーザ光の吸収比率を計測することを特徴とする非接触ガス温度計測装置。
- 請求項2において、上記水蒸気(H2O)の場合は波長1100〜2000nmの波長域で、酸素(O2)の場合は波長768〜769nmの波長域で、又は二酸化炭素(CO2)の場合は1500〜1600nmの波長域でレーザ光の吸収比率を計測することを特徴とする非接触ガス温度計測装置。
- 請求項1において、レーザ光を照射する半導体レーザと、上記ガスの通路壁に設けられた光学窓と、レーザ光を反射する反射鏡と、反射された反射光を検出する検出器とを備えたことを特徴とする非接触ガス温度計測装置。
- 請求項1において、レーザ光を照射する半導体レーザと、上記ガスの通路壁に設けられ、レーザ光を入射する光学窓と、上記ガスを透過したレーザ光を出射する光学窓と、出射されたレーザ光を検出する検出器とを備えたことを特徴とする非接触ガス温度計測装置。
- 請求項4又は5において、上記光学窓が断面形状が楔形であると共に、光軸と直交しないように上記光学窓を設けたことを特徴とする非接触ガス温度計測装置。
- 請求項1において、上記ガスがガスタービンの燃焼ガスであることを特徴とする非接触ガス温度計測装置。
- 1MPa以上、1200K〜1600Kのガス雰囲気内にレーザ光を照射し、照射したレーザ光の透過光又は反射光を受光し、照射するレーザ光を少なくとも0.5nm以上波長掃引することを特徴とする非接触ガス温度計測方法。
- 請求項8において、上記ガスに含まれる水蒸気(H2O)、酸素(O2 )、又は二酸化炭素(CO2)のいずれかのレーザ光の吸収比率を計測することを特徴とする非接触ガス温度計測方法。
- 請求項9において、上記水蒸気(H2O)の場合は波長1100〜2000nmの波長域で、酸素(O2)の場合は波長768〜769nmの波長域で、又は二酸化炭素(CO2)の場合は1500〜1600nmの波長域でレーザ光の吸収比率を計測することを特徴とする非接触ガス温度計測方法。
- 請求項8において、上記ガスがガスタービンの燃焼ガスであることを特徴とする非接触ガス温度計測方法。
- 複数本の燃焼器を備えたガスタービンであって、請求項1ないし6のいずれかに記載する非接触ガス温度計測装置を備え、燃焼器からの燃焼ガスの温度を計測し、温度計測装置からの情報から各燃焼器の温度制御を個別に行うことを特徴とするガスタービンの運転制御方法。
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