JP3613572B2 - 磁性金属センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば工作機械や精密測定機器等における相対変位する2部材の変位量を検出するセンサに関し、特に、被検出部に磁性金属を用いる方式のものにおいて、微小な磁性金属片の速い応答速度での検出等を可能にしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、工作機械や精密測定機器等における相対変位する2部材の変位量を、被検出部に磁性金属を用いて検出するセンサ(磁性金属センサと呼ぶことにする)として、渦電流方式センサが存在していた。図12はこの渦電流方式センサのセンシングコイルの構成図、図13は駆動回路部及び検波回路部を含めた渦電流方式センサ全体の概略構成図である。
【0003】
渦電流方式センサの原理は次の通りである。
図12のように円筒形のコア31の円周上にボビン32を用いてコイル33を巻くことによりセンシングコイルを構成し、図13の駆動回路部34でこのコイル33を励振駆動すると、コイル33の周囲に磁界が発生する。
【0004】
このように磁界を発生したセンシングコイルに、図13のように磁性金属の金属片36を近づけていくと、電磁誘導作用による起電力に基づき、この磁界と反対向きの磁界を発生するような渦電流が金属片36内に流れる。
【0005】
この渦電流に基づく磁界の発生によってセンシングコイルのインピーダンスが変化するので、図13の検波回路部35中の検波回路35aでこのインピーダンスの変化分を電圧等の出力信号の変化として取り出す。
【0006】
検波回路部35中のスイッチング回路35b(アナログスイッチのようなスイッチ素子を用いたものであり、金属片36の材質やセンシングコイル・金属片36間の距離と検波回路35aの出力レベルとの関係等に応じて閾値を設定したもの)の出力は、センシングコイル・金属片36間の距離が一定未満/以上のときオン/オフとなり、このオン/オフ時に、図示しない別の回路部からそれぞれ所定レベルの検出信号を得るようにする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この渦電流方式センサには、次のような不都合があった。
(1)一般的な渦電流方式センサの応答速度は、2〜3kHz程度であって、あまり速くない。従って、高速で振動または移動する金属片の検出や、複数の金属片の検出に用いるのには適していない。
【0008】
(2)コイルの径よりも小さい金属片の検出は困難であり、また、微小金属片や薄い金属片を検出するためにコイルを小型化しようとしても限界がある。従って、微小金属片や薄い金属片の検出に用いるのには適していない。
【0009】
(3)電磁誘導により金属片に渦電流が流れるためには、センシングコイルから金属片に及ぶ磁界の強さが十分に大きくなければならない。従って、センシングコイル・金属片間の距離をあまり長くとることはできない。逆に、この距離を長くとろうとすると、センシングコイルを大きくしなければならないので、センサの大型化とコスト高とを招いてしまう。
【0010】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、応答速度が速く、微小金属片等の検出にも適しており、しかもセンサの大型化やコスト高を招くことなく磁界検出部・被検出部間の距離を長くとることのできる磁性金属センサを提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る磁性金属センサは、磁界発生手段と、この磁界発生手段の発生する磁界中に、高透磁率材料から成り開磁路を形成したコアが置かれており、このコアの回りに1対のコイルが巻かれている磁界検出部と、磁性金属を有する被検出部と、このコイルを高周波信号で励振駆動する回路部と、このコイルのインピーダンスの変化分を出力信号として取り出す回路部とを備え、この出力信号からコアの開口端と磁性金属との変位量を検出するようにしたことを特徴としている。
【0012】
磁界発生手段の発生する磁界中に置かれたコアに巻かれたコイルが励振駆動されることにより、コア内には、磁界発生手段からの磁界とコイルの周囲に発生する磁界との双方による磁束が通る。
【0013】
ここで、被検出部の磁性金属が、磁界検出部のコアの開口端から離れている状態では、磁界発生手段からの磁界による磁束は、コアとその回りの空気とから成る磁気回路を通る。そして、空気の透磁率が小さい(従って磁気回路全体の磁気抵抗が大きい)ので、この磁界によるコア内の磁束量はあまり多くならない。
【0014】
これに対し、磁性金属がコアの開口端に近づいた状態では、磁界発生手段からの磁界による磁束は、コアと磁性金属とその回りの空気とから成る磁気回路を通るようになる。そして、磁性金属の透磁率が大きい(従って、磁気回路全体の磁気抵抗が小さくなる)ので、この磁界によるコア内の磁束量が、磁性金属が離れている状態よりも多くなる。
【0015】
コア内の磁束量が変化すると、コイルのインピーダンスが変化する。このインピーダンスの変化分がコイルからの出力信号として取り出され、この出力信号からコアの開口端と磁性金属との変位量(即ち磁界検出部と被検出部との変位量)が検出される。
【0016】
このように、この磁性金属センサによれば、磁界発生手段の発生する磁界によるコア内の磁束量の変化に基づいて変位量を検出するようにしているので、電磁誘導の起電力による渦電流に基づいて変位量を検出する渦電流方式センサよりも応答速度が速くなる。
【0017】
また、コアの開口端の大きさや形状は、磁性金属の大きさや形状に合わせて任意に決定することが可能なので、微小金属片や薄い金属片の検出に用いるのにも適している。
【0018】
また、コアの開口端・磁性金属間の距離(即ち磁界検出部・被検出部間の距離)を長くとるためには、磁界発生手段の磁化の強さを大きくすればよいので、センサの大型化やコスト高を招くことなくこの距離を長くとることができる。
【0019】
また、コアの開口端・磁性金属間の距離(即ち磁界検出部・被検出部間の距離)を長くとるためには、磁界発生手段からの磁界による磁束が磁性金属に届く程度に磁界発生手段の磁化の強さを大きくすればよい(渦電流方式センサのように磁性金属に渦電流を流すほどに大きくする必要はない)ので、センサの大型化やコスト高を招くことなくこの距離を長くとることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
図1〜図10は、本発明に係る磁性金属センサの一実施例を示す。
図1に示すように、永久磁石1の発生する磁界中に、コの字形の開磁路を形成したコア2が置かれており、このコア2の回りに1対のコイル3,4が巻かれている。
【0021】
永久磁石1の寸法は、高さ,幅,厚さがそれぞれ2mm,1mm,1mmになっている(寸法はあくまで一例であって、これに限定する趣旨ではない。以下の各部についても同じである。)
。
永久磁石1は、一例として表面磁束密度約600G(ガウス)の強さで厚さ方向に磁化されている。
永久磁石1の材料としては、フェライト磁石が用いられている。(但し、アルニコ磁石や希土類コバルト磁石等を用いてもよい。)
【0022】
コア2のコア厚は、0.05mmになっている。コア2の開口端2aの長さgは、後述の被検出部の金属片の一辺の長さと同じか、またはそれよりも小さくなっており、ここでは1mmになっている。コア2のその他の部位の寸法は、図2に示す通りである。
【0023】
コア2の材料としては、パーマロイが用いられている。(但し、軟磁性体であればコア2の材料として用いることができるので、例えば鉄−ボロンのような半金属−鉄属合金やコバルト−チタンのような金属−コバルト合金から成る軟磁性のアモルファス磁性体を用いるようにしてもよい。)
【0024】
コイル3,4は、直径0.05mmの銅線を、より具体的には例えば図3に示すようにボビン5を用いて、互いの長手方向軸が平行になるようにしてそれぞれ所定回数(一例として50回)ずつ巻いたものである。
【0025】
コイル3と4の巻き方向と、後述の駆動回路部とは、コイル3,4を励振駆動したときにコイル3の周囲に発生する磁界H1とコイル4の周囲に発生する磁界H1’とが逆向きになるような関係にある(即ち、コイル3と4の巻き方向が同じであり且つ駆動回路部がコイル3と4を逆相の高周波信号で駆動するか、あるいはコイル3と4の巻き方向が逆であり且つ駆動回路部がコイル3と4を同相の高周波信号で駆動するかのいずれかになっている)。
【0026】
永久磁石1に対するコイル3,4の配置は、永久磁石1の磁化の方向とコイル3,4の長手方向とが平行になるように、且つ、永久磁石1からの磁界H2がコイル3と4に均一な強さで及ぶような関係になっている。
【0027】
これにより、図4に示すように、コイル3,4は、一方のコイル内で励振駆動により発生する磁界と永久磁石1からの磁界H2とが同じ向きになるとき、もう一方のコイル内では、励振駆動により発生する磁界と磁界H2とが逆向きになる関係にある(図では、コイル3の励振駆動による磁界H1と磁界H2とが同じ向きであり、コイル4の励振駆動による磁界H1’と磁界H2とが逆向きである状態を示している)。
【0028】
尚、図1では永久磁石1はそのN極側をコア2に対向させるような配置状態にあるが、逆に永久磁石1がそのS極側をコア2に対向させるような配置状態にある場合にも、単に磁界H2の向きが反対になるだけなので、コイル3,4は、やはり磁界H1と磁界H2とが同じ向き/逆向きになるとき、磁界H1’と磁界H2とが逆向き/同じ向きになる関係となる。従って、永久磁石1は、そのN極側とS極側とのいずれをコア2に対向させるように配置してもよい。
【0029】
コイル3,4がこうした関係となる結果、コイル3,4内を通る磁束量が互いに相違する(励振駆動による磁界と磁界H2とが同じ向きのコイル内を通る磁束量のほうが、励振駆動による磁界と磁界H2とが逆向きのコイル内を通る磁束量よりも多くなる)ので、図5に例示するように、コイル3のインピーダンスとコイル4のインピーダンスとが相違するようになる(図では、コイル3のインピーダンスのほうが高い状態を示している)。
【0030】
尚、永久磁石1とコイル3,4との間の距離Lは、一例として、後述のコイル3,4からの出力信号の差動を取った信号の値(これは、図5に示したようなコイル3のインピーダンスとコイル4のインピーダンスとの差分値に対応する値となる)が、図6に示すように最小値0(永久磁石1が無限遠に存在する場合の値)と最大値M(永久磁石1がコア2に接触するまでコイル3,4に近づいた場合の値)との中間値M/2になるような長さに決定されており、ここでは実測の結果2mmになっている。これにより、後述するようなこの差動信号の値の変化による変位量の検出を、高精度に行えるようになっている。
【0031】
これら永久磁石1,コア2,コイル3,4は、図示しない検出対象(工作機械または精密測定機器等)において相対移動する2部材の相対移動方向(図1Bの方向X)とコイル3,4の長手方向軸を含む平面とが直交するような配置で、当該2部材のうちの一方の部材に周知の手段(図示せず)で取り付けられることにより、磁界検出部6を構成している。
【0032】
図1に戻り、平行に並べられた複数枚の薄板状の金属片群7(図では一例として5枚の金属片7a〜7eから成っている)が、板面と相対移動方向Xとが直交するような配置で、且つ、厚さ方向の面が相対移動の過程において磁界検出部のコア2の開口端2aと所定距離Dだけ離隔して向き合うような配置で(図は金属片7cの厚さ方向の面がコア2の開口端2aと向き合った状態を示している)、検出対象の残りの一方の部材に周知の手段(図示せず)で取り付けられることにより、被検出部8を構成している。
【0033】
金属片群7中の個々の金属片の寸法は、縦,横,厚さがそれぞれ2mm,2mm,0.5mmになっている。
金属片群7中の隣り合う金属片間の間隔は、それぞれ0.5mmになっている(従って、隣り合う金属片の厚さ方向の中心間の距離は、それぞれ1mmになっている)。
金属片群7の材料としては、鉄が用いられている。(但し、それ以外の磁性金属を用いてもよい。)
【0034】
このような配置関係の結果、検出対象の2部材の相対移動に伴い、被検出部8の金属片群7中の各金属片の厚さ方向の面が、順に、磁界検出部6のコア2の開口端2aに近づき、向き合い、遠ざかっていくようになっている。
【0035】
図7は、磁界検出部6のコイル3,4を励振駆動する回路部と、コイル3,4から出力信号を取り出す回路部との構成の一例を示す。
端子11に供給される電源(図示せず)からの12Vの電圧が、電圧変換回路12で5Vに変換されて、発振回路13に供給される。発振回路13は、マルチバイブレータ回路を応用したものであり、周波数1MHz,デューティ比1/10,振幅9Vのパルスを発生してコイル3,4に供給する。これにより、前述のように、コイル3の周囲に発生する磁界とコイル4の周囲に発生する磁界とが逆向きになるようにコイル3,4が励振駆動される。
【0036】
コイル3,4からの出力信号は、ブリッジ回路及び平滑回路14により整流・平滑化され、増幅回路15により増幅されて、出力端子16a,16bにそれぞれ取り出される。
【0037】
次に、以上のような構成を有する磁性金属センサの動作を説明する。
金属片群7中の各金属片が、コア2の開口端2aから離れている状態(コア2の開口端2aに向き合っていない状態)では、永久磁石1からの磁界H2による磁束は、図8Aに示すように、コア2とその回りの空気とから成る磁気回路を通る。そして、空気の透磁率が小さい(従って磁気回路全体の磁気抵抗が大きい)ので、磁界H2によるコア2内の磁束量φ1はあまり多くならない。
【0038】
これに対し、検出対象の2部材の相対移動に伴い、金属片群7中のいずれかの金属片がコア2の開口端2aに近づき、向き合った状態では、図8Bに示すように、永久磁石1による磁束は、コア2と当該金属片とその回りの空気とから成る磁気回路を通るようになる。そして、金属片の透磁率が大きい(従って、磁気回路全体の磁気抵抗が小さくなる)ので、永久磁石1からの磁界H2によるコア2内の磁束量φ2は、金属片が離れている状態の磁束量φ1よりも多くなる。
【0039】
このように磁界H2によるコア2内の磁束量が多くなると、前述のようにコイル3,4では励振駆動による磁界(H1,H1’)が互いに逆向きであることから、コイル3,4のうち、励振駆動による磁界と磁界H2とが同じ向きのコイル内を通る磁束量が一層増加するとともに、励振駆動による磁界と磁界H2とが逆向きのコイル内を通る磁束量が一層減少する。その結果、例えば金属片群7がコア2の開口端2aから離れている状態でのコイル3,4のインピーダンスの関係が前出の図5の通りであったとすると、金属片群7中の金属片がコア2の開口端2aに向き合った状態でのコイル3,4のインピーダンスは、図5に示した関係から例えば図9に示すような関係に変化するようになる。従って、コイル3のインピーダンスとコイル4のインピーダンスとの差分値の大きさは、コア2の開口端2aと金属片群7との変位量に応じて変化することになる。
【0040】
図7の回路部の出力端子16a,16bには、コイル3,4のインピーダンスの変化分が、コイル3,4からの出力信号としてそれぞれ取り出される。従って、出力端子16a,16bの出力信号の差動を取ると、この差動信号のレベルは、上述のようなコイル3とコイル4とのインピーダンスの差分値の大きさに対応する(即ちコア2の開口端2aと金属片群7との変位量に対応する)ようになる。
【0041】
図10Aは、この差動信号の実測例を示す。金属片群7中の隣り合う金属片の厚さ方向の中心間の距離がそれぞれ1mmなので、各金属片が順にコア2の開口端2aに近づき、向き合い、遠ざかっていくことにより、相対移動距離1mmを周期として空間的にレベル変動する差動信号が得られる様子が表れている(同図におけるピークp1〜p5は、それぞれ金属片7a〜7eがコア2の開口端2aに向き合った状態に対応している)。
【0042】
この差動信号を、例えば閾値をピークp1〜p5におけるレベルよりも僅かに低いレベルVthに設定したスイッチング回路(図示せず)に供給すれば、図10Bのようなオン/オフ信号が得られるので、例えばこの信号がオンになる回数をカウントすること等により、コア2の開口端2aと金属片群7の変位量(即ち検出対象の相対移動する2部材の変位量)が検出される。
【0043】
このように、この磁性金属センサによれば、永久磁石1の発生する磁界によるコア2内の磁束量の変化に基づいて変位量を検出するようにしているので、応答速度が速くなる。
【0044】
また、コア2の開口端2aの大きさや形状は、金属片群7のような磁性金属の大きさや形状に合わせて任意に決定することが可能なので、微小金属片や薄い金属片の検出に用いるのにも適している。
【0045】
また、コア2の開口端2a・金属片群7間の距離D(即ち磁界検出部6・被検出部8間の距離)を長くとるためには、永久磁石1からの磁界による磁束が金属片群7に届く程度に永久磁石1の磁化の強さを大きくすればよいので、センサの大型化やコスト高を招くことなくこの距離を長くとることができる。
【0046】
図1に示した例では磁界検出部6における磁界発生手段として永久磁石1を用いているが、永久磁石に代えて電磁石を用いるようにしてもよい。図11は、電磁石のコアにボビン21を用いて巻かれたコイル22が発生する磁界中に、コア2が置かれた様子を示している。
【0047】
磁界発生手段として電磁石を用いることには、次の(a)〜(c)のような利点がある。
(a)永久磁石を用いる場合には、センサを取り付ける検出対象に応じて寸法や磁化の強さの異なる磁石に交換しなければならないことがあるが、電磁石を用いる場合には、センサを取り付ける検出対象が代わっても、コイルに流す電流を調整するだけで足りる。従って、センサの組立が容易になる。
【0048】
(b)永久磁石を用いる場合には、磁石の部位によって磁化の強さにばらつきが存在することにより磁界にむらが生じることがあるが、電磁石を用いる場合には、磁界にむらが生じるおそれが少ない。従って、検出精度が一層向上する。
【0049】
(c)永久磁石を用いる場合には、コイル3,4からの出力の差動信号の値を図6に示した中間値M/2に設定するために、永久磁石を実際に移動させてコイル3,4との間の距離を変化させなければならないが、電磁石を用いる場合には、コイルに流す電流を調整するだけで、この値を中間値M/2に設定できる。従って、センサの調整が容易になる。
【0050】
尚、以上の実施例では磁界検出部のコアはコの字形を成しているが、コアは開磁路を形成してさえいれば任意の形状であってよいので、例えばC字形(円環の一部に開磁路を形成した形状)を成していてもよい。
【0051】
また、以上の実施例では被検出部に磁性金属として複数枚の薄板状の金属片群を設けているが、薄板状の金属片を1枚のみ設けたり、薄板以外の適宜の形状の1または複数の金属片を設けたりしてもよい。そして、コアのコア厚やその開口端の形状や開口長も、この金属片の形状や寸法等に応じて適宜設計するようにすればよい。
【0052】
また、本発明は、以上の実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、その他様々の構成をとりうることはもちろんである。
【0053】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る磁性金属センサによれば、次に列挙するような様々な効果が得られる。
(1)磁界発生手段の発生する磁界によるコア内の磁束量の変化に基づいて変位量を検出するので、応答速度が速くなる。従って、高速で振動または移動する金属片の検出や、複数の金属片の検出に用いるのに適している。
【0054】
(2)コアの開口端の大きさや形状は、磁性金属の大きさや形状に合わせて任意に決定することが可能なので、微小金属片や薄い金属片の検出に用いるのにも適している。
(3)磁界検出部・被検出部間の距離を長くとるためには、磁界発生手段からの磁界による磁束が磁性金属に届く程度に磁界発生手段の磁化の強さを大きくすればよいので、センサの大型化やコスト高を招くことなくこの距離を長くとることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁性金属センサの構成の一例を示す図であり、Aは側面図、Bは平面図である。
【図2】図1のコア2の寸法の一例を示す図である。
【図3】図1のコイル3,4の巻装方法の一例を示す図である。
【図4】図1のコイル3,4内の磁界の強さの関係の一例を示す図である。
【図5】コイル3,4のインピーダンスの関係の一例を示す図である。
【図6】コイル3,4間の距離Lと、コイル3とコイル4とのインピーダンスの差分値との関係の一例を示す図である。
【図7】コイル3,4を励振駆動する回路部と、コイル3,4から出力信号を取り出す回路部との構成の一例を示す図である。
【図8】図1のセンサの動作原理を示す図である。
【図9】コイル3,4のインピーダンスの関係の一例を示す図である。
【図10】図1のセンサの検出信号の一例を示す図である。
【図11】磁界発生手段の別の構成例を示す図である。
【図12】従来の磁性金属センサの構成の一例を示す図であり、Aは正面図、Bは平面図である。
【図13】従来の磁性金属センサの構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 永久磁石、 2 コア、 2a 開口端、 3,4 コイル、 5,21ボビン、 6 磁界検出部、 7 金属片群、 7a,7b,7c,7d,7e 金属片、 8 被検出部、 11 電源、 12 電圧変換回路、 13 発振回路、 14 ブリッジ回路及び平滑回路、 15 増幅回路、 16a,16b 出力端子、 22 電磁石のコイル
Claims (1)
- 磁界発生手段と、
前記磁界発生手段の発生する磁界中に、高透磁率材料から成り開磁路を形成したコアが置かれており、前記コアの回りに1対のコイルが巻かれている磁界検出部と、
磁性金属を有する被検出部と、
前記コイルを高周波信号で励振駆動する回路部と、
前記コイルのインピーダンスの変化分を出力信号として取り出す回路部と
を備え、前記出力信号から前記コアの開口端と前記磁性金属との変位量を検出するようにしたことを特徴とする磁性金属センサ。
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