JP3613251B2 - 多段型電子冷却ユニットおよび温度制御ステージ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品などの試料の温度試験を行う際、試料を低温に設定するための多段型電子冷却ユニットおよび温度制御ステージに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光通信用の電子部品などは、温度環境下での動作保証が求められており、製品を試験温度に設定して、動作確認試験や特性検査が行われている。製品を室温よりも低温に設定する必要があるときは、ペルチェ素子を用いた電子冷却がしばしば行われている。
【0003】
その事例としては、例えば特開平6−89955号公報に記載が有る。これらの電子冷却を用いる装置では、一般的には図2に示すような、複数のペルチェ素子エレメントをユニット化したペルチェモジュールを使用しており、ペルチェモジュールは広く市販されている。市販のペルチェモジュールは、p型、n型の熱電交換素子(ペルチェ素子)エレメント(図中記号13)が交互に配列され、各端子が電極11を介して電気的に直列に接続されている。
【0004】
図2では簡略化のため、エレメント13は1列に配置されているが、実際は2次元的にマトリクス状に配列されており、エレメントの個数も図示より多いものも有る。機械的な強度を確保するため、上下をセラミクスの板12a,12bで挟んだものが市販されている。
【0005】
これらペルチェモジュールで試料を低温に設定するときは、直流電流を流して駆動するが、駆動電流による熱の移動によって、端面間の温度差が大きくなると、熱の逆流が大きくなり、つりあいが取れるとそれ以上には温度差が出ない。また、駆動電流の絶対値が少ない場合は電流の大きさに従って、おおむね上記したつりあい状態の温度差が大きくなるが、それより大きくなると、ペルチェ素子内部でのジュール熱の影響が強くなり、1枚のモジュールで得られる温度差は頭打ちになる。従って1枚のペルチェモジュールで得られる温度差以上に温度差を得たい場合は、ペルチェモジュールを2段以上積み重ねて使用することが行われる。
【0006】
多段型の従来技術としては、特開平2−10781号公報に記載されているようなものが知られている。この事例は下段から上段にかけて、ペルチェモジュールの大きさを小さくしたものを積み重ねることが、開示されている。
【0007】
一方、特開平2−10781号公報の構造のようにモジュールの面積を順次小さくなると熱伝達が悪くなり、効率が阻害される。これを防ぐため、たとえば特開平8−236820号公報のように、同一面積のモジュールを積み重ねる例が開示されている。多段型ペルチェモジュールでは、試料に近い上段のモジュールほど、駆動電流を少なくする必要があるが、前記事例では、それぞれのモジュール内のペルチェエレメントの接続順序を変えることによって、それを実現している。
【0008】
一方、特開平11−326063号公報では、ペルチェモジュールを多段に積み重ねて温度制御する際に、上段のペルチェモジュールの電流を小さくするために、バイパス回路を設け、大電流が流れるのを回避し、全体の特性を確保している技術を開示している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術である特開平8−236820公報に記載された方法では、使用されるペルチェモジュールの形状、エレメントの配置は同一であるもの、各段において、電気的な接続方法が異なっている。従って各段毎に、接続を違えたモジュールを用意する必要が有る。一般に市販されている1段のペルチェモジュールは、エレメントが電気的には一筆書きで全て直列に接続されたものであり、さまざまな品種はない。
【0010】
従って、一般的に入手可能な一筆書きペルチェモジュールを積み重ねることによっては、この従来技術では構成できないという課題が有る。
【0011】
また、この従来技術では接続を違えたモジュールを使用するため、故障時対策として、その品種分だけモジュールを備蓄する要があり、メンテナンス性が悪いという課題が有る。
【0012】
一方、特開平11−326063公報に記載の方法では、放熱側のペルチェモジュールに流れた電流のうち一部をバイパス回路に流して、試料側ペルチェモジュールの電流を少なくしている。バイパス回路を流れる電流は冷却するという本来の目的には貢献することなく、電子回路で消費され、エネルギーを無駄に消費しているという課題が有る。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明では、熱電変換素子をマトリクス状に配列し、絶縁物で挟みこんで構成したペルチェモジュールを複数積み重ねた構造の多段型電子冷却ユニットおよびこれを用いた温度制御ステージにおいて、前記ペルチェモジュールは、好ましくは全て同一品種の部品であることと、全てのペルチェモジュールに対して駆動電流を供給する電源とを含むことを特徴とし、それぞれのペルチェモジュールの接続関係によって、試料に近いペルチェモジュールほど駆動電流が少なくなるようにしている。
【0014】
すなわち本発明の特徴は、熱電変換素子をマトリクス状に配列し、絶縁物で挟みこんで構成した複数のペルチェモジュールを複数段に積み重ねた構造の多段型電子冷却ユニットにおいて、前記ペルチェモジュール間の結線関係によって冷却される試料に近い位置のペルチェモジュールほど駆動電流が少なくなるようにした多段型電子冷却ユニットにある。ここで、前記複数のペルチェモジュールはたがいに同一品種のものであることが好ましい。なお本明細書において同一品種とは、同じ形状、内部の熱電交換素子(ペルチェ素子)エレメントの種類、数、それら間の内部接続形態が同じで同じ特性を有した同じ製品名(型名)のものを意味する。
【0015】
さらに、前記試料側の結線は電気的に並列接続であり、放熱側の結線は電気的に直列接続であることができる。また、前記結線はバイパス回路を有して行われていることができる。
【0016】
また、前記試料側と放熱側間に前記積み重ねた構造を2組設け、それぞれの組において冷却される試料に近い位置のペルチェモジュールほど駆動電流が少なくなるようにすることが好ましい。この場合、前記2組の積み重ねた構造は前記試料に対して同じ方向に配置していることができる。あるいは逆に、前記2組の積み重ねた構造は前記試料側に対してたがいに反対方向に配置していることができる。
【0017】
本発明の他の特徴は、上記したいずれかに記載の多段型電子冷却ユニットの冷却側に試料ステージを固着し、放熱側に放熱手段を固着した温度制御ステージにある。この場合、多段型電子冷却ユニットの冷却側に試料ステージを固着し、放熱側に放熱手段を固着した温度制御ステージであって、前記試料ステージが箱型または、トンネル型の前記試料を包み込む形状の構造物である温度制御ステージにある。
【0018】
あるいは本発明の他の特徴は、熱電変換素子をマトリクス状に配列し、絶縁物で挟みこんで構成した複数のペルチェモジュールによる多段型電子冷却ユニットを用いた温度制御ステージにおいて、第1および第3のペルチェモジュールを電気的に並列接続し、これに第2のペルチェモジュールを電気的に直列接続し、前記第1のペルチェモジュールを試料ステージに固着し、前記第1のペルチェモジュールに積み重ねた前記第2のペルチェモジュールを放熱手段に直結し、かつ、前記放熱手段を前記第3のペルチェモジュールで冷却するようにした温度制御ステージにある。この場合、前記第3のペルチェモジュールによる前記放熱手段の冷却は中間板を介して行うようにすることができる。
【0019】
もしくは本発明の他の特徴は、熱電変換素子をマトリクス状に配列し、絶縁物で挟みこんで構成した複数のペルチェモジュールによる多段型電子冷却ユニットを用いた温度制御ステージにおいて、第1および第3のペルチェモジュールを電気的に並列接続し、これに第2のペルチェモジュールを電気的に直列接続し、前記第1のペルチェモジュールを試料ステージに固着し、前記第1のペルチェモジュールに積み重ねた前記第2のペルチェモジュールを放熱手段に直結し、前記試料ステージには試料を内包するカバーが接続されており、前記カバーを前記第3のペルチェモジュールで冷却するようにした温度制御ステージにある。この場合、前記カバー内に設置した乾燥剤を温度制御して、カバー内部の水蒸気を除去し、低温時に前記試料に結露するのを防ぐことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に関する図であり、図1(A)その構造的な配置を示す構成図、図1(B)はそのペルチェモジュール間の電気的な接続を示す接続図である。
【0021】
本構成図では、2段積み重ね型の構成を示している。1a,1b、1c、1dはそれぞれたがいに同一品種のペルチェモジュール、2は冷却の対象となる試料ステージ、3は放熱手段であり、ここでは放熱フィンを示している。本実施の形態では、2段の積み重ねモジュールを2セット用いて構成する。
【0022】
ペルチェモジュール1a,1b、1c、1dの構成は、たとえば図2で示されたものに該当する。図2のペルチェモジュールは、一般に市販されている構造を示しており、それはペルチェエレメント13が縦横マトリクス状に並べられて、電極11が一筆書きになるように各エレメント上下面に設置され、上下をセラミクス板12a,12bで挟んだ構造を成している。
【0023】
図1(A)に戻って、6は温度センサであり、電流コントローラ4に接続されている。温度センサは、白金抵抗体やサーミスタなどの感温素子を用いる。電流コントローラ4は、例えばPIDコントローラと電流アンプにより構成され、フードバック制御により、センサ6の温度が目標に合致するように、ペルチェモジュールに電流を供給する。PIDコントローラや電流アンプは市販品があるため、ここでは詳細には述べない。
【0024】
図1(B)は第1の実施の形態におけるペルチェモジュール1a,1b、1c、1dの電気的な接続状態を示している。すなわち1a,1bは並列に接続され、1c、1dは直列に接続される。1台の電流コントローラ4の出力は一対の+−端子から、4個のペルチェモジュールに供給される。
【0025】
図1(A)のペルチェモジュール1c,1dに固着された放熱部3は例えば放熱フィンとそれに風を吹き付けるファンで構成され、ペルチェモジュールを経由して、ペルチェモジュール1a,1bに固着された被温度制御物であるステージ2から伝達された熱を排熱する。
【0026】
なお、この実施の形態や後で説明する他の実施の形態において、ペルチェモジュールの構造上の積み重ねは、例えば図2に示すペルチェモジュールの外壁のセラミック12a、12bどうしを熱伝導の良い接着剤でたがいに固着して行われ、ペルチェモジュールと放熱手段、試料ステージあるいは中間板との構造上の接続も、例えば図2に示すペルチェモジュールの外壁のセラミック12a、12bとこれらの放熱手段、試料ステージあるいは中間板とを熱伝導の良い接着剤で固着することでなされる。
【0027】
ステージ2は、試料5への伝熱特性を高めるため、熱伝達率の高い金属の板に温度センサ6を埋めこんで用いる。なお図示していないが、低温時の結露防止のため、カバーなどがステージ2上に設置される場合がある。カバー内には必要に応じて乾燥空気や窒素など水蒸気の少ない気体を吹き込む。
【0028】
上記の構成で、制御部4より電流を供給すると、ペルチェモジュール1aと1bに流れる電流は、ペルチェモジュール1cと、1dに流れる電流の半分になる。従って1a、1bの電流は必ず1c、1dの電流より小さくなる。また、1aから1dは同一モジュール、すなわち同じ構成のモジュールであるので、面積が同一であり、モジュール積み重ねにおいて段差が発生しないので、熱伝達が効率的に行われる。
【0029】
図3は本発明の第2の実施の形態のおけるペルチェモジュール間の電気的な接続状況を示す接続図である。
【0030】
この第2の実施の形態は3段のペルチェモジュール積み重ねを行った場合である。この3段の場合でも、図1の2段の場合と同様に、積み重ねモジュールを2セット使用する。図3に示すそれぞれのペルチェモジュール1は、図1のそれぞれのペルチェモジュールと同様に、たがいに同一品種である。
【0031】
図3の構造的構成は、放熱手段側に1段目(1)のペルチェモジュール1および1段目(2)のペルチェモジュール1がそれぞれ設けられている。そして、1段目(1)のペルチェモジュール1上に2段目(1)のペルチェモジュール1が設けられ、2段目(1)のペルチェモジュール1上に試料側の3段目(1)のペルチェモジュール1が設けられている。同様に、1段目(2)のペルチェモジュール1上に2段目(2)のペルチェモジュール1が設けられ、2段目(2)のペルチェモジュール1上に試料側の3段目(2)のペルチェモジュール1が設けられている。
【0032】
これらの6個のペルチェモジュール1はたがいに同一品種であるから電気的特性も同じである。したがって、各ペルチェモジュールの電気抵抗が同一で1段目ペルチェモジュールの電流を1.0Aと仮定すると、2段目の電流は0.4A、3段目は0.2Aとなって、上段に行くほど電流が少なくなる。4段以上積み重ねる場合も同様に、直列/並列接続を繰り返し、2セットの多段積み重ねモジュールを用いて構成する。
【0033】
図4は本発明の第3の実施の形態に関する図であり、図4(A)その構造的な配置を示す構成図、図4(B)はそのペルチェモジュール間の電気的な接続を示す接続図である。尚、この第3の実施の形態の接続図の図4(B)は第1の実施の形態の接続図の図1(B)と同じである。
【0034】
すなわち、図1(A)では、積み重ねたモジュールの2セットは、同一平面状のステージを冷却する配置になっており、放熱部も共用されている。しかし、電気的接続関係が同じであれば必ずしも機構的な構成はこれに限るものではなく、例えば、この第3の実施の形態の図4(A)に示すように、中空の金属状の箱を試料ステージ2とし、その上下面に、多段ペルチェモジュールを1セットづつ配置することも可能である。この場合は、試料を取り囲む形なので、試料の温度設定精度が向上する。この場合は、物理的には放熱部3は、個別に設置する。尚、図4(A)において図1(A)と同一もしくは類似の箇所は同じ符号を付してあるから重複する説明は省略する。
【0035】
次に図5は本発明の第4の実施の形態に関する図であり、図5(A)その構造的な配置を示す構成図、図5(B)はそのペルチェモジュール間の電気的な接続を示す接続図である。この第4の実施の形態は、特に本発明の温度制御ステージの実施の形態である。
【0036】
図5において、1a,1b、1cはそれぞれペルチェモジュール、2は試料をセットするステージ、3a,3bはそれぞれ放熱手段であり、ここでは放熱フィンを示している。ペルチェモジュール1a,1b、1cの構成は、例えば先に説明した図2で示されたものに該当する。図5におけるペルチェモジュール1a,1b、1c、温度センサ6、電流コントローラ4は図1と同様のものを示している。
【0037】
図5(B)に示すように、ペルチェモジュール1a,1cが並列に接続され、それにペルチェモジュール1bが直列に接続されている。すなわち、第1のペルチェモジュール1aと第3のペルチェモジュール1cとが電気的に並列接続し、これに第2のペルチェモジュール1bが電気的に直列接続している。1台の電流コントローラ4の出力が一対の+−端子から3個のペルチェモジュールに供給される。
【0038】
ペルチェモジュールはステージ2,放熱部3aを含む中間板7、放熱部3bに、図5(A)に示すように、固着されている。放熱部3a、3bは例えば放熱フィンとそれに風を吹き付けるファンで構成され、ペルチェモジュールを経由して、被温度制御物から伝達された熱を排熱する。
【0039】
中間板7は、アルミニウムなど、熱伝導率の良い材質で構成された板で、放熱部3aと、ペルチェモジュール1cが取りつけられる。ステージ2は、試料5への伝熱特性を高めるため、熱伝達率の高い金属の板に温度センサ6を埋めこんで用いる。
【0040】
また、8は試料ステージのカバーであり、外気の進入によって、試料および、試料ステージの温度が大きく乱されることを防止する。カバーは、たとえば熱伝達率の低い樹脂で構成される。尚、図示していないが、試料への結露防止のために、必要に応じて乾燥空気や窒素など水蒸気の少ない気体をカバー内部に吹き込む。
【0041】
上記の構成で、制御部4より電流を供給すると、ペルチェモジュール1bに流れる駆動電流は、ペルチェモジュール1aと、1cに分割して流れるので、1aの駆動電流は必ず1bの駆動電流より小さくなる。また、ペルチェ1cは、中間板7を冷却する働きもするので、2段ペルチェの放熱部の放熱を助長する働きをする。
【0042】
なおこれらの実施の形態の構成部品であるペルチェモジュールは、同一品種を想定しているが、段ずみの部分さえ外形形状が同じであれば違う電流容量のものを使用しても差し支えない。その際は並列部分に流れる電流が適正であるか検討する必要がある。
【0043】
図6は本発明の第5の実施の形態に関する図であり、図6(A)その構造的な配置を示す構成図、図6(B)はそのペルチェモジュール間の電気的な接続を示す接続図である。尚、図6(B)に示す第5の実施の形態の接続は、図5(B)に示す第4の実施の形態の接続と同じである。この第5の実施の形態も第4の実施の形態と同様に、特に本発明の温度制御ステージの実施の形態である。
【0044】
図6において、基本的に構成部品およびペルチェモジュール間の接続関係は図5と同一であり、相違点は、ペルチェモジュール1cがステージ2上のカバー8に接続している点および、ペルチェモジュール1cの冷却側の面に乾燥剤9を接続しているところである。乾燥剤9はたとえばシリカゲルで構成される。シリカゲルは、低温になるとより多くの水分子を吸着するため、カバー内の露点を低下させることができる。
【0045】
従って、冷却動作時に、カバー内に乾燥空気等を吹きこむことなしに、結露を防止することができる。試料を取り出すときは、一旦温度を室温に戻してから、カバーを開放する。乾燥剤を復活させるためには、高温にして水分子を放出させればよいが、その目的のためには、ペルチェモジュールに流す電流を逆転して、ステージ及び、乾燥剤を冷却から加熱に切りかえて動作させることができる。なお、電子部品の検査では、低温のみならず、高温での検査も行う場合も多いので、高温検査時に、乾燥剤の復活を兼ねることができる。
【0046】
上記の構成で、制御部4より電流を供給すると、ペルチェモジュール1bに流れる駆動電流は、ペルチェモジュール1aと、1cに分割して流れるので、1aの駆動電流は必ず1bの駆動電流より小さくなる。また、ペルチェ1cは、カバー8を冷却する働きをする。
【0047】
なお、上記実施の形態では、並列接続するペルチェモジュールを、放熱部または、カバーに接続させて、少しでもエネルギーを効率的に使用するようにしているが、装置の設置や、スペースの問題で、前記箇所に配置できない場合は、放熱部分と共に、他の第3の場所に設置したとしても、実用可能であることは明かである。
【0048】
図7は本発明の第6の実施の形態の電気的接続を示す接続図であり、図8は本発明の第7の実施の形態の電気的接続を示す接続図である。
【0049】
図7は、放熱体側の1段目のペルチェモジュール1上に2段目のペルチェモジュール1を設け、2段目のペルチェモジュール1上に試料側の3段目のペルチェモジュール1を設けたことによる積み重ねたペルチェモジュールの段数が3段の場合であり、電気的な接続関係は図7に示すように3段目のペルチェモジュール1とバイパス回路10とを電気的に直列接続し、その直列接続に2段目のペルチェモジュール1を電気的に並列接続している。
【0050】
図8は、放熱体側の1段目のペルチェモジュール1上に2段目のペルチェモジュール1を設け、2段目のペルチェモジュール1上に3段目のペルチェモジュール1を設け、3段目のペルチェモジュール1上に試料側の4段目のペルチェモジュール1を設けたことによる積み重ねたペルチェモジュールの段数が4段の場合であり、電気的な接続関係は図8に示すように、4段目のペルチェモジュール1とバイパス回路10とを電気的に並列接続し、その並列接続に3段目のペルチェモジュール1を電気的に直列接続し、その直列接続に2段目のペルチェモジュール1を電気的に並列接続し、その並列接続に1段目のペルチェモジュール1を電気的に直列接続している。
【0051】
以上は、3段および4段構成における電気的接続関係を示したが、5段以上の構成でも、同様の方法で、直列接続/並列接続を組み合わせることにより、試料側に近い段ほど、駆動電流を少なくすることができる。なお、多段化した際、結果的にバイパス電流は小さくなるが、その電流が小さく発熱量があまり損失として問題で無くなれば、バイパス回路として、ペルチェモジュールでなく、抵抗素子等を用いることもできる。その際は発熱を考慮して、抵抗素子等は、多段ペルチェモジュール部分に熱的に影響を及ぼさないような場所に配置する
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、好ましくは同一品種のペルチェモジュールを複数段重ね合わせる構成にして、ペルチェモジュール間の結線関係によって試料に近い位置のペルチェモジュールほど駆動電流が少なくなるようにしたので、構成部品の品種を少なくでき、システムの簡素化、故障時のメンテナンス性向上をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す図であり、(A)は構造配置の構成図、(B)はペルチェモジュール間の電気的接続の接続図である。
【図2】ペルチェモジュールを示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態のおけるペルチェモジュール間の電気的な接続を示す接続図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態を示す図であり、(A)は構造配置の構成図、(B)はペルチェモジュール間の電気的接続の接続図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態を示す図であり、(A)は構造配置の構成図、(B)はペルチェモジュール間の電気的接続の接続図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態を示す図であり、(A)は構造配置の構成図、(B)はペルチェモジュール間の電気的接続の接続図である。
【図7】本発明の第6の実施の形態のおけるペルチェモジュール間の電気的な接続を示す接続図である。
【図8】本発明の第7の実施の形態のおけるペルチェモジュール間の電気的な接続を示す接続図である。
【符号の説明】
1,1a,1b、1c,1d ペルチェモジュール
2 試料ステージ
3 放熱手段
4 電流コントローラ
5 試料
6 温度センサ
7 中間板
8 カバー
9 乾燥剤
10 バイパス回路
11 電極
12a,12b セラミック板
13 熱電交換素子(ペルチェ素子)エレメント
Claims (12)
- 熱電変換素子をマトリクス状に配列し、絶縁物で挟みこんで構成した複数のペルチェモジュールを複数段に積み重ねた構造の多段型電子冷却ユニットにおいて、
前記ペルチェモジュールは1台の電流コントローラで駆動され、冷却される試料側の前記ペルチェモジュールの結線は電気的に並列接続であり、放熱側の前記ペルチェモジュールの結線は電気的に直列接続であって、前記ペルチェモジュール間の結線関係によって冷却される試料に近い位置のペルチェモジュールほど駆動電流が少なくなるようにしたことを特徴とする多段型電子冷却ユニット。 - 前記複数のペルチェモジュールはたがいに同一品種のものであることを特徴とする請求項1記載の多段型電子冷却ユニット。
- 前記結線はバイパス回路を有して行われていることを特徴とする請求項1記載の多段型電子冷却ユニット。
- 前記試料側と放熱側間に前記積み重ねた構造を2組設け、それぞれの組において冷却される試料に近い位置のペルチェモジュールほど駆動電流が少なくなるようにしたことを特徴とする請求項1記載の多段型電子冷却ユニット。
- 前記2組の積み重ねた構造は前記試料に対して同じ方向に配置していることを特徴とする請求項4記載の多段型電子冷却ユニット。
- 前記2組の積み重ねた構造は前記試料側に対してたがいに反対方向に配置していることを特徴とする請求項4記載の多段型電子冷却ユニット。
- 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の多段型電子冷却ユニットの冷却側に試料ステージを固着し、放熱側に放熱手段を固着したことを特徴とする温度制御ステージ。
- 請求項6に記載の多段型電子冷却ユニットの冷却側に試料ステージをを固着し、放熱側に放熱手段を固着した温度制御ステージであって、前記試料ステージが箱型またはトンネル型の前記試料を包み込む形状の構造物であることを特徴とする温度制御ステージ。
- 熱電変換素子をマトリクス状に配列し、絶縁物で挟みこんで構成した複数のペルチェモジュールによる多段型電子冷却ユニットを用いた温度制御ステージにおいて、第1および第3のペルチェモジュールを電気的に並列接続し、これに第2のペルチェモジュールを電気的に直列接続し、前記第1のペルチェモジュールを試料ステージに固着し、前記第1のペルチェモジュールに積み重ねた前記第2のペルチェモジュールを放熱手段に直結し、かつ、前記放熱手段を前記第3のペルチェモジュールで冷却するようにしたことを特徴とする温度制御ステージ。
- 前記第3のペルチェモジュールによる前記放熱手段の冷却は中間板を介して行うようにしたことを特徴とする請求項9記載の温度制御ステージ。
- 熱電変換素子をマトリクス状に配列し、絶縁物で挟みこんで構成した複数のペルチェモジュールによる多段型電子冷却ユニットを用いた温度制御ステージにおいて、第1および第3のペルチェモジュールを電気的に並列接続し、これに第2のペルチェモジュールを電気的に直列接続し、前記第1のペルチェモジュールを試料ステージに固着し、前記第1のペルチェモジュールに積み重ねた前記第2のペルチェモジュールを放熱手段に直結し、前記試料ステージには試料を内包するカバーが接続されており、前記カバーを前記第3のペルチェモジュールで冷却するようにしたことを特徴とする温度制御ステージ。
- 前記カバー内に設置した乾燥剤を温度制御して、カバー内部の水蒸気を除去し、低温時に前記試料に結露するのを防ぐことを特徴とする請求項11記載の温度制御ステージ。
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