JP3612779B2 - 電子レンジ加熱食品添付用小型密封容器 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は電子レンジで加熱する食品に添付する小型密封容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子レンジで加熱する食品には、これに用いる調味料等がプラスチックの小袋、小チューブ等の小型容器に封入して添付されているが、調味料は加熱前に食品に混合しないよう密封されていなければならない。
ところがこのような添付された小型密封容器は電子レンジで加熱されると内容物の加熱気化、膨張等により破裂して危険である。この問題を解決する方法として、マイクロ波を透過しない金属箔とプラスチックフイルムとの積層体により成形された小袋が提案されている。この方法では小袋に包装された調味料はマイクロ波による加熱膨張破裂は発生しないが、シール部の金属箔近接部で放電する問題が発生した。またこの放電を防ぐ方法として該積層体で、筒状にロール加工し、シール部を筒状に巻く技術も提案されているが、これらもシール部に金属箔近接部が存在するため、放電に対し十分でなく、このような問題の解決が望まれていた。
また電子レンジ用の調味料用容器として電波を遮蔽するシートを溶着して容器を形成したり電波遮蔽シートを容器に貼着したりすることが例えば特開平6−312772号公報により提案されている。
しかしながらこのような容器は導電体が接近し、マイクロ波で放電する放電間隙が形成されるので電子レンジで加熱されると、容器の破損を防ぐことが出来ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
電子レンジで食品を加熱したときに、内容物が加熱されず、したがって破裂を起こさず放電も発生しない食品添付小型密封容器を提供する。
【0004】
【課題を解決した手段】
本発明は、
「1. 開口部周辺にフランジを有する口径20mm以下の導電性材料で一体成形した胴部と、開口部のフランジに貼着して開口を封止する非導電性蓋体とからなり、導電体により一体成形された胴部は独立した導電体が互いに接近するマイクロ波により放電する放電間隙がないことを特徴とする、電子レンジ加熱食品添付用小型密封容器。
2. 胴部を形成する導電体がアルミニウムまたは鉄である、1項に記載された電子レンジ加熱食品添付用小型密封容器。
3. 胴部を形成する導電体が導電材と誘導材を積層した多層体である、1項または2項に記載された電子レンジ加熱食品添付用小型密封容器。」
に関する。
【0005】
【作用】
本発明の第1の特徴は口径が20mm以下の胴部を有することである。胴部は導電体で一体に形成されているのでマイクロ波が胴部からは容器内に侵入しない。
電子レンジで使用されるマイクロ波の波長は約122mmであり、導電性物質で囲まれた1/4波長のサイズの開口部にはマイクロ波は侵入しにくくなる。口径が20mmを越えると侵入したマイクロ波によって、内容物が加熱され、破裂にいたるが、口径が20mm以下となるとマイクロ波の侵入が少く、加熱は全く生じない。特に口径が15mm以下がマイクロ波から内容物の加熱を防ぐには最も好ましい。
口径が20mm以下となるとマイクロ波の侵入が少く加熱は全く生じない。口径15mm以下が最も好ましい。
開口部にフランジを設けると蓋の密着が良好となり、密封性が向上する。
【0006】
本発明の第2の特徴は胴部が一体成形されており、独立した導電体が互いに接近しマイクロ波で放電する放電問題を形成しないことである。
胴部に導電体層を形成する手段としては胴部を導電体で一体成形する方法のほか、最も簡単な方法としてはプラスチックスで形成した小型容器の胴部にテープ状のアルミ箔を巻きつける方法等がある。
ところがこのような導電テープを巻きつけたのではテープの巻きがかさなった部分は導電体の近接部となりマイクロ波により放電する放電間隙が形成される。しかも導電テープがマイクロ波を反射するのでこの周囲は電界が強くなってテープのエッジで放電が発生し発火する場合もある。したがって導電層を導電性フイルムの積層で形成することは避けなければならない。
【0007】
放電を防止するためには胴部を導電体で一体成形するのが最も有効である。
また導電層を設けたシートを溶着して容器を形成すると溶着部で導電層が接近しマイクロ波で放電する放電間隙を形成しこの部分で放電する。一体成形されていればこのような導電層の接近による放電間隙が生じない。
【0008】
導電体としてアルミニウムや鉄が用いられるが、導電材料と誘電材料の積層体が最も好ましい。この積層体の誘電材料の被覆は導電材料の防蝕効果を目的としており、内外面に被覆することが望ましい。またその誘電材料はプラスチックシートやフイルムだけでなく塗料等の塗装膜により保護膜を形成することもできる。
【0009】
アルミニウムや鉄などの導電材料で胴部を一体成形した場合も、これ等の導電材料とプラスチックシートなどの誘電材料との積層体を用いて一体成形した場合も開口部の導電体と蓋は独立部材であってこれが接近すると放電間隙が形成されるので放電発生の面からも蓋は導電体を用いることができない。
いずれにしても導電体が近接し放電間隙が形成される危険のある所は開口部と蓋の間が避け難い所であるから、蓋は非導電性であることが大切である。
本発明の容器は口径が20mm以下であって、内容物量が2cc以上であるので容器の高さは10mm以上となるが内容物を収納する胴部の形状は筒状、球状、錐体状等適宜の形状でよい。
【0010】
【実施例】
次に実施例をあげて本発明を説明する。
図1は本発明の小型密封容器の軸方向断面とシール部の一部を拡大したところを示す。1はシート材であるポリプロピレン樹脂層で胴部の厚みは約50μmである。2は導電性材料のアルミニウムであり、胴部の厚みは約25μmであり、3は保護層のポリエステル樹脂層で胴部の厚みは25μmである。そして4はポリプロピレン樹脂フイルムの蓋体であり、容器の開口部のフランジに接合し、内部を密封している。
図1に開口のシール部の拡大図を示したが、容器を構成している導電体材料において、導電体の近接により形成される放電間隙がないことがこの図からも明らかである。
【0011】
実施例1
図1に示した高さ10mmで口径が20、15、10そして5mmと異なる容器をプレス加工により成形し、内容物として市販の醤油を内容積の約8割になるように充填密封した試料について、市販の電子レンジ(東芝製ER−240型、500W)で、500W3分の加熱を行った。その結果を表1に示す。
【0012】
比較例1
口径が25、30、40mmであること以外は実施例1と同条件で電子レンジ加熱試験を行った。その結果を表1に示す。
【0013】
比較例2
図1に示した容器の形状で、口径が20mm、高さ10mmのポリプロピレン製容器を真空成形法で成形し、該容器の胴部の外側面に内層がポリプロピレンフイルム(厚みが50μm)、中間層がアルミニウム箔(厚みが9μm)そして外層がポリエステルフイルム(厚みが12μm)の積層体(幅10mm)の端部を重ねて巻き付け、導電層を形成した容器に市販の醤油を充填密封し、電子レンジ加熱を行った結果、加熱約45秒後に端部が重なった導電層部で火花放電が発生した。
【0014】
【表1】
【0015】
【発明の効果】
本発明は電子レンジで加熱しても放電や加熱による破裂は発生せず安全に取扱うことが出来る効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の小型容器の断面とシール部の一部を拡大した図である。
【符号の説明】
1 誘電体層
2 導電体層
3 保護層
4 蓋
5 内容物
Claims (3)
- 開口部周辺にフランジを有する口径20mm以下の導電性材料で一体成形した胴部と、開口部のフランジに貼着して開口を封止する非導電性蓋体とからなり、導電体により一体成形された胴部は独立した導電体が互いに接近するマイクロ波により放電する放電間隙がないことを特徴とする、電子レンジ加熱食品添付用小型密封容器。
- 胴部を形成する導電体がアルミニウムまたは鉄である、請求項1に記載された電子レンジ加熱食品添付用小型密封容器。
- 胴部を形成する導電体が導電材と誘導材を積層した多層体である、請求項1または2に記載された電子レンジ加熱食品添付用小型密封容器。
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1995
- 1995-03-08 JP JP08585495A patent/JP3612779B2/ja not_active Expired - Fee Related
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