JP3612603B2 - 田植機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば苗載台及び植付爪を備えて連続的に苗植作業を行う田植機にあって、機体にミッドマウント型の施肥機を装備させた田植機に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
肥料タンクと作溝器間の肥料詰りを検出する肥料詰りセンサを作溝器の作溝補助板に取付けていたが、この場合作溝補助板にセンサの設置分の高さを確保する必要があるなどして作溝補助板の高さを低く抑えることが不可能となって、その分搬送ホースの取付けに制約を加えこれらのコンパクトな組込みが行えなかった。また、作溝器とブーツとをボルトなどによって固定してこれらの外れ防止を行っていたが操作に煩わしく構造も複雑化する。さらにブーツなどに肥料詰りが発生しても外側より容易に確認することができなかった。またさらに肥料タンク及び空気タンクにホースジョイントを介し肥料搬送ホースを接続する場合、ホースジョイントの接続口と搬送ホースとの間にさらに別途ジョイントを介設してこれらの相互接続を行っているが、構造が複雑化するばかりでなく取扱い操作にも手間を要してメンテナンス面でやりにくかった。
【0003】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、肥料タンクと、フロートに取付ける作溝器と、前記肥料タンクからの肥料を前記作溝器に送給する肥料搬送ホースと、前記作溝器背面の作溝補助板に肥料搬送ホースを連結するブーツとを備え、このブーツに肥料詰りセンサを配置するように構成してなる田植機において、前記ブーツ前面側の下端側に係合壁が形成され、前記作溝補助板の前側面上端側に係合溝が形成され、前記肥料詰りセンサを貫通するセンサ挿入孔が係合壁に形成され、前記係合壁と係合溝との係合が、前記肥料詰りセンサをセンサ挿入孔に貫通したときに保持されるように構成した。したがって、ブーツと作溝補助板がコンパクトに取付けられる。前記肥料詰りセンサを利用して、前記作溝補助板とブーツとの離脱防止が図れる。
【0004】
請求項2に係る発明は、前記ブーツが透明性樹脂体にて形成されたから、肥料の流下や詰りなどが外側から容易に確認できて、作業能率が向上する。
【0005】
請求項3に係る発明は、前記作溝補助板の前側面がアース接続され、前記作溝補助板の前側面を差し込む外壁と内壁とが前記ブーツ下端側に形成され、前記外壁と内壁の間に前記係合壁が形成されたから、前記肥料詰りセンサにて前記係合壁の形状を保持して、前記作溝補助板とブーツとの離脱が防止される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は作溝部の側面説明図、図2は乗用田植機の側面図、図3は同平面図を示し、図中(1)は作業者が搭乗する走行車であり、エンジン(2)を車体フレーム(3)前部上方に搭載させ、ミッションケース(4)前方にフロントアクスルケース(5)を介して水田走行用前輪(6)を支持させると共に、前記ギヤ変速ケース(4)の後部にリヤアクスルケース(7)を連設し、前記リヤアクスルケース(7)に水田走行用後輪(8)を支持させる。そして前記エンジン(2)等を覆うボンネット(9)両側に予備苗載台(10)を取付けると共に、ステップ(11)を介して作業者が搭乗する車体カバー(12)によって前記ミッションケース(4)等を覆い、前記車体カバー(12)上部に運転席(13)を取付け、その運転席(13)の前方で前記ボンネット(9)後部に操向ハンドル(14)を設ける。
【0008】
また、図中(15)は6条植え用の苗載台(16)並びに複数の植付爪(17)などを具備する植付部であり、前高後低の合成樹脂製の前傾式苗載台(16)を下部レール(18)及びガイドレール(19)を介して植付ケース(20)に左右往復摺動自在に支持させると共に、一方向に等速回転させるロータリケース(21)を前記植付ケース(20)に支持させ、該ケース(21)の回転軸芯を中心に対称位置に一対の爪ケース(22)(22)を配設し、その爪ケース(22)(22)先端に植付爪(17)(17)を取付ける。また前記植付ケース(20)の前側にローリング支点軸(23)を介して支持フレーム(24)を設け、トップリンク(25)及びロワーリンク(26)を含むリンク機構(27)を介して走行車(1)後側に支持フレーム(24)を連結させ、前記リンク機構(27)を介して植付部(15)を昇降させる昇降シリンダ(28)をロワーリンク(26)に連結させ、前記前後輪(6)(8)を走行駆動して移動すると同時に、左右に往復摺動させる苗載台(16)から一株分の苗を植付爪(17)によって取出し、連続的に苗植え作業を行うように構成する。
【0009】
また、図中(29)は走行変速レバー、(30)は植付昇降兼作業走行変速用副変速レバー、(31)は植付け感度調節レバー、(32)は主クラッチペダル、(33)(33)は左右ブレーキペダル、(34)は2条分均平用センターフロート、(35)は2条分均平用サイドフロート、(36)は6条用の側条施肥機である。
【0010】
さらに、図4、図5にも示す如く、肥料を入れる施肥ホッパ(37)と、肥料を定量供給する肥料繰出ケース(38)と、フロート(34)(35)の側条作溝器(39)にフレキシブル形搬送ホース(40)を介して肥料を排出させるターボブロワー型送風機(41)と、円筒形のエアタンク(42)とを、前記施肥機(36)に備えると共に、エアタンク(42)右側端に送風機(41)を取付け、6条分の6組の肥料繰出ケース(38)…をエアタンク(42)上側に配設させている。
【0011】
さらに、図6乃至図11に示す如く、前記車体フレーム(3)後端の左右支柱(43)上端間に横架する水平フレーム(44)両側に左右ベースフレーム(45)(45)を取付け、前後方向に略水平に横架させる前記ベースフレーム(45)を介して施肥機(36)を設けると共に、左右ベースフレーム(45)(45)にブラケット(46)(46)を介してエアタンク(42)をボルト止め固定させるもので、ベースフレーム(45)後端部と車体フレーム(3)間にサイドステー(47)を連結させ、ベースフレーム(45)前後側に前後昇降レール(48)(49)…を立設させ、前後一組左右二対の4本の該昇降レール(48)(48)(49)(49)を介して施肥機(36)を昇降自在に取付けると共に、左右一対の2本のガススプリング(50)(50)によって昇降自在に施肥機(36)を取付け、車体フレーム(3)後端部に配置させるリヤアクスルケース(7)に施肥機(36)重量を支持させるもので、図12にも示す如く、前後昇降レール(48)(49)に対向させる軸受板(51)を設け、前記レール(48)(49)に転動自在に嵌込むベアリングローラ(52)…を軸受板(51)に回転自在に軸支させ、前後2本のレール(48)(49)を左右対称に2組設け、1本のレール(48)(49)に対して上下2個のローラ(52)(52)を取付け、左右一対の軸受板(51)(51)を4本のレール(48)(49)と8個のローラ(52)…によってベースフレーム(45)に昇降自在に支持させている。
【0012】
また、前記ガススプリング(50)の下端を前記車体フレーム(3)に連結させ、前記軸受板(51)にガススプリング(50)上端を連結させ、前記レール(48)(49)とガススプリング(50)を略平行に立設させると共に、施肥機(36)の前後幅方向の重心位置にガススプリング(50)を連結させるもので、施肥機(36)の重量と略等しいかまたは若干小さい伸張力をガススプリング(50)が有するように構成している。
【0013】
さらに、図12乃至図15に示す如く、左右の軸受板(51)(51)を丸パイプ形の前フレーム(53)によって一体固定させ、施肥機(36)を持上げるときに作業者が握る取手(54)を前記前フレーム(53)に溶接固定させ、左右の前記軸受板(51)(51)に支軸(55)(55)を介して左右ロックレバー(56)(56)を回転自在に軸支させ、前側の左右昇降レール(48)(48)に左右ロックレバー(56)(56)を介して左右軸受板(51)(51)前部を係止させると共に、後側の左右昇降レール(49)(49)に左右ロックピン(57)(57)を摺動自在に取付け、図12に示す軸受板(51)の係合孔(58)にロックピン(57)を係脱自在に係入させ、後側の左右昇降レール(49)(49)に左右軸受板(51)(51)後部を左右ロックピン(57)(57)を介して係止させ、軸受板(51)の前部と後部を前後の昇降レール(48)(49)にロックレバー(56)とロックピン(57)により固定させる。また図15、図19に示す如く、前記昇降レール(48)に上下係合孔(58)(59)を形成させ、各係合孔(58)(59)にロックレバー(56)を係入させて施肥機(36)を上昇位置または下降位置で固定支持させるもので、ロックレバー(56)を前記取手(54)の下側に延出させ、運転席(13)側に突設させる取手(54)を作業者が握り乍らロックレバー(56)を操作し、ロックレバー(56)を係合孔(58)(59)から離脱させることができるように構成している。
【0014】
また、前記前フレーム(53)にケース前ブラケット(60)を溶接固定させ、該ケース前ブラケット(60)に前記繰出ケース(38)前側をボルト止め固定させるもので、1ユニットとして構成する中央2条分の繰出ケース(38)(38)を左右の昇降レール(48)(49)間に配設させ、昇降レール(48)(49)の機外側に左右各2条分の繰出ケース(38)(38)を夫々配設させ、2条1組として3ユニットの繰出ケース(38)…を左右に並設させている。
【0015】
さらに、図16乃至図18に示す如く、前記繰出ケース(38)の上面前側の取入口(61)に前記ホッパ(37)の下部出口(62)を嵌着させると共に、前記繰出ケース(38)前面下側に取出口(63)を形成し、着脱自在なキャップ(64)によって取出口(63)を閉塞している。前記キャップ(64)を取外して取出口(63)を開放し、ホッパ(37)内部の肥料を前側下方に流下させるもので、このときに施肥機(36)を昇降レール(48)(49)の上昇位置に支持させ、取出口(63)と下方のエアタンク(42)の間隔を拡大させ、肥料を入れる容器を前記取出口(63)下方に容易に差し入れることができ、残留肥料の取出しを容易に行えるように構成している。
【0016】
また、前記繰出ケース(38)下面に閉塞レバー(65)を介して底蓋(66)を着脱自在に固定させると共に、硬質合成樹脂製の前記底蓋(66)下面に出口(67)を形成するもので、エアタンク(42)に前端部を嵌着させる軟質合成樹脂製の接合パイプ(68)を備え、該パイプ(68)後端に硬質合成樹脂製のホースジョイント(69)前端を着脱自在に嵌着させると共に、前記ジョイント(69)後端に前記搬送ホース(40)を嵌着させ、前記送風機(41)の送風をエアタンク(42)から各パイプ(68)…及びホース(40)に吹出させ、底蓋(66)の出口(67)からジョイント(69)中間に落下する肥料を搬送ホース(40)に移動させるもので、T字形フランジを形成する前記ジョイント(69)中間に入口(70)を上向き開放に形成し、底蓋(66)の出口(67)に嵌合キャップ(71)を固定させ、該キャップ(71)を前記入口(70)に着脱自在に嵌着させ、出口(67)を入口(70)に接続させると共に、前記エアタンク(42)に取付板(72)を一体固定させ、取付板(72)に前記ジョイント(69)をボルト止め固定させている。
【0017】
また、取入口(73)及び吹出口(74)を有する入口板(75)と、同一円周上に略四角形の複数の繰出口(76)…を有する繰出板(77)と、排出口(78)を有する出口板(79)を備え、略円形平板製の前記各板(75)(77)(79)を繰出ケース(38)と底蓋(66)の間に多層状に配設させると共に、繰出ケース(38)に繰出軸(80)を略垂直に回転自在に軸支させ、各板(75)(77)(79)の中央部に繰出軸(80)下端側を貫通させ、繰出軸(80)下端にゴム輪(81)を着脱自在に係止させ、各板(75)(77)(79)を下方に抜出し自在に繰出軸(80)に支持させ、かつ閉塞レバー(65)によって各板(75)(77)(79)を繰出ケース(38)と底蓋(66)間に弾圧させるもので、入口板(75)と出口板(79)を繰出ケース(38)に係止させ、各板(75)(79)に対して繰出軸(80)を遊転させると共に、繰出板(77)を繰出軸(80)に係合軸支させ、繰出軸(80)によって繰出板(77)を強制的に回転させ、取入口(73)から繰出口(76)に入った肥料を排出口(78)に移動させて出口(67)方向に落下させるように構成している。
【0018】
また、前記取入口(73)端部で繰出口(76)上面の余分な肥料を取除くブラシ(82)を備え、高さ調節する撮(83)を介して前記ブラシ(82)を繰出ケース(38)に高さ調節自在に取付け、繰出板(77)上面に対するブラシ(82)下端の高さ調節を繰出ケース(38)外部から行い、繰出口(76)の肥料送出量を調節するように構成している。
【0019】
また、前記入口板(75)の吹出口(74)に対向させる圧風取入口(84)を繰出ケース(38)に形成し、前記エアタンク(42)の中空部と前記圧風取入口(84)を分流パイプ(85)によって連通させ、前記パイプ(85)及び取入口(84)を介して送風機(41)及びエアタンク(42)からの送風を吹出口(74)に供給し、排出口(78)位置に移動した繰出口(76)に吹出口(74)から送風し、該送風によって繰出口(76)の肥料を下方に強制的に落下させ、粒形の肥料またはこの粉が繰出口(76)内に残るのを防ぐように構成している。
【0020】
さらに、図7、図10、図15にも示す如く、前記エンジン(2)出力を植付部(15)に伝達させるPTO軸(86)をミッションケース(4)から後方に延出させると共に、前記左支柱(43)に軸受ケース(87)を溶接固定させ、軸受ケース(87)の入力軸(88)を前記PTO軸(86)中間にチェン(89)を介して連動連結させ、軸受ケース(87)の出力軸(90)後端部にクランク板(91)をボールロック構造により着脱自在に固定させる。また、前記軸受板(51)及びケース後ブラケット(92)を一体固定させる四角パイプ形後面フレーム(93)を備え、エアタンク(42)及び前フレーム(53)と略平行に後面フレーム(93)を横架させ、ケース後ブラケット(92)に前記繰出ケース(38)後側をボルト止め固定させる。
【0021】
また、前記左の軸受板(51)にブラケット(94)及び軸(95)を介して繰出量調節レバー(96)を軸支させると共に、左の軸受板(51)に支軸(97)を介して調節リンク(98)及び支点リンク(99)を設け、前記レバー(96)のネジ部(100)に調節リンク(98)を連結させ、支点リンク(99)に調節支点(101)を取付け、該支点(101)に駆動アーム(102)を軸支させる。そして、運転席(13)方向に突出させる前記レバー(96)の回転操作によってネジ部(100)を回転させることにより、前記各リンク(98)(99)が一体的に回転し、前記調節支点(101)位置を変更させるもので、運転席(13)の作業者によって前記レバー(102)の繰出量調節操作が行えるように構成している。
【0022】
また、前記後面フレーム(93)に軸受板(103)を介して繰出駆動軸(104)を回転自在に軸支させ、該駆動軸(104)に揺動アーム(105)を固定させ、前記駆動アーム(102)に長さ調節自在な伸縮ロッド(106)一端側を連結させ、かつ前記揺動アーム(105)に前記伸縮ロッド(106)の他端側を連結させると共に、前記クランク板(91)を駆動アーム(102)に入力ロッド(107)を介して連結させ、植付駆動用のPTO軸(86)から入力ロッド(107)及び駆動アーム(102)を介して繰出駆動軸(104)に駆動力を伝え、図示しない植付クラッチの入切によって植付部(15)と施肥機(36)を同時に作動させたり停止させる操作を行い、また前記出力軸(90)に対してクランク板(91)を取外して駆動部を切離して施肥機(36)の上昇部を持上げる操作を行うもので、前記レバー(96)操作により調節支点(101)を位置変更させ、伸縮ロッド(106)の往復ストロークを無段階に変更させて肥料繰出量の無段調節を行うように構成している。
【0023】
さらに、図9に示す如く、前記後面フレーム(93)に連れ回り防止一方向クラッチ(108)を介してクラッチ軸(109)を軸支させ、該クラッチ軸(109)に一方向クラッチ(110)を介して入力リンク(111)を設けると共に、前記繰出駆動軸(104)に揺動リンク(112)を固定させ、該リンク(112)を前記入力リンク(111)に連係ロッド(113)を介して連結させ、入力リンク(111)を揺動させてクラッチ軸(109)を一方向に間欠的に回転させるように構成している。
【0024】
また、前記繰出ケース(38)に条止めクラッチケース(114)を固定させると共に、前記繰出軸(80)上端側にベベルギヤ(115)(116)を介して入力軸(117)を常時連結させるもので、入力軸(117)を前記クラッチ軸(109)に継断自在に連結させる条止めクラッチ(図示省略)を前記クラッチケース(114)に内設させると共に、前記ケース(114)の条止めクラッチを継断操作するクラッチレバー(118)とクラッチアーム(119)を前記クラッチケース(114)の前後に振分け配設させ、前記植付部(15)の苗載台(16)上側背面部に設ける植付け条止め用ユニットクラッチレバー(120)に、後面フレーム(98)のアウタ受(121)により張設させる条止めワイヤ(122)を介して、前記クラッチアーム(119)を連結させる。そして、前記植付け条止めユニットクラッチレバー(120)操作によって6条植え用の各植付爪(17)…のいずれかを停止させたとき、停止させた植付爪(17)に対応する前記ケース(114)の条止めクラッチを切断動作させて施肥動作を中止させ、植付爪(17)によって苗を植付ける条にだけ施肥を行うように構成している。
【0025】
さらに、図12乃至図14にも示す如く、中央2条分の肥料繰出ケース(38)(38)取付位置外側で前フレーム(53)と後面フレーム(93)に左右の軸受板(51)(51)を溶接固定させると共に、前フレーム(53)と後面フレーム(93)の両端部を左右のサイドフレーム(123)(123)によって一体固定させ、両側2条分の肥料繰出ケース(38)(38)を軸受板(51)とサイドフレーム(123)間の前フレーム(53)及び後面フレーム(93)に取付けるもので、四角枠形の各フレーム(53)(93)(123)を軸受板(51)によって左右方向に三等分に区切り、前後のフレーム(53)(93)間に6条分の肥料繰出ケース(38)を掛け渡し支持させる。
【0026】
図13、図16、図18にも示す如く、前記繰出ケース(38)と前フレーム(53)間に設けるブラケット(60)には横方向に長径の覗穴(124)を開設していて、繰出ケース(38)に底蓋(66)を組付ける際、苗載台(16)側に回り込むことなく正面側より容易に位相などの確認を行って、これら組付けの取扱い性を向上させるように構成している。
【0027】
また図16に示す如く、前記ホースジョイント(69)と搬送ホース(40)との接続にあっては、ホースジョイント(69)の出口内径部(69a)に搬送ホース(40)の入口外径部(40a)を、別途ジョイントなどを用いることなく直接的に挿入結合させて、軽量・コンパクトな構成とすると共に着脱操作の容易化を図ってメンテナンス性を向上させるように構成している。
【0028】
また、図19乃至図21に示す如く、前記昇降レール(48)の係合孔(58)(59)にバネ(125)によって係入保持させるフックアーム(126)を前記支軸(55)に連設させ、前記ロックレバー(56)に支軸(55)を介してフックアーム(126)を一体固定させ、ロックレバー(56)の上方回転操作によってバネ(125)に抗してフックアーム(126)が係合孔(58)(59)から抜出すように構成している。また、後側の昇降レール(49)背面の補強フレーム(127)にガイドフレーム(128)を介して前記ロックピン(57)を左右方向に摺動自在に取付けると共に、前記軸受板(51)の係合孔(58)にロックピン(57)を係入保持させるバネ(129)と、ロックピン(57)に一体固定させる解除レバー(130)を設け、後方に突出させる前記解除レバー(130)をガイドフレーム(128)のノッチ(131)に係脱自在に係入させ、バネ(129)に抗して係合孔(58)からロックピン(57)を抜出させた位置に支持させる。
【0029】
そして、前記フックアーム(126)を下係合孔(59)に係入させ、肥料繰出ケース(38)前側の軸受板(51)前部を前記ロックレバー(56)及びフックアーム(126)を介して前側の昇降レール(48)に係止させ、また肥料繰出ケース(38)後側の軸受板(51)後部をロックピン(57)を介して後側の昇降レール(49)に係止させ、肥料繰出ケース(38)を下降位置に固定させ、田植作業と平行して施肥作業を行わせると共に、前記フックアーム(126)を上係合孔(58)に係入させ、フックアーム(126)を介して軸受板(51)前部を前側の昇降レール(48)に係止させ、肥料繰出ケース(38)を上昇位置に固定させ、肥料繰出ケース(38)内部に残留している肥料を取出口(63)から排出させる残留肥料取出し作業または底蓋(66)を取外して繰出板(77)などを分解解除するメンテナンス作業などを行うように構成している。
【0030】
そしてこのような繰出ケース(38)の下降位置以外時にあっては、解除レバー(130)をガイドフレーム(128)のノッチ(131)に係入させ、ロックピン(57)を開放状態で維持させて、ロックピン(57)の不用意な自然ロックなどを防止して、ロック状態での無理な昇降による破損事故などを防いで、耐久性と安全性を向上させるものである。
【0031】
図1、図22乃至図24に示す如く、前記搬送ホース(40)を作溝器(39)背面の作溝補助板(132)に電気絶縁性合成樹脂製弾性ブーツ(133)を介し連結接続させ、前記ブーツ(133)に一体形成するセンサ取付部(134)のセンサ挿入孔(135)に通電感知式肥料詰りセンサ(136)を差込み、前記補助板(132)をアース接続(137)させ、補助板(132)内が肥料で詰ったとき、センサ(136)が肥料を介して導電性の補助板(132)に導通し肥料詰りの検出が行われるもので、前記ブーツ(133)にセンサ(135)を取付けて補助板(132)の高さを低く抑えて、スペース的に余裕のない場合でも軽量・コンパクトな構成とさせるものである。
【0032】
また、前記ブーツ(133)は透明或いは半透明の合成樹脂で形成して、該ブーツ(133)や補助板(132)内部の肥料詰りを外観から目視可能に形成すると共に、センサ(136)装着時ブーツ(133)と補助板(132)の外れ防止を行うもので、前記ブーツ(133)は搬送ホース(40)に接続する上部を蛇腹部(138)に、また下部を補助板(132)との連結嵌合部(139)に形成している。
【0033】
そして前記嵌合部(139)の左右両面下端を末広がり状の側テーパ縁(140)に、また前記センサ(136)を取付ける嵌合部(139)の前面下端を前記側テーパ縁(140)より寸法の長い前テーパ縁(141)に、さらに嵌合部(139)の後面下端を前テーパ縁(141)よりさらに長さの長く補助板(132)の背面に密着させる後接合縁(142)に形成すると共に、嵌合部(139)の後面略中央位置に補助板(132)の背面に係合させる係合突起(143)を形成している。また嵌合部(139)前面側のセンサ取付部(134)は、前テーパ縁(141)を下端に有する外壁(143)と、舌片状の内壁(144)間に略円形の係合壁(145)を有する三重構造に形成し、外壁(143)と内壁(144)間に補助板(132)の前側面(132a)を差し込むとき、前側面(132a)上端に切欠形成するアリ溝状の係合溝(146)を前記係合壁(145)に係合させ、これら各壁(143)(144)(145)を貫通させるセンサ挿入孔(135)にセンサ(136)を挿入するとき、係合壁(145)の形状の立体保持によって係合溝(146)との係合解除を防いで、補助板(132)とブーツ(133)の外れ防止を行うように構成している。
【0034】
さらに、前記補助板(132)の左右側面(132b)で前記テーパ縁(140)の内側位置に空気流通孔(147)を開放していて、ホース(40)内を流通するエアタンク(42)からの空気の一部を該流通孔(147)より外側に逃がして、施肥時の空気圧が大となるのを防止するように構成している。
【0035】
【発明の効果】
上記から明らかなように、請求項1に係る発明は、肥料タンク(37)と、フロート(34),(35)に取付ける作溝器(39)と、前記肥料タンク(37)からの肥料を前記作溝器(39)に送給する肥料搬送ホース(40)と、前記作溝器(39)背面の作溝補助板(132)に肥料搬送ホース(40)を連結するブーツ(133)とを備え、このブーツ(133)に肥料詰りセンサ(136)を配置するように構成してなる田植機において、前記ブーツ(133)前面側の下端側に係合壁(145)が形成され、前記作溝補助板(132)の前側面(132a)上端側に係合溝(146)が形成され、前記肥料詰りセンサ(136)を貫通するセンサ挿入孔(135)が係合壁(145)に形成され、前記係合壁(145)と係合溝(146)との係合が、前記肥料詰りセンサ(136)をセンサ挿入孔(135)に貫通したときに保持されるように構成した。したがって、ブーツ(133)と作溝補助板(132)をコンパクトに取付けることができる。前記肥料詰りセンサ(135)を利用して、前記作溝補助板(132)とブーツ(133)との離脱防止を図ることができるものである。
【0036】
請求項2に係る発明は、前記ブーツ(133)が透明性樹脂体にて形成されたから、肥料の流下や詰りなどが外側から容易に確認できて、作業能率を向上させることができるものである。
【0037】
請求項3に係る発明は、前記作溝補助板(132)の前側面(132a)がアース接続(137)され、前記作溝補助板(132)の前側面(132a)を差し込む外壁(143)と内壁(144)とが前記ブーツ(133)下端側に形成され、前記外壁(143)と内壁(144)の間に前記係合壁(145)が形成されたから、前記肥料詰りセンサ(135)にて前記係合壁(145)の形状を保持して、前記作溝補助板(132)とブーツ(133)との離脱を防止できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】作溝部の側面説明図である。
【図2】全体の側面図である。
【図3】同平面図である。
【図4】施肥機部の平面図である。
【図5】同背面図である。
【図6】同側面説明図である。
【図7】昇降レール部側面説明図である。
【図8】肥料繰出ケース部の側面説明図である。
【図9】肥料繰出ケース部の平面説明図である。
【図10】ベースフレーム部の背面説明図である。
【図11】肥料繰出ケース部の背面説明図である。
【図12】軸受板部の側面説明図である。
【図13】取手部の平面説明図である。
【図14】同背面説明図である。
【図15】同側面説明図である。
【図16】肥料繰出ケースの断面側面説明図である。
【図17】同断面背面説明図である。
【図18】同断面平面説明図である。
【図19】昇降レール部の側面説明図である。
【図20】ロックレバー部の背面説明図である。
【図21】ロックピン部の背面説明図である。
【図22】ブーツ嵌合部の側面説明図である。
【図23】ブーツ嵌合部の背面説明図である。
【図24】ブーツ嵌合部の嵌合状態を示す説明図である。
【符号の説明】
(34)(35) フロート
(37) 肥料タンク
(39) 作溝器
(40) 搬送ホース
(42) 空気タンク
(69) ホースジョイント
(133) ブーツ
(135) 詰りセンサ
Claims (3)
- 肥料タンク(37)と、フロート(34),(35)に取付ける作溝器(39)と、前記肥料タンク(37)からの肥料を前記作溝器(39)に送給する肥料搬送ホース(40)と、前記作溝器(39)背面の作溝補助板(132)に肥料搬送ホース(40)を連結するブーツ(133)とを備え、このブーツ(133)に肥料詰りセンサ(136)を配置するように構成してなる田植機において、前記ブーツ(133)前面側の下端側に係合壁(145)が形成され、前記作溝補助板(132)の前側面(132a)上端側に係合溝(146)が形成され、前記肥料詰りセンサ(136)を貫通するセンサ挿入孔(135)が係合壁(145)に形成され、前記係合壁(145)と係合溝(146)との係合が、前記肥料詰りセンサ(136)をセンサ挿入孔(135)に貫通したときに保持されるように構成したことを特徴とする田植機。
- 前記ブーツ(133)が透明性樹脂体にて形成されたことを特徴とする請求項1に記載の田植機。
- 前記作溝補助板(132)の前側面(132a)がアース接続(137)され、前記作溝補助板(132)の前側面(132a)を差し込む外壁(143)と内壁(144)とが前記ブーツ(133)下端側に形成され、前記外壁(143)と内壁(144)の間に前記係合壁(145)が形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の田植機。
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