JP3612146B2 - 伸縮可能な流体用組立管及び降雪機 - Google Patents

伸縮可能な流体用組立管及び降雪機 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、高圧の水、空気等の流体を供給又は排出する伸縮可能な流体用組立管及びそのような流体用組立管を使用した降雪機に関する。
【0002】
【従来の技術】
スキー場のゲレンデの雪不足を補うために、例えば、実公平7ー44926号公報にみられるような固定式降雪装置が使用される。固定式降雪装置は、地面に固定された固定式ポール上のスプレーノズルから水及び高圧空気を氷結温度以下の空気中へ噴射し、微粒化した水を空気中で氷結させ散布する。この公報に記載の降雪装置は、スプレーノズルの向きが変更可能にされているが、水及び高圧空気は、それぞれ固定のエアーパイプ及び給水ホースによりスプレーノズルへ供給されるため、降雪範囲を広くすることができなかった。
【0003】
また、特開平7ー4805号公報に記載の氷雪蓄積散布装置は、脚柱上に配置され垂直方向軸線のまわりに回転可能に支持された伸縮自在な氷雪供給管を備え、比較的広い範囲に氷雪を散布可能であるが、この装置は、氷雪供給設備から供給される氷雪を、氷雪供給管及びその先端に配置した氷雪吹出ノズルから噴出するものであり、スプレーノズルにより微粒化した水を空気中で氷結させ散布する降雪機と異なり、氷雪供給設備を備えることが必要であり、また伸縮自在な氷雪供給管は、降雪機のスプレーノズルに供給されるような比較的高圧の水又は空気を搬送するために必要な密封性を具備しないものである。
【0004】
従来の固定式降雪機の架台は、設置された位置に固定され、一定方向への降雪作業を行うものが一般的であり、上下動及び旋回動を有する一部の架台においても降雪範囲は、狭い範囲に限定されていた。
【0005】
【解決しようとする課題】
本発明の目的は、比較的高圧の流体、例えば、降雪機のスプレーノズルへ供給される20kg/cm程度の水又は空気、をほぼ漏洩なく通すことができると共に、所定距離、例えば、固定式降雪機のスプレーノズルの作業範囲に適する10m〜30mの距離を、比較的頻繁に伸縮できる組立管を提供することである。
【0006】
本発明の他の目的は、組立管の全長が、組立管を構成する複数の同心管を、例えば、伸縮運動可能なブーム組立体により、それぞれ重なり合う部分が増加されることにより短縮され、また、その逆に、複数の同心管の重なり合う部分が減少されることにより、伸長される伸縮可能な流体用組立管を提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、組立管が伸長されるとき、組立管を構成する複数導管のうちの相互に関係する外側導管及び内側導管が簡単な構造により互いに外れることがなく、また組立管が短縮されるとき、組立管のうちの内側導管が外側導管内へ簡単な構造により入込み過ぎることのない流体用組立管を提供することである。
【0008】
本発明の更に別の目的は、伸縮可能な流体用組立管を降雪機のスプレーノズルへ水又は空気を供給するために用いると共に、スプレーノズルの位置を水平方向又は垂直方向に可変とすることにより、広い範囲に効率よく降雪可能な降雪機を提供することである。本発明の更に別の目的は、このような降雪機において、スプレーノズルの水噴射方向を変更可能にし、広い範囲に均一に降雪することを可能にする降雪機を提供することである。本発明のその他の目的は、以下の説明及び図面から明らかにされる。
【0009】
【解決するための手段】
本発明の伸縮可能な流体用組立管は、固定管内部に可動管の一部が同心に配置され、固定管第1端に第1開口が設けられ、固定管第2端に固定管フランジが固着される。固定管フランジは、可動管外周面に摺動可能に密封係合する固定管密封リングを備えて固定管第2端と可動管外周面の間を密封する。固定管内部に位置する可動管第1端に可動管摺動リングが固着される。可動管摺動リングは、固定管内周面に摺動可能に密封係合して固定管内周面と可動管第1端の間を密封する。
【0010】
可動管第2端に可動管フランジ及び第2開口が設けられ、可動管が固定管内部から最大に引き出されたとき可動管摺動リングが固定管密封リングに係合し可動管のそれ以上の引き出しを阻止する。可動管が固定管内部へ最大に挿入されたとき可動管フランジが固定管フランジに係合して可動管のそれ以上の挿入を阻止する。流体は、第1開口、固定管内部、可動管内部、及び第2開口をへて流動される。
【0011】
本発明の他の特徴によれば、可動管は、同心に外側から内側へ順に配置される第1管、第2管・・・第n−1管、第n管(n≧3)から成り、固定管密封リングは、第1管外周面に摺動可能に密封係合して固定管第2端と第1管外周面の間を密封し、可動管摺動リングは、固定管内部に位置する第1管第1端に配置されて固定管内周面に摺動可能に密封係合して固定管内周面と第1管第1端の間を密封する。第1管第2端に第1管フランジが固着され、第1管フランジは、第2管外周面に摺動可能に密封係合する第1管密封リングを備えて第1管第2端と第2管外周面の間を密封する。第1管が固定管内部から最大に引き出されたとき可動管摺動リングが固定管密封リングに係合して第1管のそれ以上の引き出しを阻止し、第1管が固定管内部へ最大に挿入されたとき第1管フランジが固定管フランジに係合して第1管のそれ以上の挿入を阻止する。
【0012】
第1管内部に位置する第2管第1端に第2管摺動リングが配置されて第1管内周面に摺動可能に密封係合して第1管内周面と第2管第1端の間を密封する。第2開口側の第n−1管第2端に第n−1管フランジが固着され、第n−1管フランジは、第n管外周面に摺動可能に密封係合する第n−1管密封リングを備えて第n−1管第2端と第n管外周面の間を密封する。第n−1管内に位置する第n管第1端に第n管摺動リングが固着され、第n管摺動リングは、第n−1管内周面に摺動可能に密封係合して第n−1管内周面と第n管第1端の間を密封する。可動管フランジ及び流体出口は、第n管第2端に設けられ、第n管が第n−1管内部から最大に引き出されたとき第n管摺動リングが第n−1管密封リングに係合し第n管のそれ以上の引き出しを停止し、第n管が第n−1管内部へ最大に挿入されたとき可動管フランジが第n−1管フランジに係合して第n管のそれ以上の挿入を阻止する。
【0013】
本発明の別の特徴によれば、各摺動リングは、それぞれリング溝に断面U字形のパッキンを収容した構造を備える。また、伸縮可能な流体用組立管は、箱形断面のブーム(桁)を、例えば2〜6段、テレスコピック式に伸縮する箱形ブーム式クレーンのブーム組立体に並行に配置され、各管フランジの各々がブーム組立体の対応する部分と連結され、ブーム組立体により支持されると共に、各管がブーム組立体の対応部分の移動により移動される。
【0014】
本発明の更に別の特徴によれば、伸縮可能な流体用組立管が、伸縮運動可能なブーム組立体に並行に配置され、可動管フランジがブーム組立体の対応する部分と連結され、可動管フランジは、ブーム組立体により支持されると共に、ブーム組立体の対応する部分の移動により移動される。伸縮可能な流体用組立管は、伸縮運動可能なブーム組立体の両側に並行にそれぞれ1組ずつ配置され、各組立管の可動管フランジがブーム組立体の対応する部分と連結されてブーム組立体の対応する部分の移動により移動され、高圧水及び高圧空気がそれぞれ1組の組立管を通りブーム組立体の先端に配置された人工雪製造用スプレーノズルへ供給されることを特徴とする。ブーム組立体の基部が、支持台上に配置される水平方向の支持軸により支持され、ブーム組立体の基部が支持軸のまわりに回動されることによりブーム組立体の先端の高さが変更可能であり、支持台が垂直軸のまわりに回転されることによりブーム組立体の先端の水平位置が変更可能にされ、スプレーノズルは、水平面内及び垂直面内においてブーム組立体の長手方向に対しそれぞれ所定角度変更可能である
本発明の別の特徴によれば、降雪機の伸縮可能なブーム組立体の基部が、支持台上に配置される水平方向の支持軸により支持され、ブーム組立体の基部が支持軸のまわりに回動されることによりブーム組立体の先端の高さが変更可能であり、支持台が垂直軸のまわりに回転されることによりブーム組立体の先端の水平位置が変更可能にされ、水噴射ノズルは、水平面内及び垂直面内においてブーム組立体の長手方向に対しそれぞれ所定角度変更可能にされる。
【0015】
【作用】
本発明の組立管においては、固定管フランジが可動管外周面に摺動可能に密封係合する固定管密封リングを備えて固定管第2端と可動管外周面の間を密封し、固定管内部に位置する可動管第1端に可動管摺動リングが固着され、可動管摺動リングは、固定管内周面に摺動可能に密封係合して固定管内周面と可動管第1端の間を密封する。それ故、組立管内の比較的高圧の流体は、固定管と可動管の端部から漏洩せず、また、固定管と可動管が互いに摺動し組立管の長さが変化する過程において、漏洩が生じることなく流動される。
【0016】
可動管が固定管内部から最大に引き出されたとき可動管摺動リングが固定管密封リングに係合され、可動管のそれ以上の引き出しが阻止される。可動管が固定管内部へ最大に挿入されたとき可動管フランジが固定管フランジに係合して可動管のそれ以上の挿入が阻止される。
【0017】
本発明の組立管は、組立管の両端の距離を、例えば、伸縮ブームにより、短縮することにより、組立管を構成する複数の管がそれぞれ外側管の内部へ内側管が入り込むことにより組立管全体の距離が短縮され、また、その逆に、組立管の両端の距離を伸長することにより、組立管を構成する複数の管がそれぞれ外側管の内部から内側管が引出され、組立管全体の距離が伸長する。
【0018】
本発明の組立管は、伸縮運動可能なブーム組立体に並行に配置され、各管フランジが、ブーム組立体の対応する部分と連結され、ブーム組立体により支持されると共に、ブーム組立体の伸縮運動により伸縮され、ブームにより伸長されると共に、伸長された組立管を構成する各管の端部付近においてブームにより支持されるから、管の自重又は管内を通過される流体の重量により、組立管がたわみむことが防止され、またたわむことから生じる流体の漏洩が防止される。
【0019】
本発明の組立管は、伸縮可能な流体用組立管を降雪機のスプレーノズルへ水又は空気を供給するために用いてスプレーノズルの位置を架台に対し水平方向又は垂直方向に変化させる場合、組立管は、伸縮により下方へ垂れ下がることがなく、容易に伸縮可能であると共に、比較的高圧の流体供給管がゲレンデの雪表面へ近づき障害、又は危険を生じることがない。
【0020】
【発明の実施の形態】
図面を参照し、本発明の実施例を説明する。図1は、本発明の実施例の流体用組立管の縮小時における図解的な部分断面平面図、図2は、本発明の実施例の組立管の伸長時における図解的な側面図、図3は、本発明の組立管の摺動リングの構造を示す図解的な断面図、図4は、図1の線A−Aに沿って取った図解的な断面図である。
【0021】
図1〜図4は、固定管S内部に、同心の3本の可動管、即ち、第1管R、第2管R、及び第3管Rを有する伸縮可能な流体用組立管10の事例を示す。固定管S第1端に第1開口16を備える第1開口フランジ14が固着され、固定管第2端に固定管フランジ18が固着される。固定管フランジ18は、ブラケット17を介して支持される。固定管フランジ18は、第1管R外周面に摺動可能に密封係合する固定管密封リング19を備え、固定管第2端と第1管外周面の間を密封する。図3に詳細に示すように、固定管内部に位置する第1管Rの第1端に第1管摺動リング22が装着され、第1管Rの第2端に第1フランジ32がナット31により固着される。このように、固定管Sと第1管Rの間は、固定管密封リング19及び第1管摺動リング22により二重に密封され、両管内を流動される流体の外部への漏洩が阻止される。
【0022】
第1管摺動リング22は、固定管S内周面に摺動可能に密封係合して固定管内周面と第1管R第1端の間を密封する。第1管Rが固定管内部から最大に引き出されたとき第1管摺動リング22が固定管密封リング19に係合して第1管Rのそれ以上の引き出しを阻止する。第1管Rが固定管S内部へ最大に挿入されたとき、第1管フランジ32が固定管フランジ18に係合して第1管Rのそれ以上の挿入を阻止する。このようにして、固定管Sに対する第1管Rの移動範囲が所定範囲内とされ、固定管Sから第1管Rが抜落ちたり、第1管Rが固定管S内へ入り過ぎて次の引き出しが困難となるような不都合が防止される。
【0023】
第1管R内部に位置する第2管R第1端に第2管摺動リング42が装着される。第2管摺動リング42は、第1管R内周面に摺動可能に密封係合して第1管内周面と第2管R管1端の間を密封する。第2管Rの第2端に第2管フランジ44がナット41により固着され、第2管フランジ44は、第3管R外周面に摺動可能に密封係合する第2管密封リング45を備えて第2管R第2端と第3管R外周面の間を密封する。第2管R内に位置する第3管R第1端に第3管摺動リング46が固着される。第3管摺動リング46は、第2管R内周面に摺動可能に密封係合して第2管内周面と第3管第1端の間を密封する。
【0024】
第2開口26を有する可動管フランジ24及び第2開口26に連通されるソケット27が、第3管R第2端に設けられる。第3管Rが第2管R内部から最大に引き出されたとき第3管摺動リング46が第2管密封リング45に係合し第3管のそれ以上の引き出しを阻止し、第3管Rが第2管R内部へ最大に挿入されたとき可動管フランジ24が第3管フランジ44に係合して第3管のそれ以上の挿入を阻止する。第1管フランジ32は、例えば、後述するブーム組立体の対応する部分と第1フランジを連結するボルト等の連結部材21を備え、第2管フランジ44、ソケット27は、同様の連結部材23、25をそれぞれ具備する。
【0025】
可動管が1本であるときは、固定管S、固定管S内の可動管Rの第1端の構成は、図1〜4と同じであり、可動管Rの第2端が、図1〜4の第3管の第2端と同じ構成、即ち、可動管フランジ24及び第2開口26が設けれる構成となる。
【0026】
また、可動管が、3本より多い同心の管、即ち、外側から内側へ順に配置される第1管R、第2管R・・・第n−1管Rn−1、第n管(n≧3)から構成される場合は、固定管S、第1管R、第2管Rの構成は、図1〜3と同様であるが、可動管の最内側の第n管R、及びその外側の第n−1管Rn−1は、図1〜4の場合の第2管及び第3管の構成とほぼ同様となる。即ち、第2開口側の第n−1管Rn−1の第2端に第n−1管フランジ44が固着され、第n−1管フランジ44は、第n管R外周面に摺動可能に密封係合する第n−1管密封リング45を備えて第n−1管Rn−1第2端と第n管R外周面の間を密封する。第n−1管Rn−1内に位置する第n管R第1端に第n管摺動リング46が固着される。
【0027】
第n管摺動リング46は、第n−1管Rn−1内周面に摺動可能に密封係合して第n−1管内周面と第n管第1端の間を密封する。可動管フランジ24及び流体出口26が、第n管R第2端に設けられる。第n管が第n−1管内部から最大に引き出されたとき第n管摺動リング46が第n−1管密封リング45に係合し第n管のそれ以上の引き出しを停止し、第n管が第n−1管内部へ最大に挿入されたとき可動管フランジ24が第n−1管フランジ44に係合して第n管のそれ以上の挿入を阻止する。
【0028】
図3は、可動管摺動リング22、第2管摺動リング42を拡大して示す図解的断面図である。図3に示すように、摺動リング22、42は、それぞれU−パッキン21及び摺動リング23の組合せをそれぞれ2対備えることにより、20kg/cm程度の高圧水、高圧空気等の流体をほぼ漏洩させることなく、流すことができる。
【0029】
図5は、本発明の組立管を応用した降雪機の図解的な側面図であり、図6は、図5の降雪機の平面図である。図5に示すように、伸縮可能な流体用組立管10は、4段の箱形断面のブーム(桁)B、B、B、Bを具備し、可動ブームをテレスコピック式に伸縮する箱形ブーム式クレーンのブーム組立体Bに並行に配置される。図6に示すように、組立管10は、ブーム組立体Bの両側にそれぞれ1組ずつ配置され、一方の組立管が高圧水をブーム組立体の延長部分61、61’に装着される降雪ノズル66へ供給するために使用され、他方の組立管が高圧空気を降雪ノズル66へ供給するために使用される。
【0030】
降雪ノズル66は、延長部分61、61’上の小型電動機を備えるターンテーブル62を介して垂直軸線のまわりに角度D回転可能に装着される。角度Dは、例えば、120度である。また、降雪ノズル66は、図5に示すように、水平軸線のまわりに、例えば、水平方向から下向き方向まで約90度、揺動可能に装着される。ターンテーブル62の回転は、図示しないリミットスイッチにより、任意の角度の旋回を可能にすることができる。
【0031】
図6において明らかなように、組立管10の固定管Sは、ブーム組立体の固定ブームBに連結され支持され、組立管のソケット27は、ブーム組立体のブームBの先端に連結されると共に支持され、ブームの伸縮に伴って組立管10の伸縮が行われる。組立管10、10の第3管R、Rは、それぞれホース64、64を介し、降雪ノズル66へ連通され、高圧水及び高圧空気を降雪ノズル66へ供給する。
【0032】
図5に示すように、ブーム組立体Bの基部が、垂直方向の架台54の上部に配置される図示しない水平支持軸のまわりに回転可能に支持され、水平支持軸から所定距離の固定ブームBの部分が油圧モータにより上昇又は下降されるリフティング装置55により、ブーム組立体BのブームBの先端に配置される降雪ノズル66の地上からの高さが変化される。垂直方向の架台54は、その下方に設けられる旋回装置53により支持されると共に、旋回装置53により垂直軸のまわりに、例えば、120度、旋回可能にされる。旋回装置53は、支柱51を介し、地面に固定され、旋回装置の下方に隣接し、動力制御盤を備える動力室が配置される。
【0033】
伸縮するブーム組立体Bと垂直方向の架台54は、水平支持軸により連結され、図5に示すように、逆L字形を形成する。旋回装置は、歯車等の伝動機構により、全周にわたり旋回可能とすることができる。垂直方向の架台54上のブーム組立体Bの背上部にコードリール56をが配置され、ブーム組立体Bの伸縮に応じて架台54から降雪ノズル66へ伸長する電力供給コードを繰り出し又は巻取るようにされる。この構成により、電力供給コードの垂れ下がりを防止し、損傷や危険を防止することが可能である。
【0034】
図5及び図6の降雪機によれば、降雪ノズルの位置を、降雪機の固定点、例えば、支柱51より、2m〜15mの全方向への空間の任意の位置へ移動させることができ、降雪作業範囲を広くすることができる。また、ブーム組立体を伸長すると共に、リフティング装置55により、ブーム組立体の先端の降雪ノズル66の地上からの高さを増大させ、高い位置からの造雪により低い外気温度を利用し、雪質を良好にすることができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明の組立管においては、固定管フランジが可動管外周面に摺動可能に密封係合する固定管密封リングを備えて固定管第2端と可動管外周面の間を密封し、固定管内部に位置する可動管第1端に可動管摺動リングが固着され、可動管摺動リングは、固定管内周面に摺動可能に密封係合して固定管内周面と可動管第1端の間を密封する。それ故、固定管と可動管は、相互に摺動されるときにおいても、2か所において密封され、組立管内の比較的高圧の流体は、固定管と可動管の端部から漏洩しない。
【0036】
本発明の組立管においては、可動管が固定管内部から最大に引き出されたとき可動管摺動リングが固定管密封リングに係合され、可動管のそれ以上の引き出しが阻止される。可動管が固定管内部へ最大に挿入されたとき可動管フランジが固定管フランジに係合して可動管のそれ以上の挿入が阻止される。それ故、固定管から可動管が抜け落ちたり、可動管が固定管内へ入り過ぎて次の伸長が困難になるような不都合が防止される。
【0037】
本発明の組立管は、組立管の両端の距離を、例えば、伸縮ブームにより、短縮することにより、組立管を構成する複数の管がそれぞれ外側管の内部へ内側管が入り込むことにより組立管全体の距離が短縮され、その場合、各管は、いずれも各管のフランジにより外側の管内へ入り過ぎることは生じない。また、組立管の両端の距離を、例えば、ブーム組立体を使用し伸長することにより、組立管を構成する複数の管がそれぞれ外側管の内部から内側管が引出され、その場合、各管は、いずれも各管の密封リングと摺動リングが係合することにより相互に抜け出すことなく、管立管全体の距離が伸長される。
【0038】
本発明の組立管は、伸縮運動可能なブーム組立体に並行に配置され、各管フランジが、ブーム組立体の対応する部分と連結され、ブーム組立体により支持されると共に、ブーム組立体の伸縮運動により伸縮され、ブームにより伸長されると共に、伸長された組立管を構成する各管の端部付近においてブームにより支持されるから、管の自重又は管内を通過される流体の重量により、組立管がたわみむことが防止され、またたわむことから生じる流体の漏洩が防止される。
【0039】
本発明の組立管は、伸縮可能な流体用組立管を降雪機のスプレーノズルへ水又は空気を供給するために用いてスプレーノズルの位置を架台に対し水平方向又は垂直方向に変化させる場合、組立管は、伸縮により下方へ垂れ下がることがなく、容易に伸縮可能であると共に、比較的高圧の流体供給管がゲレンデの雪表面へ近づき障害、又は危険を生じることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の組立管の縮小時における図解的な部分的断面平面図。
【図2】本発明の実施例の組立管の伸長時における図解的な側面図。
【図3】本発明の組立管の摺動リングの構造を示す図解的な断面図。
【図4】図1の線A−Aに沿って取った図解的な断面図。
【図5】本発明の組立管を応用した降雪機の図解的な側面図。
【図6】図5の降雪機の平面図である。
【符号の説明】
10:組立管、12:固定管内周面、16:第1開口、14:第1開口フランジ、17:ブラケット、18:固定管フランジ、19:固定管密封リング、21:U−パッキン、21、23、25:連結部材、22:可動管摺動リング、23:摺動リング、24:可動管フランジ、26:第2開口、27:ソケット、31:ナット、32:第1管フランジ、39:第1管密封リング、42:第2管摺動リング、44:第2管フランジ(第n−1管フランジ)、45:第2管密封リング(第n−1管密封リング)、46:第3管摺動リング(第n管摺動リング)、51:支柱、53:旋回装置、54:架台、55:リフティング装置、56:コードリール、61、61’:延長部分、62:ターンテーブル、64:ホース、66:降雪ノズル、B:ブーム組立体、D:角度、R:可動管、R:第1管、R:第2管、Rn−1:第n−1管、R:第n管、S:固定管。

Claims (5)

  1. 伸縮可能な流体用組立管であって、固定管(S)内部に可動管(R)の一部が同心に配置され、固定管第1端に第1開口(16)が設けられ、固定管第2端に固定管フランジ(18)が固着され、固定管フランジは、可動管外周面に摺動可能に密封係合する固定管密封リング(19)を備えて固定管第2端と可動管外周面の間を密封し、固定管内部に位置する可動管第1端に可動管摺動リング(22)が固着され、可動管摺動リングは、固定管内周面に摺動可能に密封係合して固定管内周面と可動管第1端の間を密封し、可動管第2端に可動管フランジ(32)及び第2開口が設けられ、可動管が固定管内部から最大に引き出されたとき可動管摺動リング(22)が固定管密封リング(19)に係合し可動管のそれ以上の引き出しを阻止し、可動管が固定管内部へ最大に挿入されたとき可動管フランジ(32)が固定管フランジ(18)に係合して可動管のそれ以上の挿入を阻止し、流体が第1開口、固定管内部、可動管内部、及び第2開口をへて流動され、可動管摺動リング(22)は、断面U字形のパッキン(21)及び摺動リング(23)の組合せを2対備え,
    可動管は、同心に外側から内側へ順に配置される第1管、第2管・・・第n−1管、第n管(n≧3)から成り、前記固定管密封リングは、第1管外周面に摺動可能に密封係合して固定管第2端と第1管外周面の間を密封し、前記可動管摺動リングは、固定管内部に位置する第1管第1端に配置されて固定管内周面に摺動可能に密封係合して固定管内周面と第1管第1端の間を密封し、第1管第2端に第1管フランジが固着され、第1管フランジは、第2管外周面に摺動可能に密封係合する第1管密封リングを備えて第1管第2端と第2管外周面の間を密封し、第1管が固定管内部から最大に引き出されたとき可動管摺動リングが固定管密封リングに係合して第1管のそれ以上の引き出しを阻止し、第1管が固定管内部へ最大に挿入されたとき第1管フランジが固定管フランジに係合して第1管のそれ以上の挿入を阻止し、第1管内部に位置する第2管第1端に第2管摺動リングが配置されて第1管内周面に摺動可能に密封係合して第1管内周面と第2管第1端の間を密封し、第2開口側の第n−1管第2端に第n−1管フランジが固着され、第n−1管フランジは、第n管外周面に摺動可能に密封係合する第n−1管密封リングを備えて第n−1管第2端と第n管外周面の間を密封し、第n−1管内に位置する第n管第1端に第n管摺動リングが固着され、第n管摺動リングは、第n−1管内周面に摺動可能に密封係合して第n−1管内周面と第n管第1端の間を密封し、前記可動管フランジ及び流体出口は、第n管第2端に設けられ、第n管が第n−1管内部から最大に引き出されたとき第n管摺動リングが第n−1管密封リングに係合し第n管のそれ以上の引き出しを停止し、第n管が第n−1管内部へ最大に挿入されたとき可動管フランジが第n−1管フランジに係合して第n管のそれ以上の挿入を阻止することを特徴とする伸縮可能な流体用組立管。
  2. 固定管(S)内部に可動管(R)の一部が同心に配置され、固定管第1端に第1開口(16)が設けられ、固定管第2端に固定管フランジ(18)が固着され、固定管フランジは、可動管外周面に摺動可能に密封係合する固定管密封リング(19)を備えて固定管第2端と可動管外周面の間を密封し、固定管内部に位置する可動管第1端に可動管摺動リング(22)が固着され、可動管摺動リングは、固定管内周面に摺動可能に密封係合して固定管内周面と可動管第1端の間を密封し、可動管第2端に可動管フランジ(32)及び第2開口が設けられ、可動管が固定管内部から最大に引き出されたとき可動管摺動リング(22)が固定管密封リング(19)に係合し可動管のそれ以上の引き出しを阻止し、可動管が固定管内部へ最大に挿入されたとき可動管フランジ(32)が固定管フランジ(18)に係合して可動管のそれ以上の挿入を阻止し、流体が第1開口、固定管内部、可動管内部、及び第2開口をへて流動される伸縮可能な流体用組立管が伸縮運動可能なブーム組立体(B)に並行に配置され、可動管フランジ(32)がブーム組立体の対応する部分と連結され、可動管フランジは、ブーム組立体により支持されると共に、ブーム組立体の対応する部分の移動により移動されることを特徴とする伸縮可能な流体用組立管。
  3. 請求項に記載の伸縮可能な流体用組立管であって、可動管は、同心に外側から内側へ順に配置される第1管、第2管・・・第n−1管、第n管(n≧3)から成り、前記固定管密封リングは、第1管外周面に摺動可能に密封係合して固定管第2端と第1管外周面の間を密封し、前記可動管摺動リングは、固定管内部に位置する第1管第1端に配置されて固定管内周面に摺動可能に密封係合して固定管内周面と第1管第1端の間を密封し、第1管第2端に第1管フランジが固着され、第1管フランジは、第2管外周面に摺動可能に密封係合する第1管密封リングを備えて第1管第2端と第2管外周面の間を密封し、第1管が固定管内部から最大に引き出されたとき可動管摺動リングが固定管密封リングに係合して第1管のそれ以上の引き出しを阻止し、第1管が固定管内部へ最大に挿入されたとき第1管フランジが固定管フランジに係合して第1管のそれ以上の挿入を阻止し、第1管内部に位置する第2管第1端に第2管摺動リングが配置されて第1管内周面に摺動可能に密封係合して第1管内周面と第2管第1端の間を密封し、第2開口側の第n−1管第2端に第n−1管フランジが固着され、第n−1管フランジは、第n管外周面に摺動可能に密封係合する第n−1管密封リングを備えて第n−1管第2端と第n管外周面の間を密封し、第n−1管内に位置する第n管第1端に第n管摺動リングが固着され、第n管摺動リングは、第n−1管内周面に摺動可能に密封係合して第n−1管内周面と第n管第1端の間を密封し、前記可動管フランジ及び流体出口は、第n管第2端に設けられ、第n管が第n−1管内部から最大に引き出されたとき第n管摺動リングが第n−1管密封リングに係合し第n管のそれ以上の引き出しを停止し、第n管が第n−1管内部へ最大に挿入されたとき可動管フランジが第n−1管フランジに係合して第n管のそれ以上の挿入を阻止することを特徴とする伸縮可能な流体用組立管。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の伸縮可能な流体用組立管が、伸縮運動可能なブーム組立体の両側に並行にそれぞれ1組ずつ配置され、各組立管の可動管フランジがブーム組立体の対応する部分と連結されてブーム組立体の対応する部分の移動により移動され、高圧水及び高圧空気がそれぞれ1組の組立管を通りブーム組立体の先端に配置された人工雪製造用スプレーノズルへ供給されることを特徴とする降雪機。
  5. 請求項に記載の降雪機であって、ブーム組立体の基部が、支持台上に配置される水平方向の支持軸により支持され、ブーム組立体の基部が支持軸のまわりに回動されることによりブーム組立体の先端の高さが変更可能であり、支持台が垂直軸のまわりに回転されることによりブーム組立体の先端の水平位置が変更可能にされ、スプレーノズルは、水平面内及び垂直面内においてブーム組立体の長手方向に対しそれぞれ所定角度変更可能であることを特徴とする降雪機。
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