JP3611992B2

JP3611992B2 - Extraction method of palladium

Info

Publication number: JP3611992B2
Application number: JP27887699A
Authority: JP
Inventors: 佐々木康勝; 小田倫永
Original assignee: Nippon Mining and Metals Co Ltd
Current assignee: Nippon Mining Holdings Inc
Priority date: 1999-09-30
Filing date: 1999-09-30
Publication date: 2005-01-19
Anticipated expiration: 2019-09-30
Also published as: JP2001107156A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パラジウムを含有する水溶液から、高い純度でパラジウムを抽出し、回収する方法に関する。特に、本発明は、銅製錬工程において副生する貴金属含有残滓からパラジウムを選択的に高純度で抽出・回収する方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
パラジウムを含有するとともに、他の白金属元素などを含有する水溶液からパラジウムを選択的に抽出するための方法としてジアルキルスルフィドを抽出溶剤とする方法が知られている（特開平１０−１３０７４４号公報、特開平９−２７９２６４号公報参照）。
【０００３】
特開平１０−１３０７４４号公報には、金と白金族金属の塩化物含有水溶液から金をジブチルカルビトール（ＤＢＣ）中へ抽出し、金を選択除去した溶液を塩酸で希釈して酸性溶液を得、この溶液中のパラジウムを硫化ジアルキル中に抽出し、塩酸を用いてスクラビングし、スクラビングを行った硫化ジアルキルからアンモニア水を用いてパラジウムを逆抽出する段階を含むパラジウムの抽出方法において、塩化物含有水溶液の塩酸酸度を４規定以上に調整し、かつ金抽出の後液［Ａ］に対するジブチルカルビトール（ＤＢＣ）［Ｏ］の比率（Ｏ／Ａ）が１／２以上の条件で金の抽出を行うとともに、前記逆抽出後パラジウムを溶解したアンモニア水を濾過する段階を有することを特徴とする方法が記載されている。この方法は、鉄及びテルルによるパラジウムの純度低下を防止するものであって、その特徴とするところは、塩化物含有水溶液の塩酸酸度を４規定以上、好ましくは５規定以上に調整し、かつ金抽出の後液［Ａ］に対するジブチルカルビトール（ＤＢＣ）［Ｏ］の比率（Ｏ／Ａ）が１／２以上の条件で金の抽出を行うとともに、前記逆抽出後パラジウムを溶解したアンモニア水を濾過する点にある。
【０００４】
また、特開平９−２７９２６４号公報には、白金族元素を含有する貴金属溶液からパラジウムを連続的に選択抽出する方法であって、濃度４０ｖｏｌ％以上のジアルキルスルフィドを含有する抽出液を、単位時間あたり、上記貴金属溶液中のパラジウム量に対して４モル倍以上のジアルキルスルフィド量となる範囲で、かつ数分以内の接触時間で、上記貴金属溶液に連続接触させることにより、パラジウムを他の白金族元素から選択的に抽出する方法が記載されている。このように通液量と接触時間を選択することにより、抽出速度の遅いオスミウムやルテニウム等の抽出が抑制され、パラジウムが選択的に抽出されることが記載されている。
【０００５】
本発明者らは、従来のパラジウムの選択的抽出法によって得られたスポンジパラジウム中に、白金、セレン（Ｓｅ）の品位が高くなり、規格に合格できないことがあることを見出した。
前記の先行技術はいずれも、パラジウム中のセレン含有量を抑制することは記載されていない。
また、本発明者らは、パラジウムを溶媒抽出する際に、多量のスラッジが発生し、スラッジ中にパラジウムが移行するので、パラジウムを高収率で回収できないという問題点があることを見出した。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、白金、セレンを含有するパラジウム含有水溶液から、ジアルキルスルフィドを用いてパラジウムを抽出する際に、スラッジを多量に発生することなく、パラジウムを選択的に抽出・回収する方法を提供することを課題とする。さらに、本発明は、銅製錬工程において副生する貴金属含有残滓を塩酸で浸出して得られた浸出後液から金を抽出除去した水溶液から、白金、セレンの抽出を抑制し、パラジウムを選択的に抽出・回収する方法を提供することも課題とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、白金、セレンを含有するパラジウム含有水溶液から、ジアルキルスルフィドを用いてパラジウムを抽出する際に、抽出時の塩酸（ＨＣｌ）濃度を３モル／Ｌ〜４モル／Ｌに調整することで、前記の課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
さらに、本発明は、銅製錬工程において副生する貴金属含有残滓を塩酸で浸出して得られた浸出後液から金を抽出除去した水溶液から硫化ジアルキルによりパラジウムを抽出する際に、ＨＣｌ濃度を３モル／Ｌ〜４モル／Ｌに調整することにより、白金及びセレンの抽出を抑制して、パラジウムを選択的に抽出できること見出したことにより、本発明に至った。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、図１に示す貴金属回収フローチャートに沿って説明する。
銅製錬工程において副生する白金やパラジウムを含有する残滓に、塩化浸出を施し、貴金属類を水溶液中に溶出させる。この浸出後液からＤＢＣによる金抽出を行う。金を抽出した抽出後液は純水を用いて酸調整してから、硫化ジアルキルによるパラジウム抽出を行う。この硫化ジアルキルによるパラジウム抽出工程においてＨＣｌ濃度（モル／Ｌ）を３〜４に調整することが本発明の特徴である。パラジウムを抽出した硫化ジアルキルは、ＨＣｌ水溶液によりスクラビングを行い、随伴する不純物を除去した後、アンモニア水で逆抽出すると、パラジウムはジクロロアンミンパラジウム（［Ｐｄ（ＮＨ_３）_２］Ｃｌ_２）としてアンモニア水溶液中に溶解してくる。
硫化ジアルキルとしては、ジヘキシルスルフィド（ＤＨＳ）、ジオクチルスルフィドなどが用いられるが、ＤＨＳが好ましい。
【０００９】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
【実施例１】
ＤＨＳ抽出時のＨＣｌ濃度（モル／Ｌ、以下単に「Ｍ」という）を３Ｍ〜６Ｍまで変化させてＰｄ、Ｐｔ、及びＳｅの抽出挙動とスラッジの発生量とを測定した。
【００１０】
１）抽出前工程
Ａｕ抽出後液は、図１のフローに沿って得たもので、５Ｃの濾紙にて濾過し、濾液を分析試料とした。試験に使用したＡｕ蒸留後液は表１の組成を有するものである。
【表１】
Ａｕ抽出後液の液組成

【００１１】
この液を、ＨＣｌ濃度が３，４，５，６Ｍになるように純水にて希釈して、試験液を作成した。
ＨＣｌ濃度が３Ｍより低くなるとＰｔがＤＨＳ抽出工程で抽出されるので好ましくない。よって、３Ｍより低いＨＣｌ濃度の試験液は作成しなかった。
【００１２】
２）抽出工程
各ＨＣｌ濃度に希釈したＡｕ抽出後液４５０ｍｌとＤＨＳ４５０ｍｌを混合して３時間攪拌抽出した。抽出終了後、水相と有機相に分相して、両者の一部を分析試料にした。
【００１３】
表２に、抽出前後における水相と有機相の分析値を示す。表３には、抽出後の分配率を示すが、ここでの分配率は、Ａｕ抽出後液中の各成分が水相と有機相に移行した率である。
【表２】
抽出工程における水相及び有機相の分析値

【００１４】
【表３】
抽出工程における分配率

【００１５】
表２より、抽出時のＨＣｌ濃度が３〜６Ｍの範囲であれば、ＤＨＳ抽出において殆どのＰｔ、Ｓｅは水相に残り、有機相には移行しないことが分かる。
また、表２によると、抽出時のＨＣｌ濃度が高いほど、抽出後のＤＨＳ中の各成分濃度は高くなるが、これは、ＤＨＳの抽出性能が抽出前液の各成分濃度に依存するためである。ＨＣｌ濃度を高くするということは、Ａｕ抽出後液の希釈度を小さくすることであり、被抽出液中の各成分濃度が高くなるため、抽出時のＨＣｌ濃度が高いほど、ＤＨＳ中の各成分濃度が高くなると言える。
表３によると、抽出時のＨＣｌ濃度が高くなると、有機相へのＰｔの分配率は低下し、僅かであるがＳｅの分配率が高くなることが分かる。
【００１６】
抽出工程では、ＨＣｌ濃度が３〜６Ｍのいずれの条件においても、エマルジョンが発生した。抽出後分相した状態で水相と有機相との中間に発生するスラッジ相の量を表４に示す。
【表４】
スラッジ発生量

【００１７】
表４より、抽出時のＨＣｌ濃度を５Ｍ以上にすると、急激にスラッジ量が増加するため、抽出時のＨＣｌ濃度は４Ｍ以下にする必要がある。
【００１８】
２）スクラビング工程
抽出後のスクラビング工程は、抽出後のＤＨＳ４００ｍｌを採取して、ＨＣｌ溶液を用いて、Ｏ／Ａ比＝１、反応時間０．５時間の条件で行った。
抽出時のＨＣｌ濃度が３〜６Ｍのいずれにおいても、スクラビング工程でＰｔ、Ｐｄは全く溶出せず、また、分相状況も良好であった。
【００１９】
３）逆抽出工程
逆抽出工程は、スクラビング後のＤＨＳ３５０ｍｌを採集して、アンモニア水溶液５２５ｍｌ（Ｏ／Ａ＝１／１．５）を１時間かけて添加した後、３０分間攪拌した。逆抽出終了後、分相して、水相と有機相の一部を分析試料とした。
分析の結果を表５に、分配率を表６に示す。ここでの分配率は、スクラビング工程でのＤＨＳ中の各成分量を１００％とした。
【００２０】
【表５】
逆抽出工程における水相及び有機相の分析値

【００２１】
【表６】
逆抽出工程における分配率

【００２２】
逆抽出時にも中間相スラッジが発生したため、その容積と発生重量を測定し、分析した結果を表７に示す。
【表７】
逆抽出工程にて発生したスラッジ容量、重量及び分析値

【００２３】
表５表６によると、逆抽出工程ではＰｄは水相中に移行するが、その分配率は、抽出時のＨＣｌ濃度が５Ｍ以上になると低下している。これは、表７の結果から分かるように、抽出時のＨＣｌ濃度を高くすると、スラッジの発生量が増加してスラッジへのＰｄ移行率が増えるためである。したがって、逆抽出時のＰｄの損失を避けるためには、抽出時のＨＣｌ濃度は、４Ｍ以下でなければならない。
Ｐｔ、Ｓｅは抽出時のＨＣｌ濃度が高いほど、有機相への分配率は低下するが、その分スラッジへの分配が高くなる。
表７から、逆抽出工程においても、抽出工程と同様に、抽出時のＨＣｌ濃度が５Ｍ以上になると、スラッジ発生量が顕著に多くなるため、この濃度より低い濃度にて抽出する必要があることが分かる。
４）Ｐｄ晶析工程
逆抽出工程により水相中に移行したＰｄは、ＨＣｌ水溶液を添加することで、塩化パラジウム酸アンモニウムとして晶析させた。晶析物を分析した結果を表８に示す。
【表８】
パラジウム晶析物の分析値

表８から、晶析物中のＰｔ、Ｓｅはいずれも５ｐｐｍ以下であり、Ｐｄが高純度で回収できていることが分かる。
【００２４】
【実施例２】
Ｐｔ、Ｓｅの形態による、ＤＨＳへの抽出挙動の影響を測定した。
Ｐｔは、Ｐｔ（ＩＩ）、Ｐｔ（ＩＶ）として存在するため、ＰｔＣｌ_２，ＰｔＣｌ_４・２Ｈ_２Ｏの試薬を用い、ＳｅはＳｅ（ＩＶ）、Ｓｅ（ＶＩ）として存在するため、Ｈ_２ＳｅＯ_３、Ｈ_２ＳｅＯ_４の試薬を用いて、ＤＨＳ抽出時のＨＣｌ濃度と形態の影響について試験した。被抽出液は、３，５，７ＭＨＣｌ溶液に、各成分濃度が５００ｍｇ／Ｌ相当になるように調整して作成した。ただし、Ｐｔ（ＩＩ）はＨＣｌに対する溶解度が小さく、Ｐｔ（ＩＩ）濃度は３ＭＨＣｌでは９８ｍｇ／Ｌ、５ＭＨＣｌでは２３７ｍｇ／Ｌ，７ＭＨＣｌでは４２１ｍｇ／Ｌであった。
抽出は、Ｏ／Ａ＝１、抽出時間３時間、室温で行った。
【００２５】
結果を表９に示す。
【表９】
抽出工程の初期濃度と抽出後液中の液濃度

【００２６】
表９の結果から、Ｓｅは形態にかかわらず、抽出時の濃度が５Ｍまでは、殆ど抽出されず、５Ｍを超えて７Ｍになると数％から約２０％抽出されることが分かる。
このことから、Ｓｅの抽出を抑えるためには、抽出時のＨＣｌ濃度が、４Ｍ以下の方が良いということになる。
【００２７】
以上の実施例１，２の結果から、ＤＨＳ抽出工程において、抽出時のＨＣｌ濃度が３〜４Ｍの範囲であると、抽出工程における有機相へのＰｄ分配率、及び逆抽出工程における水相へのＰｄ分配率が共に良好で、Ｓｅの抽出も抑制され、スラッジの発生量も少ないことが分かる。
それに対して、抽出時のＨＣｌ濃度が５Ｍ以上になると、抽出時、逆抽出時のいずれにおいてもスラッジの発生量が急激に多くなり、Ｓｅ抽出率も上昇するため、不適当であることが分かった。
【００２８】
【発明の効果】
本発明において、パラジウムを含有する水溶液から硫化ジアルキルによりパラジウムを抽出する際に、塩酸濃度を３モル／Ｌ〜４モル／Ｌとすることによって、Ｐｔ、Ｓｅを含有する溶液からであっても、Ｐｄを高純度で抽出・回収できるという効果が奏される。また、塩酸濃度を３モル／Ｌ〜４モル／Ｌにすることによって、スラッジ発生量が少なく、したがって、Ｐｄを高収率で回収できるという効果も奏される。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による貴金属回収フローチャートを示す。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for extracting and recovering palladium with high purity from an aqueous solution containing palladium. In particular, the present invention relates to a method for selectively extracting and recovering palladium with high purity from noble metal-containing residues by-produced in a copper smelting process.
[0002]
[Prior art]
As a method for selectively extracting palladium from an aqueous solution containing palladium and other white metal elements, a method using dialkyl sulfide as an extraction solvent is known (Japanese Patent Laid-Open No. 10-130744, JP, 9-279264, A).
[0003]
In JP-A-10-130744, gold is extracted into dibutyl carbitol (DBC) from a chloride-containing aqueous solution of gold and a platinum group metal, and a solution obtained by selectively removing gold is diluted with hydrochloric acid to obtain an acidic solution. In the method for extracting palladium, which comprises extracting palladium in this solution into dialkyl sulfide, scrubbing with hydrochloric acid, and back-extracting palladium from the scrubbed dialkyl sulfide with aqueous ammonia. Adjusting the hydrochloric acidity of the aqueous solution to 4 N or more, and extracting gold under the condition that the ratio (O / A) of dibutyl carbitol (DBC) [O] to the liquid [A] after gold extraction is 1/2 or more And performing a step of filtering ammonia water in which palladium is dissolved after the back extraction. This method prevents the decrease in the purity of palladium by iron and tellurium, and is characterized by adjusting the hydrochloric acidity of the chloride-containing aqueous solution to 4 N or higher, preferably 5 N or higher, and gold. Extraction of gold was conducted under the condition that the ratio (O / A) of dibutyl carbitol (DBC) [O] to post-extraction liquid [A] was 1/2 or more, and ammonia water in which palladium was dissolved after the back extraction was added. It is in the point to filter.
[0004]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-279264 discloses a method for continuously extracting and extracting palladium from a noble metal solution containing a platinum group element, wherein an extract containing a dialkyl sulfide having a concentration of 40 vol% or more is used for a unit time. In the range where the amount of dialkyl sulfide is 4 moles or more with respect to the amount of palladium in the noble metal solution, and in contact time within a few minutes, the palladium is continuously contacted with the other platinum group by contacting the noble metal solution. A method for selective extraction from elements is described. As described above, it is described that by selecting the flow rate and the contact time, extraction of osmium, ruthenium or the like having a low extraction rate is suppressed, and palladium is selectively extracted.
[0005]
The present inventors have found that the quality of platinum and selenium (Se) in the sponge palladium obtained by the conventional selective extraction method of palladium is high and the standard may not be passed.
None of the above prior art describes the suppression of the selenium content in palladium.
Further, the present inventors have found that when palladium is extracted with a solvent, a large amount of sludge is generated and palladium moves into the sludge, so that palladium cannot be recovered in a high yield.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention provides a method for selectively extracting and recovering palladium without generating a large amount of sludge when palladium is extracted from a palladium-containing aqueous solution containing platinum and selenium using dialkyl sulfide. Is an issue. Furthermore, the present invention suppresses the extraction of platinum and selenium from an aqueous solution obtained by extracting and removing gold from the post-leaching solution obtained by leaching the noble metal-containing residue produced as a by-product in the copper smelting process with hydrochloric acid. It is also an object to provide a method for extraction and recovery.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
When extracting palladium from a palladium-containing aqueous solution containing platinum and selenium using dialkyl sulfide, the present inventors adjust the hydrochloric acid (HCl) concentration at the time of extraction to 3 mol / L to 4 mol / L. Thus, the inventors have found that the above-described problems can be solved, and have reached the present invention.
Furthermore, the present invention provides an HCl concentration of 3 when extracting palladium with dialkyl sulfide from an aqueous solution obtained by extracting and removing gold from the post-leaching solution obtained by leaching the noble metal-containing residue by-produced in the copper smelting process with hydrochloric acid. By adjusting to mol / L-4 mol / L, it discovered that platinum and selenium extraction were suppressed and palladium could be selectively extracted, and it came to this invention.
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described along the noble metal recovery flowchart shown in FIG.
Chlorine leaching is performed on the residue containing platinum and palladium by-produced in the copper smelting process, and noble metals are eluted in the aqueous solution. Gold extraction by DBC is performed from this leached solution. The liquid after extraction after extracting gold is acid-adjusted with pure water and then extracted with palladium by dialkyl sulfide. It is a feature of the present invention that the HCl concentration (mol / L) is adjusted to 3 to 4 in this palladium extraction step with dialkyl sulfide. Dialkyl sulfide extracted from palladium is scrubbed with an aqueous HCl solution to remove accompanying impurities, and then back-extracted with aqueous ammonia to obtain palladium as dichloroamminepalladium ([Pd (NH ₃ ) ₂ ] Cl ₂ ). It will dissolve in.
As dialkyl sulfide, dihexyl sulfide (DHS), dioctyl sulfide and the like are used, and DHS is preferable.
[0009]
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples.
[Example 1]
The extraction behavior of Pd, Pt, and Se and the generation amount of sludge were measured by changing the HCl concentration (mol / L, hereinafter simply referred to as “M”) during DHS extraction from 3M to 6M.
[0010]
1) Pre-extraction step The Au post-extraction solution was obtained along the flow of FIG. 1 and was filtered with 5C filter paper, and the filtrate was used as an analysis sample. The Au-distilled solution used in the test has the composition shown in Table 1.
[Table 1]
Liquid composition of the liquid after Au extraction

[0011]
This solution was diluted with pure water so that the HCl concentration was 3, 4, 5, 6 M, and a test solution was prepared.
If the HCl concentration is lower than 3M, Pt is extracted in the DHS extraction step, which is not preferable. Therefore, a test solution having an HCl concentration lower than 3M was not prepared.
[0012]
2) Extraction step 450 ml of post-Au extraction solution diluted to each HCl concentration and 450 ml of DHS were mixed and extracted with stirring for 3 hours. After the extraction was completed, the aqueous phase and the organic phase were separated, and a part of both was used as an analysis sample.
[0013]
Table 2 shows analytical values of the aqueous phase and the organic phase before and after extraction. Table 3 shows the distribution rate after extraction. The distribution rate here is the rate at which each component in the solution after Au extraction has shifted to the aqueous phase and the organic phase.
[Table 2]
Analytical values of aqueous and organic phases in the extraction process

[0014]
[Table 3]
Distribution rate in the extraction process

[0015]
From Table 2, it can be seen that when the HCl concentration during extraction is in the range of 3 to 6 M, most of Pt and Se remain in the aqueous phase and do not migrate to the organic phase in the DHS extraction.
Also, according to Table 2, the higher the HCl concentration at the time of extraction, the higher the concentration of each component in the DHS after extraction, because the DHS extraction performance depends on the concentration of each component in the pre-extraction solution. is there. Increasing the HCl concentration means decreasing the dilution of the solution after Au extraction, and the concentration of each component in the liquid to be extracted increases. Therefore, the higher the HCl concentration at the time of extraction, the more each component in the DHS. It can be said that the concentration increases.
According to Table 3, it can be seen that as the HCl concentration during extraction increases, the distribution ratio of Pt to the organic phase decreases and the distribution ratio of Se increases slightly.
[0016]
In the extraction process, an emulsion was generated under any condition of HCl concentration of 3 to 6M. Table 4 shows the amount of sludge phase generated between the aqueous phase and the organic phase in a state after phase separation after extraction.
[Table 4]
Sludge generation amount

[0017]
According to Table 4, when the HCl concentration at the time of extraction is 5M or more, the amount of sludge increases abruptly. Therefore, the HCl concentration at the time of extraction needs to be 4M or less.
[0018]
2) Scrubbing Step The scrubbing step after extraction was performed by collecting 400 ml of DHS after extraction and using an HCl solution under the conditions of O / A ratio = 1 and reaction time of 0.5 hour.
Pt and Pd were not eluted at all in the scrubbing process at any HCl concentration of 3 to 6 M during extraction, and the phase separation state was good.
[0019]
3) Back extraction step In the back extraction step, 350 ml of DHS after scrubbing was collected, and 525 ml of an aqueous ammonia solution (O / A = 1 / 1.5) was added over 1 hour, followed by stirring for 30 minutes. After the back extraction was completed, the phases were separated, and a part of the aqueous phase and the organic phase was used as an analysis sample.
The results of the analysis are shown in Table 5, and the distribution ratio is shown in Table 6. In this case, the distribution ratio was set so that the amount of each component in DHS in the scrubbing step was 100%.
[0020]
[Table 5]
Analytical values of water phase and organic phase in back extraction process

[0021]
[Table 6]
Distribution rate in back extraction process

[0022]
Since intermediate phase sludge was generated even during back extraction, the volume and generated weight were measured and the results of analysis are shown in Table 7.
[Table 7]
Sludge volume, weight and analytical value generated in the back extraction process

[0023]
According to Table 6 and Table 6, Pd moves into the aqueous phase in the back extraction process, but the distribution rate decreases when the HCl concentration during extraction becomes 5 M or more. This is because, as can be seen from the results in Table 7, when the HCl concentration at the time of extraction is increased, the amount of sludge generated increases and the Pd transfer rate to the sludge increases. Therefore, in order to avoid loss of Pd during back extraction, the HCl concentration during extraction must be 4M or less.
As the concentration of HCl during extraction of Pt and Se increases, the distribution rate to the organic phase decreases, but the distribution to sludge increases accordingly.
From Table 7, in the back extraction process, as in the extraction process, if the HCl concentration at the time of extraction is 5M or more, the amount of sludge generated is significantly increased, so it is necessary to extract at a concentration lower than this concentration. I understand.
4) Pd crystallization step Pd transferred into the aqueous phase by the back extraction step was crystallized as ammonium chloropalladate by adding an aqueous HCl solution. The results of analyzing the crystallized product are shown in Table 8.
[Table 8]
Analytical value of palladium crystallized product

From Table 8, it can be seen that Pt and Se in the crystallized product are both 5 ppm or less, and Pd can be recovered with high purity.
[0024]
[Example 2]
The influence of extraction behavior on DHS due to the form of Pt and Se was measured.
Since Pt exists as Pt (II) and Pt (IV), the reagents PtCl ₂ and PtCl ₄ .2H ₂ O are used. Since Se exists as Se (IV) and Se (VI), H ₂ SeO ₃ , H ₂ SeO ₄ reagent was used to test the effect of HCl concentration and morphology during DHS extraction. The liquid to be extracted was prepared by adjusting 3,5,7M HCl solution so that each component concentration was equivalent to 500 mg / L. However, Pt (II) had low solubility in HCl, and the Pt (II) concentration was 98 mg / L for 3M HCl, 237 mg / L for 5M HCl, and 421 mg / L for 7M HCl.
Extraction was performed at room temperature with O / A = 1, extraction time 3 hours.
[0025]
The results are shown in Table 9.
[Table 9]
Initial concentration in the extraction process and concentration in the solution after extraction

[0026]
From the results of Table 9, it can be seen that, regardless of the form, Se is hardly extracted until the concentration at the time of extraction is 5M, and is extracted from several percent to about 20% when it exceeds 7M and becomes 7M.
From this, in order to suppress the extraction of Se, it is better that the HCl concentration at the time of extraction is 4M or less.
[0027]
From the results of Examples 1 and 2 above, when the HCl concentration at the time of extraction is in the range of 3 to 4M in the DHS extraction step, the Pd distribution ratio to the organic phase in the extraction step and the water phase in the back extraction step It can be seen that the Pd distribution ratio of each is good, Se extraction is suppressed, and sludge generation is small.
On the other hand, if the HCl concentration at the time of extraction is 5M or more, the amount of sludge generated abruptly increases both at the time of extraction and at the time of back extraction, and the Se extraction rate increases, which proves inappropriate. It was.
[0028]
【The invention's effect】
In the present invention, when extracting palladium with dialkyl sulfide from an aqueous solution containing palladium, the hydrochloric acid concentration is 3 mol / L to 4 mol / L, so that even from a solution containing Pt and Se, Pd can be extracted and recovered with high purity. Further, when the hydrochloric acid concentration is 3 mol / L to 4 mol / L, the amount of sludge generated is small, and therefore, the effect that Pd can be recovered in a high yield is also exhibited.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows a noble metal recovery flowchart according to the present invention.

Claims

In the method of extracting palladium by transferring palladium from an aqueous solution containing palladium and selenium to the organic phase and leaving the selenium in the aqueous phase, and then recovering palladium, the hydrochloric acid concentration is adjusted when extracting palladium with dialkyl sulfide. A method for recovering palladium, comprising recovering palladium at 3 mol / L to 4 mol / L and then back-extracting with an aqueous ammonia solution.

The method according to claim 1, wherein the aqueous solution containing palladium and selenium is an aqueous solution containing palladium, platinum, and a selenium chloride.

The aqueous solution containing palladium and selenium is an aqueous solution in which gold is extracted and removed from a post-leaching solution obtained by leaching a noble metal-containing residue by-produced in a copper refining process with hydrochloric acid. Method.