JP3610281B2 - インクタンク - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクタンクの情報(例えばインク残量)を検知し、その情報を外部へ表示、伝達する機能を有する半導体素子を備えたインクタンクに関する。
【0003】
【従来の技術】
従来、記録ヘッドに設けた複数の噴射ノズルからインクを噴射させながら、記録ヘッドを搭載したキャリッジを印字方向に移動することで、画像をドットパターンで用紙に印字するようにしたインクジェット記録装置においては、記録用のインクを収容したインクタンクを設け、そのインクタンクのインクをインク供給路を介して記録ヘッドに供給するようにしている。そこで、そのインクタンクのインクの残量を検出するようにしたインク残量検出装置が実用に供されるととにも、種々提案されている。
【0004】
例えば、特開平6−143607号によれば、図22に示すように非導電性のインクが満たされているインクタンク701の底側の内面に2本(1対)の電極702が配設され、インクタンク701内のインク中には、電極702と対向位置にある電極704が配設された浮揚体703が浮揚している。2本の電極702は、両電極の導通状態を検知する検知部(不図示)にそれぞれ接続されており、両電極の導通状態を検知すると、インクタンク701内のインクが無いことを示すインク残量エラーを発し、インクジェット記録ヘッド705の動作を停止させることが開示されている。
【0005】
また、特登録2947245号によれば、図23に示すように下部が底面に向かって漏斗状に形成されるとともに、底面に2つの導電体801,802が設けられ、インク803よりも比重の小さい金属球804が内部に設置される構成のインクジェットプリンタ用インクカートリッジ805が開示されている。このような構成では、インク803が消費されて減っていくとインク803の液面が下がる。それに伴って、インク803の表面に浮かんでいる金属球804の位置が下がっていく。インク803の液面がインクカートリッジ筺体の底面の位置まで下がると、金属球804は2つの導電体801,802に接する。すると、導電体801,802が導通するので、その間に電流が流れる。その通流を検出すれば、インクエンド状態を検出することができる。インクエンド状態が検出されれば、インクエンド状態を示す情報が使用者に知らされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来公報に代表するような、インクタンク内のインク残量を検出する構成が知られているが、このような構成ではインクタンク内に検出用の電極を配置する必要がある。また、電極間の導通状態によりインク残量を検知するため、インク成分に金属イオンが用いられない等の、使用するインクに制約が生じてしまう。
【0007】
また、上記の構成ではインク残量しか検知することが出来ず、その他のタンク内情報を外部が知ることが出来ない。例えばインクタンク内の圧力情報、インク物性の変化などは、インクジェットヘッドを常に安定した吐出量で動作するために重要なパラメータであり、タンク内のインク消費に伴って時々刻々と変化するタンク内圧を外部のインクジェット記録装置にリアルタイムで知らせたり、インク物性の変化を外部へ伝達できるタンクが望まれている。
【0008】
さらに、一方的にインクタンク内の検知した情報を外部へ知らせるのみならず、外部からの問いかけに対して内部情報を返答するような双方向の情報のやり取りを実施できるインクタンクが望まれている。
【0009】
上記のようなインクタンクを開発するにあたって、本発明者らは、直径1ミリのシリコン・ボールの球面上に半導体集積回路を形成するというボール・セミコンダクター社のボール・セミコンダクターに着目した。このボールセミコンダクターは球形であるため、これをインクタンク内に収容すれば、周囲環境情報の検出や外部との双方向の情報のやり取りを平面形に比べて非常に効率良く行えることが予想された。しかしながら、このような機能を持つものを調査したところ、USP5877943号のようにボール・セミコンダクター同士を電気配線で接続する技術などが存在するだけで、上記の機能を持つ素子自体の開発が必要となった。また、この素子がインクタンクに有効に適用できるものである為には、クリアしなければならない課題もあった。課題の一つは、タンク内に収容された素子を起動させるための電力の供給である。素子の起動のための電源をインクタンクに持たせるとタンクが大型になったり、タンク外部に電源を備える場合でも電源と素子との接続手段が必要になり、タンクの製造コストが増え、タンクカートリッジが高価になるので、外部より非接触で素子を起動させねばならない。
【0010】
更なる課題としては、インクタンクのインク液面や液面より一定の距離沈んだインク中で浮遊し得ることである。例えばインクタンク内のインク消費に伴う負圧量の変動を経時的に監視するにはインク液面に素子が位置するのが望ましいが、素子は水より比重の大きいシリコンからなるため、インクに浮遊させることが困難である。
【0012】
本発明の目的は、インクタンク内の詳細な情報をリアルタイムで検出し、外部のインクジェット記録装置と双方向に情報のやり取りを行うことができる立体形半導体素子を配したインクタンクを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、外部からのエネルギーを異なる種類のエネルギーに変換するエネルギー変換手段と、外部からの信号を受信する受信手段と、外部の環境情報を入手する情報入手手段と、前記情報入手手段による入手情報と比較するための情報を蓄積する情報蓄積手段と、前記受信手段で受信した信号に応じて前記情報入手手段に外部環境情報を入手させ、当該入手情報とこれに対応する前記情報蓄積手段に蓄積された情報とを比較し、前記入手情報が所定の条件を満たすかどうかの判断を下す判断手段と、前記判断手段による判断結果を外部へ表示又は伝達する情報伝達手段とを備え、前記受信手段、前記情報蓄積手段、前記判断手段、および前記情報伝達手段は前記エネルギー変換手段で変換されたエネルギーにより作動する立体形半導体素子が、インクを吐出する吐出ヘッドに供給するインクを収容したインク貯留部に少なくとも1つ配されているインクタンクであって、前記立体形半導体素子が、前記インク貯留部のインク液面もしくはインク液中の所定の高さで浮遊するための空洞部を有し、前記立体形半導体素子の重心が当該立体形半導体素子の中心より下部に位置するとともに、当該立体形半導体素子のメタセンタが前記重心より常に上部に位置するように構成されていることを特徴とする。
【0016】
前記情報伝達手段は他の立体形半導体素子にも表示または伝達するものであってもよく、前記受信手段は他の立体形半導体素子からの信号をも受信するものであってもよい。さらに上記のような立体形半導体素子は、起電力を他の立体形半導体素子に付与する機能を有してもよい。
【0017】
上記のような立体形半導体素子では、前記エネルギー変換手段が変換する外部エネルギーは非接触で供給されることが好ましい。
【0018】
また、上記のような立体形半導体素子において、前記エネルギー変換手段で変換されたエネルギーは電力である。前記エネルギー変換手段が電力に変換する外部エネルギーは電磁誘導または熱または光または放射線による起電力が考えられる。
【0019】
この場合の前記情報伝達手段は、前記エネルギー変換手段により変換された電力を、前記外部に対して情報を表示または伝達するためのエネルギーである磁界または光または形または色または電波または音に変換するものが考えられる。
【0020】
また、前記エネルギー発生手段は、外部共振回路との間で電磁誘導によって電力を発生する導電体コイルおよび発振回路を有するものが考えられ、前記導電体コイルは立体形半導体素子の外表面に巻き付くように形成されていることが好ましい。
【0030】
なお、本明細書中の「メタセンタ」とは、釣り合いにある時の重量の作用線と、傾いたときの浮力の作用線との交点を示す。
【0031】
また本明細書中の「立体形半導体素子」の「立体形」とは、三角柱、球、半球体、四角柱、回転楕円体、一軸回転体など、種々の立体形を全て含む。
【0032】
外部エネルギーの供給方法は、インクジェット記録装置に用いられる場合、素子に外部エネルギーとして起電力を供給する手段は回復ポジション、リターンポジション、もしくはキャリッジ、ヘッド等に設ければ良い。これ以外にも、起電力を供給する手段を有する装置を用いれば、インクジェット記録装置がなくてもインクタンク内部の状態を知ることができ、例えば工場や販売店で用いれば検査などに用いられる(品質保証)。
【0033】
上記のとおりのインクタンクに備わる立体形半導体素子では、素子外部から(好ましくは非接触で)特定のエネルギーを与えると、エネルギー変換手段はその外部エネルギーを異なるエネルギーへと変換し、この変換されたエネルギーにより情報入手手段、判断手段、情報蓄積手段、および情報伝達手段を起動する。起動した情報入手手段は、素子周囲の環境情報を入手する。次に、判断手段は、入手情報と参照するための情報を情報蓄積手段より読み出し、この読み出した蓄積情報と入手情報とを比較し、情報伝達の必要性を判断する。そして、情報伝達の必要があると判断した場合に、判断手段は入手情報を情報伝達手段により外部へ伝達させる。
【0034】
このように周囲環境情報を入手して外部に伝達する機能を立体形の半導体素子に作り込んでいるため、3次元的に情報入手・伝達が可能なので、平板形の半導体素子を用いる場合と比べて、情報伝達の方向の制限も少ない。このため、周囲環境情報の入手、外部への伝達を効率良く行うことができる。
【0035】
さらには、外部からの信号を受信する通信手段を付加することにより、受信信号に応じた情報を入手して、蓄積情報との比較判断結果をその入手情報とともに外部へ伝達できるので、外部装置と双方向に信号のやり取りを行なうことも可能である。
【0036】
以上のような立体形半導体素子をインクタンク内に少なくとも一つ配することで、インクタンク内に収容したインクに関する情報や、タンク内の圧力などをリアルタイムで外部の例えばインクジェット記録装置に伝達させることが可能である。これは、例えばインク消費に伴って時々刻々と変化するタンク内の負圧量を制御してインクジェット吐出を安定化する上で有利である。
【0037】
さらに、立体形半導体素子を動作させるための外部エネルギーを非接触で供給する構成であるので、素子の起動のためのエネルギー源をインクタンクに持たせたり、エネルギー供給用の配線を素子に接続する必要がなく、外部との直接的な配線を施すことが困難な箇所に使用することができる。
【0038】
例えば、素子の起動エネルギーを電力とした場合は、外部エネルギー変換手段として発振回路の導電体コイルを立体形半導体素子の外表面に巻き付けるように形成することにより、外部の共振回路との間で電磁誘導によって導電体コイルに電力を発生させて、素子に非接触で電力を供給することができる。
【0039】
この場合、素子の外表面にはコイルが巻き付けられているので、そのコイルのインダクタンスの大きさはインクタンク内の例えばインクの残量、インク濃度、インクpHに応じて変化する。したがって、発振回路はそのインダクタンスの変化に応じて発振周波数を変更するので、その変更される発振周波数の変化に基づいてインクタンク内のインクの残量などを検出することも可能である。
【0040】
そして、立体形半導体素子は、液中に浮遊するための空洞部を有するとともに、素子の重心が、当該素子の中心より下部に位置するように形成されているので、例えば、インクジェット記録装置に搭載された記録ヘッドおよびインクタンクが、シリアルに動作し、インクタンク内のインクが上下左右に揺動しても、安定してインクタンク内のインク中に浮遊しながら、インクに関する情報や、タンク内の圧力などを精度良く検出することができる。その上、素子に形成した上記の発振回路のコイルを、外部の共振回路のコイルに対して安定した位置で保持し、常に安定した双方向通信をも可能にする。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。特に、インクタンク中に素子を配置した場合の実施形態について詳細に説明する。尚、この素子はインクタンクのみに用いられるものでなく、他の対象物中に配して用いても同様の効果が得られる。
【0042】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態による立体形半導体素子の内部構成および外部とのやり取りを表したブロック構成図である。この図で示す形態の立体形半導体素子11は、外部Aから素子11に向かって非接触で供給された起電力12を電力13に変換するエネルギー変換手段14と、エネルギー変換手段14で得た電力により起動する情報入手手段15、判断手段16、情報蓄積手段17、情報伝達手段18とを備え、インクタンク内に配される。素子を動作させるために供給する起電力は、電磁誘導、熱、光、放射線などが適用できる。また、少なくともエネルギー変換手段14および情報入手手段15は素子の表面もしくは表面付近に形成されていることが望ましい。
【0043】
情報入手手段15は、素子11の周囲環境情報であるインクタンク内の情報を入手する。判断手段16は、情報入手手段15より入手したタンク内部情報と情報蓄積手段17に記憶してある情報とを比較し、入手したタンク内部情報を外部へ伝達する必要があるかを判断する。情報蓄積手段17は、入手するタンク内部情報と比較する諸条件や情報入手手段15より入手したタンク内部情報を蓄積する。情報伝達手段18は、判断手段16の命令によって電力を、タンク内部情報へ伝達するためのエネルギーに変換して、外部Bへインク内部情報を表示、伝達する。
【0044】
図2は図1に示した素子の動作を説明するためのフローチャートである。図1及び図2を参照すれば、外部Aから素子11に向かって起電力12を与えると、エネルギー変換手段14は起電力12を電力13へと変換し、その電力により情報入手手段15、判断手段16、情報蓄積手段17、および情報伝達手段18を起動する。
【0045】
起動した情報入手手段15は、素子周囲の環境情報であるインクタンク内の情報、例えば、インクの残量、インクの種類、温度、phなどの情報を入手する(図2のステップS11)。次に、判断手段16は、入手したタンク内部情報と参照するための条件を情報蓄積手段17より読み出し(図2のステップS12)、この読み出した条件と入手したタンク内部情報とを比較し、情報伝達の必要性を判断する(図2のステップS13)。ここで、情報蓄積手段17に予め設定してある条件に基づく判断は、例えばインク残量が2ミリリットル以下になったり、インクのphが大きく変化したりした為にタンク交換が必要との判断を行うことが挙げられる。
【0046】
ステップS13において判断手段16が外部へタンク内の情報を伝達する必要がないと判断した場合には、情報蓄積手段17に現在のインクタンク内の情報が蓄積される(図2のステップS14)。この蓄積情報は次に情報入手手段15が入手した情報と判断手段16で比較してもよい。
【0047】
またステップS13において、判断手段16が外部へタンク内の情報を伝達する必要があると判断した場合には、エネルギー変換により得た電力が、情報伝達手段18で、インクタンク内の情報を外部へ伝達するためのエネルギーへと変換される。この伝達するためのエネルギーは磁界、光、形、色、電波、音などを使用することが可能であり、例えばインク残量が2ミリリットル以下になったと判断された場合には音を鳴らしてタンク交換が必要であることを外部B(例えば、インクジェット記録装置)に伝達する(図2のステップS15)。また、伝達先はインクジェット記録装置のみでなく、特に光、形、色や音などの場合は人の視覚や聴覚に伝達してもよい。さらに、インク残量が2ミリリットル以下になったと判断された場合には音で、インクのphが大きく変化したときには光で知らせるなど、情報に応じてその伝達方法を変えてもよい。
【0048】
インクジェット記録装置に用いられる場合、素子に外部エネルギーとして起電力を供給する手段は回復ポジション、リターンポジション、もしくはキャリッジ、ヘッド等に設ければ良い。これ以外にも、起電力を供給する手段を有する装置を用いれば、インクジェット記録装置がなくてもインクタンク内部の状態を知ることができ、例えば工場や販売店で用いれば検査などに用いられる(品質保証)。
【0049】
本実施形態によれば、素子がエネルギー変換手段を有しているので、外部と直接的な電気的配線を行う必要がなくなり、外部と直接的な電気的配線を行うことが困難な個所、例えば図11〜図14に示すようなインク中など、対象物中のどの個所であっても素子を使用することができる。インク中に素子を配すれば、インクの状態をリアルタイムで正確に把握することが可能となる。
【0050】
また、素子がエネルギー変換手段を有しているので、素子を動作させるための起電力を蓄積する手段(本例では電源)を配置する必要がなくなるため、素子の小型化が可能となり、狭い個所、もしくは図11〜図14のようにインク中など、対象物中のどの個所であっても素子を使用することができる。尚、本実施例では非接触で起電力を供給したが、一時的に外部と接触して起電力を供給した後、外部と非接触となる形態でもよい。
【0051】
(第2の実施の形態)
図3は本発明の第2の実施の形態による立体形半導体素子の内部構成および外部とのやり取りを表したブロック構成図である。この図で示す形態の立体形半導体素子21は、外部Aから素子21に向かって非接触で供給された起電力22を電力23に変換するエネルギー変換手段24と、エネルギー変換手段24で得た電力により起動する情報入手手段25、判断手段26、情報蓄積手段27、情報伝達手段28、受信手段29とを備え、インクタンク内に配される。第1の実施の形態とは受信機能を有する点で異なる。また、素子を動作させるために供給する起電力は、電磁誘導、熱、光、放射線などが適用できる。また、少なくともエネルギー変換手段24と情報入手手段25と受信手段29は素子の表面もしくは表面付近に形成されていることが望ましい。
【0052】
情報入手手段25は、素子21の周囲環境情報であるインクタンク内の情報を入手する。受信手段29は外部Aまたは外部Bからの入力信号20を受信する。判断手段26は、受信手段29からの入力信号に応じて、情報入手手段25にタンク内部情報を入手させ、この入手したタンク内部情報と情報蓄積手段27に記憶してある情報とを比較し、入手したタンク内部情報が所定の条件を満たすかどうかを判断する。情報蓄積手段27は、入手するタンク内部情報と比較する諸条件や情報入手手段25より入手したタンク内部情報を蓄積する。情報伝達手段28は、判断手段26の命令によって電力を、タンク内部情報へ伝達するためのエネルギーに変換して、判断手段26による判断結果を外部Aまたは外部Bまたは外部Cへ表示、伝達する。
【0053】
図4は図3に示した素子の動作を説明するためのフローチャートである。図3及び図4を参照すれば、外部Aから素子21に向かって起電力22を与えると、エネルギー変換手段24は起電力22を電力23へと変換し、その電力により情報入手手段25、判断手段26、情報蓄積手段27、情報伝達手段28および受信手段29を起動する。
【0054】
この状態において、外部A又は外部Bから素子21にインクタンク内の情報を聞くための信号30を送信する。この入力信号30は例えばインクタンク内にまだインクが残っているかどうかを素子に聞くための信号であり、受信手段29で受信される(図4のステップS21)。すると、判断手段26は、情報入手手段25によりインクタンク内の情報、例えばインクの残量、インクの種類、温度、phなどの情報を入手させ(図4のステップS22)、かつ入手したタンク内部情報と参照するための条件を情報蓄積手段27より読み出し(図2のステップS23)、入手したタンク内部情報が設定条件を満たすかどうかを判断する(図4のステップS24)。
【0055】
ステップS24において入手情報が設定条件を満たさないと判断した場合にはその満たしていない旨を、入手情報が設定条件を満たすと判断した場合にはその満たしている旨を外部A又は外部B又は外部Cに伝達する(ステップS25,S26)。このとき、判断結果に併せて入手情報も伝達してもよい。この伝達は、エネルギー変換により得た電力を情報伝達手段28で、インクタンク内の情報を外部へ伝達するためのエネルギーへ変換することで行なう。この伝達するためのエネルギーは磁界、光、形、色、電波、音などを使用することが可能であり、判断結果に応じて変化させ、また、判断すべき質問内容(例えば、インク残量が2ミリリットル以下であるかや、インクのphが変化しているか等)に応じて、その伝達方法を変えてもよい。
【0056】
なお、外部A又は外部Bからの入力信号30と共に起電力をも素子21に与えても良く、例えばその起電力が電磁誘導の場合はインクの残量について聞くための信号、光の場合はphを聞くための信号など使い道を分けて与えても良い。
【0057】
本実施形態によれば、外部からの信号を受信する機能を有しているため、第1の実施の形態による効果に加え、外部からの様々な種類の信号による質問に対して返答することが可能となり、素子と外部とで情報のやり取りを行うことができる。
【0058】
なお、インクタンク内に配するのに好適な素子について述べたため、情報入手手段を備えたものとしたが、これを持たず、素子に予め記憶してある情報を外部からの入力信号に応じて外部に出力する立体形半導体素子を本実施形態の基本構成とする。
【0059】
(第3の実施の形態)
図5は本発明の第3の実施の形態による立体形半導体素子の内部構成および外部とのやり取りを表したブロック構成図である。この図で示す形態の立体形半導体素子31は、外部Aから素子31に向かって非接触で供給された起電力32を電力33に変換するエネルギー変換手段34と、エネルギー変換手段34で得た電力を用いて浮力を発生させる浮力発生手段35とを備え、インクタンク内のインク中に配される。
【0060】
このような形態では、外部Aから素子31に向かって起電力32を与えると、エネルギー変換手段34が起電力32を電力33へと変換し、その電力33を用いて浮力発生手段35が浮力を発生し、素子31をインク液面で浮遊させる。この浮力は必ずしもインク液面だけでなく、インクが空の状態で吐出を行うのを防止するために、素子の位置が必ずインク液面から一定距離下方に存在するようにしてもよい。
【0061】
例えば図6にインクタンクのインク中に浮遊させた素子の位置を、インクの消費変化とともに示す。図6に示すようなタンクではインク供給口36より負圧発生部材37のインクが外部へ導出されるのに伴い、消費された分のインクが負圧発生部材37に保持される。これにより、生インク38中の立体形素子31は、インク液面Hから一定距離下方に存在した状態で、インクの消費によるインク液面Hの位置の低下と共に移動する。
【0062】
図7は素子31の位置を確認し、タンク交換の必要性を判断するためのフローチャートである。図5及び図7のステップS31〜S34を参照すると、外部A又は外部B(例えばインクジェット記録装置)により素子31に向けて光を発信し、その光を外部A又は外部B(例えばインクジェット記録装置)又は外部Cで受信することにより素子31の位置が検知され、この素子の位置によりインクタンク交換の必要があるか等をインクジェット記録装置が判断し、必要がある場合はタンク交換を音や光等で報知する。
【0063】
この素子の位置の検出は、発光手段と受光手段が対向して設けられていて、素子の部分が光を通さないことにより位置が確認されるもの、もしくは発光手段から発した光が受光手段に向けて反射することにより確認されるものなどが用いられる。
【0064】
本実施形態によれば、液体の比重が異なるなど素子が用いられる環境により素子に必要な浮力などが変化する場合においても、外部からの起電力をエネルギー変換手段により変換して所望の位置に常に素子が存在するように設定することができるので、素子が置かれる環境に関わらず素子を使用することが可能である。
【0065】
なお、本実施形態は上述した第1及び第2の実施の形態に適宜組み合わせることも可能である。
【0066】
(第4の実施の形態)
図8は本発明の第4の実施の形態である立体形半導体素子の使用方法を説明するための概念図である。
【0067】
本実施形態は第1又は第2の実施形態の立体形半導体素子に他の素子に情報を伝達する機能を付与し、これらを対象物中に複数配置した構成である。
【0068】
図8(A)の例では、第1の実施の形態の立体形半導体素子が対象物中に複数配されており、各素子に外部A又は外部Bより起電力が供給されると、各素子が周囲環境情報をそれぞれ入手し、素子41の入手情報aは素子42へ、素子41及び素子42の入手情報a,bは次の素子へと順次伝達され、最後の素子43はすべての入手情報を外部A又は外部Bに伝達する。
【0069】
また、図8(B)の例では、第2の実施の形態の立体形半導体素子が対象物中に複数配され、各素子に外部A又は外部Bより起電力が供給されており、外部A又は外部Bより例えば素子53に信号による所定の質問が入力されると、質問内容に対応する素子51又は52は質問に応じた情報を入手して回答を行ない、素子51又は52の質問回答は他の素子へと順次伝達され、所望の素子53より外部A又は外部B又は外部Cに返答される。
【0070】
また、図8(C)の例では、第2の実施の形態の立体形半導体素子が対象物中に複数配され、各素子に外部A又は外部Bより起電力が供給されており、外部A又は外部Bより例えば素子63に対してある信号が入力されると、その信号は素子62および素子61へと順次伝達され、素子63により外部A又は外部B又は外部Cへ表示を行なう。
【0071】
なお、図8(A)〜(C)の例では、複数の立体形半導体素子の一つに第3の実施の形態の浮力発生手段を備えたものを使用してもよい。
【0072】
また図9は、インクタンク内及びこれに接続したインクジェットヘッド内にそれぞれ、第1、第2又は第3の実施の形態を適宜組み合わせた立体形半導体素子を配置した例を示している。この例では、第1の実施の形態に対して第3の実施の形態の浮力発生手段および他の素子79への情報伝達機能を付加した立体形半導体素子71がインクタンク72のインク73中の所望の位置に配置される。一方、インクタンク72のインク供給口74と連結した液路75及び液室76を通じて供給されたインクを印字のために吐出口77から吐出する記録ヘッド78には、ID機能(認証機能)を備えた第2の実施の形態の立体形半導体素子79が配置される。この素子79への電力供給は素子表面に配した電極部と記録ヘッド78を駆動するための電気基板上のコンタクト部との接触によって行なってもよい。
【0073】
そして、各素子71,79に外部から起電力を供給すると、インク中の素子71は例えばインクの残量情報を入手し、記録ヘッド側の素子79は例えばタンク交換のためのインク残量を判断するID情報を素子71に伝達する。すると、素子71は入手したインク残量とIDを比較し、一致したときのみ、素子79に外部へタンク交換を知らせるよう伝達指示する。素子79はこれを受信して外部にタンク交換を知らせる信号を伝達したり、人の目や聴覚に訴える音や光等を出力する。
【0074】
以上のように、素子をある対象物中に複数配することで、複雑な情報の条件を設定することが可能となる。
【0075】
また、図8及び図9に示した例では、各々の立体形半導体素子に起電力を供給する構成としたが、これに限らず、ある素子に供給した起電力を情報とともに他の素子に順次伝達する構成であってもよい。例えば図10に示すように、第1の実施の形態に対して第3の実施の形態の浮力発生手段と他の素子への情報伝達機能および起電力供給機能を付加した立体形半導体素子81及び、第2の実施の形態に対して第3の実施の形態の浮力発生手段と他の素子への情報伝達機能および起電力供給機能を付加した立体形半導体素子82がそれぞれ、図9と同様のインクタンク72のインク73中の所望の位置に配置される。一方、インクタンク72と連結した記録ヘッド78には、ID機能(認証機能)を備えた第2の実施の形態の立体形半導体素子83が配置される。この素子83への電力供給は素子表面に配した電極部と記録ヘッド78を駆動するための電気基板上のコンタクト部との接触によって行なってもよい。
【0076】
そして、素子81に外部から起電力を供給すると、インク中の素子81は例えばインクの残量情報を入手して、この情報を内部の規定条件と比較し、他の素子へ伝達の必要がある場合は入手したインク残量情報を素子82に、素子82を動作させる起電力とともに伝達する。起電力が供給された素子82は、素子81から伝達されたインク残量情報を受信するとともに、例えばインクのphに関する情報を入手し、記録ヘッド側の素子83に、素子83を動作させる起電力を伝達する。すると、起電力が供給された記録ヘッド側の素子83は例えばタンク交換のためのインク残量又はインクのphを判断するID情報を素子82に伝達する。そして素子82は、入手したインク残量情報およびph情報とIDを比較し、一致したときのみ、素子83に外部へタンク交換を知らせるよう伝達指示する。素子83はこれを受信して外部にタンク交換を知らせる信号を伝達したり、人の目や聴覚に訴える音や光等を出力する。このように、ある素子から他の素子へと情報とともに起電力を供給する方法も考えられる。
【0077】
なお、記録ヘッド78は、液路内でヒーター等の電気熱変換素子の熱によりインクを発泡させ、その気泡成長エネルギーにより、液路と連通する微小開口よりインクを吐出するものが考えられる。
【0078】
(その他の実施の形態)
上述した実施の形態の立体形半導体素子を適用できるインクタンクの構成例を図11〜図14に示す。図11に示すインクタンク501は、インクを収納した可撓性のインク袋502を筐体503内に配置し、筐体503に固定したゴム栓504で袋口502aを閉じておき、インク導出用の中空針505をゴム栓504に突き刺して袋内に連通させることで、不図示のインクジェットヘッドへインク供給を行なうものである。このようなインクタンク501のインク袋502内に本発明の立体形半導体素子506を配置することができる。
【0079】
また、図12に示すインクタンク511は、インク513を収容した筐体512のインク供給口514に、インクを記録紙Sに向けて吐出し記録を行なうインクジェットヘッド515を取付けたものである。このようなタンク511内のインク513中に本発明の立体形半導体素子516を配置することができる。
【0080】
また、図13に示すインクタンク521は図6、図9、図10に示したタンクと同様のタンクであり、インク522を収容する完全密閉状態の第1室と、負圧発生部材523を収納する大気連通状態の第2室と、タンク最下部で第1室と第2室を連通させる連通路524とを備えたものである。第2室側のインク供給口525よりインクが消費されると、第2室側より大気が第1室へ入ることに替わって第1室のインク522が第2室に導出される。このような構成のタンク521において第1室と第2室とにそれぞれ本発明の立体形半導体素子525,526を配し、分割された各々の室のインクに関する情報をやり取りしてもよい。
【0081】
また、図14に示すインクタンク531は、インクを保持した多孔質部材532を収納し、収納インクを記録のために使用するインクジェットヘッド533を取付けたものである。このような構成のタンク531においても、図9、図10に示したタンクと同様に、インクタンク側とインクジェットヘッド側にそれぞれ本発明の立体形半導体素子534,535を配し、分割された各々の構成部内のインクに関する情報をやり取りしてもよい。
【0082】
次に、本発明の立体形半導体素子を備えたインクタンクを搭載するインクジェット記録装置の構成例を図15に概略図で示す。図15に示されるインクジェット記録装置600に搭載されたヘッドカートリッジ601は、印字記録のためにインクを吐出する液体吐出ヘッドと、その液体吐出ヘッドに供給される液体を保持する図11〜図14に示したようなインクタンクとを有するものである。また、該インクタンク内に配された立体形半導体素子へ外部エネルギーである起電力を供給する手段622や前記素子と情報を双方向に通信する手段(不図示)が記録装置600内に設置されている。
【0083】
ヘッドカートリッジ601は、図15に示すように、駆動モータ602の正逆回転に連動して駆動力伝達ギヤ603および604を介して回転するリードスクリュー605の螺旋溝606に対して係合するキャリッジ607上に搭載されている。駆動モータ602の動力によってヘッドカートリッジ601がキャリッジ607ともとにガイド608に沿って矢印aおよびbの方向に往復移動される。インクジェット記録装置600には、ヘッドカートリッジ601から吐出されたインクなどの液体を受ける被記録媒体としてのプリント用紙Pを搬送する被記録媒体搬送手段(不図示)が備えられている。その被記録媒体搬送手段によってプラテン609上を搬送されるプリント用紙Pの紙押さえ板610は、キャリッジ607の移動方向にわたってプリント用紙Pをプラテン609に対して押圧する。
【0084】
リードスクリュー605の一端の近傍には、フォトカプラ611および612が配設されている。フォトカプラ611および612は、キャリッジ607のレバー607aの、フォトカプラ611および612の領域での存在を確認して駆動モータ602の回転方向の切り換えなどを行うためのホームポジション検知手段である。プラテン609の一端の近傍には、ヘッドカートリッジ601の吐出口のある前面を覆うキャップ部材614を支持する支持部材613が備えられている。また、ヘッドカートリッジ601から空吐出などされてキャップ部材614の内部に溜まったインクを吸引するインク吸引手段615が備えられている。このインク吸引手段615によりキャップ部材614の開口部を介してヘッドカートリッジ601の吸引回復が行われる。
【0085】
インクジェット記録装置600には本体支持体619が備えられている。この本体支持体619には移動部材618が、前後方向、すなわちキャリッジ607の移動方向に対して直角な方向に移動可能に支持されている。移動部材618には、クリーニングブレード617が取り付けられている。クリーニングブレード617はこの形態に限らず、他の形態の公知のクリーニングブレードであってもよい。さらに、インク吸引手段615による吸引回復操作にあたって吸引を開始するためのレバー620が備えられており、レバー620は、キャリッジ607と係合するカム621の移動に伴って移動し、駆動モータ602からの駆動力がクラッチ切り換えなどの公知の伝達手段で移動制御される。ヘッドカートリッジ601に設けられた発熱体に信号を付与したり、前述した各機構の駆動制御を司ったりするインクジェット記録制御部は記録装置本体側に設けられており、図15では示されていない。
【0086】
上述した構成を有するインクジェット記録装置600では、前記の被記録媒体搬送手段によりプラテン609上を搬送されるプリント用紙Pに対して、ヘッドカートリッジ601がプリント用紙Pの全幅にわたって往復移動する。この移動時に不図示の駆動信号供給手段からヘッドカートリッジ601に駆動信号が供給されると、この信号に応じて液体吐出ヘッド部から被記録媒体に対してインク(記録液体)が吐出され、記録が行われる。
【0087】
【実施例】
次に、本発明の立体形半導体素子をインクタンク内に配置する場合の好ましい具体例を更に詳しく説明する。
【0088】
まず、本発明の立体形半導体素子に適用可能な情報入手手段を例に挙げる。インクタンク内に配置される立体形半導体素子が球状シリコンに作り込まれる場合、上記の実施の形態で説明した情報入手手段としては、(1)SiO膜やSiN膜をイオン感応膜として作り、インクのpHを検知するセンサーや、(2)ダイヤフラム構造を有し、タンク内の圧力変化を検知する圧力センサーや、(3)光を熱エネルギーに変換し、焦電効果を有するフォトダイオードを作り込み、現在の位置を検出し、インク残量を検知するセンサーや、(4)材料の導電効果を用いて、タンク内の水分量により、インク有無を検知するセンサー等を挙げられる。
【0089】
次に、本発明の立体形半導体素子に適用可能なエネルギー発生手段の具体例を挙げる。図16は本発明の立体形半導体素子の構成要素であるエネルギー発生手段の電力発生原理を説明するための図である。
【0090】
図16において、外部共振回路101のコイルLaに隣接して、発振回路102の導電体コイルLを置き、外部共振回路101を通じてコイルLaに電流Iaを流すと、電流Iaによって発振回路102のコイルLを貫く磁束Bが生じる。ここで、電流Iaを変化させるとコイルLを貫く磁束Bが変化するので、コイルLには誘導起電力Vが生じる。したがって、球状シリコンにエネルギー発生手段としての発振回路102を作り込み、素子外部の例えばインクジェット記録装置に外部共振回路101を、素子側の発振回路102の導電体コイルLと素子外部の共振回路101のコイルLaとが隣接するように配設する事により、外部からの電磁誘導による誘導起電力で、素子を動作させる電力を発生することが出来る。
【0091】
また、球状シリコンにエネルギー発生手段として作り込んだ発振回路102の巻き数NのコイルLを貫く磁束Bは、外部共振回路101のコイルLaの巻き数Naと電流Iaの積に比例するから、比例定数をkとして、
【0092】
【数1】
B=k*Na*Ia ▲1▼
コイルLに生じる起電力Vは、
【0093】
【数2】
Figure 0003610281
ここで、磁束Bは、コイルの磁心の透磁率をμa、磁界をHとすると、
【0094】
【数3】
Figure 0003610281
となる。ここで、zは、外部共振回路のコイルと球状シリコンに作り込んだコイルとの距離を示している。
【0095】
▲2▼式の相互インダクタンス:Mは、
【0096】
【数4】
Figure 0003610281
となる。ここで、μは、真空の透磁率である。
【0097】
そして、球状シリコンに作り込んだ発信回路のインピーダンス:Zは、
【0098】
【数5】
Z(ω)=R+j{ωL−(1/ωC)} ▲5▼
と表され、外部共振回路のインピーダンス:Zaは、
【0099】
【数6】
Za(ω)=Ra+jωLa−{ω/Z(ω)} ▲6▼
となる.ここで、Jは、磁化を表している。そして、この外部共振回路が共振(電流値:Iaが最大になるとき)した時のインピーダンス:Zoは、
【0100】
【数7】
Zo(ωo)=Ra+jLaωo−(ω /R) ▲7▼
となり、この共振回路の位相の遅れ:φは、
【0101】
【数8】
tanφ={jLaωo−(ω /R)}/R ▲8▼
となる。
【0102】
そして、この外部共振回路の共振周波数:foは、
【0103】
【数9】
fo=1/2π(LC)1/2 ▲9▼
で求められる。
【0104】
上記のような関係から、球状シリコンに作り込んだ発振回路102のインピーダンスが、インクタンク内のインクの変化に応じて可変すると、外部共振回路101の周波数を変化させて、外部共振回路101のインピーダンスの振幅および位相差に、上記のインクの変化が表れてくる。さらには、この位相差や振幅には、インク残量(即ち、zの変化)も含まれている。
【0105】
例えば、外部共振回路101の共振周波数を可変することで、球状シリコンに作り込んだ発振回路102からの出力(インピーダンス)が、周囲の環境変化に応じて、変化するので、この周波数依存性を検出することで、インクの有無やインク残量を検出することが出来る。
【0106】
したがって、球状シリコンに作り込む発振回路は、電力を発生させるエネルギー発生手段としてのみならず、その発振回路と外部共振回路との関係で、タンク内のインクの変化を検知する手段の一部としても使用することが可能である。
【0107】
次に、本例の立体形半導体素子の製造方法について説明する。図17は、本発明の立体形半導体素子の製造方法の一例を説明するための工程図であり、各工程を球状シリコンの中心を通る断面で示している。また、ここでは、球状シリコンの重心を中心より下部になるように作成し、且つ、球面体内部の上部を空洞にして、更に、その空洞部を気密状態に保持する製造方法を例に挙げる。
【0108】
図17(a)に示す球状シリコンに対し、その全表面上に図17(b)に示すように熱酸化のSiO膜202を形成した後、図17(c)に示すようにSiO膜の一部に開口203を形成するため、フォトリソグラフィプロセスを用いて、パターニングをする。
【0109】
そして、図17(d)に示すように、開口203を通じてのKOH溶液を用いた異方性エッチングにより、上部のシリコン部分のみ除去し、空洞部204を形成する。その後、図17(e)に示すように、LPCVD法を用いて、立体形素子の内外表面にSiN膜205を形成する。
【0110】
更に、図17(f)に示すように、メタルCVD法を用いて、立体形素子の全表面上にCu膜206を形成する。そして、図17(g)に示すように、周知のフォトリソグラフィプロセスを用いてCu膜206をパターニングし、発振回路の一部である巻き数Nの導電体コイルLを形成する。その後、導電体コイルLを形成した立体形素子を真空装置から大気中に出し、上部の開口203を樹脂や栓などの封止部材207で塞ぎ、球面体内部の空洞部204を密閉状態にする。このように製造すれば、第3の実施の形態のように電力を用いて浮力を発生する手段を備えなくても、シリコンからなる立体形半導体素子自体に浮力を持たせることが出来る。
【0111】
また、このような浮遊型の立体形半導体素子を製造する前に球状シリコンに形成しておくコイルL以外の駆動回路素子はN−MOS回路素子を用いている。図18に、N−MOS回路素子を縦断するように切断した模式的断面図を示す。
【0112】
図18によれば、P導電体のSi基板401に、一般的なMosプロセスを用いたイオンプランテーション等の不純物導入および拡散により、N型ウェル領域402にP−Mos450が構成され、P型ウェル領域403にN−Mos451が構成されている。P−Mos450およびN−Mos451は、それぞれ厚さ数百オングストロームのゲート絶縁膜408を介して、4000オングストローム以上5000オングストローム以下の厚さにCVD法で堆積したpoly−Siによるゲート配線415、およびN型あるいはP型の不純物導入をしたソース領域405、ドレイン領域406等で構成され、それらP−Mos450とN−Mos451によりC−Mosロジックが構成されている。
【0113】
素子駆動用のN−Mosトランジスタ301は、やはり不純物導入および拡散等の工程により、P型ウェル基板402上のドレイン領域411、ソース領域412およびゲート配線413等で構成されている。
【0114】
ここで、素子駆動ドライバとしてN−Mosトランジスタ301を使うと、1つのトランジスタを構成するドレインゲート間の距離Lは、最小値で約10μmとなる。その10μmの内訳の1つは、ソースとドレインのコンタクト417の幅であり、それらの幅分は2×2μmであるが、実際は、その半分が隣のトランジスタとの兼用となるため、その1/2の2μmである。内訳の他は、コンタクト417とゲート413の距離分の2×2μmの4μmと、ゲート413の幅分の4μmであり、合計10μmとなる。
【0115】
各素子間には、5000オングストローム以上10000オングストローム以下の厚さのフィールド酸化により酸化膜分離領域453が形成され、素子分離されている。このフィールド酸化膜は、一層目の蓄熱層414として作用する。
【0116】
各素子が形成された後、層間絶縁膜416が約7000オングストロームの厚さにCVD法によるPSG、BPSG膜等で堆積され、熱処理により平坦化処理等をされてから、コンタクトホールを介して、第1の配線層となるAl電極417により配線が行なわれている。その後、プラズマCVD法によるSiO膜等の層間絶縁膜418を10000オングストローム以上15000オングストローム以下の厚さに堆積し、更にスルーホールを形成した。
【0117】
このN−Mos回路を、図17のように浮遊型の立体形半導体素子を形成する前に形成しておく。そして、本発明のエネルギー発生手段としての発振回路や情報入手手段としてのセンサ部などとの接続を上記スルーホールを介して行なう。
【0118】
また、本例の浮遊型の立体形半導体素子を配したインクタンクがどのような状態においても、上述のような製法で球状シリコンに作り込まれた発振回路と、図16に示した外部共振回路との間で、安定した磁束(磁界)が働いている必要がある。しかし、インクなど液体中に浮遊した場合、外部振動により液面が振動をすることがある。そのような場合でも、液体中で安定した状態を保持するために、本例では、浮遊型の立体形半導体素子の重心を決定している。
【0119】
図19で示しているように、液体中に本例のボール形半導体素子210を浮遊させた場合、図19(a)のように、釣り合いの状態にあるためには、
(1)浮力F=物体の重量W
(2)浮力の作用線と重量の作用線(重心Gを通る線)が一致
という関係が成り立っていることが必要である。
【0120】
そして、図19(b)のように、外力により液体が振動して、立体形半導体素子210が、釣り合いの状態から少し傾いた時、浮力の中心が移動し、浮力と重量とで偶力となる。
【0121】
ここで、釣り合いの状態にあるときの重量の作用線(図19(b)中の一点鎖線)と、傾いたときの浮力の作用線(図19(b)中の実線)との交点をメタセンタと呼び、メタセンタと重心との距離hをメタセンタの高さと呼ばれている。
【0122】
本例のように、立体形半導体素子210のメタセンタが重心より高い位置にあるので、偶力(復元力)は元の釣り合いの位置に戻そうとする向きに作用する。この復元力:Tは、
【0123】
【数10】
Figure 0003610281
で表される。ここで、立体形半導体素子210が排除した液体の体積をVと、立体形半導体素子210の比重量をρgとしている。
【0124】
そこで、この復元力を正にするためには、h>0となることが必要十分条件である。
【0125】
そして、図19(b)から、
【0126】
【数11】
Figure 0003610281
【0127】
となる。ここで、IはO軸回りの慣性モーメントである。よって、
【0128】
【数12】
Figure 0003610281
【0129】
となることが、ボール形半導体素子210が、インク中で安定して浮遊し、外部共振回路からの誘電起電力の供給や、素子外部の通信手段との双方向通信を行うための必要条件となる。
【0130】
この時の外部通信手段との双方向通信方法としては、マイクロ波帯周波数を用いる無線LANシステムや、準ミリ波・ミリ波帯周波数を利用する無線アクセスシステムを適用することが出来る。
【0131】
ここで、無線LANシステムによる送受信の概要を説明する。下記では、立体形半導体素子から記録装置へのデータ送信について述べる。尚、逆に記録装置側から立体形半導体素子へのデータ送信を行う場合は、それぞれ側にデータIDを配しており、それによって、識別される。
【0132】
送信側の立体形半導体素子には、ライン監視部、データ・ハンドリング部、アクノリッジ・チェック部、エラー処理部を有し、受信側の記録装置には、データ・ハンドリング部、アクノリッジ部、エラー処理部、そして、表示部などが付設されている。
【0133】
送信側の立体形半導体素子でのフローチャートを図20に示す。データの送信を行う場合、決められた送信プロコトルにより、初期設定を行った後、受信側のアドレスを設定し、データの送信を行う。送信中に信号の衝突が発生したり、あるいは、指定した受信側の装置からアクノリッジが返って来なかったときは再送を行う。動作中は、ラインの状態やアクノリッジの有無について、受信側の記録装置などに設けた表示部上に表示し、ユーザに的確な判断をうながす。
【0134】
受信側の記録装置でのフローチャートを図21に示す。この受信側では、常にライン監視を行い、自分のアドレスを確認したら、ラインからデータを取り込み、メイン・メモリ上のバッファに蓄積していく。受信中に、16バイト毎のブロック・マークが確認出来なかったり、あるいは受信終了後の誤り検出処理でチェックサムが一致しなかった場合は、受信エラーとして、受信を中断し、再度ラインを監視し、ヘッダの到着を待つ。エラー無く受信出来た場合には、表示部上に受信内容を表示する。
【0135】
以上のような実施例の立体形半導体素子では、素子を起動させる電力を供給する外部エネルギーとしてコイルによる電磁誘導を使用したが、これ以外に光を使用してもよく、この光の明暗を電気信号に変換する場合は、光の照射により抵抗値が変化する材料(例えば、光導電体)を用いて、光導電効果により電力を発生させることができる。光導電体としては例えば、CdS,InSbやHg0.8Cd0.2Teなどの二元合金/三元合金や、GaAs,Si,Va−Siなどが用いられる。さらに、起電力として熱を使用する場合は、物質の放射エネルギーから量子効果により電力を発生させることができる。
【0136】
また、本実施例の立体形半導体素子は、着脱可能に装着されたインクタンクに収容されたインクをインクジェット記録ヘッドに供給し、その記録ヘッドから噴射するインク滴で記録用紙に印字するインクジェットプリンタに関してのインク情報およびタンク情報を検知し、該インクジェットプリンタに該情報を伝送して、最適な方法でプリンタを制御したり、タンク内の状態を最適維持する制御をするインクジェットプリンタに好ましく適用される。
【0137】
尚、本実施例ではインクジェット記録装置の外装は不図示であるが、外装のカバーを半透明など中の状態が見れるものを用い、インクタンクも半透明のものを用いた場合には光を伝達手段として用いると、タンクの光をユーザーが見れるので、例えば「タンクを交換したい」ことが分かり易く、ユーザーに、タンクを交換しようとする意欲を持たせることができる。(従来は装置本体のボタンが光るが、いくつかの表示機能を兼ねているため、光っても何を知らせたいのかユーザーには分かりにくい。)
【0138】
【発明の効果】
本発明のインクタンクに備わる立体形半導体素子は、外部エネルギーの変換手段と、該エネルギー変換手段で変換されたエネルギーにより作動する外部の環境情報の入手手段および、情報蓄積手段、入手情報と蓄積情報を比較し判断する判断手段、入手情報を外部へ表示又は伝達する情報伝達手段とを備えることで、この素子の立体形という形状を活かして、周囲環境情報の入手を効率良く行なえる。また、平板形の半導体素子を用いる場合と比べて、情報伝達の方向の制限も少ない。さらには、外部からの信号を受信する通信手段を備え、この受信信号に応じた情報を入手して、蓄積情報との比較判断結果をその入手情報とともに外部へ伝達することで、外部装置と双方向に信号のやり取りを行なうことも可能である。
【0139】
のような立体形半導体素子をインクタンク内に少なくとも一つ配することで、インクタンク内に収容したインクに関する情報や、タンク内の圧力などをリアルタイムで外部の例えばインクジェット記録装置に伝達させることが可能である。これは、例えばインク消費に伴って時々刻々と変化するタンク内の負圧量を制御してインクジェット吐出を安定化する上で有利である。
【0140】
さらに、立体形半導体素子を動作させるための外部エネルギーを非接触で供給する構成であるので、素子の起動のためのエネルギー源をインクタンクに持たせたり、エネルギー供給用の配線を素子に接続する必要がなく、外部との直接的な配線を施すことが困難な箇所に使用することができる。
【0141】
例えば、素子の起動エネルギーを電力とした場合は、外部エネルギー変換手段として発振回路の導電体コイルを立体形半導体素子の外表面に巻き付けるように形成することにより、外部の共振回路との間で電磁誘導によって導電体コイルに電力を発生させて、素子に非接触で電力を供給することができる。
【0142】
この場合、素子の外表面にはコイルが巻き付けられているので、そのコイルのインダクタンスの大きさはインクタンク内の例えばインクの残量、インク濃度、インクpHに応じて変化する。したがって、発振回路はそのインダクタンスの変化に応じて発振周波数を変更するので、その変更される発振周波数の変化に基づいてインクタンク内のインクの残量などを検出することも可能である。
【0143】
そして、立体形半導体素子は、液中に浮遊するための空洞部を有するとともに、素子の重心が、当該素子の中心より下部に位置するように形成されているので、例えば、インクジェット記録装置に搭載された記録ヘッドおよびインクタンクが、シリアルに動作し、インクタンク内のインクが上下左右に揺動しても、安定してインクタンク内のインク中に浮遊しながら、インクに関する情報や、タンク内の圧力などを精度良く検出することができる。その上、素子に形成した上記の発振回路のコイルを、外部の共振回路のコイルに対して安定した位置で保持し、常に安定した双方向通信をも可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による立体形半導体素子の内部構成および外部とのやり取りを表したブロック構成図である。
【図2】図1に示した素子の動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施の形態による立体形半導体素子の内部構成および外部とのやり取りを表したブロック構成図である。
【図4】図3に示した素子の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の第3の実施の形態による立体形半導体素子の内部構成および外部とのやり取りを表したブロック構成図である。
【図6】インクタンクのインク中に浮遊させた図3の構成の素子の位置を、インクの消費変化とともに示す図である。
【図7】図3に示す構成の素子の位置を確認し、タンク交換の必要性を判断するためのフローチャートである。
【図8】本発明の第4の実施の形態である立体形半導体素子の使用方法を説明するための概念図である。
【図9】インクタンク内及びこれに接続したインクジェットヘッド内にそれぞれ、第1、第2又は第3の実施の形態を適宜組み合わせた立体形半導体素子を配置した例を示す図である。
【図10】インクタンク内及びこれに接続したインクジェットヘッド内にて、ある立体形半導体素子に供給した起電力を情報とともに他の立体形半導体素子に順次伝達する構成例を示す図である。
【図11】本発明の種々の実施の形態による立体形半導体素子を配するのに好適なインクタンクの例を示す図である。
【図12】本発明の種々の実施の形態による立体形半導体素子を配するのに好適なインクタンクの例を示す図である。
【図13】本発明の種々の実施の形態による立体形半導体素子を配するのに好適なインクタンクの例を示す図である。
【図14】本発明の種々の実施の形態による立体形半導体素子を配するのに好適なインクタンクの例を示す図である。
【図15】図11〜図14などに示すインクタンクを搭載するインクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。
【図16】本発明の立体形半導体素子の構成要素であるエネルギー発生手段の電力発生原理を説明するための図である。
【図17】本発明の立体形半導体素子の製造方法の一例を説明するための工程図である。
【図18】本発明の立体形半導体素子に使用するN−MOS回路素子を縦断するように切断した模式的断面図である。
【図19】図17で示す方法で製造した立体形半導体素子が液体中で安定した状態を保持するための条件を説明するための図である。
【図20】本発明の実施例による立体形半導体素子と記録装置とで双方向通信を行なう場合の、送信側の立体形半導体素子でのフローチャートを示す図である。
【図21】本発明の実施例による立体形半導体素子と記録装置とで双方向通信を行なう場合の、受信側の記録装置でのフローチャートを示す図である。
【図22】特開平6−143607号に記載のインク残量検知装置を示す図である。
【図23】特登録2947245号に記載のインク残量検知装置を示す図である。
【符号の説明】
11、21、31、41〜43、51〜53、61〜63、71、79、81〜83 立体形半導体素子
12、22、32 起電力
13、23、33 電力
14、24、34 エネルギー変換手段
15、25 情報入手手段
16、26 判断手段
17、27 情報蓄積手段
18、28 情報伝達手段
29 受信手段
30 入力信号
35 浮力発生手段
36 インク供給口
37 負圧発生部材
72 インクタンク
73 インク
74 インク供給口
75 液路
76 液室
77 吐出口
78 インクジェット記録ヘッド
101 外部共振回路
102 発振回路
201 球状シリコン
202 SiO
203 開口
204 空洞部
205 SiN膜
206 Cu膜
207 封止部材
210 ボール形半導体素子

Claims (10)

  1. 外部からのエネルギーを異なる種類のエネルギーに変換するエネルギー変換手段と、外部からの信号を受信する受信手段と、外部の環境情報を入手する情報入手手段と、前記情報入手手段による入手情報と比較するための情報を蓄積する情報蓄積手段と、前記受信手段で受信した信号に応じて前記情報入手手段に外部環境情報を入手させ、当該入手情報とこれに対応する前記情報蓄積手段に蓄積された情報とを比較し、前記入手情報が所定の条件を満たすかどうかの判断を下す判断手段と、前記判断手段による判断結果を外部へ表示又は伝達する情報伝達手段とを備え、前記受信手段、前記情報蓄積手段、前記判断手段、および前記情報伝達手段は前記エネルギー変換手段で変換されたエネルギーにより作動する立体形半導体素子が、インクを吐出する吐出ヘッドに供給するインクを収容したインク貯留部に少なくとも1つ配されているインクタンクであって、
    前記立体形半導体素子が、前記インク貯留部のインク液面もしくはインク液中の所定の高さで浮遊するための空洞部を有し、前記立体形半導体素子の重心が当該立体形半導体素子の中心より下部に位置するとともに、当該立体形半導体素子のメタセンタが前記重心より常に上部に位置するように構成されているインクタンク
  2. 前記情報伝達手段は他の立体形半導体素子にも前記判断手段による判断結果を表示または伝達する請求項1に記載のインクタンク
  3. 前記受信手段は他の立体形半導体素子からの信号をも受信する請求項1に記載のインクタンク
  4. 起電力を他の立体形半導体素子に付与する機能を有する請求項1に記載のインクタンク
  5. 前記エネルギー変換手段によって変換される外部エネルギーは非接触で供給される請求項1に記載のインクタンク
  6. 前記エネルギー変換手段で変換されたエネルギーは電力である請求項1に記載のインクタンク
  7. 前記情報伝達手段は前記外部に対して情報を表示または伝達するために磁界または光または電波または音を用いる請求項6に記載のインクタンク
  8. 前記エネルギー変換手段が電力に変換する外部エネルギーは電磁誘導または熱または光または放射線による起電力である請求項6に記載のインクタンク
  9. 前記エネルギー発生手段は、外部共振回路との間で電磁誘導によって電力を発生する導電体コイルおよび発振回路を有する請求項1に記載のインクタンク
  10. 前記導電体コイルは立体形半導体素子の外表面に巻き付くように形成されている請求項9に記載のインクタンク
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