JP3609933B2 - 液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶表示装置に係り、液晶表示パネルおよびバックライトがモジュール化された液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示パネルはその表示領域における多数の画素においてそれぞれ独自に液晶の光透過率を制御する機能しか有さないことから、該液晶表示パネルの観察側に対する背面にはバックライトが備えられているのが通常である。
【0003】
このため、液晶表示装置は、前記液晶表示パネルおよびバックライト等がモジュール化されて構成されている(以下、このようにモジュール化されたものを液晶表示モジュールと称す)。
【0004】
すなわち、バックライトを収納する樹脂ケースがあり、この樹脂ケース上に該バックライトを背部にして液晶表示パネルを位置づけ、この液晶表示パネルにその表示領域に相当する部分に開口が設けられたフレームを被せるとともに、そのフレームに設けられた爪部を樹脂ケースにかしめるように構成されている。
【0005】
なお、このような液晶表示モジュールは、たとえばノート型のパソコン等のディスプレィ部に螺子止めされて固定され、その際に、該液晶表示モジュールのアース(通常、前記フレームがアースとなっている)は該螺子を通してパソコン本体側へ引き出されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような液晶表示モジュールにおいて、液晶表示パネルとバックライトとの間の隙間に樹脂ケースの削り屑が残存し、それが表示の質の精度を劣化させていることが指摘されるに至った。
【0007】
この原因を追及した結果、フレームの爪部を樹脂ケースにかしめる際に、該爪部が樹脂を削ってしまい、それによって発生する削り屑が液晶表示パネルとバックライトとの間に浸入してしまうことが判明した。
【0008】
また、液晶表示モジュールをたとえばノート型のパソコン等に固定する際に、該液晶表示モジュールのアースがパソコン本体側へ充分に引き出されないということが指摘されるに至った。
【0009】
この原因を追及した結果、液晶表示モジュールをノート型のパソコンに螺子止めする際に、樹脂ケースの一部にその表面から裏面にかけて導通を図る金属箔(金属クリップと称されている)が被着され、この金属クリップを介してフレームとパソコン本体側に導通を図っているが、該金属クリップが剥がれていたり、変形したりしているからだということが判明した。
【0010】
本発明はこのような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、液晶表示パネルとバックライトとの間の隙間に樹脂ケースの削り屑が存在し得ない液晶表示装置を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、液晶表示モジュールを本体にとりつける際に、そのアースを本体側に確実に引き出し得る液晶表示装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0013】
手段1.
バックライトを収納する樹脂ケースと、この樹脂ケース上に該バックライトを背部にして位置づけられる液晶表示パネルと、この液晶表示パネルをその表示領域に相当する部分を除いて被うフレームと、を備え、
このフレームは、それに設けられた爪部によって樹脂ケースにかしめられる液晶表示装置において、
前記樹脂ケースは、そのフレームの爪部によるかしめ部にメッキが施されていることを特徴とするものである。
【0014】
このように構成された液晶表示装置は、その樹脂ケースにおいて、フレームの爪部によるかしめ部にメッキが施されていることから、該爪部によって樹脂が削られて削り屑が発生するようなことがなくなる。
【0015】
このため、液晶表示パネルとバックライトとの間の隙間に該削り屑が浸入してしまうことを回避でき、表示の質の精度の劣化を防止できるようになる。
【0016】
手段2.
バックライトを収納する樹脂ケースと、この樹脂ケース上に該バックライトを背部にして位置づけられる液晶表示パネルと、この液晶表示パネルをその表示領域に相当する部分を除いて被う金属フレームとを備える液晶表示装置において、前記樹脂ケースの少なくとも一部に、該金属フレームと接触する側の面からその裏面にかけて導通を図る金属層がメッキによって形成されていることを特徴とするものである。
【0017】
このように構成された液晶表示装置は、その樹脂ケースにおいて、金属フレームと接触する側の面からその裏面にかけて導通を図る金属層が被着性の強いメッキによって形成されていることから、その剥がれ等がなく、したがって、該金属フレームを信頼性よく接地できるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による液晶表示装置の実施例を図面を用いて説明する。
【0019】
図1は、本発明による液晶表示装置の一実施例を示す分解斜視図である。
【0020】
同図において、まず、液晶表示パネル1がある。この液晶表示パネル1は、液晶を介して互いに対向配置される各透明基板を外囲器とするもので、その周辺を除く中央部は各画素がマトリックス状に配置された表示部となっている。
【0021】
そして、液晶表示パネル1の周辺の一部にはプリント基板2が配置され、このプリント基板2と液晶表示パネル1との間には半導体ICからなる駆動回路3が配置されている。
【0022】
すなわち、液晶表示装置の外部からの情報信号は該プリント基板2上の回路に入力され、駆動回路3を介してその出力が液晶表示パネルの各信号線に入力されるように構成されている。
【0023】
そして、液晶表示パネル1の背面にはバックライト4が配置されている。このバックライト4は、液晶表示パネル1とほぼ同大、同形の導光板4aと、この導光板4aの一辺の端面に沿って配置された冷陰極線管4bと、この例陰極線管4bからの光を全て前記導光板4aの前記端面側に照射できるようにする反射板4cとから構成されている。
【0024】
導光板4aの内部に照射された光は、導光板4aの各面において反射がなされ、最終的には液晶表示パネル1と対向する面から出射されて、液晶表示パネル1の各画素を透過し得るようになっている。
【0025】
このようなバックライト4および液晶表示パネル1は樹脂ケース5に収納されるようになっている。この場合、バックライト4に対する液晶表示パネル1の位置決めは前記樹脂ケース5によって正確になされるようになっている。
【0026】
樹脂ケース5は、バックライト4および液晶表示パネル1を収納させるための凹陥部5dが設けられているとともに、その周辺の外側端面には、後述するフレーム7を該樹脂ケース5に固定させるための複数のかしめ孔5aと、この液晶表示装置をたとえばノート型のパソコン本体に固定させるための螺子止め部5bとが設けられている。
【0027】
また、樹脂ケース5は、その材料がたとえばABS樹脂からなり、その表面の全て(大気と画する面の全て)に金属メッキが施されている。この金属メッキは、たとえばCr等の金属からなり、その材料に限定はなされないが、比較的硬質のものが選択される。
【0028】
このように、樹脂ケース5に金属メッキが施されていることによって、該樹脂ケース5を機械的に強度化できるともとに、後に詳述するような効果をも奏するようになる。
【0029】
一方、液晶表示パネル1の観察側の面にはプリズムシート6が配置され、さらに金属フレーム7が配置されるようになっている。
【0030】
この金属フレーム7は、液晶表示パネル1の表示部に相当する部分に開口(表示窓)7aが設けられてなり、その周辺の端面には、前記樹脂ケース5のかしめ孔5aにかしめられる爪部7bと、前記樹脂ケース5の螺子止め部5bに対向して設けられる螺子止め部7cとが設けられている。
【0031】
図2は、金属フレーム7の爪部7bが樹脂ケース2のかしめ孔5aにかしめられている状態を示す図である。この爪部7bによるかしめの際に、樹脂ケース2の表面はメッキが施されていることから、樹脂ケース2の表面が該爪部7aによって削られることがなく、したがって削り屑が発生しないようにすることができる。
【0032】
このことは、従来、液晶表示パネル1とバックライト4との間の隙間に該削り屑が浸入してしまうことを回避でき、表示の質の精度の劣化を防止できることになる。
【0033】
また、図2は、上述した液晶表示装置(液晶表示モジュール)をたとえばノート型パソコンの本体に取り付ける際に、螺子止め部7c、5bを通して螺子8による固定方法をも示している。
【0034】
図2のIII−III線における断面図を図3に示している。この図から明らかになるように、通常アースされる金属フレーム7は樹脂ケース5の表面に施されたメッキ層5Lを介してノート型パソコンの本体10に形成されたアース端子10aに電気的な導通が図れるようになる。
【0035】
従来では、樹脂ケース5の螺子止め部5bにおいて、その表面から裏面にかけて導通を図る金属箔(金属クリップと称されている)が被着されていたが、該金属クリップが剥がれていたり、変形したりした不都合があった。しかし、本実施例のように、前記金属クリップの代替とし樹脂ケース5に施された被着性の強固なメッキ層を用いることによって、上述した不都合を回避できることになる。
【0036】
このため、金属フレーム7を確実に接地できることになり、液晶表示パネル側から観察側への電磁波の放射への低減等の効果を図ることができるようになる。
【0037】
上述した実施例では、樹脂ケース5の表面全域にメッキを施したものとして示したものである。しかし、このように限定されないことはいうまでもない。
【0038】
たとえば、図4に示すように、樹脂ケース5のかしめ孔5aおよびその周辺のみにメッキを施すことにより、フレーム7の爪部7bによるかしめの際の弊害を防止できるからである。
【0039】
また、図5に示すように、樹脂ケース5の螺子止め部5およびその周辺のみにメッキを施すことにより、該樹脂ケース5の表面から裏面にかけての導通を信頼性よく行い得るからである。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明による液晶表示装置によれば、液晶表示パネルとバックライトとの間の隙間に樹脂ケースの削り屑が存在し得ないものを得ることができる。
【0041】
また、液晶表示モジュールを本体にとりつける際に、そのアースを本体側に確実に引き出し得るものを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液晶表示装置の一実施例を示す分解斜視図である。
【図2】本発明による液晶表示装置の要部の一実施例を示す斜視図である。
【図3】図2のIII−III線における断面図である。
【図4】本発明による液晶表示装置の他の実施例を示す部分斜視図である。
【図5】本発明による液晶表示装置の他の実施例を示す部分斜視図である。
【符号の説明】
1……液晶表示パネル、4……バックライト、5……樹脂ケース、5a……かしめ孔、5b……螺子止め部、7……フレーム、7a……開口(表示窓)、7b……爪部、7c……螺子止め部。
Claims (2)
- バックライトを収納する樹脂ケースと、この樹脂ケース上に該バックライトを背部にして位置づけられる液晶表示パネルと、この液晶表示パネルをその表示領域に相当する部分を除いて被うフレームと、を備え、
このフレームは、それに設けられた爪部によって前記樹脂ケースにかしめられる液晶表示装置において、
前記樹脂ケースは、前記フレームの爪部をかしめる途中で前記爪部に当接する領域の全てにメッキが施されていることを特徴とする液晶表示装置。 - バックライトを収納する樹脂ケースと、この樹脂ケース上に該バックライトを背部にして位置づけられる液晶表示パネルと、この液晶表示パネルをその表示領域に相当する部分を除いて被う金属フレームと、を備えた液晶表示装置であって、
前記樹脂ケースの少なくとも一部に、該金属フレームと接触する側の面からその裏面にかけて導通を図る金属層がメッキによって形成され、前記金属層が形成された前記裏面で前記液晶表示装置が取り付けられる本体側のアース端子に接続することを特徴とする液晶表示装置。
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