JP3608794B2 - 自由ピストン終位置リミッター - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、一般的に圧縮機およびスターリングサイクルエンジンおよびクーラーのようなシリンダー中で自由に往復するピストンを有する装置に関し、そしてより詳細には本発明は、そのような往復する自由ピストンの工程の終位置を制限するための機械的構造に関する。
技術の背景
ほとんどのピストンは、クランク軸に連結した連結棒のような硬質な機械的結合に連結しており、それゆえに予め定められた末端の限界が確実となる。しかし、多くの機械は1つ以上の自由ピストンを使用することが知られている。自由ピストンはそのような機械的な連結無しにシリンダー内で往復し、したがって自由ピストンは機械的に末端限界が確定していない。そのような自由ピストンは電磁性のリニアモーターにより駆動することができ、そして例えばガスまたは他の流体圧縮機またはポンプとして使用される。自由ピストンはまた、自由ピストンスターリングエンジンおよびクリオクーラーのような自由ピストンスターリングサイクル機械にも見られる。自由ピストンは、ハウジング中に形成されたシリンダー中で密閉的に往復する。このハウジングは典型的にはピストンの一端を境とする作業空間、そしてピストンの反対側の末端を境とする第二空間または背空間を囲む。自由ピストンは平均位置から両方向のボトムデッドセンター(bottom dead center:BDC)位置およびトップデッドセンター(top dead center:TDC)位置へ、軌跡を形成する。この平均位置からの軌跡の振幅は、作業要求量、負荷またはガス圧のような機械の操作条件に相関して変動する。平均位置からのピストンの変位は、時間または角度のおよそ正弦波関数である。ピストン往復の振幅は、平均位置からBDC位置またはTDC位置への変位である。BDC位置からTDC位置への距離は、ピストンのストロークである。
機械の操作条件の変化はピストンの軌跡の振幅の変化を生じるだけでなく、そのような変化は平均位置の変動またはクリープを生じる。平均位置の変動は、例えば時間の関数としてピストンがさらされる圧力の非−対称的変動を生じ、そしてその結果、非−対称的な処理流体の漏出がピストンシールを通って生じる。
典型的には、第一または作業空間および第二または背空間容量は、平均圧力について時間に相関する流体圧変動を経験する。典型的に、時間に相関する背空間圧変動は、作業空間中の圧力変動よりも小さく、そしてより正弦波に近い。作業空間中の時間に相関する非対称的圧力変動およびピストンを通る非対称的な漏出の結果、1つの空間から他の空間への、最も多くは作業空間から第二または背空間への処理流体の正味の漏出を生じる。このように、ガスの各周期中でガス分量(minute quantities)は始めに一方向に漏出し、そして次に他方へ漏出するが、両方向への漏出は典型的には等しくなく、したがって各周期中に1つの空間から他方の空間に少ない正味のガスの移動が起こる。この空間の間でのガス移動は、次第に蓄積し、そしてその結果、自由ピストンの平均位置が一端、または他端に向かってクリープし、典型的には作業空間内部に向かってクリープする。
要約すると、第一および第二空間の両方がそれぞれ時間に相関して平均圧力について圧力変動を経験するが、第一空間から第二空間へのような正味一方向への漏出は、第二空間から第一空間へのような反対方向へのピストンの平均位置の移動またはクリープを生じる。このように、もし振動の振幅が一定であっても、十分なクリープで最終的にピストンが圧縮機のバルブ板、スターリングエンジンの熱交換器またはスターリングエンジンのディスプレイサーのような結合構造と衝突を起こす。同様に、たとえ平均位置が変化しなくても、例えば負荷要求量の減少により引き起こされる振動の振幅の増大で、同様な衝突を生じ得る。
したがって、ピストンと他の結合構造間に選択された隙間を維持するために、往復する自由ピストンの終位置を制限する末端制限構造が必要である。例えば自由ピストン圧縮機では、圧縮機が最大圧縮比で作動し、そしてそれゆえに最大効力で作動するために、できるかぎり最小の隙間、場合によっては数百ミリメーターのオーダーで、ピストンがバルブ板に近付くことが望ましい。しかし、バルブ板との衝突により機械が破壊されることを回避するために、ピストンがさらにバルブ板に向かって移動できないことも確実にする必要がある。あるいは、熱力学的理由から、自由ピストンの最終位置を制限することが望ましいこともある。
本発明のさらなる目的および特徴は、ピストン往復運動の広いストロークまたは振幅にわたって、ならびに操作条件が変動するとき(例えば、より大きい、または低い冷媒流通、冷媒圧の変化またはスターリングエンジンによるより大量、または少量の仕事要求量、またはスターリングクーラーによるより高い、または低い熱的ポンピング速度の要求量)、往復ピストンの広い平均位置にわたって、ピストン位置の末端限界を維持することである。
発明の簡単な開示
本発明において、第一バルブは流体リザーバーと第一空間との間を連絡してつないでいる。第一バルブは、第一空間中の作業流体圧がその平均圧から一方向に十分に変動する、すなわち圧力が平均圧よりも十分に大きい、または低い時にのみ開くように調節されている。第二の位置−応答性バルブは、同じリザーバー中への流絡が連続的に開くようにつながれており、そして第二空間にもつながれている。この第二の、位置−応答性バルブは開いた時、リザーバーを第二空間につなげる。第二バルブは、ピストンがその往復運動の選択された末端限界に到達するのに応答して、第二バルブを開いて、第二空間をリザーバーにつなげるために、操作可能にピストンに連結されている。
【図面の簡単な説明】
図1は、作業空間に向かってピストンが内側へ移動することを制限する、本発明を具体化した自由ピストン圧縮機の概略的説明である。
図2は、自由ピストンスターリングエンジンの作業空間に向かって、動力ピストンが内側へ移動することを制限する、本発明の態様の概略的説明である。
図3は、ピストンを貫通する中間口を含む装置により、制限された終位置があるピストンの概略的説明である。
図4は、ピストンを貫通する中間口により制限される作業空間から外側に向かう移動を有する、自由ピストンの概略的説明である。
図5は、チェックバルブを使用せずに、本発明の態様により制限されるピストンの終位置を有する圧縮機の概略的説明である。
図6は、位相角または時間の関数として、図5の態様のピストンの変位を説明するオシログラムである。
図7は、相または時間の関数として、図5の態様の作業空間中の圧力を説明するオシログラムである。
図8は、本発明に関連して同時に、または加えて使用する圧縮機の吸引チャンバーを説明し、そしてまた通常ではない大きな圧力変化比にもかかわらず、終位置限界を維持するために、本発明とともに使用するさらなる構造も説明する、本発明の別の態様である。
図9は、往復しているピストンの位置の移動を、作業空間に向かって内側の末端限界に制限するための、本発明の別の構造的部品を説明する。
図面に説明した本発明の好適態様の記載において、明瞭性のために特別な用語術に頼るだろう。しかし、本発明がそのように選択された特別な用語に制限されることは意図せず、そして各々の特別な用語は、同じ目的を達成するために同様な様式で操作するすべての技術的均等物を含むと考えられる。例えば、関連単語またはそれに類似字する用語を、よく使用する。それらは直接的関連に限らないが、そのような関連が当業者に均等であると認識される場合は、他の回路要素を通じた関連を含む。
詳細な記載
通路、口、チャンバー、ピストン、ハウジングおよび種々のバルブのような本発明の物理的構造は当該技術分野で周知であるので、様々な本発明の態様は図面で概略的に説明する。さらに本発明の構造には、機械中に組み込まれている機械の単に大変小さい部分を含み、したがって当該技術分野で周知な他の詳細については記載しない。
図1は本発明の態様を説明する。この態様はシリンダー12およびシリンダー12中で密閉して往復運動するピストン14を有するハウジング10を有する。ハウジング10は、ピストン14の第一末端18を境とする作業空間16を囲む。作業空間16は、中にガスを引き抜き、そして次に圧縮する容積である。ハウジング10はまた第二空間20も有し、ピストン14の第二末端21を境とする背空間20または外側容積と呼ぶこともある。ピストン14は、連結棒24によりピストンに連結している電磁性リニアモーター22により往復する様式で駆動する。リニアモーター22は、棒24に装備された内部の永久磁石を往復運動で駆動させるために、時間変動で電位がかけられる従来の電磁性リニアモーターである。
流体リザーバー25は、チェックバブルである第一バルブ26を通って作業空間16につながれている。チェックバルブ26は、作業空間16からの処理流体圧が作業空間16中の平均圧力よりも十分に低い時のみ開く。図1において、第一バルブはチェックバルブなので、作業空間圧がリザーバー25中の圧力よりも低い時はいつでも開く。その結果、第一バルブ26は、リザーバー25を作業空間16の平均圧未満で維持し、そして好ましくは、かつ典型的には周期中、最小作業空間圧近くに維持する。
リザーバー25も、通路28を通ってシリンダー12の壁を通る口30につながっており、したがってシリンダー12中に開く。口30は、ピストン14が選択された内部限界に到達した時に、口30を越え、そしてピストン14の覆いが外れ、そして第二空間20に暴露されるように、シリンダー壁に沿って配置されている。図1の態様において、口30は、ピストン14が説明されているTDC位に到達すると覆いが外される。この限界のTDCは、バルブ板またはヘッドを表す末端壁31から選択された隙間で離れている。例として、口30、または入り口に付いているスロットまたは溝は、0.3mmの幅寸法を有することができる。TDC位から壁末端31への隙間は、例えば0.05mmでよく、そのため口またはスロットの始まりは0.05mmに壁末端31との衝突位置からのピストン長を加えた間隔となる。
出願人の慣習的用語では、作業空間内部へのピストンの移動をピストンの内部移動と呼び、そしてピストンの最も内側の位置を内限界と呼ぶ。同様に、第二空間20に向かう移動を外部移動と呼び、そして外部移動の限界を外限界と呼ぶ。
リザーバー25は、図1の圧縮機により圧縮される流体の供給源30につながり、そしてその結果、圧縮機の低圧吸引チャンバーおよび本発明のリザーバーの両方として同時に役立つことができる。その結果、作業空間16に引き抜く圧縮されるガスは、チェックバルブ26を通っても引き抜かれる。圧縮されたガスは次にチェックバルブ32を通って通常の様式で排出される。しかしあるいは、リザーバー25を本発明の目的で限定するために専用とすることができ、そしてチェックバルブ34を通す投入接続を、従来の様式で提供することができる。
図1の態様の操作では、リザーバー25は作業空間16の平均圧力よりも低い比較的低圧に維持され、そして好ましくはピストンの往復運動中に作業空間が達する最も低い圧力付近に維持される。もしピストンが図1に説明する末端限界に到達しなければ、口30は全周期中で覆われたままであり、そしてリザーバー25は低圧に維持される。ピストン14が限界のTDCに到達すれば、口30の覆いが外され、そしてリザーバー25がチェックバルブ26により十分に低圧に維持されているので、処理流体が第二空間20から通路28を通ってリザーバー25に引き抜かれる。作業空間の圧力変動の振幅は、第二空間中の圧力変動の振幅を大きく越え、そしてリザーバーは最小作業空間圧に維持されているので、リザーバー25中の圧力は、第二空間中の圧力よりも大変低い。この覆いが外れた口30は、第二空間20から流体の一部を取り出し、そしてその結果ピストン14の平均位置を外側に変化させる。ピストンが往復し、そして末端限界に到達する度に、流体の1分間の量が第二空間20からリザーバー25へ移され、そして結局、作業空間16中に引き抜かれる。口30は制限がある直径、または軸方向に他の寸法を有するので、ピストンが初めて内末端限界TDCに到達し始める時に、口30は部分的に覆いを外されるだけである。続く各々の往復運動中、ピストンはより多くの口部分を次第に外し、その後、各周期中に十分な流体が第二空間からリザーバー中に、そしてリザーバーから作業空間中に取り出され、平衡に達する。
同時に作動する口30およびピストン14は一緒にスプールバルブとして機能し、そしてスプールバルブの典型的な様式で、口30と連絡しているピストンまたはシリンダー中に溝を提供できる。あるいはスプールバルブを、ピストン上に直接というよりは別の構造上に形成でき、そして適当な機械的連結によりピストンに結合する。
同様に、他のバルブを図1に説明するスプールバルブ配列の代わりに使用できる。例えば、電気バルブはピストンが選択した末端限界に達した時に開くように、電気的に作動するバルブを使用し、そしてスイッチにつないだ移動ピストン上の突起に機械的に連結できる。しかしそのような電気バルブは、もちろん複雑で過剰であるとも考えられる。
図2は、エンジンまたはクーラーのような自由ピストンスターリング機械に適用した、図1の本発明を説明する。図2の自由ピストンスターリング機械は、両方とも周知の従来の様式でハウジング46に形成されたシリンダー44中で自由に往復する、往復動力ピストン40およびディスプレイサー42を有する。このスターリング機械は、動力ピストン40により分けられた従来の作業空間48および第二空間50を有する。このスターリング機械はまた、従来の再生器52も有する。本発明の目的のために、ピストン40の第一末端62が選択したTDC限界に到達した時、リザーバー54が通路56を通って、ピストン40の第二末端60から覆いが外れるように配置された口58につながる。リザーバー54は、チェックバルブ64を通って作業空間48にもつながり、これは自由スターリングエンジン機械の技術においては周知であるように、再生器52を通って連絡しているディスプレイサー42の両側の構成部品に延びる。
図2に説明する従来の自由ピストンスターリング機械の操作において、作業空間48は、動力ピストン40およびディスプレイサー42がシリンダー44内で往復するとき、時間に相関して圧力変動を経験する。その結果、リザーバー54はチェックバルブ64を通って引き出される流体により、作業空間48の最小圧に実質的に近い圧力で維持される。作業空間48に向かって内側に動力ピストン40が十分クリープすると、口58はピストンの極めて内側の軌跡位置のトップデッドセンターで覆いを外され、次にガスが図1に説明したものと同じ様式で第二空間50からリザーバー54中に引き出される。その結果、TDC限界を越えたピストン軌跡は、第二空間50からのガスの取り出しにより防止され、そして同じガスが作業空間48に加えられる。
図3は、口が口を越えて通過するピストンの実際の物理的末端またはスカートにより、覆いが外される必要が無いことを説明している。図3で、中空ピストン70はハウジング74内に形成されたシリンダー72中を往復する。このハウジングはまた、ピストン70により分けられている作業空間76および第二空間78を限定する。図1および2のように、リザーバー80がチェックバルブ82を通って作業空間76につながり、そして通路84にもつながっている。しかし図3の態様では、中空ピストン70の壁を通って口88と位置が合うようになっているシリンダー72中の、口86内で通路は終わる。その結果、図3の態様は、口の覆いを外し、そして口をピストン70の口88を通って第二空間に露出させることにより、図1および図2の態様でピストン位置を制限する様式と同様に、ピストン70の運動を選択されたTDC限界に制限する。
図4は、本発明がピストンの位置を極端に外側に制限するためにも使用できることを説明する。図4において、中空ピストン90はハウジング94内に形成されたシリンダー92中で往復する。ハウジング94は作業空間94および第二空間98も限定する。リザーバー100はチェックバルブ102を通って通路104につながる。通路104は、前述の態様と同様にシリンダー内に形成された口106内で終結する。ピストン90が選択したBDC外限界に到達した時に、シリンダー中の口106と位置を合わせるために、中空ピストン90の壁を通る口径または口108も提供される。図4では、リザーバー100が低圧よりはむしろ高圧に維持されるように、チェックバルブ102が図1−3のチェックとは反対方向に向いている。リザーバー100は、作業空間96および第二空間98の平均圧力より実質的に高い圧力を保つ。
図4の態様の操作において、もし往復ピストン90が口108を入口106と位置を合わせるように十分に遠い軌跡を作らなければ、口106は全周期中、ピストン90のスカートに覆われたままである。リザーバー100は、作業空間最大圧の比較的高圧で維持される。しかし、もしピストン90がピストン口108で口106の覆いを外すように移動すれば、流体がリザーバー100から通路104を通って第二空間108に通る。このガスの第二空間98への移動は、このようにピストンが作業空間96からさらに外側に移動することを防止する。
したがって限界の提供に、リザーバーを作業空間または第二空間の平均圧力未満の比較的低い圧力に維持するためには、リザーバーはチェックバルブ82のようなバルブを通ってつなげられなければならない。外限界を維持するために、バルブ102のようなバルブは、リザーバー100のようなリザーバーを比較的高圧に維持するために配置されなければならない。
図5−7は、本発明のさらに別の態様を説明し、そしてリザーバーと作業空間との間につながれた第一バルブが、図1−4に説明したようなチェックバルブを取り付ける代わりに、スプールバルブのような別の種類のバルブでよいことを説明している。さらに、これは前述の図面に関連して説明したものと同じ種類のスプールバルブであることができる。この第一バルブは、上述のように、作業流体圧が平均圧力から一方向に十分変動する時に開かなければならない。例えば、内限界を確立するためには、第一バルブは作業流体圧が実質的に平均圧よりも低くなった時に開かなければならない。
図5において、ピストン110はハウジング114内に形成されたシリンダー112中で往復する。ハウジング114は、第二空間116および作業空間118を限定する。図5の態様は、流体の入り口用にリザーバー122につながった吸引入口120を持つ圧縮機である。前述の態様に関して記載した様式で、リザーバー122は通路124を通ってシリンダー112を通る口126につながっている。図1−4に説明したようなチェックバルブの代わりに、リザーバー122は通路128を通って、シリンダー112の壁を通る第二口130にもつながっている。第二口130はピストンが作業空間からピストン110の第一末端の平均位置を越えて外側の選択された距離に位置した時に、ピストンの覆いが外れ、そして作業空間に暴露される場所に位置している。この口の位置で、作業空間118中の流体の圧力周期の低い圧力期中でのみリザーバー122が通路128を通って作業空間118につながることが確実になる。ガスは周期の圧縮期中にチェックバルブ144を通って排出できるように、ガスはピストンにより作業空間中に引き抜かれる。前述の態様のように、末端限界口126は、ピストン110がTDC限界に到達した時に外れるように位置している。また前述の態様のように、口126の覆いを外すことにより、流体を第二空間から低圧吸引リザーバー122中に引き抜き、そしてその結果、流体を取り出し、そしてこれによりさらにピストン110の平均位置が作業空間118に向かって内側に移動することを防ぐ。
図6は、時間または位相角に相関するピストン110の変位を説明し、これはおよそ正弦的運動である。
図7は、図6のピストン変位と関連して、時間または位相角に相関する作業空間118の圧力変動を説明する。ピストンがその平均位置からトップデットセンターに向かって移動する時、圧力は排出チェックバルブ134が開くまで曲線Aに沿って増加する。チェックバルブ134が開いた時、圧縮流体が圧縮機作業空間118から出る間、短い一定の圧力間隔が生じる。ピストンがTDC位置を通過し、そして外側に移動し始める時、生じる作業空間118中の圧力低下は、排出チェックバルブ134を閉じ、そして作業空間118中の圧力を曲線Bに沿って減少させる。C点で口130の覆いが外される時、作業空間中の圧力がリザーバー122中の吸引圧力まで上昇し、そしてピストン110がBDC位置に到達するまでその圧力が維持され、そしてD点で内側への移動が始まる。その後、作業空間118中の圧力は曲線A'に沿って連続的に上昇し、そしてこの周期が繰り返される。
図8は、内制限口用のさらに別の口の配置を説明する。この口は図1で説明した様式でピストンの実際の物理的末端の覆いを外されるか、または図3に説明する様式でピストンと通じる口で覆いを外される必要がないばかりでなく、この口がピストン上に形成されたアンダーカットで外されてもよいことを示している。図8では、ピストン140はシリンダー142中を往復する。末端制限口144は例えば図1の口30の目的を機能的に果しているが、ピストン140に形成されたアンダーカット146と合うようになる。その結果、アンダーカット146とシリンダー142の壁の間の空間を通って、口144は第二空間148と連絡してつながっている。
図9は、本発明を採用した圧縮機の一部を説明する。ピストン150はシリンダー152内で往復する。スパイダー154により、複数の永久磁石156および158がピストン150に取り付けられている。これらの永久磁石は、電気的巻線164を含む極片160および162内で往復する。シリンダー152のおよそ外部に固定された低抵抗の、強磁性シリンダー状セグメント165は、極片160および162から磁石156および158の反対側に低抵抗の磁性路を提供する。磁石と一緒に、極片、シリンダー状セグメントおよび巻線が一緒にピストン150の往復を駆動させるリニアモーターを形成する。スプリング166もピストンに取り付けられて、所望の操作振動数で共鳴往復運動を提供する。バネ166は、中央でピストン150に、そして周辺でハウジング180に付いている従来の平面バネの積み重ねである。第一作業空間168はピストン170の第一末端に形成され、そして第二の背空間172はハウジング180の残りの中に形成される。従来のバルブ板およびマニホルド184は、シリンダー152の末端に取り付けられ、そして圧縮流体の作業空間186からマニホルド184への通過、そして排液ライン186からの排出用のチェックバルブを含む(内部であり、見えない)。ハウジング180内で、しかしマニホルド184の回りは、吸引ライン190による低圧流体の移入源につながった吸引チャンバー188である。
ピストン150の作業空間168に向かう内側への移動は、シリンダー152の外側末端付近の末端制限口192を提供することにより、制限される。口192は、シリンダー152の内部を通って形成された通路194により吸引チャンバー188につながっている。この態様では、口192は図8に関連して説明した様式でアンダーカット196により開き、そして第二空間172に暴露されるように配置されている。この態様では、もしピストン150がその内限界に対して内側に移動し、そして口192の覆いが外れてガスを第二空間から吸引チャンバー内に上記の様式で引き抜くことが可能ならば、吸引チャンバー188も第二空間172から流体を引き抜くための本発明のリザーバーとして機能する。
本発明の態様の1つの難点は、口192のような口はピストンがそのTDC位置である間のわずかな間隔でのみ覆いが外されるので、ピストンがその末端限界を越えて移動することを防ぐために、流体を第二空間から引き出すことが徐々に行われる点である。したがって流体を第二空間からリザーバーへ迅速に移動できるようにする供給が、通常ではない高速の急激な、または一時的な引圧の変化で成される。そのような素早いダンプ効果(dump feature)は、図9の類似模型で丸く囲まれたイコライザー構造200により達成される。
イコライザー200は吸引チャンバー188と第二空間172との間を連絡するためにつなげられた第三バルブを有する。実際、このイコライザーの第三バルブは、口192の覆いが外れた時に、通路194および口192を通って提供される路に、平行な高流速流体流路(略図の回路の意味で)を提供する。選択した圧力変化率を越える吸引リザーバー188中の圧力変化の時間率に応答して第三バルブを開くために、バルブアクチュエーターがこの第三バルブにつなげられる。
より特別には、イコライザー200はハウジング202を有する。バルブアクチュエーターはハウジング202中に取り付けられたダイヤフラム204を含み、そしてチャンバー206の境界となっている。螺旋状バネ208はダイヤフラム204を上方向に傾け、バルブ210をそのバルブシート212に対して上向きに、そして密閉して上向きに保持する。チャンバー206は、チャンバー206と吸引リザーバー188との間を連絡する小さい流れ制限オリフィス214を除き、密閉されている。ダイヤフラム204の下の空間は、流れ制限オりフィスではない開口216により吸引リザーバー188に出ている。
イコライザー200の通常の操作において、ダイヤフラム204の両側は同じ圧力、すなわち引圧に暴露される。バネ208は十分な力を発揮して、バルブ210がそのバルブシート212に対して傾き、そして吸引リザーバー206と第二空間172との間の連絡を妨げる。その結果イコライザーチャンバー206は、オリフィス214を通る吸引リザーバーとの長期の連絡の結果、引圧になるだろう。
しかし、吸引リザーバー188内の急激な、または一時的な実質的な圧力低下の結果、イコライザーチャンバー206中の圧力は、チャンバー206中のガスが、例えばオリフィス直径0.2mmを有する流れ制限オリフィスを通って急激に逃げることができないので、イコライザーチャンバー206中の圧力は大変急激に変化しないだろう。その結果、引圧の急激な低下でイコライザーチャンバー206中はより高い圧力となり、バネの傾きを克服し、そしてダイヤフラム204をバルブシート212からより低いバルブ210に下に移動させ、そしてバルブ210を開き、イコライザーおよびその大きな開口216を通って第二空間172から吸引リザーバー188への実質的なガスの流れを可能にする。これにより比較的大量の流体を第二空間172から吸引リザーバー188に輸送することができ、したがってピストン150がその周期的な操作中にさらに内側に移動することを防止する。しかし、オリフィス214を通る流速を定めるオリフィス214のサイズにより定められるわずかな時間の遅れで、イコライザーチャンバー206中の圧力が減少し、ダイヤフラムを通る圧力差が減少し、そして次にバネがその圧力差を克服し、そしてバルブ212を閉じる。
したがって、ピストン150の終位置は、作業空間168から第二空間172へ次第に起こるピストンの周りのゆっくりとした流体漏出にかかわらずその内側への移動が制限されるだけでなく、急激な、または一時的な高速の引圧変化の結果でも制限される。
本発明の特定な好適態様を詳細に記載したが、本発明の、または以下の請求の範囲の精神から逸脱することなく、様々な修飾を調整することができると考えられる。

Claims (14)

  1. ハウジングがピストンの第一末端を境とする第一空間を囲み、ハウジングがピストンの反対側の第二末端を境とする第二空間も有し、第二空間は平均圧力を有する処理流体を含み、そして第一空間は該平均圧力から両方向に周期的に変動する圧力を有する処理流体を含む、シリンダーおよびシリンダー中で密閉的に往復するピストンを持つハウジングを有する自由ピストン機械用のピストン終−位置リミッターであって、リミッターが:(a)流体リザーバー;
    (b)リザーバーと第一空間の間を連絡してつなぐ第一バルブであって、第一空間内の処理流体圧が平均圧から一方向に十分変動する時にのみ開くように調整される第一バルブ;および
    (c)開いている流体連絡でリザーバーにつなげられ、そして第二空間につなげられた第二の位置応答性バルブであって、ピストンが選択されたその往復の末端限界に到達することに応答して開いて、第二空間をリザーバーにつなぐためにピストンに操作可能に連結されている、第二バルブを含んで成る上記ピストン終−位置リミッター。
  2. 第一バルブは、リザーバーに連絡してつながれており、そしてピストンが第一空間から選択した距離外側に位置した時にピストンによる覆いが外され、そして第一空間に暴露されるシリンダー中の開口を含んで成る、請求の範囲第1項に記載のピストンリミッター。
  3. 自由ピストン機械が圧縮機であり、そして上記口が処理ガスの供給源につながれて、ピストンの平均位置を越える圧縮機中への吸引口を形成する、請求の範囲第2項に記載のピストンリミッター。
  4. 第一バルブが、第二空間の平均圧よりも低い圧力にリザーバーを維持するために、流体流をリザーバーから第一空間へ向けるようにされているチェックバルブであり、そして上記の選択された限界が第一空間から内側へのピストン往復の限界である、請求の範囲第1項に記載のピストンリミッター。
  5. 第二バルブがリザーバーから、シリンダー内に開く口へ連絡する通路を含み、口は上記の選択された限界に達した時にピストンの覆いが外され、そして第二空間に暴露される位置でシリンダーの壁を通る、請求の範囲第4項に記載のピストンリミッター。
  6. 口はピストンが上記の選択された限界に達した時にピストンの第二末端を越えて位置する、請求の範囲第5項に記載のピストンリミッター。
  7. 自由ピストン機械が圧縮機であり、チェックバルブが圧縮機の取り込みチェックバルブであり、そして流体リザーバーが圧縮機の吸引リザーバーである、請求の範囲第5項に記載のピストンリミッター。
  8. 自由ピストン機械がスターリングサイクル機であり、第一空間がディスプレイサーを含む機械の作業空間である、請求の範囲第5項に記載のピストンリミッター。
  9. 第一バルブが、第二空間の平均圧以上の圧力にリザーバーを維持するために、流体流を第一空間からリザーバーへ向けるようにされているチェックバルブであり、そして上記の選択された限界が第一空間から外側へのピストン往復の限界である、請求の範囲第1項に記載のピストンリミッター。
  10. 第二バルブがリザーバーから、シリンダー内に開く口へ連絡する通路を含み、口は上記の選択された限界に達した時にピストンの覆いが外され、そして第二空間に暴露される位置でシリンダーの壁を通る、請求の範囲第9項に記載のピストンリミッター。
  11. さらに時間に関するリザーバー圧の選択された変化率に応答するためにイコライザーを含み、イコライザーはリザーバーと第二空間の間を連絡するためにつながれた第三バルブ、および第三バルブにつながれ、かつ該選択された率を越えるリザーバー圧変化の時間率に応答して第三バルブを開くバルブアクチュエーターを含んで成る、請求の範囲第1項に記載のピストンリミッター。
  12. バルブアクチュエーターが第三バルブにつながり、そしてバルブを閉じるために傾くダイヤフラムを含んで成り、ダイヤフラムは第一側および反対側を有し、そして傾きを克服するため第二側の圧力を十分に越える第一側の圧力に応答して第三バルブを開くために第三バルブにつながれ、ダイヤフラムの第一側は、流速限界制限を通してリザーバーに排出されるチャンバーに暴露されており、そしてダイアフラムの反対側は制限無しにリザーバー中に排出される、請求の範囲第11項に記載のピストンリミッター。
  13. ハウジングがピストンの第一末端を境とする第一空間を囲み、ハウジングがピストンの反対側の第二末端を境とする第二空間も有し、第二空間は平均圧力を有する処理流体を含み、そして第一空間は該平均圧力から両方向に周期的に変動する圧力を有する処理流体を含む、シリンダーおよびシリンダー中で密閉的に往復するピストンを持つハウジングを有する自由ピストン機械用のピストン終−位置リミッターであって、リミッターが:
    (a)流体リザーバー;
    (b)リザーバーと第一空間の間を連絡してつなぐ第一バルブであって、第一空間内の処理流体圧が平均圧から一方向に十分変動する時にのみ開くように調整され第一バルブ;
    (c)リザーバーにつなげられ、そしてピストンが選択されたその往復の末端限界に到達することに応答して開いて、第二空間をリザーバーにつなぐために第二空間につながれた第二バルブ;および
    (d)時間に関してリザーバー圧の選択された変化率に応答するためのイコライザーであって、リザーバーと第二空間の間を連絡するためにつながれた第三バルブ、および第三バルブにつながれ、かつ選択された率を越えるリザーバー圧変化の時間率に応答して第三バルブを開くバルブアクチュエーターを含んで成るイコライザー、
    、を含んで成る上記ピストン終−位置リミッター。
  14. バルブアクチュエーターが第三バルブにつながり、そしてバルブを閉じるために傾くダイヤフラムを含んで成り、ダイヤフラムは第一側および反対側を有し、そして傾きを克服するため第二側の圧力を十分に越える第一側の圧力に応答して第三バルブを開くために第三バルブに連絡され、ダイヤフラムの第一側は、流速限界制限を通してリザーバーに排出されるチャンバーに暴露されており、そしてダイアフラムの反対側は制限無しにリザーバー中に排出される、請求の範囲第13項に記載のピストンリミッター。
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