JP3608246B2 - 呼量分析処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自営の交換機で構成されたトールダイヤルネットワーク等において、ネットワークの構成を改善する等のための資料として、通信の呼量を測定するための呼量分析処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
企業内等の音声通信やデータ通信の通信設備として、比較的大規模のトールダイヤルネットワークを自営交換機を使って構成する例が多くなっている。
【0003】
そのようなネットワークは、例えば図2に示すように、基本的に端局1の交換機と中継局2の交換機とを有し、それらの交換機を必要な通信性能の中継線で接続して構成される。
【0004】
端局1では、電話機やデータ端末機等の端末4と、中継局と接続する中継線5とを収容して、自局内の端末相互間の接続を行うと共に、他局の端末との通信のための呼について端末4と中継線5との接続を行うための交換処理を行う。
【0005】
又、中継局2では、中継線5に着信する各中継呼について、宛先端局の指定を識別して、必要な各方路への中継線5に発信するように、中継線相互を接続する中継交換処理を行う。
【0006】
更に、実際の交換機の構成では、図2に中継端局3として示すように、例えば交換機規模が適当な場合等に、前記の端局機能と中継局機能とを併合して一交換機内で処理するようにされる場合がある。
【0007】
中継端局では、中継局として、中継線5を収容して中継線相互間の接続を処理すると共に、前記端局1と同様に端末4を収容して自局内の端末相互間の接続を処理し、又自局内端末と他局との接続を行う。
【0008】
但し中継端局の場合には、端局から中継線を経て中継局に接続するというような、中継呼と端局発着信とで物理的に分離された経路は無く、中継呼と自局内呼が混然と処理される。
【0009】
以上のようなネットワークにおいては、通信の輻輳状態を評価し、評価結果に基づいて疎通状態やネットワークの効率等の必要な改善のために、局間の中継線の設備数や、交換機の配置等を検討することが必要である。
【0010】
ネットワーク内の通信の輻輳状態を示すには、各端局相互間の通信の呼量が基本的な資料となる。
呼量は例えば、通信設備(例えば中継線)についての、単位時間当たりの延べ使用時間で表わされる量であり、中継線等の通信状態を監視して、宛先別に呼量を測定することができる呼量測定器は広く使用されている。
【0011】
従って、各端局から中継局への発信について、中継線5の端局側の発信端(例えば図2の7で示す位置)或いは中継局側の着信端(図2の8)に、前記のような呼量測定器を接続すれば、その端局の各宛先別発信呼量を測定することができ、必要な各端局で測定した呼量を各発信端局別の各宛先別に集計すれば、各端局相互間通信の呼量を得ることは明らかである。
【0012】
しかし、前記のような中継端局については、その端局機能部分と中継局機能部分とが物理的に分離されていなく、当然局間の中継線も無いので、その端局機能部分からの発信呼量を上記のような方法で測定することはできない。
【0013】
そこで中継端局の端局機能部分からの発信呼量を測定するためには、例えば中継端局の交換機の中央制御装置等の交換処理プログラムに、呼量測定用プログラムを付加する改変を行って、端局機能部分から他端局への発信呼を抽出し呼量を測定するようにすることが考えられる。
【0014】
しかし、稼働中の交換機の交換処理に改変を施す作業量は大きく、又、一般にネットワークを構成している各局に設置されている交換機は、すべて同一の機種が使用されているとは限らないので、それらに個別に対処する場合には更に作業を困難にする。
【0015】
そのために、前記の呼量測定器を使用するような方法で、交換処理に影響を与えることなく、必要な任意の中継端局の呼量測定も行えるようにすることが望まれる。
【0016】
本発明は、中継端局の端局機能部分からの発信呼量を容易に測定できるようにした呼量分析処理装置を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
図1は、本発明の構成を示すブロック図である。
図は呼量分析処理装置の構成であり、中継局機能と端局機能とを有する複数の局が中継線で接続されて成るネットワークの、各該端局の各宛先端局別発信呼量を測定するために、該中継局機能と端局機能とを併合した中継端局の、当該端局機能部分からの発信呼量を測定する呼量分析処理装置であって、測定部10、集計部11及び算出部12を有する。
【0018】
測定部10は該中継端局の中継線に接続し、各該中継線の通信を傍受することにより、各呼の宛先端局を識別して呼量を測定する。
集計部11は測定部10の測定した呼量を、当該中継端局に対する発着信の別、及び該宛先端局別に集計する。
【0019】
算出部12は、集計部11の該宛先端局ごとの集計結果について、該発信中継線についての該集計結果から該着信中継線についての該集計結果を減じて得る呼量を、それぞれ該宛先端局に対する該中継端局の該端局機能部分からの発信呼量として記録する。
【0020】
【作用】
本発明の呼量分析処理装置により、前記の通り中継端局の中継線の信号を傍受するのみで呼量を測定し、測定した呼量から、中継端局の端局機能部分から他端局への発信呼量を、宛先別に抽出するので、中継端局の場合にも交換処理に影響を与えること無く随時必要な端局間通信の呼量の測定を行うことができる。
【0021】
【実施例】
図3は本発明の実施例を示すブロック図であって、各中継線に接続された呼量測定器20で、図1の測定部10を構成する。
【0022】
各呼量測定器20は、中継線を伝送される信号を傍受して、例えばダイヤル信号を抽出することにより、各呼の宛先を採集し、集計部21に送る。
集計部21は予め与えられる網構成情報24を参照することにより、呼量測定器20から受け取る宛先の件数を、各方路の中継線群別の宛先別に集計し、呼量情報25として適当な磁気フロッピイディスク記憶装置等の記憶装置23に記録する。
【0023】
なお、各呼量測定器20に例えばフロッピイディスク装置を持ち、識別した宛先の情報を記録し、所要時間の測定を終わった後、そのフロッピイディスクを集計部21が読み取って集計する構成も可能である。
【0024】
所要時間の測定が終わった後、集計部21の集計結果の呼量情報25を算出部22が処理して、網構成情報から定まる、当該局に直結する各端局及び中継端局の場合の内部の端局機能部分、それぞれからの宛先別発信呼量26を出力する。
【0025】
図4は本発明の集計部21の処理の流れの一例を示す図である。なお、網構成情報として、例えば中継線ごとに「中継線番号、相手局の局名及び属性(端局、中継局の別)」が与えられ、例えば記憶装置23に記憶してあるものとする。
【0026】
図4は集計部21が何れかの呼量測定器20の識別した一宛先を中継線番号と共に受け取った場合の処理であって、処理ステップ30でその中継線番号によって網構成情報を取り出し、次に処理ステップ31で呼の発着信別を識別する。
【0027】
発信の場合には、次に処理ステップ32で相手局が端局か識別し、端局であれば処理ステップ33で相手端局名(当中継局又は中継端局に直結している端局をLiとする)により、呼量情報25の当該端局宛発信呼量(Lisとする)にカウントして処理を終わる。
【0028】
又、相手局が端局でなければ、処理ステップ34で中継局行き宛先別発信呼量の中の、呼量測定器から受け取っている宛先 (Lkとする)の呼量 (Lks とする)にカウントする。
【0029】
発信でなく着信呼である場合は、処理ステップ31から処理ステップ35に分岐して、相手局が端局か識別し、端局であれば処理ステップ36で相手端局名(Li)により、当該端局発宛先別着信呼量の中の、呼量測定器から受け取っている宛先(Lk)の呼量(LirLkとする)にカウントする。
【0030】
着信呼の相手が端局でなければ、処理ステップ37で、中継局発の宛先別着信呼量の中の、呼量測定器から受け取っている宛先 (Lk) の呼量(Lkr) にカウントする。
【0031】
なお、上記Lks及びLkrを相手中継局別にする必要はなく、各前記条件の呼量を一括して宛先別に集計すればよい。
【0032】
算出部22は、以上の動作を繰り返して集計した呼量情報25から次の計算で、測定を行った中継局又は中継端局に直結する端局、及び中継端局の端局機能部分について、各端局発宛先別呼量を算出し、端局発信呼量26を出力する。
【0033】
即ち、
直結する端局Li発の端局Lj宛呼量 = LirLj
端局機能部分発信の端局Lj宛呼量 = Ljs−Ljr−ΣLirLj
但し、ΣLirLjは同一Ljについて、全直結端局LiのLirLjの合計である。
【0034】
図5は前記のようにして端末間呼量を算出できることを、一例で説明する図であり、(a)に示すように中継端局Tに端局LとLが中継線で直結され、又中継端局Tは中継局Tを介して端局L、Lとも接続するように構成されたネットワークの、中継端局Tで呼量を前記のように測定する場合を考える。なお、中継端局Tの端局機能部分を端局Lとする。
【0035】
中継端局Tの各呼量測定点では、図5(a)に記号で示すような呼量が測定される。
これらの呼量値を、発着信端局のマトリクスにして示すと図5(b)のとおりになることは明らかであり、この図から明らかなように、先ず測定局と直結する端局発信の宛先別呼量は、すべて直接採取できる。
【0036】
次に、各宛先別合計呼量も全宛先について採取され、それらの各合計の要素のうち、未知なのは中継端局Tの端局機能部分の端局L発の呼量のみであるから、各宛先別合計呼量から既知の各呼量、即ちL発以外の当宛先宛呼量を減じれば、L発信の呼量を得る。
【0037】
本発明の呼量分析処理装置は、中継端局のみならず中継局においても端局間通信呼量を測定するために使用することが当然可能である。その場合には、以上から明らかなように、宛先別合計呼量を採取する中継線の発信呼についての呼量測定等を省略し、直結端局に接続する中継線の着信呼についてのみ測定を行えばよい。
【0038】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば、ネットワークの端局間通信呼量の測定において、中継端局の中継線の信号を傍受して得る呼量から、中継端局の端局機能部分の発信呼量を、宛先別に抽出できるので、中継端局の場合にも交換処理に影響を与えること無く随時必要な端局間通信の呼量の測定を行うことができ、通信の輻輳状態の把握を容易にしてネットワークの運用の効率化を促進するという著しい工業的効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図
【図2】ネットワークの構成例を示す図
【図3】本発明の実施例を示すブロック図
【図4】本発明の処理の流れ図
【図5】呼量算出例を説明する図
【符号の説明】
1 端局
2 中継局
3 中継端局
4 端末
5 中継線
10 測定部
11、21 集計部
12、22 算出部
20 呼量測定器
23 記憶装置
24 網構成情報
25 呼量情報
26 端局発信呼量
30〜37 処理ステップ

Claims (1)

  1. 中継局機能と端局機能とを有する複数の局が中継線で接続されて成るネットワークの、各該端局の各宛先端局別発信呼量を測定するために、該中継局機能と端局機能とを併合した中継端局の、当該端局機能部分からの発信呼量を測定する呼量分析処理装置であって、
    測定部、集計部及び算出部を有し、
    該測定部は該中継端局の中継線に接続し、各該中継線の通信を監視して、各呼の宛先端局を識別して呼量を測定し、
    該集計部は該測定部の測定した呼量を、当該中継端局に対する発着信の別、及び該宛先端局別に集計し、
    該算出部は、該集計部の該宛先端局ごとの集計結果について、該発信中継線についての該集計結果から該着信中継線についての該集計結果を減じて得る呼量を、それぞれ該宛先端局に対する該中継端局の該端局機能部分からの発信呼量として記録するように構成されていることを特徴とする呼量分析処理装置。
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