JP3606295B2 - フラットケーブル - Google Patents
フラットケーブル Download PDFInfo
- Publication number
- JP3606295B2 JP3606295B2 JP09361596A JP9361596A JP3606295B2 JP 3606295 B2 JP3606295 B2 JP 3606295B2 JP 09361596 A JP09361596 A JP 09361596A JP 9361596 A JP9361596 A JP 9361596A JP 3606295 B2 JP3606295 B2 JP 3606295B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- conductor
- thickness
- adhesive layer
- flat cable
- insulating film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Insulated Conductors (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電気、電子機器の配線材料等に使用されるフラットケーブルに関し、さらに詳しくは、屈曲耐久性にすぐれるフラットケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図1はフラットケーブルの一例の横断面図である。フラットケーブルは図1に示すように、間隔をおいて平行に配列した複数本の平角導体1を、片面に接着剤層3を形成した2枚の絶縁フィルム2で接着剤層3を内側にして挟み込み、加熱により上記接着剤層3を融着することにより製造されている。上記絶縁フィルムとしては、電気的、機械的特性にすぐれた2軸延伸PETフィルムが用いられ、接着剤としては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル共重合体、ポリエステル等をベースポリマーとしたものが使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述のようなフラットケーブルは屈曲耐久性が要求される部位に使用されることが多く、これまで、導体、接着剤層、絶縁フィルムをできる限り薄くしたフラットケーブルがこのような部位に使用されてきた。
ところが、使用される状況によっては導体の厚さを薄くできない場合がある。例えば、ケーブルの電気抵抗値に上限がある場合である。このような場合でも屈曲耐久性にすぐれたフラットケーブルが要求されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の課題を解決したフラットケーブルを提供するもので、その特徴は、平行に配列した厚さ50μm〜 100μmの複数本の平角導体を、片面に接着剤層を形成した絶縁フィルムの2枚で、上記接着剤層を内側にして挟み込んだフラットケーブルにおいて、絶縁フィルムの厚さ(Ti)と導体の厚さ(Tc)が 0.3≦Ti/Tc≦1の関係を満たすことにある。
【0005】
【発明の実施の形態】
使用される導体は、純銅の他、銅合金も使用できる。導体の形状は、電気抵抗の制限等の制約によって決まるが、導体の厚さ(Tc)は50μm〜 100μmが必要で、導体の幅(Wc)との間に、Wc/Tc≦35の関係があり、さらに接着剤層の厚さ(Ta)は導体の厚さ(Tc)との間に、 0.3≦Ta/Tc≦0.7 の関係があることが必要である。
【0006】
本発明に用いる絶縁フィルムとしては、各種エンジニアリングプラスチックフィルムを用いることができるが、例えばポリイミド(PI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等を挙げることができ、PPS、PEN、PETは強度を向上させる目的で2軸延伸されたものを用いるのが良い。
【0007】
接着剤はできるだけ導体との接着性があるものが好ましい。例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化型接着剤や共重合ポリエステル、シラン変性ポリオレフィンや無水マレイン酸グラフトポリオレフィン等のホットメルト型接着剤等をベースとする樹脂組成物が用いられる。なお、ポリオレフィン系樹脂を接着剤層のベースとする場合には、電離放射線を照射することによって耐熱性機械的特性を向上させることが好ましい。
絶縁フィルム上への接着剤層のコーティングは、ロールコーターによる方法やTダイ押出法等で行う。絶縁フィルムと接着剤層の接着力を強固にするために、アンカーコート剤(AC剤)を使用してもよい。
【0008】
【作用】
本発明では、フラットケーブルの屈曲性を向上させる方法について種々検討した結果、絶縁フィルム、導体、接着剤層の厚さの構成を上述のような関係が成立つようにすれば、屈曲耐久性に大きな効果が得られることを見出した。
0.3>Ti/Tcの場合、絶縁基材の曲げ強度が小さく屈曲時に導体に応力が集中するケ所が現われるため、屈曲耐久性が悪くなる。又Ti/Tc>1の場合はケーブルの厚さが厚くなりすぎて屈曲耐久性が悪くなる。
又Wc/Tc>35の場合は幅方向にゆがみが生じ易く、屈曲時に均一な応力分散ができず屈曲耐久性は悪くなる。さらに、Ta/Tc< 0.3では導体間に接着剤がまわりにくく、導体脇に気泡が入り、この気泡が屈曲時に応力集中点となり屈曲耐久性の良好なフラットケーブルが作製できず、Ta/Tc> 0.7では導体上の接着剤層の厚さが厚すぎて屈曲耐久性が悪くなる。
【0009】
【実施例】
評価用のサンプルを以下のようにして作製した。
まず、実施例及び比較例として、Tダイ押出機により表1,表2,表3及び表4記載の絶縁フィルム上にポリエステル系ホットメルト接着剤を所定の厚みに押出コーティングし、各々の絶縁基材を得た。次に、得られた絶縁基材2枚の間に 1.0mm間隔で6本の所定幅、所定厚の錫メッキ平角軟銅導体を並列して挟み込み、熱ローラを通すことでこれらをラミネートして一体化し、図1に示すようなサンプルを得た。
得られたサンプルの屈曲特性をJISC5016の方法により測定した。これは試験機の摺動棒と試料固定枠の間に、所定の屈曲半径に屈曲させてサンプルを装着し、前記摺動棒を所定のストロークで往復運動させるとともにサンプルの導体パターンに通電して、電流が10−6秒間以上停止するまでの屈曲回数を調べるものである。
又導体埋まり性については、フラットケーブル断面を観察した時、導体脇に空洞が全くなければ◎、独立気泡程度なら○、連続気泡があれば×とした。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0013】
【表3】
【0014】
【表4】
【0015】
実施例1は50μm厚の2軸延伸PETフィルム(ルミラー:東レ)からなる絶縁フィルムと厚さ30μmの接着剤層からなる絶縁基材で、70μm厚の導体を被覆したフラットケーブルで、屈曲性、導体埋まり性ともに良好であった。実施例2は25μm厚の2軸延伸PETフィルムを使用したものであるが、これも良好な結果を得た。実施例3は50μm厚の2軸延伸PETフィルム、80μm厚の導体を使用したものであるが、屈曲性、導体埋まり性ともに良好であった。実施例4は実施例1の導体厚を55μmにした場合であるが、これも良好な結果を得た。実施例5は実施例1の導体幅を 2.4mmにした場合であるが実施例1より屈曲耐久性は下がるが高いレベルの耐久性を有している。
【0016】
実施例6及び実施例7は接着剤厚と導体厚の比を変えたものであるが、良好な結果が得られた。実施例8は実施例1のPETフィルムをPIフィルム(カプトン:東レデュポン)に、実施例9はPPSフィルム(トレリナ:東レ)に実施例10はPENフィルム(テオネックス:帝人)に替えたものであるが、これらも良好な結果を得た。
【0017】
一方、比較例1は12μm厚の2軸延伸PETフィルムと30μm厚の接着剤層を用いた絶縁基材で、70μm厚の導体を被覆したケーブルで、比較例2は25μm厚の2軸延伸PETフィルムと90μm厚の導体を使用したものであるが、ともにTi/Tcが 0.3未満であり、導体厚に対して絶縁フィルム厚が薄すぎるため屈曲耐久性が充分でなかった。
【0018】
比較例3は45μm厚の導体に50μm厚の2軸延伸PETフィルムを使用し、比較例4は70μm厚の導体に 125μm厚の2軸延伸PETフィルムを用いたものであるが、導体厚に対して絶縁フィルムの厚さが厚すぎて、Ti/Tcは1を越え、屈曲耐久性は充分でなかった。比較例5は幅 2.6mm、厚さ70μmの導体を使用したもので、Wc/Tcが35を越え屈曲耐久性は悪い。
【0019】
比較例6は90μm厚の導体を25μm厚の接着剤層を有する絶縁フィルムで覆ったものであり、比較例7は70μm厚の導体を20μmの接着剤層を有する絶縁フィルムで覆ったケーブルであるが、ともに接着剤層が薄すぎて導体埋まり性が充分でなく、従って屈曲耐久性も不十分であった。比較例8は接着剤層の厚さを50μmにしたものであるが、接着剤層が厚すぎてTa/Tcが 0.7を越え、屈曲耐久性が充分でなかった。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のフラットケーブルによれば、絶縁フィルム、導体、接着剤層の厚さの構成を限定することにより、従来より屈曲耐久性にすぐれたフラットケーブルが得られる。従って、導体厚さに限界があるような場合には効果的な配線材料となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フラットケーブルの一例の横断面図である。
【符号の説明】
1 平角導体 2 絶縁フィルム 3 接着剤層
Claims (1)
- 平行に配列した厚さ50μm〜 100μmの複数本の平角導体を、片面に接着剤層を形成した絶縁フィルム2枚で、上記接着剤層を内側にして挟み込んだフラットケーブルにおいて、
絶縁フィルムの厚さ(Ti)と導体の厚さ(Tc)が 0.3≦Ti/Tc≦1の関係にあり、
導体の幅(Wc)と厚さ(Tc)がWc/Tc≦35の関係にあり、
さらに接着剤層の厚さ(Ta)と導体の厚さ(Tc)が 0.3≦Ta/Tc≦0.7 の関係にあることを特徴とするフラットケーブル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09361596A JP3606295B2 (ja) | 1996-03-22 | 1996-03-22 | フラットケーブル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09361596A JP3606295B2 (ja) | 1996-03-22 | 1996-03-22 | フラットケーブル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09259649A JPH09259649A (ja) | 1997-10-03 |
JP3606295B2 true JP3606295B2 (ja) | 2005-01-05 |
Family
ID=14087238
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09361596A Expired - Lifetime JP3606295B2 (ja) | 1996-03-22 | 1996-03-22 | フラットケーブル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3606295B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5089833B2 (ja) * | 1999-09-20 | 2012-12-05 | 大日本印刷株式会社 | ポリマー電池用包装材料 |
KR101425438B1 (ko) * | 2013-03-28 | 2014-08-01 | (주)에이치제이 | 연성 플랫 케이블 및 그 제조방법 |
WO2015152261A1 (ja) * | 2014-03-31 | 2015-10-08 | 古河電気工業株式会社 | 圧延銅箔、圧延銅箔の製造方法、フレキシブルフラットケーブル、フレキシブルフラットケーブルの製造方法 |
-
1996
- 1996-03-22 JP JP09361596A patent/JP3606295B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09259649A (ja) | 1997-10-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4454379A (en) | Semi-conductive, moisture barrier shielding tape and cable | |
US6224951B1 (en) | Method of forming a flexible laminate for flexible circuit | |
KR101553282B1 (ko) | 프린트 배선판용 쉴드 필름 및 프린트 배선판 | |
US3408453A (en) | Polyimide covered conductor | |
FI83712B (fi) | Kompositioner, vilka aer omformade till foerstaerkta, ledande komponenter och foeremaol foerenade med dessa. | |
JP3023329B2 (ja) | 優れた切断抵抗を有する多層ポリイミドフルオロポリマー絶縁材 | |
US20010008187A1 (en) | Coaxial cable | |
KR20110116162A (ko) | 수동 전기소자 및 수동 전기소자의 제조방법 | |
WO1996026973A1 (fr) | FILM D'EXCELLENTE RESISTANCE A EFFET DE COURONNE ET CONDUCTEURS, BOBINES ET MOTEURS ISOLES l'UTILISANT COMME MATERIAU ISOLANT | |
WO2001095683A1 (en) | Method of manufacturing circuit laminates | |
JP3606295B2 (ja) | フラットケーブル | |
WO1998031022A1 (en) | Insulated electrical conductors | |
JP3723996B2 (ja) | 導電性接着シート及びそれを用いた配線材 | |
JP2007323918A (ja) | シールドフラットケーブルおよびその製造方法 | |
JPH11288621A (ja) | 低誘電率絶縁材料および電気・電子機器 | |
JP3292324B2 (ja) | フラットケーブル | |
RU2284593C2 (ru) | Электроизоляционный материал | |
JPH0992026A (ja) | 複合導電粉、導電ペースト、導電ペーストの製造法、電気回路及び電気回路の製造法 | |
JPH0636619A (ja) | フラットケーブル | |
JPH0575225A (ja) | 金属ベース印刷配線基板及びその製造方法 | |
JPS6258513A (ja) | 導電性複合プラスチツクフイルム | |
JP2019016782A (ja) | 電磁波シールドフィルム及びその製造方法、並びに電磁波シールドフィルム付きプリント配線板及びその製造方法 | |
KR20240043044A (ko) | 면상 발열체 | |
JP3343330B2 (ja) | 絶縁ワニスの製造方法及びこの方法によって得られた絶縁ワニス並びにこの絶縁ワニスを用いた多層プリント配線板 | |
JP2003530718A5 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040901 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040915 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040928 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071015 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081015 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091015 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101015 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111015 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121015 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131015 Year of fee payment: 9 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |