JP3605601B2 - Method for producing γ-aminobutyric acid-rich substance having sweet fragrance and γ-aminobutyric acid-rich substance having sweet fragrance obtained by the method - Google Patents

Method for producing γ-aminobutyric acid-rich substance having sweet fragrance and γ-aminobutyric acid-rich substance having sweet fragrance obtained by the method Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、茶抽出液に乳酸菌を作用させることにより、甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物を製造する方法、および該方法により得られる、甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物に関する。本発明の甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物は、それ自体で、機能性(即ち、甘い香りおよび高いγ−アミノ酪酸の含有量)を有する茶飲料もしくは香料を製造したり、茶飲料に添加して該機能性を付与したりすることができる。また、本発明の甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物は、茶飲料以外の任意の製品に添加し、該機能性を付与することもできる。
【0002】
【従来の技術】
従来から、茶の有する特有の機能として香りに着目し、香り成分を抽出したり、香りの向上・改良等が行われている。
【0003】
香り成分の抽出法として、茶からアルコール、ヘキサン等の有機溶剤を用いてフレーバ成分を抽出する方法があるが、単に香りの成分を抽出するだけであり、加えて可燃性物質を使用するので取扱いに注意が必要であった。また、液化炭酸ガスを用いてフレーバ成分を抽出する方法、超臨界炭酸ガス抽出法を用いてフレーバ成分を抽出する方法が知られているが、何れも単に香りの成分を抽出するだけなので、茶の有している特定の香り(「甘い香り」)を強調して得ることはできない。その上、超臨界炭酸ガス抽出法に関しては、設備コストがかかり実用化が難しい。
【0004】
茶の香りを向上させるための手法として、茶の火入処理により茶の風味を向上させる手法があるが、これは香ばしい香りを出すことはできるが、それ以外の香り(本発明の花のような甘い香り)を出すことはできない。
【0005】
更に、茶の香りを向上させるための手法として、特開2001−286260に、緑茶葉に加水分解酵素を加え、加水分解酵素と共に緑茶葉を密閉状態加圧下に適宜時間静置させる方法が開示されている。加水分解酵素としてβ−グルコシダーゼを用いることにより、爽快な香り成分(シス−3−ヘキセノール)と、緑茶の主要成分(リナロールやネロリドール)と、火入処理による甘い香り成分とがバランスよく残されていることが認められている。しかし、この方法で香りは改善されるが、加水分解酵素を分離することが難しく、食品とした場合、加水分解酵素を表示する必要がある。
【0006】
このように従来の方法では、より本物に近い香りを提供することを目的としているが、現実には成分の変化が激しく飲料、食品、芳香剤、化粧品、医薬部外品、医薬品などへ添加したときは異質なものになっていることが多い。茶の特定の香り(例えば甘い香り)を強調した香料または添加物を作製しようと考えたとき、合成香料の添加などの手法もあるが、安全志向を考えたとき天然でその目的を達成することが望まれる。
【0007】
一方で、茶を含めた食品に、γ−アミノ酪酸(GABA)と称される機能性成分を含有させる研究も行われている。
【0008】
特開2000−210075「γ−アミノ酪酸高生産能を有する乳酸菌、及びその乳酸菌を使用したγ−アミノ酪酸高含有発酵食品とその製造法」には、血圧上昇抑制作用のある化合物として注目されているγ−アミノ酪酸(GABA)高生産能を有する乳酸菌、及びその乳酸菌を使用したGABAを高含有する健康指向の高い食品、その食品の製造法が開示されている。
【0009】
また、茶生葉を嫌気的条件下におくと、γ−アミノ酪酸が増加することを確認し、特に窒素ガス処理で製茶中に150 mg/100 g以上になることが報告されている(γ−アミノ酸を蓄積させた茶の製造とその特徴、津志田藤二郎他:日本農芸化学会誌、Vol.61, No.7, p817−822, 1987)。しかし、ガスクロマトグラフ質量分析をおこなったところ、脂肪酸のメチルやエチルエステルが増加し、不快な臭いを呈していた。この製造方法を利用して「ギャバロン茶」と称して販売しているが、不快な臭いを隠すため通常より火入処理を強くしていると考えられる。
【0010】
更にこの方法を改良し、γ−アミノ酪酸含有量を高める方法について特開平11−127781に開示されている。すなわち、茶葉を嫌気処理したのち好気処理する操作を交互に繰り返した後、嫌気処理を行うことを特徴とするγ−アミノ酪酸含量の高い茶の製造法である。この交互に行う操作を1〜12回繰り返すとしており、比較的アミノ酸含有量の少ない2〜3番茶に有効である。また、不快な臭いについては言及されていない。
【0011】
これらγ−アミノ酪酸の濃度を高める何れの方法も、その香りは不快であり飲用し難いものである。
【0012】
また、乳酸菌による発酵茶は後発酵茶として昔からあるものの(例えば阿波番茶)、花のような香りは全くせず、どちらかというと漬け物のような酸臭がするもので茶特有の「甘い香り」のするものではない。同様にプアール茶はカビを用いる後発酵茶であるが、カビ臭が強い。これら発酵茶は何れも、本来の茶の香りを損ねている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況下、本発明は、茶植物に由来する天然の茶抽出物であって、その香り成分と生理活性を有する成分の両方において新たな機能性を獲得した新規茶抽出物、即ち甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、茶抽出液中で乳酸菌を培養することにより、「甘い香り」が強調されること、並びにγ−アミノ酪酸の含有量が増大することを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0015】
すなわち、本発明は、以下に記載の手段により達成される。
【0016】
(1) 茶抽出液からポリフェノールを除去する工程と、
前記ポリフェノール除去後の茶抽出液中で乳酸菌を培養する工程と
を具備することを特徴とする、甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物の製造方法。
(2) 前記ポリフェノールを除去する工程が、
ポリビニルポリピロリドン、ポリビニルピロリドン、スチレン−ジビニルベンゼン系吸着剤、メタクリル酸エステル系吸着剤、架橋デキストランゲル、親水性ビニルポリマー系吸着剤、逆相系吸着剤、および順相系吸着剤から成る群より選択される吸着剤を用いてポリフェノールを吸着させる工程、又は
有機溶媒を使用した液−液分配工程である
ことを特徴とする、(1)に記載の甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物の製造方法。
(3) 前記培養後の培養液から乳酸菌を除去する工程を更に具備することを特徴とする、(1)または(2)に記載の甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物の製造方法。
(4) 茶抽出液中でラクトバチルス・ブレビスを培養する工程を具備することを特徴とする、甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物の製造方法。
【0017】
(5) (1)〜(4)の何れか1に記載の方法により得られる、甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物。
(6) 茶抽出液中で乳酸菌を培養することにより得られる、香り成分およびγ−アミノ酪酸成分付与剤。
(7) (5)に記載の甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物を主原料として用いて製造された茶飲料。
(8) (5)に記載の甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物を主原料として用いて製造された香料。
(9) (5)に記載の甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物または(6)に記載の香り成分およびγ−アミノ酪酸成分付与剤が添加された茶飲料。
(10) (5)に記載の甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物または(6)に記載の香り成分およびγ−アミノ酪酸成分付与剤が添加された香料。
(11) (5)に記載の甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物または(6)に記載の香り成分およびγ−アミノ酪酸成分付与剤が添加された食品。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、以下の記載は、本発明を説明するためのものであって、本発明を限定するものではない。
【0019】
本発明の「甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物」は、甘い花香を有し、且つγ−アミノ酪酸を高濃度に含有する物であり、香りに寄与する成分とγ−アミノ酪酸成分とは別の成分である。
【0020】
<甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物の製造方法>
本発明の甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物の製造方法は、茶抽出液中で乳酸菌を培養する工程を具備するものである。
【0021】
(茶抽出液について)
本発明の方法に用いる茶抽出液としては、例えば、茶を溶剤で抽出することにより得られたものを使用することができる。
【0022】
茶抽出液の原料となる茶の葉(茎を含む)は、ツバキ科の植物、例えばカメリア属の茶(Camellia sinensis)の葉が好ましい。任意の茶、例えば緑茶、ウーロン茶、紅茶の葉を用いることができ、緑茶の煎茶、番茶が好ましく使用される。
【0023】
原料となる茶の葉(茎を含む)を、例えば以下に記載のとおり抽出することにより茶抽出液を得ることができる。茶は、水、エチルアルコール、イソプロパノール等の親水性有機溶剤の何れかまたはこれらを適宜組み合わせたものを溶剤として用いて抽出され得る。抽出条件は、所望の濃度の茶抽出液を得るために適宜設定することができる。抽出温度は一般に30〜100℃で、好ましくは40〜80℃である。抽出時間は温度にもよるが、一般に0.5〜30分で、好ましくは3〜20分である。使用する溶剤の量は、茶重量1gに対して、一般に3〜100gで、好ましくは5〜50gである。
【0024】
なお、エチルアルコール、イソプロパノール等の親水性有機溶剤を使用した場合、一般にこれらの濃度を、後の工程で乳酸菌を使用するため、乳酸菌の生育を阻害しない濃度(1%以下)まで除去しておくことが望ましい。
【0025】
このような抽出により、茶抽出液を得ることができる。本発明では、後の乳酸菌の培養時に、茶抽出液から原料の茶葉が除去されていてもよいし、あるいは茶抽出液に茶葉が含まれていても差し支えない。
【0026】
あるいは、ここまでの処理の代用として、(株)伊藤園製 緑茶抽出物製品「テアフラン30A」、「テアフラン30E」を用い、これを水に溶かせば、茶抽出液として同様に利用することができる。
【0027】
この茶抽出液の濃度は、抽出後に濃縮または希釈によって適宜調節されてもよい。茶抽出液は、一般には3〜20度Brix、好ましくは5〜15度Brixに調節され得る。
【0028】
抽出後、茶抽出液からポリフェノールを除去しておくことが好ましい。ポリフェノールを除去するのは、後の工程で乳酸菌を作用させるため、ポリフェノールの乳酸菌に対する生育阻害を軽減するためである。ポリフェノール濃度は、好ましくは11重量%以下にすればよい。
【0029】
ポリフェノールの除去は、任意の既知の手法により行うことができるが、好ましくは、吸着剤を用いてポリフェノールを吸着させることにより行う。吸着剤としては、ポリビニルポリピロリドン、ポリビニルピロリドン、スチレン−ジビニルベンゼン系吸着剤(三菱化学製ダイヤイオンなど)、メタクリル酸エステル系吸着剤(三菱化学製ダイヤイオンなど)、架橋デキストランゲル(ファルマシア製セファデックスLH−20など)、親水性ビニルポリマー系吸着剤(東ソー製トヨパールなど)、逆相系吸着剤(和光純薬工業製ワコーパックC18など)、順相系吸着剤(シリカゲルなど)の中から選ばれる1つ以上の組み合わせを用いることができる。より具体的には、除タンニン茶液及び茶飲料の製造方法(特開平01−218550)に記載の方法などを用いるとよい。
【0030】
又、有機溶媒としてメタノール、エタノール、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、n−ブタノールなどを使用した液−液分配方法(特開昭61−130285、特開平01−175978)でもポリフェノールを除去することができる。
【0031】
(茶抽出液中で乳酸菌を培養する工程について)
本発明の甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物の製造方法は、上述の茶抽出液中で乳酸菌を培養する。
【0032】
ここで乳酸菌は、糖を乳酸発酵することが可能な細菌であれば特に限定されず、具体的には、ラクトバチルス属(たとえばラクトバチルス・ブレビス、ラクトバチルス・ラクチス、ラクトバチルス・アシドフィリス、ラクトバチルス・ブルガリクス、ラクトバチルス・カゼイなど)、ストレプトコッカス・ラクチスなどが挙げられ、これら乳酸菌の1種もしくは2種以上を混合してなる乳酸菌を用いてもよい。より具体的には、ラクトバチルス・ブレビスが好ましく、特開2000−210075「γ−アミノ酪酸高生産能を有する乳酸菌、及びその乳酸菌を使用したγ−アミノ酪酸高含有発酵食品とその製造法」に記載のラクトバチルス・ブレビスが挙げられる。
【0033】
茶抽出液中における乳酸菌の培養条件は、乳酸菌の生育可能な条件であれば適宜設定することができる。茶抽出液に乳酸菌を植菌して、一般に20〜40℃、好ましくは約30℃で、一般に16〜72時間、好ましくは64〜72時間培養する。茶抽出液に植菌する乳酸菌量は、例えば、茶抽出液の2重量%とすることができ、培養は、静置培養により行うことができる。このような条件下、茶抽出液中のγ−アミノ酪酸は、培養を開始してからおよそ40時間経過後にその含有量が高くなる。
【0034】
必要に応じて、培養により得た培養液に遠心分離濾過を施し、菌体とともに濁りを除去する。さらにこれを公知の方法で濃縮し、スプレードライなどで粉体とすることもできる。すなわち、本発明の甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物は、茶抽出液中で乳酸菌を培養することにより得られる培養液そのものであってもよいし、該培養液に任意の処理を施し、例えば濃縮エキス、粉体など任意の形態に変更されたものであってもよい。
【0035】
<甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物>
上述の方法により得られる本発明の甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物は、乳酸菌の作用により、原料の茶抽出液とはその成分が変化していることを特徴とする。なお、本発明において「甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物」は、「香り成分およびγ−アミノ酪酸成分付与剤」と称することができる。
【0036】
後述の実施例に記載されるとおり、γ−アミノ酪酸成分および香り成分が顕著に変化している。香り成分としては具体的に、リナロール、リナロールオキサイド、ゲラニオール、サリチル酸メチル、ベンジルアルコール、2−フェニルエタノール、ネロリドール等が増加している。このような香り成分の変化は、配糖体として緑茶中に存在する成分が、乳酸発酵によって増加したためと考えられる。
【0037】
このような成分の変化により、本発明の甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物は、それ自体を主原料とした「甘い香り」を有する緑茶飲料になり得る。また、本発明の甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物は、それ自体を主原料とした「甘い香り」を有する香料になり得る。ここで主原料とは、実質的に「本発明の甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物」から成るものであり、成分劣化の防止のために適宜添加剤を含有していてもよい。
【0038】
本発明の甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物を主原料とした緑茶飲料および香料は、そのまま液体の形態であってもよいし、本発明の甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物を濃縮したエキスおよび粉体の何れの形態であってもよい。
【0039】
また、本発明の甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物は、その香り成分とγ−アミノ酪酸成分を任意の製品に添加するために使用することもできる。すなわち、本発明の甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物は、花のような「甘い香り」が強いため、飲料のフレーバ、特に茶飲料のフレーバとして実用性が高い。茶飲料以外のその他の食品に添加することも可能であり、例えば、アイスクリーム、キャンディ、タブレット菓子、そば等に添加すれば茶の「甘い香り」を強調することができ、美味しさを増すことができる。更に、芳香剤、化粧品、医薬部外品(デオドラント商品、入浴剤、ドリンク剤)、医薬品(トローチ、ドリンク剤)、繊維製品への利用も可能であり、従来得られなかった茶風味を強調した製品開発が可能となる。
【0040】
また、上述のとおり本発明の甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物は、乳酸菌の作用により、原料の茶抽出液と比べてγ−アミノ酪酸(GABA)の含有量が増加している(後述の実施例参照)。これは、原料の茶抽出液中のL−グルタミン酸から、乳酸菌の作用によりγ−アミノ酪酸がつくられたためである。
【0041】
そのため、本発明の甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物は、γ−アミノ酪酸の有している生理機能を生かして、血圧降下作用を期待した成人病予防食品、健康食品に利用することもできる。なお、ここで血圧降下作用は、γ−アミノ酪酸の有している生理機能の一例である。従って、本発明の甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物が、γ−アミノ酪酸のその他既知の生理機能(例えば、精神安定作用)を生かして、種々の食品に添加可能であることはいうまでもない。
【0042】
【実施例】
<実施例1:ポリフェノール、アミノ酸の分析>
1.分析試料の調製
緑茶抽出物製品((株)伊藤園製「テアフラン30E」)を80℃の水に溶かし、12度Brixの緑茶抽出液を得た。この抽出液にポリビニルポリピロリドンを40g/L添加してポリフェノールを吸着させ、さらにこの抽出液をろ過することによりポリビニルポリピロリドンを除去した。この抽出液(脱ポリフェノール抽出液)に乳酸菌(ラクトバチルス・ブレビス TY1485)10〜10個/mLを液重量に対して2%植菌して、30℃、64時間培養した。培養液を12,000 Gで遠心分離しろ過した後、90℃で達温殺菌し、「緑茶抽出物」を得た。
【0043】
この製造フローチャートを図1に示す。図1に示す▲1▼〜▲3▼の各段階でそれぞれを噴霧乾燥し、粉末を得た。
【0044】
2.分析方法
図1に示す▲1▼〜▲3▼の各段階で得た粉末(以下、それぞれを粉末▲1▼〜▲3▼と称する)について、ポリフェノール、アミノ酸の分析を行った。
【0045】
粉末▲1▼〜▲3▼それぞれ50mgを蒸留水に溶解し、1000mlメスフラスコに定容した。この溶液を0.45μmのフィルターでろ過し、ろ液をそれぞれポリフェノール、アミノ酸の分析に供した。ポリフェノールは、酒石酸鉄発色により比色定量した(参考文献:茶業研究報告書33号(1970)69−73)。アミノ酸は、OPAプレラベルによる高速液体クロマトグラフィーで定量した(参考文献:茶業研究報告書69号(1989)29−34)。高速液体クロマトグラフィーの条件は、以下のとおりである。
【0046】
カラム :WakosilII5C18HG 4.6×250 mm
カラム温度 :40℃
移動相 :A溶液 エタノール:クエン酸バッファー(12:88(V/V))
B溶液 エタノール:クエン酸バッファー(50:50(V/V))
ここでクエン酸バッファーは、5mMクエン酸3カリウム溶液をクエン酸でpH6に合わせたものである。

Figure 0003605601
【0047】
3.分析結果
粉末▲1▼〜▲3▼のポリフェノール、アミノ酸分析結果を表1に示す。ポリフェノールについては、各粉末総重量に占めるポリフェノール重量%を示し、アミノ酸については、各粉末1gあたりの重量(mg)を示す。
【0048】
【表1】
Figure 0003605601
【0049】
脱ポリフェノール処理により、粉末▲2▼のポリフェノール含有量は、未処理の粉末▲1▼と比べて約1/4に減少した。アミノ酸含有量については、脱ポリフェノール処理により粉末▲2▼で相対的に増加したが、乳酸菌発酵後の粉末▲3▼では、L−グルタミン酸(Glu)が減少し、γ−アミノ酪酸(GABA)が増大した。
【0050】
<実施例2:香気成分の分析および緑茶飲料の官能評価>
1.分析試料の調製
1−1.本発明の茶飲料
本発明の茶飲料として、緑茶飲料(本発明品、レトルトなし)および緑茶飲料(本発明品、レトルト品)を以下に記載のとおり調製した。
【0051】
実施例1で得た「緑茶抽出物」25mlを蒸留水500mlに加え、L−アスコルビン酸0.2gと重炭酸水素ナトリウムを添加することによりpH6.1に調整した。この溶液に蒸留水を加え1000mlとして90℃で殺菌し、190ml缶に充填・巻締めし、「緑茶飲料(本発明品、レトルトなし)」を得た。
【0052】
また、得られた緑茶飲料(本発明品、レトルトなし)を123℃、7分の条件でレトルト殺菌して、「緑茶飲料(本発明品、レトルト品)」を得た。
【0053】
1−2.比較のための茶飲料
比較のための茶飲料として、緑茶飲料(対照1)および緑茶飲料(対照2)を以下に記載のとおり調製した。
【0054】
緑茶抽出物製品((株)伊藤園「テアフラン30E」)を80℃の水に溶かし、12度Brixの緑茶抽出液を得た。この抽出液にポリビニルポリピロリドンを40g/L添加してポリフェノールを吸着させ、さらにこの抽出液をろ過することによりポリビニルポリピロリドンを除去した。得られたポリフェノール除去後の抽出物25mLを、80℃の蒸留水500mlに溶かし、L−アスコルビン酸0.2gと重炭酸水素ナトリウムを添加することによりpH6.1に調節した。この溶液に蒸留水を加え1000mlとして90℃に加熱して190ml缶に充填・巻締めした。これを123℃、7分の条件でレトルト殺菌して、「緑茶飲料(対照1)」を得た。
【0055】
また、煎茶10gを80℃の蒸留水1000mlにて5分間抽出し、茶殻を除去した後、直ちに遠心分離処理を行った液にL−アスコルビン酸0.2g添加してpH4.5に調整後、20℃以下に急冷して遠心分離処理を行い、その上澄液をけいそう土により濾滓濾過し、その後に重炭酸水素ナトリウムを用いてpH6.1に調整した。この溶液を90℃に加熱して190ml缶に充填・巻締めした。これを123℃、7分の条件でレトルト殺菌して、「緑茶飲料(対照2)」を得た。(特公平7−97965、緑茶飲料の製造方法を参考とした。)
【0056】
2.分析方法
上記方法に従って調製された緑茶飲料(本発明品、レトルトなし)、緑茶飲料(本発明品、レトルト品)、緑茶飲料(対照1)、および緑茶飲料(対照2)について、ガスクロマトグラフ質量分析装置により香気成分を分析し、官能評価を行った。
【0057】
香気成分の分析については以下のとおり行った。
【0058】
各緑茶飲料10mLをヘッドスペースバイアルに入れ、スターラーバー固相抽出法(SBSE)により、1時間撹拌し香気成分を捕集した。分析及び化合物の同定は加熱脱着装置付きガスクロマトグラフ質量分析装置を用いた。内標準物質として0.1%シクロヘキサノールを5μL添加した。
【0059】
試験条件は次のとおりである。
【0060】
Figure 0003605601
【0061】
また官能評価については、以下のとおり行った。
【0062】
各緑茶飲料を、6名のパネルのブラインドテストにより評価した。各緑茶飲料の「水の色」、「香気」、「渋味」、「総合」について、それぞれ5段階の評価(「+最も評価が低い」〜「+++++最も評価が高い」)と、コメントを用紙に記入してもらった。
【0063】
3.分析結果
緑茶飲料(本発明品、レトルトなし)、緑茶飲料(本発明品、レトルト品)、緑茶飲料(対照1)、および緑茶飲料(対照2)の香気成分分析結果を、それぞれ図2〜図5に示す。図2〜図5に示すクロマトグラフのピーク番号は次のとおりである。
【0064】
I.S. シクロヘキサノール(内部標準物質)
第1ピーク シス−3−ヘキセン−1−オール(緑の香り)
第2ピーク シス−リナロールオキサイド
第3ピーク トランス−リナロールオキサイド
第4ピーク リナロール
第5ピーク ノナノール
第6ピーク サリチル酸メチル
第7ピーク ゲラニオール
第8ピーク ベンジルアルコール
第9ピーク 2−フェニル−エタノール
第10ピーク ネロリドール
第11ピーク 4−ビニルフェノール
【0065】
緑茶飲料(本発明品、レトルトなし)、緑茶飲料(本発明品、レトルト品)、緑茶飲料(対照1)、および緑茶飲料(対照2)について、官能評価を行った結果を表2に示す。表2には、6名のパネルに記入してもらった5段階の評価(「+最も評価が低い」〜「+++++最も評価が高い」)の平均値(四捨五入)、および代表的なコメントを示す。
【0066】
【表2】
Figure 0003605601
【0067】
比較のための緑茶飲料(対照1)および緑茶飲料(対照2)のガスクロマトグラフ質量分析によるイオンクロマトグラム(図4、図5)では香気成分が少なかった。また、官能評価においてもレトルト臭があり香りが弱かった。
【0068】
一方、本発明の緑茶飲料(本発明品、レトルトなし)のガスクロマトグラフ質量分析によるイオンクロマトグラム(図2)ではシス−リナロールオキサイド、トランス−リナロールオキサイド(爽やかなみつば)、リナロール(スズラン系の花香)、ノナノール、サリチル酸メチル(ウインターグリーンに似た刺激のある香り)、ゲラニオール(新鮮なバラ香)、ベンジルアルコール(ヒアシンス香)、2−フェニル−エタノール(バラ香)、ネロリドール(花香)があった。また官能評価においても緑茶特有の甘く爽やかな香りがあり、比較のための緑茶飲料(対照1)および緑茶飲料(対照2)と比較しても明らかな香りの差があった。
【0069】
また、本発明の緑茶飲料(本発明品、レトルト品)のガスクロマトグラフ質量分析によるイオンクロマトグラム(図3)でも、本発明の緑茶飲料(本発明品、レトルトなし)と同様な成分であったが、加熱によりサリチル酸メチル、ネロリドールは少し低下し、4−ビニルフェノールがやや増加した。官能評価ではややレトルト臭があったが、緑茶特有の甘く爽やかな香りがあり、比較のための緑茶飲料(対照1)および緑茶飲料(対照2)と比較しても明らかな香りの差があった。
【0070】
<実施例3:緑茶飲料(対照2)に本発明の緑茶抽出物を添加した緑茶飲料の官能評価>
本実施例では、実施例2で得た「緑茶飲料(対照2)」に、実施例1で得た「緑茶抽出物」を添加し、これにより得られた緑茶飲料の官能評価を行った。
【0071】
すなわち、煎茶10gを80℃の蒸留水1000mlにて5分間抽出し、茶殻を除去した後、直ちに遠心分離処理を行った液にL−アスコルビン酸0.2g添加してpH4.5に調整後、20℃以下に急冷して遠心分離処理を行い、その上澄液をけいそう土により濾滓濾過し、その後に重炭酸水素ナトリウムおよび実施例1で得た「緑茶抽出物」(添加量0.05 ppm、0.1 ppm、0.5 ppm)を用いてpH6.1に調整した。この溶液を90℃に加熱して190ml缶に充填・巻締めした。これを123℃、7分の条件でレトルト殺菌して、「緑茶飲料(本発明の緑茶抽出物添加品)」を得た。
【0072】
「緑茶飲料(本発明の緑茶抽出物添加品)」の官能評価を行った結果、「緑茶抽出物」の添加量を増やすに伴い、甘い香りが増加した。また、「緑茶抽出物」の添加量を増やすに伴い、γ−アミノ酪酸の量も増加した。
【0073】
<実施例4:香料の官能評価および香料を付香した飴の官能評価>
以下に記載のとおり、「対照香料」と「本発明の成分入り香料」を処方し、官能評価を行った。本実施例で使用する「本発明の成分」は、上述の実施例1で得た「緑茶抽出物」である。
【0074】
【表3】
Figure 0003605601
【0075】
緑茶香料処方(表3)に従い、対照香料と本発明の成分入り香料を調製し、両者を匂い紙及び水付香にて官能比較した結果、対照香料は匂い立ちがシャープでグリーンなケミカル感が強く感じられるのに対し、本発明の成分入り香料は匂い立ちが柔らかく、甘い花香を有するボリュームのあるボディ感を有していた。
【0076】
また、表3に記載の「対照香料」と「本発明の成分入り香料」のそれぞれの香料を用いて、以下に記載のとおり緑茶飴を処方し、官能評価を行った。
【0077】
処方(出来上がり1kg)
グラニュー糖 700.00g
水飴 490.00g
緑茶ペースト 3.00g
香料 2.00g
(緑茶ペーストは重量比で抹茶40%、食用油脂60%から成るものを使用した)
【0078】
調製法
グラニュー糖と水飴を鍋に計量し、直火で150℃まで加熱したのち、135℃程度まで急冷し、ペーストと香料を添加してよく攪拌したのち、大理石上で冷やしながら棒状にして成形した。
【0079】
官能評価は、社内6名のパネルのブラインドテストにより5段階評価及びコメントを用紙に記入してもらうことにより行った。その5段階評価の結果を平均値(四捨五入)により示す。「+」の数が多いほど好評価であることを示す。
【0080】
【表4】
Figure 0003605601
【0081】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明の甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物の製造方法は、乳酸菌の代謝能力にのみ依存した簡便な方法である点で優れている。本発明の方法により得られる、甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物は、乳酸菌の作用により茶抽出液の成分が変化し、これにより新たな機能(甘い香りおよび高いγ−アミノ酪酸の含有量)を獲得したものである。本発明の甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物は、茶植物に由来する天然の茶抽出物であって、茶の特定の香りが強調されているため、食品を含む種々の製品への適用が可能である。また、本発明の甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物は、茶植物に由来する天然の茶抽出物であって、γ−アミノ酪酸の含有量が増大しているため、その生理機能を生かした種々の製品への適用も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の「緑茶抽出物」を製造する手順の一例を示すフローチャート図。
【図2】本発明の緑茶飲料(本発明品、レトルトなし)の香気成分を示す、ガスクロマトグラフ質量分析によるイオンクロマトグラムを示す図。
【図3】本発明の緑茶飲料(本発明品、レトルト品)の香気成分を示す、ガスクロマトグラフ質量分析によるイオンクロマトグラムを示す図。
【図4】本発明で使用した比較のための緑茶飲料(対照1)の香気成分を示す、ガスクロマトグラフ質量分析によるイオンクロマトグラムを示す図。
【図5】本発明で使用した比較のための緑茶飲料(対照2)の香気成分を示す、ガスクロマトグラフ質量分析によるイオンクロマトグラムを示す図。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a γ-aminobutyric acid-rich substance having a sweet fragrance by reacting a lactic acid bacterium on a tea extract, and a γ-aminobutyric acid-rich substance having a sweet fragrance obtained by the method. . The γ-aminobutyric acid-rich material having a sweet fragrance of the present invention can produce a tea beverage or a fragrance having functionality (that is, a sweet scent and a high γ-aminobutyric acid content) by itself, or a tea beverage. To impart the functionality. Further, the high content of γ-aminobutyric acid having a sweet fragrance of the present invention can be added to any product other than a tea beverage to impart the functionality.
[0002]
[Prior art]
BACKGROUND ART Conventionally, attention has been paid to scent as a unique function of tea, and scent components are extracted, and scent is improved and improved.
[0003]
As a method of extracting scent components, there is a method of extracting flavor components from tea using an organic solvent such as alcohol or hexane.However, it only extracts scent components and uses flammable substances. Attention was needed. In addition, a method of extracting flavor components using liquefied carbon dioxide gas and a method of extracting flavor components using supercritical carbon dioxide gas extraction method are known. Cannot be obtained by emphasizing the specific scent ("sweet scent") possessed by the scent. In addition, the supercritical carbon dioxide gas extraction method requires equipment costs and is difficult to put into practical use.
[0004]
As a technique for improving the tea scent, there is a technique for improving the flavor of the tea by a burning treatment of the tea, which can give out a fragrant scent, but other scents (such as the flower of the present invention) Sweet scent) cannot be produced.
[0005]
Furthermore, as a technique for improving the aroma of tea, Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-286260 discloses a method in which a hydrolytic enzyme is added to green tea leaves, and the green tea leaves are allowed to stand for a suitable time under pressure in a sealed state with the hydrolytic enzymes. ing. By using β-glucosidase as a hydrolase, a refreshing scent component (cis-3-hexenol), a main component of green tea (linalool and nerolidol), and a sweet scent component by burning treatment are left in a well-balanced manner. It is recognized that However, although the scent is improved by this method, it is difficult to separate the hydrolase, and when the food is used, the hydrolase must be indicated.
[0006]
As described above, in the conventional method, the purpose is to provide a scent closer to the real thing, but in reality, the components change drastically and added to beverages, foods, fragrances, cosmetics, quasi-drugs, pharmaceuticals, etc. Sometimes they are foreign. When trying to create a flavor or additive that emphasizes a specific scent (for example, a sweet scent) of tea, there are methods such as adding a synthetic fragrance, but achieving its purpose naturally when considering safety-oriented Is desired.
[0007]
On the other hand, studies have been made to include a functional component called γ-aminobutyric acid (GABA) in foods including tea.
[0008]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-210075 “Lactic acid bacteria having high γ-aminobutyric acid-producing ability, and γ-aminobutyric acid-rich fermented foods using the lactic acid bacteria and a method for producing the same” has attracted attention as a compound having an effect of suppressing an increase in blood pressure. A lactic acid bacterium having a high productivity of γ-aminobutyric acid (GABA), a highly-healthy food containing GABA at a high content using the lactic acid bacterium, and a method for producing the food are disclosed.
[0009]
In addition, it was confirmed that γ-aminobutyric acid increased when fresh tea leaves were placed under anaerobic conditions. In particular, it has been reported that γ-aminobutyric acid becomes 150 mg / 100 g or more in tea production by nitrogen gas treatment (γ-aminobutyric acid). Production of tea containing amino acids and its characteristics, Toshiro Tsushida et al .: Journal of the Japanese Society of Agricultural Chemistry, Vol. 61, No. 7, p817-822, 1987). However, when the mass spectrometry was performed by gas chromatography, methyl and ethyl esters of fatty acids were increased, and an unpleasant odor was exhibited. It is sold under the name "GABARON TEA" using this manufacturing method, but it is considered that the burn-in treatment is made stronger than usual in order to hide the unpleasant odor.
[0010]
Japanese Patent Application Laid-Open No. H11-127781 discloses a method for improving this method and increasing the content of γ-aminobutyric acid. In other words, the present invention is a method for producing tea having a high content of γ-aminobutyric acid, which comprises performing an anaerobic treatment after alternately repeating an anaerobic treatment and an aerobic treatment of tea leaves. This alternate operation is repeated 1 to 12 times, which is effective for the second to third teas having a relatively low amino acid content. Also, no unpleasant odor is mentioned.
[0011]
Any of these methods for increasing the concentration of γ-aminobutyric acid is unpleasant and difficult to drink.
[0012]
In addition, fermented tea produced by lactic acid bacteria has long been used as post-fermented tea (for example, Awabancha), but does not have any flower-like aroma, but rather has an acid smell like pickles, and is characteristic of tea, "sweet". It doesn't smell. Similarly, Poual tea is a post-fermented tea using mold, but has a strong mold odor. All of these fermented teas impair the original tea aroma.
[0013]
[Problems to be solved by the invention]
Under such circumstances, the present invention is a novel tea extract which is a natural tea extract derived from a tea plant and has acquired new functionality in both its aroma component and a component having biological activity, that is, a sweet tea extract. It is an object of the present invention to provide a γ-aminobutyric acid-rich substance having a fragrance.
[0014]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have found that culturing lactic acid bacteria in a tea extract enhances the “sweet aroma” and increases the content of γ-aminobutyric acid, leading to the completion of the present invention. Was.
[0015]
That is, the present invention is achieved by the following means.
[0016]
(1) removing polyphenols from the tea extract;
Culturing lactic acid bacteria in the tea extract after removing the polyphenol; and
A method for producing a high content of γ-aminobutyric acid having a sweet fragrance, characterized by comprising:
(2) The step of removing the polyphenol comprises:
From the group consisting of polyvinylpolypyrrolidone, polyvinylpyrrolidone, styrene-divinylbenzene adsorbent, methacrylate ester adsorbent, cross-linked dextran gel, hydrophilic vinyl polymer adsorbent, reverse phase adsorbent, and normal phase adsorbent A step of adsorbing polyphenol using a selected adsorbent, or
This is a liquid-liquid distribution process using an organic solvent.
The method for producing a high content of γ-aminobutyric acid having a sweet fragrance according to (1), which is characterized in that:
(3) The method according to (1) or (2), further comprising a step of removing lactic acid bacteria from the culture solution after the culture.
(4) A method for producing a high content of γ-aminobutyric acid having a sweet fragrance, comprising a step of culturing Lactobacillus brevis in a tea extract.
[0017]
(5) A high content of γ-aminobutyric acid having a sweet fragrance obtained by the method according to any one of (1) to (4).
(6) A fragrance component and a γ-aminobutyric acid component imparting agent obtained by culturing lactic acid bacteria in a tea extract.
(7) A tea beverage produced using the high content of γ-aminobutyric acid having a sweet scent according to (5) as a main raw material.
(8) A fragrance produced by using the high content of γ-aminobutyric acid having a sweet scent according to (5) as a main raw material.
(9) A tea beverage to which the high content of γ-aminobutyric acid having a sweet scent according to (5) or the fragrance component and the γ-aminobutyric acid component imparting agent according to (6) is added.
(10) A fragrance to which the high content of γ-aminobutyric acid having a sweet scent according to (5) or the fragrance component and the γ-aminobutyric acid component imparting agent according to (6) are added.
(11) A food to which the high content of γ-aminobutyric acid having a sweet fragrance according to (5) or the fragrance component and the γ-aminobutyric acid component imparting agent according to (6) is added.
[0018]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail. The following description is for describing the present invention, and is not intended to limit the present invention.
[0019]
The “high content of γ-aminobutyric acid having a sweet fragrance” of the present invention is a substance having a sweet fragrance and containing γ-aminobutyric acid at a high concentration, a component contributing to the fragrance and a γ-aminobutyric acid component. And another component.
[0020]
<Production Method of High Content of γ-Aminobutyric Acid with Sweet Flower>
The method for producing a high content of γ-aminobutyric acid having a sweet fragrance of the present invention includes a step of culturing lactic acid bacteria in a tea extract.
[0021]
(About tea extract)
As the tea extract used in the method of the present invention, for example, a tea extract obtained by extracting tea with a solvent can be used.
[0022]
The leaves (including stems) of tea as a raw material of the tea extract are preferably plants of the family Camellia, for example, leaves of Camellia sinensis. Any tea, for example, green tea, oolong tea or black tea leaves can be used, and green tea sencha and bancha are preferably used.
[0023]
A tea extract can be obtained by extracting tea leaves (including stems) as raw materials, for example, as described below. Tea can be extracted using any of hydrophilic organic solvents such as water, ethyl alcohol, and isopropanol, or a combination thereof as a solvent. The extraction conditions can be appropriately set to obtain a tea extract having a desired concentration. The extraction temperature is generally between 30 and 100C, preferably between 40 and 80C. Although the extraction time depends on the temperature, it is generally 0.5 to 30 minutes, preferably 3 to 20 minutes. The amount of the solvent to be used is generally 3 to 100 g, preferably 5 to 50 g, based on 1 g of the tea weight.
[0024]
When hydrophilic organic solvents such as ethyl alcohol and isopropanol are used, these concentrations are generally removed to a concentration (1% or less) that does not inhibit the growth of lactic acid bacteria, since lactic acid bacteria are used in a later step. It is desirable.
[0025]
By such extraction, a tea extract can be obtained. In the present invention, at the time of culturing lactic acid bacteria later, the tea leaves as the raw material may be removed from the tea extract, or the tea extract may contain the tea leaves.
[0026]
Alternatively, as a substitute for the processing up to this point, a green tea extract product “Theafuran 30A” or “Theafuran 30E” manufactured by ITO EN Co., Ltd. is used, and if it is dissolved in water, it can be similarly used as a tea extract.
[0027]
The concentration of this tea extract may be appropriately adjusted by concentration or dilution after extraction. The tea extract may be adjusted to generally 3-20 degrees Brix, preferably 5-15 degrees Brix.
[0028]
After the extraction, it is preferable to remove the polyphenol from the tea extract. The purpose of removing the polyphenol is to reduce the growth inhibition of the polyphenol against the lactic acid bacteria, in order to allow the lactic acid bacteria to act in a later step. The polyphenol concentration is preferably set to 11% by weight or less.
[0029]
The removal of the polyphenol can be performed by any known technique, but is preferably performed by adsorbing the polyphenol using an adsorbent. Examples of the adsorbent include polyvinylpolypyrrolidone, polyvinylpyrrolidone, styrene-divinylbenzene-based adsorbent (such as Diaion manufactured by Mitsubishi Chemical), methacrylate-based adsorbent (such as Diaion manufactured by Mitsubishi Chemical), cross-linked dextran gel (Sepha manufactured by Pharmacia) Dex LH-20), hydrophilic vinyl polymer-based adsorbent (Toyopearl manufactured by Tosoh), reversed-phase adsorbent (Wakopak C18 manufactured by Wako Pure Chemical Industries, etc.), and normal-phase adsorbent (silica gel) One or more selected combinations can be used. More specifically, it is preferable to use a method described in a method for producing a tannin-free tea solution and a tea beverage (Japanese Patent Application Laid-Open No. 01-218550).
[0030]
Polyphenols can also be removed by a liquid-liquid partitioning method using methanol, ethanol, acetone, methyl acetate, ethyl acetate, n-butanol or the like as an organic solvent (JP-A-61-130285, JP-A-01-159778). it can.
[0031]
(About the process of culturing lactic acid bacteria in tea extract)
In the method for producing a γ-aminobutyric acid-rich product having a sweet fragrance of the present invention, lactic acid bacteria are cultured in the above tea extract.
[0032]
The lactic acid bacterium is not particularly limited as long as it is a bacterium capable of lactic acid fermentation of sugar. Specifically, Lactobacillus (for example, Lactobacillus brevis, Lactobacillus lactis, Lactobacillus acidophilus, Bacillus bulgaricus, Lactobacillus casei, etc.), Streptococcus lactis, etc., and lactic acid bacteria obtained by mixing one or more of these lactic acid bacteria may be used. More specifically, Lactobacillus brevis is preferable, and is described in JP-A-2000-210075, "Lactic acid bacteria having high γ-aminobutyric acid-producing ability, and γ-aminobutyric acid-rich fermented foods using the lactic acid bacteria and methods for producing the same”. Lactobacillus brevis as described.
[0033]
Culture conditions of lactic acid bacteria in the tea extract can be appropriately set as long as lactic acid bacteria can grow. A lactic acid bacterium is inoculated into the tea extract and cultured at generally 20 to 40 ° C, preferably about 30 ° C, for generally 16 to 72 hours, preferably 64 to 72 hours. The amount of lactic acid bacteria inoculated in the tea extract can be, for example, 2% by weight of the tea extract, and the culture can be performed by static culture. Under such conditions, the content of γ-aminobutyric acid in the tea extract becomes high approximately 40 hours after the start of the culture.
[0034]
If necessary, the culture solution obtained by the culturing is subjected to centrifugal filtration to remove turbidity together with the cells. Further, this can be concentrated by a known method to obtain a powder by spray drying or the like. That is, the γ-aminobutyric acid-rich material having a sweet fragrance of the present invention may be a culture solution itself obtained by culturing lactic acid bacteria in a tea extract, or subjecting the culture solution to any treatment. For example, it may be changed to any form such as a concentrated extract or powder.
[0035]
<High content of γ-aminobutyric acid with sweet fragrance>
The γ-aminobutyric acid-rich product having a sweet fragrance of the present invention obtained by the above-described method is characterized in that its components are different from those of the raw tea extract due to the action of lactic acid bacteria. In the present invention, the “gamma-aminobutyric acid-rich substance having a sweet floral fragrance” can be referred to as a “fragrance component and γ-aminobutyric acid component imparting agent”.
[0036]
As described in Examples described later, the γ-aminobutyric acid component and the scent component are significantly changed. As the fragrance component, specifically, linalool, linalool oxide, geraniol, methyl salicylate, benzyl alcohol, 2-phenylethanol, nerolidol and the like are increasing. It is considered that such a change in the scent component is due to an increase in components present in green tea as glycosides due to lactic acid fermentation.
[0037]
Due to such a change in the components, the high content of γ-aminobutyric acid having a sweet fragrance of the present invention can be a green tea beverage having a “sweet scent” using itself as a main ingredient. Further, the high content of γ-aminobutyric acid having a sweet fragrance of the present invention can be a fragrance having a “sweet scent” using itself as a main raw material. Here, the main raw material substantially consists of "the high content of [gamma] -aminobutyric acid having a sweet fragrance of the present invention", and may optionally contain additives for preventing component deterioration.
[0038]
The green tea beverages and flavors mainly containing the sweet fragrance-rich γ-aminobutyric acid substance of the present invention may be in a liquid form as they are or the sweet fragrance-rich γ-aminobutyric acid-rich substance of the present invention. May be in the form of an extract or powder obtained by concentrating.
[0039]
Further, the high content of γ-aminobutyric acid having a sweet fragrance of the present invention can be used for adding the fragrance component and the γ-aminobutyric acid component to any product. That is, the high content of γ-aminobutyric acid having a sweet fragrance of the present invention has a strong “sweet fragrance” like a flower, and thus has high utility as a flavor of a beverage, particularly a flavor of a tea beverage. It can also be added to other foods other than tea drinks, for example, if added to ice cream, candy, tablet confectionery, buckwheat, etc., it can emphasize the "sweet scent" of tea and increase the taste Can be. In addition, it can be used for fragrances, cosmetics, quasi-drugs (deodorant products, bath additives, drinks), pharmaceuticals (troches, drinks), and textiles. Product development becomes possible.
[0040]
Further, as described above, the content of γ-aminobutyric acid having a sweet fragrance of the present invention, which has a high content of γ-aminobutyric acid (GABA), is increased by the action of lactic acid bacteria as compared with the raw tea extract ( See the examples below). This is because γ-aminobutyric acid was produced from L-glutamic acid in the raw tea extract by the action of lactic acid bacteria.
[0041]
Therefore, the high content of γ-aminobutyric acid having a sweet fragrance of the present invention can be used for adult disease prevention foods and health foods which are expected to lower blood pressure by utilizing the physiological function of γ-aminobutyric acid. You can also. Here, the blood pressure lowering action is an example of a physiological function of γ-aminobutyric acid. Therefore, it can be said that the high content of γ-aminobutyric acid having a sweet fragrance of the present invention can be added to various foods by making use of other known physiological functions of γ-aminobutyric acid (for example, mental stability). Not even.
[0042]
【Example】
<Example 1: Analysis of polyphenol and amino acid>
1. Preparation of analysis sample
A green tea extract product (“Theafran 30E” manufactured by Ito En Co., Ltd.) was dissolved in water at 80 ° C. to obtain a 12 ° Brix green tea extract. 40 g / L of polyvinyl polypyrrolidone was added to this extract to adsorb polyphenol, and the extract was filtered to remove polyvinyl polypyrrolidone. Lactic acid bacteria (Lactobacillus brevis TY1485) 10 5 -10 6 Cells / mL were inoculated at 2% with respect to the liquid weight and cultured at 30 ° C. for 64 hours. The culture was centrifuged at 12,000 G, filtered, and then sterilized by heating at 90 ° C. to obtain a “green tea extract”.
[0043]
This manufacturing flowchart is shown in FIG. Each of the steps (1) to (3) shown in FIG. 1 was spray-dried to obtain a powder.
[0044]
2. Analysis method
The polyphenols and amino acids were analyzed for the powders obtained in each of the steps (1) to (3) shown in FIG. 1 (hereinafter referred to as powders (1) to (3)).
[0045]
50 mg of each of the powders (1) to (3) was dissolved in distilled water, and the volume was set in a 1000 ml volumetric flask. This solution was filtered through a 0.45 μm filter, and the filtrate was subjected to polyphenol and amino acid analysis, respectively. Polyphenols were colorimetrically determined by iron tartrate color development (Reference: Tea Business Research Report No. 33 (1970) 69-73). Amino acids were quantified by high performance liquid chromatography using OPA prelabeling (Reference: Tea Business Research Report No. 69 (1989) 29-34). The conditions for high performance liquid chromatography are as follows.
[0046]
Column: Wakosil II5C 18 HG 4.6 × 250 mm
Column temperature: 40 ° C
Mobile phase: solution A Ethanol: citrate buffer (12:88 (V / V))
B solution ethanol: citrate buffer (50:50 (V / V))
Here, the citrate buffer is obtained by adjusting a pH 5 of a 5 mM tripotassium citrate solution with citric acid.
Figure 0003605601
[0047]
3. result of analysis
Table 1 shows the results of polyphenol and amino acid analysis of the powders (1) to (3). For polyphenol, it indicates the weight percentage of polyphenol relative to the total weight of each powder, and for amino acids, it indicates the weight (mg) per gram of each powder.
[0048]
[Table 1]
Figure 0003605601
[0049]
By the polyphenol removal treatment, the polyphenol content of the powder (2) was reduced to about 1/4 as compared with the untreated powder (1). Amino acid content was relatively increased in powder (2) due to depolyphenol treatment, but in powder (3) after lactic acid bacteria fermentation, L-glutamic acid (Glu) decreased and γ-aminobutyric acid (GABA) decreased. Increased.
[0050]
<Example 2: Analysis of aroma components and sensory evaluation of green tea beverage>
1. Preparation of analysis sample
1-1. Tea beverage of the present invention
As the tea beverages of the present invention, green tea beverages (products of the present invention, without retort) and green tea beverages (products of the present invention, retort products) were prepared as described below.
[0051]
25 ml of the “green tea extract” obtained in Example 1 was added to 500 ml of distilled water, and the pH was adjusted to 6.1 by adding 0.2 g of L-ascorbic acid and sodium bicarbonate. Distilled water was added to the solution to make it 1000 ml, sterilized at 90 ° C., filled in a 190 ml can and wound up to obtain a “green tea beverage (product of the present invention, no retort)”.
[0052]
Further, the obtained green tea beverage (the present invention, without retort) was subjected to retort sterilization at 123 ° C. for 7 minutes to obtain “green tea beverage (the present invention, retort product)”.
[0053]
1-2. Tea beverage for comparison
As a tea beverage for comparison, a green tea beverage (Control 1) and a green tea beverage (Control 2) were prepared as described below.
[0054]
A green tea extract product (Itoen “Theafran 30E”) was dissolved in water at 80 ° C. to obtain a 12 ° Brix green tea extract. 40 g / L of polyvinyl polypyrrolidone was added to this extract to adsorb polyphenol, and the extract was filtered to remove polyvinyl polypyrrolidone. 25 mL of the obtained extract after removing the polyphenol was dissolved in 500 ml of distilled water at 80 ° C., and the pH was adjusted to 6.1 by adding 0.2 g of L-ascorbic acid and sodium bicarbonate. Distilled water was added to the solution to make it 1000 ml, and the mixture was heated to 90 ° C., filled and wound into a 190 ml can. This was subjected to retort sterilization at 123 ° C. for 7 minutes to obtain “green tea beverage (control 1)”.
[0055]
In addition, 10 g of green tea was extracted with 1000 ml of distilled water at 80 ° C. for 5 minutes, and after removing the tea husk, 0.2 g of L-ascorbic acid was immediately added to the centrifuged liquid to adjust the pH to 4.5. The mixture was rapidly cooled to 20 ° C. or lower and centrifuged, and the supernatant was filtered with diatomaceous earth and filtered to pH 6.1 with sodium bicarbonate. This solution was heated to 90 ° C. and filled and wound into a 190 ml can. This was subjected to retort sterilization at 123 ° C. for 7 minutes to obtain “green tea beverage (control 2)”. (Refer to Japanese Patent Publication No. 7-97965, the method for producing a green tea beverage.)
[0056]
2. Analysis method
Using a gas chromatograph mass spectrometer, the green tea beverage (product of the present invention, no retort), green tea beverage (product of the present invention, retort product), green tea beverage (control 1), and green tea beverage (control 2) prepared according to the above method were prepared. The odor components were analyzed and the sensory evaluation was performed.
[0057]
The analysis of the aroma components was performed as follows.
[0058]
10 mL of each green tea beverage was placed in a headspace vial, and stirred for 1 hour by a stir bar solid phase extraction method (SBSE) to collect aroma components. Analysis and identification of the compound were performed using a gas chromatograph mass spectrometer equipped with a thermal desorption apparatus. 5 μL of 0.1% cyclohexanol was added as an internal standard substance.
[0059]
The test conditions are as follows.
[0060]
Figure 0003605601
[0061]
The sensory evaluation was performed as follows.
[0062]
Each green tea beverage was evaluated by a blind test of six panels. For each green tea beverage, "water color", "fragrance", "astringency", "comprehensive", each of five-level rating ("+ lowest rating"-"++++ + highest rating") and comment We had you fill out paper.
[0063]
3. result of analysis
FIGS. 2 to 5 show the results of analysis of the aroma components of the green tea beverage (product of the present invention, without retort), green tea beverage (product of the present invention, retort product), green tea beverage (control 1), and green tea beverage (control 2), respectively. Show. The peak numbers of the chromatographs shown in FIGS. 2 to 5 are as follows.
[0064]
I. S. Cyclohexanol (internal standard substance)
1st peak cis-3-hexen-1-ol (green scent)
2nd peak cis-linalool oxide
Third peak trans-linalool oxide
4th peak linalool
5th peak Nonanol
6th peak Methyl salicylate
7th peak Geraniol
8th peak benzyl alcohol
9th peak 2-phenyl-ethanol
10th peak nerolidol
11th peak 4-vinylphenol
[0065]
Table 2 shows the results of a sensory evaluation of the green tea beverage (the product of the present invention, without the retort), the green tea beverage (the present product, the retort product), the green tea beverage (Control 1), and the green tea beverage (Control 2). Table 2 shows the average value (rounded) of five-level evaluations ("+ lowest evaluation" to "++++ highest evaluation") and representative comments that were submitted to six panels. .
[0066]
[Table 2]
Figure 0003605601
[0067]
Gas chromatographic mass spectrometry ion chromatograms (FIGS. 4 and 5) of the green tea beverage (Control 1) and the green tea beverage (Control 2) for comparison showed that the flavor components were small. Also, in the sensory evaluation, there was a retort odor and the scent was weak.
[0068]
On the other hand, in the ion chromatogram (FIG. 2) of the green tea beverage of the present invention (the present product, without retort) by gas chromatography mass spectrometry (FIG. 2), cis-linalool oxide, trans-linalool oxide (fresh Mitsuba), linalool (lily of the valley) ), Nonanol, methyl salicylate (a stimulating fragrance similar to wintergreen), geraniol (fresh fragrance), benzyl alcohol (hyacinth fragrance), 2-phenyl-ethanol (rose fragrance), and nerolidol (flower fragrance) Was. Also, in the sensory evaluation, there was a sweet and refreshing aroma peculiar to green tea, and there was a clear difference in aroma as compared with the green tea beverage (control 1) and the green tea beverage (control 2) for comparison.
[0069]
In addition, the ion chromatogram (FIG. 3) of the green tea beverage of the present invention (the present invention product and the retort product) by gas chromatography / mass spectrometry (FIG. 3) showed the same components as those of the green tea beverage of the present invention (the present product without retort). However, by heating, methyl salicylate and nerolidol slightly decreased, and 4-vinylphenol slightly increased. In the sensory evaluation, there was a slight retort odor, but there was a sweet and refreshing scent peculiar to green tea, and there was a clear difference in fragrance even when compared with the green tea drink (control 1) and the green tea drink (control 2) for comparison. Was.
[0070]
<Example 3: Sensory evaluation of green tea beverage obtained by adding green tea extract of the present invention to green tea beverage (Control 2)>
In this example, the "green tea extract" obtained in Example 1 was added to the "green tea beverage (Control 2)" obtained in Example 2, and the sensory evaluation of the green tea beverage obtained in this way was performed.
[0071]
That is, 10 g of sencha was extracted with 1000 ml of distilled water at 80 ° C. for 5 minutes, and after removing the tea husk, 0.2 g of L-ascorbic acid was immediately added to the liquid subjected to centrifugation to adjust the pH to 4.5. The mixture was rapidly cooled to 20 ° C. or lower, centrifuged, and the supernatant was filtered with diatomaceous earth and filtered with sodium bicarbonate, followed by sodium bicarbonate and the “green tea extract” obtained in Example 1 (addition amount: 0.1 g). PH of the solution was adjusted to pH 6.1 with the use of pH, pH, or pH of 0.5 ppm, 0.1 ppm, or 0.5 ppm. This solution was heated to 90 ° C. and filled and wound into a 190 ml can. This was sterilized by retort at 123 ° C. for 7 minutes to obtain “green tea beverage (green tea extract-added product of the present invention)”.
[0072]
As a result of the sensory evaluation of the “green tea beverage (the green tea extract-added product of the present invention)”, the sweet scent increased as the amount of the “green tea extract” added increased. In addition, the amount of γ-aminobutyric acid also increased as the amount of “green tea extract” added increased.
[0073]
<Example 4: Sensory evaluation of fragrance and sensory evaluation of candy flavored with fragrance>
As described below, a “control flavor” and a “fragrance containing a component of the present invention” were formulated and subjected to a sensory evaluation. The “component of the present invention” used in this example is the “green tea extract” obtained in Example 1 described above.
[0074]
[Table 3]
Figure 0003605601
[0075]
According to the green tea flavor formula (Table 3), a control flavor and a flavor containing the ingredient of the present invention were prepared, and the two were organoleptically compared with an odor paper and a fragrance with water. As a result, the control flavor had a sharp smell and a green chemical feeling. In contrast to the strong perception, the perfume containing the ingredient of the present invention had a soft odor and a voluminous body with a sweet fragrance.
[0076]
In addition, green tea candy was formulated as described below using each of the “control flavor” and “fragrance containing the component of the present invention” shown in Table 3, and the sensory evaluation was performed.
[0077]
Prescription (finished 1kg)
Granulated sugar 700.00g
Syrup 490.00g
Green tea paste 3.00g
Fragrance 2.00g
(The green tea paste used was 40% matcha and 60% edible oil / fat by weight.)
[0078]
Preparation method
The granulated sugar and starch syrup were weighed in a pan, heated to 150 ° C. over an open flame, rapidly cooled to about 135 ° C., added with a paste and a flavor, stirred well, and then formed into a bar while cooling on marble.
[0079]
The sensory evaluation was performed by a blind test of six panels in the company and a five-level evaluation and comments were entered on a form. The results of the five-step evaluation are shown as average values (rounded off). The larger the number of “+”, the better the evaluation.
[0080]
[Table 4]
Figure 0003605601
[0081]
【The invention's effect】
As described above, the method for producing a high content of γ-aminobutyric acid having a sweet fragrance of the present invention is excellent in that it is a simple method depending only on the metabolic ability of lactic acid bacteria. The γ-aminobutyric acid-rich material having a sweet fragrance obtained by the method of the present invention changes the components of the tea extract by the action of lactic acid bacteria, thereby providing a new function (sweet fragrance and high γ-aminobutyric acid content). Amount). The high content of γ-aminobutyric acid having a sweet fragrance of the present invention is a natural tea extract derived from a tea plant, and a particular fragrance of tea is emphasized. Applicable. Further, the high content of γ-aminobutyric acid having a sweet fragrance of the present invention is a natural tea extract derived from a tea plant, and the content of γ-aminobutyric acid is increased. It can also be applied to various products that make use of it.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a flowchart showing an example of a procedure for producing the “green tea extract” of the present invention.
FIG. 2 is a view showing an ion chromatogram by gas chromatography / mass spectrometry, showing an aroma component of the green tea beverage of the present invention (product of the present invention, without retort).
FIG. 3 is a diagram showing an ion chromatogram by gas chromatography / mass spectrometry, showing an aroma component of the green tea beverage of the present invention (product of the present invention, retort product).
FIG. 4 is a diagram showing an ion chromatogram by gas chromatography / mass spectrometry showing the aroma components of a green tea beverage for comparison (Control 1) used in the present invention.
FIG. 5 is a view showing an ion chromatogram by gas chromatography / mass spectrometry, showing an aroma component of a green tea beverage for comparison (Control 2) used in the present invention.

Claims (7)

茶抽出液からポリフェノールを除去する工程と、
前記ポリフェノール除去後の茶抽出液中で乳酸菌を培養する工程と
を具備することを特徴とする、甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物の製造方法。
Removing polyphenols from the tea extract,
Culturing a lactic acid bacterium in the tea extract from which the polyphenol has been removed, a method for producing a γ-aminobutyric acid-rich substance having a sweet fragrance.
前記ポリフェノールを除去する工程が、
ポリビニルポリピロリドン、ポリビニルピロリドン、スチレン−ジビニルベンゼン系吸着剤、メタクリル酸エステル系吸着剤、架橋デキストランゲル、親水性ビニルポリマー系吸着剤、逆相系吸着剤、および順相系吸着剤から成る群より選択される吸着剤を用いてポリフェノールを吸着させる工程、又は
有機溶媒を使用した液−液分配工程である
ことを特徴とする、請求項1に記載の甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物の製造方法。
The step of removing the polyphenol,
From the group consisting of polyvinylpolypyrrolidone, polyvinylpyrrolidone, styrene-divinylbenzene adsorbent, methacrylate ester adsorbent, cross-linked dextran gel, hydrophilic vinyl polymer adsorbent, reverse phase adsorbent, and normal phase adsorbent The γ-aminobutyric acid-rich material having a sweet fragrance according to claim 1, which is a step of adsorbing polyphenol using a selected adsorbent or a liquid-liquid distribution step using an organic solvent. Manufacturing method.
前記培養後の培養液から乳酸菌を除去する工程を更に具備することを特徴とする、請求項1または2に記載の甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物の製造方法。The method according to claim 1 or 2, further comprising a step of removing lactic acid bacteria from the culture solution after the culture. 茶抽出液中でラクトバチルス・ブレビスを培養する工程を具備することを特徴とする、甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物の製造方法。A process for producing Lactobacillus brevis in a tea extract, the method comprising the steps of: 請求項1〜4の何れか1項に記載の方法により得られる、甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物。A γ-aminobutyric acid-rich substance having a sweet fragrance obtained by the method according to any one of claims 1 to 4. 請求項5に記載の甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物を主原料として用いて製造された茶飲料。A tea beverage produced by using the high content of γ-aminobutyric acid having a sweet fragrance according to claim 5 as a main raw material. 請求項5に記載の甘い花香を有するγ−アミノ酪酸高含有物を主原料として用いて製造された香料。A fragrance produced by using the high content of γ-aminobutyric acid having a sweet fragrance according to claim 5 as a main raw material.
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