JP3604449B2 - 走行走査しながら除草剤を選択的に散布するための装置 - Google Patents

走行走査しながら除草剤を選択的に散布するための装置 Download PDF

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克己 山崎
学 宗重
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、走行走査しながら採草地、牧草地などの永年草地に生えている雑草を光学的に識別し、この雑草に対してのみ除草剤を選択的に散布するための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
永年草地は、一度播種されると数年から数十年の間、採草地や牧草地として利用されるために、その草地の生育密度を高く維持する必要があるが、草地に雑草が侵入すると、牧草の生育が抑えられて牧草の密度低下が加速され、早期にその生産機能を失ってしまう。また、雑草が混入すると乾草、サイレージなどの粗飼料の品質低下を招くことにもなるため、これらの雑草を除草する必要があるが、これらの雑草除草の従来の方法としては、一般的に人力による抜取りや、同様のスポット除草などであった。
【0003】
しかし、人力による抜取除草や、人力による除草剤を使ったスポット除草は、極めて非能率なものであって、近年において、広大な面積の草地が開発されている現状では、その雑草処理は、到底行うことができない。このため、永年草地における雑草の抑圧には、多大な費用をかけて処理するか、高性能・高能率の除草機械を開発して、これらの問題を解決する必要がある。
【0004】
一方、種々の物体は、それ特有の分光立体角反射率を有しているので、特定の波長において被識別物体の分光立体角反射率を測定して、この測定値を既知のものと比較することにより、この物体の光学的識別が可能である。植物体においても、その種類により分光立体角反射率は異なるので、例えば、採草地、牧草地などの永年草地において、雑草のみを識別して、これを除草しようとする場合には、上記光学的方法による雑草の識別が可能となる。
【0005】
従来の分光立体角反射率の測定器として、光源、分光器、受光器を備えていて、異なる波長毎に、白色面のような基準となる物体と被識別物体との各分光放射輝度を測定して、被識別物体の分光放射輝度を基準物体の分光放射輝度で除すことにより、被識別物体の分光立体角反射率を求めるものが市販・使用されている。一般に、測定器の測定ヘッドと物体との距離が変化すると、分光立体角反射率も変化してしまう。例えば、上記永年草地において従来の測定器を連続移動させて、牧草、雑草の分光立体角反射率を検出して雑草を識別しようとする場合には、この牧草、雑草が起伏して繁茂しているために、その測定距離が変化するので、正確な分光立体角反射率の測定は困難となる。また、測定面積を大きくすると、測定距離の問題は解消されるが、個々の物体の分光放射輝度を正確に測定する場合には利用できない。
【0006】
そこで、本発明者は、相対移動を行う測定器の測定ヘッドと被識別物体との間の測定距離が変化する状態においても、被識別物体の分光立体角反射率を正確に算出可能にして、この物体の光学的識別を可能にすることを課題として、測定ヘッドには、被識別物体で反射された異なる複数の設定波長の光のみをそれぞれ検出可能な複数の検出器と、該測定ヘッドと被識別物体との距離を検出するための距離センサと、光源とが備え付けられていると共に、演算装置には、白色面のような基準となる物体の基準測定距離における前記各設定波長に対する分光放射輝度と、該基準物体の測定距離に対する分光放射輝度の変化に関する関係式と、複数の被識別物体について基準測定距離における前記各設定波長に対する基準分光立体角反射率とがそれぞれ入力されていて、該測定ヘッドを構成する複数の検出器によりそれぞれ検出された前記各設定波長における被識別物体の分光放射輝度と、前記距離センサにより検出された測定距離と、前記関係式とに基づいて前記各設定波長における被識別物体の各分光立体角反射率をそれぞれ算出し、各算出分光立体角反射率を前記演算装置によって統計的に演算処理して、該演算装置に入力されている各被識別物体に関する各設定波長の複数の基準分光立体角反射率と比較し、その全部、又は一定数以上のものが設定許容範囲内において合致した場合においてのみ、被識別物体を、演算装置にその基準分光立体角反射率が入力されている物体であると判定することを特徴とする物体の光学的識別方法に関する発明を完成させて、本出願と同時に、その特許出願を行った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この「物体の光学的識別方法」に係る発明を応用して、除草剤散布装置と光学的識別装置とを備えた台車を永年草地において走行させて、この光学的識別装置を構成する測定ヘッドを台車の走行方向と直交する方向に走行走査させることにより、この永年草地に生えている雑草を光学的に識別して、この雑草に対してのみ除草剤を選択的に散布することにより、スポット除草を高能率で、しかも効果的に行うことを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、走行走査しながら採草地、牧草地などの永年草地に生えている雑草を光学的に識別し、この雑草に対してのみ除草剤を選択的に散布するための装置であって、トラクタなどにより牽引されて走行する台車には、除草剤散布装置と光学的識別装置とが搭載され、該光学的識別装置は、地面と対向した測定ヘッドが前記台車の走行方向と直交する幅方向に走行走査して、直下に位置する被識別植物体の分光放射輝度、及び該被識別植物体との間の距離の測定を行うための測定ヘッドユニットと、該測定ヘッドにより測定された分光放射輝度、及び測定距離の各検出値に基づいて算出された被識別植物体の算出分光立体角反射率と、予め入力されている各被識別植物体の基準分光立体角反射率とを比較演算して、被識別植物体の種類を判定するための演算装置とを備えており、台車における前記測定ヘッドユニットの後方であって、しかもこれを構成する測定ヘッドの走行走査幅に対応する部分に、各々電磁弁を備えた複数の散布ノズルが所定間隔をおいて地面と相対向して装着されている構成を特徴としている。
【0009】
【発明の作用】
採草地、牧草地などの永年草地において台車が走行すると、光学的識別装置を構成する測定ヘッドは、該台車の走行方向と直交する幅方向に沿って走行走査して、その直下の被識別植物体の分光放射輝度、及び測定距離とを測定する。この測定ヘッドにより測定された被識別植物体の分光放射輝度、及び測定距離の各検出値に基づいて、分光立体角反射率が算出されて、演算装置に入力される。そして、この算出分光立体角反射率と、演算装置に予め入力されている各被識別植物体の基準分光立体角反射率とが比較演算されて、被識別植物体が除草対象の雑草であると判定された場合においてのみ、測定ヘッドによる雑草の識別時から設定時間だけ経過した後に、複数の散布ノズルのうち測定ヘッドの走行方向に沿った識別位置に対応するものの電磁弁が開かれて、雑草と判定された被識別植物体に除草剤散布装置から所定時間だけ除草剤が選択的に散布されて、スポット除草が行われる。
【0010】
【実施例】
以下、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明する。図1は、本発明に係る除草剤の散布装置の側面図であり、図2は、同じく平面図であり、図3は、同じく散布原理を示す模式図である。図1ないし図3において、台車Tはトラクタなどにより牽引されて走行するものであって、これを構成する車両フレーム1には、一対の車輪2が取付けられていて、該車両フレーム1の前端部には、トラクタなどに連結されるヒッチ3と、該車両フレーム1を水平に保つためのスタンド4とが設けられている。また、車両フレーム1の前部には、噴霧ポンプ5と薬液タンク6とが搭載され、該薬液タンク6の後方の部分には、後述の各種測定及び制御機器を収納するための機器収納ボックス7が搭載されている。更に、車両フレーム1の前部の両側面には、それぞれアーム8の上端部が枢着されていて、各アーム8の下端部には、背丈の高い牧草、雑草などを押さえ付けて、これを低くするための鎮圧輪9が取付けられ、該鎮圧輪9は、スプリング10の作用により下方に付勢されている。
【0011】
また、車両フレーム1の後部には、光学的識別装置を構成する測定ヘッドユニットUが装着されている。この測定ヘッドユニットUは、車両フレーム1の後部に単軸ロボット装置11が台車Tの走行方向Pと直交する幅方向Qに沿って水平に取付けられて、該単軸ロボット装置11に測定ヘッドBが装着されて、往復走行するように装着されている。この測定ヘッドBの具体的構成は、後述の通りであるが、その測定面が下方を向いて地面と相対向していて、被識別植物体に対して台車Tの幅方向Qに沿って走行走査する。車両フレーム1には、計測コードアーム12の垂直部が回動可能に支承され、その傾斜部に計測コード13が案内支持されて、該計測コード13は前記測定ヘッドBに接続されている。よって、測定ヘッドBが台車Tの幅方向Qに沿って走行走査を行うと、これに追従して、計測コードアーム12は、その垂直部を中心にして往復回動することになる。測定ヘッドBが走行走査する部分は、自然光が入り込んで、測定精度が低下するのを防止するための遮光カバー14で覆われている。
【0012】
また、車両フレーム1の後部には、一対のノズルフレーム15を介して噴霧管16が台車Tの幅方向Qに沿って取付けられている。この噴霧管16は、前記測定ヘッドユニットUの後方であって、しかも測定ヘッドBの走行走査幅に対応する部分に配置されている。この噴霧管16には、各々電磁弁V〜Vを備えた複数の噴霧ノズルN〜Nが台車Tの幅方向Qに沿って所定間隔をおいて取付けられている。噴霧管16と前記噴霧ポンプ5とは、噴霧ホース17で接続され、該噴霧ポンプ5に接続された吸入ホース18は、前記薬液タンク6に入り込んでいる。
【0013】
次に、前記測定ヘッドBがその構成要素の一部となっている分光放射輝度の測定器について説明する。図4は、物体の光学的識別方法の原理を示す図であり、図5は、複数の検出器C〜Cと、超音波センサ22と、光源23との配置を示すために、測定ヘッドBを底面から見た図である。図4及び図5において、分光放射輝度の測定器は、測定器本体Aと測定ヘッドBとで構成される。実施例の測定ヘッドBは、装備した干渉フィルター21の作用によって、被識別植物体Mで反射された互いに異なる複数の各設定波長の光のみをそれぞれ検出可能な6種類の検出器C〜Cと、被識別植物体Mと該測定ヘッドBとの間の距離(H)を検出するための超音波センサ22と、ハロゲンランプから成る光源23とを備え、その中心部に円形の超音波センサ22と、同じく円形の光源23とが同心に配設されて、それらの回りに6種類の円形の検出器C〜Cが配設されている。なお、実施例の検出器C〜Cは、シリコンフォトダイオードによる光学素子から成る。
【0014】
各検出器C〜Cでは、これに装備した干渉フィルター21に対応した設定波長の光のみが検出され、この複数種類の光は、ケーブル24を介して測定器本体Aに導かれて、この測定器本体A内において、各設定波長の光の分光放射輝度はアナログ量として算出され、この分光放射輝度に関するアナログ量は、A/D変換器25によりディジタル信号に変換された後に、パソコンなどの演算装置Dに入力される。一方、超音波センサ22によって被識別植物体Mと測定ヘッドBとの間の距離(H)が検出され、この測定距離(H)に関するアナログ量もアンプ26により増幅された後に、前記A/D変換器25によりディジタル信号に変換されて演算装置Dに入力される。
【0015】
次に、演算装置Dについて説明する。この演算装置Dには、白色面のような基準となる物体の基準測定距離における各設定波長に対する分光放射輝度と、この基準物体の測定距離に対する分光放射輝度の変化に関する関係式が入力されている。
【0016】
ここで、一般の物体の分光立体角反射率の測定方法について簡単に説明する。まず、被識別物体のサンプルと、分光立体角反射率の測定の基準となる白色面のような基準物体を用意して、この基準物体に対して基準測定距離から標準光源を照射して、その時の分光放射輝度を任意の波長毎に測定する。更に、その基準測定距離から、+(プラス)及び−(マイナス)の両方向に一定距離ずつ前記基準物体を移動させて、上記と同様にしてその距離における分光放射輝度を測定する。以上の測定を繰り返し行って、測定器の測定ヘッドと基準物体との間の測定距離と分光放射輝度との関係式を、任意の波長毎に求めておく。次に、被識別物体のサンプルに関しても、上記基準物体と同様にして、任意の波長毎に、しかもこのサンプルと測定ヘッドとの距離を上記のように変化させて、その分光放射輝度の測定を行う。基準物体、或いは被識別物体のサンプルと測定ヘッドとの距離の測定は、超音波センサにより容易に行える。そして、測定距離が同一の状態のものにおいて、被識別物体のサンプルの分光放射輝度を基準物体のそれと比較すると、その測定距離における該サンプルの分光立体角反射率が算出される。
【0017】
図6は、赤クローバー(牧草)、エゾノギシギシ(雑草)、乾燥土壌、及び湿潤土壌に関して、波長に対する分光立体角反射率の測定波形を示す図である。植物体の分光立体角反射率は、それぞれの波長において大きさそのものは異なるが、その波形の変化はほとんど同じ形態であることがわかる。その波形の特徴として、550nm 付近に山、 670〜680nm 付近に谷がそれぞれあって、 700〜750nm にかけて急激に上昇し、以後小さなうねりを示しながら下降し、1400nmと1900nm付近において再度大きな谷が存在している。また、土壌に関しては、植物体に比較して山や谷がほとんどなくて反射率も低く、緩やかに右上がりに上昇してゆく波形となっている。なお、含水率が高い湿潤土壌は、この傾きが一層緩やかとなる。この植物体及び土壌の分光立体角反射率の測定結果により、牧草地において、雑草を識別するには、分光立体角反射率の差が顕著となる 750〜1300nmの波長範囲で行うことが望ましいことが判明する。
【0018】
このため、上記演算装置Dには、各植物体及び土壌に関して、図7に示されるような750 〜1300nmの波長範囲内の異なる複数(図1に示される測定ヘッドBの場合には6種類)の設定波長(G〜G)における各基準分光立体角反射率がそれぞれ入力されている。なお、この基準分光立体角反射率は、前述の方法によって、サンプルとして採取した各植物体及び土壌と、測定ヘッドとの間の距離を基準測定距離に設定して、算出したものである。
【0019】
また、本発明に係る除草剤の散布装置においては、測定器の測定ヘッドBが被識別植物体に対して移動して、該測定ヘッドBと被識別植物体との間の距離が変化する。このように、測定ヘッドBと被識別植物体との間の測定距離が変化すると、分光放射輝度も変化するので、上記演算装置Dには、測定器の測定ヘッドと白色面のような基準物体との測定距離の変化に関する分光放射輝度の変化に関する関係式が入力されている。この関係式は、上記方法により測定距離を変化させて白色面のような基準物体の分光放射輝度を測定する際において種々のデータが得られているので、このデータを使用することにより簡単に算出される。例えば、図8に示されるように、被識別植物体である牧草、雑草と土壌とに関して、各設定波長(G〜G)において、基準測定距離(H)の前後における分光放射輝度の変化に関する関係式〔R=F(H)〜R=F(H)〕を求めて、これを上記演算装置Dに入力しておく。
【0020】
次に、図3を参照して、本発明に係る除草剤の散布装置の測定及び制御関係について説明する。上記したように、測定ヘッドBによって、被識別植物体Mの分光放射輝度と、該測定ヘッドBと被識別植物体Mとの距離が測定される。この被識別植物体Mの分光放射輝度は、測定器本体Aによりアナログ量として算出されてA/D変換器25によりディジタル信号に変換されて演算装置Dに入力されると共に、測定ヘッドBと被識別植物体Mとの距離に関するアナログ量もA/D変換器25によりディジタル信号に変換されて演算装置Dに入力される。また、前記単軸ロボット装置11には、測定ヘッドBを台車Tの幅方向Qに沿って走行走査させるための制御用モータ27が備え付けられていて、後述の方法により演算装置Dによって該測定ヘッドBにより検出された被識別植物体が除草対象である雑草であると判定された場合において、台車Tの幅方向Qに沿った測定ヘッドBの識別位置(S)は、前記制御用モータ27の積算回転数などによって検出可能であって、この測定ヘッドBの識別位置(S)に関する検出値は、コントローラ28を介して演算装置Dに入力される。更に、台車Tの車輪2には、回転計29が装着されていて、車輪2の回転数(E)に関する検出値は、F/Vコンバータ30及び前記A/D変換器25を介してディジタル信号として演算装置Dに入力される。そして、この車輪2の回転数(E)及び測定ヘッドBの識別位置(S)に関する各検出値に基づいて、出力ボード31から噴霧信号(F)が発せられて、複数の電磁弁V〜Vのうち測定ヘッドBの識別位置(S)に対応するもののみが、測定ヘッドBによる雑草の識別時から所定時間だけ遅れて開かれて、その噴霧ノズルから除草液が直下の雑草に向けて噴霧されるようになっている。なお、図3において、32は、電磁弁V〜Vを作動させるためのリレーを示す。
【0021】
そして、採草地、牧草地などの永年草地においてトラクタなどに牽引されて台車Tが走行すると、光学的識別装置の測定ヘッドユニットUを構成する測定ヘッドBは、該台車Tの走行方向Pと直交する幅方向Qに沿って往復走行して、直下の被識別植物体を走査して、この被識別植物体の分光放射輝度と、この被識別植物体と測定ヘッドBとの間の測定距離(H)の測定が行われる。ここで、台車Tにおける測定ヘッドユニットUの前方には鎮圧輪9が装着されていて、背丈の高い被識別植物体を押さえ付けて、その背丈を低くして前記測定距離(H)が異常に小さくなるのを防止しているために、分光放射輝度の検出精度が高まる。測定ヘッドBにより測定された被識別植物体の分光放射輝度と測定距離(H)に関する各アナログ量はディジタル信号として演算装置Dに入力される。ここで、演算装置Dには、白色面のような基準物体の測定距離に対する分光放射輝度の変化に関する関係式〔R=F(H)〜R=F(H)〕が予め入力されていて、牧草、雑草などの被識別植物体と土壌の各設定波長(G〜G)における各分光立体角反射率は、測定ヘッドBを構成する複数の検出器C〜Cによりそれぞれ検出された各設定波長における分光放射輝度と、前記超音波センサ22により検出された測定距離と、前記関係式とに基づいて算出される。このため、測定距離(H)が変化して一定でなくても、正確な分光立体角反射率が算出される。そして、演算装置Dに入力されている各被識別植物体及び土壌に関する各設定波長の複数の基準分光立体角反射率と、同様の各設定波長における複数の算出分光立体角反射率とを比較演算して、その全部、又は一定数以上のものが設定許容範囲内において合致した場合においてのみ、被識別植物体を、演算装置Dにその基準分光立体角反射率が入力されている植物体であると判定される。これにより、判定の信頼性を高めている。
【0022】
例えば、設定波長1000nmにおけるエゾノギシギシ(雑草)の基準分光立体角反射率はほぼ47%であるが、判定の許容範囲を44〜50%と設定すると、算出分光立体角反射率がこの範囲内に含まれる場合には、被識別植物体をエゾノギシギシ(雑草)であると見做し、この範囲内に含まれない場合には、被識別植物体は、エゾノギシギシ(雑草)以外の他の植物体或いは土壌であると見做すのである。他の設定波長においても、同様にして処理される。このようにして、複数の各設定波長(G〜G)において被識別植物体の算出分光立体角反射率と、演算装置に入力されている各基準分光立体角反射率を逐一比較演算した結果、4箇所以上の設定波長において両者が設定許容範囲内で合致した場合において、被識別植物体を演算装置にその基準分光立体角反射率が入力されている物体であると判定する場合には、前例において、4或いは5箇所の設定波長、更には全て(6箇所)の設定波長において両反射率が合致した場合には、被識別植物体はエゾノギシギシ(雑草)であると判定され、3箇所以下の設定波長において両反射率が合致した場合には、被識別植物体はエゾノギシギシ(雑草)以外の植物体或いは土壌であると判定されるのである。
【0023】
ここで、被識別植物体が除草対象の雑草であると判定されると、台車Tの幅方向Qに沿った測定ヘッドBの識別位置(S)に関する検出値は、コントローラ28を介して演算装置Dに入力される。そして、車輪2の回転数(E)及び測定ヘッドBの識別位置(S)に関する各検出値に基づいて、出力ボード31から噴霧信号(F)が発せられて、複数の電磁弁V〜Vのうち測定ヘッドBの識別位置(S)に対応するもののみが、測定ヘッドBによる識別時から所定時間だけ遅れて開かれて、その噴霧ノズルから除草液が直下の雑草に向けて所定時間だけ噴霧される。これにより、台車Tが走行しながら、除草対象の雑草のみがスポット的に高能率で除草される。
【0024】
また、上記実施例の測定ヘッドBは、異なる複数の設定波長の反射光を検出可能にするために複数の検出器C〜Cを備えていて、各設定波長における複数の算出分光立体角反射率と、同様の複数の基準分光立体角反射率を比較演算して、その全部、又は一定数以上のものが設定許容範囲内において合致した場合においてのみ、被識別植物体を、演算装置Dにその基準分光立体角反射率が入力されている植物体であると判定するように構成されていて、判定の信頼性が高められているが、この測定ヘッドは、被識別植物体を光学的に識別可能であれば、いかなる構成であってもよい。
【0025】
また、本発明に係る除草剤の散布装置によりスポット除草可能な草地としては、上記した採草地、牧草地などの永年草地の他に、公園・ゴルフ場などの芝地、或いは一般畑もある。更に、雑草のスポット除草のみならず、一般畑地において点播や移植された作物を識別して、この識別された作物のみにスポット防除を行うことにより、少量の薬剤による作物の効果的防除が行える。
【0026】
【発明の効果】
本発明に係る除草剤の散布装置によれば、採草地、牧草地などの永年草地において台車を走行させながら、これに装備した測定ヘッドを台車の幅方向に走行走査させることにより、除草対象である雑草を識別して、複数の散布ノズルのうち測定ヘッドの識別位置に対応する散布ノズルの電磁弁を開いて、雑草に対してのみ設定時間だけ除草剤を選択的に散布してスポット除草を行う構成であるので、従来の人力による抜取り、或いは目視に依存した人力によるスポット除草剤散布に比較して、除草作業を省力化できて、正確、かつ高能率で効果的なスポット除草が可能となる。また、光学的識別装置によって散布位置を正確に定めたスポット除草であるために、除草剤の使用量が少なくてすみ、除草剤の空中への拡散、或いは地下水への浸透が少なくなって、除草剤による環境汚染を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る除草剤の散布装置の側面図である。
【図2】同じく平面図である。
【図3】同じく散布原理を示す模式図である。
【図4】物体の光学的識別方法の原理を示す図である。
【図5】測定ヘッドBの底面図である。
【図6】牧草、雑草、及び土壌の波長に対する分光立体角反射率を示す図である。
【図7】演算装置Dに入力しておくための牧草、雑草、及び土壌の各設定波長(G〜G)に対する基準分光立体角反射率を示す図である。
【図8】特定の設定波長における測定距離に対する分光立体角反射率の変化を示す図である。
【符号の説明】
A:測定器本体
B:測定ヘッド
D:演算装置
〜N:噴霧ノズル(散布ノズル)
P:台車の走行方向
Q:台車の幅方向
T:台車
U:測定ヘッドユニット
〜V:電磁弁
5:噴霧ポンプ(除草剤散布装置)
6:薬液タンク(除草剤散布装置)
9:鎮圧輪
14:遮光カバー
29:回転計

Claims (4)

  1. 走行走査しながら採草地、牧草地などの永年草地に生えている雑草を光学的に識別し、この雑草に対してのみ除草剤を選択的に散布するための装置であって、
    トラクタなどにより牽引されて走行する台車には、除草剤散布装置と光学的識別装置とが搭載され、該光学的識別装置は、地面と対向した測定ヘッドが前記台車の走行方向と直交する幅方向に走行走査して、直下に位置する被識別植物体の分光放射輝度、及び該被識別植物体との間の距離の測定を行うための測定ヘッドユニットと、該測定ヘッドにより測定された分光放射輝度、及び測定距離の各検出値に基づいて算出された被識別植物体の算出分光立体角反射率と、予め入力されている各被識別植物体の基準分光立体角反射率とを比較演算して、被識別植物体の種類を判定するための演算装置とを備えており、台車における前記測定ヘッドユニットの後方であって、しかもこれを構成する測定ヘッドの走行走査幅に対応する部分に、各々電磁弁を備えた複数の散布ノズルが所定間隔をおいて地面と相対向して装着され、前記演算装置により算出分光立体角反射率と基準分光立体角反射率とを比較演算することにより、被識別植物体が除草対象の雑草であると判定された場合においてのみ、測定ヘッドによる雑草の識別時から設定時間だけ経過した後に、複数の散布ノズルのうち測定ヘッドの走行方向に沿った識別位置に対応するものの電磁弁が開かれて、雑草と判定された被識別植物体に前記除草剤散布装置から所定時間だけ除草剤を選択的に散布してスポット除草を行うことを特徴とする走行走査しながら除草剤を選択的に散布するための装置。
  2. 測定ヘッドユニットを構成する測定ヘッドの走行走査部は、自然光が入り込むのを防止するための遮光カバーで覆われていることを特徴とする請求項1に記載の走行走査しながら除草剤を選択的に散布するための装置。
  3. 台車における測定ヘッドユニットよりも前方の部分には、背丈の高い被識別植物体を押し付けて、測定ヘッドとの間の反射光の測定距離を均一化するための鎮圧輪が装着されていることを特徴とする請求項1に記載の走行走査しながら除草剤を選択的に散布するための装置。
  4. 台車の車輪の回転数を計測するための回転計を備えていて、該回転計により検出された台車の走行速度に対応した時間だけ、散布ノズルの散布開始時間を除草対象の雑草の識別時間よりも遅らせるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の走行走査しながら除草剤を選択的に散布するための装置。
JP11123295A 1995-04-11 1995-04-11 走行走査しながら除草剤を選択的に散布するための装置 Expired - Fee Related JP3604449B2 (ja)

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