JP3604391B2 - 尿失禁治療装置 - Google Patents

Description

本発明は、フレーム部分、及びこのフレーム部分に関して所定の角度で取り付けられた少なくとも部分的に管状のセンサ部分を有し、このセンサ部分の側部に骨盤底筋肉群の機能を計測するためのセンサが設けられた、失禁を治療するための装置に関する。
失禁というのは、排尿を自制する能力の低下を意味する。この問題点の主な理由は、骨盤底筋肉群（pelvic floor muscles）が弱くなったこと及びこれらの筋肉を賦活する能力が低下したことである。これは、例えば、太りすぎや精神的理由といった多くの種々の理由に起因し、一つの理由として、出産による自制能力の低下が挙げられる。失禁を治療する場合に重要なことは、患者の骨盤底筋肉群の筋肉の強さ及び筋肉の制御を取戻すことである。これは、筋肉を動かすこと又は筋肉を電気的に刺激することによって実現できる。
今日、骨盤底筋肉群を動かすことができる及び／又はこれらの筋肉の活性を計測できる種々の装置が存在する。この装置を膣内に配置し、筋肉を収縮させたとき、センサによって伝達されたデータに基づいて筋肉の状態を明らかにする。収縮を繰り返すことによって、尿を保持する上での問題点がなくなるレベルにまで筋肉の強さを向上させる。装置で可能な訓練モードにより、外科手術を回避することができる。
周知の装置には幾つかの問題点があった。これらの装置は、一般的には、検査状態及び研究室の状態のみで使用するようになっており、家庭で使用できなかった。これらの装置は、多くの場合、棒状であり、使用し難かった。更に、装置によっては、棒の端部が太くなっており、立った状態でもしゃがんだ状態でも計測が不便であった。幾つかの装置は、その使用に当たり、センサ部分を消毒したり交換したりしても、身体からの分泌物がセンサ部分からフレーム部分に移行し、装置のキャビティに残り、完全に清浄化するのが不可能である。別の問題点は、装置の取扱い上の便利さ及び装置を安全に使用することにある。更に、欠点は、装置を使用者に適合させるのが容易でないということである。
膣内に配置される可撓チューブに圧力センサを内蔵した装置も存在する。この種の圧力計測は、正確さが十分でない。これは、脚を閉じることによって、又は腹や尻の筋肉を緊張させることによって膣内に圧力を発生させることができるためである。圧力センサを使用する場合の欠点は、一方の側の筋肉が他方の側の筋肉よりも機能が劣るということを明らかにできないということである。
本発明の目的は、従来の装置の欠点を解消した、改良失禁治療装置を提供することである。本発明の目的は、特に、家庭でも研究所でも使用が容易であり、安全であり、信頼性があり、衛生的な装置を提供することである。更に、本発明の目的は、多くの使用者に対して調節自在の、又は異なる治療段階で使用者が種々の値に調節できる改良装置を提供することである。
本発明の目的は、請求の範囲に記載の特徴を持つ装置によって達成される。
本発明によれば、センサ部分がフレーム部分に取り外し自在に取り付けられており、センサは管状センサ部分の側部に、側部の中央の両側に配置されており、センサは、骨盤底筋肉群が発生した電気信号を用いて骨盤底筋肉群の筋肉の活性を計測するように配置された電極である。本発明のセンサ部分は、使い捨て部品であり、これは、各患者毎に交換し、そのため、装置は衛生的であり且つ安全である。装置を家庭で使用する場合、同じ患者が使用する場合、センサ部分を連続的に数回使用できる。この場合には、使用後に注意深く清掃を行わなければならない。フレーム部分は、壊れた場合にのみ交換する。電子ケース（electroniccase）は、フレーム部分の内側に配置されており、その内部には調節手段及び機能手段が配置されている。
本発明の装置で行う計測は、好ましくは、節電図（EMG）に基づく。二乗平均−EMG−信号（rms−EMG−signal）で表した骨盤底筋肉群の筋肉活性は、数ｖから50μｖ乃至80μｖである。センサとして機能する電極プレート対は、接触した筋肉の電位和（sum−potential）に抵抗し、及びかくして信号は骨盤底筋肉群の両側の活性力を正確に表す。計測結果を各側で別々に集計する。
本発明によるフレーム部分を持つ装置は、フレーム部分が前方に延びる所定位置に配置することによって、膣内でとるべき位置に正確に配置される。この場合には、センサは、検査されるべき又は動かされるべき筋肉のところに所望の方法で配置される。追加の利点は、フレーム部分に十分な空間があり、計測及び制御を行うのに必要な電子装置、場合によってはディスプレー装置を入れることができるということである。更に、本発明の装置は非常に小型であるため、ズボンの下に置くことができる。
本発明の有利な実施例では、センサ部分は一体の成形部品である。センサは、成形中に管状部分の側面上に配置され、構造の一部を形成する。センサ部分を一体の部品として成形する場合、身体からの分泌物がセンサ部分に入り込むことがなく、センサ部分からフレーム部分に入り込むことがない。かくして、装置は常に十分衛生的である。
本発明の第２実施例では、センサ部分の下部分にはカバーが設けられている。このカバーの下面は、フレーム部分の上面上に配置される。カバーは、フレーム部分が身体からの分泌物と接触しないように保護する。カバーは、センサ部分の他の部分に対して所定角度で配置されている。
センサとフレーム部分との間の接点接続部は、有利には、フレーム部分に配置される。この方法により、汚染の危険が小さい。
本発明の別の有利な実施例では、センサ部分の管状部分は、本質的にその全長に亘って約１゜乃至５゜の角度で先端まで先細になっている。管状部分は、装置の使用時に使用者に押し付けられず、痛みを生じない。本発明の装置は寝た状態でも立った状態でもしゃがんだ状態でも使用できる。
本発明の有利な実施例では、センサは、管状部分の側部に各側部の両側に対称に配置されており、管状部分の中央から見て互いに対して約50゜乃至70゜の角度で配置されている。装置を本発明に従って正確に配置すると、筋肉についての確実な情報を両側から別々に得ることができる。
以下において、本発明を添付図面を参照して更に詳細に説明する。
第１図は、本発明による装置の一実施例を下からの角度で見た、センサ部分とフレーム部分とを互いから分離した状態での斜視図であり、
第２図は、本発明による装置の別の実施例を下からの角度で見た、センサ部分とフレーム部分とを互いから分離した状態での斜視図であり、
第３図は、第２図による装置の断面図であり、
第４図は、第３図のＡ−Ａ線での断面図である。
添付図面に示す装置は、フレーム部分１及びこのフレーム部分に取り外し自在に取り付けられたセンサ部分２を含む。センサ部分には、管状部分が設けられている。センサ３は、管状部分の側部に取り付けられている。センサは、通常は、その目的に適合した計測センサであり、その数は実施例によって異なる。センサは、色々な女性について適しており且つ装置が所定の場所にあるときに骨盤底筋肉群のところに配置されるのに十分に長い。管状部分の下部分には、管状部分から遠ざかるように下方に延びる拡大部分が形成されており、保護縁部が拡大部分から下方に延びている。拡大部分及び保護縁部が一緒になってカバー４を形成する。カバーはセンサ部分の残りの部分と比べて鈍角に構成されている。管状部分は、先端に向かって約１゜乃至５゜の角度で先細になっており、これによって膣内に配置し易くなっている。センサの材料は、消毒を必要としない清浄な周知の材料である。
センサ３は管状部分の側部上に中心線の両側に第４図に示すように配置されている。この実施例では、これらのセンサは、互いに対して約60゜の角度に配置されている。センサ部分は、以下の方法で均質な材料から形成される。即ち、先ず最初にセンサを成形型に配置し、センサが構造と一体になるようにプラスチック部分をその周りに成形する。この結果、センサ部分には亀裂やスリットがない。
センサ部分の管状部分は、この実施例では、円形断面を有するが、別の実施例では、断面は楕円形であってもよい。
第３図によれば、センサによって与えられた情報をフレーム部分１に伝える接触部品９が管状部分の側部に形成されている。フレーム部分の内部には、電子ケース５が配置されており、このケースには、装置の調節及び使用のためのプリント回路及び電子部品が入っている。フレーム部分は本質的に平らであり、図示の実施例では通信装置（signalling device）及びディスプレーユニット８がその下面に配置されている。
第１図の実施例では、装置は、エネルギ供給装置にケーブル10で接続されている。ディスプレーユニット及び通信装置は、この場合には、フレーム部分に配置するか或いは別のディスプレーユニットに配置するのがよい。第２図の実施例では、装置に必要なエネルギは電池７によって提供される。電池は、フレーム部分で管状部分内に入るように、フレーム部分に取り付けられている。電池を使用する場合には、装置は、家庭で又は研究所で外部エネルギ源なしで使用できる。一実施例では、ケーブルや別体のディスプレーユニット及び／又は通信装置を使用せずにメッセージを伝送するため、トランスミッターユニットがフレーム部分に接続されている。トランスミッターユニットは、例えば、装置を操作する手の手首に配置された装置である。
通信装置８は、所望の値にそれ自体周知の方法でプログラムされ、予め設定された値に較正されるように構成されている。装置は、この場合には、予め設定された標準レベル、例えば、一つの円及び二つの円で印を付けた状態で第１図及び第２図に示すレベルを有する。第３位置では、装置全体についての適当な個々の実際のレベルを設定することができる。実行しているとき、及び新たな実行レベルに到ろうとしているとき、標準レベルを変更できる。
本発明の一実施例は、男性用の装置である。男性については、骨盤底筋肉群が延びる肛門で計測が行われる。装置の機能上の原理は同じであるが、女性用のものとは外寸が異なっている。
本発明の別の実施例では、刺激を行うための手段が装置に組み込んである。この場合には、骨盤底筋肉群に電気パルスを送出するのに必要な装置が本装置に周知の方法で取り付けられている。
本発明は、図示の有利な実施例に限定されない。請求の範囲に記載された発明のアイディアの範疇で変化させることができる。

Claims (10)

1. フレーム部分（１）、及びこのフレーム部分に関して所定の角度で取り付けられた少なくとも部分的に管状のセンサ部分（２）を有し、このセンサ部分の側部に骨盤底筋肉群の機能を計測するためのセンサ（３）が設けられた、失禁を治療するための装置において、
   センサ部分（２）がフレーム部分（１）に取り外し自在に取り付けられており、そのため、患者毎に交換でき、
   センサ（３）は管状センサ部分の側部に、側部の中央の両側に配置されており、
   センサ（３）は、骨盤底筋肉群が発生した電気信号を用いて骨盤底筋肉群の筋肉の活性を計測するように配置された電極である、ことを特徴とする装置。
2. センサ部分（２）は、一体の成形部品であり、センサ（３）は、成形中に管状部分の側面上に配置され、構造の一部を形成する、ことを特徴とする請求項１に記載の装置。
3. センサ部分（２）の下部分にはカバー（４）が設けられ、このカバーの下面は、フレーム部分の上面上に配置されることを特徴とする、請求項１又は２に記載の装置。
4. センサ部分の管状部分は、本質的にその全長に亘って約１゜乃至５゜の角度で先端まで先細になっている、ことを特徴とする請求項１、２、又は３に記載の装置。
5. センサ（３）とフレーム部分との間の接点接続部（６）がフレーム部分に配置されている、ことを特徴とする請求項１乃至４のうちのいずれか一項に記載の装置。
6. センサ（３）は、対称に且つ互いに対して約50゜乃至70゜の角度で配置されている、ことを特徴とする請求項１乃至５のうちのいずれか一項に記載の装置。
7. フレームに取り付けることができ、センサ部分の内側に配置される、電池（７）又はこれに相当する装置を含む、ことを特徴とする請求項１乃至６のうちのいずれか一項に記載の装置。
8. フレーム部分の下面に配置された、通信装置及び／又はディスプレーユニット（８）を含む、ことを特徴とする請求項１乃至７のうちのいずれか一項に記載の装置。
9. 通信装置及び／又はディスプレーユニット（８）は、所望の値にプログラムされるように、及び予め設定された値に合わせて較正されるように構成されている、ことを特徴とする請求項８に記載の装置。
10. 装置の調節手段及び機能手段を含む電子ケースがフレーム部分の内側に配置されている、ことを特徴とする請求項１乃至９のうちのいずれか一項に記載の装置。

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