JP3604091B2 - マルチタスキングデータ処理システム - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は多数のタスクに対して並列に動作するようプログラムされるプロセッサに関し、更に詳細には、プロセッサのオペレーティングシステムの一部をハードウェアで構成してマルチタスク動作を一層迅速に進行させることに関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】
リアルタイムデータプロセッサは多数のタスクの処理を同時に取扱うことができる。マルチプロセッサはこの機能をタスクに対して並列に動作する多数のプロセッサを設けることにより行う。リアルタイム動作する単一プロセッサシステムは、「並列」処理をマルチタスキングで取扱う。マルチタスキングとは幾つかのタスクを同時につまり並列に実行するプロセスである。同時に処理されるタスクは、物理的には同時に実行し得ないかもしれないが、論理的には同時に実行される。
【0003】
マルチタスキング動作はコンピュータのオペレーティングシステムの制御のもとで、特に、同時に実行されるタスクのスケジューリングを制御するその「エグゼクティブ」部の制御のもとで行われる。エグゼクティブ部(今後EXECと呼ぶ)はタスクと中央処理装置との間のインターフェースとなる。各タスクにとって、EXECはそのタスク自身の中央処理装置のように見える。EXECは、物理的CPUをシステムの全てのタスクと共有する際に関係する細目の全てを処理する。従って、EXECは、各タスクに割当てられた優先度及び実行可能度のレベルを調べることにより、どんなときにどのタスクがCPUを所有すべきかを制御する。
【0004】
一般に、EXECは、CPUを使用する別の要求を優先度が更に高いタスクから受取るまで1つのタスクがCPU上で実行できるようにする。実行中のタスクは「サスペンド(suspend)」され、優先度の高いタスクの実行が許される。このプロセスは多数回起こるかもしれないが、最高の優先度のタスクは遅かれ早かれその処理を完了し、自発的に自分自身をサスペンドする。従って、優先度の低いタスクがその完了前多数回サスペンドされることがあったとしても、そのタスクは結局は完了し、それが割込まれずに実行された場合と同じ結果を生じる。
【0005】
タスクには種々の実行状態がある。アクティブタスクはCPUの制御を有し、実行されているものである。唯1つのタスクが任意の所与の時間にマルチタスキングCPU上でアクティブであることができる。非アクティブタスクは実行されておらず、また実行されるのを待ってもいない。非アクティブタスクは単にアイドル状態であるだけである。動作準備完了タスクは、CPU時間が利用可能になり実行することができるようになるのを待っているものである。待ちタスクは、或るイベントが発生するまで動作をサスペンドしているものである。イベントは他のタスクにより発生されることもあるし、あるいはハードウェアイベントのこともある。イベントが発生すると、タスクは待ち状態から、現在活動的なタスクの優先度により、動作準備完了状態またはアクティブ状態に移る。
【0006】
タスクは、優先度、タスクの作動可能状態、あるいは両者の組合わせにより同期させることができる。一般に、EXECはタスクが必要な制御機能を行うのに使用する多数のユーティリティルーチンを備えている。これらユーティリティルーチンのもとで、任意のタスクが他のタスクをスケジューリングしたり、それ自身または他のタスクをサスペンドしたり、イベントのシグナルを与えたり、ある時間イベントを待ったり遅らせたりすることができる。EXECの主要なユーティリティルーチンは次の通りである:Schedule、Suspend、Signal、Wait、Delay。Scheduleユーティリティは、当該アクティブタスクが他のタスクの実行を開始あるいは再開させたいときにこのアクティブタスクが使用する。Scheduleは最高の優先度の動作準備完了タスクを実行できるようにする。Suspendユーティリティは、アクティブタスクによって使用され、自分自身を動作準備完了状態でなくしたりあるいは他のタスクを非アクティブ状態に移す。このとき、制御は現在最高の優先度を持つ動作準備完了タスクに与えられる。
【0007】
Signalユーティリティはアクティブタスクまたは割り込みサービスルーチンにより特定のイベントを発生するのに使用される。シグナルが与えられたイベントに付随するタスクがなければ、EXECは制御をアクティブタスクに戻す。そのシグナルが与えられたイベントに付随するタスクがあれば、制御は最高優先度のタスクに戻される。
【0008】
Waitユーティリティは、アクティブタスクが自分の実行をサスペンドし特定の1つまたは複数のイベントが発生したときその実行を再開したい場合に使用される。
【0009】
Delayユーティリティは、アクティブタスクがそれ自身かまたは他のタスクに特定の時間だけ待たせてから実行を再開させる必要があるとき、このアクティブタスクによって使用される。このユーティリティは、時間を基準として使用することにより、非同期タスクを同期されるようにする。
【0010】
オペレーティングシステムは、フォームウェアの動作をハードウェアのイベントに同期させる主要な手段である割込み機構を組込んでいる。割込みが発生すると、制御は、そのときどんなタスクが実行中であってもそのタスクから割込み処理モジュールに移る。発生することができる割込みの各形式毎に1つの割込みモジュールが存在する。
【0011】
上述のユーティリティを実現するために、多様なデータ構造がEXECにより採用されている。CPUキューは作動準備完了状態にあるタスクのリストである。最高優先度のタスクは現在のアクティブタスクである。同じ優先度の作動準備完了タスクが2つ存在すれば、最初に作動準備完了したタスクがアクティブタスクになる。イベントキューは待ち状態にあるタスクのリストである。遅延キューは、遅延の継続時間後、イベントを待っているタスクをCPUキューに移して作動準備完了タスクにする遅延イベントのもう1つのリストである。
【0012】
前述のキュー構造はダイナミック、即ち更新される必要があり、少なくとも4つの基本動作、すなわち項目の挿入、項目の削除、項目の位置決め、及び項目の修正ができるようになっていなければならない。各キューは線形リスト、単一リンク付きリスト、または二重リンク付きリストとして構成することができる。単一リンク付きリストは、各項目がリスト内の次の項目を示すポインタを持っているものである。二重リンク付きリストは、2つのリンクフィールドを持っている項目を備えている。二重リンク付きリスト内の各項目は、右側の隣の項目及びその左側の隣の項目を指すポインタを備えている。
【0013】
上に示したように、EXECは一般に、オペレーティングシステムの一部(「カーネル」)としてソフトウェアで構成されている。しばしば、EXECはキューの内容の比較及びシフトを含むキューの幅に渡る動作(queue−wide operation)を行う必要がある。このような動作は直列に行われ、その実行時間はキューの長さと共に少なくとも直線的に変わる。このような実行時間はオペレーティングシステムの性能に有害な影響を及ぼすことがあり、システムの性能の向上に対して現実に障害となる。
【0014】
【目的】
従って、直列処理動作から制約を受けないEXECを備えたマルチタスキングデータ処理システムを提供することが本発明の目的である。
【0015】
本発明の他の目的は、マルチタスキングデータ処理システムを一層効率良く動作させることができるEXECを提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、カーネルに保持されているキューが別個の優先度表示を必要としないハードウェア構成オペレーティングシステムカーネルを備えたマルチタスキングデータ処理システムを提供することである。
【0017】
【概要】
本発明の一実施例によれば、ハードウェア構成オペレーティングシステムカーネルを備えているマルチタスキングデータ処理システムが与えられている。システムは、各々が処理についての準備が完了しているタスク名を、実行優先度の順序で格納している複数のワード記憶部を備えたプロセッサキューを備えている。カーネル内のイベントキューは、イベントの発生を待ってプロセッサキューに置かれるタスク名を格納する複数のワード記憶部を備えている。関連するプロセッサがイベントの発生のシグナルを与えると、照合論理部はイベントキュー内の全てのワード記憶部を並列にサーチして、シグナルされたイベントに関連付けられたタスクを見出し、そのタスクをプロセッサキューに転送する。プロセッサキュー中の複数のタスク名を同時に並列に転送して、イベントキューから転送されるタスク名のための空き場所を作るシフト論理部も設けられている。
【0018】
【実施例】
簡潔に述べれば、本発明は、オペレーティングシステム中のクリティカルな機能をオペレーティングシステムのソフトウェアから除去し、これらの機能をハードウェア構造で実現する。この機構により、頻繁に現れるある種のデータ再組織動作を並列に且つ予め定められた時間幅内に行うことができる。ハードウェアカーネルは、主として5つのコマンド、すなわち、Schedule、Suspend、Signal、Wait、及びDelayを採用する。これらのコマンド及びその組合わせにより、取付けられたプロセッサの動作パラメータを大幅に改善することができる一組のリアルタイムオペレーティングシステムプリミティブが作り出される。カーネル内のキューがハードウェア構成であるため、キューの幅に渡る動作を、ソフトウェア環境で同様の動作を行うのに必要な時間の数分の1の時間で容易に行うことができる。
【0019】
○EXECモジュール(カーネル)
さて、図1を見ると、システムの高レベルブロック図が示されている。マイクロプロセッサ10には、ハードウェアで実現されているEXECモジュール12が組み込まれている。EXECモジュール12は、3つの主要機能ブロック、すなわち、コマンド及びステータスレジスタセット14、キュー状態機械16、及びキューシステム18を含んでいる。キューシステム18は全てのユーティリティが操作するデータ構造を含んでいる。キューシステム18には物理的に同一の3つのキュー、すなわち、CPUキュー20、遅延キュー22、及びイベントキュー24がある。
【0020】
CPUキュー20は、タスク制御ブロック(TCB)の名前及びこのTCBをCPUキューに配置させるするところの当該TCBに関連するイベントの優先度の順に並べられたリストである。CPUキュー20は各種タスクがマイクロプロセッサ10の内部で実行されるシーケンスを制御する。TCBはタスクのステータスに関する全ての情報を含んでおり、マイクロプロセッサ10の内部でこのようなタスクを制御するのに使用される。各TCBの名前は、その優先度を示しまたTCBを特定する値(例えば、0から255)である。タスクの優先度はタスクのTCB名で参照されるが、タスクにマイクロプロセッサ10の所有権が与えられたことを判定するのに使用される。CPUキュー20の「先頭」にあるTCBはそのタスクのためにマイクロプロセッサ10の所有権を保持している。より優先度の高いタスクがキューに置かれれば、現在実行中のタスクがCPUキュー20の先頭にある優先度がより高いタスクで置き換えられ、その優先度の高いタスクが実行される。どんなときでも、CPUキュー20にあるタスクのTCBの数は全タスクの数(全てのタスクが実行の準備が完了している場合)からゼロ(アクティブタスクすなわち実行準備が完了しているタスクがない場合)までの範囲にわたることができる。
【0021】
イベントキュー24はTCBの名前を優先度順に並べたリストを含んでおり、リスト内の各TCBはイベント名と結合されている。イベントが発生すると、そのイベントに結合されているTCBはCPUキュー20に移される。遅延キュー22はイベント名のリストを含んでおり、各イベント名はそれに関連付けられたイベントがどれだけ待ってからシグナルを受取るかを示す遅延と関連付けられている。遅延キュー22にあるイベント名は、それに関連付けられた遅延の値に基づいて優先度が決められている。
【0022】
キューシステム18はまた、システム内で発生することができる所定数の可能なイベントのうちの利用可能性を常に掌握しておく一組のイベントカウントレジスタ26を含んでいる。イベントはシステムタスクがシグナルすることがあり、またシステムタスクがこれを待つことがあるということを想起すべきである。システムにより収容され得るイベントの数はアドレスのサイズで示され、システムの制限と考えるべきではない。説明の目的でシステムは最大256の可能なイベントを収容することができ、このようなどのイベントに対しても8ビットのアドレスを使用すると仮定する。
【0023】
コマンド及びステータスレジスタ14の内部に、マイクロプロセッサ10がEXECユーティリティを開始するために書き込むコマンドレジスタがある。その他に、マイクロプロセッサ10が「読み出しアクセス可能」であり、またEXECモジュール12の内部の動作により発生されたデータを含む多数のレジスタが存在する。これらレジスタのリストを下に示す。
【0024】
キュー状態機械16はEXECモジュール12の動作を制御する。マイクロプロセッサ10からコマンド及びステータスレジスタ14のレジスタにEXEC命令を受取ると、キュー状態機械16はキューシステム18の1つまたは複数のキューについて必要な動作を実行する。キュー状態機械16はまたコマンド及びステータスレジスタ14中のレジスタについて必要な動作を行い、または更に、タイマ28及びポート制御モジュール30を制御する。ポート制御モジュール30はEXECモジュール12に対するI/Oコマンド機能を提供する。マイクロプロセッサ10とEXECモジュール12との間のアドレス及びデータの接続は、コマンド及びステータスレジスタ14により、それぞれ線31及び33を経由して、直接行われる。
【0025】
○信号線の定義
マイクロプロセッサ10とEXECモジュール12との間に存在する信号線は次の通りである。
【0026】
・EXECモジュール12への入力
CS−チップ選択
R/W−読み出し/非読み出し(書き込み)線
uPAddr(0〜7)−アドレス線
SCLK−EXECシステムクロック(図示せず)
NRST−外部リセット線
NTST−試験線(試験モード動作用)
・EXECモジュール12への双方向線
uP Data(0〜15)−データ線
・EXECモジュール12からの出力
NDTACK−データ転送アクノレッジ(非同期アクノレッジ)
NINIT−CPUへの割込線
【0027】
次の信号はキュー状態機械16とキュー20、22、及び24の各々との間をバス32を経由して進む(ただし図1には特に図示してはない)。
【0028】
D(0〜7)−EXEC内部データバス
ADDR(0〜15)−EXEC内部アドレスバス
CMD(0〜3)−キューシステム18へのコマンド線
QEN(0〜3)−キューコマンドイネーブル(キュー及びアレイの各々に1つずつ)
【0029】
各キューには256個のキュー要素がある。各キュー要素は2つの8ビットワードを格納する。それ故、キュー内のワードにアクセスするには8本のデータ線と9本のアドレス線が必要である。9番目のアドレス線はCMD(3)信号線である。CMD(0〜2)は異なる8個のコマンドのうちのどれを実行するかを指定するのに使用される。CMD(3)は動作が2つのキュー要素ワードのどれで実行されるかを決定する。QEN(0〜3)線はキューの1つだけをイネーブルするのに使用される。
【0030】
コマンドは、算術比較を実行するために特定のキューに送ることができる。これら算術比較は全てのキュー要素について並列に行われる。このような比較の結果は、項目を挿入または削除するためキュー内で並列シフトを行うのに使用される。こうすることにより、これらデータを、通常、リスト中へのポインタを用いて行うように操作するよりもかなりな速さの改善が得られる。
【0031】
下記の別の信号はキュー状態機械16からイベントカウントレジスタ26までバス32を通って進む(図1には特に図示してない)。
【0032】
ECOP(0〜1)−イベントカウンタ操作
ECOC−イベントカウンタ出力制御
ECCLK−イベントカウンタクロック
ECLR−イベントレジスタアレイクリア
EOC−イベントレジスタ出力制御
【0033】
これら信号は、イベントカウントレジスタ26の256個の8ビットレジスタ、及びレジスタ26中にあって、これら値をロードしてインクリメントまたはデクリメントすることができるカウンタを制御するのに使用される。
【0034】
イベントカウンタレジスタ26の中の各レジスタのロケーションは対応して番号の付いたイベントと関連付けられている。特定のイベントのシグナルが発生すると、適切なレジスタ値が読み出され、インクリメントされ、再書き込みされる。同様に、特定のイベントについてWaitが実行されると、適切なレジスタの値が読み出され、デクリメントされ、再び書き込まれる。
【0035】
○キューの構造
次に図2を見ると、CPUキュー20の基本構造が示されている。各キューのハードウェア構造は同一であることが想起されよう。TCB名は優先度の順序にCPUキュー20に格納されている。別々の優先度値をTCB名に割当てるのではなく、当該TCBに割当てられた実際の優先度値をTCB名として割当てることにより実質的な記憶領域を保持できると定められた。従って、名前0を有するTCBは最高の優先度値を持っており、このTCBは、EXECモジュール12のアドレス表示では、全てが0であるアドレスによって参照される。優先度のより低い他のTCBは同様に命名される。
【0036】
CPUキュー20は複数のキュー要素35を含んでいる。説明の都合上、CPUキュー20を、8ビットアドレスで使用することができる256個ではなく、キュー要素4個だけしかないように示してある。キュー要素の構造を図3に図示し、下に詳細に説明することにする。データ線(0〜7)は、各キュー要素35のデータポートへ、またデータポートから、データを運ぶ(図2を参照)。CMD(0〜3)は異なる8つのコマンドのどれを各キュー要素35で実行するかを指定するのに使用されるアドレス線である。CMD(3)線は、キュー要素35の2つのワードのうちの何れで操作を行うかを決めるレベルを与える。QEN(0)はイネーブル線であって、3つのキュー(20,22,24)の1つをイネーブルする。
【0037】
アドレスバスADDR(0〜7)はアドレスデコーダ36によりデコードされ、個別のキュー要素35を(256本の別々のワード線から成るケーブル38の出力を経由して)選択するのに使用される。ワードバス38の各ワード線は個々のキュー要素35に接続されて、アドレスデコーダ36に受けられたアドレスに従ってどれか1つの選ばれたキュー要素中での論理操作ができるようにする。このような接続は図を複雑にし過ぎないよう、図2には図示してない。
【0038】
アドレスバスADDR(0〜7)はまた、比較動作中アドレス情報をキュー状態機械16に返送する。このような動作中、比較判定基準を満たすキュー要素35のアドレスはアドレスバスADDR(0〜7)上に返送される。
【0039】
レゾルバ/エンコーダ40は、複数のキュー要素35が比較判定基準を満たした場合の事態を解決する。例えば、「数値0」を含む1つのキュー要素のアドレスを返送するというコマンドが発せられ且つ全てのキュー要素が「0」を含んでいれば、レゾルバ/エンコーダ40は、アドレスバスADDR(0〜7)が最小の番号の付いたキュー位置をキュー状態機械16に返送するようにする。上に示した例では、レゾルバ/エンコーダ40は位置1をアドレスバスADDR(0〜7)上に返送する。
【0040】
各キュー要素35はタスクに関する2ワードの情報を含んでいる。一般に、CPUキュー20の位置1にあるキュー要素35は、操作を待っている最高優先度のタスクに関する2ワードを含んでいる。これらのワードは、最小の数値(優先度)を有するTCB名、及びこのTCB名をCPUキュー20に移動させるイベントの名前である。位置3、4等にあるキュー要素は更に低い優先度(数値としてはもっと大きな値)を有するTCB名を含んでいる。
【0041】
各キュー要素35をその次に大きな数字の付いた隣のキュー要素に接続し、項目をキューに対して挿入または削除するときに使用される2つのローカルバス42及び44がある。各キュー要素35はその構造に組込まれている2つの比較動作を持っており、その結果はGT出力46及びM出力48に現れる。信号「GT」及び「M」はそれぞれ「より大きい(Greater Than)」及び「一致(Match)」を意味する。簡潔に述べれば、データをデータバスD(0〜7)に印加すると、各キュー要素35は、自分に含まれているデータワードの値が印加されたデータワードに対して一致するかあるいは大きいか判定する。自分にストアされているワードの値がデータバスの値より大きいことがわかれば、出力は出力GT線46に与えられる。値が一致していることがわかれば、M出力48が付勢される。マルチプレクサ50は全てのキュー要素35に接続され、キュー要素35からの全ての「より大きい」出力46かまたはキュー要素35からの全ての「一致」出力48のいずれかを選択するように制御される。図2に示した例では、マルチプレクサ50は、図示した4つのキュー要素から選定された「より大きい」または「一致」出力からの4つの出力を与える。どの信号群が選択されるかは入力データに一致する最も小さい番号のキュー要素35を知りたいのかあるいは入力データより大きい値を保持する最も小さい番号のキュー要素35を知りたいのかによって決まる。
【0042】
○キュー要素の構造
次に図3に転ずると、キュー要素35の構造が図示されている。各キュー要素35では、一対のワード記憶部52及び54が2つの8ビット値、すなわちワードA及びワードBを保持している。その他に、各ワード記憶部は、入来データワードと自分が持っているワードとの間の比較を行うことを可能とするに必要な論理を含んでいる。その論理構造の詳細を図4に示し、下で更に考察することにする。
【0043】
キュー要素35は下記の情報を保持している。
【0044】
【0045】
タスク名/優先度は(上に記した通り)その値がその優先度と直接関係しているTCB名によって表される。「イベントケース(event case)」は、ワードAのTCBにより指示されたタスクをCPUキュー20に移させた、生起したイベントの名前の値である。「イベント名」はマイクロプロセッサ10の内部の特定の動作に与えられた名前つまり値である。例えば、イベント名はハードウェア割込、I/O割込等に割当てられた値とすることができる。「遅延値」はイベントが発生するまでに経過しなければならない時間に割当てあられた値である。
【0046】
各ワード記憶部52、54は、それぞれ、マルチプレクサ56及び58に印加されるGT及びM出力を含んでいる。CMD(3)線はマルチプレクサ56及び58に印加され、その出力レベルにより、どのワード(ワードAまたはワードB)を比較して所要出力をGT線46またはM線48のいずれかに発生するかが選択される。
【0047】
LASTバス42及び44、及びNEXTバス42’及び44’は、キュー要素35の間でワードをシフトするのに使用される。各ワード記憶部52、54は、全キュー要素35の内容を1回の並行動作でシフトできるようにする自分自身のLAST及びNEXTバスを持っている。ワード記憶部52及びワード記憶部54の内容は常に、同じキュー要素35を共に占めている。
【0048】
○ワード記憶部の構造
図4に、ワード記憶部52の詳細を示してある。マルチプレクサ70はワード記憶部52(ワードA)についての入力データの4つのデータ源を受信する。これらのデータ源は次の通りである。
【0049】
LAST A(0〜7)−次に低位にあるキュー要素ワード
D(0〜7)−EXEC内部データバス
NEXT A(0〜7)−次に高位にあるキュー要素ワードA
VDD−連想メモリ(content−addressable memory)72で比較中にBIT及びnBIT(BITのコンプリメント)線にプリチャージするのに使用される。
【0050】
連想メモリ(CAM)72はワードAについての8個の並列接続ビットセルを含んでいる。各ビットセルはそのそれぞれのビットについての真の出力及びコンプリメント出力の双方を発生する。一対のマルチプレクサ74及び76により、CAM72に保持されている8ビットワードに関して比較動作を行うことができるようになる。
【0051】
1ビットCAMセルの詳細を図5に示す。ビット線82及び84は別になっているが、8個全ての1ビットCAMセルのワード線81及び83は共通接続され(図示せず)共通の8ビットワード線を形成している。基本メモリセルは既知の構造のCMOSフリップフロップ85である。セル85に書き込むには、データをビット線82に乗せ、コンプリメントデータをコンプリメントビット線84に乗せる。次に、印加された入力に従ってセル80が切換えられるように、ワード線81、83をアサートする。読み出し動作はビット線及びコンプリメントビット線82及び84をプリチャージすることから始まる。次にワード線81、83をアサートすると、ビット線82がセルの値を示す。
【0052】
比較動作については、比較を行うべき真データをコンプリメントビット線84に印加し、コンプリメントデータをビット線82に置く。印加されたデータがセル85にあるデータに一致すれば、一致トランジスタ86が非導通状態のままとなり、これにより一致線88がセル80の状態に影響されないようになる。各メモリセルには一致線88が1つ存在する。
【0053】
図4に戻って、キュー要素論理モジュール73はCMD(0〜2)線を通して複数のコマンドを受取り、各コマンドをワイヤード論理を使用してデコードし、従ってその出力線S1〜S5、E、及びWの中の1つあるいは複数のものを付勢する。キュー要素論理モジュール73からの出力線はマルチプレクサ70、74、75、連想式ワード記憶部72、及びデマルチプレクサ76に印加されて、受取ったコマンドを実行することができるようにする。
【0054】
比較器77は、CAM72からの一致線出力及びデータバス(0〜7)に現れるデータ入力を調べ、受取ったデータの値がワード記憶部72に格納されている値より大きいかどうか判定する。比較器77は、格納されているデータワードを一致線出力から再構築し、以後の入力値の大きさの比較ができるようにする排他的NOR入力段(図示せず)を含んでいる。入力データの値が格納されているワードの値より小さければ、比較器77からのGT出力がアサートされる。入力データの値が格納ワードの値に等しければ、ANDゲート78はそのM出力をアサートする。
【0055】
○キューコマンド
各ワード記憶部52/54は下記コマンドに応答する。
【0056】
Match= − 比較されたワードを含むものの内の最大の番号の付いたロケーションを戻す。
Match> − 比較されたワードより次に高い値を含むものの中の最大の番号の付いたロケーションを戻す。
SR − キューの内容を右(次に大きな番号の付いたロケーション)にシフトする。
SL − キューの内容を左(次に小さな番号の付いたロケーション)にシフトする。
RD − アドレスされたワード記憶部の内容をD(0〜7)上に読み出す。
LD − D(0〜7)をアドレスされたワード記憶部にロードする。
Init − 全てのキュー要素ワードを全てのビットが1である値に初期設定する。
【0057】
「Match」コマンドは比較コマンドであり、選択されたワード記憶部(ワードAまたはワードB)に関してキュー内の各キュー要素で実行される。RDコマンド及びLDコマンドはキュー内の1つのアドレスされたワードだけで実行される。
【0058】
SRコマンド及びSLコマンドは共に、そこからデータシフトが起こるべきキュー要素ワード記憶部を指示するアドレスを含んでいる。従って、SR及びSLシフトコマンドはそのアドレスロケーションが指定されたアドレスに等しいか大きいキュー要素内部だけで実行される。選択的シフト動作は、指定されたアドレスをキュー状態機械16からそれぞれのキューのアドレスデコーダ36(図2)に送ることによりイネーブルされる。アドレスデコーダ36は、このアドレスに応答して、各キュー要素に入力される、バス38上の所要のワード線(例えば、図4のキュー要素論理モジュール73に入力されるWord(0))を付勢する。
【0059】
Initコマンドは、キュー内の全てのワード記憶部を1の状態に初期設定するのに使用される。
【0060】
図4に戻って、Match=、RD、LD、及びSRの各コマンドに応答するワード記憶部52の動作を考察することにする。
【0061】
コマンドMatch=は、キュー要素論理モジュール77に流入するCMD(0〜2)線及びQEN(0)線に適切な値が置かれることにより開始される。これらの値は、ワード記憶部52が存在している特定のキューに対するMatch=コマンドを示す。一致を取るべき値はデータバスからD(0〜7)線を通してワード記憶部52に提示される。キュー要素論理モジュール73は出力信号S1及びS2を活性化してマルチプレクサ70がD(0〜7)入力をマルチプレクサ74、75に伝えるようにする。キュー要素論理モジュール73からの信号S3がアサートされ、D(0〜7)を選択して、ワード記憶部72に入力するNBIT(0〜7)に流す。信号S3は更にD(0〜7)のコンプリメントをワード記憶部72に入力するBIT(0〜7)に流す。D(0〜7)がワード記憶部72に保持されている値に一致すれば、一致線上に得られる出力によりANDゲート78が一致出力Mをアサートする。
【0062】
今度は、内容読み出し(RD)コマンドがQEN(0)イネーブル信号を伴ってCMD(0〜2)線上に現れたと仮定する。キュー要素論理モジュール73はこれらのレベルをRD−A(ワードAを読み出す)コマンドであると解釈する。キュー要素論理モジュール73に入力されるワード(0)に印加されたレベルは、この特定のキュー要素のワードAがデータバスD(0〜7)上に読み出されることを示す。読み出し動作はビット線をワード記憶部72の各ビットセルにプリチャージする(論理1の状態に上げる)ことにより開始される。これはマルチプレクサ74及び76からの出力を、キュー要素論理モジュール73からのE線のアサートによりトライステート状態にすることにより行われる。ワード記憶部72の各ビットセルへのワード線が次にアサートされ、そこに格納されている8ビット値がキュー要素論理モジュール73からの信号S4及びS5の制御のもとにマルチプレクサ76を通してデータバスD(0〜7)に読み出される。
【0063】
ロード(LD)コマンドは、QEN(0)イネーブル信号を伴うキュー要素論理モジュール73へのCMD(0〜2)入力に印加されるコマンド値により開始される。キュー要素論理モジュール73に入力するワード(0)のアサートは、この特定のキュー要素ワードAがデータバスD(0〜7)からロードされることを示す。LDコマンドに応答して、キュー要素論理モジュール73は信号S1及びS2をマルチプレクサ70に対してアサートし、マルチプレクサ70は、D(0〜7)入力をマルチプレクサ74及び75の入力に接続する。次に、キュー要素論理モジュール73からのS3及びS4出力でアサートされたレベルにより、データ値D(0〜7)及びそのコンプリメントがそれぞれワード記憶部72へのビット(0〜7)入力及びNBIT(0〜7)入力に接続されるように選択する。キュー要素論理モジュール73からのワード線Wが次にアサートされ、データ値をワード記憶部72に格納させる。
【0064】
右シフトコマンド(SR)を遂行するには、QEN(0)上のイネーブル信号を伴う適切なコマンド値でCMD(0〜2)線をアサートする。ワード線Word(0)がアサートされて、この特定のキュー要素ワードAが部分的または全体的キュー位置シフトの一部分となることを示す。SR(またはSL)コマンドは上述のRDコマンドとLDコマンドを連結したものである。相違点は、キュー要素論理モジュール73からの論理信号S4及びS5が読み出し機能の出力としてNEXTA(0〜7)を選択し、S1及びS2出力がロードへの(SRコマンドに対する)入力としてLASTA(0〜7)を選択することだけである。
【0065】
並列操作右シフトは、全てのキュー要素ワードを同時に別々のNEXTAバスに読み出し、次に全てのキュー要素ワードをその別々のLASTAバスから同時にロードすることにより行われる。明確には図示してないが、各キュー要素NEXTAバスは次に高い位置のキュー要素LASTAバスに接続されている。上述のことから、キュー要素間のデータのシフトは並列に且つ同時に行われ、選択されたキュー要素間でまたはキュー内の全てのキュー要素間で発生し得ることがわかる。
【0066】
○イベントカウントレジスタ
EXECモジュール12は、各々の可能なイベントに1つずつ、256個のイベントカウントレジスタ26を含んでいる(8ビットアドレスで限定される)。図6に、8ビットイベントカウンタ100及びイベントカウントレジスタの最初の3個、102、104、及び106を示してある。イベントカウンタ100はプログラム可能であり、データバスD(0〜7)を経由してロードされるイベントカウントまたはレジスタ102、104、または106のうちの1つからのイベントカウントに応答する。
【0067】
各イベントカウントレジスタは、システムで生じる可能性のある256のイベントの1つを示す割当て値を含んでいる。レジスタがプラスのカウントを示せば、それは複数のタスクがイベントの発生を待っていることの指示である。イベントカウントレジスタがマイナスの値を示せば、その指示は、イベントの発生を待っているタスクが存在するよりも多い回数のイベントがシグナルされた(発生した)ということである。イベントが発生すると、そのイベントに対応するイベントカウントレジスタを調べてそのカウントの状態を確認する。カウントが正であることがわかれば、キュー状態機械16は、タスクがイベントキュー24に存在し、この特定のイベントの発生を待っていることを知る。このような場合には、イベントキュー24を並列にサーチし、この特定のイベントを指定する全てのTCBを見出す。こうしてイベントを指定する最高の優先度のTCBを選択して実行する。キュー状態機械16はイベントキュー24から選択したTCBをCPUキュー20に転送し、そこでそのTCBは優先度の順に置かれる。タスクをイベントキュー24から取出すと、イベントカウントレジスタの中の値が、カウンタ100の動作によりデクリメントされる。
【0068】
イベントが発生すると、Signalユーティリティは対応するイベントカウントレジスタの値を読み出させカウンタ100をプログラムするのに使用させる。次に、カウンタ100は値をデクリメントし、、このデクリメントされた値は適切なレジスタに書き戻される。Waitユーティリティは、値をデクリメントすることを除いては、同じシーケンスを発生させる。どのイベントカウントレジスタ(102,104,106等)の値もデータバスD(0〜7)を経由してキュー状態機械16が読み出すのに利用できる。キュー状態機械16からの以下に示すコマンド線はカウンタ100に与えられる:
【0069】
ECOP(0〜1):カウンタ100をインクリメント、デクリメント、ロード、またはクリアすべきかを指定するのに使用される。
ECOC:カウンタ100からデータ線D(0〜7)への出力をイネーブルするのに使用される。
ECCLK:カウンタ100での動作を起こさせるのに使用されるクロックである。
ECLR:全てのイベントカウントレジスタ102、104、106等を0に初期設定するのに使用される。
【0070】
○遅延タイマ
図7に、図1の遅延タイマ28の詳細を示す。遅延タイマ28はシステムクロックサイクルをカウントし、キュー状態機械16がその遅延が終了したイベントにシグナルを与えるようにする。1遅延単位(すなわち、遅延時間の単位)内のクロックサイクル数はプログラム可能であり、この数はコマンド及びステータスレジスタ14の中のタイマインターバルレジスタに保持されている。遅延単位の値は、タイマインターバルレジスタからTIR(0〜7)線を通って遅延タイマ28の8ビットカウンタ110に入る。8ビットカウンタ112は各遅延単位内でクロックサイクル数を累積し、次の遅延単位のカウントにインクリメントすることにより、遅延単位の数をカウントする。8ビットカウンタ112は最大255までカウントし、次には0に戻る。Delayユーティリティは、絶対時間ではなく、相対時間だけイベントを遅らす。
【0071】
○コマンド及びステータスレジスタ
図1を参照すれば、コマンド及びステータスレジスタ14は、16ビットデータ(及びコマンド)をマイクロプロセッサ10から、及び8ビットデータをEXECモジュール12の中の各種要素から受取る多数のマイクロプロセッサからアクセス可能なレジスタを有している。全てのレジスタは6ビット幅であり、各レジスタは読み出しまたは書き込みのいずれかが可能であるが、両方は可能とはなっていない。例えば、図8に、書き込みレジスタ120及び読み出しレジスタ122の例がその相互接続及び制御回路と共に示してある。レジスタ122は読み出しレジスタであり、データをEXECモジュールデータバスD(0〜7)から受取る。このようなデータは次に、イネーブル信号ROEN(5)を印加するとマイクロプロセッサ10に読み出すことができる。同様に、書き込みレジスタ120はデータをマイクロプロセッサ10から受取り、イネーブル信号RIEN(0)を印加すると、このようなデータを出力としてデータバスD(0〜7)に与える。
【0072】
以下に、コマンド及びステータスレジスタ14の内部にあるマイクロプロセッサからアクセス可能なレジスタ(図示せず)のリスト、及びそれに関連するユーティリティ動作を実行中のそれぞれのレジスタの動作の説明を与える。
【0073】
Scheduleレジスタ(書き込みレジスタ):タスクTCBをこのレジスタに書き込むと、TCBはその優先度(TCB値)に従ってCPUキュー20に置がれる。
【0074】
Suspendレジスタ(書き込みレジスタ):タスクTCBをこのレジスタに書き込むと、このTCBが実際にCPUキュー20中にあれば、このTCBはCPUキュー20から取り除かれる。このTCBがCPUキュー20になければ、割込条件がマイクロプロセッサ10に対して発生する。この条件を示すステータスがステータスレジスタに設定される。
【0075】
Signalレジスタ(書き込みレジスタ):イベント制御ブロックがマイクロプロセッサ10からこのレジスタに書き込まれると、このイベントがシグナルされる。このイベントを待っているタスクがなければ、これに対して取られる処置はこのイベントに対するイベントカウントをデクリメントすることだけである。タスクがこのイベントを待っていれば、最高の優先度(最低のTCB値)を持つTCBがイベントキュー24から取出され、CPUキュー20に置かれる。
【0076】
Waitレジスタ(書き込みレジスタ):イベント制御ブロックがマイクロプロセッサ10からこのレジスタに書き込まれると、実行中のタスクのTCBがイベントキュー24に置かれ、指定されたイベントを待つ。実行中のタスクのTCBはCPUキュー20の最初のキュー位置(位置0)で見いだされる。このTCBはCPUキュー20から取出され、イベントキュー24の中にその優先度(TCB値)に従って置かれる。
【0077】
Delayレジスタ(書き込みレジスタ):イベント制御ブロック及び8ビット遅延値がマイクロプロセッサ10からこのレジスタに書き込まれると、イベント制御ブロック名が遅延キュー22に置かれ、その遅延値により優先度を与えられる。遅延が少ければ少いほど、このブロック名はキューの先頭に近いところに置かれる。
【0078】
Statusレジスタ(読み出しレジスタ):StatusレジスタはEXECチップ内部で生じる異常ステータスに関する情報を含んでいる。
【0079】
タイマインターバルレジスタ(書き込みレジスタ):ユーザは、各遅延値を構成するシステムクロックの数を表す16ビットの値をこのレジスタに書き込む。
【0080】
CPUQレジスタ、イベントQレジスタ、遅延Qレジスタ(読み出しレジスタ):これらのレジスタは、マイクロプロセッサ10により読み出されると、適切なキューにある全てのキュー要素ワードの内容を順次与える。これらは診断レジスタである。
【0081】
診断ポインタレジスタ(書き込みレジスタ):値を書き込むと、上述の診断レジスタは、読み出しに当ってキュー内のこの値のロケーションから読み出されるように設定される。
【0082】
アクティブTCBレジスタ(読み出しレジスタ):読み出されると、CPUキュー内で最高の優先度を持つ現在のタスクのTCB名が戻される。
【0083】
イベントケースレジスタ(読み出しレジスタ):読み出されると、タスクに実行を再開させたイベントのイベント制御ブロック名が戻される。このタスクがWaitユーティリティ呼び出しを行っていた場合にのみ、この値が意味を有する。
【0084】
○キュー状態機械
キュー状態機械16はEXECモジュール12の作業を制御する。キュー状態機械16は、コマンド及びステータスレジスタ14に書き込まれたコマンドに応答する内部ハードウェアにより制御され、制御線を順次付勢してシステム動作を指定コマンドに従って発生させる。全ての局面でキュー状態機械16は従来どおりであり、その構成は当業者に既知である。
【0085】
○EXECモジュール動作−スケジューリングユーティリティ
マイクロプロセッサ10は、スケジューリングしたいタスクのTCBをEXECモジュール12のコマンド及びステータスレジスタ14の内部にあるScheduleレジスタに書き込む。これにより、TCB値はScheduleレジスタの中にラッチされる。これに応答して、キュー状態機械16はCPUキュー20の並列サーチを行って、スケジューリングされているTCB中から、格納されている次に低い優先度のTCBを見つける。これが見つかると、CPU20の中のTCBは、入来TCBのキュー位置から出発して、1位置右にシフトされる。この右シフトにより空になったCPU20の中の位置にスケジューリングすべきタスクのTCBをロードする。
【0086】
EXECモジュール12は今度はポート制御モジュール30からハンドシェーク信号NDTACKをアサートして、処理を今や終ってよいということを示す。これに応答して、マイクロプロセッサ10はポート制御モジュール30へのそのCS信号のアサートを解除する。この信号はEXECモジュール12との全てのトランザクションに先行する。
【0087】
CPUキュー20は、今や、スケジューリングすべきタスクのTCB名がCPUキュー20のその適切な優先度の位置に存在するように修正されている。マイクロプロセッサ10は、現在実行を待っている最高優先度タスクが何であるかを判定するため、コマンド及びステータスレジスタ14からアクティブTCBレジスタを読み出す。マイクロプロセッサ10はイベントケースレジスタを読み出すこともできる。マイクロプロセッサ10がアクティブTCBレジスタにアクセスすると、キュー状態機械16はCPUキュー20の第1のキュー要素(最高優先度)からTCB名を読み出し、この値をマイクロプロセッサのデータ線NDTACK(0〜15)に乗せる。ポート制御モジュール30は次にNDTACK線をアサートして、アクティブTCBレジスタの値がマイクロプロセッサ10から利用可能であることを示す。
【0088】
イベントケースとはタスクの名前をCPUキュー20に移動させたイベントの名前であることを想起されたい。マイクロプロセッサ10はイベントケースレジスタにアクセスしてCPUキュー20の中のイベント値を判定することができる。このアクセスによりイベント名をCPUキュー20の最初のキュー要素からイベントケースレジスタに読込まれ、マイクロプロセッサ10のデータバスDATA(0〜15)に乗せられる。信号NDTACKがアサートされて、マイクロプロセッサ10にこのレジスタの値が出力データバス上で利用可能であることを示す。
【0089】
○キュー状態機械の動作−Scheduleユーティリティ
以下にScheduleユーティリティの期間中に生起する状態を示す。キュー状態機械16への入力は小文字で表記してあり、出力は大文字で表記してある。イベントは全てシステムクロックに同期している。特定のイベントが発生するまで起こらない状態の各々について、そのイベントを示してある。所与の状態についてイベントが指定されていなければ、その状態からは次の状態機械のクロックで抜け出す。
【0090】
1.IDLE − EXECチップ選択(cs)がアサートされておらず、ntstがアサートされておらず、nrstがアサートされておらず、タイマキャリ出力(timer carry out, tco)がアサートされていない。
イベント − チップ選択(cs)がアサートされ、CPUはオペレーティングシステムを呼出すことを欲している。
【0091】
2.CMD RCVD − EXECコマンドが受信された
動作 − ScheduleレジスタはCPUがuPアドレス線に発生した値をラッチする。この値は実行のためスケジューリングすべきタスクのTCB名である。
【0092】
3.SETUP MATCH CMD − Scheduleユーティリティルを始める。「Match>.」コマンドを設定する。
動作 − CMD(0〜3)線をコマンド「Match>A」で設定する。D(0〜7)線はScheduleレジスタにある値を得る。QEN(0〜3)はCPUQ値をこの動作がCPUキューで行われることを示すように設定する。
【0093】
4.FINISH MATCH CMD − 「一致」線をアサートする。
動作 − 最後の状態の動作のアサートを解除し、一致線をアサートする。
【0094】
5.READ MATCH> ADD − 最高優先度match>アドレスに対するアドレス線を読み出す。
動作 − ADDR(0〜7)にある値を一時レジスタに格納し、一致線のアサートを解除する。
【0095】
6.SETUP SR CMD − 右シフトコマンドを設定する。
動作 − 一時レジスタにある値をADDR(0〜7)線に乗せる。CMD(0〜3)線を「SR」(右シフト)コマンドに設定し、QEN(0〜3)線をCPUQ値に等しく設定する(CPUキューに関する動作を示す)。
【0096】
7.FINISH SR CMD − 右シフトコマンドを終了する。
動作 − 最後の動作のアサートを解除する。
【0097】
8.SETUP LD CMD − 「LD」(ロード)コマンドの設定。
動作 − CMD(0〜3)線が「LDA」コマンド値を得る。D(0〜7)線がScheduleレジスタの内容を得る。ADDR(0〜7)線が一時レジスタにある値を得る。QEN(0〜3)線をCPUDQ値に等しく設定する(CPUキューに関する動作を示す)。
【0098】
9.FINISH LD CMD − ロードコマンドを終了する。
動作 − 最後の状態の動作のアサートを解除する。
【0099】
10.SETUP END uP XACTION(CPUとのトランザクションを終了するように設定する
動作 − DTACK(データ転送アクノーレッジ)をアサートする。
【0100】
11.END uP XACTION − CPUとのトランザクションを終了する
動作 − DTACK(データ転送アクノーレッジ)のアサートを解除する。
【0101】
12.IDLE − 上の状態1に行く
【0102】
この時点で、タスクのTCBはCPUキューに置かれている。最新のキュー情報を使用するためには、マイクロプロセッサ10は「READ_ACTIVETCB」コマンドを実行しなければならない。これに加えて、マイクロプロセッサ10は、このタスクに実行を再開させたイベントを判定するために「READ_EVENTCASE」を実行することができる。これら動作はSchedule、Suspend、Signal、Wait、及びDelayを含むどんなユーティリティ呼び出しに対しても行うことができる。
【0103】
READ_ACTIVETCBコマンド
【0104】
1.IDLE − EXECチップ選択(cs)、ntst、nrst、及びtco(タイマキャリ出力)のアサートを全て解除する。
【0105】
2.SETUP RD CMD − 「RD」(読み出し)コマンドの設定。
動作 − CMD(0〜3)線がコマンド「RDA」(ワードAを読み出す)を得る。QEN(0〜3)線がCPUQ値を得る。ADDR(0〜7)線が0に(つまりCPUキューの最初のロケーション −キューの先頭− に対して)設定される。
【0106】
3.WRITE ACTIVETCB REG − CPUキューの先頭にあるTCB名をアクティブTCBレジスタに書き込む。
動作 − アクティブTCBレジスタに現在D(0〜7)線に現れている値が書き込まれる。これは、その優先度のため、CPU資源を使用することになっている次のタスクのTCB名である。
【0107】
4.SETUP END uP XACTION − CPUによる処理を終るよう設定する。
動作 − DTACK(データ転送アクノーレッジ)をアサートする。
イベント − csのアサートを解除する。
【0108】
5.END uP XACTION − CPUによる処理を終了する。
動作 − DTACK(データ転送アクノーレッジ)のアサートを解除する。
【0109】
6.IDLE(上の状態1)
【0110】
READ_EVENTCASEコマンド
【0111】
1.IDLE − EXECチップ選択(cs)、ntst、nrst、及びtco(タイマキャリ出力)のアサートを全て解除する。
【0112】
2.SETUP RD CMD − 「RD」(読み出し)コマンドを設定する。
動作 − CMD(0〜3)線が「RDB」(ワードBを読み出す)値に設定される。QEN(0〜3)がCPUQ値に設定される。ADDR(0〜7)線が0に設定される。CPUキューの最初の要素のワードBを読み出したいのである。
【0113】
3.WRITE EVENTCASE REG − 次のタスクのイベントケース値をイベントケースレジスタに書き込み、CPUで実行する。
動作 − イベントケースレジスタが線D(0〜7)の値に等しく設定される。最後の状態の動作がアサート解除される。
【0114】
4.SETUP END uP XACTION − CPUとのトランザクションを終了するように設定する。
動作 − DTACK(データ転送受領)をアサートする。
イベント − csのアサートを解除する。
【0115】
5.END uP XACTION − CPUとのトランザクションを終了する。
動作 − DTACK(データ転送アクノーレッジ)のアサートを解除する。
【0116】
6.IDLE(上の状態1)
【0117】
前述の説明は本発明の例示的解説に過ぎないことを理解すべきである。当業者は本発明から逸脱することなく種々の代案及び修正を工夫することができる。従って、本発明は特許請求の範囲に入るこのような代案、修正、及び変形を全て包含することを意図している。
【0118】
【効果】
以上詳細に説明したように、本発明によればイベントの発生に応答して優先度に基づいたタスク切替を極めてわずかのオーバーヘッドで実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を用いたシステムの高レベルブロック図。
【図2】図1のシステムで使用されるCPUキューのブロック図。
【図3】図2のCPUキュー内のキュー要素のブロック図。
【図4】図3のキュー要素内のワード記憶部の更に詳細な論理回路図。
【図5】連想メモリセルの回路図。
【図6】本発明の一実施例で使用される一組のイベントカウントレジスタのブロック図。
【図7】本発明の一実施例で使用される遅延タイマのブロック図。
【図8】図1のコマンド及びステータスレジスタ内に含まれる一組の読み出し/書き込みレジスタの例を示す図。
【符号の説明】
10:マイクロプロセッサ
12:EXECモジュール
14:コマンド及びステータスレジスタ
16:キュー状態機械
18:キューシステム
20:CPUキュー
22:遅延キュー
24:イベントキュー
28:遅延タイマ
30:ポート制御モジュール
35:キュー要素
36:アドレスデコーダ
40:レゾルバ/エンコーダ
42,44:LASTバス
42’,44’:NEXTバス
50,56,58:マルチプレクサ
52,54:ワード記憶部
73:キュー要素論理モジュール
76:デマルチプレクサ
77:比較器
81,83:ワード線
82,84:ビット線
85:CMOSフリップフロップ
88:一致線
100:イベントカウンタ
102,104,106:イベントカウントレジスタ
120:書き込みレジスタ
122:読み出しレジスタ
【産業上の利用分野】
本発明は多数のタスクに対して並列に動作するようプログラムされるプロセッサに関し、更に詳細には、プロセッサのオペレーティングシステムの一部をハードウェアで構成してマルチタスク動作を一層迅速に進行させることに関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】
リアルタイムデータプロセッサは多数のタスクの処理を同時に取扱うことができる。マルチプロセッサはこの機能をタスクに対して並列に動作する多数のプロセッサを設けることにより行う。リアルタイム動作する単一プロセッサシステムは、「並列」処理をマルチタスキングで取扱う。マルチタスキングとは幾つかのタスクを同時につまり並列に実行するプロセスである。同時に処理されるタスクは、物理的には同時に実行し得ないかもしれないが、論理的には同時に実行される。
【0003】
マルチタスキング動作はコンピュータのオペレーティングシステムの制御のもとで、特に、同時に実行されるタスクのスケジューリングを制御するその「エグゼクティブ」部の制御のもとで行われる。エグゼクティブ部(今後EXECと呼ぶ)はタスクと中央処理装置との間のインターフェースとなる。各タスクにとって、EXECはそのタスク自身の中央処理装置のように見える。EXECは、物理的CPUをシステムの全てのタスクと共有する際に関係する細目の全てを処理する。従って、EXECは、各タスクに割当てられた優先度及び実行可能度のレベルを調べることにより、どんなときにどのタスクがCPUを所有すべきかを制御する。
【0004】
一般に、EXECは、CPUを使用する別の要求を優先度が更に高いタスクから受取るまで1つのタスクがCPU上で実行できるようにする。実行中のタスクは「サスペンド(suspend)」され、優先度の高いタスクの実行が許される。このプロセスは多数回起こるかもしれないが、最高の優先度のタスクは遅かれ早かれその処理を完了し、自発的に自分自身をサスペンドする。従って、優先度の低いタスクがその完了前多数回サスペンドされることがあったとしても、そのタスクは結局は完了し、それが割込まれずに実行された場合と同じ結果を生じる。
【0005】
タスクには種々の実行状態がある。アクティブタスクはCPUの制御を有し、実行されているものである。唯1つのタスクが任意の所与の時間にマルチタスキングCPU上でアクティブであることができる。非アクティブタスクは実行されておらず、また実行されるのを待ってもいない。非アクティブタスクは単にアイドル状態であるだけである。動作準備完了タスクは、CPU時間が利用可能になり実行することができるようになるのを待っているものである。待ちタスクは、或るイベントが発生するまで動作をサスペンドしているものである。イベントは他のタスクにより発生されることもあるし、あるいはハードウェアイベントのこともある。イベントが発生すると、タスクは待ち状態から、現在活動的なタスクの優先度により、動作準備完了状態またはアクティブ状態に移る。
【0006】
タスクは、優先度、タスクの作動可能状態、あるいは両者の組合わせにより同期させることができる。一般に、EXECはタスクが必要な制御機能を行うのに使用する多数のユーティリティルーチンを備えている。これらユーティリティルーチンのもとで、任意のタスクが他のタスクをスケジューリングしたり、それ自身または他のタスクをサスペンドしたり、イベントのシグナルを与えたり、ある時間イベントを待ったり遅らせたりすることができる。EXECの主要なユーティリティルーチンは次の通りである:Schedule、Suspend、Signal、Wait、Delay。Scheduleユーティリティは、当該アクティブタスクが他のタスクの実行を開始あるいは再開させたいときにこのアクティブタスクが使用する。Scheduleは最高の優先度の動作準備完了タスクを実行できるようにする。Suspendユーティリティは、アクティブタスクによって使用され、自分自身を動作準備完了状態でなくしたりあるいは他のタスクを非アクティブ状態に移す。このとき、制御は現在最高の優先度を持つ動作準備完了タスクに与えられる。
【0007】
Signalユーティリティはアクティブタスクまたは割り込みサービスルーチンにより特定のイベントを発生するのに使用される。シグナルが与えられたイベントに付随するタスクがなければ、EXECは制御をアクティブタスクに戻す。そのシグナルが与えられたイベントに付随するタスクがあれば、制御は最高優先度のタスクに戻される。
【0008】
Waitユーティリティは、アクティブタスクが自分の実行をサスペンドし特定の1つまたは複数のイベントが発生したときその実行を再開したい場合に使用される。
【0009】
Delayユーティリティは、アクティブタスクがそれ自身かまたは他のタスクに特定の時間だけ待たせてから実行を再開させる必要があるとき、このアクティブタスクによって使用される。このユーティリティは、時間を基準として使用することにより、非同期タスクを同期されるようにする。
【0010】
オペレーティングシステムは、フォームウェアの動作をハードウェアのイベントに同期させる主要な手段である割込み機構を組込んでいる。割込みが発生すると、制御は、そのときどんなタスクが実行中であってもそのタスクから割込み処理モジュールに移る。発生することができる割込みの各形式毎に1つの割込みモジュールが存在する。
【0011】
上述のユーティリティを実現するために、多様なデータ構造がEXECにより採用されている。CPUキューは作動準備完了状態にあるタスクのリストである。最高優先度のタスクは現在のアクティブタスクである。同じ優先度の作動準備完了タスクが2つ存在すれば、最初に作動準備完了したタスクがアクティブタスクになる。イベントキューは待ち状態にあるタスクのリストである。遅延キューは、遅延の継続時間後、イベントを待っているタスクをCPUキューに移して作動準備完了タスクにする遅延イベントのもう1つのリストである。
【0012】
前述のキュー構造はダイナミック、即ち更新される必要があり、少なくとも4つの基本動作、すなわち項目の挿入、項目の削除、項目の位置決め、及び項目の修正ができるようになっていなければならない。各キューは線形リスト、単一リンク付きリスト、または二重リンク付きリストとして構成することができる。単一リンク付きリストは、各項目がリスト内の次の項目を示すポインタを持っているものである。二重リンク付きリストは、2つのリンクフィールドを持っている項目を備えている。二重リンク付きリスト内の各項目は、右側の隣の項目及びその左側の隣の項目を指すポインタを備えている。
【0013】
上に示したように、EXECは一般に、オペレーティングシステムの一部(「カーネル」)としてソフトウェアで構成されている。しばしば、EXECはキューの内容の比較及びシフトを含むキューの幅に渡る動作(queue−wide operation)を行う必要がある。このような動作は直列に行われ、その実行時間はキューの長さと共に少なくとも直線的に変わる。このような実行時間はオペレーティングシステムの性能に有害な影響を及ぼすことがあり、システムの性能の向上に対して現実に障害となる。
【0014】
【目的】
従って、直列処理動作から制約を受けないEXECを備えたマルチタスキングデータ処理システムを提供することが本発明の目的である。
【0015】
本発明の他の目的は、マルチタスキングデータ処理システムを一層効率良く動作させることができるEXECを提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、カーネルに保持されているキューが別個の優先度表示を必要としないハードウェア構成オペレーティングシステムカーネルを備えたマルチタスキングデータ処理システムを提供することである。
【0017】
【概要】
本発明の一実施例によれば、ハードウェア構成オペレーティングシステムカーネルを備えているマルチタスキングデータ処理システムが与えられている。システムは、各々が処理についての準備が完了しているタスク名を、実行優先度の順序で格納している複数のワード記憶部を備えたプロセッサキューを備えている。カーネル内のイベントキューは、イベントの発生を待ってプロセッサキューに置かれるタスク名を格納する複数のワード記憶部を備えている。関連するプロセッサがイベントの発生のシグナルを与えると、照合論理部はイベントキュー内の全てのワード記憶部を並列にサーチして、シグナルされたイベントに関連付けられたタスクを見出し、そのタスクをプロセッサキューに転送する。プロセッサキュー中の複数のタスク名を同時に並列に転送して、イベントキューから転送されるタスク名のための空き場所を作るシフト論理部も設けられている。
【0018】
【実施例】
簡潔に述べれば、本発明は、オペレーティングシステム中のクリティカルな機能をオペレーティングシステムのソフトウェアから除去し、これらの機能をハードウェア構造で実現する。この機構により、頻繁に現れるある種のデータ再組織動作を並列に且つ予め定められた時間幅内に行うことができる。ハードウェアカーネルは、主として5つのコマンド、すなわち、Schedule、Suspend、Signal、Wait、及びDelayを採用する。これらのコマンド及びその組合わせにより、取付けられたプロセッサの動作パラメータを大幅に改善することができる一組のリアルタイムオペレーティングシステムプリミティブが作り出される。カーネル内のキューがハードウェア構成であるため、キューの幅に渡る動作を、ソフトウェア環境で同様の動作を行うのに必要な時間の数分の1の時間で容易に行うことができる。
【0019】
○EXECモジュール(カーネル)
さて、図1を見ると、システムの高レベルブロック図が示されている。マイクロプロセッサ10には、ハードウェアで実現されているEXECモジュール12が組み込まれている。EXECモジュール12は、3つの主要機能ブロック、すなわち、コマンド及びステータスレジスタセット14、キュー状態機械16、及びキューシステム18を含んでいる。キューシステム18は全てのユーティリティが操作するデータ構造を含んでいる。キューシステム18には物理的に同一の3つのキュー、すなわち、CPUキュー20、遅延キュー22、及びイベントキュー24がある。
【0020】
CPUキュー20は、タスク制御ブロック(TCB)の名前及びこのTCBをCPUキューに配置させるするところの当該TCBに関連するイベントの優先度の順に並べられたリストである。CPUキュー20は各種タスクがマイクロプロセッサ10の内部で実行されるシーケンスを制御する。TCBはタスクのステータスに関する全ての情報を含んでおり、マイクロプロセッサ10の内部でこのようなタスクを制御するのに使用される。各TCBの名前は、その優先度を示しまたTCBを特定する値(例えば、0から255)である。タスクの優先度はタスクのTCB名で参照されるが、タスクにマイクロプロセッサ10の所有権が与えられたことを判定するのに使用される。CPUキュー20の「先頭」にあるTCBはそのタスクのためにマイクロプロセッサ10の所有権を保持している。より優先度の高いタスクがキューに置かれれば、現在実行中のタスクがCPUキュー20の先頭にある優先度がより高いタスクで置き換えられ、その優先度の高いタスクが実行される。どんなときでも、CPUキュー20にあるタスクのTCBの数は全タスクの数(全てのタスクが実行の準備が完了している場合)からゼロ(アクティブタスクすなわち実行準備が完了しているタスクがない場合)までの範囲にわたることができる。
【0021】
イベントキュー24はTCBの名前を優先度順に並べたリストを含んでおり、リスト内の各TCBはイベント名と結合されている。イベントが発生すると、そのイベントに結合されているTCBはCPUキュー20に移される。遅延キュー22はイベント名のリストを含んでおり、各イベント名はそれに関連付けられたイベントがどれだけ待ってからシグナルを受取るかを示す遅延と関連付けられている。遅延キュー22にあるイベント名は、それに関連付けられた遅延の値に基づいて優先度が決められている。
【0022】
キューシステム18はまた、システム内で発生することができる所定数の可能なイベントのうちの利用可能性を常に掌握しておく一組のイベントカウントレジスタ26を含んでいる。イベントはシステムタスクがシグナルすることがあり、またシステムタスクがこれを待つことがあるということを想起すべきである。システムにより収容され得るイベントの数はアドレスのサイズで示され、システムの制限と考えるべきではない。説明の目的でシステムは最大256の可能なイベントを収容することができ、このようなどのイベントに対しても8ビットのアドレスを使用すると仮定する。
【0023】
コマンド及びステータスレジスタ14の内部に、マイクロプロセッサ10がEXECユーティリティを開始するために書き込むコマンドレジスタがある。その他に、マイクロプロセッサ10が「読み出しアクセス可能」であり、またEXECモジュール12の内部の動作により発生されたデータを含む多数のレジスタが存在する。これらレジスタのリストを下に示す。
【0024】
キュー状態機械16はEXECモジュール12の動作を制御する。マイクロプロセッサ10からコマンド及びステータスレジスタ14のレジスタにEXEC命令を受取ると、キュー状態機械16はキューシステム18の1つまたは複数のキューについて必要な動作を実行する。キュー状態機械16はまたコマンド及びステータスレジスタ14中のレジスタについて必要な動作を行い、または更に、タイマ28及びポート制御モジュール30を制御する。ポート制御モジュール30はEXECモジュール12に対するI/Oコマンド機能を提供する。マイクロプロセッサ10とEXECモジュール12との間のアドレス及びデータの接続は、コマンド及びステータスレジスタ14により、それぞれ線31及び33を経由して、直接行われる。
【0025】
○信号線の定義
マイクロプロセッサ10とEXECモジュール12との間に存在する信号線は次の通りである。
【0026】
・EXECモジュール12への入力
CS−チップ選択
R/W−読み出し/非読み出し(書き込み)線
uPAddr(0〜7)−アドレス線
SCLK−EXECシステムクロック(図示せず)
NRST−外部リセット線
NTST−試験線(試験モード動作用)
・EXECモジュール12への双方向線
uP Data(0〜15)−データ線
・EXECモジュール12からの出力
NDTACK−データ転送アクノレッジ(非同期アクノレッジ)
NINIT−CPUへの割込線
【0027】
次の信号はキュー状態機械16とキュー20、22、及び24の各々との間をバス32を経由して進む(ただし図1には特に図示してはない)。
【0028】
D(0〜7)−EXEC内部データバス
ADDR(0〜15)−EXEC内部アドレスバス
CMD(0〜3)−キューシステム18へのコマンド線
QEN(0〜3)−キューコマンドイネーブル(キュー及びアレイの各々に1つずつ)
【0029】
各キューには256個のキュー要素がある。各キュー要素は2つの8ビットワードを格納する。それ故、キュー内のワードにアクセスするには8本のデータ線と9本のアドレス線が必要である。9番目のアドレス線はCMD(3)信号線である。CMD(0〜2)は異なる8個のコマンドのうちのどれを実行するかを指定するのに使用される。CMD(3)は動作が2つのキュー要素ワードのどれで実行されるかを決定する。QEN(0〜3)線はキューの1つだけをイネーブルするのに使用される。
【0030】
コマンドは、算術比較を実行するために特定のキューに送ることができる。これら算術比較は全てのキュー要素について並列に行われる。このような比較の結果は、項目を挿入または削除するためキュー内で並列シフトを行うのに使用される。こうすることにより、これらデータを、通常、リスト中へのポインタを用いて行うように操作するよりもかなりな速さの改善が得られる。
【0031】
下記の別の信号はキュー状態機械16からイベントカウントレジスタ26までバス32を通って進む(図1には特に図示してない)。
【0032】
ECOP(0〜1)−イベントカウンタ操作
ECOC−イベントカウンタ出力制御
ECCLK−イベントカウンタクロック
ECLR−イベントレジスタアレイクリア
EOC−イベントレジスタ出力制御
【0033】
これら信号は、イベントカウントレジスタ26の256個の8ビットレジスタ、及びレジスタ26中にあって、これら値をロードしてインクリメントまたはデクリメントすることができるカウンタを制御するのに使用される。
【0034】
イベントカウンタレジスタ26の中の各レジスタのロケーションは対応して番号の付いたイベントと関連付けられている。特定のイベントのシグナルが発生すると、適切なレジスタ値が読み出され、インクリメントされ、再書き込みされる。同様に、特定のイベントについてWaitが実行されると、適切なレジスタの値が読み出され、デクリメントされ、再び書き込まれる。
【0035】
○キューの構造
次に図2を見ると、CPUキュー20の基本構造が示されている。各キューのハードウェア構造は同一であることが想起されよう。TCB名は優先度の順序にCPUキュー20に格納されている。別々の優先度値をTCB名に割当てるのではなく、当該TCBに割当てられた実際の優先度値をTCB名として割当てることにより実質的な記憶領域を保持できると定められた。従って、名前0を有するTCBは最高の優先度値を持っており、このTCBは、EXECモジュール12のアドレス表示では、全てが0であるアドレスによって参照される。優先度のより低い他のTCBは同様に命名される。
【0036】
CPUキュー20は複数のキュー要素35を含んでいる。説明の都合上、CPUキュー20を、8ビットアドレスで使用することができる256個ではなく、キュー要素4個だけしかないように示してある。キュー要素の構造を図3に図示し、下に詳細に説明することにする。データ線(0〜7)は、各キュー要素35のデータポートへ、またデータポートから、データを運ぶ(図2を参照)。CMD(0〜3)は異なる8つのコマンドのどれを各キュー要素35で実行するかを指定するのに使用されるアドレス線である。CMD(3)線は、キュー要素35の2つのワードのうちの何れで操作を行うかを決めるレベルを与える。QEN(0)はイネーブル線であって、3つのキュー(20,22,24)の1つをイネーブルする。
【0037】
アドレスバスADDR(0〜7)はアドレスデコーダ36によりデコードされ、個別のキュー要素35を(256本の別々のワード線から成るケーブル38の出力を経由して)選択するのに使用される。ワードバス38の各ワード線は個々のキュー要素35に接続されて、アドレスデコーダ36に受けられたアドレスに従ってどれか1つの選ばれたキュー要素中での論理操作ができるようにする。このような接続は図を複雑にし過ぎないよう、図2には図示してない。
【0038】
アドレスバスADDR(0〜7)はまた、比較動作中アドレス情報をキュー状態機械16に返送する。このような動作中、比較判定基準を満たすキュー要素35のアドレスはアドレスバスADDR(0〜7)上に返送される。
【0039】
レゾルバ/エンコーダ40は、複数のキュー要素35が比較判定基準を満たした場合の事態を解決する。例えば、「数値0」を含む1つのキュー要素のアドレスを返送するというコマンドが発せられ且つ全てのキュー要素が「0」を含んでいれば、レゾルバ/エンコーダ40は、アドレスバスADDR(0〜7)が最小の番号の付いたキュー位置をキュー状態機械16に返送するようにする。上に示した例では、レゾルバ/エンコーダ40は位置1をアドレスバスADDR(0〜7)上に返送する。
【0040】
各キュー要素35はタスクに関する2ワードの情報を含んでいる。一般に、CPUキュー20の位置1にあるキュー要素35は、操作を待っている最高優先度のタスクに関する2ワードを含んでいる。これらのワードは、最小の数値(優先度)を有するTCB名、及びこのTCB名をCPUキュー20に移動させるイベントの名前である。位置3、4等にあるキュー要素は更に低い優先度(数値としてはもっと大きな値)を有するTCB名を含んでいる。
【0041】
各キュー要素35をその次に大きな数字の付いた隣のキュー要素に接続し、項目をキューに対して挿入または削除するときに使用される2つのローカルバス42及び44がある。各キュー要素35はその構造に組込まれている2つの比較動作を持っており、その結果はGT出力46及びM出力48に現れる。信号「GT」及び「M」はそれぞれ「より大きい(Greater Than)」及び「一致(Match)」を意味する。簡潔に述べれば、データをデータバスD(0〜7)に印加すると、各キュー要素35は、自分に含まれているデータワードの値が印加されたデータワードに対して一致するかあるいは大きいか判定する。自分にストアされているワードの値がデータバスの値より大きいことがわかれば、出力は出力GT線46に与えられる。値が一致していることがわかれば、M出力48が付勢される。マルチプレクサ50は全てのキュー要素35に接続され、キュー要素35からの全ての「より大きい」出力46かまたはキュー要素35からの全ての「一致」出力48のいずれかを選択するように制御される。図2に示した例では、マルチプレクサ50は、図示した4つのキュー要素から選定された「より大きい」または「一致」出力からの4つの出力を与える。どの信号群が選択されるかは入力データに一致する最も小さい番号のキュー要素35を知りたいのかあるいは入力データより大きい値を保持する最も小さい番号のキュー要素35を知りたいのかによって決まる。
【0042】
○キュー要素の構造
次に図3に転ずると、キュー要素35の構造が図示されている。各キュー要素35では、一対のワード記憶部52及び54が2つの8ビット値、すなわちワードA及びワードBを保持している。その他に、各ワード記憶部は、入来データワードと自分が持っているワードとの間の比較を行うことを可能とするに必要な論理を含んでいる。その論理構造の詳細を図4に示し、下で更に考察することにする。
【0043】
キュー要素35は下記の情報を保持している。
【0044】
【0045】
タスク名/優先度は(上に記した通り)その値がその優先度と直接関係しているTCB名によって表される。「イベントケース(event case)」は、ワードAのTCBにより指示されたタスクをCPUキュー20に移させた、生起したイベントの名前の値である。「イベント名」はマイクロプロセッサ10の内部の特定の動作に与えられた名前つまり値である。例えば、イベント名はハードウェア割込、I/O割込等に割当てられた値とすることができる。「遅延値」はイベントが発生するまでに経過しなければならない時間に割当てあられた値である。
【0046】
各ワード記憶部52、54は、それぞれ、マルチプレクサ56及び58に印加されるGT及びM出力を含んでいる。CMD(3)線はマルチプレクサ56及び58に印加され、その出力レベルにより、どのワード(ワードAまたはワードB)を比較して所要出力をGT線46またはM線48のいずれかに発生するかが選択される。
【0047】
LASTバス42及び44、及びNEXTバス42’及び44’は、キュー要素35の間でワードをシフトするのに使用される。各ワード記憶部52、54は、全キュー要素35の内容を1回の並行動作でシフトできるようにする自分自身のLAST及びNEXTバスを持っている。ワード記憶部52及びワード記憶部54の内容は常に、同じキュー要素35を共に占めている。
【0048】
○ワード記憶部の構造
図4に、ワード記憶部52の詳細を示してある。マルチプレクサ70はワード記憶部52(ワードA)についての入力データの4つのデータ源を受信する。これらのデータ源は次の通りである。
【0049】
LAST A(0〜7)−次に低位にあるキュー要素ワード
D(0〜7)−EXEC内部データバス
NEXT A(0〜7)−次に高位にあるキュー要素ワードA
VDD−連想メモリ(content−addressable memory)72で比較中にBIT及びnBIT(BITのコンプリメント)線にプリチャージするのに使用される。
【0050】
連想メモリ(CAM)72はワードAについての8個の並列接続ビットセルを含んでいる。各ビットセルはそのそれぞれのビットについての真の出力及びコンプリメント出力の双方を発生する。一対のマルチプレクサ74及び76により、CAM72に保持されている8ビットワードに関して比較動作を行うことができるようになる。
【0051】
1ビットCAMセルの詳細を図5に示す。ビット線82及び84は別になっているが、8個全ての1ビットCAMセルのワード線81及び83は共通接続され(図示せず)共通の8ビットワード線を形成している。基本メモリセルは既知の構造のCMOSフリップフロップ85である。セル85に書き込むには、データをビット線82に乗せ、コンプリメントデータをコンプリメントビット線84に乗せる。次に、印加された入力に従ってセル80が切換えられるように、ワード線81、83をアサートする。読み出し動作はビット線及びコンプリメントビット線82及び84をプリチャージすることから始まる。次にワード線81、83をアサートすると、ビット線82がセルの値を示す。
【0052】
比較動作については、比較を行うべき真データをコンプリメントビット線84に印加し、コンプリメントデータをビット線82に置く。印加されたデータがセル85にあるデータに一致すれば、一致トランジスタ86が非導通状態のままとなり、これにより一致線88がセル80の状態に影響されないようになる。各メモリセルには一致線88が1つ存在する。
【0053】
図4に戻って、キュー要素論理モジュール73はCMD(0〜2)線を通して複数のコマンドを受取り、各コマンドをワイヤード論理を使用してデコードし、従ってその出力線S1〜S5、E、及びWの中の1つあるいは複数のものを付勢する。キュー要素論理モジュール73からの出力線はマルチプレクサ70、74、75、連想式ワード記憶部72、及びデマルチプレクサ76に印加されて、受取ったコマンドを実行することができるようにする。
【0054】
比較器77は、CAM72からの一致線出力及びデータバス(0〜7)に現れるデータ入力を調べ、受取ったデータの値がワード記憶部72に格納されている値より大きいかどうか判定する。比較器77は、格納されているデータワードを一致線出力から再構築し、以後の入力値の大きさの比較ができるようにする排他的NOR入力段(図示せず)を含んでいる。入力データの値が格納されているワードの値より小さければ、比較器77からのGT出力がアサートされる。入力データの値が格納ワードの値に等しければ、ANDゲート78はそのM出力をアサートする。
【0055】
○キューコマンド
各ワード記憶部52/54は下記コマンドに応答する。
【0056】
Match= − 比較されたワードを含むものの内の最大の番号の付いたロケーションを戻す。
Match> − 比較されたワードより次に高い値を含むものの中の最大の番号の付いたロケーションを戻す。
SR − キューの内容を右(次に大きな番号の付いたロケーション)にシフトする。
SL − キューの内容を左(次に小さな番号の付いたロケーション)にシフトする。
RD − アドレスされたワード記憶部の内容をD(0〜7)上に読み出す。
LD − D(0〜7)をアドレスされたワード記憶部にロードする。
Init − 全てのキュー要素ワードを全てのビットが1である値に初期設定する。
【0057】
「Match」コマンドは比較コマンドであり、選択されたワード記憶部(ワードAまたはワードB)に関してキュー内の各キュー要素で実行される。RDコマンド及びLDコマンドはキュー内の1つのアドレスされたワードだけで実行される。
【0058】
SRコマンド及びSLコマンドは共に、そこからデータシフトが起こるべきキュー要素ワード記憶部を指示するアドレスを含んでいる。従って、SR及びSLシフトコマンドはそのアドレスロケーションが指定されたアドレスに等しいか大きいキュー要素内部だけで実行される。選択的シフト動作は、指定されたアドレスをキュー状態機械16からそれぞれのキューのアドレスデコーダ36(図2)に送ることによりイネーブルされる。アドレスデコーダ36は、このアドレスに応答して、各キュー要素に入力される、バス38上の所要のワード線(例えば、図4のキュー要素論理モジュール73に入力されるWord(0))を付勢する。
【0059】
Initコマンドは、キュー内の全てのワード記憶部を1の状態に初期設定するのに使用される。
【0060】
図4に戻って、Match=、RD、LD、及びSRの各コマンドに応答するワード記憶部52の動作を考察することにする。
【0061】
コマンドMatch=は、キュー要素論理モジュール77に流入するCMD(0〜2)線及びQEN(0)線に適切な値が置かれることにより開始される。これらの値は、ワード記憶部52が存在している特定のキューに対するMatch=コマンドを示す。一致を取るべき値はデータバスからD(0〜7)線を通してワード記憶部52に提示される。キュー要素論理モジュール73は出力信号S1及びS2を活性化してマルチプレクサ70がD(0〜7)入力をマルチプレクサ74、75に伝えるようにする。キュー要素論理モジュール73からの信号S3がアサートされ、D(0〜7)を選択して、ワード記憶部72に入力するNBIT(0〜7)に流す。信号S3は更にD(0〜7)のコンプリメントをワード記憶部72に入力するBIT(0〜7)に流す。D(0〜7)がワード記憶部72に保持されている値に一致すれば、一致線上に得られる出力によりANDゲート78が一致出力Mをアサートする。
【0062】
今度は、内容読み出し(RD)コマンドがQEN(0)イネーブル信号を伴ってCMD(0〜2)線上に現れたと仮定する。キュー要素論理モジュール73はこれらのレベルをRD−A(ワードAを読み出す)コマンドであると解釈する。キュー要素論理モジュール73に入力されるワード(0)に印加されたレベルは、この特定のキュー要素のワードAがデータバスD(0〜7)上に読み出されることを示す。読み出し動作はビット線をワード記憶部72の各ビットセルにプリチャージする(論理1の状態に上げる)ことにより開始される。これはマルチプレクサ74及び76からの出力を、キュー要素論理モジュール73からのE線のアサートによりトライステート状態にすることにより行われる。ワード記憶部72の各ビットセルへのワード線が次にアサートされ、そこに格納されている8ビット値がキュー要素論理モジュール73からの信号S4及びS5の制御のもとにマルチプレクサ76を通してデータバスD(0〜7)に読み出される。
【0063】
ロード(LD)コマンドは、QEN(0)イネーブル信号を伴うキュー要素論理モジュール73へのCMD(0〜2)入力に印加されるコマンド値により開始される。キュー要素論理モジュール73に入力するワード(0)のアサートは、この特定のキュー要素ワードAがデータバスD(0〜7)からロードされることを示す。LDコマンドに応答して、キュー要素論理モジュール73は信号S1及びS2をマルチプレクサ70に対してアサートし、マルチプレクサ70は、D(0〜7)入力をマルチプレクサ74及び75の入力に接続する。次に、キュー要素論理モジュール73からのS3及びS4出力でアサートされたレベルにより、データ値D(0〜7)及びそのコンプリメントがそれぞれワード記憶部72へのビット(0〜7)入力及びNBIT(0〜7)入力に接続されるように選択する。キュー要素論理モジュール73からのワード線Wが次にアサートされ、データ値をワード記憶部72に格納させる。
【0064】
右シフトコマンド(SR)を遂行するには、QEN(0)上のイネーブル信号を伴う適切なコマンド値でCMD(0〜2)線をアサートする。ワード線Word(0)がアサートされて、この特定のキュー要素ワードAが部分的または全体的キュー位置シフトの一部分となることを示す。SR(またはSL)コマンドは上述のRDコマンドとLDコマンドを連結したものである。相違点は、キュー要素論理モジュール73からの論理信号S4及びS5が読み出し機能の出力としてNEXTA(0〜7)を選択し、S1及びS2出力がロードへの(SRコマンドに対する)入力としてLASTA(0〜7)を選択することだけである。
【0065】
並列操作右シフトは、全てのキュー要素ワードを同時に別々のNEXTAバスに読み出し、次に全てのキュー要素ワードをその別々のLASTAバスから同時にロードすることにより行われる。明確には図示してないが、各キュー要素NEXTAバスは次に高い位置のキュー要素LASTAバスに接続されている。上述のことから、キュー要素間のデータのシフトは並列に且つ同時に行われ、選択されたキュー要素間でまたはキュー内の全てのキュー要素間で発生し得ることがわかる。
【0066】
○イベントカウントレジスタ
EXECモジュール12は、各々の可能なイベントに1つずつ、256個のイベントカウントレジスタ26を含んでいる(8ビットアドレスで限定される)。図6に、8ビットイベントカウンタ100及びイベントカウントレジスタの最初の3個、102、104、及び106を示してある。イベントカウンタ100はプログラム可能であり、データバスD(0〜7)を経由してロードされるイベントカウントまたはレジスタ102、104、または106のうちの1つからのイベントカウントに応答する。
【0067】
各イベントカウントレジスタは、システムで生じる可能性のある256のイベントの1つを示す割当て値を含んでいる。レジスタがプラスのカウントを示せば、それは複数のタスクがイベントの発生を待っていることの指示である。イベントカウントレジスタがマイナスの値を示せば、その指示は、イベントの発生を待っているタスクが存在するよりも多い回数のイベントがシグナルされた(発生した)ということである。イベントが発生すると、そのイベントに対応するイベントカウントレジスタを調べてそのカウントの状態を確認する。カウントが正であることがわかれば、キュー状態機械16は、タスクがイベントキュー24に存在し、この特定のイベントの発生を待っていることを知る。このような場合には、イベントキュー24を並列にサーチし、この特定のイベントを指定する全てのTCBを見出す。こうしてイベントを指定する最高の優先度のTCBを選択して実行する。キュー状態機械16はイベントキュー24から選択したTCBをCPUキュー20に転送し、そこでそのTCBは優先度の順に置かれる。タスクをイベントキュー24から取出すと、イベントカウントレジスタの中の値が、カウンタ100の動作によりデクリメントされる。
【0068】
イベントが発生すると、Signalユーティリティは対応するイベントカウントレジスタの値を読み出させカウンタ100をプログラムするのに使用させる。次に、カウンタ100は値をデクリメントし、、このデクリメントされた値は適切なレジスタに書き戻される。Waitユーティリティは、値をデクリメントすることを除いては、同じシーケンスを発生させる。どのイベントカウントレジスタ(102,104,106等)の値もデータバスD(0〜7)を経由してキュー状態機械16が読み出すのに利用できる。キュー状態機械16からの以下に示すコマンド線はカウンタ100に与えられる:
【0069】
ECOP(0〜1):カウンタ100をインクリメント、デクリメント、ロード、またはクリアすべきかを指定するのに使用される。
ECOC:カウンタ100からデータ線D(0〜7)への出力をイネーブルするのに使用される。
ECCLK:カウンタ100での動作を起こさせるのに使用されるクロックである。
ECLR:全てのイベントカウントレジスタ102、104、106等を0に初期設定するのに使用される。
【0070】
○遅延タイマ
図7に、図1の遅延タイマ28の詳細を示す。遅延タイマ28はシステムクロックサイクルをカウントし、キュー状態機械16がその遅延が終了したイベントにシグナルを与えるようにする。1遅延単位(すなわち、遅延時間の単位)内のクロックサイクル数はプログラム可能であり、この数はコマンド及びステータスレジスタ14の中のタイマインターバルレジスタに保持されている。遅延単位の値は、タイマインターバルレジスタからTIR(0〜7)線を通って遅延タイマ28の8ビットカウンタ110に入る。8ビットカウンタ112は各遅延単位内でクロックサイクル数を累積し、次の遅延単位のカウントにインクリメントすることにより、遅延単位の数をカウントする。8ビットカウンタ112は最大255までカウントし、次には0に戻る。Delayユーティリティは、絶対時間ではなく、相対時間だけイベントを遅らす。
【0071】
○コマンド及びステータスレジスタ
図1を参照すれば、コマンド及びステータスレジスタ14は、16ビットデータ(及びコマンド)をマイクロプロセッサ10から、及び8ビットデータをEXECモジュール12の中の各種要素から受取る多数のマイクロプロセッサからアクセス可能なレジスタを有している。全てのレジスタは6ビット幅であり、各レジスタは読み出しまたは書き込みのいずれかが可能であるが、両方は可能とはなっていない。例えば、図8に、書き込みレジスタ120及び読み出しレジスタ122の例がその相互接続及び制御回路と共に示してある。レジスタ122は読み出しレジスタであり、データをEXECモジュールデータバスD(0〜7)から受取る。このようなデータは次に、イネーブル信号ROEN(5)を印加するとマイクロプロセッサ10に読み出すことができる。同様に、書き込みレジスタ120はデータをマイクロプロセッサ10から受取り、イネーブル信号RIEN(0)を印加すると、このようなデータを出力としてデータバスD(0〜7)に与える。
【0072】
以下に、コマンド及びステータスレジスタ14の内部にあるマイクロプロセッサからアクセス可能なレジスタ(図示せず)のリスト、及びそれに関連するユーティリティ動作を実行中のそれぞれのレジスタの動作の説明を与える。
【0073】
Scheduleレジスタ(書き込みレジスタ):タスクTCBをこのレジスタに書き込むと、TCBはその優先度(TCB値)に従ってCPUキュー20に置がれる。
【0074】
Suspendレジスタ(書き込みレジスタ):タスクTCBをこのレジスタに書き込むと、このTCBが実際にCPUキュー20中にあれば、このTCBはCPUキュー20から取り除かれる。このTCBがCPUキュー20になければ、割込条件がマイクロプロセッサ10に対して発生する。この条件を示すステータスがステータスレジスタに設定される。
【0075】
Signalレジスタ(書き込みレジスタ):イベント制御ブロックがマイクロプロセッサ10からこのレジスタに書き込まれると、このイベントがシグナルされる。このイベントを待っているタスクがなければ、これに対して取られる処置はこのイベントに対するイベントカウントをデクリメントすることだけである。タスクがこのイベントを待っていれば、最高の優先度(最低のTCB値)を持つTCBがイベントキュー24から取出され、CPUキュー20に置かれる。
【0076】
Waitレジスタ(書き込みレジスタ):イベント制御ブロックがマイクロプロセッサ10からこのレジスタに書き込まれると、実行中のタスクのTCBがイベントキュー24に置かれ、指定されたイベントを待つ。実行中のタスクのTCBはCPUキュー20の最初のキュー位置(位置0)で見いだされる。このTCBはCPUキュー20から取出され、イベントキュー24の中にその優先度(TCB値)に従って置かれる。
【0077】
Delayレジスタ(書き込みレジスタ):イベント制御ブロック及び8ビット遅延値がマイクロプロセッサ10からこのレジスタに書き込まれると、イベント制御ブロック名が遅延キュー22に置かれ、その遅延値により優先度を与えられる。遅延が少ければ少いほど、このブロック名はキューの先頭に近いところに置かれる。
【0078】
Statusレジスタ(読み出しレジスタ):StatusレジスタはEXECチップ内部で生じる異常ステータスに関する情報を含んでいる。
【0079】
タイマインターバルレジスタ(書き込みレジスタ):ユーザは、各遅延値を構成するシステムクロックの数を表す16ビットの値をこのレジスタに書き込む。
【0080】
CPUQレジスタ、イベントQレジスタ、遅延Qレジスタ(読み出しレジスタ):これらのレジスタは、マイクロプロセッサ10により読み出されると、適切なキューにある全てのキュー要素ワードの内容を順次与える。これらは診断レジスタである。
【0081】
診断ポインタレジスタ(書き込みレジスタ):値を書き込むと、上述の診断レジスタは、読み出しに当ってキュー内のこの値のロケーションから読み出されるように設定される。
【0082】
アクティブTCBレジスタ(読み出しレジスタ):読み出されると、CPUキュー内で最高の優先度を持つ現在のタスクのTCB名が戻される。
【0083】
イベントケースレジスタ(読み出しレジスタ):読み出されると、タスクに実行を再開させたイベントのイベント制御ブロック名が戻される。このタスクがWaitユーティリティ呼び出しを行っていた場合にのみ、この値が意味を有する。
【0084】
○キュー状態機械
キュー状態機械16はEXECモジュール12の作業を制御する。キュー状態機械16は、コマンド及びステータスレジスタ14に書き込まれたコマンドに応答する内部ハードウェアにより制御され、制御線を順次付勢してシステム動作を指定コマンドに従って発生させる。全ての局面でキュー状態機械16は従来どおりであり、その構成は当業者に既知である。
【0085】
○EXECモジュール動作−スケジューリングユーティリティ
マイクロプロセッサ10は、スケジューリングしたいタスクのTCBをEXECモジュール12のコマンド及びステータスレジスタ14の内部にあるScheduleレジスタに書き込む。これにより、TCB値はScheduleレジスタの中にラッチされる。これに応答して、キュー状態機械16はCPUキュー20の並列サーチを行って、スケジューリングされているTCB中から、格納されている次に低い優先度のTCBを見つける。これが見つかると、CPU20の中のTCBは、入来TCBのキュー位置から出発して、1位置右にシフトされる。この右シフトにより空になったCPU20の中の位置にスケジューリングすべきタスクのTCBをロードする。
【0086】
EXECモジュール12は今度はポート制御モジュール30からハンドシェーク信号NDTACKをアサートして、処理を今や終ってよいということを示す。これに応答して、マイクロプロセッサ10はポート制御モジュール30へのそのCS信号のアサートを解除する。この信号はEXECモジュール12との全てのトランザクションに先行する。
【0087】
CPUキュー20は、今や、スケジューリングすべきタスクのTCB名がCPUキュー20のその適切な優先度の位置に存在するように修正されている。マイクロプロセッサ10は、現在実行を待っている最高優先度タスクが何であるかを判定するため、コマンド及びステータスレジスタ14からアクティブTCBレジスタを読み出す。マイクロプロセッサ10はイベントケースレジスタを読み出すこともできる。マイクロプロセッサ10がアクティブTCBレジスタにアクセスすると、キュー状態機械16はCPUキュー20の第1のキュー要素(最高優先度)からTCB名を読み出し、この値をマイクロプロセッサのデータ線NDTACK(0〜15)に乗せる。ポート制御モジュール30は次にNDTACK線をアサートして、アクティブTCBレジスタの値がマイクロプロセッサ10から利用可能であることを示す。
【0088】
イベントケースとはタスクの名前をCPUキュー20に移動させたイベントの名前であることを想起されたい。マイクロプロセッサ10はイベントケースレジスタにアクセスしてCPUキュー20の中のイベント値を判定することができる。このアクセスによりイベント名をCPUキュー20の最初のキュー要素からイベントケースレジスタに読込まれ、マイクロプロセッサ10のデータバスDATA(0〜15)に乗せられる。信号NDTACKがアサートされて、マイクロプロセッサ10にこのレジスタの値が出力データバス上で利用可能であることを示す。
【0089】
○キュー状態機械の動作−Scheduleユーティリティ
以下にScheduleユーティリティの期間中に生起する状態を示す。キュー状態機械16への入力は小文字で表記してあり、出力は大文字で表記してある。イベントは全てシステムクロックに同期している。特定のイベントが発生するまで起こらない状態の各々について、そのイベントを示してある。所与の状態についてイベントが指定されていなければ、その状態からは次の状態機械のクロックで抜け出す。
【0090】
1.IDLE − EXECチップ選択(cs)がアサートされておらず、ntstがアサートされておらず、nrstがアサートされておらず、タイマキャリ出力(timer carry out, tco)がアサートされていない。
イベント − チップ選択(cs)がアサートされ、CPUはオペレーティングシステムを呼出すことを欲している。
【0091】
2.CMD RCVD − EXECコマンドが受信された
動作 − ScheduleレジスタはCPUがuPアドレス線に発生した値をラッチする。この値は実行のためスケジューリングすべきタスクのTCB名である。
【0092】
3.SETUP MATCH CMD − Scheduleユーティリティルを始める。「Match>.」コマンドを設定する。
動作 − CMD(0〜3)線をコマンド「Match>A」で設定する。D(0〜7)線はScheduleレジスタにある値を得る。QEN(0〜3)はCPUQ値をこの動作がCPUキューで行われることを示すように設定する。
【0093】
4.FINISH MATCH CMD − 「一致」線をアサートする。
動作 − 最後の状態の動作のアサートを解除し、一致線をアサートする。
【0094】
5.READ MATCH> ADD − 最高優先度match>アドレスに対するアドレス線を読み出す。
動作 − ADDR(0〜7)にある値を一時レジスタに格納し、一致線のアサートを解除する。
【0095】
6.SETUP SR CMD − 右シフトコマンドを設定する。
動作 − 一時レジスタにある値をADDR(0〜7)線に乗せる。CMD(0〜3)線を「SR」(右シフト)コマンドに設定し、QEN(0〜3)線をCPUQ値に等しく設定する(CPUキューに関する動作を示す)。
【0096】
7.FINISH SR CMD − 右シフトコマンドを終了する。
動作 − 最後の動作のアサートを解除する。
【0097】
8.SETUP LD CMD − 「LD」(ロード)コマンドの設定。
動作 − CMD(0〜3)線が「LDA」コマンド値を得る。D(0〜7)線がScheduleレジスタの内容を得る。ADDR(0〜7)線が一時レジスタにある値を得る。QEN(0〜3)線をCPUDQ値に等しく設定する(CPUキューに関する動作を示す)。
【0098】
9.FINISH LD CMD − ロードコマンドを終了する。
動作 − 最後の状態の動作のアサートを解除する。
【0099】
10.SETUP END uP XACTION(CPUとのトランザクションを終了するように設定する
動作 − DTACK(データ転送アクノーレッジ)をアサートする。
【0100】
11.END uP XACTION − CPUとのトランザクションを終了する
動作 − DTACK(データ転送アクノーレッジ)のアサートを解除する。
【0101】
12.IDLE − 上の状態1に行く
【0102】
この時点で、タスクのTCBはCPUキューに置かれている。最新のキュー情報を使用するためには、マイクロプロセッサ10は「READ_ACTIVETCB」コマンドを実行しなければならない。これに加えて、マイクロプロセッサ10は、このタスクに実行を再開させたイベントを判定するために「READ_EVENTCASE」を実行することができる。これら動作はSchedule、Suspend、Signal、Wait、及びDelayを含むどんなユーティリティ呼び出しに対しても行うことができる。
【0103】
READ_ACTIVETCBコマンド
【0104】
1.IDLE − EXECチップ選択(cs)、ntst、nrst、及びtco(タイマキャリ出力)のアサートを全て解除する。
【0105】
2.SETUP RD CMD − 「RD」(読み出し)コマンドの設定。
動作 − CMD(0〜3)線がコマンド「RDA」(ワードAを読み出す)を得る。QEN(0〜3)線がCPUQ値を得る。ADDR(0〜7)線が0に(つまりCPUキューの最初のロケーション −キューの先頭− に対して)設定される。
【0106】
3.WRITE ACTIVETCB REG − CPUキューの先頭にあるTCB名をアクティブTCBレジスタに書き込む。
動作 − アクティブTCBレジスタに現在D(0〜7)線に現れている値が書き込まれる。これは、その優先度のため、CPU資源を使用することになっている次のタスクのTCB名である。
【0107】
4.SETUP END uP XACTION − CPUによる処理を終るよう設定する。
動作 − DTACK(データ転送アクノーレッジ)をアサートする。
イベント − csのアサートを解除する。
【0108】
5.END uP XACTION − CPUによる処理を終了する。
動作 − DTACK(データ転送アクノーレッジ)のアサートを解除する。
【0109】
6.IDLE(上の状態1)
【0110】
READ_EVENTCASEコマンド
【0111】
1.IDLE − EXECチップ選択(cs)、ntst、nrst、及びtco(タイマキャリ出力)のアサートを全て解除する。
【0112】
2.SETUP RD CMD − 「RD」(読み出し)コマンドを設定する。
動作 − CMD(0〜3)線が「RDB」(ワードBを読み出す)値に設定される。QEN(0〜3)がCPUQ値に設定される。ADDR(0〜7)線が0に設定される。CPUキューの最初の要素のワードBを読み出したいのである。
【0113】
3.WRITE EVENTCASE REG − 次のタスクのイベントケース値をイベントケースレジスタに書き込み、CPUで実行する。
動作 − イベントケースレジスタが線D(0〜7)の値に等しく設定される。最後の状態の動作がアサート解除される。
【0114】
4.SETUP END uP XACTION − CPUとのトランザクションを終了するように設定する。
動作 − DTACK(データ転送受領)をアサートする。
イベント − csのアサートを解除する。
【0115】
5.END uP XACTION − CPUとのトランザクションを終了する。
動作 − DTACK(データ転送アクノーレッジ)のアサートを解除する。
【0116】
6.IDLE(上の状態1)
【0117】
前述の説明は本発明の例示的解説に過ぎないことを理解すべきである。当業者は本発明から逸脱することなく種々の代案及び修正を工夫することができる。従って、本発明は特許請求の範囲に入るこのような代案、修正、及び変形を全て包含することを意図している。
【0118】
【効果】
以上詳細に説明したように、本発明によればイベントの発生に応答して優先度に基づいたタスク切替を極めてわずかのオーバーヘッドで実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を用いたシステムの高レベルブロック図。
【図2】図1のシステムで使用されるCPUキューのブロック図。
【図3】図2のCPUキュー内のキュー要素のブロック図。
【図4】図3のキュー要素内のワード記憶部の更に詳細な論理回路図。
【図5】連想メモリセルの回路図。
【図6】本発明の一実施例で使用される一組のイベントカウントレジスタのブロック図。
【図7】本発明の一実施例で使用される遅延タイマのブロック図。
【図8】図1のコマンド及びステータスレジスタ内に含まれる一組の読み出し/書き込みレジスタの例を示す図。
【符号の説明】
10:マイクロプロセッサ
12:EXECモジュール
14:コマンド及びステータスレジスタ
16:キュー状態機械
18:キューシステム
20:CPUキュー
22:遅延キュー
24:イベントキュー
28:遅延タイマ
30:ポート制御モジュール
35:キュー要素
36:アドレスデコーダ
40:レゾルバ/エンコーダ
42,44:LASTバス
42’,44’:NEXTバス
50,56,58:マルチプレクサ
52,54:ワード記憶部
73:キュー要素論理モジュール
76:デマルチプレクサ
77:比較器
81,83:ワード線
82,84:ビット線
85:CMOSフリップフロップ
88:一致線
100:イベントカウンタ
102,104,106:イベントカウントレジスタ
120:書き込みレジスタ
122:読み出しレジスタ
Claims (15)
- 実行待ち状態のタスクのタスク名を優先度の順に記憶する複数のワード記憶部を含み、前記優先度が前記タスク名として割り当てられた、ハードウエアで構成されたプロセッサキュー手段、
イベントの生起に応答して前記プロセッサキュー手段に置かれるべき前記タスク名を記憶する複数のワード記憶部を含む、ハードウエアで構成されたイベントキュー手段、
イベントの生起のシグナルを与えるプロセッサ手段、及び
前記プロセッサ手段から非同期的にシグナルによって通知されたイベントに応答して、前記イベントキュー手段中の前記複数のワード記憶部を並列にサーチして、前記シグナルによって通知された前記イベントの生起に関連付けられた前記タスク名を見出し、前記見出されたタスク名を前記プロセッサキュー手段へ転送する、ハードウエアで構成された照合論理手段
を含む、マルチタスキングデータ処理システム。 - 前記プロセッサキュー手段に置かれている複数のタスク名を前記ワード記憶部の一つの組から他の一つの組へ同時に転送するシフト論理手段を更に含む、請求項1記載のマルチタスキングデータ処理システム。
- 前記シフト論理手段は、前記プロセッサ手段から生成されたコマンド信号に従って、前記複数のタスク名を前記ワード記憶部から前記キュー手段の各々に沿って一方向に同時に転送し、又は前記キューの各々に沿って逆方向に同時に転送する手段を含む、請求項2記載のマルチタスキングデータ処理システム。
- 前記シフト論理手段は、前記複数のワード記憶部によるアドレスの制御の下で、前記タスク名の同時転送をアドレス指定されたワード記憶部から始めるとともに、
前記同時転送されるタスク名は、前記アドレスされたワード記憶部中に入っているタスク名から始まり、前記プロセッサキュー中で当該アドレスされたワード記憶部から前記一方向又は前記逆方向に設けられているワード記憶部中に入っているタスク名を含む、
請求項3記載のマルチタスキングデータ処理システム。 - 複数のレジスタを含み、該レジスタの各々は前記プロセッサ手段から非同期的にシグナルによって通知されるイベントを待っているタスクの数を記憶する、ハードウエアのイベント計数手段と、
非同期的にシグナルが与えられたイベントに応答して前記タスクの数を記憶するハードウエアのイベント計数手段内の前記複数のレジスタの全てを並列にサーチし、タスクが前記非同期的にシグナルによって通知されるイベントを待っているか否かを判定し、待っている場合には前記照合論理手段を動作させて前記イベントキュー手段をサーチして前記非同期的にシグナルによって通知されるイベントを待っているタスクのタスク名を見つけるように動作するサーチ手段と
を含む、請求項1記載のマルチタスキングデータ処理システム。 - 前記イベントキュー手段の前記複数のワード記憶部の各々は、タスク名及び関連するイベント名を記憶し、指定されたイベントの発生によって指定されたタスクが前記プロセッサキュー手段に転送される、
請求項5記載のマルチタスキングデータ処理システム。 - 前記イベントキュー手段中の前記タスク名は、前記タスク名の各々に対応づけられた優先度に沿って記憶され、
前記照合論理手段による前記イベントキュー手段の並列サーチはシグナルが与えられた前記シグナルによって通知されたイベントに関係する全てのタスク名の読み出しを並列にサーチするとともに、
前記サーチ結果の出力は前記優先度に従って行う、
請求項6記載のマルチタスキングデータ処理システム。 - 複数のワード記憶部を含み、該複数のワード記憶部の各々は、遅延時間値及び前記遅延時間値の発生時にシグナルによって通知されるイベント名を記憶する、ハードウエアの遅延キュー手段と、
前記遅延時間値をシグナルによって通知するタイマ手段と、
前記タイマ手段のシグナルによって通知された前記遅延時間値に応答して、前記遅延キュー手段の前記複数のワード記憶部を並列にサーチして前記遅延時間値がシグナルによって通知されたときにシグナルによって通知するためのイベントを見出し、シグナルによって通知された前記イベントを前記照合論理手段に転送し、これによって前記イベントがシグナルによって通知された際に前記プロセスキュー手段に転送されるべき前記イベントキュー手段中のタスク名を認識する手段と
を更に含む、請求項1記載のマルチタスキングデータ処理システム。 - 前記タスク名の各々は他と重複しない値で示され、
前記他と重複しない値はそれが示すタスクの全てのタスクの中での優先度を示す、
請求項1記載のマルチタスキングデータ処理システム。 - 接続されたデータ処理システムからアドレス及びデータを受け取るとともに、前記データ処理システムにデータを渡す、ハードウェアのコマンド及び状態レジスタ、
優先度がタスク名として割り当てられたタスク名のキューを記憶する複数のワード記憶部を含むCPUキューであって、前記タスク名のキューは前記タスク名で指示されたタスクの優先度に基づいて構成され、これらの対応するタスクは全て実行待ち状態であるCPUキュー、
タスク名のキューを優先度の順に記憶する複数のワード記憶部を含み、前記タスク名の各々はイベント名と関連付けて記憶され、当該イベントが生起すると当該関連付けられた前記タスク名が実行待ち状態になるハードウエアで構成されたイベントキュー、及び
前記コマンド及び状態レジスタ内で非同期的に発生したイベントデータに応答して前記イベントキューの並列サーチを行わせ、前記非同期的に発生したイベントデータに関連付けられた全てのタスク名を見出し、前記見出された前記タスク名を前記CPUキューに転送できるようにするキュー状態機械
を含む、ハードウエアで構成されたオペレーティング・システム・カーネル。 - 前記キュー状態機械は、前記タスク名を前記タスク名の前記優先度順で前記CPUキュー内に記憶せしめる、請求項10記載のカーネル。
- 前記タスク名の各々は他と重複しない値であり、前記他と重複しない値は前記指示されたタスクの優先度を示す、請求項11記載のカーネル。
- 遅延時間値及び関連付けられたイベント名のキューを記憶する複数のワード記憶部を含み、前記イベント名は前記関連付けられた遅延時間値の値の大きさに従って前記キュー内に配置される、遅延キューを更に設け、
前記キュー状態機械は、前記遅延時間値になったことに応答して、前記それに関連付けられたイベント名のシグナルが与えられるようにし、これにより前記イベントキューからのタスク名の転送が起こるようにする、
請求項12記載のカーネル。 - 前記キューの各々における前記複数のワード記憶部のそれぞれに接続され、データが前記複数のワード接続部のいずれかから選択的に読み出され、又はそれに選択的に書き込まれることを可能にするアドレス手段を更に有する、請求項13記載のカーネル。
- 前記キューの各々の中にある前記複数のワード記憶部の各々を相互に接続し、選択されたワード記憶部間の同時データ転送を可能にするバス手段を更に有する、請求項14記載のカーネル。
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