JP3603472B2 - 液晶配向剤および液晶表示素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示素子の液晶配向膜を形成するための液晶配向剤に関する。さらに詳しくは、液晶配向性が良好で、かつ高いプレチルト角を発現させる液晶配向膜を低温焼成によっても形成することができる液晶配向剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、液晶表示素子としては、透明導電膜が設けられている基板の当該表面に液晶配向膜を形成して液晶表示素子用基板とし、その2枚を対向配置して、その間隙内に正の誘電異方性を有するネマチック型液晶の層を形成してサンドイッチ構造のセルとし、当該液晶分子の長軸が一方の基板から他方の基板に向かって連続的に90度捻れるようにした、いわゆるTN(Twisted Nematic)型液晶セルを有するTN型液晶表示素子が知られている。このTN型液晶表示素子などにおける液晶の配向は、通常、基板上に形成された樹脂膜の表面にラビング処理などの配向処理を施すことによって形成される液晶配向膜により発現されるものである。ここに、前記樹脂膜を構成する樹脂としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステルなどが知られており、これらの樹脂のうち、特にポリイミドは、耐熱性、液晶との親和性、機械的強度などに優れているため、液晶表示素子における液晶配向膜の構成材料として多用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ポリイミドなどを含有する従来の液晶配向剤を基板上に塗布し、150〜170℃程度の低温条件下に塗膜を焼成して樹脂膜を形成する場合には、形成される樹脂膜の表面に配向処理を施しても良好な液晶配向性を有する液晶配向膜を得ることができず、このような液晶配向膜が形成された基板を搭載してなる液晶表示素子において表示不良が発生するという問題がある。
また、従来の液晶配向剤による塗膜を低温条件下に焼成して得られる液晶配向膜は、高いプレチルト角(例えば3°以上)を発現させることができず、最近における液晶表示素子の高輝度化および高精細化の要請に十分対応することができない。
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものである。
【0004】
本発明の第1の目的は、樹脂膜を形成する際の焼成温度が低い場合であっても、当該樹脂膜を配向処理することにより、液晶分子の配向能が確実に付与された液晶配向膜を形成することができ、当該液晶配向膜を備えた液晶表示素子において、優れた液晶配向性を発現させることができる液晶配向剤を提供することにある。本発明の第2の目的は、樹脂膜を形成する際の焼成温度が低い場合であっても、当該樹脂膜を配向処理することにより、高いプレチルト角を発現させる液晶配向膜を形成することができる液晶配向剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の液晶配向剤は、下記式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物と、下記式(2)で表されるジアミン化合物と、下記式(3)もしくは下記式(4)で表される水酸基含有化合物とを反応させることにより得られる重合体〔以下「重合体(A)」ともいう〕、および当該重合体を脱水閉環させて得られる構造を有するイミド化重合体〔以下「重合体(B)」ともいう〕から選ばれる少なくとも1種の重合体を含有することを特徴とする。
【0006】
【化2】
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
<テトラカルボン酸二無水物>
重合体(A)の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物としては、例えばブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジクロロ−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物などの脂肪族または脂環式テトラカルボン酸二無水物;
【0008】
ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物、エチレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、プロピレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,4−ブタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,8−オクタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン−ビス(アンヒドロトリメリテート)、下記式(5)〜(8)で表されるステロイド骨格を含有するテトラカルボン酸二無水物、下記式(9)〜(11)で表されるテトラカルボン酸二無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物;
【0009】
1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン;
【0010】
下記式(12)で表される化合物、下記式(13)で表される化合物などの芳香環を有する脂肪族テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。
これらのテトラカルボン酸二無水物は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】
【0013】
【化5】
【0014】
〔式(9)〜(11)中、R5 、R6 、R8 、R9 、R12およびR13は、各々独立して、オキシ基およびカルボニルオキシ基(−COO−,−OCO−)から選ばれる2価の基を示し、R7 、R10、R11、R14およびR15は、各々独立して、炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐アルキル基、炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐アルコキシル基、フェニル基、ハロゲン原子およびトリフルオロメチル基から選ばれる1価の基を示す。a、bおよびcは各々独立して0〜4の整数を示し、dおよびeは各々独立して0〜3の整数を示す。〕
【0015】
【化6】
【0016】
(式中、R16は芳香環を有する2価の有機基を示し、R17は水素原子またはアルキル基を示す。)
【0017】
【化7】
【0018】
(式中、R18は芳香環を有する2価の有機基を示し、R19は水素原子またはアルキル基を示す。)
【0019】
これらのうち、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、下記式(14)〜(20)に表される化合物、下記式(21)〜(22)に表される化合物、下記式(23)〜(24)に表される化合物、下記式(25)のA01〜A04で表される化合物が、良好な液晶配向性を発現させることができる観点から好ましく、特に好ましいものとして、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、ピロメリット酸二無水物および下記式(25)のA01で表される化合物を挙げることができる。
【0020】
【化8】
【0021】
【化9】
【0022】
【化10】
【0023】
【化11】
【0024】
<ジアミン化合物>
重合体(A)の合成反応に供されるジアミン化合物としては、例えばp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジアミノ安息香酸、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,7−ジアミノフルオレン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)−ビフェニル、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニルなどの芳香族ジアミン;
【0025】
ジアミノテトラフェニルチオフェン、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノプリン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、1,4−ジアミノピペラジン、3,6−ジアミノアクリジンなどの芳香環に結合された2個のアミノ基と当該アミノ基の窒素原子以外のヘテロ原子を有する芳香族ジアミン;
【0026】
1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,2−エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6,2,1,02.7 ]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)などの脂肪族または脂環式ジアミン;
【0027】
下記式(26)で表されるモノ置換フェニレンジアミン類;下記式(27)で表されるジアミノオルガノシロキサン;
【0028】
下記式(28)のB01〜B05で表される化合物などを挙げることができる。これらのジアミン化合物は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0029】
【化12】
【0030】
(式中、R20は、−O−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−および−CO−から選ばれる2価の有機基を示し、R21はステロイド骨格またはトリフルオロメチル基を有する1価の有機基を示す。)
【0031】
【化13】
【0032】
(式中、R22は炭素数1〜12の炭化水素基を示し、pは1〜3の整数であり、qは1〜20の整数である。)
【0033】
【化14】
【0034】
これらのうち、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)−ビフェニル、m−キシリレンジアミン、上記式(28)のB01〜B05で表される化合物、および下記式(29)のB06〜B10で表される化合物が好ましい。これらのジアミンは市販品をそのまま使用しても、再還元して使用してもよい。
【0035】
【化15】
【0036】
<水酸基含有化合物>
重合体(A)の合成反応に供される水酸基含有化合物は、水酸基(例えばアルコール性水酸基、フェノール性水酸基)を分子内に2個含有するジヒドロキシ化合物、または分子内に水酸基を1個とアミノ基を1個含有する化合物である。
この水酸基含有化合物を表す上記式(3)および上記式(4)中、R3 およびR4 で示される2価の有機基としては、例えば炭素数2〜30の炭化水素基、炭素数2〜30のエチレングリコール基および/またはプロピレングリコール基を含有する2価の有機基を好ましいものとして例示することができる。
【0037】
水酸基含有化合物を使用することにより、得られる重合体(A)には、下記式(30)で表されるような構造単位が導入され、当該水酸基含有化合物を使用して合成される重合体〔重合体(A)および/または重合体(B)〕から選ばれる少なくとも1種を含有させて調製される液晶配向剤によれば、低温焼成(150〜170℃)により樹脂膜を形成する場合であっても、当該樹脂膜の表面を配向処理することによって、液晶配向性が良好でかつ高いプレチルト角を発現させる液晶配向膜を形成することができる。
なお、この明細書において「焼成」とは、液晶配向剤を塗布した後に加熱することによって、塗膜中の溶剤を除去する工程を意味するが、この工程において、加熱によって樹脂膜を構成する重合体(A)の脱水閉環が起こり、一部イミド化または完全にイミド化された樹脂膜となる場合がある。
【0038】
【化16】
【0039】
かかる水酸基含有化合物のうち、上記式(3)で表されるジヒドロキシ化合物としては、例えば1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなど炭素数2〜30のアルカンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキシ末端ポリブタジエン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、ポリヘプタメチレングリコール、ポリデカメチレングリコール、ポリジメチルシロキサンの末端ジオール化合物、ポリジメチルシロキサンカルビトール変性ジオールなどの脂肪族ジオール化合物;2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)スルホン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)シクロヘキシル]プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)シクロヘキシル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)シクロヘキシル]メタン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)シクロヘキシル]スルホン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン、ジシクロペンタジエンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、下記式(31)のC01〜C02で表される化合物などの脂環式ジオール;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホン、ヒドロキノン、ヒドロキノンのアルキレンオキシド付加ジオール、ナフトキノンのアルキレンオキシド付加ジオール、アントラキノンのアルキレンオキシド付加ジオール、下記式(32)のC03〜C06で表される化合物などの芳香族ジオール;2種以上のイオン重合性環状化合物を開環共重合させて得られるポリエーテルジオールを挙げることができる。
【0040】
【化17】
【0041】
【化18】
【0042】
上記ポリエーテルジオールを得るために用いられるイオン重合性環状化合物としては、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブテン−1−オキシド、イソブテンオキシド、3,3−ビスクロロメチルオキセタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン、テトラオキサン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、エピクロルヒドリン、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルカーボネート、ブタジエンモノオキシド、イソプレンモノオキシド、ビニルオキセタン、ビニルテトラヒドロフラン、ビニルシクロヘキセンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、安息香酸グリシジルエステルなどの環状エーテル類が挙げられる。
また、上記イオン重合性環状化合物と、エチレンイミン等の環状イミン類、β−プロピオラクトン、グリコール酸ラクチド等の環状ラクトン酸およびジメチルシクロポリシロキサン類から選ばれる少なくとも1種の化合物とを開環共重合させて得られるポリエーテルジオールを使用することもできる。これらのポリエーテルジオールにおける構造単位の結合様式は特に制限されず、ランダム結合、ブロック結合、グラフト結合のいずれであってもよい。
【0043】
これらのジヒドロキシ化合物のうち、炭素数2〜20のアルカンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、上記式(31)のC01〜C02で表される脂環式ジオール、上記式(32)のC03〜C06で表される芳香族ジオールが好ましい。
【0044】
また、上記(4)で表される化合物としては、例えば4−アミノブタノール、5−アミノペンタノール、3−メチル−5−アミノペンタノール、6−アミノヘキサノール、7−アミノヘプタノール、8−アミノオクタノール、10−アミノデカノール、12−アミノドデカノール、20−アミノエイコサノールなどの脂肪族化合物;
2−(4−アミノシクロヘキシル)−2−(4’−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2−(4−アミノシクロヘキシル)−2−(4’−ヒドロキシシクロヘキシル)ヘキサフルオロプロパン、2−[4−(2−アミノエトキシ)シクロヘキシル]−2−[4’−(2’−ヒドロキシエトキシ)シクロヘキシル]プロパン、2−[4−(2−アミノエトキシ)シクロヘキシル]−2−[4’−(2’−ヒドロキシエトキシ)シクロヘキシル]ヘキサフルオロプロパン、2−[4−(2−アミノエトキシ)シクロヘキシル]−2−[4’−(2’−ヒドロキシエトキシ)シクロヘキシル]メタン、2−[4−(2−アミノエトキシ)シクロヘキシル]−2−[4’−(2’−ヒドロキシエトキシ)シクロヘキシル]スルホン、4−アミノシクロヘキサノール、4−アミノシクロヘキサンメタノール、1−(2−アミノエトキシ)−4−(2−ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン、アミノジシクロペンタジエンメタノール、アミノトリシクロデカンメタノール、アミノペンタシクロペンタデカンメタノール、下記式(33)のC07〜C08で表される化合物などの脂環式化合物;
2−(4−アミノフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)メタン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)スルホン、2−[4−(2−アミノエトキシ)フェニル]−2−[4’−(2’−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2−[4−(2−アミノエトキシ)フェニル]−2−[4’−(2’−ヒドロキシエトキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2−[4−(2−アミノエトキシ)フェニル]−2−[4’−(2’−ヒドロキシエトキシ)フェニル]メタン、2−[4−(2−アミノエトキシ)フェニル]−2−[4’−(2’−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホン、4−アミノフェノール、下記式(33)のC09〜C12で表される化合物などの芳香族化合物を挙げることができる。
【0045】
【化19】
【0046】
<重合体(A)>
本発明の液晶配向剤を構成する重合体(A)は、上記テトラカルボン酸二無水物と、上記ジアミン化合物および上記水酸基含有化合物とを反応させることにより合成される。
【0047】
重合体(A)の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物、ジアミン化合物および水酸基含有化合物の使用割合としては、テトラカルボン酸二無水物に含まれる酸無水物基の当量数をa、ジアミン化合物および上記式(4)で表される水酸基含有化合物に含まれるアミノ基の当量数をb、水酸基含有化合物に含まれる水酸基の当量数をcとするとき、下記条件▲1▼を満足する割合であることが好ましく、更に好ましくは下記条件▲2▼を満足する割合である。使用割合をこのような範囲に規定することにより、好適な分子量の重合体(A)が得られ、これにより、調製される液晶配向剤に優れた塗布性を発現させることができる。
また、ジアミン化合物と水酸基含有化合物との相対的な使用割合としては、下記条件▲3▼を満足する割合であることが好ましく、更に好ましくは下記条件▲4▼を満足する割合である。
【0048】
【数1】
条件▲1▼:0.2≦a/(b+c)≦2
条件▲2▼:0.3≦a/(b+c)≦1.4
条件▲3▼:99/1≦(b/c)≦50/50
条件▲4▼:95/5≦(b/c)≦60/40
【0049】
重合体(A)の合成反応は、有機溶媒中において、通常0〜150℃、好ましくは0〜100℃の温度条件下で行われる。反応温度が0℃未満であると、反応原料(テトラカルボン酸二無水物、ジアミン化合物および水酸基含有化合物)の溶解性が低下する傾向があり、反応温度が150℃を超えると、得られる重合体(A)の分子量が低下する傾向がある。重合体(A)を構成する各成分の結合形態は、ランダムであってもブロックであってもよい。
【0050】
重合体(A)の合成に用いられる有機溶媒としては、上記反応原料および生成する重合体(A)を溶解し得るものであれば特に制限はなく、例えばγ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N, N−ジメチルホルムアミド、N, N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホトリアミドなどの非プロトン系極性溶媒;m−クレゾール、キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノール系溶媒を挙げることができる。有機溶媒の使用量としては、反応溶液における反応原料(テトラカルボン酸二無水物、ジアミン化合物および水酸基含有化合物)の濃度が0.1〜30重量%になるような量であることが好ましい。
【0051】
なお、前記有機溶媒には、重合体(A)の貧溶媒であるアルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類などを、生成する重合体(A)が析出しない範囲で併用することができる。かかる貧溶媒の具体例としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1, 4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレングリコール−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールメチルフェニルエーテル、エチレングリコールエチルフェニルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−メチル−3−メトキシブタノール、3−エチル−3−メトキシブタノール、2−メチル−2−メトキシブタノール、2−エチル−2−メトキシブタノール、3−メチル−3−エトキシブタノール、3−エチル−3−エトキシブタノール、2−メチル−2−メトキシブタノール、2−エチル−2−エトキシブタノール、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1, 2−ジクロロエタン、1, 4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを挙げることができる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
【0052】
以上の合成反応によって、重合体(A)を溶解してなる反応溶液が得られる。そして、この反応溶液を大量の貧溶媒中に注いで析出物を得、この析出物を減圧下乾燥することにより重合体(A)を得ることができる。また、この重合体(A)を再び有機溶媒に溶解させ、次いで貧溶媒で析出する工程を1回または数回行うことにより、重合体(A)の精製を行うことができる。
【0053】
<重合体(B)>
本発明の液晶配向剤を構成する重合体(B)は、重合体(A)を脱水閉環することにより得られるイミド化重合体である。
脱水閉環は、(i)重合体(A)を加熱する方法により、または(ii)重合体(A)を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加し必要に応じて加熱する方法により行われる。
【0054】
上記(i)の方法における反応温度は、通常60〜200℃とされ、好ましくは100〜170℃とされる。反応温度が60℃未満では脱水閉環が十分に進行せず、反応温度が200℃を超えると得られる重合体(B)の分子量が低下する傾向がある。
【0055】
一方、上記(ii)の方法において、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用量は、重合体(A)の繰り返し単位1モルに対して1.6〜20モルとするのが好ましい。また、脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミンなどの第3級アミンを用いることができるが、これらに限定されるものではない。脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して0.5〜10モルとするのが好ましい。なお、脱水閉環に用いられる有機溶媒としては、重合体(A)の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒を挙げることができる。脱水閉環の反応温度は、通常0〜180℃、好ましくは60〜150℃とされる。また、このようにして得られる反応溶液に対し、重合体(A)の精製方法と同様の操作を行うことにより、重合体(B)を精製することができる。
【0056】
<末端修飾型の重合体>
本発明の液晶配向剤を構成する重合体〔重合体(A)および/または重合体(B)〕は、分子量が調節された末端修飾型のものであってもよい。末端修飾型の重合体を用いることにより、本発明の効果が損われることなく液晶配向剤の塗布特性などを改善することができる。このような末端修飾型のものは、重合体(A)を合成する際に、酸一無水物、モノアミン化合物、モノイソシアネート化合物などを反応系に添加することにより合成することができる。
【0057】
ここで、酸一無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、n−デシルサクシニック酸無水物、n−ドデシルサクシニック酸無水物、n−テトラデシルサクシニック酸無水物、n−ヘキサデシルサクシニック酸無水物などを挙げることができる。また、モノアミン化合物としては、例えばアニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−エイコシルアミンなどを挙げることができる。また、モノイソシアネート化合物としては、例えばフェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどを挙げることができる。
【0058】
<重合体の対数粘度>
以上のようにして得られる重合体(A)および重合体(B)は、その対数粘度(ηln)の値が0.05〜10dl/gであることが好ましく、さらに好ましくは0.05〜5dl/gとされる。なお、この明細書における重合体の対数粘度(ηln)の値は、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒として用い、濃度が0.5g/100ミリリットルである溶液について30℃で粘度の測定を行い、下記数式によって求められるものである。
【0059】
【数2】
【0060】
<液晶配向剤>
本発明の液晶配向剤は、重合体(A)および重合体(B)から選ばれる少なくとも1種の重合体が有機溶媒中に溶解含有されて構成される。
本発明の液晶配向剤を構成する有機溶媒としては、重合体(A)の合成に用いられるものとして例示した溶媒を挙げることができる。また、重合体(A)の合成の際に併用することができるものとして例示した貧溶媒も適宜選択して併用することができる。
【0061】
本発明の液晶配向剤を構成する重合体〔重合体(A)および/または重合体(B)〕の濃度は、粘性、揮発性などを考慮して選択されるが、好ましくは1〜10重量%の範囲とされる。すなわち、本発明の液晶配向剤は、基板表面に塗布され、塗膜を焼成することにより、液晶配向膜となる樹脂膜が形成されるが、重合体の濃度が1重量%未満である場合には、この樹脂膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜を得ることができない場合がある。一方、重合体の濃度が10重量%を超える場合には、樹脂膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜を得ることができにくく、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布特性が劣るものとなる場合がある。
【0062】
本発明の液晶配向剤には、重合体(A)および/または重合体(B)の基板表面に対する接着性を向上させる観点から、官能性シラン含有化合物が含有されていてもよい。かかる官能性シラン含有化合物としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1, 4, 7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1, 4, 7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3, 6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3, 6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシランなどを挙げることができる。
【0063】
<液晶表示素子>
本発明の液晶配向剤を用いて得られる液晶表示素子は、例えば次の方法によって製造することができる。
【0064】
(1)パターニングされた透明導電膜が設けられている基板の一面に、本発明の液晶配向剤を例えば印刷法によって塗布し、次いで、塗膜を焼成することにより有機溶媒を除去して樹脂膜を形成する。ここに、基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネートなどのプラスチックからなる透明基板を用いることができる。基板の一面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO2 )からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In2 O3 −SnO2 )からなるITO膜などを用いることができ、これらの透明導電膜のパターニングには、フォト・エッチング法や予めマスクを用いる方法が用いられる。なお、液晶配向剤の塗布方法としては、印刷法のほか、ロールコーター法、スピンナー法などを適用することもできる。
【0065】
液晶配向剤の塗布に際しては、基板表面および透明導電膜に対する樹脂膜の接着性をさらに良好にするために、基板の該表面に、官能性シラン含有化合物、官能性チタン含有化合物などを予め塗布することもできる。加熱温度(塗膜の焼成温度)は100〜250℃とされ、好ましくは150〜200℃とされるが、特に150〜170℃程度の焼成条件下において、本発明の液晶配向剤による有利な効果が奏される。形成される樹脂膜の膜厚は、通常0.001〜1μmであり、好ましくは0.005〜0.5μmである。なお、重合体(A)を含有する本発明の液晶配向剤は、塗布後に有機溶媒を除去することによって液晶配向膜となる樹脂膜を形成するが、前述のように、さらに当該樹脂膜を加熱すること(焼成)によって脱水閉環を進行させ、イミド化された樹脂膜とすることもできる。
【0066】
(2)基板表面に形成された樹脂膜面を、例えばナイロン、レーヨンなどの合成繊維からなる布を巻き付けたロールで一定方向に擦るラビング処理を行う。これにより、液晶分子の配向能が樹脂膜に付与されて液晶配向膜となる。また、ラビング処理による方法以外に、樹脂膜表面に偏光紫外線を照射して配向能を付与する方法、一軸延伸法、ラングミュア・ブロジェット法などで樹脂膜を得る方法などにより、液晶配向膜を形成することもできる。
【0067】
なお、上記のようにして形成された液晶配向膜に、紫外線を部分的に照射することによってプレチルト角を変化させるような処理(例えば特開平6−222366号公報,特開平6−281937号公報参照)、液晶配向膜の表面にレジスト膜を部分的に形成し、先のラビング処理と異なる方向にラビング処理を行った後に前記レジスト膜を除去して、液晶配向膜の配向能を変化させるような処理(特開平5−107544号公報参照)を施すことにより、液晶表示素子の視野角特性を改善することができる。
【0068】
(3)上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚作製し、それぞれの液晶配向膜におけるラビング方向、すなわち配向処理方向が直交または逆平行となるように、2枚の基板を、間隙(セルギャップ)を介して対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板表面およびシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填し、注入孔を封止して液晶セルを構成する。そして、液晶セルの外表面、すなわち、液晶セルを構成するそれぞれの基板の他面側に、偏光板を、その偏光方向が当該基板の一面に形成された液晶配向膜のラビング方向と一致または直交するように貼り合わせることにより、液晶表示素子が得られる。
【0069】
ここに、シール剤としては、例えば硬化剤およびスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂などを用いることができる。
液晶としては、ネマティック型液晶およびスメクティック型液晶を挙げることができ、その中でもネマティック型液晶が好ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などを用いることができる。また、これらの液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネートなどのコレステリック型液晶や商品名「C−15」「CB−15」(メルク社製)として販売されているようなカイラル剤などを添加して使用することもできる。さらに、p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメートなどの強誘電性液晶も使用することができる。
また、液晶セルの外表面に貼り合わされる偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながら、ヨウ素を吸収させたH膜と称される偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板またはH膜そのものからなる偏光板を挙げることができる。
【0070】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、以下の実施例および比較例により作製された液晶表示素子の各々について、液晶配向性について評価し、液晶分子のプレチルト角を測定した。
ここに、液晶配向性の評価は、電圧をオン・オフさせたときの液晶表示素子中の異常ドメインの有無を偏光顕微鏡で観察し、異常ドメインのない場合を「良好」と判定した。また、液晶分子のプレチルト角の測定は、「T.J.Schffer,et al.,J.Appl.Phys.,vol.19,2013(1980)」に記載の方法に準拠し、He−Neレーザー光を用いる結晶回転法により行った。
【0071】
〔合成例1〕
ピロメリット酸二無水物21.81g(0.10モル)と2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン36.95g(0.09モル)と2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン2.28g(0.01モル)とをN−メチル−2−ピロリドン549gに溶解させ、室温で24時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰の純水に注いで反応生成物を沈澱させた。その後、沈殿物を分離して純水で洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度(ηln)1.16dl/gの重合体(A)〔これを重合体(A−1)とする。〕54.9gを得た。
【0072】
〔合成例2〕
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンの使用量を32.84g(0.08モル)に変更し、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの使用量を4.57g(0.02モル)に変更したこと以外は合成例1と同様にして、対数粘度(ηln)1.09dl/gの重合体(A)〔これを重合体(A−2)とする。〕53.3gを得た。
【0073】
〔合成例3〕
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンに代えて、上記式(32)のC06で表される芳香族ジオール5.58g(0.01モル)を使用したこと以外は合成例1と同様にして、対数粘度(ηln)1.10dl/gの重合体(A)〔これを重合体(A−3)とする。〕56.3gを得た。
【0074】
〔合成例4〕
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンに代えて、1,12−ドデカンジオール2.02g(0.01モル)を使用したこと以外は合成例1と同様にして、対数粘度(ηln)1.08dl/gの重合体(A)〔これを重合体(A−4)とする。〕53.0gを得た。
【0075】
〔合成例5〕
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンに代えて、上記式(31)のC02で表される脂環式ジオール4.05g(0.01モル)を使用したこと以外は合成例1と同様にして、対数粘度(ηln)1.04dl/gの重合体(A)〔これを重合体(A−5)とする。〕55.3gを得た。
【0076】
〔合成例6〕
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンに代えて、ヘキサエチレングリコール2.82g(0.01モル)を使用したこと以外は合成例1と同様にして、対数粘度(ηln)1.01dl/gの重合体(A)〔これを重合体(A−6)とする。〕53.3gを得た。
【0077】
〔合成例7〕
ピロメリット酸二無水物に代えて、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物22.42g(0.10モル)を使用したこと以外は合成例1と同様にして、対数粘度(ηln)0.87dl/gの重合体(A)〔これを重合体(A−7)とする。〕55.5gを得た。
【0078】
〔合成例8〕
ピロメリット酸二無水物に代えて、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物22.42g(0.10モル)を使用し、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンに代えて、p−フェニレンジアミン9.73g(0.09モル)を使用したこと以外は合成例1と同様にして、対数粘度(ηln)0.97dl/gの重合体(A)〔これを重合体(A−8)とする。〕32.5gを得た。
得られた重合体(A−8)30.0gをγ−ブチロラクトン570gに溶解し、この溶液にピリジン21.6gと無水酢酸16.7gとを添加し、110℃で3時間加熱することにより脱水閉環させた。次いで、合成例1と同様にして、反応生成物の沈殿・分離・洗浄・乾燥を行うことにより、対数粘度(ηln)0.78dl/gの重合体(B)〔これを「重合体(B−8)」とする。〕28.8gを得た。
【0079】
〔合成例9〕
2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物に代えて、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン31.43g(0.10モル)を使用したこと以外は合成例8と同様にして、対数粘度(ηln)0.77dl/gの重合体(A)〔これを重合体(A−9)とする。〕58.8gを得た。
得られた重合体(A−9)30.0gを、重合体(A−8)に代えて使用したこと以外は合成例8と同様にして、重合体(A)の脱水閉環、反応生成物の沈殿・分離・洗浄・乾燥を行うことにより、対数粘度(ηln)0.61dl/gの重合体(B)〔これを「重合体(B−9)」とする。〕28.7gを得た。
【0080】
〔合成例10〕
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンに代えて、4−アミノフェノール1.09g(0.01モル)を使用したこと以外は合成例1と同様にして、対数粘度(ηln)0.76dl/gの重合体(A)〔これを重合体(A−10)とする。〕51.2gを得た。
【0081】
〔比較合成例1〕
ピロメリット酸二無水物22.81g(0.10モル)と2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン41.05g(0.10モル)とをN−メチル−2−ピロリドン734gに溶解させ、室温で24時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰の純水に注いで反応生成物を沈澱させた。その後、沈殿物を分離して純水で洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度(ηln)1.98dl/gの比較用の重合体〔これを重合体(a−1)とする。〕60.7gを得た。
【0082】
〔実施例1〕
〔1〕液晶配向剤の調製:
γ−ブチロラクトンと3−エトキシプロピオン酸エチルとの混合溶液(混合重量比=90:10)に合成例1で得られた重合体(A−1)を溶解させて固形分濃度4重量%の溶液とし、この溶液を孔径1μmのフィルターで濾過することにより本発明の液晶配向剤を調製した。
【0083】
〔2〕液晶表示素子の作製:
▲1▼ 厚さ1mmのガラス基板の一面に設けられたITO膜からなる透明導電膜上に、上記〔1〕により調製された本発明の液晶配向剤を塗布用の印刷機を用いて塗布し、塗膜を160℃で1時間焼成することにより、乾燥膜厚0.05μmの樹脂膜を形成した。
【0084】
▲2▼ 形成された樹脂膜の表面を、レーヨン製の布を巻き付けたロールを有するラビングマシーンを用いてラビング処理を行うことにより、液晶分子の配向能を樹脂膜に付与して液晶配向膜を形成した。ここに、ラビング処理条件は、ロールの回転数500rpm、ステージの移動速度1cm/秒とした。
【0085】
▲3▼ 上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚作製し、それぞれの基板の外縁部に、直径17μmの酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂系接着剤をスクリーン印刷法により塗布した後、それぞれの液晶配向膜におけるラビング方向が直交するように2枚の基板を間隙を介して対向配置し、外縁部同士を当接させて圧着して接着剤を硬化させた。
【0086】
▲4▼ 基板の表面および外縁部の接着剤により区画されたセルギャップ内に、ネマティック型液晶「MLC−2003」(メルク・ジャパン社製)を注入充填し、次いで、注入孔をエポキシ系接着剤で封止して液晶セルを構成した。その後、液晶セルの外表面に、偏光方向が当該基板の一面に形成された液晶配向膜のラビング方向と一致するように偏光板を貼り合わせることにより、液晶表示素子を作製した。
以上のようにして作製された液晶表示素子は、動作電圧をオン・オフしたときにおいて異常ドメインは認められず、優れた液晶配向性を有するものであった。また、この液晶表示素子における液晶分子のプレチルト角は4.0゜と高い値を示した。
【0087】
〔実施例2〜10,比較例1〕
下記表1に示す処方に従って、重合体(A−1)に代えて、合成例2〜7および合成例10により得られた重合体(A)、合成例8〜9により得られた重合体(B)、並びに比較例合成例1により得られた重合体(a−1)のそれぞれを使用したこと以外は実施例1〔1〕と同様にして液晶配向剤を調製した。次いで、このようにして得られた液晶配向剤の各々を用い、実施例1〔2〕と同様にして液晶表示素子を作製した。作製された液晶表示素子の各々において、液晶配向性について評価し、液晶分子のプレチルト角を測定した。これらの結果を実施例1の結果と併せて示す。
【0088】
【表1】
【0089】
【発明の効果】
(1)本発明の液晶配向剤によれば、樹脂膜を形成する際の焼成温度が低い場合であっても、当該樹脂膜を配向処理することにより、液晶分子の配向能が確実に付与された液晶配向膜を形成することができ、当該液晶配向膜を備えた液晶表示素子において、優れた液晶配向性を発現させることができる。
(2)本発明の液晶配向剤によれば、樹脂膜を形成する際の焼成温度が低い場合であっても、当該樹脂膜を配向処理することにより、高いプレチルト角を発現させる液晶配向膜を形成することができる。
【0090】
本発明の液晶配向剤により形成される液晶配向膜は、TN型液晶表示素子のみならずSTN(Super Twisted Nematic)型液晶表示素子、SH(Super Homeotropic)型液晶表示素子、IPS(In−Plane−Switching)型液晶表示素子、強誘電性液晶表示素子および反強誘電性液晶表示素子など種々の液晶表示素子を構成するために好適に使用することができる。また、当該液晶配向膜を備えた液晶表示素子は、液晶の配向性および信頼性にも優れ、種々の装置に有効に使用することができ、例えば卓上計算機、腕時計、置時計、計数表示板、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、液晶テレビなどの表示装置として好適に用いることができる。
Claims (5)
- 式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物が、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、ピロメリット酸二無水物および下記式A01で表される化合物から選ばれたものであることを特徴とする請求項1に記載の液晶配向剤。
- 式(2)で表されるジアミン化合物が、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)−ビフェニル、m−キシリレンジアミン、下記式B01〜B05で表される化合物および下記式B06〜B10で表される化合物から選ばれたものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液晶配向剤。
- 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の液晶配向剤から得られる液晶配向膜を具備してなる液晶表示素子。
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