JP3602684B2 - Ultrasonic transducer and method of manufacturing the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用又は非破壊検査用超音波診断装置に用いられる超音波トランスデューサ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アレイ型超音波トランスデューサの構造は、「医用超音波機器ハンドブック」,コロナ社(初版 昭和60年4月20日),p187等に示されるように、背面制動材の上に両面に電極を形成した圧電セラミックス板からなる、微小な圧電素子(単位素子)を、数十乃至数百個配列し、更に音響整合層及び音響レンズを一体化して構成している。
【0003】
超音波トランスデューサの駆動は、上記の配列された単位素子に選択的に、且つ、任意の遅延時間を持ってパルサ(図示せず)から百乃至数百ボルト程度の電圧の駆動パルスを印加することで該単位素子を逆圧電効果により急速に形成し、これにより、励起された超音波パルスを音響整合層及び音響レンズを経て発振させることにより行われる。
【0004】
また、発振された超音波パルスは、医療用途に関しては体内の各組織の界面において、また非破壊検査用に関しては被測定物内部の傷等の非連続部から反射された後に、該音響レンズ及び音響整合層を経て単位素子に再入射し、これを機械的に振動させる。
【0005】
このような機械的振動は、圧電作用により電気信号に変換され、観測装置(図示せず)に送られる。超音波パルスの送受の際、前記単位素子の自由振動が前記背面制動材により規制されることにより、超音波の進行方向に関する分解能を向上させている。
【0006】
この超音波パルスの送受信を、単位素子群に対して順次に切り替えて行うことにより被測定物等の対象部位を走査し、これにより超音波断層像を得る。
【0007】
現在、前記単位素子は、(厚さ 数十乃至数百μm)×(幅 数十乃至数百μm)×(長さ 数mm)程度の極めて微小なものとなっており、これらの単位素子間の間隙である分割溝の寸法も、数十μm程度と極めて微小となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したアレイ型超音波トランスデューサにおける課題の一つとして、各単位素子間のクロストーク(干渉)が挙げられる。クロストークが大きいと、選択的に駆動しても選択外の単位素子が微弱ながら超音波を発信してしまったり、受信時に受信信号以外の超音波振動が重畳されて見掛けのパルス幅が伸びてしまったり、本来なら受信されないはずの信号を受信してしまって虚像(アーティファクト)を形成してしまう等、分解能低下や画像の信頼性劣化、画質の劣化等という問題を生じる。
【0009】
上述したクロストークには、隣接又は近傍の単位素子間で機械的な振動が送受されてしまうという音響的クロストークと、単位素子の振動から圧電効果により発生する電磁波を他の単位素子が受信して逆圧電効果により振動してしまうことによる電磁的クロストークとがある。
【0010】
音響的クロストークに関しては、前記分割溝に、超音波減衰性が高い樹脂や、樹脂とフィラーのマトリックス等を充填することにより、振動を減衰させて低減することが一般的に行われている。しかし、これだけでは電磁的なクロストークを低減することはできず、画質の劣化を完全には防止することは困難である。
【0011】
このため、前記分割溝を絶縁性樹脂で埋め、ここに再度、導体封埋用溝を形成し、この導体封埋用溝に導体膜、具体的には導電性接着剤や金属箔を挿入し接地電位とすることにより電磁的クロストークを阻止する方法が、実公平5−4397号公報に開示されている。
【0012】
接地電位の部材を介在することによって電磁的なノイズを遮蔽できることは、コンピュータや家電製品等の一般的な電子機器においても広く行われており、効果があることが確認されている。
【0013】
しかしながら、アレイ型超音波トランスデューサにおいては、上記の通り分割溝が、幅数十μm、深さ百乃至数百であるため、厚さがこれにより小となる導体封埋用溝内への導体膜の形成は極めて困難である。
【0014】
具体的には、実公平5−4397号公報において開示されている方法の内、導電性樹脂を封埋する方法については、導電性を持たせるために樹脂内に多量に分散されている導電性のフィラーが、幅数十μm以下である該導体封埋用溝内で凝集して樹脂全体の流れを塞ぎ止めてしまい、空隙の残存によるヒートサイクルやヒートショックへの耐性の低下や、十分な大きさの導体膜を形成できないという問題が挙げられる。
【0015】
同時に、導電性樹脂内部には、これを構成する樹脂と導電性フィラーの界面が極めて多く存在するため、一般的な樹脂と比較して剥離や膨潤による特性劣化が生じ易くなり、耐水性や経時変化への耐性の点で問題がある。
【0016】
また、金属箔を導体膜として封埋する方法については、金属箔の厚さが数十μm以下で、外形も数十乃至数百μm×数mmの微細なリボン状のものとしていることから、金属箔のハンドリングが困難となるとともに、1つのアレイ超音波トランスデューサについては金属箔を数十乃至数百枚を要することを勘案すると、製造工程が極めて困難となることは自明である。
【0017】
特に、2次元配置に単位素子を配列したマトリックス型アレイにおいては、工業的な適用は不可能に近い。このことは、実公平5−4397号公報で開示されているリニアアレイ型超音波トランスデューサにおいてだけでなく、現在、医療分野において体表及び体内で多く用いられているコンベックスアレイ(カーブドリニアアレイとも称する)においては、作業対象部が平面では無いため上述した困難は更に高まる。
【0018】
また、医療分野における体内用途や、工業分野における細管の内部からの検査において有効であると考えられるラジアルアレイに関しては、更に曲率が大きくなく、平面からの乖離が長くなるため、適用の困難さは極めて大きくなる。
【0019】
特に、上記したマトリックス型アレイや、体内用途、細管の内部においては、超音波トランスデューサの小型化が必須であるため、クロストークの低減によってS/N比を向上をさせることによる実質的な感度の向上は必須であり、上述した製造工程の困難性は大きな問題である。
【0020】
これらの困難を回避するために、分割溝を広く取った場合、単位素子の個数や実面積が減少してしまうので、単位素子当たりの電気的インピーダンスの上昇、分解能の低下、ゲインの低下等の問題が生じる。また、分割溝の幅を一定のまま、導体封埋用溝の幅を広くした場合、導体膜と駆動電極との間の絶縁耐圧が不足する可能性があり、十分な電圧の駆動パルスを印加できなくなり、発信する超音波の出力が不足する可能性がある。
【0021】
又、金属箔を溝の中央に設置せずに単位素子と接触又は極度に接近配置した場合、上述した絶縁耐圧の不足に加え、単位素子の振動を規制してしまう可能性があり、音場の乱れ、ゲイン低下、パルス幅の伸長等の問題が生じてしまう可能性がある。
【0022】
本発明は上記課題に鑑み、超音波トランスデューサの感度、信頼性、生産性を劣化させること無く、電磁的クロストークを低減し、超音波画像の画質の向上を実現し得る超音波トランスデューサ並びにその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、両面に電極が形成されているとともに、一方の電極に個々の駆動リード線が接続され、他方の電極に共通の接地リード線が接続される複数の圧電素子と、前記圧電素子を配設する背面制動材と、前記圧電素子に設ける少なくとも1層の音響整合層とを有する超音波トランスデューサにおいて、各圧電素子間に設ける電気的絶縁部材と、前記電気的絶縁部材に、少なくとも接地リード線が接続される圧電素子の電極側が開口する状態で、かつ、圧電素子の厚み方向に設けた成膜用溝と、この成膜用溝の内面と接地リード線が接続される圧電素子の電極とに気相法によって連続に形成した導体薄膜とを有することを特徴とするものである。
【0024】
請求項2記載の発明は、両面に電極が形成されているとともに、一方の電極に個々の駆動リード線が接続され、他方の電極に共通の接地リード線が接続される複数の圧電素子と、前記圧電素子を配設する背面制動材と、前記圧電素子に設ける少なくとも1層の音響整合層と、導体部を有し、前記圧電素子、背面制動材及び音響整合層を収容する筺体と、を有する超音波トランスデューサにおいて、各圧電素子間に設ける電気的絶縁部材と、前記電気的絶縁部材に、少なくとも接地リード線が接続される圧電素子の電極側が開口する状態で、かつ、圧電素子の厚み方向に設けた成膜用溝と、この成膜用溝の内面と前記筺体の導体部に気相法によって連続に形成した導体薄膜とを有することを特徴とするものである。
【0025】
請求項3記載の発明は、両面に電極が形成されているとともに、一方の電極に個々の駆動リード線が接続され、他方の電極に共通の接地リード線が接続される複数の圧電素子と、前記圧電素子を配設する背面制動材と、前記圧電素子に設ける少なくとも1層の音響整合層と有する超音波トランスデューサを製造する製造方法において、前記背面制動材及び音響整合層の少なくとも一方と圧電素子とを一体化する工程と、圧電素子にその厚み方向の分割溝を設けて圧電素子を複数個にする工程と、分割溝内に電気的絶縁部材を設ける工程と、電気的絶縁部材に圧電素子の厚み方向の成膜用溝を設ける工程と、成膜用溝の内壁と接地リード線が接続される電極とに連続して気相法で導体薄膜を設ける工程と、背面制動材及び音響整合層の圧電素子と一体化していない一方を圧電素子と一体化する工程と、を有することを特徴とするものである。
【0026】
請求項4記載の発明は、両面に電極が形成されているとともに、一方の電極に個々の駆動リード線が接続され、他方の電極に共通の接地リード線が接続される複数の圧電素子と、前記圧電素子を配設する背面制動材と、前記圧電素子に設ける少なくとも1層の音響整合層と、導体部を有し前記圧電素子、背面制動材及び音響整合層が入る筺体とを有する超音波トランスデューサを製造する製造方法において、背面制動材及び音響整合層の少なくとも一方と圧電素子とを一体化する工程と、圧電素子にその厚み方向の分割溝を設けて圧電素子を複数個にする工程と、分割溝内に電気的絶縁部材を設ける工程と、電気的絶縁部材に圧電素子の厚み方向の成膜用溝を設ける工程と、背面制動材及び音響整合層の圧電素子と一体化していない一方を圧電素子と一体化する工程とを有することを特徴とするものである。
【0027】
請求項1記載の発明に係る超音波トランスデューサは、各圧電素子間に設ける電気的絶縁部材と、前記電気的絶縁部材に、少なくとも接地リード線が接続される圧電素子の電極側が開口する溝を圧電素子の厚み方向に設け、この溝の内面と接地リード線が接続される圧電素子の電極とに気相法によって連続に形成した導体薄膜と、によって各圧電素子間の電磁的クロストークを防止する。
【0028】
また、請求項2記載の発明に係る超音波トランスデューサは、各圧電素子間に設ける電気的絶縁部材と、前記電気的絶縁部材に、少なくとも接地リード線が接続される圧電素子の電極側が開口する溝を圧電素子の厚み方向に設け、この溝の名内面と筺体の導体部に気相法によって連続に形成した導体薄膜とによって各圧電素子間の電磁的クロストークを防止する。
【0029】
更に、請求項3記載の発明に係る超音波トランスデューサの製造方法は、背面制動材及び音響整合層の少なくとも一方と圧電素子とを一体化し、圧電素子にその厚み方向の分割溝を設けて圧電素子を複数個にする。この分割溝内に電気的絶縁部材を設け、電気的絶縁部材に圧電素子の厚み方向の成膜用溝を設ける。この成膜用溝の内壁と接地リード線が接続される電極とに連続して気相法で導体薄膜を設ける。そして、背面制動材及び音響整合層の圧電素子と一体化する。
【0030】
請求項4記載の発明に係る超音波トランスデューサの製造方法は、背面制動材及び音響整合層の少なくとも一方と圧電素子とを一体化し、圧電素子にその厚み方向の分割溝を設けて圧電素子を複数個にする。この分割溝内に電気的絶縁部材を設け、電気的絶縁部材に圧電素子の厚み方向の成膜用溝を設ける。この成膜用溝の内壁と筺体の導体部とに連続して気相法で導体薄膜を設ける。そして、背面制動材及び音響整合層の圧電素子と一体化していない一方を圧電素子と一体化する。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係わる超音波トランスデューサ及びその製造方法の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
【0032】
(実施の形態1)
[構成]
まず、図1乃至図10を参照して実施の形態1について説明する。
図1に示すように、実施の形態1の圧電素子23の両面には、圧電材1の両面に銀焼付けにより、圧電素子放射面電極2(接地リード線が接続される電極)及び圧電素子背面電極3(駆動リード線が接続される電極)が形成されている。圧電素子背面電極3には、配列ピッチに相当するピッチで電極パターンが形成されたフレキシブルプリント基板5が接続されている。
【0033】
また背面制動材4は、ジルコニア粒子とマイクロバルーンとを分散させたエポキシ樹脂により形成されている。
なお、図1に示す矢印Xを長さ方向、矢印Yを幅方向、矢印Zを厚み方向と定義して以下の説明を行う。
【0034】
[製造方法]
次に、実施の形態1の圧電素子23の製造方法について説明する。図1に示すように、圧電素子23を構成する圧電素子背面電極3に、背面制動材4をエポキシ系低粘性接着剤(図示せず)により接合し、積層体47を構成する。このとき、背面制動材4に設けられた背面制動材凹部6と、圧電素子背面電極3に接続されているフレキシブルプリント基板5との位置を一致させ、フレキシブルプリント基板5の厚さが、圧電素子背面電極3と該背面制動材4との間の接着層に影響しないようにする。
【0035】
圧電素子背面電極3と、背面制動材4との接合後、図2に示すように、圧電素子23に対して厚み方向の圧電素子分割溝8を背面制動材4の一部に達するまで所定数設けて、圧電素子23を複数の圧電素子(以下「単位素子7」と称する)に分割する。
【0036】
分割工程終了後、図3に示すように、圧電素子分割溝8内に電気的絶縁部材9(シリコンゴム等)として電気絶縁性樹脂を充填し固化する。その後、図4に示すように、電気絶縁部材9の略中央に成膜用溝10を厚み方向に形成する。
【0037】
成膜用溝10を形成した後、図5に示すように、圧電素子放射面電極2の表面、電気絶縁部材9の表面及び該成膜用溝10の内壁に、内壁側より第1層目がCr、第2層目がAgである導体薄膜11を、真空蒸着法により成膜する。
【0038】
積層体47の上記以外の部分は、開口を持つ金属箔や、テーピング等の、一般的なマスキング法(図示せず)により薄膜が形成されないようにする。
【0039】
次に、前記導体薄膜11の成膜方法を図6を参照して詳細に説明する。まず、圧電素子放射面電極2の表面、電気的絶縁部材9の表面及び成膜用溝10以外の部分をマスクした積層体47を、図6に示す真空蒸着装置26の真空槽27内に入れ、固定治具30で保持し、Crの蒸発源28及びAgの蒸発源29に対向する位置に設置する。前記固定治具30は、揺動及び回動あるいは遊星運動が可能に構成されている。
【0040】
次に、真空槽27内を真空ポンプ31によって1×10−3Pa以下の圧力に減圧する。その後、固定治具30に保持された積層体47を、図6に示す矢印のように揺動及び回動させながら、Crの蒸発源28を電子銃32から発生した電子線33によって加熱する。そして、圧電素子放射面電極2の表面、電気的絶縁部材9の表面及び成膜用溝10にCrを100nmの膜厚に成膜し、第1層を形成する。
【0041】
続いて、抵抗ボート34を加熱することにより、Agの蒸発源29を加熱し、前記第1層の表面にAgを500nmの膜厚に成膜し、第2層を形成する。
【0042】
第1層、第2層の成膜後、図7に示すように、各成膜用溝10を封止樹脂21により埋め、各単位素子7の圧電素子放射面電極2に共通の接地リード48を半田又は導電性接着剤により接続する。そして、圧電素子放射面電極2上に、ガラス系材料からなる第1音響整合層14と、エポキシ系樹脂からなる第2音響整合層15とを重ねて形成しリニアアレイ型超音波トランスデューサ18を得る。
【0043】
このリニアアレイ型超音波トランスデューサ18は、ケース(図示せず)内に収納され、フレキシブルプリント基板5及び接地リード48をケーブルを介して駆動装置並びに観測装置(ともに図示せず)に接続して駆動可能となる。
【0044】
[作用]
実施の形態1のリニアアレイ型超音波トランスデューサ18の導体薄膜11は、圧電素子放射面電極2を経て接地電位に接続されており、電磁波遮蔽作用を持つ。なお、導体薄膜11の第1層のCrは第2層のAgの密着性を向上させる密着層として作用する。
【0045】
[効果]
リニアアレイ型超音波トランスデューサ18の各単位素子7間が、導体薄膜11により電磁的に遮蔽されることにより、各単位素子7間の電磁的クロストークが遮蔽される。これにより、S/N比が向上し、リニアアレイ型超音波トランスデューサ18により得られる超音波画像の画質が向上する。
【0046】
なお、真空蒸着法では、一般に蒸着物質の平均自由行程が長いため、ステップカバレージが悪いとされており、本実施の形態1のような高アスペクト比の成膜用溝10の内壁への成膜には有効ではないとされているが、本実施の形態1に述べたように固定治具30を揺動及び回動あるいは遊星運動させることにより、成膜用溝10の内壁に一様に導体薄膜11が成膜されるようになる。
【0047】
また、本実施の形態1においては、第1音響整合層14を連続したガラス系材料として示したが、例えば図8に示すように、第1音響整合層14を圧電素子23と同様に分割し、絶縁部材を封埋した後、本実施の形態1のように導体薄膜11を形成することも可能である。
【0048】
これにより、各単位素子7間の音響的なクロストークを効果的に遮蔽することができ、更に画質を向上させることに結び付く。また、第1音響整合層14の材質についても、マシナブルセラミックスに代表されるガラス系材料やアモルファスカーボン等の有機材料に加え、アルミナやジルコニア等のセラミックスやカーボン、ガラス等からなる微小な粉体のフィラーを、エポキシ系やフェノール系等の樹脂に分散させたものが使用可能である。
【0049】
これらの樹脂を第1音響整合層14として用いる場合、本実施の形態1に示したような接合ではなく、圧電素子23上に第1音響整合層14を注型法により直接に形成することも可能である。この場合、接合層を事実上無くすことが可能となるため、音響的な設計値を厳密に適用することが可能になる。
【0050】
また、本実施の形態1では、音響整合層の層数も2層として示したが、あくまで代表的なものであり、1層のみとすることや、3層以上の構成も可能であることは言うまでもない。また、一般に行われているように、音響整合層上に音響レンズを一体化することが可能であることも言うまでもない。
【0051】
前記圧電材1としては、一般に用いられている、圧電セラミックスの他に、樹脂マトリックス内に圧電素子の柱状体や粉体を分散させた複合圧電体や、PVDFに代表される高分子圧電体も使用可能である。これらの場合、音響整合層は保護層を兼ねる1層程度で構成されることが多い。
【0052】
同様に圧電素子放射面電極2及び圧電素子背面電極3の材質としては、本実施の形態1で触れた銀(Ag)焼付電極の他に一般に行われている様なAg−Pd焼付電極、Niに代表される無電界メッキ物、AuやCr−Ag等の金属のスパッタリング組成物等が使用可能である。
【0053】
また、本実施の形態1においては、圧電材1を平板として示したが、図9に示すように、円筒面形状等の圧電材1とすることも可能である。これにより、音響レンズ層を用いなくても音場を集束することができる。この結果、音響レンズ層による減衰を避けることができ、高感度の超音波トランスデューサを得ることができる。
【0054】
また、この場合には、背面制動材4は注型により構成することが残留応力の低減や接合層を無くすために効果的である。また、上記したように圧電材1として複合圧電体や高分子圧電体を用いる場合は、これらが柔軟であるために予め凹面に整形した背面制動材4上に密着させるように一体化することで、上述した構成とすることができる。
【0055】
背面制動材4の材質としては、本実施の形態1で述べた様な樹脂マトリックスの中にフィラーを分散させたものがよく用いられており、例えばマトリックスとしては、各種の硬度のエポキシ樹脂を始め、シリコーンゴム・クロロプレンゴム等のゴム系材料が、また、フィラーとしては、本実施の形態1で示したジルコニアやマイクロバルーンの他に、アルミナ、酸化タングステン、フェライト等を挙げることができる。
【0056】
前記導体薄膜11の材質としては、本実施の形態1において示した、CrとAgの他に、Au,Pd,Pt,Al,In,Ti,Ni等の金属単体やこれらの多層構造、又はAuPd,PtPd等の合金、あるいはIn2 O3 等の酸化物が使用可能である。これら以外でも、導電性を示す材質で、真空蒸着法で成膜できるものならば特に使用上問題はない。
【0057】
また、導体薄膜11の成膜方法としても、本実施の形態1で示した真空蒸着法によるものの他に、イオンビームアシスト蒸着法やイオンプレーティング法等の気相法も使用可能である。また、本実施の形態1においては、成膜用溝10を圧電素子23の圧電素子背面電極3よりも深く切り込んだが、例えば図10に示すように、圧電材1の中間レベルまで切り込む程度で止めることも可能である。この場合、本実施の形態1に示した場合と比較して、電磁的クロストークの防止能力は低くなるものの、導体薄膜11と圧電素子背面電極3の間の絶縁が確保されているので、成膜用溝10の幅を圧電素子分割溝8に接近させることができる。このため、小型のアレイ超音波トランスデューサを実現する場合においては、該圧電素子分割溝8を十分狭く取った場合においても、成膜用溝10の形成と導体薄膜11の形成を行うことができ、電磁的クロストークの防止を図ることができる。この場合においても、導体薄膜11が極めて薄く、負荷を殆ど持たないため、音場、感度、パルス幅等は影響を受けず、得られる超音波画像の画質は効果的に改善される。
【0058】
前記単位素子7の振動モードを理想的に保つために、一般に良く行われているように、各単位素子7を更に複数の2次素子に分割した(サブダイスと呼ばれる)場合においては、本実施の形態1に示した導体薄膜11は、その原理上同時に動作する複数の2次素子の間ではなく、個別に動作する各単位素子7の間にだけ設ければ良いことは自明である。
【0059】
(実施の形態2)
次に、図11を参照して実施の形態2について説明する。
基本的には、上述の実施の形態1と同様であるため、実施の形態1と異なる点を主にして詳述する。
【0060】
[構成]
本実施の形態2においては、2層構造のTiからなる導体薄膜11を、スパッタリング法により成膜することが特徴である。
【0061】
[製造方法]
以下、本実施の形態2の導体薄膜11の成膜方法を、図11を参照して詳細に説明する。まず、圧電素子放射面電極2の表面、電気的絶縁部材9の表面及び成膜用溝10以外の部分をマスクした積層体47を、スパッタリング装置35の真空槽27内に入れ、回動可能な固定治具30で保持し、Tiからなるターゲット36に対向する位置に設置する。
【0062】
次に、真空槽27内を真空ポンプ31によって、5×10−4Pa以下の圧力に減圧した後、スパッタガス供給装置40からArガスを1Paの圧力で導入する。その後、固定治具30に保持された積層体47を、図11に示す矢印方向に回動させながら、DC(直流)電源38からカソード電極37にDC電力を供給して、プラズマ39を発生させる。そして、ターゲット36をスパッタリングさせ、圧電素子放射面電極2の表面、電気的絶縁部材9の表面、及び成膜用溝10にTiを500nmの膜厚に成膜し、第1層を形成する。
【0063】
続いて、スパッタガス供給装置40からArガスを0.1Paの圧力で導入した後、上記第1層を形成したときと同ようにスパッタリングを行い、上記第1層の表面にTiを1000nmの膜厚に成膜し、第2層を形成する。
【0064】
[作用]
本実施の形態2における前記導体薄膜11は、圧電素子放射面電極2を経て接地電位に接続されており、電磁波遮蔽作用を持つ。なお、導体薄膜11の第1層のTiは第2層のTiの密着性を向上させる密着層として作用する。
【0065】
[効果]
本実施の形態2によれば、実施の形態1の効果に加え以下の効果を奏する。即ち、スパッタリング法では一般にステップカバレージが良いため、固定治具30には回動機構のみを設けることで、成膜用溝10の内壁に一様に導体薄膜11が成膜される。
【0066】
前記導体薄膜11の材質としては、本実施の形態2において示した、Tiの他に、Cr,Ag,Au,Pd,Pt,Al,In,Ni等の金属単体やこれらの多層構造、あるいはAuPd,PtPd等の合金やIn2 O3 等の酸化物が使用可能であり、これら以外でも導電性を示す材質で、スパッタリング法で成膜できるものならば特に使用上問題はない。
【0067】
また、導体薄膜11の成膜方法としても、本実施の形態2で示したDCスパッタリング法によるものの他に、RFスパッタリング法やイオンビームスパッタリング法、ECRスパッタリング法等の気相法も使用可能である。
【0068】
(実施の形態3)
次に、図12を参照して実施の形態3について説明する。実施の形態3は、基本的には、上述した実施の形態1と同様であるため、実施の形態1と異なる点を主にして詳述する。
【0069】
[構成]
本実施の形態3においてはAlからなる導体薄膜11を、プラズマCVD法により成膜することが特徴である。
【0070】
[製造方法]
以下、本実施の形態3の導体薄膜11の成膜方法を詳細に説明する。まず、図12に示すプラズマCVD装置41の真空槽27内に、固定治具30に載置した積層体47を、圧電素子放射面電極2、電気絶縁部材9の表面、成膜用溝10をプラズマ電極42に対向する位置に設置する。
【0071】
次に、真空ポンプ31により真空槽27内を1×10−4Pa以下の圧力に減圧した後、原料ガス43としてAl(CH3 )3 を、反応性ガス44としてH2 を、キャリアガス45としてArをそれぞれ真空槽27内に導入する。次に、プラズマ電極42にRF電源46によりRF電力を供給し、0.05w/cm2 の電力密度のプラズマ39を発生させて化学反応を起こさせ、Alを1500nmの膜厚に成膜して導体薄膜11を得る。
【0072】
[作用]
本実施の形態3の導体薄膜11は、圧電素子放射面電極2を経て接地電位に接続されており、電磁波遮蔽作用を持つ。
【0073】
[効果]
本実施の形態3によれば、上記実施の形態1に述べた効果に加え、以下の効果を奏する。即ち、プラズマCVD法では、一般にステップカバレージが極めて良いため、積層体47に運動を与えること無しに、成膜用溝10内壁に一様に導体薄膜11が成膜される。
【0074】
導体薄膜11の材質としては、本実施の形態3において示した、Alの他に、In(C2 H5 )3 の原料ガスを用いてInを成膜したり、TiCl4 の原料ガスを用いてTiを成膜することができる。これら以外でも、導電性を示す材質で、プラズマCVD法で成膜できるものならば特に使用上問題はない。
【0075】
(実施の形態4)
次に、図13乃至図15を参照して実施の形態4について説明する。実施の形態4も、基本的には上述した実施の形態1と同様であるため、実施の形態1と異なる点を主にして詳述する。
【0076】
[構成]
図13に示すように、本実施の形態4においては、圧電素子23の圧電材1に圧電素子背面電極3のみが形成されていることが特徴である。
【0077】
[製造方法]
図13に示すように、圧電素子23の圧電素子背面電極3に、背面制動材4を、エポキシ系低粘性接着剤(図示せず)により接合する。両部材接合後、図14に示すように、圧電素子23に厚み方向の圧電素子分割溝8を背面制動材4の一部に達するまで入れ、圧電素子23を複数の単位素子7に分割する。
【0078】
分割後、実施の形態1と同様に、圧電素子分割溝8内に電気的絶縁部材9を充填し、この電気絶縁部材9の略中央に成膜用溝10を厚み方向に形成する。成膜用溝10を形成した後、図15に示すように、圧電材1の表面、電気的絶縁部材9の表面及び該成膜用溝10の内壁に、導体薄膜11を成膜する。導体薄膜11を成膜した後、上記実施の形態と同ように、第1音響整合層14と第2音響整合層15とを形成し、リニアアレイ型超音波トランスデューサ18を得る。
【0079】
[作用]
本実施の形態4によれば、圧電材1の表面に形成された導体薄膜11が、圧電素子放射面電極2として動作する。
【0080】
[効果]
本実施の形態4によれば、実施の形態1に述べた効果に加え、以下の効果を奏する。即ち、圧電素子放射面電極2が導体薄膜11により構成されているため、焼付銀電極と比較して、薄く、更にガラスフリット分の圧電材1への浸透が無いため、圧電材1の振動を規制することが少なくなるため、より高い感度を得ることが可能となる。
【0081】
(実施の形態5)
次に、図16乃至図20を参照して実施の形態5について説明する。本実施の形態5は、基本的には、上述の各実施の形態1乃至4と同様であるため、異なる点を主にして説明する。
【0082】
[構成]
図16に示すように、本実施の形態5の圧電素子23は、圧電材1の両面に銀焼付けにより、圧電素子放射面電極2及び圧電素子背面電極3が形成されている。本実施の形態5においては、前記両電極2、3は圧電材1の側面にまで周り込むように形成されている。
【0083】
[製造方法]
以下に、本実施の形態5の製造方法について説明する。図16に示すように、圧電素子23の圧電素子放射面電極2に、第1音響整合層14と第2音響整合層15とを、エポキシ系低粘性接着剤(図示せず)により接合する。両部材接合後、図17に示すように、圧電素子23及び第1音響整合層14に厚み方向の圧電素子分割溝8を設け、圧電素子23を複数の単位素子7に分割する。
【0084】
ここで、圧電素子分割溝8は、少なくとも圧電素子23を分割すれば良く、第1音響整合層14まで達しなくても良い。複数の単位素子7に分割した後、上述の各実施の形態1乃至4と同様に、圧電素子分割溝8内を電気絶縁部材9により充填した後、図18に示すように、圧電素子背面電極3を被覆するマスク12を形成する。
【0085】
マスク12を形成した後、図19に示すように、マスク12ごと裁断するようにして電気絶縁部材9に成膜用溝10を厚み方向に形成する。次に、図19に示した導体薄膜成膜面22、及び、図20に示した圧電素子放射面電極2の周り込み部、電気絶縁部材9の表面及び成膜用溝10の内壁に、導体薄膜11を成膜する。
【0086】
導体薄膜11の成膜後、前記マスク12を除去し、上記の各実施の形態1乃至4と同様に封止樹脂21による充填と、背面制動材4の形成処理を実施し、リニアアレイ型超音波トランスデューサ18を得る。後述するコンベックスアレイ型超音波トランスデューサ19として用いる場合の配線は、圧電素子放射面電極2及び圧電素子背面電極3の内、圧電材1の側面に周り込んだ部分で容易に行うことができる。
【0087】
[作用]
本実施の形態5においては、圧電素子23と第1音響整合層14との接合工程を最初に実施することにより、同工程の精度、特に接合層の精度を高めることができる。
【0088】
[効果]
本実施の形態5によれば、前記各実施の形態に述べた効果に加え、以下の効果を奏する。即ち、設計値に厳密に沿って圧電素子23に第1音響整合層14を形成できるので、設計値通りの送受信超音波のスペクトル幅やパルス幅等の超音波特性を確実に得ることができる。
【0089】
(実施の形態6)
図21乃至図25を参照して、実施の形態6について説明する。本実施の形態6も基本的には、上述の各実施の形態と同一であるため、異なる点についてのみ詳述する。
【0090】
[構成]
図21に示すように、本実施の形態6の圧電素子23は、上述の実施の形態1と同様に、圧電材1の両面に銀焼付けにより、圧電素子放射面電極2及び圧電素子背面電極3が形成されている。また、背面制動材4は、ゴム弾性を持つエポキシ樹脂にジルコニア粒子とマイクロバルーンとを分散させた柔軟な材質からなっており、薄く形成されている。
【0091】
[製造方法]
以下に、本実施の形態6の製造方法について説明する。図21に示すように、圧電素子23の圧電素子23の圧電素子放射面電極2に、第1音響整合層14と第2音響整合層15とを、エポキシ系低粘性接着剤(図示せず)により接合する。接合後、上述の各実施の形態と同様に該圧電素子23の分割と電気絶縁部材9の充填を行う。
【0092】
電気絶縁部材9の充填後、図22に部分断面図として示すように、電気的絶縁部材9を完全に裁断し、背面制動材4の一部にまで達する成膜用溝10を形成する。成膜用溝10を形成した後、図23に示すように、ベース部材16を、成膜用溝10の部分で屈曲させつつ背面制動材4の裏面において接合し、圧電素子放射面電極2の表面、電気的絶縁部材9の表面及び成膜用溝10の内壁に、導体薄膜11を成膜する。
【0093】
導体薄膜11を成膜した後、前記各実施の形態と同様に、各単位素子7の圧電素子放射面電極2を接地リード(図示せず)で接続した後、図24に示すように、成膜用溝10内を封止樹脂21で封止し、周囲に音響整合層13を形成して、コンベックスアレイ型超音波トランスデューサ19を得る。
【0094】
[作用]
本実施の形態6によれば、ベース部材16上に曲面状にコンベックスアレイ型超音波トランスデューサ19が形成される。
【0095】
[効果]
本実施の形態6によれば、上記各実施の形態に述べた効果に加え、以下の効果を奏する。即ち、医療分野において体表及び体内で多く用いられているコンベックスアレイ(カーブドリニアアレイ)に関しても、電磁的クロストークが遮蔽された、高S/N比で高画質の超音波トランスデューサを製造することが可能である。
【0096】
本実施の形態6においては、コンベックスアレイ型超音波トランスデューサ19について詳述したが、同様な方法により他の非平面形状のアレイ型超音波トランスデューサを作成することも可能である。例えば、図25に示すように、ラジアルアレイ型超音波トランスデューサ20を作成することも、上述した場合と同様な方法を取ることにより実現可能である。
【0097】
(実施の形態7)
図26乃至図29を参照して、実施の形態7について説明する。本実施の形態7も基本的には、上述の各実施の形態と同様であるため、異なる点についてのみ詳述する。
【0098】
[構成]
図26に示すように、本実施の形態7の圧電素子23は、圧電材1の両面に銀焼付けにより、圧電素子放射面電極2及び圧電素子背面電極3が形成されている。本実施の形態7においては、前記両電極2、3は圧電材1の側面にまで周り込むように形成されている。また、第1音響整合層14は、ガラス系材料からなり、第2音響整合層15は、ポリイミド等からなる柔軟な樹脂製フィルムからなっている。
【0099】
[製造方法]
以下に、本実施の形態7の製造方法について説明する。上述した実施の形態5と同様に、圧電素子23の圧電素子放射面電極2に、第1音響整合層14と第2音響整合層15とを、エポキシ系低粘性接着剤(図示せず)により接合し、圧電素子23の分割と電気絶縁部材9の充填を行い、マスク12により圧電素子背面電極3を被覆する。
【0100】
次に、図26に示すように、マスク12及び該電気絶縁部材9を完全に裁断し、第2音響整合層15の一部にまで達する成膜用溝10を形成し積層体47を得る。さらに、成膜用溝10を形成した後、図27に示すように、枠17により積層体47を成膜用溝10の部分で屈曲させつつ、所定の湾曲形状を保つように保持し、導体薄膜成膜面22、即ち、圧電素子放射面電極2、電気絶縁部材9の表面及び該成膜用溝10の内壁に、導体薄膜11を成膜する。
導体薄膜11の成膜後、図28に示すように、マスク12、成膜用溝10内及び圧電素子背面電極3内を背面制動材4で封止し、周囲に音響整合層13を形成し、コンベックスアレイ型超音波トランスデューサ19を得る。
【0101】
[作用]
本実施の形態7の圧電素子23と第1音響整合層14との接合工程を最初に実施することにより、同工程の精度、特に接合の精度を高めながら、曲面状なコンベックスアレイ型超音波トランスデューサ19が構成される。
【0102】
[効果]
本実施の形態7によれば、実施の形態5に述べた効果に加え、以下の効果を奏する。即ち、医療分野において体表及び体内で多く用いられているコンベックスアレイ(カーブドリニアアレイ)に関しても、電磁的クロストークが遮蔽された、高S/N比で高画質の超音波トランスデューサを作成することができ、また、設計値に厳密に沿って圧電素子23上に第1音響整合層14を形成できるので、設計値通りの送受信超音波のスペクトル幅やパルス幅等の超音波特性を厳密に発揮させることができる。
【0103】
本実施の形態7においては、コンベックス型について詳述したが、同様な方法により他の非平面形状のアレイ型超音波トランスデューサを作成することも可能である。例えば、図29に示すように、ラジアルアレイ型超音波トランスデューサ20を作成することも、上述した場合と同様な製造方法を取ることにより実現可能である。
【0104】
(実施の形態8)
図30乃至図35を参照して実施の形態8について説明する。本実施の形態8も基本的には、上述の各実施の形態と同様であるため、異なる点についてのみ詳述する。
【0105】
[構成]
本実施の形態8において、図30に示すように、圧電素子23における圧電材1の両面に銀焼付けにより圧電素子放射面電極2及び圧電素子背面電極3が形成されている。また、第1音響整合層14はガラス系材料からなっている。
【0106】
[製造方法]
以下に、本実施の形態8の製造方法について説明する。図30に示すように、圧電素子23の圧電素子背面電極3にフレキシブルプリント基板5を接続するとともに、背面制動材4を接合する。次に、圧電素子23を分割し、電気絶縁部材9の充填を行い、第1音響整合層14を接合する。次に、図31に示すように、成膜用溝10を、第1音響整合層14及び圧電素子23を分割するように形成し、接地リード48により各単位素子7の圧電素子放射面電極2を接続する。
【0107】
成膜用溝10を形成した後、図32に示すように、筺体24を接合する。筺体24は、電気絶縁性を持つ樹脂の周囲に、ステンレスからなる筺体上導体25を一体化したものであり、前記接地リード48は筺体上導体25により覆われることになる。
【0108】
筺体24を接合した後、図33に示すように、成膜用溝10の内壁、第1音響整合層14、筺体上導体25に各々導体薄膜11を成膜する。導体薄膜11の成膜後、図34に示すように、第1音響整合層14上に樹脂材料からなる第2音響整合層15を接合し、リニアアレイ型超音波トランスデューサ18を得る。
【0109】
[作用]
本実施の形態8においては、リニアアレイ型超音波トランスデューサ18の電磁的クロストークの遮蔽が、筺体24の接地電位の導体薄膜11により実現される。
【0110】
[効果]
本実施の形態8によれば、各実施の形態による効果に加え、以下の効果を奏する。即ち、電磁的クロストークの遮蔽が、筺体24の接地電位の導体薄膜11により行われるために、駆動パルス並びに受信信号の送受信ラインの接地電位により遮蔽する場合と比較して、より高度な電磁クロストークの遮蔽を行うことができる。
【0111】
本実施の形態8において示す構造並びに工程は、本実施の形態8で述べた筺体構造並びに製造工程を用いることにより、上述の各実施の形態の構成並びに工程に適用することが可能であることはもちろんである。
【0112】
例えば、上記の実施の形態5、実施の形態6に示す非平面状に構成されるコンベックス型超音波トランスデューサ19においても、図35に示すように、ラジアルアレイ型超音波トランスデューサ20を実現することも容易である。
【0113】
なお、上述した具体的実施の形態1乃至8から、次の様な構成の技術的思想を付記することができる。
【0114】
(付記)
(1)複数個配列され、両面に電極が形成されているとともに、一面において複数本の駆動リードと接続され、他面において接地電位のリードと接続された圧電素子と、背面制動材と、少なくとも1層の音響整合層及び/又は音響レンズとから構成される、アレイ型超音波トランスデューサにおいて、各圧電素子間に電気的絶縁部材を設けるとともに、該絶縁部材に少なくとも該圧電素子の接地電位側電極が露出する部分に開口を持ち該圧電素子の厚み方向に切り込まれた溝を設け、該溝の内面と該圧電素子の接地電位側電極に連続し、気相法により形成した導体薄膜を設けたことを特徴とするアレイ型超音波トランスデューサ。付記(1)記載の超音波トランスデューサによれば、各圧電素子間の電磁的クロストークを防止し、高画質とすることができる効果を奏する。
【0115】
(2)複数個配列され、両面に電極が形成されているとともに、一面において複数本の駆動リードと接続され、他面において接地電位のリードと接続された圧電素子と、背面制動材と、少なくとも1層の音響整合層及び/又は音響レンズと、筺体接地電位である導体部を持つ筺体とから構成される、アレイ型超音波トランスデューサにおいて、各圧電素子間に電気的絶縁部材を設けるとともに、該絶縁部材に少なくとも該筺体の導体が露出する部分に開口を持ち該圧電素子の厚み方向に切り込まれた溝を設け、該溝の内面と該筺体の導体に連続し、気相法により形成した導体薄膜を設けたことを特徴とする、アレイ型超音波トランスデューサ。付記(2)記載の超音波トランスデューサによれば、各圧電素子間の電磁的クロストークを筺体の導体部により遮断し、高画質とすることができる効果を奏する。
【0116】
(3)複数個配列され、両面に電極が形成されているとともに、一面において複数本の駆動リードと接続され、他面において接地電位のリードと接続された圧電素子と、背面制動材と、少なくとも1層の音響整合層及び/又は音響レンズとから構成されるアレイ型超音波トランスデューサの製造方法において、少なくとも、圧電素子と背面制動材又は音響整合層とを一体化し、該圧電素子を分割溝により複数個の圧電素子に分割し、該分割溝内に電気絶縁性樹脂を充填し、該絶縁性樹脂内に成膜用溝を形成し、該圧電素子表面の接地電位側表面電極及び該成膜用溝内壁に連続して、気相法により導体薄膜を形成し、他の構成を一体化することによる、超音波トランスデューサ製造方法。付記(3)記載の超音波トランスデューサの製造方法によれば、各圧電素子間の電磁的クロストークを防止する高画質の超音波トランスデューサを製造することができる効果を奏する。
【0117】
(4)複数個配列され、両面に電極が形成されているとともに、一面において複数本の駆動リードと接続され、他面において接地電位のリードと接続された圧電素子と、背面制動材と、少なくとも1層の音響整合層及び/又は音響レンズと、筺体接地電位である導体部を持つ筺体とから構成される、アレイ型超音波トランスデューサの製造方法において、少なくとも、圧電素子と背面制動材又は音響整合層とを一体化し、該圧電素子を分割溝により複数個の圧電素子に分割し、該分割溝内に電気絶縁性樹脂を充填し、該絶縁性樹脂内に成膜用溝を形成し、該筺体上の導体及び該成膜用溝内壁に連続して、気相法により導体薄膜を形成し、他の構成を一体化することによる、超音波トランスデューサ製造方法。付記(4)記載の超音波トランスデューサの製造方法によれば、各圧電素子間の電磁的クロストークを筺体の導体部により遮断する高画質の超音波トランスデューサを製造することができる効果を奏する。
【0118】
(5)気相法がプラズマCVD法、真空蒸着法又はスパッタリング法であることを特徴とする付記(1)乃至(4)に記載の超音波トランスデューサ及びその製造方法。付記(5)記載の超音波トランスデューサ及びその製造方法によれば、高度な電磁的クロストーク防止機能を有し負荷が極めて小さい導体薄膜を備えた超音波トランスデューサ及びこの導体薄膜を形成できる製造方法を提供できる効果を奏する。
【0119】
(6)導体薄膜を、少なくともCr,Ag,Au,Pd,Pt,Al,In,Ti,Niから選ばれた1種類以上の金属を含む材料で構成したことを特徴とする付記(1)乃至(4)に記載の超音波トランスデューサ及びその製造方法。付記(6)記載の超音波トランスデューサ及びその製造方法によれば、高度な電磁的クロストーク防止機能を有する導体薄膜を備えた超音波トランスデューサ及びこの導体薄膜を形成できる製造方法を提供できる効果を奏する。
【0120】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、圧電素子の厚み方向に設けた溝の内面と接地リード線が接続される圧電素子の電極とに連続に形成した導体薄膜によって各圧電素子間の電磁的クロストークを防止し、超音波画像を高画質とすることができる効果を奏する超音波トランスデューサを提供することができる。
【0121】
請求項2記載の超音波トランスデューサによれば、電気的絶縁部材に圧電素子の厚み方向に設けた溝の内面と筺体の導体部とに設けた導体薄膜によって各圧電素子間の電磁的クロストークを防止し、超音波画像を高画質とすることができる効果を奏する超音波トランスデューサを提供することができる。
【0122】
請求項3記載の発明によれば、各圧電素子間の電磁的クロストークを防止する導体薄膜を形成して、高画質の超音波画像を得ることができる超音波トランスデューサの製造方法を提供することができる。
【0123】
請求項4記載の発明によれば、超音波トランスデューサの製造方法によれば、各圧電素子間の電磁的クロストークを筺体の導体部に形成した導体薄膜より遮断し、高画質の超音波画像を得ることができる超音波トランスデューサの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の超音波トランスデューサにおける圧電素子を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1の超音波トランスデューサにおける圧電素子の製造工程を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1の超音波トランスデューサにおける圧電素子の製造工程を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態1の超音波トランスデューサにおける圧電素子の製造工程を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態1の超音波トランスデューサにおける圧電素子の製造工程を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1の導体薄膜を形成する真空蒸着装置を示す概略断面図である。
【図7】本発明の実施の形態1のリニアアレイ型超音波トランスデューサを示す斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態1のリニアアレイ型超音波トランスデューサを示す斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態1の圧電材の他の例を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施の形態1のリニアアレイ型超音波トランスデューサの他の例を示す斜視図である。
【図11】本発明の実施の形態2の導体薄膜を形成するスパッタリング装置を示す概略断面図である。
【図12】本発明の実施の形態3の導体薄膜を形成するプラズマCVD装置を示す概略断面図である。
【図13】本発明の実施の形態4の超音波トランスデューサにおける圧電素子の製造工程を示す斜視図である。
【図14】本発明の実施の形態4の超音波トランスデューサにおける圧電素子の製造工程を示す斜視図である。
【図15】本発明の実施の形態4の超音波トランスデューサにおける圧電素子の製造工程を示す断面図である。
【図16】本発明の実施の形態5の超音波トランスデューサにおける圧電素子の製造工程を示す斜視図である。
【図17】本発明の実施の形態5の超音波トランスデューサにおける圧電素子の製造工程を示す斜視図である。
【図18】本発明の実施の形態5の超音波トランスデューサにおける圧電素子の製造工程を示す斜視図である。
【図19】本発明の実施の形態5の超音波トランスデューサにおける圧電素子の製造工程を示す斜視図である。
【図20】本発明の実施の形態5の超音波トランスデューサにおける圧電素子の製造工程を示す断面図である。
【図21】本発明の実施の形態6の超音波トランスデューサにおける圧電素子の製造工程を示す斜視図である。
【図22】本発明の実施の形態6の超音波トランスデューサにおける圧電素子の製造工程を示す斜視図である。
【図23】本発明の実施の形態6の超音波トランスデューサにおける圧電素子の製造工程を示す断面図である。
【図24】本発明の実施の形態6のコンベックスアレイ型超音波トランスデューサを示す斜視図である。
【図25】本発明の実施の形態6のラジアルアレイ型超音波トランスデューサを示す斜視図である。
【図26】本発明の実施の形態7の超音波トランスデューサにおける圧電素子の製造工程を示す斜視図である。
【図27】本発明の実施の形態7の超音波トランスデューサにおける圧電素子の製造工程を示す斜視図である。
【図28】本発明の実施の形態7のコンベックスアレイ型超音波トランスデューサを示す斜視図である。
【図29】本発明の実施の形態7のラジアルアレイ型超音波トランスデューサを示す斜視図である。
【図30】本発明の実施の形態8の超音波トランスデューサにおける圧電素子の製造工程を示す斜視図である。
【図31】本発明の実施の形態8の超音波トランスデューサにおける圧電素子の製造工程を示す斜視図である。
【図32】本発明の実施の形態8の超音波トランスデューサにおける筺体に収容した圧電素子を示す斜視図である。
【図33】本発明の実施の形態8の超音波トランスデューサにおける圧電素子に対する成膜工程を示す断面図である。
【図34】本発明の実施の形態8のリニアアレイ型超音波トランスデューサを示す斜視図である。
【図35】本発明の実施の形態8のラジアルアレイ型超音波トランスデューサを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 圧電材
2 圧電素子放射面電極
3 圧電素子背面電極
4 背面制動材
5 フレキシブルプリント基板
6 背面制動材凹部
7 単位素子
8 分割溝
9 電気的絶縁部材
10 成膜用溝
11 導体薄膜
12 マスク
13 音響整合層
14 第1音響整合層
15 第2音響整合層
16 ベース部材
17 枠
18 リニアアレイ型超音波トランスデューサ
19 コンベツクスアレイ型超音波トランスデューサ
20 ラジアルアレイ型超音波トランスデューサ
21 封止樹脂
22 導体薄膜成膜面
23 圧電素子
24 筺体
25 筺体上導体
26 真空蒸着装置
27 真空槽
30 固定治具
31 真空ポンプ
32 電子銃
33 電子線
35 スパッタリング装置
36 ターゲット
41 プラズマCVD装置
47 積層体[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an ultrasonic transducer used for a medical or non-destructive inspection ultrasonic diagnostic apparatus and a method for manufacturing the same.
[0002]
[Prior art]
As shown in the "Medical Ultrasound Equipment Handbook", Corona (first edition, April 20, 1985), page 187, etc., an array type ultrasonic transducer has electrodes formed on both surfaces on the rear brake material as shown in p. Dozens to hundreds of minute piezoelectric elements (unit elements) made of a piezoelectric ceramic plate are arranged, and an acoustic matching layer and an acoustic lens are integrated.
[0003]
The ultrasonic transducer is driven by applying a driving pulse of a voltage of about one hundred to several hundred volts from a pulser (not shown) selectively and with an arbitrary delay time to the unit elements arranged as described above. In this case, the unit element is rapidly formed by the inverse piezoelectric effect, whereby the excited ultrasonic pulse is oscillated through the acoustic matching layer and the acoustic lens.
[0004]
Further, the emitted ultrasonic pulse is reflected at an interface between tissues in the body for medical use, and after being reflected from a discontinuous portion such as a scratch inside the object to be measured for non-destructive inspection, the acoustic lens and The light re-enters the unit element through the acoustic matching layer and is mechanically vibrated.
[0005]
Such mechanical vibration is converted into an electric signal by a piezoelectric action and sent to an observation device (not shown). When transmitting and receiving the ultrasonic pulse, the free vibration of the unit element is regulated by the rear braking member, so that the resolution in the traveling direction of the ultrasonic wave is improved.
[0006]
The transmission and reception of the ultrasonic pulse are sequentially switched with respect to the unit element group, thereby scanning a target portion such as an object to be measured, thereby obtaining an ultrasonic tomographic image.
[0007]
At present, the unit element is extremely small, having a thickness of several tens to several hundreds μm × a few tens to several hundred μm in width × a few mm in length. The dimension of the dividing groove, which is the gap between the two, is extremely small, about several tens of μm.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
One of the problems in the array type ultrasonic transducer described above is crosstalk (interference) between unit elements. If the crosstalk is large, even if it is selectively driven, the unselected unit elements will transmit ultrasonic waves while weak, or the ultrasonic pulse other than the received signal will be superimposed during reception, and the apparent pulse width will increase. For example, a signal which should not be received is received and a virtual image (artifact) is formed, which causes problems such as a decrease in resolution, a deterioration in image reliability, and a deterioration in image quality.
[0009]
The above-mentioned crosstalk includes acoustic crosstalk in which mechanical vibration is transmitted and received between adjacent or nearby unit elements, and electromagnetic wave generated by the piezoelectric effect from the vibration of the unit element received by another unit element. There is electromagnetic crosstalk due to vibration due to the inverse piezoelectric effect.
[0010]
With respect to acoustic crosstalk, it is common practice to fill the divided grooves with a resin having a high ultrasonic attenuating property or a matrix of a resin and a filler to attenuate and reduce vibration. However, this alone cannot reduce electromagnetic crosstalk, and it is difficult to completely prevent image quality from deteriorating.
[0011]
For this reason, the division grooves are filled with an insulating resin, and a conductor-embedding groove is formed again here, and a conductor film, specifically, a conductive adhesive or a metal foil is inserted into the conductor-embedding groove. A method of preventing electromagnetic crosstalk by setting a ground potential is disclosed in Japanese Utility Model Publication No. 5-4397.
[0012]
The ability to shield electromagnetic noise by interposing a member having a ground potential is widely used in general electronic devices such as computers and home electric appliances, and has been confirmed to be effective.
[0013]
However, in the array-type ultrasonic transducer, as described above, since the dividing groove has a width of several tens of μm and a depth of several hundreds to several hundreds, the thickness of the conductive film in the conductive sealing groove is reduced. Is extremely difficult to form.
[0014]
Specifically, among the methods disclosed in Japanese Utility Model Publication No. 5-4397, the method of embedding the conductive resin includes a method of dispersing a large amount of conductive resin in the resin in order to impart conductivity. Filler is agglomerated in the conductor embedding groove having a width of several tens μm or less to block the flow of the entire resin, a decrease in resistance to heat cycles and heat shock due to the remaining voids, There is a problem that a conductor film having a size cannot be formed.
[0015]
At the same time, inside the conductive resin, there are extremely many interfaces between the resin constituting the conductive resin and the conductive filler, so that property deterioration due to peeling or swelling is more likely to occur as compared with a general resin, and water resistance and aging There is a problem in resistance to change.
[0016]
Further, regarding the method of embedding the metal foil as a conductor film, since the thickness of the metal foil is several tens μm or less, and the outer shape is a fine ribbon shape of several tens to several hundred μm × several mm, Obviously, the handling of the metal foil becomes difficult, and the manufacturing process becomes extremely difficult, considering that one array ultrasonic transducer requires several tens to several hundreds of metal foils.
[0017]
In particular, in a matrix type array in which unit elements are arranged in a two-dimensional arrangement, industrial application is almost impossible. This is not only the case of the linear array type ultrasonic transducer disclosed in Japanese Utility Model Publication No. 5-4397, but also the convex array (also referred to as a curved linear array) which is currently frequently used in the body surface and the body in the medical field. In (2), the above-described difficulty is further increased because the work target portion is not a flat surface.
[0018]
In addition, for radial arrays that are considered to be effective for in-vivo applications in the medical field and for inspections from inside tubules in the industrial field, the curvature is not much larger and the deviation from a flat surface is longer, making application difficult. Extremely large.
[0019]
In particular, in the above-described matrix type array, in-vivo use, and inside a thin tube, it is essential to reduce the size of the ultrasonic transducer, and therefore, the sensitivity is substantially improved by improving the S / N ratio by reducing crosstalk. Improvement is indispensable, and the difficulty of the manufacturing process described above is a major problem.
[0020]
In order to avoid these difficulties, if the dividing groove is widened, the number and actual area of the unit elements decrease, so that the electrical impedance per unit element increases, the resolution decreases, the gain decreases, etc. Problems arise. If the width of the groove for encapsulating the conductor is increased while the width of the division groove is kept constant, the withstand voltage between the conductor film and the drive electrode may be insufficient, and a drive pulse of a sufficient voltage may be applied. And the output of the transmitted ultrasonic wave may be insufficient.
[0021]
Also, if the metal foil is not placed at the center of the groove and is in contact with or extremely close to the unit element, in addition to the above-mentioned insufficient withstand voltage, the vibration of the unit element may be restricted, and the sound field may be restricted. There is a possibility that problems such as disturbance of the signal, a decrease in gain, and extension of the pulse width may occur.
[0022]
SUMMARY OF THE INVENTION In view of the above problems, the present invention provides an ultrasonic transducer capable of reducing electromagnetic crosstalk and improving the image quality of an ultrasonic image without deteriorating the sensitivity, reliability, and productivity of the ultrasonic transducer, and manufacturing the same. It is intended to provide a method.
[0023]
[Means for Solving the Problems]
The invention according to
[0024]
The invention according to
[0025]
The invention according to
[0026]
The invention according to
[0027]
In the ultrasonic transducer according to the first aspect of the present invention, an electric insulating member provided between the piezoelectric elements and a groove formed on the electrode side of the piezoelectric element to which at least a grounding lead wire is connected are formed in the electric insulating member. Electromagnetic crosstalk between each piezoelectric element is prevented by providing a conductive thin film continuously formed by a vapor phase method on the inner surface of this groove and the electrode of the piezoelectric element to which the ground lead wire is connected, provided in the thickness direction of the element. .
[0028]
An ultrasonic transducer according to a second aspect of the present invention is an ultrasonic transducer, comprising: an electrical insulating member provided between each piezoelectric element; and a groove in which at least an electrode side of the piezoelectric element to which the ground lead is connected is opened in the electrical insulating member. Are provided in the thickness direction of the piezoelectric element, and electromagnetic crosstalk between the piezoelectric elements is prevented by the inner surface of the groove and a conductor thin film continuously formed on the conductor portion of the housing by a vapor phase method.
[0029]
Further, according to a third aspect of the present invention, there is provided a method for manufacturing an ultrasonic transducer, comprising: integrating at least one of the back brake material and the acoustic matching layer with the piezoelectric element; To multiple. An electric insulating member is provided in the divided groove, and a film forming groove in the thickness direction of the piezoelectric element is provided in the electric insulating member. A conductive thin film is continuously provided on the inner wall of the film forming groove and the electrode to which the ground lead wire is connected by a vapor phase method. And it integrates with the piezoelectric element of a back brake material and an acoustic matching layer.
[0030]
According to a fourth aspect of the present invention, there is provided a method for manufacturing an ultrasonic transducer, comprising integrating a piezoelectric element with at least one of a rear braking member and an acoustic matching layer, and providing a plurality of piezoelectric elements by providing a dividing groove in a thickness direction of the piezoelectric element. Into pieces. An electric insulating member is provided in the divided groove, and a film forming groove in the thickness direction of the piezoelectric element is provided in the electric insulating member. A conductive thin film is continuously provided on the inner wall of the film forming groove and the conductor of the housing by a vapor phase method. Then, one of the back braking member and the acoustic matching layer that is not integrated with the piezoelectric element is integrated with the piezoelectric element.
[0031]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of an ultrasonic transducer and a method of manufacturing the same according to the present invention will be described with reference to the accompanying drawings.
[0032]
(Embodiment 1)
[Constitution]
First, a first embodiment will be described with reference to FIGS.
As shown in FIG. 1, on both surfaces of the
[0033]
Further, the
The following description will be made with arrow X shown in FIG. 1 defined as a length direction, arrow Y defined as a width direction, and arrow Z defined as a thickness direction.
[0034]
[Production method]
Next, a method for manufacturing the
[0035]
After joining the piezoelectric element back
[0036]
After the division step, as shown in FIG. 3, an electric insulating resin is filled in the piezoelectric
[0037]
After forming the
[0038]
The other portions of the laminate 47 are prevented from forming a thin film by a general masking method (not shown) such as a metal foil having an opening or taping.
[0039]
Next, a method for forming the conductive
[0040]
Next, the inside of the
[0041]
Subsequently, by heating the
[0042]
After the first layer and the second layer are formed, as shown in FIG. 7, each
[0043]
The linear array type
[0044]
[Action]
The conductor
[0045]
[effect]
By electromagnetically shielding between the
[0046]
In the vacuum deposition method, since the mean free path of the deposition material is generally long, the step coverage is considered to be poor, and the film is formed on the inner wall of the
[0047]
Further, in the first embodiment, the first
[0048]
Thus, acoustic crosstalk between the
[0049]
When these resins are used as the first
[0050]
Further, in the first embodiment, the number of acoustic matching layers is also shown as two, but it is merely representative, and it is only possible to use only one layer or to have a configuration of three or more layers. Needless to say. It is needless to say that the acoustic lens can be integrated on the acoustic matching layer as is generally performed.
[0051]
Examples of the
[0052]
Similarly, as the material of the piezoelectric element
[0053]
Further, in the first embodiment, the
[0054]
Further, in this case, it is effective to form the
[0055]
As the material of the
[0056]
The material of the conductive
[0057]
In addition, as the method for forming the conductive
[0058]
In order to keep the vibration mode of the
[0059]
(Embodiment 2)
Next, a second embodiment will be described with reference to FIG.
Basically, it is the same as the above-described first embodiment, and therefore, the points different from the first embodiment will be mainly described in detail.
[0060]
[Constitution]
The second embodiment is characterized in that the conductor
[0061]
[Production method]
Hereinafter, a method for forming the conductive
[0062]
Next, the inside of the
[0063]
Subsequently, after introducing Ar gas at a pressure of 0.1 Pa from the sputtering gas supply device 40, sputtering is performed in the same manner as when the first layer is formed, and a Ti film having a thickness of 1000 nm is formed on the surface of the first layer. A thick film is formed to form a second layer.
[0064]
[Action]
The conductive
[0065]
[effect]
According to the second embodiment, the following effects are obtained in addition to the effects of the first embodiment. That is, since the step coverage is generally good in the sputtering method, the
[0066]
The material of the conductive
[0067]
In addition, as the method for forming the conductive
[0068]
(Embodiment 3)
Next, a third embodiment will be described with reference to FIG. The third embodiment is basically the same as the first embodiment described above, and therefore, the points different from the first embodiment will be mainly described in detail.
[0069]
[Constitution]
The third embodiment is characterized in that the conductive
[0070]
[Production method]
Hereinafter, the method for forming the conductive
[0071]
Next, the inside of the
[0072]
[Action]
The conductive
[0073]
[effect]
According to the third embodiment, the following effects are obtained in addition to the effects described in the first embodiment. That is, in the plasma CVD method, since the step coverage is generally very good, the conductor
[0074]
As the material of the conductive
[0075]
(Embodiment 4)
Next, a fourth embodiment will be described with reference to FIGS. The fourth embodiment is basically the same as the above-described first embodiment, and therefore, the points different from the first embodiment will be mainly described in detail.
[0076]
[Constitution]
As shown in FIG. 13, the fourth embodiment is characterized in that only the piezoelectric element back
[0077]
[Production method]
As shown in FIG. 13, the
[0078]
After the division, similarly to the first embodiment, an electric insulating
[0079]
[Action]
According to the fourth embodiment, the conductor
[0080]
[effect]
According to the fourth embodiment, the following effects are obtained in addition to the effects described in the first embodiment. That is, since the piezoelectric element
[0081]
(Embodiment 5)
Next, a fifth embodiment will be described with reference to FIGS. The fifth embodiment is basically the same as the above-described first to fourth embodiments, and therefore, different points will be mainly described.
[0082]
[Constitution]
As shown in FIG. 16, a
[0083]
[Production method]
Hereinafter, the manufacturing method of the fifth embodiment will be described. As shown in FIG. 16, the first
[0084]
Here, the piezoelectric
[0085]
After the
[0086]
After the formation of the conductive
[0087]
[Action]
In the fifth embodiment, by performing the bonding step between the
[0088]
[effect]
According to the fifth embodiment, the following effects are obtained in addition to the effects described in the above embodiments. That is, since the first
[0089]
(Embodiment 6)
[0090]
[Constitution]
As shown in FIG. 21, the
[0091]
[Production method]
Hereinafter, the manufacturing method of the sixth embodiment will be described. As shown in FIG. 21, the first
[0092]
After the electric insulating
[0093]
After the conductive
[0094]
[Action]
According to the sixth embodiment, the convex array type
[0095]
[effect]
According to the sixth embodiment, the following effects are exerted in addition to the effects described in the above embodiments. That is, for a convex array (curved linear array) which is often used in the body surface and in the body in the medical field, to manufacture an ultrasonic transducer with high S / N ratio and high image quality in which electromagnetic crosstalk is shielded. Is possible.
[0096]
In the sixth embodiment, the convex array type
[0097]
(Embodiment 7)
[0098]
[Constitution]
As shown in FIG. 26, in the
[0099]
[Production method]
Hereinafter, the manufacturing method of the seventh embodiment will be described. Similarly to the above-described fifth embodiment, the first
[0100]
Next, as shown in FIG. 26, the
After the formation of the conductive
[0101]
[Action]
By performing the bonding step of the
[0102]
[effect]
According to the seventh embodiment, the following effects are obtained in addition to the effects described in the fifth embodiment. That is, for a convex array (curved linear array) that is often used in the body surface and in the body in the medical field, to create a high-quality S / N ratio and high-quality ultrasonic transducer in which electromagnetic crosstalk is shielded. In addition, since the first
[0103]
In the seventh embodiment, the convex type is described in detail, but it is also possible to produce another non-planar array type ultrasonic transducer by the same method. For example, as shown in FIG. 29, it is possible to produce the radial array type
[0104]
(Embodiment 8)
The eighth embodiment will be described with reference to FIGS. Since the eighth embodiment is basically the same as each of the above embodiments, only different points will be described in detail.
[0105]
[Constitution]
In the eighth embodiment, as shown in FIG. 30, a piezoelectric element
[0106]
[Production method]
Hereinafter, the manufacturing method of the eighth embodiment will be described. As shown in FIG. 30, the flexible printed
[0107]
After forming the
[0108]
After joining the
[0109]
[Action]
In the eighth embodiment, shielding of electromagnetic crosstalk of the linear array type
[0110]
[effect]
According to the eighth embodiment, the following effects are exerted in addition to the effects of the respective embodiments. That is, since the electromagnetic crosstalk is shielded by the conductive
[0111]
The structure and steps shown in the eighth embodiment can be applied to the configurations and steps of each of the above-described embodiments by using the housing structure and the manufacturing steps described in the eighth embodiment. Of course.
[0112]
For example, in the convex
[0113]
It should be noted that technical ideas having the following configurations can be added from the above-described
[0114]
(Note)
(1) A plurality of piezoelectric elements are arranged, electrodes are formed on both sides, connected to a plurality of drive leads on one side, and connected to a ground potential lead on the other side; In an array type ultrasonic transducer comprising one acoustic matching layer and / or acoustic lens, an electrical insulating member is provided between each piezoelectric element, and at least a ground potential side electrode of the piezoelectric element is provided on the insulating member. A groove having an opening at a portion where the piezoelectric element is exposed and cut in the thickness direction of the piezoelectric element is provided, and a conductive thin film formed by a vapor phase method is provided continuous with the inner surface of the groove and a ground potential side electrode of the piezoelectric element. An array-type ultrasonic transducer, characterized in that: According to the ultrasonic transducer described in Appendix (1), there is an effect that electromagnetic crosstalk between the piezoelectric elements can be prevented and high image quality can be obtained.
[0115]
(2) a plurality of piezoelectric elements, electrodes are formed on both sides, connected to a plurality of drive leads on one side, and connected to a ground potential lead on the other side; In an array type ultrasonic transducer comprising a single acoustic matching layer and / or acoustic lens and a housing having a conductor portion at a housing ground potential, an electric insulating member is provided between each piezoelectric element. The insulating member has an opening at least in a portion where the conductor of the housing is exposed, and a groove cut in the thickness direction of the piezoelectric element is provided. The groove is continuous with the inner surface of the groove and the conductor of the housing, and formed by a vapor phase method. An array type ultrasonic transducer comprising a conductor thin film. According to the ultrasonic transducer described in the supplementary note (2), there is an effect that the electromagnetic crosstalk between the piezoelectric elements is cut off by the conductor of the housing, and high image quality can be obtained.
[0116]
(3) a plurality of piezoelectric elements, a plurality of which are arranged, electrodes are formed on both sides, connected to a plurality of drive leads on one side, and connected to a ground potential lead on the other side; In a method for manufacturing an array type ultrasonic transducer comprising one acoustic matching layer and / or acoustic lens, at least a piezoelectric element and a back brake material or an acoustic matching layer are integrated, and the piezoelectric element is divided by a dividing groove. Dividing into a plurality of piezoelectric elements, filling the divided grooves with an electrically insulating resin, forming a film forming groove in the insulating resin, forming a ground potential side surface electrode on the surface of the piezoelectric element, and forming the film. A method for manufacturing an ultrasonic transducer by forming a conductive thin film by a vapor phase method continuously on the inner wall of a groove and integrating other components. According to the method of manufacturing an ultrasonic transducer described in Appendix (3), there is an effect that a high-quality ultrasonic transducer that prevents electromagnetic crosstalk between piezoelectric elements can be manufactured.
[0117]
(4) a plurality of piezoelectric elements, electrodes are formed on both sides, connected to a plurality of drive leads on one side, and connected to a ground potential lead on the other side; In a method for manufacturing an array-type ultrasonic transducer comprising a single acoustic matching layer and / or acoustic lens and a housing having a conductor portion at a housing ground potential, at least a piezoelectric element and a rear braking member or acoustic matching are provided. The piezoelectric element is divided into a plurality of piezoelectric elements by dividing grooves, an electric insulating resin is filled in the dividing grooves, and a film forming groove is formed in the insulating resin. A method for manufacturing an ultrasonic transducer, comprising forming a conductor thin film by a vapor phase method continuously with a conductor on a housing and an inner wall of the film forming groove, and integrating other components. According to the method for manufacturing an ultrasonic transducer described in Appendix (4), there is an effect that it is possible to manufacture a high-quality ultrasonic transducer in which electromagnetic crosstalk between piezoelectric elements is blocked by a conductor of a housing.
[0118]
(5) The ultrasonic transducer according to Supplementary notes (1) to (4), wherein the vapor phase method is a plasma CVD method, a vacuum evaporation method, or a sputtering method, and a method for manufacturing the same. According to the ultrasonic transducer described in Appendix (5) and the method of manufacturing the same, there is provided an ultrasonic transducer including a conductive thin film having an advanced electromagnetic crosstalk prevention function and having an extremely small load, and a manufacturing method capable of forming the conductive thin film. It has an effect that can be provided.
[0119]
(6) The supplementary notes (1) to (1), wherein the conductive thin film is made of a material containing at least one metal selected from the group consisting of Cr, Ag, Au, Pd, Pt, Al, In, Ti and Ni. The ultrasonic transducer according to (4) and a method for manufacturing the same. According to the ultrasonic transducer described in Appendix (6) and the method of manufacturing the same, it is possible to provide an ultrasonic transducer including a conductive thin film having an advanced electromagnetic crosstalk prevention function and a manufacturing method capable of forming the conductive thin film. .
[0120]
【The invention's effect】
According to the first aspect of the present invention, the electromagnetic cross between each piezoelectric element is formed by the conductive thin film continuously formed on the inner surface of the groove provided in the thickness direction of the piezoelectric element and the electrode of the piezoelectric element to which the ground lead wire is connected. It is possible to provide an ultrasonic transducer having an effect of preventing a talk and improving an ultrasonic image quality.
[0121]
According to the ultrasonic transducer of the second aspect, the electromagnetic crosstalk between the piezoelectric elements is reduced by the conductive thin film provided on the inner surface of the groove provided in the thickness direction of the piezoelectric element in the electrically insulating member and the conductor portion of the housing. It is possible to provide an ultrasonic transducer having an effect of preventing the occurrence of an ultrasonic image with high image quality.
[0122]
According to the third aspect of the present invention, there is provided a method of manufacturing an ultrasonic transducer capable of obtaining a high-quality ultrasonic image by forming a conductive thin film for preventing electromagnetic crosstalk between piezoelectric elements. Can be.
[0123]
According to the fourth aspect of the present invention, according to the method of manufacturing an ultrasonic transducer, electromagnetic crosstalk between the piezoelectric elements is cut off by the conductor thin film formed on the conductor portion of the housing, and a high-quality ultrasonic image is formed. It is possible to provide a method for manufacturing an ultrasonic transducer that can be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing a piezoelectric element in an ultrasonic transducer according to
FIG. 2 is a perspective view illustrating a manufacturing process of the piezoelectric element in the ultrasonic transducer according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a perspective view showing a step of manufacturing a piezoelectric element in the ultrasonic transducer according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a perspective view illustrating a manufacturing process of the piezoelectric element in the ultrasonic transducer according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 5 is a cross-sectional view showing a step of manufacturing the piezoelectric element in the ultrasonic transducer according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 6 is a schematic cross-sectional view showing a vacuum evaporation apparatus for forming a conductive thin film according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 7 is a perspective view showing a linear array type ultrasonic transducer according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 8 is a perspective view showing a linear array type ultrasonic transducer according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 9 is a perspective view showing another example of the piezoelectric material according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 10 is a perspective view showing another example of the linear array type ultrasonic transducer according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 11 is a schematic cross-sectional view showing a sputtering apparatus for forming a conductive thin film according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 12 is a schematic sectional view showing a plasma CVD apparatus for forming a conductive thin film according to a third embodiment of the present invention.
FIG. 13 is a perspective view illustrating a step of manufacturing a piezoelectric element in the ultrasonic transducer according to the fourth embodiment of the present invention.
FIG. 14 is a perspective view showing a step of manufacturing a piezoelectric element in the ultrasonic transducer according to the fourth embodiment of the present invention.
FIG. 15 is a cross-sectional view showing a step of manufacturing a piezoelectric element in the ultrasonic transducer according to
FIG. 16 is a perspective view showing a step of manufacturing a piezoelectric element in the ultrasonic transducer according to the fifth embodiment of the present invention.
FIG. 17 is a perspective view illustrating a step of manufacturing a piezoelectric element in the ultrasonic transducer according to the fifth embodiment of the present invention.
FIG. 18 is a perspective view illustrating a step of manufacturing a piezoelectric element in the ultrasonic transducer according to the fifth embodiment of the present invention.
FIG. 19 is a perspective view illustrating a step of manufacturing a piezoelectric element in the ultrasonic transducer according to the fifth embodiment of the present invention.
FIG. 20 is a cross-sectional view showing a step of manufacturing a piezoelectric element in the ultrasonic transducer according to the fifth embodiment of the present invention.
FIG. 21 is a perspective view illustrating a step of manufacturing a piezoelectric element in the ultrasonic transducer according to the sixth embodiment of the present invention.
FIG. 22 is a perspective view illustrating a step of manufacturing a piezoelectric element in the ultrasonic transducer according to the sixth embodiment of the present invention.
FIG. 23 is a cross-sectional view showing a step of manufacturing a piezoelectric element in the ultrasonic transducer according to
FIG. 24 is a perspective view showing a convex array type ultrasonic transducer according to
FIG. 25 is a perspective view showing a radial array type ultrasonic transducer according to
FIG. 26 is a perspective view illustrating a step of manufacturing a piezoelectric element in the ultrasonic transducer according to the seventh embodiment of the present invention.
FIG. 27 is a perspective view showing a step of manufacturing a piezoelectric element in the ultrasonic transducer according to the seventh embodiment of the present invention.
FIG. 28 is a perspective view showing a convex array type ultrasonic transducer according to
FIG. 29 is a perspective view showing a radial array type ultrasonic transducer according to
FIG. 30 is a perspective view illustrating a step of manufacturing a piezoelectric element in the ultrasonic transducer according to the eighth embodiment of the present invention.
FIG. 31 is a perspective view showing a step of manufacturing a piezoelectric element in the ultrasonic transducer according to the eighth embodiment of the present invention.
FIG. 32 is a perspective view showing a piezoelectric element housed in a housing in the ultrasonic transducer according to the eighth embodiment of the present invention.
FIG. 33 is a cross-sectional view showing a film forming step for a piezoelectric element in the ultrasonic transducer according to the eighth embodiment of the present invention.
FIG. 34 is a perspective view showing a linear array type ultrasonic transducer according to an eighth embodiment of the present invention.
FIG. 35 is a perspective view showing a radial array type ultrasonic transducer according to an eighth embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Piezoelectric material
2 Piezoelectric element radiation surface electrode
3 Back electrode of piezoelectric element
4 Rear braking material
5 Flexible printed circuit board
6 Back brake material recess
7 Unit element
8 division groove
9 Electrical insulation members
10 Groove for film formation
11 Conductive thin film
12 Mask
13 Acoustic matching layer
14 First acoustic matching layer
15 Second acoustic matching layer
16 Base member
17 frames
18 Linear array type ultrasonic transducer
19 Convex array type ultrasonic transducer
20 Radial array type ultrasonic transducer
21 Sealing resin
22 Conductive thin film deposition surface
23 Piezoelectric element
24 housing
25 Conductor on housing
26 Vacuum evaporation equipment
27 vacuum chamber
30 Fixture
31 vacuum pump
32 electron gun
33 electron beam
35 Sputtering equipment
36 Target
41 Plasma CVD Equipment
47 laminate
Claims (4)
前記圧電素子を配設する背面制動材と、
前記圧電素子に設ける少なくとも1層の音響整合層と、
を有する超音波トランスデューサにおいて、
各圧電素子間に設ける電気的絶縁部材と、
前記電気的絶縁部材に、少なくとも接地リード線が接続される圧電素子の電極側が開口する状態で、かつ、圧電素子の厚み方向に設けた成膜用溝と、
この成膜用溝の内面と接地リード線が接続される圧電素子の電極とに気相法によって連続に形成した導体薄膜と、
を有することを特徴とする超音波トランスデューサ。A plurality of piezoelectric elements having electrodes formed on both sides thereof, individual drive leads connected to one electrode, and a common ground lead connected to the other electrode;
A rear braking member for arranging the piezoelectric element,
At least one acoustic matching layer provided on the piezoelectric element;
In the ultrasonic transducer having
An electrical insulating member provided between each piezoelectric element,
A film forming groove provided in the electrical insulating member in a state where at least the electrode side of the piezoelectric element to which the ground lead wire is connected is open, and provided in the thickness direction of the piezoelectric element;
A conductive thin film continuously formed by a gas phase method on an inner surface of the film forming groove and an electrode of a piezoelectric element to which a ground lead wire is connected;
An ultrasonic transducer comprising:
他方の電極に共通の接地リード線が接続される複数の圧電素子と、
前記圧電素子を配設する背面制動材と、
前記圧電素子に設ける少なくとも1層の音響整合層と、
導体部を有し、前記圧電素子、背面制動材及び音響整合層を収容する筺体と、を有する超音波トランスデューサにおいて、
各圧電素子間に設ける電気的絶縁部材と、
前記電気的絶縁部材に、少なくとも接地リード線が接続される圧電素子の電極側が開口する状態で、かつ、圧電素子の厚み方向に設けた成膜用溝と、
この成膜用溝の内面と前記筺体の導体部に気相法によって連続に形成した導体薄膜と、
を有することを特徴とする超音波トランスデューサ。While electrodes are formed on both sides, individual drive leads are connected to one electrode,
A plurality of piezoelectric elements having a common ground lead connected to the other electrode,
A rear braking member for arranging the piezoelectric element,
At least one acoustic matching layer provided on the piezoelectric element;
An ultrasonic transducer having a conductor portion, and a housing for housing the piezoelectric element, the rear braking member, and the acoustic matching layer,
An electrical insulating member provided between each piezoelectric element,
A film forming groove provided in the electrical insulating member in a state where at least the electrode side of the piezoelectric element to which the ground lead wire is connected is open, and provided in the thickness direction of the piezoelectric element;
A conductive thin film continuously formed on the inner surface of the film-forming groove and the conductor of the housing by a vapor phase method,
An ultrasonic transducer comprising:
前記圧電素子を配設する背面制動材と、
前記圧電素子に設ける少なくとも1層の音響整合層と、
を有する超音波トランスデューサを製造する製造方法において、
前記背面制動材及び音響整合層の少なくとも一方と圧電素子とを一体化する工程と、
圧電素子にその厚み方向の分割溝を設けて圧電素子を複数個にする工程と、
分割溝内に電気的絶縁部材を設ける工程と、
電気的絶縁部材に圧電素子の厚み方向の成膜用溝を設ける工程と、
成膜用溝の内壁と接地リード線が接続される電極とに連続して気相法で導体薄膜を設ける工程と、
背面制動材及び音響整合層の圧電素子と一体化していない一方を圧電素子と一体化する工程と、
を有することを特徴とする超音波トランスデューサの製造方法。A plurality of piezoelectric elements having electrodes formed on both sides thereof, individual drive leads connected to one electrode, and a common ground lead connected to the other electrode;
A rear braking member for arranging the piezoelectric element,
At least one acoustic matching layer provided on the piezoelectric element;
In a manufacturing method for manufacturing an ultrasonic transducer having
A step of integrating the piezoelectric element with at least one of the back braking member and the acoustic matching layer,
Providing a plurality of piezoelectric elements by providing a dividing groove in the thickness direction of the piezoelectric element,
Providing an electrically insulating member in the dividing groove;
Providing a film-forming groove in the thickness direction of the piezoelectric element in the electrically insulating member;
A step of continuously providing a conductive thin film by a vapor phase method on the inner wall of the film forming groove and the electrode to which the grounding lead wire is connected;
A step of integrating one of the back brake material and the acoustic matching layer, which is not integrated with the piezoelectric element, with the piezoelectric element,
A method for manufacturing an ultrasonic transducer, comprising:
他方の電極に共通の接地リード線が接続される複数の圧電素子と、
前記圧電素子を配設する背面制動材と、
前記圧電素子に設ける少なくとも1層の音響整合層と、
導体部を有し、前記圧電素子、背面制動材及び音響整合層が入る筺体と、
を有する超音波トランスデューサを製造する製造方法において、
背面制動材及び音響整合層の少なくとも一方と圧電素子とを一体化する工程と、
圧電素子にその厚み方向の分割溝を設けて圧電素子を複数個にする工程と、
分割溝内に電気的絶縁部材を設ける工程と、
電気的絶縁部材に圧電素子の厚み方向の成膜用溝を設ける工程と、
背面制動材及び音響整合層の圧電素子と一体化していない一方を圧電素子と一体化する工程と、
を有することを特徴とする超音波トランスデューサの製造方法。While electrodes are formed on both sides, individual drive leads are connected to one electrode,
A plurality of piezoelectric elements having a common ground lead connected to the other electrode,
A rear braking member for arranging the piezoelectric element,
At least one acoustic matching layer provided on the piezoelectric element;
A housing having a conductor portion, in which the piezoelectric element, the rear braking member, and the acoustic matching layer are contained;
In a manufacturing method for manufacturing an ultrasonic transducer having
A step of integrating at least one of the back braking member and the acoustic matching layer with the piezoelectric element,
Providing a plurality of piezoelectric elements by providing a dividing groove in the thickness direction of the piezoelectric element,
Providing an electrically insulating member in the dividing groove;
Providing a film-forming groove in the thickness direction of the piezoelectric element in the electrically insulating member;
A step of integrating one of the back brake material and the acoustic matching layer, which is not integrated with the piezoelectric element, with the piezoelectric element,
A method for manufacturing an ultrasonic transducer, comprising:
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