JP3601877B2 - ハンズフリー型音声通信端末器用周囲雑音抑制装置 - Google Patents
ハンズフリー型音声通信端末器用周囲雑音抑制装置 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は電話機等の、特に、ハンズフリー型と呼ばれる手を開放したままで通話を行ない、かつ、送話器が口元から離れているタイプの電話機等の音声通信端末器において、周囲雑音が強調されるのを制御するための音声通信端末器用周囲雑音抑制装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明と同一出願人が出願(特願平6−16920号)した音声通信端末器用周囲雑音抑制御装置を図7を参照して説明する。
電話機の送話器では通話者の音声および周囲雑音が共に電気信号に変換されて出力される。また受話器では通話相手より伝達された通信信号に自送話器よりの信号の1部が加えられて受話音声に変換される。すなわち、送話者は自分が発声した音声を受話器で確認することによって安心して通話を行うことができるため、送話信号の1部を受話信号に加えるようになっている。
【0003】
このため、自分が高周囲雑音下にいて通話を行う場合特に問題となるのは、自分が話さず相手の通話を聞く場合であり、相手の通話に自送話器よりの周囲雑音が加わるため非常に聞きとりにくくなる。また通話社相手側の不都合は、自分が相手の話を聞いている時は自分の周囲の雑音がそのまま伝達されて相手の受話器で再生されるため相手は非常に不快であることと、相手も自身の話し声を受話器で確認するのが困難になり会話に支障をきたすことである。
【0004】
音声通信端末器用周囲雑音抑制装置は、このような周囲雑音の影響を制御するもので特に自分が発声していない無音声期間の送話器の周囲雑音レベルを抑制するものである。
図7において、1は送話器よりの信号レベルを制御する利得制御器、2は特定の周波数帯域の信号を通過させる帯域濾波器、3は振幅ピーク値を検出するピーク検出器、4は特定の減衰特性を持つホールド回路である。
帯域濾波器2は会話の特徴的な周波数領域を抽出するものである。
帯域濾波器や帯域濾波器2は利得制御入力として適当な信号レベルとするために、設計上適当な増幅利得を持つことが通例である。
【0005】
人の会話の主語音域と大半のエネルギーは母音が占める。母音は、図8に示すように、第1〜第3フォルマントと呼ばれる特有の周波数スペクトラムの合成音で、中でも第1および第2フォルマントで大半のエネルギーを占有する。
したがって帯域濾波器2は0.2〜1.0KHZ 付近または0.2〜2.0KHZ 付近の周波数帯の信号を通過させる物が好ましい。
【0006】
一方、周囲雑音は車や電車の回転音のような低周波数帯(50〜150 HZ )、摩擦音のような高周波数帯(2KHZ 以上)の成分が多く含まれる。
したがって、帯域濾波器2の通過帯域を0.2〜1.0KHZ 付近、または0.2〜2.0KHZ 付近に設定することによって通話を行っているか否かを容易に検出することができる。
【0007】
図9はピーク検出器3およびホールド回路4の具体例を示している。すなわち、ダイオードD1 およびオペアンプOP1 で信号の一方のピーク値が検出され、容量CH と抵抗RH からなる充放電回路でピーク値がホールドされた後CH ・RH で定まる放電時定数で減衰しこの電圧がオペアンプOP2 を介して出力される。放電時定数CH ・RH の値は母音フォルマントがほぼ200〜2KHZ に分布し最低周波数200HZに対応する最長周期が約5msecであり、母音最長周期のピーク減衰率を30%以下に抑制することが望ましいことから、通常10msec以上に設定される。
【0008】
図7において利得制御器1では、送話器よりの信号をVi、ホールド回路4よりの制御信号である送話ピークレベル信号をVcとすると、
Vo=K・Vc・Vi ・・(1)
ただし、K:は定数
なる乗算を行って出力信号Voを出力する。
【0009】
すなわち、送話器で通話を行っていないとき即ち無音声期間は帯域濾波器2には通話の特徴とする周波数帯の信号レベルは非常に小さく、ホールド回路4の出力電圧Vcは小さくなり、利得制御器1より出力される周囲雑音信号の利得はVcに比例して小さく制御される。
また、通話を行っているとき即ち音声期間は、ホールド回路4の出力電圧Vcは大となり、利得制御器1より出力される通話音声信号の利得は制御電圧Vcに比例して大きくなる。この結果、通話に大きな支障を与える送話者の無音声期間に送信される周囲雑音レベルが抑制されることになる。
【0010】
また帯域濾波器にはスイッチSWが設けられており、周囲雑音の平均レベルが高いときにはスイッチSWは閉じて帯域濾波器の利得を下げて、制御信号Vcの利得制御器に対する制御感度を下げ、周囲雑音がそれほど高くないときはスイッチSWを開にして動作させるようにしている。
【0011】
図10は周囲雑音レベルと送話器出力レベルとの関係を示している。
送話器より出力される周囲雑音出力は周囲雑音レベルに比例した信号が出力される。
【0012】
一方音声出力は、周囲雑音レベルが低い範囲では、通話者の口より発せられる音声出力はほぼ一定のレベルであるが、周囲雑音出力が高くなると、この周囲雑音出力の一部が受話器で聞こえるようになるため、この周囲雑音出力を打消すような音声出力となり、結果として図10の音声出力に示すような出力レベルの信号が送話器より出力される。これは高周囲雑音下では送話音声出力レベルは周囲雑音出力レベルに比例して上昇することを示す。
【0013】
送話器入力として日常経験する周囲雑音レベルは約40〜80dbSPL であり、音声信号 レベルは周囲雑音より少なくとも20db以上大きいことを考えると、利得制御器の制御レンジは少なくとも60db必要となる。この制御レンジを低電圧低電流のバッテリー動作の携帯機器等にて確保するのは難しく、制御信号レベルにはある値を越えても利得が一定のままとなる制御入力上限値が設定される。図10に示すように周囲雑音レベルが大きくなると制御信号の入力である送話信号レベルも増大し、制御信号レベルVc の値は制御入力上限値を越えて制御入力飽和状態となる。制御入力飽和状態では利得制御器の利得は一定値となるので、周囲雑音抑制効果はなくなってしまう。
従って周囲雑音レベルが高い場合は帯域濾波器1のスイッチSWを閉じて帯域濾波器の利得を下げ、制御信号Vcの制御感度を下げて、利得制御器の制御入力飽和を無くすようにしている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、従来の音声通信端末器用周囲雑音抑制装置においては、利得制御器の制御入力の飽和をなくし利得制御器の制御範囲を低周囲雑音下から高周囲雑音下まで確保するために、周囲雑音の平均レベルが高い場合は利得制御器の制御入力である送話ピークレベル信号を一定レベル低下させる制御感度の切替を手動で行うようにしていた。
このため、切替手段の切替えを自分で周囲雑音の大きさより判断したり、通話相手より周囲雑音がうるさいと注意されて切替えを行っており、使い勝手が悪かった。
【0015】
また、周囲雑音の平均レベルが高いと判断して切替えを行って通話を行ない、その後、周囲雑音の平均レベルが低い状態で通話を行う場合は切りもどしを行う必要があるが、切りもどしを忘れて相手より通話音声が小さいと注意されることもある。
【0016】
本発明は、送話器からの信号を会話音声特有の周波数を取り出す帯域濾波器と特定の減衰特性でピーク検出値を保持するピークホールド回路に通して作成した送話ピークレベル信号を制御入力として送話器からの信号を利得制御するに際し、送話ピークレベル信号の制御感度を周囲雑音の平均レベルの変化に応じて自動調整されるように改良したハンズフリー型音声通信端末器用周囲雑音抑制装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するために本発明が採用した手段を説明する。
本発明における第1の発明は、送話器からの信号の利得を制御する利得制御器の制御を、該送話器からの信号の特定周波数帯域の周波数を通過させる帯域濾波器の出力を、特定の減衰特性でピーク検出値が保持されるピークホールド回路に通過させた送話ピークレベル信号で行うことにより周囲雑音を抑制するようにするハンズフリー型音声端末器用周囲雑音制御装置において、
前記送話ピークレベル信号の信号レベルを制御する第2利得制御器と、
前記送話器よりの信号の特定周波数帯域の周波数を通過させる第2帯域濾波器と、
前記第2帯域濾波器より出力される信号の平均化された振幅レベルを検出するレベル検出手段と、
前記第2帯域通過濾波器より出力される信号より、送話音声のない無音声期間と送話音声のある音声期間とをパルス期間として検出生成するタイミングパルス発生手段と、
該無音声期間では前記レベル検出手段の出力を出力し、また該音声期間では該音声期間の開始直前の該無音声期間における前記レベル検出手段の出力値を保持して出力し前記第2利得制御器の制御信号とするサンプルホールド手段と、
を備えた事を特徴とするハンズフリー型音声通信端末器用周囲雑音抑制装置である。
【0018】
また、第2の発明においては、前記サンプルホールド手段を、前記音声期間に対しては前記レベル検出手段より出力される信号を出力し、また前記無音声期間に対しては前記無音声期間の開始直前の前記音声期間における前記レベル検出手段の出力値を保持して出力するようにする。
【0019】
また、第3の発明においては、前記サンプルホールド手段を、前記無音声期間に対しては前記レベル検出手段よりの出力を出力し、また前記音声期間に対しては前記レベル検出手段よりの出力を一定量減衰させた出力を出力するようにする。
【0020】
また、第4の発明においては、前記タイミングパルス発生手段に入力する信号を、受話信号の特定周波数帯域の周波数を通過させた信号にする。
【0021】
また、第5の発明においては、前記タイミングパルス手段に入力する信号を、前記送話ピークレベル信号にする。
【0022】
また、第6の発明においては、前記サンプルホールド手段より出力される信号が所定の設定値以下では前記第2利得制御器の制御を行わないようにする下限リミタを備える。
【0023】
また第7の発明においては、前記第2帯域濾波器を前記帯域濾波器と共用させる。
【0024】
また、第8の発明においては、前記第2利得制御器を前記利得制御器と共用させる。
【0025】
【作用】
前述のように第1の発明では、送話器よりの信号の利得を制御する送話ピークレベル信号の大きさを、無音声期間は無音声期間の平均化された送話信号レベルつまり周囲雑音平均レベルで、また音声期間は直前の無音声期間の平均化された送話信号レベル値を保持した信号つまり音声期間直前の周囲雑音平均レベル値で制御するようにさせたので、周囲雑音の平均レベルの変化に対応して送話ピークレベル信号の信号レベル即ち利得制御器に対する制御信号の感度が自動調整される。
【0026】
また、本制御を必要とする高周囲雑音下では、図10に示すように送話器より出力される音声信号レベルは周囲雑音レベルに比例するので、周囲雑音レベルのかわりに音声信号レベルを検出し制御に使用してもよい。従って第2の発明では、音声期間は音声期間の平均音声信号レベルで、また無音声期間は直前の音声期間の出力値を保持して送話ピークレベル信号を制御するようにしたので、第1の発明と同等の効果を発揮する。この方法では出力の大きい音声信号レベルを利用するので、帯域濾波器2の利得を第1の発明より一定量下げることが普通である。
【0027】
また第3の発明では、音声期間は音声期間の信号レベルを一定量減衰させた信号で、また無音声期間は無音声期間の信号レベルで送話ピークレベル信号を制御することで、ほぼ全時間周囲雑音検出が実行されるようになり、音声期間又は無音声期間のいずれか一方を周囲雑音検出を行わないホールド期間とする方法と比して、周囲雑音レベルの大きな変動がホールド期間内に生じた時の応答遅れを大きく改善できる。
【0028】
また第4の発明では、無音声期間の検出を、相手が話しをしている時は自分は話しをしていないという現象を利用して、相手より伝達された受話信号によって行うようにしたので、送話信号による無音声期間の検出が困難なほど送話側の周囲雑音レベルが高くても無音声期間を確実に検出することができタイミングパルスの作成が容易となる。
【0029】
また、周囲雑音レベルが低い場合には、利得制御器の制御入力飽和の心配もないので本制御を行う必要もない。従って第6の発明では、利得制御器の制御信号が所定の設定値以下では第2利得制御器の制御入力を一定とする下限リミタを設けることで、第2利得制御器自体の出力飽和を防ぐことが本制御の効果を損なうことなく実現できる。
また、第7の発明では第2帯域濾波器を帯域濾波器で共用させ、第8の発明では、第2利得制御器を利得制御器で共用させ、第5の発明ではタイミングパルス発生手段の入力を送話ピークレベル信号で共用させるようにすることで装置構造を簡単化することができる。
【0030】
【実施例】
本発明の一実施例を図1を参照して説明する。図1は前述の第1の発明を実現する本発明の第1の実施例の構成図である。
図1において、利得制御器1、帯域濾波器2、ピーク検出器3およびホールド回路4については図7で説明した通りである。
【0031】
また、5は帯域濾波器2と同様な特性を有する第2帯域濾波器、6は整流器、7は高調波成分を除去して平均値を出力するための第1低域濾波器、8はサンプルホールド回路、9は高調波成分を除去する第2低域濾波器、10は判定器、11はオンディレイ回路、12は下限リミタ、13はホールド回路4より出力される制御電圧Vo を制御する第2利得制御器である。
【0032】
第1の実施例の動作を図2を参照して説明する。図2(A)は送話器より出力される信号、(B)は第1低域濾波器7の出力、(C)は第2低域濾波器9の出力、(D)は判定器10の出力、(E)はオンディレイ回路11の出力、(F)はサンプルホールド回路8の出力を示している。
【0033】
制御入力感度の急激な変化が頻発すると聞き取りにくくなり使用感を損なうので、感度制御はゆるかに行うのがよく、そのため周囲雑音レベルの平均値を検出する方法を採用する。
第1低域濾波器7は平均値を出力するために低域通過帯域巾が狭くなっており、図2(B)に示すように立上がりおよび立下り時間が、図2(C)に示す第2低域濾波器9の出力より長くなっている。
判定器10は、図2(C)で示すように、第2低域濾波器9の出力が判定レベルより以上になるとオフ、以下ではオンを出力する。すなわち、無音声期間はオン、音声期間はオフを出力する。なお本文ではオンをハイレベル1、オフをロウレベル0とする正論理で図面を記述している。
【0034】
オンディレイ回路11は、図2(E)に示すように、判定器10より出力される信号がオフよりオンに変化する場合は遅延してオンを出力する。
サンプルホールド回路8は、オンディレイ回路11より出力される信号がオンの間は図2(B)に示される第1低域濾波器7より出力される信号を出力し、オンよりオフに変化した場合はオンよりオフに変化する時点の第1低域濾波器7よりの出力をオフ期間保持して出力する。すなわち音声期間は直前の無音声期間の周囲雑音平均レベルの最終値を保持して代用させている。オンディレイ回路は、第1低域濾波器出力が音声期間から無音声期間に移行して定常値に達するまでの過渡期間をホールド期間に付加している。
【0035】
第2利得制御器13は、ホールド回路4より出力される送話ピークレベル信号をVc 、サンプルホールド回路8の出力値をVccとすると、
Vc =K’Vc /Vcc ・・(2)
ただし、K’は定数
なる除算を行わせてVc を出力する。第2利得制御器13は帯域濾波器2の入力側からホールド回路出力側にいたる利得制御器1の制御入力作成部の適当な場所に、設計状況に応じて適宜配置される。
【0036】
下限リミタ12は、サンプルホールド回路8より出力される信号Vccが0に近づくに従って、式(2)のVccが大きく成り過ぎて第2利得制御器の出力が飽和するのを防止するため、Vccが或る設定された値以下では所定の値を出力するようにしている。
【0037】
すなわち、図3に示すように、例えば周囲雑音レベルが60dBSPL 以下では第2制御器利得を0dB、60dBSPL を越えると、周囲雑音レベルに比例して利得を小さくしている。
【0038】
なお、第2利得制御器13を減衰器で構成させ、サンプルホールド回路8の出力値が0のときは減衰量が0、0以外のときは出力値に比例して減衰量を増加するように構成された場合は下限リミタ12は不要である。
【0039】
また、第1の実施例では無音声期間であるか否かの検出を第2低域濾波器9よりの出力信号を判定器10に入力して検出させていたが、第2低域濾波器の出力と遅延時間や波形の近いホールド回路4の出力である送話ピークレベル信号を判定器10に入力して検出させるようにしてもよい。
【0040】
また、第1の実施例では第2利得制御器13の制御を無音声期間については無音声期間の周囲雑音レベルで、また音声期間については直前の周囲雑音レベルを保持して制御を行わせていたが、音声期間の音声レベルで制御を行わすこともでき、前述の第2の発明の実施例に簡単に変換できる。
【0041】
すなわち、音声出力は、図10で説明したように、周囲雑音レベルが60dBSPL 以上になると、周囲雑音出力に比例した音声出力となる。したがって、図10の場合は音声出力を20dB低下させると、周囲雑音出力にほぼ一致する。
【0042】
そこで、サンプルホールド回路8には第1低域濾波器7の利得を一定量(図10の場合は20db)低下させて信号を入力させ、判定器10では図2(D)のオンとオフを反転した信号を出力させることによって音声出力レベルで制御させることもできる。
【0043】
つぎに、図4を参照して、前述の第4の発明を実現する本発明の第2の実施例について説明する。
図4において、第3帯域濾波器14以外は図1で説明した通りである。
第3帯域濾波器14の特性は帯域濾波器2および第2帯域濾波器5と同様の特性を有する。
また、第3帯域濾波器14に入力する信号は相手通話者から伝送された受話器への信号を入力する。
【0044】
一般に自分が話しをしている時は相手は聞いており、相手が話しをしている時は自分が聞いている場合が殆どである。
したがって、受話器からの信号を第2低域濾波器9に通した出力の信号レベルが一定値以上の期間を送話器の無音声期間、一定値以下の期間を送話器の音声期間とすることができる。
このように相手方の信号を利用することによって無音声期間の分離が困難なほど送話器の周囲雑音レベルが高くても確実に無音声期間と音声期間を分離してタイミングパルスを作成することができる。
【0045】
つぎに、図5を参照して、前述の第3の発明を実現する本発明の第3の実施例を説明する。
第3の実施例は音声期間および無音声期間の両方をサンプルホールド回路のサンプル期間として利用するものであり、遅延回路15、EX.NOR16、AND17、インバータ遅延回路18、D−F/F19および利得切替器20以外は図1で説明した通りである。
つぎに、図6を参照して、第3の実施例の動作を説明する。
【0046】
図6において、(A)送話器出力、(B)第1低域濾波器出力、(C)第2低域濾波器出力、(D)判定器出力については図2で説明した通りである。
遅延回路15では、図6(E)に示すように、判定器10の出力を遅延して出力する。遅延時間は図6(B)に示す第2低域濾波器の出力が定常値に達するまでの時間に設定する。EX.NORは判定器及び遅延回路の出力を元にして論理1をサンプル期間、論理0をホールド期間とするタイミングパルスを作成する。ホールド期間は低域濾波器2出力が無音声期間と音声期間が切り替わる際定常値に達するまでの過渡期間である。
【0047】
EX.NOR16の出力がオンであるサンプル期間は、上記過渡期間を除いた定常期間であり、第1低域濾波器7出力がそのままサンプルホールド回路の出力となる。D−F/F19はデータ入力D、クロック入力CK、リセット入力RS、
【数1】
をもつD型フリップフロップで、インバータ遅延回路18出力(EX.NOR16出力の反転遅延パルス)の立上がりエッジでトグル反転し、AND17出力でリセットすることで、ホールド期間内で反転し無音声期間は論理0、音声期間は論理1となる利得切替器制御パルスを作成している。(サンプル期間内で利得切替器が反転することは利得不整合となり不具合である。)
【0048】
利得切替器は、D−F/F19のQ出力が0のときは利得切替器20の利得を0dBにし、出力Qが1のときは利得が一定量(図10の場合は20dB)低下するよう切替える。
また、サンプルホールド回路8は図6(F)で示すEX.NOR16の出力が1の期間は利得切替器20よりの出力信号をそのまま、また0の期間は1より0に切替える直前の値を保持して出力する。
【0049】
なお実施例では帯域濾波器2と第2帯域濾波器5とを別々に設けるようにしたが、これらを共用させるようにしてもよい。
また、実施例では第2利得制御器13を設けてホールド回路4よりの信号を制御するようにしていたが、利得制御器1を乗除算器とし、乗算制御入力を送話ピークレベル信号、除算制御入力をサンプルホールド出力からの信号とすることで、第2利得制御器13を利得制御器1が兼ねることもできる。
【発明の効果】
【0050】
以上説明したように、本発明によれば次の効果が得られる。
周囲雑音環境が大きく変化した時に必要な制御入力の感度切替えが手動から自動となることにより使い勝手が大幅に改善される。
また、制御入力感度が周囲雑音レベルの平均値の変化に追従する連続制御方法を採用するので、周囲雑音レベルの所定値で感度切替えを行う断続制御方式のような急激な感度変動がなく使用感が良好である。
さらに周囲雑音平均レベルを検出するのに特別なセンサーを増設する必要もなく、音声端末装置が本来備えている送話器及び/又は受話器からの信号を利用した電子回路だけで本発明の制御系は構成できる。この電子回路は集積回路とすることができるので、省スペースで安価なものが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成図である。
【図2】第1の実施例の動作説明図である。
【図3】同実施例の下限リミッタの動作説明図である。
【図4】本発明の第2の実施例の構成図である。
【図5】本発明の第3の実施例の構成図である。
【図6】第3の実施例の動作説明図である。
【図7】従来例の構成図である。
【図8】日本語母音のフォルマントを示す特性図である。
【図9】従来例のピークホールド回路の具体例である。
【図10】周囲雑音レベルと音声出力との関係を説明するための図である。
【符号の説明】
1 利得制御器
2 帯域濾波器
3 ピーク検出器
4 ホールド回路
5 第2帯域濾波器
6 整流器
7 第1低域濾波器
8 サンプルホールド回路
9 第2低域濾波器
10 判定器
11 オンディレイ回路
12 下限リミタ
13 第2利得制御器
14 第3帯域濾波器
15 遅延回路
16 EX.NOR
17 AND
18 インバータ遅延回路
19 D−F/F
20 利得切替器
Claims (8)
- 送話器からの信号の利得を制御する利得制御器の制御を、該送話器からの信号の特定周波数帯域の周波数を通過させる帯域濾波器の出力を、所定の減衰特性でピーク検出値が保持されるピークホールド回路へ通過させた送話ピークレベル信号で行うことにより、周囲雑音を抑制するようにするハンズフリー型音声端末器用周囲雑音抑制装置において、
前記送話ピークレベル信号の信号レベルを制御する第2利得制御器と、
前記送話器よりの信号の特定周波数帯域の周波数を通過させる第2帯域濾波器と、
前記第2帯域濾波器より出力される信号の平均化された振幅レベルを検出するレベル検出手段と、
前記第2帯域濾波器より出力される信号より、送話音声のない無音声期間と送話音声のある音声期間とをパルス期間として検出生成するタイミングパルス発生手段と、
該無音声期間では前記レベル検出手段の出力を出力し、また該音声期間では該音声期間の開始直前の該無音声期間における前記レベル検出手段の出力値を保持して出力し前記第2利得制御器の制御信号とするサンプルホールド手段と、
を備えた事を特徴とするハンズフリー型音声通信端末器用周囲雑音抑制装置。 - 前記サンプルホールド手段を、前記音声期間に対しては前記レベル検出手段より出力される信号を出力し、また前記無音声期間に対しては該無音声期間の開始直前の前記音声期間における前記レベル検出手段の出力値を保持して出力するようにしたことを特徴とする請求項1記載のハンズフリー型音声通信端末器用周囲雑音抑制装置。
- 前記サンプルホールド手段を、前記無音声期間に対しては前記レベル検出手段よりの出力を出力し、また前記音声期間に対しては前記レベル検出手段よりの出力を一定量減衰させた出力を出力するようにしたことを特徴とする請求項1記載のハンズフリー型音声通信端末器用周囲雑音抑制装置。
- 前記タイミングパルス発生手段に入力する信号が、受話信号の特定周波数帯域の周波数を通過させた信号であることを特徴とする請求項1、2または3の何れかに記載のハンズフリー型音声通信端末器用周囲雑音抑制装置。
- 前記タイミングパルス発生手段に入力する信号が、前記ピークレベル信号であることを特徴とする請求項1、2または3の何れかに記載のハンズフリー型音声通信端末器用周囲雑音抑制装置。
- 前記サンプルホールド手段より出力される信号が所定の設定値以下では前記第2利得制御器の制御を行わないようにする下限リミタを備えたことを特徴とする請求項1、2、3、4または5の何れかに記載のハンズフリー型音声通信端末器用周囲雑音抑制装置。
- 前記第2帯域濾波器を前記帯域濾波器と共用させた事を特徴とする請求項1、2、3、4、5または6の何れかに記載のハンズフリー型音声通信端末器用周囲雑音抑制装置。
- 前記第2利得制御器を前記利得制御器と共用させた事を特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7の何れかに記載のハンズフリー型音声通信端末器用周囲雑音抑制装置。
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JP15082995A Expired - Lifetime JP3601877B2 (ja) | 1995-05-25 | 1995-05-25 | ハンズフリー型音声通信端末器用周囲雑音抑制装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3601877B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2330961B (en) * | 1997-11-04 | 2002-04-24 | Nokia Mobile Phones Ltd | Automatic Gain Control |
-
1995
- 1995-05-25 JP JP15082995A patent/JP3601877B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH08321872A (ja) | 1996-12-03 |
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