JP3601098B2 - 養液栽培における給液制御装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、養液栽培における給液制御装置に関する。
【０００２】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】
従来の日射積算値が設定量を越えると一定量の給液をする方法では、１日の最終の給液の時刻が一定でなく、その為、翌日の排液に悪影響を及ぼす。また、この方法では、雨天時と晴天時の両方に適した制御をすることが困難である。更に、最終の給液の時刻にばらつきが多い為、翌日の給液開始時の水分状態が大きくばらつき、１日の排液量の測定値に影響を与える。
本発明は、給液の適正化を図ることを目的とする。そのため、次のような技術的手段を講じた。
【０００３】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明にかかる技術的手段は、１日において予め決めておいた時刻で給液する構成とした養液栽培における給液装置において、前回からの給液量、その間の平均湿度、朝からの積算日射量、排液率の条件に基づいて給液量を決定する手段と、１日の最終の給液量をその前の給液からの待ち時間、前回の給液からの積算日射量、朝からの積算日射量により補正する補正手段を設けてあることを特徴とする。
【０００４】
【作用】
本発明の給液装置は、１日において予め決めておいた時刻に給液する。そして、給液量は、前回からの給液量、その間の平均湿度、朝からの積算日射量、排液率の条件に基づいて決定される。また、１日の最終の給液量は、その前の給液からの待ち時間、前回の給液からの積算日射量、朝からの積算日射量により補正される。
【０００５】
【発明の効果】
本発明の給液装置により、１日において給液する時刻を予め決めておき、そして、給液量は、前回からの給液量、その間の平均湿度、朝からの積算日射量、排液率の条件に基づいて決定するので、雨天時と晴天時の両方に適した給液制御をすることができる。また、１日の最終の給液量をその前の給液からの待ち時間、前回の給液からの積算日射量、朝からの積算日射量により補正するので、排液量のばらつきが減少し、植物に余分なストレスを与えない。従って、給液量乃至は排液量の適正化を実現でき、良好な成育促進をもたらす効果がある。
【０００６】
【実施例】
以下本発明の１実施例を図面に基づいて説明する。
養液栽培システムの基本的構成は、主として温室（ハウス）１、制御機器類を備えている。温室１は、採光性を重視したガラス温室構造で、天窓２、遮光、保温カ−テン３、サイドカ−テン等を装備し、これらは温室内温度に応じて制御装置（コンピュ−タ−）４から制御指令を受けそれぞれ駆動制御されるようになっている。遮光、保温カ−テン３、サイドカ−テンのそれぞれは室内温度、室内湿度、外気温、日射量などにより開度を自動調整する構成である。
【０００７】
制御機器類は、日射量、蒸発散量に応じて、温度、湿度、炭酸ガス濃度、養液灌水量等をコンピュ−タ−で制御する複合環境制御方式を採用してあり、コンピュ−タ−４、暖房機５、炭酸ガス発生機６、養液灌水装置７、蒸発散計８、養液混合供給装置９等を装備している。
養液灌水装置７は、図２に示すような構造であり、電動バルブ７ａ、マノメ−タ７ｂ、ストップバルブ７ｃ、手動灌水バルブ７ｄ、排水バルブ７ｅ、灌水用主管７ｆ等によって灌水バルブユニットが構成されている。蒸発散計８は図３に示すような構造をしており、排液量検出装置８ａ，水位検出装置８ｂ，ロックウ−ルマット８ｃ，点滴チュ−ブとノズル８ｄ等を備えている。
【０００８】
養液混合供給装置９は、図４に示すような構造をしており、原水タンク９ａ、マノメ−タ９ｂ、フイルタ−９ｃ、混合タンク９ｄ、ＰＨセンサ−９ｅ、ＥＣセンサ−９ｆ、流量計９ｇ、温室内への供給パイプ９ｈ、排水パイプ９ｉ等を備えている。
バラの花栽培においては、冬場では１ステ−ジ４０日程度とされている。つまり、栽培開始日（花を摘み取った日）から次ぎの収穫時期（次ぎの摘み取り時期）までの日数がほぼ４０日程度とされ、その時の給液量補正曲線は一例を示せば図５のようになり、花を摘み取った時期では葉の枚数が少なくなるため、給液量を例えば５０％程度から開始し、そして、栽培日数の経過に伴って順次増加させて行くものである。
【０００９】
このようにバラの花栽培においては、予め、上記のような栽培ステ−ジ計画をコンピュ−タ４に入力しておき、つまり、図５に示すような給液量補正曲線を予め設定しておく。そして、この栽培ステ−ジ計画に応じて養液灌水装置７を制御し、給液量を順次補正制御するものである。
図６及び図７に示す実施例につき説明すると、切り花栽培における給液装置において、数本のサンプルに対し、カメラ、超音波等の手段１０により葉の面積を測定し、その葉面積測定結果に基づき、栽培のステ−ジを推定し、これに応じて給液量を自動調整するものである。
【００１０】
従って、かかる手段にあっても、給液量の無駄がなく、適正化を図ることができるものである。
日射積算値が設定量を越えると一定量の給液をする方法では１日の最終の給液の時刻が一定でなく、その為、翌日の排液に悪影響を及ぼす。また、この方法では、雨天時と晴天時の両方に適した制御をすることが困難である。
【００１１】
そこで、養液栽培における給液制御において、毎回の給液する時刻を決めておき、前回からの給液量、その間の平均湿度、朝からの積算日射量、排液率等の条件により、その時の給液量を決定するようにすると上記問題点を解消することができる。
また、日射による給液制御では最終の給液の時刻にばらつきが多い為、翌日の給液開始時のスラブ内の水分状態が大きくばらつき、１日の排液量の測定値に影響を与える。
【００１２】
そこで、このような養液栽培における給液制御において、１日の最終の給液量をその前の給液からの待ち時間、前回の給液からの積算日射量、朝からの積算日射量による補正を加えるようにすると良い結果が得られる。つまり、これによって排液量の変なばらつきが減少し、夜間のスラブ内の水分状態を均一にするため、植物に余分なストレスを与えない。
【図面の簡単な説明】
【図１】温室内環境制御装置を示すブロック図
【図２】灌水バルブユニットの構成図
【図３】蒸発散計の構成図
【図４】養液混合供給装置の説明図
【図５】給液補正量曲線の一例を示すグラフ
【図６】制御ブロック図
【図７】葉面積と給液量との関係を示すグラフ
【符号の説明】
１ 温室
２ 天窓
３ 遮光、保温カ−テン
４ 制御装置
５ 暖房機
６ 炭酸ガス発生機
７ 養液灌水装置
８ 蒸発散計
９ 養液混合供給装置
【産業上の利用分野】
本発明は、養液栽培における給液制御装置に関する。
【０００２】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】
従来の日射積算値が設定量を越えると一定量の給液をする方法では、１日の最終の給液の時刻が一定でなく、その為、翌日の排液に悪影響を及ぼす。また、この方法では、雨天時と晴天時の両方に適した制御をすることが困難である。更に、最終の給液の時刻にばらつきが多い為、翌日の給液開始時の水分状態が大きくばらつき、１日の排液量の測定値に影響を与える。
本発明は、給液の適正化を図ることを目的とする。そのため、次のような技術的手段を講じた。
【０００３】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明にかかる技術的手段は、１日において予め決めておいた時刻で給液する構成とした養液栽培における給液装置において、前回からの給液量、その間の平均湿度、朝からの積算日射量、排液率の条件に基づいて給液量を決定する手段と、１日の最終の給液量をその前の給液からの待ち時間、前回の給液からの積算日射量、朝からの積算日射量により補正する補正手段を設けてあることを特徴とする。
【０００４】
【作用】
本発明の給液装置は、１日において予め決めておいた時刻に給液する。そして、給液量は、前回からの給液量、その間の平均湿度、朝からの積算日射量、排液率の条件に基づいて決定される。また、１日の最終の給液量は、その前の給液からの待ち時間、前回の給液からの積算日射量、朝からの積算日射量により補正される。
【０００５】
【発明の効果】
本発明の給液装置により、１日において給液する時刻を予め決めておき、そして、給液量は、前回からの給液量、その間の平均湿度、朝からの積算日射量、排液率の条件に基づいて決定するので、雨天時と晴天時の両方に適した給液制御をすることができる。また、１日の最終の給液量をその前の給液からの待ち時間、前回の給液からの積算日射量、朝からの積算日射量により補正するので、排液量のばらつきが減少し、植物に余分なストレスを与えない。従って、給液量乃至は排液量の適正化を実現でき、良好な成育促進をもたらす効果がある。
【０００６】
【実施例】
以下本発明の１実施例を図面に基づいて説明する。
養液栽培システムの基本的構成は、主として温室（ハウス）１、制御機器類を備えている。温室１は、採光性を重視したガラス温室構造で、天窓２、遮光、保温カ−テン３、サイドカ−テン等を装備し、これらは温室内温度に応じて制御装置（コンピュ−タ−）４から制御指令を受けそれぞれ駆動制御されるようになっている。遮光、保温カ−テン３、サイドカ−テンのそれぞれは室内温度、室内湿度、外気温、日射量などにより開度を自動調整する構成である。
【０００７】
制御機器類は、日射量、蒸発散量に応じて、温度、湿度、炭酸ガス濃度、養液灌水量等をコンピュ−タ−で制御する複合環境制御方式を採用してあり、コンピュ−タ−４、暖房機５、炭酸ガス発生機６、養液灌水装置７、蒸発散計８、養液混合供給装置９等を装備している。
養液灌水装置７は、図２に示すような構造であり、電動バルブ７ａ、マノメ−タ７ｂ、ストップバルブ７ｃ、手動灌水バルブ７ｄ、排水バルブ７ｅ、灌水用主管７ｆ等によって灌水バルブユニットが構成されている。蒸発散計８は図３に示すような構造をしており、排液量検出装置８ａ，水位検出装置８ｂ，ロックウ−ルマット８ｃ，点滴チュ−ブとノズル８ｄ等を備えている。
【０００８】
養液混合供給装置９は、図４に示すような構造をしており、原水タンク９ａ、マノメ−タ９ｂ、フイルタ−９ｃ、混合タンク９ｄ、ＰＨセンサ−９ｅ、ＥＣセンサ−９ｆ、流量計９ｇ、温室内への供給パイプ９ｈ、排水パイプ９ｉ等を備えている。
バラの花栽培においては、冬場では１ステ−ジ４０日程度とされている。つまり、栽培開始日（花を摘み取った日）から次ぎの収穫時期（次ぎの摘み取り時期）までの日数がほぼ４０日程度とされ、その時の給液量補正曲線は一例を示せば図５のようになり、花を摘み取った時期では葉の枚数が少なくなるため、給液量を例えば５０％程度から開始し、そして、栽培日数の経過に伴って順次増加させて行くものである。
【０００９】
このようにバラの花栽培においては、予め、上記のような栽培ステ−ジ計画をコンピュ−タ４に入力しておき、つまり、図５に示すような給液量補正曲線を予め設定しておく。そして、この栽培ステ−ジ計画に応じて養液灌水装置７を制御し、給液量を順次補正制御するものである。
図６及び図７に示す実施例につき説明すると、切り花栽培における給液装置において、数本のサンプルに対し、カメラ、超音波等の手段１０により葉の面積を測定し、その葉面積測定結果に基づき、栽培のステ−ジを推定し、これに応じて給液量を自動調整するものである。
【００１０】
従って、かかる手段にあっても、給液量の無駄がなく、適正化を図ることができるものである。
日射積算値が設定量を越えると一定量の給液をする方法では１日の最終の給液の時刻が一定でなく、その為、翌日の排液に悪影響を及ぼす。また、この方法では、雨天時と晴天時の両方に適した制御をすることが困難である。
【００１１】
そこで、養液栽培における給液制御において、毎回の給液する時刻を決めておき、前回からの給液量、その間の平均湿度、朝からの積算日射量、排液率等の条件により、その時の給液量を決定するようにすると上記問題点を解消することができる。
また、日射による給液制御では最終の給液の時刻にばらつきが多い為、翌日の給液開始時のスラブ内の水分状態が大きくばらつき、１日の排液量の測定値に影響を与える。
【００１２】
そこで、このような養液栽培における給液制御において、１日の最終の給液量をその前の給液からの待ち時間、前回の給液からの積算日射量、朝からの積算日射量による補正を加えるようにすると良い結果が得られる。つまり、これによって排液量の変なばらつきが減少し、夜間のスラブ内の水分状態を均一にするため、植物に余分なストレスを与えない。
【図面の簡単な説明】
【図１】温室内環境制御装置を示すブロック図
【図２】灌水バルブユニットの構成図
【図３】蒸発散計の構成図
【図４】養液混合供給装置の説明図
【図５】給液補正量曲線の一例を示すグラフ
【図６】制御ブロック図
【図７】葉面積と給液量との関係を示すグラフ
【符号の説明】
１ 温室
２ 天窓
３ 遮光、保温カ−テン
４ 制御装置
５ 暖房機
６ 炭酸ガス発生機
７ 養液灌水装置
８ 蒸発散計
９ 養液混合供給装置
Claims (1)
- １日において予め決めておいた時刻で給液する構成とした養液栽培における給液装置において、前回からの給液量、その間の平均湿度、朝からの積算日射量、排液率の条件に基づいて給液量を決定する手段と、１日の最終の給液量をその前の給液からの待ち時間、前回の給液からの積算日射量、朝からの積算日射量により補正する補正手段を設けてあることを特徴とする養液栽培における給液制御装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP05749395A JP3601098B2 (ja) | 1995-03-16 | 1995-03-16 | 養液栽培における給液制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP05749395A JP3601098B2 (ja) | 1995-03-16 | 1995-03-16 | 養液栽培における給液制御装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08252030A JPH08252030A (ja) | 1996-10-01 |
| JP3601098B2 true JP3601098B2 (ja) | 2004-12-15 |
Family
ID=13057260
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP05749395A Expired - Fee Related JP3601098B2 (ja) | 1995-03-16 | 1995-03-16 | 養液栽培における給液制御装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3601098B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002300818A (ja) * | 2001-04-05 | 2002-10-15 | Iseki & Co Ltd | 栽培植物の養水液配管システム |
| JP4820966B2 (ja) * | 2006-05-18 | 2011-11-24 | 国立大学法人愛媛大学 | 給液制御装置 |
| JP4982823B2 (ja) * | 2006-08-18 | 2012-07-25 | 長崎県 | 果実栽培における水管理方法 |
-
1995
- 1995-03-16 JP JP05749395A patent/JP3601098B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH08252030A (ja) | 1996-10-01 |
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