JP3600919B2 - 走査型投影露光装置、走査投影露光方法及び半導体集積回路の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、半導体集積回路製造工程中、投影露光工程に使用される走査型投影露光装置及び走査投影露光方法に関するものである。また、半導体集積回路の製造に関するものである。
【0002】
【従来技術】
半導体集積回路は、同一面積中に多くの素子を設けることが可能であることを最大の特徴としている。この特徴をより活用するため、半導体集積回路の製造工程中、特に投影露光工程に使用される投影露光装置には、よりいっそうの解像力の向上が要求されている。
【0003】
また、半導体集積回路を製造するためには膨大な設備投資が伴うことから、半導体集積回路の製造においては、量産して一個当たりの原価を低減させる試みがなされている。このため、投影露光装置には、一回の露光でより多くのパターンを投影露光するために、大画角化、すなわち広い露光領域を達成することが求められている。
【0004】
一般的に、光学系は、その全長を長くし、その口径を大きくすることによって容易に収差を補正することができる。一方、光学系において広画角化、大開口数化の実現を図るとその収差補正が困難となる。また、実質的に無収差である光学系の場合には、光の性質から、その開口数を大きくするほどその解像力を向上させることができる。
【0005】
以上の理由により、半導体集積回路を製造するための投影露光装置の光学系においては、その全長がより長く、その口径がより大きくなる傾向にある。
さらに、近年においては、露光領域を制限するための視野絞りをマスク(レチクル)上に結像する光学系や、例えば特開平4−225358号に開示される如き変形照明を実現するための光学系が追加されることが主流となっており、光学系がさらに長くなる傾向にある。
【0006】
このため、ステッパーに代表される半導体集積回路を製造するための投影露光装置の光学系において、現在市販されているものでは、光源から被露光面(ウェハ)までの距離が3mを優に越える機種も珍しくはない。
このような光学系を直線上に沿って配置すると、全高4mもの装置となってしまうため、投影露光装置では、必然的に光束反射部材を使用して、これらの光学系を途中で折り曲げる構成を採用している。
【0007】
上述の如き従来の投影露光装置の一例を図6に示す。図6に示す例においては、三個の光束反射部材(以下、ミラーと称する)を使用している。
図6において、水銀ランプからなる光源1は、回転楕円面からなる集光鏡2の第1焦点21に配置されている。光源1から発散した光束は、集光鏡2で集光された後、ミラー3により方向を折り曲げられて、集光鏡2の第2焦点22に光源1の光源像を形成する。この光源像から発散する光束は、第2焦点22に焦点位置を持つコリメータレンズ4を介した後、ほぼ平行な光束に変換される。コリメータレンズ4を介した光束は、例えばg線(436nm) 、i線(365nm) 等の水銀の輝線を通過させるバンドパスフィルタ5を通過した後、複数のレンズ要素からなるオプティカルインテグレータ8に入射する。このオプティカルインテグレータ8に入射した光束は、二次元的に波面分割されて、その射出側に複数の二次光源像を形成する。
【0008】
オプティカルインテグレータ8により複数の二次光源像が形成される位置には、露光条件に対して最適な二次光源像の形状を規定するための開口絞り82が設けられている。次に、複数の二次光源からの光束は、コンデンサレンズ9により集光された後、視野絞り10及びリレーレンズ12を介して、投影露光されるパターンが描画されたレチクル(マスク)を重畳的に均一照明する。
【0009】
ここで、リレーレンズ12によって視野絞り10とレチクル14とが共役となっており、視野絞り10はレチクル14上に結像されることになる。すなわち、視野絞り10によってレチクル14上には所定形状の照明領域が形成される。
照明されたレチクル14からの光は、投影レンズ15を介してウェハ16上に達し、ウェハ16上にはレチクル14の像が形成される。
【0010】
なお、図6に示す従来の投影露光装置においては、投影露光装置のコンパクト化に図るため視野絞り10とレチクル14との間の光路中に、光束を偏向させるためのミラー11,13が配置されている。
さて、投影露光装置において、露光状態を高精度で制御するためには、露光状態を実時間でモニターする必要がある。この目的のために一般的に用いられる方法としては、光路中にハーフミラーを挿入し、一部取り出した光束をセンサーに導きモニターする手法がある。
【0011】
以下の図7に、露光状態を実時間でモニターする手法の一例として、投影レンズが受けるエネルギーをモニターする光学系の例を示す。なお、図7において、露光光を供給する光源からオプティカルインテグレータまでの構成は図示省略している。
図7において、オプティカルインテグレーター30に入射した光束は二次元的に波面分割され、その射出面側に複数の二次光源像を形成する。オプティカルインテグレータ30により複数の二次光源像が形成される位置には、露光条件に対して最適な二次光源像の形状を規定するための開口絞り31が設けられている。次に、複数の二次光源から発散する光束は、コンデンサレンズ33により集光され、投影露光されるパターンが描画されたレチクル34を重畳的に均一照明する。照明されたレチクル34からの光は、投影光学系35を介して被露光物体であるウェハ36上に達し、レチクル34の像を形成する。
【0012】
通常、ウェハ36は、ある程度の反射率を持っているため、ウェハ36からの反射光が投影光学系35に例えば熱などのエネルギーを与える。このため、投影光学系35のパラメータが変化し、投影光学系35の結像性能の劣化を招く場合がある。そこで、従来の投影露光装置においては、開口絞り31とコンデンサレンズ33との間にハーフミラー32を設け、これによりウェハ36からの反射光の一部を取り出し、これをレンズ37によりセンサー38に導き、投影光学系35を通過する反射光の量をモニターしている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、光学系で使用される光束反射部材や光束分割部材(光の干渉を利用する誘電体多層膜を用いるもの、あるいは波動インピーダンスの不整合を利用する金属を用いるもの)は、一般的に反射率の角度特性(入射角の違いによる反射率が異なる特性)を持つ。
【0014】
したがって、上述の如き従来の投影露光装置の光学系の如く、光路を偏向させる光束反射部材や光路を分割する光束分割部材を光路中に配置する場合には、被露光面であるウェハ上において、露光照度の分布が不均一となる場合がある。
そして、被露光面であるウェハ上に塗布された感光材料(以下レジストと称する)に照射される光のエネルギー量が被露光面の場所によって異なる場合には、現像後において形成されるパターンの形状が異なるため、製造される半導体集積回路の性能劣化を引き起こし、場合によっては不良品となる恐れがある。
【0015】
また、近年においては、より高解像力のもとで、より高スループット化を達成するために、投影光学系に対してレチクルとウェハとを相対的に移動させつつ露光を行う所謂走査型露光装置が提案されている。
このような走査型投影露光装置の一例としては、例えば、Proc.SPIE,1088(1989),P424 〜433 に開示されるものが知られている。ここに開示される走査型投影露光装置は、より高解像力のもとでより高スループット化を達成するために、円弧状のイメージフィールドを有する反射縮小光学系を用い、ステップ・アンド・スキャン方式でレチクル上のパターンをウェハ上に投影露光するものである。
【0016】
このような走査型投影露光装置は、比較的小さな光学系により広い面積を露光する有効な方法であるが、基本的に光学系を途中で折り曲げる構成が必要となる事情は同じである。従って、これらの走査型投影露光装置においても、上述の問題点は解消されない。
そこで、本発明は、投影露光装置の光路中に光束反射部材や光束分割部材を設けたものであっても、被露光面上において均一なエネルギー分布を得ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明による走査型投影露光装置は、所定の走査方向に沿って第1物体と第2物体とを移動させつつ、第1物体のパターンを第2物体上に投影露光する走査型投影露光装置であって、光源からの光束に基づいて第1物体上の任意の領域を照明する照明光学系と、照明光学系による光束に基づいて第1物体の像を第2物体上に形成する投影光学系とを有するように構成される。そして、照明光学系は、光源と第1物体との間の光路中に配置されて光束の向きを偏向させる光束反射部材を有するように構成され、この光束反射部材は、第1物体のパターンが形成される面の法線方向と走査方向とを含む面内にて光束の向きを偏向させるように構成される。
【0018】
また、上述の目的を達成するために、本発明による走査型投影露光装置は、所定の走査方向に沿って第1物体と第2物体とを移動させつつ、第1物体のパターンを第2物体上に投影露光する走査型投影露光装置であって、光源からの光束に基づいて第1物体上の任意の領域を照明する照明光学系と、照明光学系による光束に基づいて第1物体の像を第2物体上に形成する投影光学系とを有するように構成される。そして、照明光学系は、光源と第1物体との間の光路中に配置されて光束の分割する光束分割部材を有するように構成され、光束分割部材は、第1物体上における走査方向と投影光学系の光軸とを含む面が光束分割部材に射影される面内にて光束を分割するように構成される。
【0019】
【作用】
上述の構成の如き本発明においては、光束反射部材あるいは光束分割部材によって生じる被照明面(第1物体上の面)での照明光の傾斜むらによる照明光量の不均一性、及び/または被露光面(第2物体上の面)での露光光の傾斜むらによる露光量の不均一性がある場合においても、走査露光の際の積分効果によって被露光面上のレジストが受けるエネルギー分布を均一とすることができる。
【0020】
次に、走査型投影露光装置において、露光領域内に照度ムラが存在した場合について考察する。走査型の投影露光装置では、露光時にレジストが露光領域に対して移動しながら露光される。この現象を図3を参照して説明する。ここで、図3(a) はレジスト上における着目した点αが露光領域aによって露光される前の状態を示す平面図であり、図3(b) は着目した点αが露光されている途中の状態を示す平面図であり、図3(c) は着目した点αが露光された後の状態を示す平面図である。
【0021】
図3(a) 〜(c) に示す如く、レジスト上の一点αは、図中ハッチングで示す露光領域a内の一点によって露光されるのではなく、露光領域a内の線分b−b’の箇所で露光される。このことは、走査方向に関して露光領域a内の照明むらが積分されることを意味する。従って、走査方向に関して露光領域a内において照明むらが発生している場合であっても、露光の結果には影響を及ぼさない。 次に、走査露光による照明むらの影響と一括露光による照明むらの影響とを図4及び図5を参照して比較する。図4は、一括露光を行う場合における照明むらの状態を示す図であり、図4(a),(b) は、露光領域内の照度分布(単位(W/m2 )で表される量の面内分布)を示すものであり、図4(c),(d) は、それぞれ図4(a),(b) に示す照度分布を持つ照明光に基づいて露光された場合、レジストが受光する光エネルギー(単位(J/m2 )で表される量の面内分布)を示す。また、図5は、走査露光を行う場合における照明むらの状態を示す図である。ここで、図5(a),(b) は、露光領域内の照度分布(単位(W/m2 )で表される量の面内分布)を示すものであり、図5(c),(d) は、それぞれ図5(a),(b) に示す照度分布を持つ照明光に基づいて露光された場合、レジストが受光する光エネルギー(単位(J/m2 )で表される量の面内分布)を示す。
【0022】
ここで、一括露光を行う場合には、例えば図4(a) に示す如く、z方向に関して傾斜むらが発生している場合には、被露光面上のレジストが受ける光エネルギー分布もz方向に関して傾斜むらを生じ、例えば図4(b) に示す如く、y方向に関して傾斜むらが発生している場合には、被露光面上のレジストが受ける光エネルギー分布もy方向に関して傾斜むらを生じる。
【0023】
一方、走査露光を行う場合には、例えば図5(a) に示す如く、走査方向(スキャン方向)とは直交するz方向に関して傾斜むらが発生している場合には、被露光面上のレジストが受ける光エネルギー分布もz方向に関して傾斜むらを生じ、例えば図5(b) に示す如く、走査方向であるy方向に関して傾斜むらが発生している場合には、被露光面上のレジストが受ける光エネルギーの分布は、積分効果によって均一となる。
【0024】
ここで、光束反射部材や光束分割部材の角度特性による露光照度の不均一性は、光束反射部材或いは光束分割部材を傾けた方向にのみ生じるため、本発明の如く、照度の不均一性の方向をスキャン方向にそろえておけば、光束反射部材や光束分割部材の角度特性による露光照度の不均一性は、露光の結果には影響を及ぼさない。
【0025】
また、本発明の走査型投影露光装置において、照明光学系が光源からの光束を二次元的に波面分割して二次光源を形成するオプティカルインテグレータを有する場合には、二次光源と被照明物体(第1物体)との間の光路中に配置される光束反射部材を、被照明面の法線方向と走査方向とを含む面内にて光束の向きを偏向させるように配置とすることが好ましい。
【0026】
ここで、オプティカルインテグレータ二次光源を形成する際には、二次光源を形成する位置よりも光源側において発生した光束の強度の傾斜(被露光面に光束が到達したときに、照度の傾斜ムラとなる成分)は、二次元的に波面分割をした時点で、その分割数分だけ低減される。従って、装置を構成する際に、全ての光束反射部材や光束分割部材を走査方向に揃えられない場合、すなわち被照明面の法線と走査方向とを含む面内に光路を形成できない場合は、二次光源が形成された位置よりも被露光面側の光束反射部材や光束分割部材だけでも走査方向に揃えれば、すなわち二次光源が形成される位置から被露光面へ到る光路を被照明面の法線(被露光面の法線)と走査方向とを含む面内に配置すれば実用上十分な露光量均一化の効果を達成することができる。
【0027】
また、光束反射部材と光束分割部材とを比較すると、光束分割部材の方が被露光面に与える傾斜むらへの影響が大きい。従って、少なくとも光束分割部材の配置を走査方向に揃えることによって、露光光の均一化を達成することができる。
【0028】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明による実施例を説明する。図1は、本発明による走査型投影露光装置の一例を概略的に示す斜視図である。なお、図1では、XYZ座標系を採用している。
図1において、高圧水銀ランプからなる光源1は、回転対称の楕円反射面を有する集光鏡2の第1焦点21に配置される。光源1から発散した光束は、集光鏡2で集光され、図中+X方向に沿って進行し、光束反射部材としてのミラー3により、その光路が90°偏向されて図中+Y方向に沿って進行する。この光束は、集光鏡2の第2焦点22に集光し、ここに光源像を形成する。次に、集光鏡2の第2焦点22から発散する光束は、この第2焦点22に焦点が位置するように配置されたコリメータレンズ4を介してほぼ平行な光束に変換される。コリメータレンズ4によってコリメートされた光束は、例えば水銀の輝線であるg線(436nm) 、i線(365nm) の光を透過させるバンドパスフィルター5を経て、レンズ系6を介した後、複数のレンズ要素をマトリックス状に整列してなるオプティカルインテグレータ8に入射する。ここで、レンズ系6の間の光路中には、+Y方向に沿って進行する光を−X方向に向けて偏向するために、光束反射部材としてのミラー7が設けられている。
【0029】
オプティカルインテグレータ8に−X方向に沿って入射した光束は、オプティカルインテグレータ8の各々のレンズ要素によってそれぞれ集光されて、オプティカルインテグレータ8の射出面側に複数の二次光源を形成する。すなわち、オプティカルインテグレータ8に入射した光束は、オプティカルインテグレータ8により二次元的に波面分割される。
【0030】
なお、上記レンズ系6は、オプティカルインテグレータ8が形成する二次光源の形状に合わせて光束の断面形状を制御する機能を有する。
また、オプティカルインテグレータ8が形成する二次光源の位置には、空間コヒーレンシーを決定するために二次光源の大きさ、形状を規定する開口絞り82が配置されている。この開口絞り82は、実際の露光条件に対して最適な形状・大きさとなるように決定される。
【0031】
複数の二次光源の位置には、該複数の二次光源の位置に焦点面を持つコンデンサレンズ9が配置されており、複数の二次光源からの光束は、コンデンサレンズ9により集光されてコンデンサレンズ9の他方の焦点面上を重畳的に照明する。ここで、コンデンサレンズ9により重畳的に照明される位置(コンデンサレンズ9の他方の焦点面)には、Z方向に延びた矩形状の開口部を持つ視野絞り10が配置されている。
【0032】
この視野絞り10の開口部からの光は、図中−X方向に沿って進行し、ミラー11によりその光路が90°偏向されて図中+Y方向に沿って進行してリレーレンズ系12に入射する。リレーレンズ系12は、視野絞り10とレチクル14とを共役にする機能を有し、その光路中には光束分割部材としてのハーフミラー17が配置されている。従って、リレーレンズ系12に入射した光は、図中+Y方向に沿って進行し、ミラー17にて反射されて図中+X方向に沿って進行し、レチクル14上に達する。ここで、レチクル14上には、視野絞り10の開口部と相似形状の照明領域が形成される。
【0033】
なお、本実施例では、リレーレンズ系12によって視野絞り10をレチクル14上に結像させる構成であるため、視野の形状を変更するために視野絞り10を複数の可動部材で構成する場合であっても、視野絞り10の移動による発塵の影響を軽減することができる。
レチクル14上の照明領域からの光は、投影光学系としての投影対物レンズ15を経てウェハ16上に達し、このウェハ16上に所定倍率のレチクル14の照明領域内の像を形成する。
【0034】
さて、レチクル14は図中±Y方向に沿って移動可能なレチクルステージ141に保持されており、ウェハ16は図中±Y方向に沿って移動可能なウェハステージ161に保持されている。ここで、レチクルステージ141とウェハステージ161とを投影対物レンズ15の倍率に応じた比率のもとで移動させつつ露光を行う。例えば投影対物レンズ15の倍率が1/5倍である場合には、レチクルステージ141とウェハステージ161との速度比を5:1とする。
【0035】
また、図1では不図示ではあるが、ハーフミラー17の−X方向側、すなわちレチクル14からの光がハーフミラー17を透過する側には、レンズとセンサーとが配置されている。ここで、該レンズと、ハーフミラー17とレチクル14との間に位置するリレーレンズ系の一部とは、センサーとレチクルとを共役にする。すなわちセンサーはウェハ16と共役な配置となる。従って、ウェハ16上にて反射された光は、投影対物レンズ15、レチクル14、リレーレンズ系12の一部、ハーフミラー及び上記レンズを介してセンサーに達する。
【0036】
本実施例においては、ミラー3,7,11は、部材の平面上に誘電体多層膜が設けられた構成となっており、また、ハーフミラー17は、平行平面板の表面上に誘電体多層膜が設けられた構成となっている。本実施例では、これらのミラー3,7,11及びハーフミラー17の位置において光束が発散若しくは収斂した状態であるため、これらのミラー3,7,11及びハーフミラー17での反射率の角度特性によりレチクル14上において傾斜むらを生じさせる。このとき、本実施例では、ミラー3,7,11及びハーフミラー17は、レチクル14のパターン形成面の法線と走査方向とを含む面であるXY平面内のみにおいて光束を偏向或いは分割させているため、レチクル14上では、Y方向に関して傾斜した照度分布となる。
【0037】
ここで、本実施例では、Y方向が走査方向であるため、図5(b) に示す如く、ウェハ16上に塗布されたレジストが受ける光エネルギーの分布は、積分効果によって均一となり、ミラー3,7,11及びハーフミラー17の反射率の角度特性は、露光の結果に影響を及ぼさないことになる。
なお、ミラー3,7,11に比べて、ハーフミラー17の反射率の角度特性の方が影響が大きいため、少なくともハーフミラー17をXY平面内において光束を分割するように配置すれば、傾斜むらへの影響を少なくすることができる。
【0038】
また、本実施例では、ミラー3,7,11を誘電体多層膜を設けたものとしたが、導体または半導体である金属表面にて光を反射させるミラーを用いても良い。ここで、このようなミラーにおいても反射率の角度特性があるため、本実施例の如きミラーの配置は有効である。
また、本実施例では、ハーフミラー17を平行平面板上に誘電体多層膜を設けたものとしているが、その代わりに、導体または半導体或いはその双方からなる薄膜(単層膜または多層膜)を平行平面板上に設けたものであっても良い。そして、例えば図7の配置のように、ハーフミラーの反射側における光量が少なくても良い場合には、ハーフミラーを素硝子、すなわち単なる平行平面板のみで構成しても良い。さらに、ハーフミラー17としては、表面上に微小開口を有する誘電体多層膜を平行平面板に設けたものであっても良く、表面上に微小開口を有する導体または半導体から構成されたものであっても良い。
【0039】
次に、図2を参照して本発明による第2実施例について説明する。図2では、図1の第1実施例と同じ機能を有する部材には同一の符号を付してあり、図1と同様にXYZ座標系を採用している。
なお、図2の第2実施例では、光源1からレチクル14へ到る光路の折曲げのみが図1の第1実施例とは異なるため、該光路についての説明のみとする。
【0040】
まず、光源1からの光は、図中−X方向に沿って進行し、ミラー3にて反射されて図中+Z方向に沿って進行する。この光は、コリメータレンズ4及びバンドパスフィルタ5を介してレンズ系6に入射し、レンズ系6の光路中に位置するミラー7にて反射されて図中−X方向に沿って進行し、レンズ系6から射出されてオプティカルインテグレータ8に入射する。オプティカルインテグレータ8から射出された光は、その射出面側に位置する開口絞り82の位置に複数の二次光源を形成する。複数の二次光源からの光は、図中−X方向に沿って進行し、コンデンサレンズ9及び視野絞り10を通過した後、ミラー11にて反射されて図中+Y方向に沿って進行し、リレーレンズ系12に入射する。リレーレンズ系12の光路中にはハーフミラー17が設けられており、リレーレンズ系12に入射した光は、ハーフミラー17にて反射されて、図中+X方向に沿って進行し、リレーレンズ系12から射出されてレチクル14上に達する。
【0041】
本実施例においては、オプティカルインテグレータ8が形成する複数の二次光源からレチクル14へ到る光路中に配置されるミラー11及びハーフミラー17が、レチクル14のパターン形成面の法線と走査方向とを含む面であるXY平面内のみにおいて光束を偏向或いは分割させているため、レチクル14上では、Y方向に関して傾斜した照度分布となる。
【0042】
さらに、本実施例では、図1の第1実施例と同様にY方向を走査方向としているため、ウェハ16上に塗布されたレジストが受ける光エネルギーの分布は、積分効果によって均一となり、ミラー11及びハーフミラー17の反射率の角度特性は、露光の結果に影響を及ぼさないことになる。なお、ミラー3,7の反射率の角度特性による傾斜むらの影響は、オプティカルインテグレータ8による二次元的な波面分割によって著しく低減されているため、露光の結果には殆ど影響はない。
【0043】
尚、複数のオプティカルインテグレータを用いた露光装置においては、最もレチクル側に位置するオプティカルインテグレータからレチクルまでの光路中に配置されるミラーまたはハーフミラー或いはその双方の配置を、XY平面内のみにおいて光束を偏向或いは分割させるようにすれば良い。
また、投影光学系である投影対物レンズ15内に光束反射部材或いは光束分割部材が設けられている場合には、ウェハ16の法線と走査方向とを含む面内のみにおいて光路が形成されるように光束反射部材或いは光束分割部材を配置すれば良い。
【0044】
【発明の効果】
以上の通り、本発明においては、投影露光装置の光路中に光束反射部材や光束分割部材を設けたものであっても、被露光面上において均一なエネルギー分布を得ることできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1実施例の構成を概略的に示す斜視図である。
【図2】本発明による第2実施例の構成を概略的に示す斜視図である。
【図3】走査露光の原理を説明するための図である。
【図4】走査露光の原理を説明するための図である。
【図5】走査露光の原理を説明するための図である。
【図6】従来の露光装置の構成を概略的に示す斜視図である。
【図7】ハーフミラーを用いた露光装置の構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
3,7,11 … ミラー(光束反射部材)、
8 … オプティカルインテグレータ、
14 … レチクル(第1物体)、
16 … ウェハ(第2物体)、
17 … ハーフミラー(光束分割部材)、
Claims (17)
- 所定の走査方向に沿って第1物体と第2物体とを移動させつつ、前記第1物体のパターンを前記第2物体上に投影露光する走査型投影露光装置において、
光源からの光束に基づいて前記第1物体上の任意の領域を照明する照明光学系と、
該照明光学系による光束に基づいて前記第1物体の像を前記第2物体上に形成する投影光学系とを有し、
前記照明光学系は、
前記光源と前記第1物体との間の光路中に配置されて前記第1物体上の前記領域を決めるための照明視野絞りと、
反射率の角度特性を持ち前記照明視野絞りと前記第1物体との間の光路中に配置されて光束の向きを偏向させる第1光束反射部材と、
反射率の角度特性を持ち前記第1光束反射部材と前記第1物体との間の光路中に配置されて光束の向きを偏向させる第2光束反射部材とを有し、
前記第1及び第2光束反射部材は、前記反射率の角度特性により発生する照度不均一性の方向と前記走査方向とを揃えるように、前記第1物体の前記パターンが形成される面の法線方向と前記走査方向とを含む面内にて前記光束の向きを偏向させ、
前記照明視野絞りを通過する光束と前記第2光束反射部材を介して前記第1物体へ向かう光束とは互いに逆方向に進行することを特徴とする走査型投影露光装置。 - 前記照明光学系は、
前記光源と前記照明視野絞りとの間の光路中に配置されたオプティカルインテグレータをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の走査型投影露光装置。 - 前記オプティカルインテグレータは、前記光源からの光束を二次元的に波面分割することを特徴とする請求項2に記載の走査型投影露光装置。
- 前記照明光学系は、前記オプティカルインテグレータと前記第1物体との間の光路中に配置されて光束を分割する光束分割部材をさらに有し、
前記光束分割部材は、前記第1物体上における前記走査方向と前記投影光学系の光軸とを含む面が前記光束分割部材に射影される面内にて前記光束を分割することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の走査型投影露光装置。 - 前記照明光学系は、前記オプティカルインテグレータによる二次光源からの光束を二次元的に波面分割する第2のオプティカルインテグレータを含むことを特徴とする請求項2乃至請求項4の何れか一項に記載の走査型投影露光装置。
- 前記第1及び第2の光束反射部材は、誘電体多層膜から構成される反射面を持つことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の走査型投影露光装置。
- 前記第1及び第2の光束反射部材は、導体及び半導体の何れか一方から構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の走査型投影露光装置。
- 所定の走査方向に沿って第1物体と第2物体とを移動させつつ、前記第1物体のパターンを前記第2物体上に投影露光する走査型投影露光装置において、
光源からの光束に基づいて前記第1物体上の任意の領域を照明する照明光学系と、
該照明光学系による光束に基づいて前記第1物体の像を前記第2物体上に形成する投影光学系とを有し、
前記照明光学系は、前記光源と前記第1物体との間の光路中に配置されて角度特性を持つ光束分割部材を有し、
該光束分割部材は、前記角度特性により発生する照度不均一性の方向と前記走査方向とが揃うように、前記第1物体上における前記走査方向と前記投影光学系の光軸とを含む面が前記光束分割部材に射影される面内にて前記光束を分割することを特徴とする走査型投影露光装置。 - 前記照明光学系は、反射率の角度特性を持ち前記光源と前記第1物体との間の光路中に配置されて光束の向きを偏向させる光束反射部材をさらに有し、
前記光束反射部材は、前記反射率の角度特性により発生する照度不均一性の方向と前記走査方向とを揃えるように、前記第1物体の前記パターンが形成される面の法線方向と前記走査方向とを含む面内にて前記光束の向きを偏向させることを特徴とする請求項8に記載の走査型投影露光装置。 - 前記照明光学系は、前記光源と前記光束反射部材との間に配置されたオプティカルインテグレータを備えることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の走査型投影露光装置。
- 前記オプティカルインテグレータは、前記光源からの光を二次元的に波面分割することを特徴とする請求項10に記載の走査型投影露光装置。
- 前記照明光学系は、前記オプティカルインテグレータによる二次光源からの光束を二次元的に波面分割する第2のオプティカルインテグレータを含むことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の走査型投影露光装置。
- 前記光束分割部材は、誘電体多層膜から構成される反射面を持つことを特徴とする請求項8乃至請求項12の何れか一項に記載の走査型投影露光装置。
- 前記光束分割部材は、導体及び半導体の少なくとも何れか一方から構成される薄膜を有することを特徴とする請求項8乃至請求項12の何れか一項に記載の走査型投影露光装置。
- 前記光束分割部材は、素硝子からなることを特徴とする請求項8乃至請求項12の何れか一項に記載の走査型投影露光装置。
- 所定の走査方向に沿って第1物体と第2物体とを移動させつつ前記第1物体のパターンを前記第2物体上に投影露光する走査投影露光方法において、
請求項1乃至請求項15の何れか一項に記載の走査型投影露光装置を用いて、前記第1物体上の前記領域を照明しつつ、照明された前記領域内の前記パターン像を前記第2物体上に形成することを特徴とする走査投影露光方法。 - 所定の走査方向に沿って第1物体と第2物体とを移動させつつ前記第1物体のパターンを前記第2物体上に投影露光する半導体集積回路の製造方法において、
請求項1乃至請求項15の何れか一項に記載の走査型投影露光装置を用いて、前記第1物体上の前記領域を照明しつつ、照明された前記領域内の前記パターン像を前記第2物体上に形成することを特徴とする半導体集積回路の製造方法。
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JP01250395A JP3600919B2 (ja) | 1995-01-30 | 1995-01-30 | 走査型投影露光装置、走査投影露光方法及び半導体集積回路の製造方法 |
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JPH08203813A JPH08203813A (ja) | 1996-08-09 |
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1995
- 1995-01-30 JP JP01250395A patent/JP3600919B2/ja not_active Expired - Lifetime
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