JP3600705B2 - 変圧器及び変圧器用ブッシング - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、変圧器本体をケース内に収納してなる変圧器、及び変圧器本体から引き出された口出線と外部導出リード線との間を接続するために変圧器のケースに取り付ける変圧器用ブッシングに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
配電線路においては、変圧器の一次電流の開閉と、事故電流の遮断とを行わせるために、配電線と変圧器の一次側との間に高圧負荷開閉器(カットアウトスイッチ)を設けている。高圧負荷開閉器は、変圧器一次電流の開閉を行う機能と、事故電流を遮断する機能とを有している必要がある。従来のこの種の開閉器として、実公昭63−27415号公報に示されているように、開閉器の可動側にヒューズを内蔵して、該ヒューズにより事故電流を遮断するようにしたものが知られている。
【0003】
実公昭63−27415号公報に示された高圧負荷開閉器は、装柱金具を介して電柱に取り付けられる支持碍子と、該支持碍子に取り付けられたヒンジ電極及び固定電極と、ヒンジ電極に一端がヒンジ結合されたヒューズ収納筒体と、該ヒューズ収納筒体内に収納されたヒューズと、ヒューズ収納筒体の他端に設けられて該ヒューズ収納筒体内のヒューズを介してヒンジ電極に接続される可動電極とを備えていて、ヒューズ収納筒体を回動させて可動電極を固定電極に接触させたり、該固定電極から切り離したりすることにより、負荷電流を開閉するようになっている。またこの高圧負荷開閉器を閉路して変圧器に通電している状態で事故電流が流れた場合には、ヒューズ収納筒体内に収納したヒューズを溶断させることにより該事故電流を遮断するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来は、変圧器の一次電流の開閉と、事故電流の遮断とを行わせるために、配電線と変圧器の一次側との間に高圧負荷開閉器を設けていたため、配電設備を構成するために必要とする部品の数が多くなり、コストが高くなるという問題があった。また配電線と変圧器の一次側との間に高圧負荷開閉器を配置すると、装柱された変圧器のケースから大きく突出した状態で取り付けられた一次ブッシングの上方に更に高圧負荷開閉器を構成する碍子類が配置されることになるため、変圧器と配電線との間に配置される機器が繁雑で異様な印象を与え、装柱された機器の外観と周囲環境との調和を図ることが難しいという問題もあった。
【0005】
本発明の目的は、一次側を高圧負荷開閉器を介することなく配電線に接続することができるようにした変圧器、及び変圧器に取り付けられる変圧器用ブッシングを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、変圧器本体を収納したケースに一次ブッシングが取り付けられて、変圧器本体の一次コイルから引き出された口出線が一次ブッシングを通して外部導出リード線に接続される変圧器に係わるもので、一次ブッシングに負荷電流の開閉機能と事故電流の遮断機能とを持たせたことを特徴とする。
【0007】
本発明において用いる一次ブッシングは、後端部側がケースに取り付けられ、内部に中空部を有して該中空部が先端側に開口しているブッシング本体と、ブッシング本体の後端部寄りの位置及び先端部寄りの位置にそれぞれ位置させた状態で該ブッシング本体の中空部内に設けられた変圧器側コンタクト及びリード側コンタクトと、ブッシング本体の中空部内に引出し可能な状態で挿入されて、軸線方向の一端側に設けられた端子及び他端側に設けられた端子が変圧器側コンタクト及びリード側コンタクトにそれぞれ接触させられたヒューズと、ヒューズを引出した際に該ヒューズの一端側の端子と変圧器側コンタクトとの間に生じるアークを消滅させる消弧機構とを備えており、変圧器側コンタクト及びリード側コンタクトにそれぞれ口出線及び外部導出リード線が接続される。
【0008】
上記のように、一次ブッシング内にヒューズを収納して該ヒューズの一端側の端子及び他端側の端子を一次ブッシング内に設けた変圧器側コンタクト及びリード側コンタクトにそれぞれ接触させるとともに、ヒューズを引出した際にヒューズの一端側の端子と変圧器側コンタクトとの間に生じるアークを消滅させる消弧機構を設けると、ヒューズを出し入れすることにより変圧器の一次電流を開閉することができ、またヒューズの溶断により事故電流を遮断することができる。
【0009】
従って、従来変圧器の一次側と配電線との間に設けていた高圧負荷開閉器を省略することができ、配電設備の簡素化を図ることができる。また高圧負荷開閉器が不要になるため、変圧器の周辺部の外観を簡素にすることができ、周囲環境との調和を容易に図ることができる。
【0010】
上記消弧機構は、変圧器側コンタクトの近傍にヒューズを同心的に取り囲む状態で配置された消弧筒と、該消弧筒の内側を通過し得る大きさに形成されて中心軸線をヒューズの中心軸線に一致させた状態でヒューズの一端側の端子の先端に取り付けられた消弧棒とを備えることにより構成される。この場合消弧筒及び消弧棒は、アークにより加熱された際に気化して絶縁性のガスを発生する合成樹脂材料により形成する。また、ヒューズが引出される過程で消弧筒と該消弧筒の内側を通過する消弧棒との間に消弧用の細隙が形成されるように、消弧筒の内径及び消弧棒の外径を設定する。
【0011】
配電線から上記の一次ブッシングを通して変圧器に一次電流を流している状態で一次ブッシングからヒューズを引き外すと、ヒューズの一端側の端子が変圧器側コンタクトから離れた瞬間に、変圧器側コンタクトとヒューズの一端側の端子との間にアークが発生する。このアークは、ヒューズの変位に伴って消弧筒と消弧棒との間に生じる相対的な変位により生じる吸引力により、消弧筒と消弧棒との間の細隙に吸い込まれる。細隙にアークが吸い込まれると、該アークにより消弧筒及び消弧棒が加熱されるため、消弧筒及び消弧棒を形成する樹脂が気化して絶縁性のガスを発生する。この絶縁性ガスによりアークが冷却されて消滅されられる。
【0012】
上記の消弧機構はまた、ヒューズが引出される過程で変圧器側コンタクトから離れたヒューズの一端側の端子が順次接触するように、変圧器側コンタクトの近傍にヒューズの軸線方向に沿って並べて配置された複数の抵抗接点と、変圧器側コンタクトに隣接する抵抗接点と変圧器側コンタクトとの間、及び隣り合う抵抗接点相互間にそれぞれ接続された限流抵抗体とにより構成することもできる。
【0013】
上記のようにヒューズの軸線方向に並ぶ複数の抵抗接点を設けるとともに、抵抗接点相互間及び最端部の抵抗接点と変圧器側コンタクト間にそれぞれ限流抵抗体を接続しておくと、限流抵抗体の抵抗値を適当に設定しておくことにより、ヒューズの一端側の端子を変圧器側コンタクトから無アークで引き離すことができる。またヒューズの変位に伴ってヒューズに直列に接続される抵抗体の数が増大していくため、ヒューズの変位に伴ってヒューズの通電電流を徐々に減衰させて、ヒューズの一端側の端子をアークを生じさせることなく抵抗接点から引き離して変圧器一次電流を遮断することができる。
【0014】
上記消弧機構はまた、ヒューズを同心的に取り囲む状態で、かつ変圧器側コンタクトとの間に間隔をあけた状態で配置された消弧筒と、変圧器側コンタクトと消弧筒との間に並べられてヒューズが引出される過程でヒューズの一端側の端子が順次接触する複数の抵抗接点と、複数の抵抗接点相互間及び変圧器側コンタクトに隣接する抵抗接点と該変圧器側コンタクトとの間にそれぞれ接続された抵抗体と、消弧筒の内側を通過し得る大きさに形成されてヒューズの一端側の端子の先端に取り付けられた消弧棒とにより構成することもできる。この場合も、消弧棒及び消弧筒はアークにより加熱された際に気化して絶縁性のガスを発生する合成樹脂材料により形成する。またヒューズが引出される過程で消弧棒と消弧筒との間に消弧用の細隙が形成されるように消弧筒の内径及び消弧棒の外径を設定する。
【0015】
上記のように、消弧筒及び消弧棒からなる消弧機構と、抵抗接点及び限流抵抗体からなる消弧機構とを併用すると、それぞれの消弧機構を単独で設ける場合に比べて、アークの消滅効果を更に高めることができるため、変圧器一次電流の遮断容量を増大させることができる。
【0016】
なお本明細書においては、「消弧機構」なる語を、発生したアークを消滅させる機構だけでなく、アークを発生させることなく電流を遮断する機構をも含む意味で用いている。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係わる柱上変圧器の構成例を示し、図2は同変圧器に用いる一次ブッシングを示している。これらの図において1は図示しない装柱金具により電柱に取り付けられる変圧器のケース、2はケース1内に収納された変圧器本体であり、変圧器本体2は、鉄心201に一次コイル及び二次コイルからなるコイル202を巻装したものからなる。
【0018】
ケース1の側面には、2本の一次ブッシング3がその中心軸線を水平方向に向けた状態で取り付けられ、変圧器本体2の一次コイルから引き出された口出し線4が一次ブッシング3を通して外部導出リード線5に接続されている。外部導出リード線5の一次ブッシング3と反対側の端部は図示しない高圧配電線に接続されている。
【0019】
ケース1の側面にはまた、該ケース1を貫通した碍子601と碍子601を貫通したブッシング導体602とを有する2本の二次ブッシング6が、一次ブッシング3と反対側に向けた状態で、かつ一次ブッシング3よりも高い位置に位置させた状態で取り付けられ、変圧器本体2の二次コイルから引き出された口出し線7が二次ブッシング6のブッシング導体602に接続されている。
【0020】
ケース1内には、一次ブッシング3よりも高く、二次ブッシング6よりは低いレベルまで絶縁油8が注入され、ケース1の上端の開口部は蓋板9により閉じられている。
【0021】
図2に示したように、一次ブッシング3は、碍管からなるブッシング本体301と、変圧器側コンタクト302と、ヒューズ303と、リード側コンタクト304と、消弧機構305とを備えている。
【0022】
ブッシング本体301は、その後端部に形成された円筒状の取付け部301aと、外周にひだが形成された本体部分301bと、円筒状の先端部301cとからなっていて、取付け部301aと本体部分301bとの間の境界部の外周にはフランジ301dが形成され、該境界部の内側には、ブッシング本体の中空部内を軸線方向に仕切る仕切壁301eが形成されている。また先端部301cの内径を本体部分301bの内径よりも僅かに大きくすることにより、先端部301cの内周と本体部分301bの内周との間の境界部にリード側コンタクト304を位置決めするための段差部301fが形成されている。ブッシング本体301の先端部301cの開口部付近の内周には突出部301hが周設されている。突出部301hは、その内周部からブッシング本体の先端側に突出した周壁部301h1を一体に有していて、該周壁部301h1にカップ状の蓋306が着脱可能に嵌合され、この蓋306により、ブッシング本体301の先端側の開口部が閉鎖されている。
【0023】
変圧器のケース1の側壁には、ブッシング本体301を取り付けるための取付け孔101が形成され、該取付け孔101にはシール部材307が嵌着されている。ブッシング本体301は、その取付け部301aをシール部材307を介して取付け孔101に嵌合させるとともに、フランジ301dをシール部材307を介して取付け孔101の周辺部に当接させた状態で配置され、フランジ301dに当接された取付け金具308が図示しないボルトによりケース1に対して締結されて、ブッシング本体301がケース1に対して固定されている。
【0024】
ブッシング本体301の取付け部の内側に形成された仕切壁301eの中心部を貫通させた状態で、ブッシング本体と中心軸線を共有するブッシング導体309が取り付けられている。図示のブッシング導体309は、仕切壁301eを貫通したネジ部309aを先端に有していて、該ネジ部309aの後端部側に形成されたフランジ309bが仕切壁301eに当接されて位置決めされている。
【0025】
仕切壁301eの本体部分301b側の面には変圧器側コンタクト302が、ブッシング本体と軸線を共有した状態で配置されている。変圧器側コンタクト302は、円筒状の導体の周壁部に軸線方向に伸びる多数のスリットを形成することにより弾力性を有する接点部を形成した公知のチューリップコンタクトからなっていて、その基部を仕切壁301eに当接させた状態で配置されている。変圧器側コンタクト302の基部の中心部には、ブッシング導体のネジ部309aを貫通させるための孔が設けられていて、仕切壁301eとコンタクト302の基部とを貫通したネジ部309aにナット310が螺合され、該ナット310により貫通導体309がコンタクト302と共締めされて仕切壁301eに締結されている。
【0026】
リード側コンタクト304は、環状の基部304aと該基部304aの内周部に沿って並ぶ多数の帯板状の金属片を軸線方向に折り返すことにより形成した多数の接触子片304bとを備えたものである。このリード側コンタクト304は、各接触子片304bの先端をブッシング本体301の先端側に向けた状態で(各接触子片304bの折り返し部をブッシング本体の後端部側に向けた状態で)、かつその基部304aをブッシング本体301の先端部内周に形成された段差部301fに当接させた状態で配置され、基部304aがネジなどにより段差部301fに締結されてブッシング本体301に取り付けられている。
【0027】
ブッシング本体301の先端部301cの側面には外部導出リード線5の端末部5aが適宜の手段により接続されている。リード線5の芯線5bは、ブッシング本体301の先端部301cに設けられた孔を通して該ブッシング本体の先端部の内側に導入されてリード側コンタクト304に接続されている。
【0028】
ヒューズ303は、円筒状の容器303a内にヒューズ導体を収納したもので、容器303aの軸線方向の一端側及び他端側にはそれぞれキャップ状の(円筒状の)端子303b及び303cが嵌着され、これらの端子にヒューズ導体の一端及び他端がそれぞれ接続されている。ヒューズ303は、その軸線方向の一端側の端子303bを変圧器側コンタクト302側に向けた状態でブッシング本体301の先端部301c側からリード側コンタクト304の内側を通して該ブッシング本体の中空部内に挿入され、その一端側の端子303b及び他端側の端子303cがそれぞれ変圧器側コンタクト302及びリード側コンタクト304に接触させられている。
【0029】
図示の例では、ヒューズ303の他端側の端子303cの端面の軸心部にネジ303dが取り付けられている。このネジ303dは、ヒューズを着脱する際に用いられる図示しないヒューズ着脱工具をヒューズ303に連結するために用いられる。
【0030】
ブッシング本体301の本体部分301bの内側には、変圧器側コンタクト302との間に適当な間隔をあけた状態で、ヒューズ303を同心的に取り囲む消弧筒311が配置され、この消弧筒311は、接着などの適宜の手段によりブッシング本体301の内周に固定されている。消弧筒311の内径は、ヒューズ303の一端側の端子303bを通過させ得る大きさに設定され、ブッシング3の先端側に向いた消弧筒311の先端部の内周には、ブッシングの先端側(リード側コンタクト304側)に向って次第に径が大きくなる向きのテーパが付けられている。
【0031】
ヒューズ303の一端側の端子303bの先端には、短い消弧棒312が取り付けられている。この消弧棒312は、ヒューズの一端側の端子303bよりも僅かに小さい外径を有するように形成されていて、ヒューズ303がブッシング本体301から引抜かれる過程で、消弧棒312が消弧筒311の内側を通過する際に、消弧棒312と消弧筒311との間に消弧用の細隙が形成されるようになっている。消弧筒311及び消弧棒312は、ポリアセタール樹脂のように、アークにより加熱された際に気化して絶縁性ガスを発生する合成樹脂材料からなっていて、消弧筒311及び消弧棒312により、細隙消弧方式の消弧機構が構成されている。
【0032】
図3に示したように、消弧筒311の後端部と変圧器側コンタクト302との間には、複数(図示の例では4個)の抵抗接点S1 〜S4 が、ブッシングの軸線方向に一定の間隔をあけて並べた状態で配置されている。各抵抗接点は良導電性を有する金属の環状体からなっていて、ヒューズ303を同心的に取り囲む状態で配置されている。抵抗接点S1 〜S4 の外周側には、筒状に形成された限流抵抗体R1 〜R4 が配置されている。限流抵抗体R1 〜R4 はそれぞれの中心軸線を一致させた状態で軸線方向に並べて配置されていて、変圧器側コンタクト302に隣接する最端部の抵抗接点S1 と変圧器側コンタクト302の基部との間が限流抵抗体R1 により接続され、抵抗接点S1 ,S2 間、S2 ,S3 間及びS3 ,S4 間がそれぞれ限流抵抗体R2 ,R3 及びR4 により接続されている。限流抵抗体R1 〜R4 は、適宜の手段によりブッシング本体301に対して固定されている。図示の例では、複数の抵抗接点S1 〜S4 と、限流抵抗体R1 〜R4 とにより、限流抵抗式の消弧機構が構成されている。
【0033】
即ち、図2に示した例では、消弧機構305が、細隙消弧方式の消弧機構と、限流抵抗式の消弧機構とを併用した構造になっている。
【0034】
上記の変圧器において、ヒューズ303がブッシング本体301内に挿入されている状態では、図示しない配電線からリード線5−リード側コンタクト304−ヒューズの他端側の端子303c−ヒューズ導体−ヒューズの一端側の端子303b−変圧器側コンタクト302−ブッシング導体309−口出線4−変圧器本体2の一次コイルの経路で変圧器本体に通電される。
【0035】
負荷電流を遮断する際には、蓋306を外した後、ヒューズ303の他端側の端子303cに取り付けられたネジ303dに図示しないヒューズ着脱工具に設けられた雌ネジを結合し、該ヒューズ着脱工具を引くことによりヒューズ303をブッシング本体301から引き抜く。
【0036】
ヒューズ303をブッシング本体から引き抜く過程で、ヒューズの一端側の端子303bが変圧器側コンタクト302から離れて該コンタクト302に隣接する抵抗接点312に接触すると、ヒューズ303に対して直列に限流抵抗体R1 が接続されるため、ヒューズ303を通して流れる一次電流が減少させられる。このとき限流抵抗体R1 の両端に生じる電圧降下がアーク発生電圧に達しないように、限流抵抗体R1 の抵抗値を設定しておく。ヒューズ303が更に変位していくと、該ヒューズの一端側の端子303bが抵抗接点S2 ,S3 ,…に順次接触していくため、ヒューズに対して直列に接続される抵抗体の抵抗値が増大していく。限流抵抗体R1 〜R4 の抵抗値を適当に設定しておけば、ヒューズの一端側の端子303bをアークの発生を伴うことなく抵抗接点S1 〜S4 に順次接触させて、最終的に無アークで端子303bを抵抗接点S4 から引き離すことができる。ヒューズ303の一端側の端子303bが抵抗接点S4 から離れた際に万一アークが発生した場合には、ヒューズの一端側の端子303b及び消弧棒312が消弧筒311内を移動する際に生じる吸引力によりアークが消弧棒312と消弧筒311との間の細隙に吸い込まれる。アークが細隙に吸い込まれると、アーク熱により消弧筒及び消弧棒を構成する樹脂が気化して絶縁性のガスが発生し、該ガスの冷却作用によりアークが冷却されて消滅させられる。
【0037】
また通電中に事故電流が流れた場合には、ヒューズ303が溶断して該事故電流を遮断し、変圧器本体2を保護する。ヒューズ303が溶断した場合には、図示しないヒューズ着脱工具によりヒューズ303を抜き出し、事故が解消した後、新しいヒューズをブッシング本体内に挿入して通電を開始させる。
【0038】
上記の例において、ヒューズ303が溶断して容器303a内の圧力が上昇したときに、該容器303a内の圧力を開放するための放圧孔をヒューズの一部(好ましくはヒューズの他端側の端子303cの蓋306に対向する端部)に設けて、ヒューズが溶断した際に放圧孔を通して噴出するガスによりブッシング本体301内の圧力を上昇させることによって蓋306をブッシング本体301から離脱させるようにしておくと、蓋306の着脱の有無を目視により確認することにより、ヒューズが溶断したブッシングがいずれであるかを地上から容易に識別することができる。
【0039】
上記の例のように、消弧機構305として、細隙消弧方式によるものと、限流抵抗方式によるものとを併用したものを用いると、電流の遮断性能を高めることができるため、変圧器一次電流の遮断容量を増大させることができるが、本発明はこのような消弧機構を用いる場合に限定されるものではなく、例えば、細隙消弧方式また限流抵抗方式のいずれか一方のみを採用した消弧機構を用いることもできる。
【0040】
図4は、ヒューズ303を引き外す際に該ヒューズの一端側の端子303b側で発生するアークを消滅させるための消弧機構として、限流抵抗方式のみを採用したものを用いた例を示したものである。この例では、図2に示した例でヒューズ303の一端側の端子303bに取り付けられていた消弧棒312、及び消弧筒311が省略されて、ヒューズ303が引出される過程で変圧器側コンタクト302から離れたヒューズの一端側の端子303bが順次接触するように、変圧器側コンタクト302の近傍に、ヒューズの軸線方向に沿って複数の抵抗接点S1 〜S4 が並べられてブッシング本体に対して固定されている。また図4には図示してないが、図3に示した例と同様に、変圧器側コンタクト302に隣接する最端部の抵抗接点S1 と変圧器側コンタクト302との間に限流抵抗体R1 が接続され、隣り合う抵抗接点S1 〜S4 相互間にそれぞれ限流抵抗体R2 〜R4 が接続されて、抵抗接点S1 〜S4 と限流抵抗体R1 〜R4 とにより消弧機構305が構成されている。その他の点は、図2に示した例と同様である。この消弧機構305の動作は前述の通りである。
【0041】
また図2に示した例において、抵抗接点S1 〜S4 と限流抵抗体R1 〜R4 とを省略して、図5に示したように、消弧筒311を変圧器側コンタクト302に隣接させて配置し、ヒューズの一端側の端子303bの先端に消弧棒312を取り付けて、細隙消弧方式の消弧機構305を構成するようにしてもよい。
【0042】
図5に示した例において、ヒューズ303が引き抜かれる過程で、ヒューズ303の一端側の端子303bが変圧器側コンタクト302から離れると、該端子303bとコンタクト302との間にアークが発生する。このアークは、ヒューズの変位に伴って生じる吸引力により消弧棒312と消弧筒311との間に細隙に引き込まれるため、消弧棒312及び消弧筒311にアークが接触して、消弧棒及び消弧筒を構成している樹脂を気化させ、絶縁性のガスを発生させる。このガスによりアークが冷却されて消滅されられる。
【0043】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、一次ブッシング内にヒューズを引き出し可能に収納して該ヒューズの一端側の端子及び他端側の端子を一次ブッシング内に設けた変圧器側コンタクト及びリード側コンタクトに接触させるとともに、ヒューズを引き出した際に、該ヒューズの一端側の端子と変圧器側コンタクトとの間に発生するアークを消滅させる(またはアークが発生するのを防止する)消弧機構を設けたので、変圧器のケースに取り付ける一次ブッシング自体に負荷電流の開閉機能と事故電流の遮断機能とを持たせることができる。従って、従来必要とした高圧負荷開閉器を別個に設ける必要がなく、配電設備の簡素化とコストの低減とを図ることができる。また変圧器を装柱する場合に、該変圧器の一次側を高圧負荷開閉器を介することなく配電線に接続することができるため、変圧器の周辺部の外観を簡素にすることができ、周囲環境との調和を容易に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる変圧器の構成例を示した断面図である。
【図2】図1の変圧器で用いる一次ブッシングの構成例を示した断面図である。
【図3】図2に示した一次ブッシングの要部の構造を拡大して示した要部拡大断面図である。
【図4】図1の変圧器で用いる一次ブッシングの他の構成例を示した断面図である。
【図5】図1の変圧器で用いる一次ブッシングの更に他の構成例を示した断面図である。
【符号の説明】
1 ケース
2 変圧器本体
3 一次ブッシング
301 ブッシング本体
302 変圧器側コンタクト
303 ヒューズ
303b ヒューズの一端側の端子
303c ヒューズの他端側の端子
304 リード側コンタクト
305 消弧機構
311 消弧筒
312 消弧棒
309 ブッシング導体
4 口出線
5 外部導出リード線
Claims (8)
- 変圧器本体を収納したケースに一次ブッシングが取り付けられて、前記変圧器本体の一次コイルから引き出された口出線が前記一次ブッシングを通して外部導出リード線に接続される変圧器において、
前記一次ブッシングは、
後端部側が前記ケースに取り付けられ、内部に中空部を有して該中空部が先端側に開口しているブッシング本体と、
前記ブッシング本体の後端部寄りの位置及び先端部寄りの位置にそれぞれ位置させた状態で該ブッシング本体の中空部内に設けられた変圧器側コンタクト及びリード側コンタクトと、
前記ブッシング本体の中空部内に引出し可能な状態で挿入されて、軸線方向の一端側に設けられた端子及び他端側に設けられた端子がそれぞれ前記変圧器側コンタクト及びリード側コンタクトに接触させられたヒューズと、
前記ヒューズを引出した際に該ヒューズの一端側の端子と前記変圧器側コンタクトとの間に生じるアークを消滅させる消弧機構とを具備し、
前記変圧器側コンタクト及びリード側コンタクトにそれぞれ前記口出線及び外部導出リード線が接続されていることを特徴とする変圧器。 - 前記消弧機構は、
前記変圧器側コンタクトの近傍に前記ヒューズを同心的に取り囲む状態で配置された消弧筒と、
前記消弧筒の内側を通過し得る大きさに形成されて、中心軸線を前記ヒューズの中心軸線に一致させた状態で前記ヒューズの一端側の端子の先端に取り付けられた消弧棒とを備えてなり、
前記消弧筒及び消弧棒は、前記アークにより加熱された際に気化して絶縁性のガスを発生する合成樹脂材料からなっていて、前記ヒューズが引出される過程で前記消弧棒と消弧筒との間に消弧用の細隙が形成されるように前記消弧筒の内径及び消弧棒の外径が設定されていることを特徴とする請求項1に記載の変圧器。 - 前記消弧機構は、
前記ヒューズが引出される過程で前記変圧器側コンタクトから離れたヒューズの一端側の端子が順次接触するように、前記変圧器側コンタクトの近傍に、ヒューズの軸線方向に沿って並べて配置された複数の抵抗接点と、
前記変圧器側コンタクトに隣接する抵抗接点と前記変圧器側コンタクトとの間、及び隣り合う抵抗接点相互間にそれぞれ接続された限流抵抗体とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の変圧器。 - 前記消弧機構は、
前記ヒューズを同心的に取り囲む状態で、かつ前記変圧器側コンタクトとの間に間隔をあけた状態で配置された消弧筒と、
前記ヒューズが引出される過程で前記変圧器側コンタクトから離れたヒューズの一端側の端子が順次接触するように前記変圧器側コンタクトと消弧筒との間に並べて配置された複数の抵抗接点と、
前記変圧器側コンタクトに隣接する抵抗接点と前記変圧器側コンタクトとの間、及び隣接する抵抗接点相互間にそれぞれ接続された限流抵抗体と、
前記消弧筒の内側を通過し得る大きさに形成されて中心軸線を前記ヒューズの中心軸線に一致させた状態で前記ヒューズの一端側の端子の先端に取り付けられた消弧棒とを備えてなり、
前記消弧筒及び消弧棒は、前記アークにより加熱された際に気化して絶縁性のガスを発生する合成樹脂材料からなっていて、前記ヒューズが引出される過程で前記消弧棒と消弧筒との間に消弧用の細隙が形成されるように前記消弧筒の内径及び消弧棒の外径が設定されていることを特徴とする請求項1に記載の変圧器。 - 変圧器本体を収納したケースに取り付けられて、前記変圧器本体から引き出された口出線と外部導出リード線との間を接続する変圧器用ブッシングにおいて、
前記ケースに取り付けられる取付け部を後端部側に有し、内部に中空部を有して該中空部が先端側に開口しているブッシング本体と、
前記ブッシング本体の後端部寄りの位置及び先端部寄りの位置にそれぞれ位置させた状態で該ブッシング本体の中空部内に設けられた変圧器側コンタクト及びリード側コンタクトと、
前記ブッシング本体の中空部内に引出し可能な状態で挿入されて、軸線方向の一端側に設けられた端子及び他端側に設けられた端子がそれぞれ前記変圧器側コンタクト及びリード側コンタクトに接触させられたヒューズと、
前記ヒューズを引出した際に該ヒューズの一端側の端子と前記変圧器側コンタクトとの間に生じるアークを消滅させる消弧機構とを具備し、
前記変圧器側コンタクト及びリード側コンタクトにそれぞれ前記口出線及び外部導出リード線が接続されることを特徴とする変圧器用ブッシング。 - 前記消弧機構は、
前記変圧器側コンタクトの近傍に前記ヒューズを同心的に取り囲む状態で配置された消弧筒と、
前記消弧筒の内側を通過し得る大きさに形成されて、中心軸線を前記ヒューズの中心軸線に一致させた状態で前記ヒューズの一端側の端子の先端に取り付けられた消弧棒とを備えてなり、
前記消弧筒及び消弧棒は、前記アークにより加熱された際に気化して絶縁性のガスを発生する合成樹脂材料からなっていて、前記ヒューズが引出される過程で前記消弧棒と消弧筒との間に消弧用の細隙が形成されるように前記消弧筒の内径及び消弧棒の外径が設定されていることを特徴とする請求項5に記載の変圧器用ブッシング。 - 前記消弧機構は、
前記ヒューズが引出される過程で前記変圧器側コンタクトから離れたヒューズの一端側の端子が順次接触するように、前記変圧器側コンタクトの近傍に並べて配置された複数の抵抗接点と、
前記変圧器側コンタクトに隣接する抵抗接点と前記変圧器側コンタクトとの間、及び隣り合う抵抗接点相互間にそれぞれ接続された限流抵抗体とを備えていることを特徴とする請求項5に記載の変圧器用ブッシング。 - 前記消弧機構は、
前記ヒューズを同心的に取り囲む状態で、かつ前記変圧器側コンタクトとの間に間隔をあけた状態で配置された消弧筒と、
前記ヒューズが引出される過程で前記変圧器側コンタクトから離れたヒューズの一端側の端子が順次接触するように前記変圧器側コンタクトと消弧筒との間に並べて配置された複数の抵抗接点と、
前記変圧器側コンタクトに隣接する抵抗接点と前記変圧器側コンタクトとの間、及び隣接する抵抗接点相互間にそれぞれ接続された限流抵抗体と、
前記消弧筒の内側を通過し得る大きさに形成されて中心軸線を前記ヒューズの中心軸線に一致させた状態で前記ヒューズの一端側の端子の先端に取り付けられた消弧棒とを備えてなり、
前記消弧筒及び消弧棒は、前記アークにより加熱された際に気化して絶縁性のガスを発生する合成樹脂材料からなっていて、前記ヒューズが引出される過程で前記消弧棒と消弧筒との間に消弧用の細隙が形成されるように前記消弧筒の内径及び消弧棒の外径が設定されていることを特徴とする請求項5に記載の変圧器用ブッシング。
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| KR101226203B1 (ko) * | 2012-05-08 | 2013-01-28 | 신성산전주식회사 | 보조 전원용 주상변압기 |
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