JP3598495B2 - データ転送方法、コンピュータ読み取り可能な記録媒体及びデータ転送システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、データの転送方法に関する。詳しくは、ネットワークを介してクライアント機とデータベースサーバとを接続し、クライアント機からの検索指令に基づいてデータ検索を行い、検索したテーブル形式のデータを上記データベースサーバから上記クライアント機に転送するデータ転送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ネットワークを利用して検索を行えるように構成されたデータベースサーバは、高速なCPUを搭載するコンピュータに大容量の記憶装置を設け、これにネットワークオペレーションシステムとデータベースサーバ専用のアプリケーションソフトとを備えて構成される。上記データベースサーバにネットワークを介してクライアント機が接続され、上記クライアント機から上記ネットワークを介して検索要求がなされるとともに、データベースサーバにおいて検索が行われる。そして、検索結果データが、上記ネットワークを介してクライアント機に転送される。
【0003】
データベースを広く活用するために、データベースサーバをインターネット等の広域ネットワークや社内のLANを介して多数のクライアント機と接続する。クライアント機及びデータベースサーバは、電話回線の他、高速デジタル通信回線や、専用の通信回線を用いて上記インターネットに接続される。情報を交換するための通信プロトコルとしてTCP/IPが世界標準として利用されている。
【0004】
データベースにおいて検索されるデータの種類は多岐にわたる。また、検索の度にデータの配列等が変化するとともに、各検索結果のデータ特性も一定ではない。上記各検索結果は、縦横にデータが配列されたテーブル形式をとる。このテーブルは同様の構造を持つ多数の行から構成される。各行は情報の一つのまとまりをなしており、データベースの検索結果の最小単位である。上記各行は項目から構成されており、この項目がデータベースの取り扱う情報の最小単位である。
【0005】
サーバ側で検索された結果をクライアント機に転送するには、上記項目ごとにあるいは行ごとに、転送作業が繰り返される。このため、多数の行から構成される検索データの場合、転送手続に膨大な時間を要することになる。また、上記各項目に対応するデータにデータ特性等を付加して転送データが生成されている。したがって、転送されるデータ量も非常に大きくなる。このため、リレーショナル型データベースにおけるデータの転送は、階層型データベースやネットワーク型データベースに比べて非効率的なものになりやすい。
【0006】
また、インターネット等の汎用のネットワークを介してデータを転送する場合、他の利用者と回線を共有することになる。このため、回線の利用者が多いと転送時間が長くなる。しかも、通信回線のバンド幅が狭いと転送時間がさらに長くなり、データベースを有効に利用できない。このため、社内LAN上で高速にデータ検索を行える場合であっても、インターネット等の公衆回線を利用したネットワークを介すると、検索速度が大幅に低下することが多い。
【0007】
たとえば、特開平8ー286889号公報に記載されている発明のように、転送すべきデータファイルの差分のみを転送し、クライアント機側で上記差分データと以前に転送したデータとからデータファイルを復元する転送方法がある。また、特開平9ー198285号公報に記載されている発明では、クライアント機からサーバ上のデータベースに対するアクセス処理と、データベース以外のデータの転送処理を、開発対象のアプリケーション独自に組み込んだ関数を実行するための処理と同じ言語、同じインターフェースで行うように構成している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
データベースから抽出されるデータは多岐に渡り、しかも、検索データの特性、検索データテーブルの大きさ等が、検索の度に変化する。このため、一定のデータテーブル様式をクライアント機に格納しておいて、データテーブルの差分のみを転送するデータ転送手法は汎用性がない。また、検索指令に基づいて検索したデータは、最終的にはすべてクライアント側に転送する必要がある。したがって、第一の公報に記載されたデータ転送方法は、転送速度を高めることができない。
【0009】
また、第二の公報に記載されている発明においては、データベースの利用形態の合理化を図ることにより転送効率を向上させるものであり、データの転送手法、転送されるデータの形態等は従来のままである。したがって、データ転送速度自体が向上することはなく、通信回線の状態によって転送速度が大幅に低下する。
【0010】
本願発明は、従来の通信環境下、データベースで検索したテーブル形式のデータの転送速度を高めることを課題とする。また、データベース利用におけるレスポンスタイムを短縮して、データベースの利用効率を高めることを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1に記載した発明は、クライアント機と、データベースを格納したサーバとを通信回線を介して接続し、上記クライアント機から上記サーバに転送される検索指令に基づいて上記データベースの検索を行い、得られたテーブル形式のデータを、上記サーバから上記クライアント機に転送するデータ転送方法に関するものである。本請求項に記載した発明では、上記サーバ側に設けたメモリ領域に、検索されたデータから構成される検索データテーブルと、この検索データテーブルを構成するデータのデータ特性を配列して構成されるデータ特性テーブルとを生成するデータテーブル生成行程と、上記データ特性テーブル及び上記検索データテーブルを構成する各項目のデータを直列化するとともに連結して転送データを形成する転送データ生成行程と、上記転送データの圧縮を行うデータ圧縮行程と、上記転送データの先頭に、転送データの特性及び圧縮方法に関する制御情報を付加する制御情報付加行程と、上記転送データを上記制御情報とともにクライアント機に転送するデータ転送行程が行われる。一方、クライアント機側においては、受信した転送データの解凍を行う転送データ解凍行程と、上記クライアント機側に設けたメモリ領域に、解凍した転送データからデータ特性テーブル及び検索データテーブルを再生するデータテーブル再生行程と、再生された上記データ特性テーブル及び上記検索データテーブルから所定のデータを読み出すデータ読み出し行程とが行われる。
【0012】
本願発明は、転送されるテーブル形式のデータを、通信回線の転送手続を簡略化できる形態に変換するものである。さらに、変換されたデータを圧縮して転送することにより転送速度を高めることができる。
【0013】
本願発明では、検索結果は、一旦データベースサーバ側のメモリ領域に格納される。近年、サーバを構成するコンピュータ及び周辺機器の性能向上は著しく、大きなメモリ領域を確保することも容易にできる。しかも、サーバ内あるいは周辺機器との間におけるデータ転送速度は、通信回線を介してのデータ転送速度に比べて格段に高い。したがって、検索データをサーバ側のメモリ領域に一旦格納しても、検索速度に与える影響はほとんどない。なお、サーバ側のメモリ領域には、サーバ内のメモリ領域のみならず、周辺機器内のメモリ領域も含まれる。
【0014】
上記検索データテーブルは、検索指令に基づいてデータベースから検索された実データから構成されるテーブルである。上記データ特性テーブルは、検索されたデータの特性を記述したデータを格納するテーブルである。上記データ特性テーブルは、たとえば、検索データに対応する各項目名、データタイプ、引き数、データサイズ等を記述した項目から構成される。
【0015】
上記検索データテーブル及び上記データ特性テーブルの生成方法は特に限定されることはなく、通常の検索データをメモリ等の記憶装置に格納する方法と同様の手法で行うことができる。
【0016】
上記転送データ生成行程におけるデータの直列化は、上記データ特性テーブル及び上記検索データテーブルを構成する各項目を、それぞれ連続する一列状のデータ列に変換することにより行われる。たとえば、3行からなるテーブルである場合、各行を構成するデータ項目内の文字等を連続させるとともに、上段の行の後端部に下段の行の項目を連続させることにより行われる。連続させられる各項目の間には、項目を識別するための記号あるいは各項目のデータ特性を示す記号等を挿入する必要はない。また、連続させられる各行間にも行を識別する記号は挿入する必要はない。各テーブルの直列化とともに、上記データ特性テーブルを直列化したデータ列と、上記検索データテーブルを直列化したデータ列とが連結される。上記データ特性テーブルを直列化したデータ列と、上記検索データテーブルを直列化したデータ列の間にも特に識別情報を挿入する必要はない。このため、各項目の前後等に識別情報を挿入していた従来の方法と比べて、転送データ量を減少させることができる。ただし、検索データの特性等によっては、識別情報を挿入することもできる。
【0017】
上記転送データ生成行程によって、テーブルを構成する多数のデータが一つの列状データに変換される。検索データテーブルの全項目がテキストデータの場合には、上記転送データは、テキストが一列状に並んだ構成となる。また、検索データテーブルを構成する項目の一部に、画像データ等テキストデータ以外の情報が含まれる場合にも、上記画像データの項目を一つのテキストデータと同様に取り扱うことにより列状に並べることができる。
【0018】
上記直列化された転送データが圧縮される。上記転送データは列状のデータであるため、既知の圧縮方法を利用して容易に圧縮することができる。また、上記転送データは、上述したように、実データ部分と特性データ部分が混在しておらず、まとまった形態を備える。したがって、高い圧縮効率を得ることができる。これにより、転送されるデータ量自体を削減して、さらに転送時間を短縮することができる。
【0019】
次に、上記転送データの先頭に、転送データの特性及び圧縮方法に関する制御情報を付加する制御情報付加行程が行われる。上記検索データテーブル及び上記データ特性テーブルは、その大きさ、項目の構成等が検索毎に異なり、これらテーブルを直列状に変換した転送データの大きさ等も検索の度に異なる。したがって、圧縮後のデータ量も異なる。これらの情報をクライアント機に伝えなければ、一列状の転送データからテーブルを再現できない。このため、転送データの頭部に、転送データの特性に係る制御情報を付加する。上記制御情報として、転送データの大きさ、データ圧縮の有無及び方法、解凍データの大きさ等がある。また、検索作業に支障が生じた場合、検索結果がなかった場合の制御情報を付加することもできる。これら制御情報を付加することにより、転送先のメモリ領域の確保等を迅速に行うことが可能となり、データ転送を円滑に行うことができる。
【0020】
転送データ及び制御情報は、TCP/IPプロトコル等を採用した送信手段等を介して通信回線に出力され、クライアント機に転送される。上記転送データを、一つのまとまった列状のデータとして一回の手順で転送できるため、従来のデータ転送方法に比べて転送に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0021】
一方、上記クライアント機は、受信手段を介して上記転送データを受信し、受信したデータの解凍を行う解凍行程が行われる。次に、上記クライアント機側のメモリ領域に、解凍された転送データからデータ特性テーブル及び検索データテーブルを再生するデータテーブル再生行程が行われる。上記クライアント機側のメモリ領域には、周辺機器内のメモリ領域も含まれる。
【0022】
そして、上記クライアント機に再生された上記データ特性テーブル及び上記検索データテーブルから所望の検索データが読み出される。上記クライアント機側において、転送されたデータを一旦メモリ領域に格納しても、上記サーバの場合と同様の理由で検索速度に与える影響はほとんどない。
【0023】
本願発明に係るデータ転送方法によって、従来の検索手法、通信手段等を変更することなくデータベース検索を行うことができる。このため、検索方法、装置の構成を変更する必要はない。また、クライアント機を操作する者は、従来のデータベース検索と全く同様の検索操作を行うことができる。
【0024】
本願の請求項2に記載した発明は、上記転送データのデータ特性に応じて圧縮方法を選択する圧縮判断行程を含むものである。
【0025】
転送されるデータの特性、データ量等に応じて、最適な圧縮方法を適用すべきである。この発明では、上記転送データの特性が解析され、転送データの特性に応じて圧縮方法等が選択される。なお、検索結果によっては、データを圧縮する必要がない場合がある。また、圧縮に要する時間が長くなる場合もある。このような場合、データの圧縮を行わないで転送するように構成することもできる。圧縮方法、圧縮の有無は、転送データ自体の特性であり、上述した制御情報に含めてクライアント機に転送される。
【0026】
本願の請求項3に記載した発明は、上記データベースから抽出されるデータテーブルの各項目、及び上記データ特性テーブルの各項目がテキストデータである場合に適用したものである。テキストデータは、コンピュータ上でテキスト情報、すなわち文字・符号情報として認識されて転送できるものであればよい。テキストデータには、アルファベット、漢字等の文字はもちろんのこと、数字、記号、コンマ等も含まれる。また、種々の言語におけるテキストデータにも適用できる。
【0027】
本願発明では、検索データテーブルの各項目を構成する要素をその意味や種類に関係なくそのまま直列化して、テキストデータ列に変換して転送する。たとえば、項目内の数字が量あるいは年月日等を表していたとしても、文字列として認識されてそのまま直列化される。上記データ特性テーブルもテキストから構成されているため、転送データはテキストが列状に一体化された一つのデータとなり、一回の転送手順で転送される。これにより、転送時間を大幅に短縮できる。
【0028】
本願の請求項4に記載した発明は、 上記データベースから抽出される検索データテーブルの項目に、テキストデータ以外のデータ項目が含有されるものである。データベースには、上述したテキスト情報のみならず、画像、音声情報も格納できる。本願発明は、テキストデータ以外のデータを含むデータベースに本願発明を適用したものである。本願発明においては、転送データに応じた圧縮方法を選択することが可能であるため、画像等を含む検索データテーブルを効率よく転送することが可能となる。
【0029】
本願の請求項5に記載した発明は、クライアント機において、検索指令を直列化する検索指令データ生成行程と、上記検索指令データをサーバに転送する検索指令データ転送行程と、サーバにおいて、上記検索指令データをデータベースを作動させる検索指令に変換する検索指令再生行程とを含むものである。
【0030】
データベースの検索コマンド等が短い場合であっても、検索指令の各行を識別しながら転送すると転送手順が多くなり、転送時間が増加する。本願発明は、検索コマンド等の検索指令を、検索データテーブルの転送と同様に直列化して転送するものである。上記直列化手段は、上記請求項1から請求項5に記載した検索データテーブルの直列化と同様の手法で直列化され、必要に応じて圧縮され、制御情報が付加されて転送される。
【0031】
本願の請求項6に記載した発明は、複数のクライアント機から検索指令を受けるマイクロサーバと、データベースを格納したメインサーバとを通信回線を介して接続し、上記検索指令を上記マイクロサーバを介して上記メインサーバに転送するとともに、上記データベースから検索したテーブル形式のデータを上記マイクロサーバを介して上記クライアント機に転送するデータベース検索方法であって、上記メインサーバ側において、抽出したデータから構成される検索データテーブルと、この検索データテーブルを構成する各データのデータ特性を配列して構成されるデータ特性テーブルとを生成してメモリ領域に格納し、これら検索データテーブル及びデータ特性テーブルを構成する各項目のデータを直列化するとともに結合して転送データを生成し、上記転送データの特性に応じて上記転送データを圧縮し、上記転送データの先頭に転送データの特性及び圧縮方法に関する制御情報を付加して上記マイクロサーバに転送する一方、上記マイクロサーバ側において、受信した転送データの解凍を行い、上記転送データから上記データ特性テーブル及び検索データテーブルを再生してメモリ領域に格納し、これらデータ特性テーブル及び検索データテーブルから所定のデータを読み出し、上記検索指令を発したクライアント機に転送するものである。
【0032】
すなわち、複数のクライアント機から要求される検索指令をマイクロサーバを介してメインサーバ(データベースサーバ)に伝達するとともに、検索結果を上記マイクロサーバを介して各クライアント機に転送するものである。一つのマイクロサーバを複数のクライアント機によって共有することにより、システムの採用コストを低下させることができる。各クライアント機は、従来と全く同様の手順でデータベース検索を行うことができる。また、LANで接続された複数のクライアント機間では高速なデータ通信ができるが、遠隔地に存在するデータベースサーバに通信回線を介して各クライアント機を接続すると転送速度が低下する場合等に有効である。
【0033】
請求項7に記載した発明は、上記マイクロサーバにおいて、上記クライアント機からの検索指令を直列化した検索指令データを生成して上記メインサーバに転送する一方、上記メインサーバは、転送された上記検索指令データを検索を行う検索指令に変換してデータベース検索を行うものである。
【0034】
本願の請求項8に記載した発明は、データベースを格納した複数のサーバを通信回線を介して接続し、これらサーバ間でテーブル形式のデータの転送を行うデータベースにおけるデータ転送方法であって、一のサーバにおいて、他のサーバからの検索指令に基づいて抽出したデータから構成される検索データテーブルと、この検索データテーブルを構成する各データのデータ特性を配列して構成されるデータ特性テーブルを生成してメモリ領域に格納し、これら検索データテーブル及びデータ特性テーブルを構成する各項目のデータを直列化するとともに結合して転送データを生成し、上記転送データの特性に応じて上記転送データを圧縮し、上記転送データの先頭に転送データの特性及び圧縮方法に関する制御情報を付加して他のサーバに転送する一方、上記他のサーバにおいて、受信した転送データを解凍し、上記転送データから上記データ特性テーブル及び検索データテーブルを再生するとともにメモリ領域に格納し、これらデータ特性テーブル及び検索データテーブルから所定のデータを読み出して所定の処理を行うように構成したものである。
【0035】
すなわち、複数のデータベースサーバ間のデータ転送に本願発明に係るデータ転送方法を適用したものである。インターネット等のネットワークを介して複数のデータベースサーバを接続し、これらデータベースサーバによって処理の分散化を図る分散処理形態のデータベースが構築されている。データベースサーバ間のデータ転送においては、通常のデータベース検索のみならず、データの共有化、データの更新等種々の処理が頻繁に行われる。このため、転送データの量も多くなる。したがって、本願発明に係るデータ転送処理システムを採用することにより、データ転送効率を大幅に高めることができる。
【0036】
本願の請求項9から請求項12に記載した発明は、従来のデータベース検索システムのサーバ及びクライアント機にインストールできる転送データ処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。本願発明に係るデータ転送方法は、従来のデータベース検索システムにおけるサーバ及びクライアント機、あるいは請求項6に記載したようなマイクロサーバに転送プログラムをインストールすることにより、容易に実行することができる
。
【0037】
上記コンピュータ読み取り可能な記録媒体には、クライアント機専用のプログラムを記録したもの、データベースサーバ専用のプログラムを記録したもの、クライアント機及びデータベースサーバの両方に適用できるプログラムを記録したものが含まれる。また、本願発明に含まれる種々の手段及び種々の装置に適用できるプログラムを記録しておき、選択してインストールすることもできる。
【0038】
本願の請求項9に記載した発明は、クライアント機側からの指令に基づいてサーバ側データベースから検索したテーブル形式のデータを上記クライアント機側に転送するプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【0039】
上記記録媒体には、上記サーバ側に適用されることにより、検索によって抽出される検索データテーブルをサーバ側のメモリ領域に生成する検索データテーブル生成手段と、上記検索データテーブルのデータ特性を記述したデータ特性テーブルをサーバ側のメモリ領域に生成するデータ特性テーブル生成手段と、上記検索データテーブル及び上記データ特性テーブルの項目を直列化するとともに連結して、転送データを生成する転送データ生成手段と、上記転送データの特性に応じて転送データを圧縮する圧縮手段と、上記転送データの先頭に、上記転送データの特性及び圧縮方法に関する制御情報を付加する制御情報付加手段として機能し得る転送データ処理プログラムを記録が記録されている。また、上記クライアント機側に適用されることにより、圧縮された転送データを解凍するデータ解凍手段と、解凍された転送データ及び制御情報から、検索データテーブル及びデータ特性テーブルをクライアント機側のメモリ領域に再生するデータテーブル再生手段と、再生された上記検索データテーブル及び上記データ特性テーブルから検索データを読み出す検索データ読出手段として機能し得る転送データ処理プログラムが記録されている。
【0040】
本願の請求項10に記載した発明は、上記サーバ側に適用されることにより、上記転送データ及び制御情報を通信回線に出力してクライアント機側に転送するデータ転送手段として機能する転送データ処理プログラムを記録してあることを特徴とするものである。サーバ等に標準で装備されていない独自の通信手段を介してデータ転送を行う場合に対応するものである。
【0041】
本願の請求項11に記載した発明は、サーバ側に適用されることにより、1又は2以上のデータ圧縮手段と、上記転送データのデータ特性に応じて上記圧縮機能のうちから選択した圧縮機能を適用し、あるいは圧縮機能を適用しないことを判断するデータ分析手段として機能する転送データ処理プログラムを記録してあることを特徴とする。
【0042】
本願の請求項12に記載した発明は、クライアント機側に適用されることにより、クライアント機において生成される検索指令を直列化して検索指令データを生成する検索指令データ生成手段として機能し、サーバ側に適用されることにより、転送された上記検索指令データをデータベースを作動させる検索指令に変換する検索指令再生手段として機能する転送データ処理プログラムを記録してあることを特徴とする。
【0043】
本願の請求項13から請求項15に記載した発明は、テーブル形式のデータを転送し合う独立した一対のマイクロサーバを備えて構成されるデータ転送システムに係るものである。
【0044】
上記マイクロサーバをクライアント機側及びデータベースサーバ側に各々設けることにより、クライアント機及びデータベースサーバの負担を増加させることなく本願発明のデータ転送方法を実施できる。しかも、クライアント機側の一つのマイクロサーバに複数のクライント機を接続するとともに、データベースサーバ側のマイクロサーバに複数のデータベースサーバを接続することもできる。
【0045】
上記マイクロサーバ間の通信回線、上記マイクロサーバと上記データベースサーバとの間の通信回線、上記クライアント機と上記クライアント機側マイクロサーバ間の通信回線は特に限定されることはない。たとえば、上記マイクロサーバ間のデータ転送をインターネット等の広域ネットワーク介して行う一方、クライアント機側マイクロサーバと各クライアント機との間の間のデータ転送をLANを介して行うことができる。また、すべての装置をインターネットを介して接続しても効果を期待できる。たとえば、国内のネットワークのデータ転送には問題がないが、他国にデータを転送する通信回線のバンド幅が小さい場合に効果が期待できる。
【0046】
本願の請求項13に記載した発明は、データベースを格納したデータベースサーバに接続されるデータベース側マイクロサーバと、クライアント機に接続されるクライアント側マイクロサーバとを備えて構成され、ネットワーク及びこれらマイクロサーバを介して、上記データベースサーバと上記クライアント機とがテーブル形式のデータを交換できるように構成したデータ転送システムでに関するものである。上記データベース側マイクロサーバは、演算装置と、記憶装置と、上記データベースサーバ及び上記ネットワークに対してデータを入出力できるデータ入出力装置とを備えるとともに、上記クライアント側マイクロサーバから入力される検索指令データをデータベースを作動させる検索指令に変換する検索指令生成プログラムと、データベース検索によって得られるデータから構成される検索データテーブルを上記記憶装置に生成する検索データテーブル生成プログラムと、上記検索データテーブルを構成するデータのデータ特性を配列して構成されるデータ特性テーブルを上記記憶装置に生成するデータ特性テーブル生成プログラムと、上記検索データテーブル及び上記データ特性テーブルを構成する各項目のデータを直列化するとともに連結して、転送データを生成する転送データ生成プログラムと、上記転送データに応じて圧縮を行うデータ圧縮プログラムと、上記転送データの特性及び圧縮方法に関する制御情報を付加する制御情報付加プログラムと、上記データベースサーバとの間でデータ交換を行うデータ交換プログラムと、上記ネットワークを介して上記クライアント側マイクロサーバとの間で情報交換できるデータ転送受信プログラムとが格納されている。
【0047】
一方、上記クライアント側マイクロサーバは、演算装置と、記憶装置と、上記クライアント機及び上記ネットワークに対してデータを入出力できる入出力装置とを備えて構成される。そして、上記クライアント機から与えられる検索指令を直列化して上記検索指令データを生成する検索指令データ生成プログラムと、上記サーバ側マイクロサーバから受信した転送データを解凍する解凍プログラムと、解凍された転送データ及び制御情報から、検索データテーブル及びデータ特性テーブルを上記記憶装置に再生するデータテーブル再生プログラムと、再生された検索データテーブル及びデータ特性テーブルから検索データを読み出す検索データ読出プログラムとが格納されている。
【0048】
本願の請求項14に記載した発明は、上記クライアント側マイクロサーバには、上記検索指令データを圧縮できるデータ圧縮プログラムが格納されている一方、上記サーバ側マイクロサーバには、上記圧縮された検索指令データを解凍できるデータ解凍プログラムが格納されているものである。
【0049】
本願の請求項15に記載した発明は、上記データ圧縮プログラムには、1又は2以上のデータ圧縮機能と、転送されるデータの特性に応じて上記データ圧縮機能のうちから選択したデータ圧縮機能を適用し、あるいはデータ圧縮機能を適用しないことを判断するデータ分析機能とが含まれるものである。
【0050】
本願発明に係るデータベースの種類、構成は特に限定されることはなく、クライアント機の検索指令に基づいてテーブル形式のデータを抽出できる種々のデータベースに適用することができる。また、上記サーバ上のデータベースのアクセス処理実行機能、これを行わせる使用言語等によって制限されることもなく、種々の機能、言語を採用するデータベースサーバに適用できる。
【0051】
【発明の実施の形態】
本実施の形態は,従来のリレーショナルデータベースシステムに、本願発明に係るデータ転送方法を、ミドルウエアとして組み込んだものである。ミドルウエアは、一般に基本ソフトウエアの機能を有効に使用し、あるいはソフトウエア開発の支援を行うためのソフトウエアである。本実施の形態においては、データベース自体の検索処理手段は、従来のSQL言語に基づく検索処理手段を採用している。上記データベースシステムは、データベースを格納したサーバと複数のクライアント機とをデジタル通信回線及びインターネットを介して接続するとともに、TCP/IPプロトコルを基本としたデータ受信転送処理手段を採用している。
【0052】
第1図にデータベース検索システムの機器構成を示す。本実施の形態に係るデータベース検索システム1は、データベース2を有するサーバ3と、複数のクライアント機4とを、ネットワーク5を介して接続することにより構成される。上記ネットワーク5としてインターネットが採用されており、ネットワークまでの接続は、デジタル専用回線10を採用している。
【0053】
本実施の形態では、クライアント機4からの検索指令をデジタル専用回線10及びインターネット5を介してサーバ3に送信し、サーバ3において上記検索指令に基づいてデータベース検索を行い、検索結果をデジタル通信回線10及びインターネット5を介してクライアント機4に転送する。
【0054】
第2図に示すように、サーバ3及びクライアント機4には、データ処理部6,11がそれぞれ設けられている。サーバ側のデータ処理部6は、検索指令に基づいて検索を行う検索処理手段7と、この検索処理手段7によって抽出されたデータをネットワーク5を介してクライアント機4に転送するとともに、クライアント機から転送される検索指令等を受信するデータ受信転送処理手段8と、上記検索処理手段7と上記データ受信転送処理手段8との間に設けられ、検索データ又は受信データを所定の形式に変換して、上記データ受信転送処理手段8又は上記検索処理手段7に引き渡す検索データ処理手段9とを備える。
【0055】
上記検索処理手段7は、データベース2からクライアント機から発信された検索指令に基づいて所定の条件を満たしたデータを抽出する機能を有しており、従来から利用されているSQL言語に基づく検索処理手段を採用している。
【0056】
上記データ受信転送処理手段8は、上記検索データ処理手段9によって変換された検索データをTCP/IPプロトコルに基づいてデジタル回線10及びインタネット5を介してクライアント機4に転送するとともに、クライアント機側からの検索指令情報を受信して、検索データ処理手段9又は検索処理手段7に引き渡す機能を備える。
【0057】
一方、クライアント機側のデータ処理部11は、上記サーバ側のデータ受信転送処理手段8と同じ機能を有するデータ受信転送処理手段12と、入力装置13から入力される検索指令データを処理して上記データ受信転送処理手段12に引き渡すとともに、上記データ受信転送手段12によって受信された検索データから検索指令に基づく出力データを生成し、ディスプレイ等の出力装置14に出力する検索データ処理手段15とを備える。
【0058】
第3図に上記サーバ側の検索データ処理手段9の構成を示す。サーバ側検索データ処理手段9は、データ転送側と、データ受信側とに分類できる複数のデータ処理手段から構成される。データ転送側には、検索データテーブル生成手段16、データ特性テーブル生成手段17、転送データ生成手段18、転送データ分析手段19、制御情報付加手段20、データ圧縮手段21を含まれる。データ受信側には、検索指令再生手段22、データ解凍手段23、データテーブル再生手段24、検索データ読出手段25が含まれる。
【0059】
第4図に上記クライアント機側の検索データ処理手段の構成を示す。クライアント機側データ処理手段15も、上記サーバ側と同様にデータ転送側とデータ受信側とに分類できるデータ処理手段から構成される。データ転送側には、検索指令データ生成手段26、データ圧縮手段27、検索データテーブル生成手段28、データ特性テーブル生成手段29、転送データ生成手段30、転送データ分析手段31、制御情報付加手段32が含まれる。データ受信側には、データテーブル再生手段33、データ解凍手段34、検索データ読出手段35が含まれる。
【0060】
本実施の形態では、データベースの更新を行うために、クライアント機4からサーバ3に対して更新データを転送できるように構成している。上記クライアント機側の処理手段のうち、検索データテーブル生成手段28、データ特性テーブル生成手段29、転送データ生成手段30、転送データ分析手段31、制御情報付加手段32は、クライアント機4からサーバ3に向けてデータの転送を行うために用いられる。
【0061】
一方、第3図に示すように、上記クライアント機側から転送されるデータを受信して処理するするために、サーバ側にデータテーブル再生手段24、検索データ読出手段25を設けている。
【0062】
上記検索データ処理手段9,15における各手段をデータ転送の手順に沿って順に説明する。第5図及び第6図に検索されたデータの転送手順を示す。なお、これらの図では、データベースで検索行程(S101)が行われた以降の手順を示している。上記検索行程S101は、従来と同様の行程で行われる。
【0063】
検索処理手段7によって検索された結果は検索データ処理手段9に引き渡されて、データ特性テーブル生成手段17によってデータ特性テーブルが生成されてメモリ領域に格納されるとともに(S102)、検索データテーブル生成手段16によって検索データテーブルが生成されてメモリ領域に格納される(S103)。上記データ特性テーブルの生成と上記検索データの生成は、同時にあるいは相前後しても問題ない。
【0064】
上記データ特性テーブル及び上記検索データテーブルの一例を第7図及び第8図にに示す。データ特性テーブル36は、検索データテーブル37の各項目のデータ特性を記述した項目から構成されている。なお、第7図に示す例は、内容を理解しやすいように、各項目をデータ内容及び特性の意味を理解できる文字列で構成してあるが、実際は符号等を用いてデータ量を少なくすることができる。たとえば、notnullを0と、nullを1と置き換えてデータ特性テーブル36を構成することができる。
【0065】
次に、転送データ生成手段18によって、上記データ特性テーブル36及び上記検索データテーブル37の各項目を直列化して連結し、転送データを生成する(S104)。第9図に、第7図及び第8図の各データテーブルから転送データ38を生成した場合を示す。この図に示すように、データ特性テーブル36及び検索データテーブル37の各行の項目をそのまま一列状に連結して一つのテキストデータ列が構成されている。なお、第9図では、紙面に表すために4行のデータとなっているが、サーバ内では、一列状に連続したデータである。また、実施の形態のデータには、アルファベットと漢字と数字のテキストデータが混在しているが、テキストデータを構成する言語は限定されることはなく、他の種類のテキストデータが含まれてもよい。
【0066】
上記転送データ38は、転送データ分析手段19によってその特性が分析され、圧縮の要否、データ量、圧縮した場合の解凍量等が決定されて、制御情報39が得られる(S105)。
【0067】
その後、圧縮が必要であると判断された場合には、上記データ圧縮手段21によって上記転送データ38の圧縮が行われてデータ量が減少させられる(S107)。そして、第10図に示すように、制御情報付加手段20によって圧縮転送データ40の頭部に、上記制御情報39が付加される(S108)。本実施の形態では、上記制御情報として、データ量41、圧縮方法42、解凍後のデータ量43及び検索がうまくいかなかった場合等を示すもどり値44が付加される。
【0068】
制御情報39が付加されたデータは、データ受信転送手段8に引き渡され(S109)、TCP/IPプロトコルの手順に従って、一つのテキストデータ列としてクライアント機4に向けて転送される(S110)。上記転送データ9は、一つの文字列から構成されるため、一回の転送手順でクライアント機4に転送することができる。また、各項目間に識別記号等を挿入していないため、従来の転送手法に比べてデータ量が少なくなる。このため、転送時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0069】
第6図に、クライアント側の受信データの処理の手順を示す。サーバ3から転送されたデータはクライアント機4のデータ受信転送処理手段12によって受信される(S201)。受信したデータの制御情報を読み取って、圧縮操作の有無を判断し(S202)、圧縮されている場合には、データ解凍手段34によって第9図に示す列状データ38が再生される(S203)。
【0070】
次に、データテーブル再生手段33によって、上記列状データ38から第7図及び第8図に示すデータ特性テーブル36及び検索データテーブル37が分離生成されるとともに、クライアント機内のメモリ領域に格納される(S204)。これにより、サーバ内で検索した結果と同じデータが、クライアント機内に形成される。
【0071】
そして、検索データ読出手段35を用いて、クライアント機4内の上記データ特性テーブル36及び検索データテーブル37から所望のデータをディスプレイあるいはプリンタ等の出力装置に出力することが可能となる(S205)。
【0072】
本実施の形態では、クライアント機側から転送される検索指令も、直列化した検索データとしてサーバ3に転送するように構成している。このため、第4図に示すように、クライアント機側に検索指令データ生成手段26とデータ圧縮手段27とを設け、検索指令コマンド等を、圧縮した直列化データとしてサーバ3へ転送して検索を行うように構成している。一方、サーバ側の検索データ処理手段9に、上記圧縮された検索指令データを解凍するデータ解凍手段23と、直列化されたデータ列から検索指令を再生する検索指令再生手段22とを設けている。上記検索指令再生手段22によって再生された検索指令が検索処理手段7に引き渡されてデータベース検索が実行される。
【0073】
さらに、クライアント機側からテーブル形式のデータを転送してデータベース2のデータ更新を行うことができるように構成している。すなわち、第4図に示すように、クライアント機側のデータ処理手段15に、サーバ側と同じ、検索データテーブル生成手段28、データ特性テーブル生成手段29、転送データ生成手段30、転送データ分析手段31、制御情報付加手段32を含ませる一方、サーバ側のデータ処理手段9にデータテーブル再生手段24と検索データ読出手段25を含ませている。
【0074】
上記構成によって、クライアント機側からデータベースのデータ更新を行う場合の更新データ転送時間が大幅に短縮できる。
【0075】
第11図に、本願発明の第2の実施の形態を示す。この図には、データベース2a〜2dを備える複数のサーバ3a〜3dを、通信回線10及びインターネット5を介して接続し、これらサーバ間でデータの転送を行う場合の機器構成を示している。
【0076】
各サーバ3a〜3dのデータ処理手段には、上述した実施の形態と同様に、第3図及び第4図に示す各手段を含むデータ処理手段が含まれており、各サーバ間におけるデータのやりとりを直列化したデータで行うように構成している。
【0077】
第12図及び第13図に本願発明の第3の実施の形態を示す。この実施の形態は、データベースサーバ3とネットワーク5との間、及び各クライアント機4とネットワーク5との間にマイクロサーバを45,46を設け、これらマイクロサーバ45,46を介してデータの転送を行うものである。
【0078】
上記マイクロサーバ45,46は、一般的なサーバと同様に、演算装置と、記憶装置と、上記データベースサーバ3及び上記ネットワーク5に対してデータを入出力できるデータ入出力装置とを備える。また、第13図に示すように、マイクロサーバ45,46には、第1の実施の形態において説明した検索データ処理手段9,15と、データ受信転送手段8,12とが設けられている。
【0079】
上記検索データ処理手段9及びデータ受信転送処理手段8においては、第5図に示す手順と同様にデータが処理される。また、上記検索データ処理手段15及びデータ受信転送処理手段12においては、第6図に示す手順と同様にデータが処理される。
【0080】
本実施の形態では、従来のシステムにおけるハードウエア及びソフトウエアを全く変更することなく、本願発明に係るデータの転送方法を実行することができる。このため、データベースサーバ3及びクライアント機4の負担が増加することはない。また、データベースサーバ3及びクライアント機4のメモリ不足等による不都合が生じる恐れもない。
【0081】
第14図に本願発明の第4の実施の形態を示す。この実施の形態では、データベースサーバ3とネットワーク5の間にマイクロサーバ45を設けるとともに、複数のクライアント機4をネットワーク55を介して一つのマイクロサーバ47に接続し、このマイクロサーバ47を上記ネットワーク5に接続している。上記ネットワーク5はインターネット等の広域ネットワークであり、上記ネットワーク55は、たとえば、LANのような限られた領域におけるネットワークである。上記マイクロサーバ45は、上記第13図と同様の機能を備えている。上記マイクロサーバ47は、第13図に示すマイクロサーバ46と同様の機能を備えるとともに、複数のクライアント機に対応できる機能が付加されている。上記マイクロサーバ45,47間においては、上述の実施の形態と同様の手法でデータ転送が行われる。
【0082】
この実施の形態では、一対のマイクロサーバ45,47を採用することにより、複数のクライアント機4に本願発明に係るデータ転送方法を適用することができる。このため、採用コストを低減できる。また、データベースサーバ3及びクライアント機4のハードウエア及びソフトウエアを変更する必要もない。特に、インターネット等の広域ネットワーク5のデータ転送速度が低い場合に高い効果を期待できる。
【0083】
上述したように、本願発明に係るデータ転送方法においては、データベース検索によって得られたデータを、データ特性テーブル及び検索データテーブルとしてメモリ領域に一旦格納した後、これらデータテーブルの項目を直列化して、一つの列状転送データを生成し、この転送データを一回の転送手順で転送できる。このため、転送時間を大幅に短縮できる。
【0084】
また、上記列状データを圧縮することにより、転送データ自体のデータ量を減少させ、データ転送に要する時間をさらに短縮することができる。この結果、バンド幅の狭い通信回線を利用した場合や、回線が混んでいる場合等においても、データベース検索のレスポンスタイムが大幅に短縮できる。
【0085】
しかも、従来の検索手法、通信手段等を変更することなくデータベース検索を行うことができる。このため、従来のデータベース検索と全く同様の操作でデータベース検索を行うことができる。
【0086】
本願発明は、上述した実施の形態に限定されることはない。実施の形態では、データ受信転送処理手段8としてTCP/IPプロトコルを用いた通信手段を採用したが、その他のプロトコルを採用した通信手段を採用することもできる。
【0087】
また、実施の形態では、データ受信転送処理手段8と検索処理手段7との間において、ミドルウエアとして設けられる検索データ処理手段9に本願発明を適用したが、上記データ受信転送処理手段8又は上記検索処理手段7と一体化したプログラムとして適用することもできる。さらに、上記データベースサーバ3に付属する検索処理手段7及び上記データ受信転送処理手段8と一体化した総合的なデータベース検索プログラムとして適用することもできる。
【0088】
また、実施の形態では、通信回線10及び広域ネットワークであるインターネット5を介してデータを転送したが、社内LAN等によって接続されるデータベースサーバ・クライアントシステムにも、本願発明を適用することができる。
【0089】
また、実施の形態では、テキストデータのみから構成される検索データテーブルの転送に本願発明に係る転送方法を適用したが、画像、音声等他の形態のデータ特性を有するデータ項目から構成される検索データテーブルの転送処理にに本願発明を適用することもできる。
【0090】
また、実施の形態では、検索指令を検索データテーブルの転送と同様の手法でサーバに転送したが、検索指令を従来のデータベースと同様の転送方法でサーバに転送して検索操作を行うこともできる。
【0091】
また、データベースの種類、概念も特に限定されることはなく、格納した領域からデータを抽出する機能を有するものはすべて含まれる。また、抽出したデータのみに限定されることもなく、データの全てを他のコンピュータ等に転送する場合にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の図1の実施の形態を示す図であり、データベース検索システムの機器構成を示す図である。
【図2】図1におけるサーバ側及びクライアント機側に設けられるデータ処理部のブロック図である。
【図3】第2図におけるサーバ側の検索データ処理手段のブロック図である。
【図4】図2におけるクライアント機側の検索データ処理手段のブロック図である。
【図5】サーバ側のデータ処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】クライアント機側のデータ処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】データ特性テーブルの一例を示す図である。
【図8】検索データテーブルの一例を示す図である。
【図9】転送データの形態を示す図である。
【図10】圧縮された転送データに制御情報を付加したデータの形態を示す図である。
【図11】本願発明の第2の実施の形態を示す図であり、データベースを備える複数のサーバ間のデータ転送を行う場合の機器構成を示す図である。
【図12】本願発明の第3の実施の形態の機器構成を示す図である。
【図13】図12に示す実施の形態の機能を示すブロック図である。
【図14】本願発明の第4の実施の形態の機器構成を示す図である。
【符号の説明】
S102 データテーブル生成行程
S103 データテーブル生成行程
S104 転送データ生成行程
S108 制御データ付加行程
S110 データ転送行程
S203 データテーブル再生行程
S204 データ読み出し行程
Claims (15)
- クライアント機と、データベースを格納したサーバとを通信回線を介して接続し、上記クライアント機から上記サーバに転送される検索指令に基づいて上記データベースの検索を行い、得られたテーブル形式のデータを、上記サーバから上記クライアント機に転送するデータ転送方法であって、
上記サーバ側に設けたメモリ領域に、検索されたデータから構成される検索データテーブルと、この検索データテーブルを構成するデータのデータ特性を配列して構成されるデータ特性テーブルとを生成するデータテーブル生成行程と、
上記データ特性テーブル及び上記検索データテーブルを構成する各項目のデータを直列化するとともに連結して転送データを形成する転送データ生成行程と、
上記転送データの圧縮を行うデータ圧縮行程と、
上記転送データの先頭に、転送データの特性及び圧縮方法に関する制御情報を付加する制御情報付加行程と、
上記転送データを上記制御情報とともにクライアント機に転送するデータ転送行程と、
上記クライアント機側において、受信した転送データの解凍を行う転送データ解凍行程と、
上記クライアント機側に設けたメモリ領域に、解凍した転送データからデータ特性テーブル及び検索データテーブルを再生するデータテーブル再生行程と、
再生された上記データ特性テーブル及び上記検索データテーブルから所定のデータを読み出すデータ読み出し行程とを含む、データ転送方法。 - 上記転送データのデータ特性に応じて圧縮方法を選択する圧縮判断行程を含む、請求項1に記載のデータ転送方法。
- 上記データベースから抽出されるデータテーブルの各項目、及び上記データ特性テーブルの各項目がテキストデータである、請求項1又は請求項2のいずれかに記載のデータ転送方法。
- 上記データベースから抽出される検索データテーブルの項目に、テキストデータ以外のデータ項目が含有される、請求項1から請求項3のいずれかに記載のデータ転送方法。
- クライアント機において、検索指令を直列化する検索指令データ生成行程と、
上記検索指令データをサーバに転送する検索指令データ転送行程と、
サーバにおいて、上記検索指令データをデータベースを作動させる検索指令に変換する検索指令再生行程とを含む、請求項1から請求項4のいずれかに記載のデータ転送方法。 - 複数のクライアント機から検索指令を受けるマイクロサーバと、データベースを格納したメインサーバとを通信回線を介して接続し、上記検索指令を上記マイクロサーバを介して上記メインサーバに転送するとともに、上記データベースから検索したテーブル形式のデータを上記マイクロサーバを介して上記クライアント機に転送するデータベース検索方法であって、
上記メインサーバ側において、
抽出したデータから構成される検索データテーブルと、この検索データテーブルを構成する各データのデータ特性を配列して構成されるデータ特性テーブルとを生成してメモリ領域に格納し、
これら検索データテーブル及びデータ特性テーブルを構成する各項目のデータを直列化するとともに結合して転送データを生成し、
上記転送データの特性に応じて上記転送データを圧縮し、
上記転送データの先頭に転送データの特性及び圧縮方法に関する制御情報を付加して上記マイクロサーバに転送する一方、
上記マイクロサーバ側において、
受信した転送データの解凍を行い、
上記転送データから上記データ特性テーブル及び検索データテーブルを再生してメモリ領域に格納し、
これらデータ特性テーブル及び検索データテーブルから所定のデータを読み出し、上記検索指令を発したクライアント機に転送する、データベース検索方法。 - 上記マイクロサーバは、上記クライアント機からの検索指令を直列化した検索指令データを生成して上記メインサーバに転送する一方、
上記メインサーバは、転送された上記検索指令データを検索を行う検索指令に変換してデータベース検索を行う、請求項6に記載のデータベース検索方法。 - データベースを格納した複数のサーバを通信回線を介して接続し、これらサーバ間でテーブル形式のデータの転送を行うデータベースにおけるデータ転送方法であって、
一のサーバにおいて、
他のサーバからの検索指令に基づいて抽出したデータから構成される検索データテーブルと、この検索データテーブルを構成する各データのデータ特性を配列して構成されるデータ特性テーブルを生成してメモリ領域に格納し、
これら検索データテーブル及びデータ特性テーブルを構成する各項目のデータを直列化するとともに結合して転送データを生成し、
上記転送データの特性に応じて上記転送データを圧縮し、
上記転送データの先頭に転送データの特性及び圧縮方法に関する制御情報を付加して他のサーバに転送する一方、
上記他のサーバにおいて、
受信した転送データを解凍し、
上記転送データから上記データ特性テーブル及び検索データテーブルを再生するとともにメモリ領域に格納し、
これらデータ特性テーブル及び検索データテーブルから所定のデータを読み出して所定の処理を行うように構成した、データ転送方法。 - クライアント機側からの指令に基づいてサーバ側データベースから検索したテーブル形式のデータを上記クライアント機側に転送するプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
上記サーバ側に適用されることにより、
検索によって抽出される検索データテーブルをサーバ側のメモリ領域に生成する検索データテーブル生成手段と、
上記検索データテーブルのデータ特性を記述したデータ特性テーブルをサーバ側のメモリ領域に生成するデータ特性テーブル生成手段と、
上記検索データテーブル及び上記データ特性テーブルの項目を直列化するとともに連結して、転送データを生成する転送データ生成手段と、
上記転送データの特性に応じて転送データを圧縮する圧縮手段と、
上記転送データの先頭に、上記転送データの特性及び圧縮方法に関する制御情報を付加する制御情報付加手段として機能し、
一方、上記クライアント機側に適用されることにより、
圧縮された転送データを解凍するデータ解凍手段と、
解凍された転送データ及び制御情報から、検索データテーブル及びデータ特性テーブルをクライアント機側のメモリ領域に再生するデータテーブル再生手段と、
再生された上記検索データテーブル及び上記データ特性テーブルから検索データを読み出す検索データ読出手段として機能し得る転送データ処理プログラムを記録してあることを特徴とする、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - 上記サーバ側に適用されることにより、上記転送データ及び制御情報を通信回線に出力してクライアント機側に転送するデータ転送手段として機能する転送データ処理プログラムを記録してあることを特徴とする、請求項9に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
- サーバ側に適用されることにより、
1又は2以上のデータ圧縮手段と、
上記転送データのデータ特性に応じて上記圧縮機能のうちから選択した圧縮機能を適用し、あるいは圧縮機能を適用しないことを判断するデータ分析手段として機能する転送データ処理プログラムを記録してあることを特徴とする、請求項9又は請求項10のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - クライアント機側に適用されることにより、
クライアント機において生成される検索指令を直列化して検索指令データを生成する検索指令データ生成手段として機能し、
サーバ側に適用されることにより、
転送された上記検索指令データをデータベースを作動させる検索指令に変換する検索指令再生手段として機能する転送データ処理プログラムを記録してあることを特徴とする、請求項9から請求項11のいずれかに記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - データベースを格納したデータベースサーバに接続されるデータベース側マイクロサーバと、クライアント機に接続されるクライアント側マイクロサーバとを備えて構成され、ネットワーク及びこれらマイクロサーバを介して、上記データベースサーバと上記クライアント機とがテーブル形式のデータを交換できるように構成したデータ転送システムであって、
上記データベース側マイクロサーバは、
演算装置と、記憶装置と、上記データベースサーバ及び上記ネットワークに対してデータを入出力できるデータ入出力装置とを備えるとともに、
上記クライアント側マイクロサーバから入力される検索指令データをデータベースを作動させる検索指令に変換する検索指令生成プログラムと、
データベース検索によって得られるデータから構成される検索データテーブルを上記記憶装置に生成する検索データテーブル生成プログラムと、
上記検索データテーブルを構成するデータのデータ特性を配列して構成されるデータ特性テーブルを上記記憶装置に生成するデータ特性テーブル生成プログラムと、
上記検索データテーブル及び上記データ特性テーブルを構成する各項目のデータを直列化するとともに連結して、転送データを生成する転送データ生成プログラムと、
上記転送データに応じて圧縮を行うデータ圧縮プログラムと、
上記転送データの特性及び圧縮方法に関する制御情報を付加する制御情報付加プログラムと、
上記データベースサーバとの間でデータ交換を行うデータ交換プログラムと、
上記ネットワークを介して上記クライアント側マイクロサーバとの間で情報交換できるデータ転送受信プログラムとが格納されている一方、
上記クライアント側マイクロサーバは、
演算装置と、記憶装置と、上記クライアント機及び上記ネットワークに対してデータを入出力できる入出力装置とを備えるとともに、
上記クライアント機から与えられる検索指令を直列化して上記検索指令データを生成する検索指令データ生成プログラムと、
上記サーバ側マイクロサーバから受信した転送データを解凍する解凍プログラムと、
解凍された転送データ及び制御情報から、検索データテーブル及びデータ特性テーブルを上記記憶装置に再生するデータテーブル再生プログラムと、
再生された検索データテーブル及びデータ特性テーブルから検索データを読み出す検索データ読出プログラムとが格納されている、データ転送システム。 - 上記クライアント側マイクロサーバには、上記検索指令データを圧縮できるデータ圧縮プログラムが格納されている一方、
上記サーバ側マイクロサーバには、上記圧縮された検索指令データを解凍できるデータ解凍プログラムが格納されている、請求項13に記載のデータ転送システム。 - 上記データ圧縮プログラムには、
1又は2以上のデータ圧縮機能と、
転送されるデータの特性に応じて上記データ圧縮機能のうちから選択したデータ圧縮機能を適用し、あるいはデータ圧縮機能を適用しないことを判断するデータ分析機能とが含まれる、請求項13又は請求項14のいずれかに記載のデータ転送システム。
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