JP3598100B2 - 有機廃棄物を含有する水の芳香族アミン硝酸塩による処理 - Google Patents
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Description
【発明の背景】
湿式空気酸化は産業および都市の廃水流からCODおよびBODを除去するための周知の処理方法である。これらの方法には酸素、硝酸アンモニウムまたは硝酸のような酸化源と、廃水流を高い温度および圧力で接触させて汚染物質を酸化することを含む。炭素質の物質はほとんど二酸化炭素に転化される。有機窒素化合物または他の源泉に由来して存在する窒素は窒素ガスに転化される。
【0002】
湿式酸化法は以下の参考文献に説明されている。
Proesmans, Luan and Buelow of Los Alamos National Laboratory (Ind. Eng. Chem. Res. 1997, 36 1559〜1566)は、酸化剤として硝酸アンモニウムを使用して廃水流から有機化合物を除去する高温高圧(500℃/345バール)の水熱酸化法を報じている。メタノールおよびフェノールの酸化では、著者は、酸化可能な炭素が過剰に存在しない限り、流出物中のNOxが問題になるであろうことを報告している。NOxの生成を回避しまた炭素成分を減少させて二酸化炭素にするために、過酸化水素を使用するポリッシング工程が推奨される。
【0003】
GB 1,375,259には、HNO3および/または硝酸塩を酸化剤として使用して、炭素および窒素を含有する物質を150℃と水の臨界温度との間の温度でガス状反応生成物に湿式酸化することが開示されている。好ましい酸化剤はNH4NO3であり、これは反応媒体から完全に消失する。実施例VIIには、カプロラルタム、アミノカプロン酸のナトリウム塩および硫酸ナトリウムの廃水流を300℃および15バールで硝酸で処理することが示されている。特許権者は反応混合物をゆっくり加熱すると反応体混合物の腐食性が低下することを報じている。
【0004】
US 4,654,149には、硝酸アンモニウムを250℃で60分間分解する湿式酸化法にチタニア担体上に支持された貴金属触媒を使用することが開示されている。空気の存在なしで、硝酸アンモニウムおよび亜硝酸アンモニウムの双方の約50%から99%の分解が達成される。別な実施例では、必要量の酸素の0.2倍の酸素を用いるフェノールの湿式酸化が示されている。
JP 61 257,291には、支持された貴金属触媒を用い、アンモニア分解に要する化学量論的な酸素の1.0〜1.5倍によって、硝酸アンモニウム廃水がpH3〜11.5、温度100〜370℃で、触媒湿式酸化されることが開示されている。
【0005】
US 5,118,447には、硝酸塩または亜硝酸塩の水溶液の熱化学的な硝酸塩分解の方法が開示されている。この水溶液は、pHに応じてギ酸またはギ酸塩の化学量論的な量と接触される。湿式酸化は元素状窒素および二酸化炭素を生成するように液相で200〜600℃に加熱することにより実施される。反応は0〜14のpH範囲で実施されることができる。
【0006】
US 5,221,486には廃水流中に存在する窒素化合物の種類が同定されまた定量化されている場合の脱窒素法が開示されている。酸化されたまた還元された形の窒素のバランスが図られ、次いでアンモニアまたは亜硝酸塩もしくは硝酸塩化合物のような適切な窒素含有反応体が添加されそして脱窒素を行う圧力下で混合物が300〜600℃に加熱される。
【0007】
US 5,641,413には、炭素質の化合物種および窒素の化合物種を含有する廃水の2段階湿式酸化が開示されている。第1段階で373℃より低い温度および液体の水相を維持するのに十分な圧力でCODが湿式酸化によって除去される。残留する窒素化合物は、アンモニア−窒素、亜硝酸塩−窒素と硝酸塩−窒素の濃度を本質的に同じにしまたCODの低下した廃水流を生成するのに十分な無機窒素を含有する化合物を酸化された廃水に添加することにより第2段階で窒素に転化される。pHを4〜7にするように、酸化された廃水に鉱酸が添加される。場合によっては、熱的脱窒素工程を触媒するために遷移金属塩が添加される。最後の工程は100〜300℃で実施され窒素化合物が分解される。
【0008】
D. LeavittらはEnvironmental Progress 9 (4), 222〜228(1990)およびEnviron. Sci. Technol. 24 (4), 556〜571(1990)中で、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸、アトラジンおよびビフェニルが硝酸アンモニウムでの均質液相酸化によってCO2および他の無害なガス(N2およびN2O)に転化されたことを報告している。これらの反応はポリリン酸中に物質を溶解し、硝酸アンモニウムを添加し次いで約260℃にある時間加熱することにより実施された。このプロセスは、硝酸アンモニウムが良好な酸化剤であることを明らかに示すが、これは、1,000〜10,000ppmのTOCを含有する廃水流を処理するのに適した方法ではない。
【0009】
【発明の概要】
本発明は、脱窒素剤として硝酸塩を添加することにより有機炭素および有機または無機窒素を含有する汚染物を廃水流から除去する熱的または湿式酸化方法の改良に関する。この改良は主たる脱窒素源として脂肪族もしくは芳香族アミンまたはこれら双方の硝酸塩を廃水流に添加することにより、有機または無機の窒素を含有する汚染物を実質的に除去しまた有機炭素を部分的に除去することである。本方法は窒素を含有する汚染物を実質的に除去するために低温度および低圧力で操作されることもできる。残留炭素は低温の化学的酸化、活性炭、または生物処理によって除去することができる。硫黄または燐を含有する汚染物で汚染された廃水流は、液体のpHは1.5〜8また好ましくは1.5〜4の範囲にアルカリ金属での調整によって維持される。
【0010】
本方法は、
流入する廃水例えば、トルエンの混合酸ジニトロ化またはアニリンの混合酸ニトロ化の工程から得られるpHが低い(1.5〜2.5)廃水を目立った腐食を惹起することなく処理できること、
比較的低い温度および圧力での2段階工程操作によって炭素および窒素を含有する汚染物を除去できること、
例えば高濃度硫酸塩の強い酸性条件下で操作し、また硝酸塩の優れた除去を実施できること、
低pH条件下で操作しつつ腐食作用を軽減できること、および
酸化還元がほとんど均衡した条件下で硝酸塩とアンモニアのレベルを短時間で低下できること
を含めていくつかの利点を提供することができる。
【0011】
【発明の詳述】
硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩および有機汚染物を含有する廃水流をアンモニアで処理するいくつかの方法はすでに述べられている。これらのプロセスではアンモニウムイオン(つまり、硫酸アンモニウム由来の)は、硝酸塩(または亜硝酸塩)イオンと反応する主な還元剤として働き主として窒素を生成する。一般に少量存在する有機炭素は二酸化炭素にほとんど完全に酸化される。
【0012】
窒素を含有する汚染物を廃水流から除去しまた全有機含有量(TOC)を減少させるために、脂肪族および芳香族のアミンの硝酸塩を使用すると酸化剤として硝酸塩を使用する湿式酸化法に改良がもたらされることが見いだされている。USSN 09/813,391には、脱窒素およびTOC除去が高温度で操作される単一段階で実施できることが示されている。この発明では、脱窒素およびTOC除去が低圧、低温の2段階方式によって実施できることが分かった。
【0013】
好適な硝酸塩の例には、C1〜C4のアルキルアミン、例えばメチルアミン、エチルアミン、ブチルアミンの;ならびにシクロヘキシルジアミン、シクロヘキシルアミン、メチルシクロヘキシルアミンおよびメチルシクロヘキシルジアミンのような環状脂肪族アミンの硝酸塩がある。芳香族アミンの好適な硝酸塩の例には、アニリンの硝酸塩およびトルエンジアミン例えばメタおよびオルト異性体の硝酸塩がある。
【0014】
このようにして、TOCを含めて硝酸塩および亜硝酸塩が、トルエン−モノアンモニウム硝酸塩およびジアンモニウム硝酸塩またはアニリン硝酸塩のような脂肪族または芳香族アミンの塩で熱処理することにより廃水流から除去することができる。芳香族または脂肪族アミンを使用すると、これらが、アンモニアより良好な脱窒素剤として作用することができ、特に硫酸塩または燐酸塩の存在で使用する時にそうであるという利点がある。トルエン−ジアンモニウム硝酸塩を示すと以下の通りである。
【化2】
【0015】
本工程に際して、トルエンジアミン塩つまり2,4−および2,6−異性体そしてまたオルトトルエンジアミン異性体すなわち3,4−および4,5−異性体のような芳香族アミンの硝酸塩は以下の化学式に従って、分解し二酸化炭素と窒素ガスを主として生成するであろう。
【化3】
【0016】
上記の化学式に示すように、トルエンジアミン(TDA)の硝酸塩によって窒素ガスに硝酸塩を分解するには、酸が、方法中に消尽されることが必要である。従って、反応が進行するにつれ、受容できる反応速度を確保するために反応媒体に酸を添加することが必要であろう。連続的方法において、本方法に対して酸性度を付与する簡便なやり方は下記の式
2.5 (NH4)2SO4+3 NaNO3→4 N2+9 H2O+0.5 Na2SO4+2HNaSO4
に示すように少量の硫酸アンモニウム(2.2〜4.7g/l)を添加して酸性度を生じさせることである。
別な代替法は半バッチ法として硫酸を反応器に供給することにより酸性度を付与することである。供給物には硫黄を含有する他の化合物が存在する。この化合物は必要な酸性度を供給するであろう。
【0017】
硝酸塩の除去を最大にするには、強い酸性条件下で操作するのが必要であるので、金属容器の腐食が起きるであろう。しかしながら、ステンレス鋼反応器の腐食を防止するのに役立つ2つの因子がある。これらの1つは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属陽イオンで強酸由来の陰イオンをバランスさせるまたは部分的にバランスさせることからなる。他の1つは、有機還元剤の酸化的分解に際して発生する有機副生物のいくつかによって供与される腐食防止効果に基づく。これらの特質は米国特許第6,332,986号および受理日が2000年、9月11日である同時係属中の出願USSN 09/659,055中に示され、それぞれの主題は参照によって本記載に加入されている。
【0018】
米国特許第6,332,986号は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属イオン(M)を適切に添加することにより約1.5〜8のpH範囲そして好ましくは約1.5〜4のpH範囲で上記プロセスを操作することを開示している。特に、M/SO4 −2の比は0.1〜4、好ましくは0.2〜1、最も好ましくは0.4〜0.7に保持され、また湿式酸化に際してはM/SO4 −2の比0.1〜2、好ましくは0.2〜0.67に保持される。計画された工程流出物がその中にいくらかの残留炭素化合物を有する操作を許容するとき、M/SO4 −2が<0.4のより小さい比が許される。大きな比は反応速度を低下させる。
【0019】
USSN 09/659,055は、硝酸塩1モルあたり0.06〜0.17モルのモル比の酢酸塩イオンを与えるように有機物質を添加することを、あるいは別法では、湿式酸化工程で酢酸塩に転化可能な有機物質を廃水流が含有するなら硝酸塩1モルあたり少なくとも0.06モルの量の酢酸塩イオンを与えるのに十分な有機物質の水準を維持することを提案した。酢酸塩イオンに転化可能な有機物質を添加または維持すると、pH値が4またはそれ以下のとき腐食を減少するのを助ける腐食防止剤または緩衝剤として作用する。
【0020】
本発明では、有機の炭素および窒素を含有する汚染物、特に硝酸塩を含有する形態の汚染物の除去を所望の水準まで実施する湿式酸化法の第1の工程では、廃水流中に存在する酸化可能および還元可能なすべての化学種の酸化特性と還元特性とを均衡させることが必要である。有機または無機の窒素含有化学種はすべて、ほとんど窒素だけを生成するが少量の亜酸化窒素ガスも生成し、また炭素含有化学種はすべてほとんど二酸化炭素だけを生成する。酸化可能な化学種のあるものは硝酸塩除去過程に参与しないガス状生成物(例えばメタン、エチレンなど)まで分解するであろうから、廃水流を均衡させることは、流入する廃水の化学量論的均衡を達成することをかならずしも意味しない。
【0021】
本発明の方法の第2の工程には、湿式酸化法で窒素をかなり減少する際に、a)酢酸および/またはエステル、アミド、塩などのような酢酸の誘導体;またはb)酸化時に酢酸またはその誘導体の前駆体である炭素質化合物の形で、炭素質物質が工程条件下で溶液中に十分残留するように有機化合物種をバランスさせることが含まれる。典型的に、硝酸塩に対する酢酸塩のモル比は0.06:1より小さくならないように保持される。
【0022】
有機の炭素および窒素を含有する汚染物の除去を単一の段階で実施すべきであるなら、湿式酸化は臨界温度近く、典型的には300〜373℃および流入物および流出物の双方について液相として挙動するのに十分な圧力で実施される。全部の有機炭素を1段階で除去することが不要であるなら、180〜300℃、好ましくは230〜280℃のより低い温度が用いられることができる。高い温度が用いられるとき、圧力は3000psig(20,786kPa)を越えてよく、また低い温度が用いられるとき圧力は900〜1500psig(6,307〜10,444kPa)の範囲であってよい。ガス相の条件があるなら、廃水の酸化生成物中の塩が沈殿しそして反応器の閉塞を惹起するであろう。従って、圧力が調整される。
【0023】
窒素含有汚染物の除去が目的であるなら、特に例えば硝酸アンモニウムの使用とは対照的に酸化性成分として芳香族アミンの硝酸塩を使用すると、低温脱窒素、従って低圧力が可能である。、180〜約300℃、好ましくは230〜280℃の温度が用いられることができる。従って、液相条件下で湿式酸化を実施するために圧力を低下することができる。
【0024】
より低い温度での湿式酸化法によって除去されない炭素含有汚染物は慣用の方法で除去することができる。この方法には、過酸化水素または他の酸化性源泉による酸化または活性炭による除去がある。過酸化水素での除去は、周囲温度(20〜40℃)でFentonの試薬(過酸化水素およびFe2+)を使用することにより普通実施される。あるいは別に、残存する有機物を、使用する酸化性源泉に応じて20〜600℃の範囲の温度で酸化するために、過酸化水素、圧縮空気(または酸素)あるいはオゾンを使用する湿式空気酸化が用いられることができる。2段階法の利点は、汚染物の除去を実施するために費用がより少ない低圧装置が使用されることができ、またエネルギー費用が減少するであろうことである。
【0025】
要するに、廃水処理のための低圧での操作は主要な2つの段階からなる。第1の段階では、廃水はある温度例えば280℃で脱窒素され、TOCをなおいくらか含有する流出物が得られる。この段階に際して、硝酸塩(窒素)はほとんど定量的に除去され(少なくとも90%)、またその組成に応じてTOCが著しく低減される(50〜80%)。残留する炭素は第2段階において除去される。特に、流出物は空気、酸素または過酸化水素のような酸化剤の存在で低い温度、例えば280℃および低い圧力例えば900〜1500psig(6307〜10,444kPa)で熱処理されることができる。あるいは別に、脱窒素された流出物は、周囲の温度および圧力で吸収剤(つまり活性炭)とまたは生物体と接触させ、残留する有機汚染物を除去しまたは分解させることができる。2段階法を以下に説明する。
【0026】
【化4】
【0027】
物理的方法のうち、炭素への吸着が工業上で使用される最も普通な方法である。炭素は円筒状物内にある顆粒状炭素としてまたは活性化スラッジ装置に加えられる粉末状炭素として使用することができる。炭素は糖およびアルコールのような低分子量の可溶性化合物は別として、ほとんどの有機物質を除去することができる。一般に炭素上に最も良く吸着する有機化合物は生物分解性が劣悪であるが、炭素上への吸着が劣悪である有機化合物は最も良く生物分解される。顆粒状炭素の再生は酸、苛性アルカリ、溶媒、水蒸気または熱を用いて実施することができる。異なる有機成分の混合物を含有する廃水については、熱的再生が最も普通に用いられる。これは、炉床が複数ある加熱炉または流動床加熱炉を使用して典型的に実施される。摩耗および酸化による減耗は5〜10重量%の範囲にある。さらに、特に低分子量有機物のための能力低下がしばしばある。
【0028】
別法として、TOCを減少するために脱窒素された廃水の化学酸化を適用することができる。有機汚染物はCO2およびH2Oにあるいは最終的に非毒性で生物分解性である中間体生成物へ酸化することができる。最も普通な酸化剤はオゾン、通常Fe2+によって触媒される過酸化水素そしていくつかの場合は二酸化塩素ならびに紫外線である。先進的な酸化系には過酸化水素/紫外線、オゾン/紫外線および過酸化水素/オゾン/紫外線がある。圧縮された酸素または空気を使用する300℃を越える温度での熱的湿式空気酸化もまた用いることができるが、2000psig(13,891kPa)を越える圧力で操作できる特別な装置が必要なことが不利である。
【0029】
生物分解性有機物を除去するために生物学的処理もまた用いることができる。この操作に先立って平衡化およびpH調整が必要である。平衡化段階の目的は、産業廃水を好都合に処理するために廃水の流れまたは濃度の変動を低減することである。生物学的廃水処理は6〜9のpHを典型的に必要とする。石灰または水酸化による中和はその費用が安いので苛性アルカリより好ましい。石灰岩床は操作が簡単であり、酸性が中程度である廃水に適用可能である。酸性が高い廃水は2段階でpH調整される。第1段階でpHが3.0〜3.5に調整され、そして第2段階でpHが6.5〜7.5に調整される。強度のより低い廃水には好気性処理が適用されるが、強度の高い廃水に対しては嫌気性処理が予備処理として用いられる。プロセスの選定は有機物の濃度および処理すべき廃水の体積の双方に依存する。生物学的処理の目的は生物分解性有機物を除去するためである。好気性生物学的処理方法では、有機物の除去は生物分解、ストリッピングまたは生物学的フロック上での収着を通じて行うことができる。有機物の生物分解に際しては、除去される有機物の約半分がCO2およびH2Oに酸化されまた半分がバイオマスに合成される。除去される有機物の3〜10%は可溶性の微生物生成物になる。分解可能なVOCは分解するとともに溶液からストリップされるであろう。ストリッピングされる百分率は曝気槽における動力水準または曝気装置の種類によるであろう。いくらかの有機物もまた生物学的フロック上に吸着されるであろう。
【0030】
以下の実施例は、様々な態様を例示しそして還元および酸化を反応の半分にバランスさせるように誘導するルールを提供するために示され、また本発明の範囲を限定する意図にはない。
【0031】
【実施例】
実施例1
TDA廃水流中の芳香族硝酸塩の効果
高温除去
廃水流のW1を1340g、W2を410g、W3を1540gそしてW4を715g混合することにより、トルエンを混合酸でニトロ化することにより生成されるジニトロトルエン(DNT)廃水(試料W5)を用意した。
【表1】
【0032】
TDA廃水(W6)(345g)をDNT廃水W5(1155g)と混合して酸性(pH=1.43)のオレンジ色溶液を得た。この溶液をアンモニア(16.93g、5.0N溶液)、硝酸ナトリウム(1.73g、0.02モル)および水酸化ナトリウム(27.2g、5.0N溶液)によって調整してpH=1.65の溶液を得た。
【0033】
DNT/TDA合体廃水を分析すると以下の組成が示された。
【表2】
【0034】
この試料を370℃および3200psig(22,165kPa)で30分間熱処理して以下の組成を有する透明な流出物を得た。
【表3】
【0035】
DNT/TDA合併廃水での硝酸塩除去の可能性は以下の分布にある。
硝酸塩除去可能百分率は、有機炭素を二酸化炭素にまた有機/無機窒素を窒素ガスに完全に転化することを基準として算出した。
【0036】
他のパラメータ:
【表4】
【0037】
本実施例は、ジニトロトルエンのスラリー相触媒水素化によって生成するトルエンジアミン(TDA)廃水からの芳香族アミンを主な還元剤として使用するとき、比較的短時間(連続プロセス、滞留時間=30分)で本質的に完全な硝酸塩除去を実施できることを示す。全有機炭素(TOC)を顕著に減少しつつ廃水からアルミニアもまた完全に除去されることは注目に値した。
【0038】
実施例2
硝酸塩の低減に対する滞留時間の効果
高温除去
本実施例は実施例1と実質的に同じであるが、熱処理をより短い時間で実施した。驚くべきことにすべての硝酸塩とアンモニアとがただの20分で廃水から除去され、全有機含有物(TOC)が著しく低減した。
廃水の組成を下記に示す。
【表5】
【0039】
この試料を370℃で20分熱処理し以下の組成を有する透明で無色の流出物を得た:
【表6】
【0040】
DNT/TDA合体廃水での硝酸塩除去の可能性は以下の分布にある。
硝酸塩除去可能百分率は、有機炭素を二酸化炭素にまた有機/無機窒素を窒素ガスに完全に転化することを基準として算出した。
【0041】
他のパラメータ:
【表7】
【0042】
実施例3
流出物ガス組成に対する熱処理の効果
芳香族アミンの火炎焼却は、環境に有害な窒素酸化物を生成することが知られている。従って、本方法の目的は熱処理に際して発生するガスの組成を知ることであった。NOxは見いだされなかった。
処理中に発生するガスを500mlのステンレス鋼の円筒内に収集しそしてヘリウムで加圧した。試料をガスクロマトグラフィーによって分析しそして較正標準と比較すると以下の組成が示された。
【0043】
【0044】
実施例4
有機還元剤の芳香族アミンの硝酸塩との比較
高温除去
本実施例ではアミン以外の有機還元剤(つまりジニトロ安息香酸(DNBA)、ジニトロクレゾール(DNOC)または酢酸)を還元剤として使用した。
以下の手順に従って、以下の合成的廃水試料を用意した。
操作1の供給物:硝酸アンモニウム(40.0g、0.5モル)を硫酸アンモニウム(7.25g、54.9ミリモル)および酢酸ナトリウム三水和物(8.04g、61ミリモル)とともに水3000ml中に溶解した。この溶液に水酸化アンモニウム(水中の5N溶液)(26.5ml、0.132モル)、水酸化ナトリウム(5.0N)(20ml、0.1モル)、硫酸(12N溶液)(32.2ml、0.1932モル)、ジニトロ安息香酸(7.25g、34.2ミリモル)およびジニトロクレゾール(0.37g、1.86ミリモル)を添加してpHが1.8の深黄色溶液を得た。
【0045】
操作2の供給物:硝酸アンモニウム(40.09g、0.5モル)を硫酸アンモニウム(7.3g、55.3ミリモル)および酢酸ナトリウム三水和物(5.07g、38.4ミリモル)とともに水2952ml中に溶解した。この溶液に水酸化アンモニウム(水中の5N溶液)(28.2ml、0.141モル)、水酸化ナトリウム(5.0N)(20ml、0.1モル)、硫酸(44%)(41.4g、0.18モル)、硫酸ナトリウム(7.71g、58.4ミリモル)、ジニトロ安息香酸(7.20g、33.9ミリモル)およびジニトロクレゾール(0.34g、1.7ミリモル)を添加してpHが1.9の深黄色溶液を得た。
【0046】
操作3の供給物:操作1と同じ合成廃水であるが、370℃および3200psig(22,165kPa)で30分熱処理されていた(滞留時間=30分)。
操作4の供給物:硝酸アンモニウム(40.68g、0.5モル)を硫酸アンモニウム(7.78g、59.0ミリモル)および酢酸ナトリウム三水和物(4.06g、30ミリモル)とともに水2970ml中に溶解した。この溶液に水酸化アンモニウム(水中の5N溶液)(24.6ml、0.123モル)、水酸化ナトリウム(5.0N)(20ml、0.1モル)、硫酸(44%)(23.6g、0.1モル)、ジニトロ安息香酸(7.10g、33.5ミリモル)およびジニトロクレゾール(0.38g、1.9ミリモル)を添加してpHが1.9の深黄色溶液を得た。
操作5の供給物:操作4と同じ合成廃水であるが、370℃および3200psig(22,165kPa)で30分熱処理されていた(滞留時間=30分)。
【0047】
この合成廃水を有機および無機の成分について分析した。
【表8】
【0048】
硝酸塩の除去を最大化するために、合成廃水中には過剰の還元剤が存在した。アンモニアおよび有機廃棄物からの硝酸塩の除去可能性を下記の表から知ることができる。
【表9】
【0049】
湿式酸化法を用いて試料を370℃および3200psig(22,165kPa)で熱処理して、以下の組成を有する流出物を得た。
【表10】
【0050】
個々の操作のそれぞれに関する反応パラメータのいくつかを下記の表で知ることができる。
【表11】
【0051】
個々の操作の各々での腐食の程度をモニターするために流出物を鉄、クロム、ニッケルおよびモリブデンに関してやはり分析した。
【表12】
【0052】
硝酸塩のほとんどを除去するのに大過剰の還元剤が必要であった(つまり供給物3)。この結果、流出物は高濃度のアンモニアおよび/またはTOCを含有した。従って、これらの流出物を環境に排出するには、アンモニアまたはTOCの水準を低下するために、追加的工程を必要とする別な処理が要求される。
『窒素含有有機物』は本方法のための良好な還元剤を規定するのに十分でないことに留意すべきである。これらの実施例で使用される有機物は『窒素を含有する』が、供給物4および5を使用する操作において示されるように有効でない。
【0053】
供給物1、2および3は、硝酸塩の濃度が著しく低下したが、たとえ大過剰のアンモニア(アンモニアからの硝酸塩除去の可能性≧88%)を使用しても硝酸塩の完全除去は達成されなかったことを示す。従って、アンモニアそのものはこれらの比較的大きな硫酸塩濃度(〜6,000〜8,000ppm)では有効な還元剤ではない。さらに、過剰のアンモニアは流出物中に残留し、さらなる処理が必要である。最後に、ステンレス鋼反応器の過度な腐食を防止するために酢酸の添加が必要であった。
【0054】
実施例5
TDA廃水に対するアンモニアおよび硝酸の効果
高温除去
これらの実施例では、連続的方法で硝酸塩を除去する最適な条件を付与するようにTDA廃水/アンモニア/硝酸の混合物を改変した。
水3000ml中に2,4−トルエンジアミン(2.15g、17.6ミリモル)、2,4−ジニトロトルエン(0.34g、1.87ミリモル)、アニリン(0.31g、3.33ミリモル)およびp−トルイジン(2.14g、20ミリモル)を溶解することにより合成的な廃水(W1)の試料を用意した。
【0055】
水3000ml中に硝酸ナトリウム(45.3g、0.53ミリモル)、2,4−DNBA(6.511g、30.7ミリモル)、H2SO4(69.5g、12N、0.31モル)、水酸化アンモニウム(35.2ml、5N、0.18モル)およびNaAcO.3H2O(1.35g、9.92ミリモル)を溶解することにより別の合成廃水(W2)の試料を用意した。
【0056】
操作1の供給物:W1の試料750mlを等容のW2と混合して、酸性(pH=1.6)で深い色(紫)の溶液を得た。一緒にした廃水のpHを水酸化ナトリウム(5.0N)13.5gによって調整してpH=1.9の溶液を得た。
操作2の供給物:W1の試料750mlを等容のW2と混合して、酸性(pH=1.6)で深い色(紫)の溶液を得た。一緒にした廃水に水酸化アンモニウム(4.33g、5.0N溶液)および水酸化ナトリウム(4.0g、5.0N溶液)を添加してpH=1.9の溶液を得た。
操作3の供給物:W1の試料750mlを等容量のW2と混合して、酸性(pH=1.6)で深い色(紫)の溶液を得た。一緒にした廃水に水酸化アンモニウム(8.5g、5.0N溶液)を添加してpH=1.9の溶液を得た。
【0057】
この廃水を分析して以下の濃度を得た。
【表13】
【0058】
試料を370℃および3200psig(22,165kPa)で30分熱処理して以下の組成を有する透明な流出物を得た。
【表14】
【0059】
これらの供給物の硝酸塩の除去可能性は以下の通りであった。
【表15】
【0060】
他のパラメータ:
【表16】
【0061】
上記からみて、操作1〜3から示されるようにアンモニアの濃度を増加すると、硝酸塩の除去の増大が惹起された。アンモニアの濃度が502ppm(操作1)から681ppm(操作2)まで変化すると、硝酸塩除去百分率は77%から93%まではねあがったことが注目に値する。このデータは、操作3に示されるように流出物中の含有TOCにとってアンモニアが有害であることもまた示す。
【0062】
実施例6
硝酸アンモニウムまたは硝酸トルエンジアンモニウムを高温除去で使用する硫酸塩イオンの効果
脱窒素剤OTD
操作1:OTD(オルト−トルエンジアミン)(1.025g、8.4ミリモル)、硝酸アンモニウム(2.14g、26.75ミリモル)、硝酸ナトリウム(4.56g、53.6ミリモル)、水酸化アンモニウム(5N溶液3.39g)、水酸化ナトリウム(5N溶液16g)および硫酸(12N溶液12.75g、57.2ミリモル)を水1000ml中に溶解することにより合成的な廃水(WW)供給物を用意した。
【0063】
操作2:操作1の合成廃水供給物に硫酸ナトリウム(1.0g、7.04ミリモル)を添加することにより廃水供給物を用意した。
操作3:操作1の合成廃水供給物に硫酸ナトリウム(2.0g、14.08ミリモル)を添加することにより廃水供給物を用意した。
操作4:硝酸アンモニウム(6.45g、80.62ミリモル)、酢酸ナトリウム(1.38g、10.14ミリモル)、水酸化アンモニウム(5N溶液8.5g)、水酸化ナトリウム(5N溶液16.6g)および硫酸(12N溶液12.75g、57.2ミリモル)を水1000ml中に溶解することにより合成廃水供給物を用意した。
操作5:操作4の合成廃水供給物に硫酸ナトリウム(1.0g、7.04ミリモル)を添加することにより廃水供給物を用意した。
操作6:操作4の合成廃水供給物に硫酸ナトリウム(2.0g、14.08ミリモル)を添加することにより廃水供給物を用意した。
【0064】
分析
【表17】
【0065】
合成廃水供給物を370℃および3200psig(22,165kPa)20分熱処理しそして流出物を分析した。
【表18】
【0066】
従って、下記に示すように硝酸塩除去百分率(NR)が硫酸塩濃度に応じて変化した。
【表19】
【0067】
分析
【表20】
【0068】
合成廃水供給物を20分熱処理しそして流出物を分析した。
【表21】
【0069】
従って、下記に示すように硝酸塩除去百分率(NR)が硫酸塩濃度に応じて変化した。
【表22】
【0070】
これらのデータを図1に要約することができる。
データを吟味すると、硫酸塩イオンの存在によってもたらされる脱窒素への妨害が示される。上記のデータから、またグラフに反映されているように、硫酸塩濃度を5,264ppmから6,612ppmまで増加すると、脱窒素剤としてアンモニアを使用するとき、硝酸塩の除去の減少28%が起きた。操作4と1とを比較すると、類似の条件下でOTDは硝酸塩を94.3%除去する一方アンモニアは74.5%しか除去しなかったので、硝酸塩除去に関してはOTDはアンモニアより良い薬剤であることが示された。さらに、硫酸塩濃度を同様に増大する(アンモニアの場合は1348ppmまでまたOTDの場合は1516ppmまで)と、ただの7.7%の減少が認められたOTDと比べて、アンモニアの場合、硝酸塩除去が28%減少した。
【0071】
実施例7
脱窒素剤としてのアニリンの高温除去効果
アニリン(1.33g、14.3ミリモル)、硫酸(8.0g、12N溶液)、アンモニア(5.90g、5.02N溶液)、酢酸(0.7g、11.6ミリモル)および硝酸ナトリウム(7.65g、90ミリモル)を水1000ml中に溶解することにより、アニリン廃水の合成試料を用意した。溶液は以下のように分析される。
【表23】
【0072】
次いでこの廃水試料を370℃で20分処理して以下の組成を有する淡黄色の流出物を得た。
【表24】
【0073】
これからみて、主要な脱窒素剤としてアニリンを使用することにより良好な硝酸塩除去(95%)を達成することができる。
本例は、流出物中に存在する遷移金属の濃度が低いことで裏付けられるように、添加された酢酸塩イオン腐食防止剤の存在でそれと知れる腐食は起きなかったことを示す。本例は、主要な脱窒素剤としてアニリン(またはアニリニウム塩)を使用するとき良好な硝酸塩除去が実施できることも示す。
【0074】
実施例8
酢酸が存在しない場合のアニリンの高温除去効果
本例では、酢酸(腐食防止剤)を添加しないで、主要な脱窒素剤としてアニリンを使用した。
アニリン(1.33g、14.3ミリモル)、硫酸(7.60g、12N溶液)、アンモニア(5.91g、5.02N溶液)および硝酸ナトリウム(7.65g、90ミリモル)を水1000ml中に溶解することにより、アニリン廃水の合成試料を用意した。溶液は以下のように分析される。
【表25】
【0075】
次いでこの廃水試料を370℃で20分処理して以下の組成を有する淡黄色の流出物を得た。
【表26】
これからみて、主要な脱窒素剤としてアニリンを使用することにより良好な硝酸塩除去(90%)を達成することができる。
【0076】
流出物を鉄、クロム、ニッケルおよびモリブデンについて分析した。結果によると、廃水に酢酸塩を添加しなくともそれと知れる腐食が起きないことが示された。データを下記に示す。
【表27】
【0077】
この結果は、実施例7におけると同様に優れた硝酸塩除去百分率が得られることを示した。実験によると、添加酢酸塩が存在しない場合でさえ、アニリンは腐食を惹起することのない極めて良好な脱窒素剤として働くことが示された。流入する廃水が酢酸塩を含有しないことに留意されたい。しかしながら、熱処理の後少量(〜150ppm)の酢酸塩イオンが検出された。このことは、混合物中に唯一存在する有機成分であるアニリンの熱的酸化に際して酢酸塩が生成されたことを示す。流出物中に存在する鉄、クロム、ニッケルおよびモリブデンの濃度が極めて低いことから、腐食速度が緩慢であることが裏付けられた。
【0078】
実施例9
低温脱窒素段階:280℃での硝酸塩除去
実施例1で調製した廃水を280℃に加熱した連続式反応器内で20分間熱処理した(滞留時間=20分)。液相を維持しまた無機塩の沈殿を防止するために反応器内の圧力を1400psig(9,754kPa)に維持した。溶液を内径1/8インチ容積250mlの管状反応器に約12.5ml/分の速度で通過した。処理の前および後の廃水の組成は以下の比較表(濃度はppm単位)に見ることができる。
【0079】
【表28】
【0080】
流出物を調べると、処理に先立って流れに添加されたかなりの量のナトリウムイオンが存在するので反応器の腐食は最小であることが示された。
【表29】
【0081】
本実施例は、『臨界的または臨界に近い』プロセスで用いられるのより著しく低い温度および圧力で優れた硝酸塩除去効率(>90%)を達成することができることを例示する。加えて、上記の結果は、この温度での有機物のいくつかの分解速度は『臨界状態に近い』ときに典型的に認められる速度より著しく低いことが予想されることにもかかわらず、TOCが顕著に(>50%)低減されうることを示唆する。しかしながら、環境規制のいくつかに合格するために、流出物のポリッシングが必要であろう。
【0082】
実施例10
硝酸塩除去に対する温度の影響
実施例1に記載した方式に従って調製した廃水を、180〜370℃の範囲のいろいろな温度で20分間熱処理した(滞留時間=20分)。液相を維持しまた無機塩の沈殿を防止するために反応器内の圧力を470〜3200psig(3,342〜22,165kPa)の範囲に維持した。処理の前および後の廃水の組成は以下の比較表に見ることができる。
【表30】
【0083】
本実施例は廃水中に存在するいろいろな成分の除去百分率に対する温度の影響を示す。230〜280℃近辺の温度で硝酸塩の除去が短い滞留時間(〜20分)で完全に実施でき、またより低い温度(180℃)ではより長い反応時間が必要であろうことが明瞭に示される。さらに、この230〜280℃の範囲は慣用的な工業用反応器によって許容される約900〜1,500psig(6,307〜10,444kPa)の圧力で操作する利点をもたらす。370℃(臨界状態の近傍)での操作は、上記諸例に示したように硝酸塩およびTOCの除去が優れた単一段階プロセスを操作するという利益をもたらしうるが、このような操作は3,200psig(22,165kPa)もの高い圧力を取り扱いうる特別な装置を必要とする。
【0084】
TOCおよびCODの除去に対する温度の影響は以下の表に見ることができる。温度の低下とともにTOCおよびCOD除去の効率の低下が認められる。従って、230〜280℃の範囲の温度で硝酸塩を完全に除去することができるが、TOCは引き続く段階でさらに低減される必要がある。
【表31】
【0085】
実施例11
ポリッシング段階
過酸化水素および熱処理を用いるTOCの低減
様々な有機汚染物を含有する脱窒素された廃水の試料を調製しそして過酸化水素(H2O2 50重量%、廃水 30g/l)の存在で熱処理した。処理の前および後の廃水の大体に組成は以下の比較表(濃度はppm単位)に見ることができる。
【表32】
【0086】
これらのデータは、酸化源泉として芳香族アミン硝酸塩を使用して窒素を含有する汚染物を最初に除去し、引き続いて280℃および1500psig(10,444kPa)で過酸化水素処理することにより、CODおよびTOCの優れた除去が達成できることを示す。この2段階方式は臨界状態またはその近傍で操作されるプロセスでの高い温度および圧力を回避する。
【0087】
実施例12
ポリッシング段階
炭素への吸着を用いるTOCの低減
様々な有機汚染物を含有する廃水の試料を調製しそして280℃で脱窒素した。処理の前および後の廃水の大体の組成は以下の比較表(濃度はppm単位)に見ることができる。
【表33】
【0088】
脱窒素した液体を炭素フィルターに大気の温度および圧力で通過し、透明で無色の流出物を得た。TOCおよびCODについて試料を分析した。
【表34】
【図面の簡単な説明】
【図1】アンモニア廃水と比較したOTD廃水の硫酸塩濃度に対する硝酸塩除去百分率を示す。
Claims (15)
- 有機炭素の少なくとも一部分が二酸化炭素に転化されまた有機窒素または無機窒素を含有する汚染物の少なくとも一部分が窒素に転化される条件下で脱窒素剤として硝酸塩を添加することにより、有機炭素および有機窒素または無機窒素を含有する汚染物を含有する廃水流を湿式酸化する方法であって、
脱窒素剤として脂肪族アミンまたは芳香族アミンの硝酸塩を廃水流に添加して、有機窒素または無機窒素を含有する汚染物を180〜300℃の温度および液相条件を維持するのに十分な圧力で最初に除去し、そして
次に、活性炭での処理、化学的酸化または生物処理によって有機炭素を含有する汚染物の除去をさらに実施する
ことからなる改良された方法。 - 脂肪族アミンが、C1〜C4のアルキルアミンまたは環状脂肪族アミンである請求項1に記載の方法。
- 脂肪族アミンが、メチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、メチルシクロヘキシルアミン、シクロヘキシルジアミン、およびメチルシクロヘキシルジアミンからなる群から選択される請求項2に記載の方法。
- pHが1.5〜4の範囲に保持される請求項2に記載の方法。
- 硝酸塩が芳香族アミンの硝酸塩である請求項4に記載の方法。
- 芳香族アミンの硝酸塩がトルエン−モノアンモニウム硝酸塩、トルエン−ジアンモニウム硝酸塩およびアニリンアンモニウム硝酸塩からなる群から選択される請求項5に記載の方法。
- 230〜280℃の温度で実施される請求項7に記載の方法。
- 900〜1500psig(6,307〜10444kPa)の圧力で操作される請求項8に記載の方法。
- 廃水流が硝酸塩の形態の有機窒素または無機窒素を含有する汚染物で汚染されている請求項9に記載の方法。
- 全有機炭素の50〜80%が湿式酸化法で除去される請求項10に記載の方法。
- 廃水流がニトロ芳香族化合物で汚染されている請求項11に記載の方法。
- 廃水流が硫黄含有化合物で汚染され、またpHがアルカリ金属の添加によって制御される請求項12に記載の方法。
- 廃水流が硫黄含有化合物で汚染され、また酢酸アンモニウムまたは酢酸が廃水流に含まれる請求項13に記載の方法。
- 廃水流がトルエンの混合酸ジニトロ化から得られる請求項14に記載の方法。
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