JP3597113B2 - パケット交換装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、出力バッファ方式のATMセル交換装置やATMスイッチ,IPスイッチ等に用いられるパケット交換装置に関し、スイッチの回線数の増加、回線単位のパケットデータの高速度化による多重バスアクセス効率を落とさずに、出力バッファメモリへの書き込み/読み出しスピードを低速化できる大容量スイッチを備えたパケット交換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パケット交換装置の特徴として、端末がパケットを自由に通信網に渡せる点にある。このため、複数のパケットが同じ通信路に向かう時、すなわちブロッキングが発生した時にブロッキングしているパケットのうち一つを選択して出力する操作が必要になる。パケット交換装置では、ブロッキング発生時にパケットを一旦蓄積するためのバッファ機能と、パケットの持つ方路情報を解析し、所望の出力へと転送する交換機能の二つの機能が必須となる。パケットスイッチを実現するアーキテクチャは、このバッファ機能部と交換機能部との組み合わせによりいくつかの方式に分類することができる。
【0003】
近い将来、膨大なトラフィックに耐えうる交換機として、入力側にバッファを設けた入力バッファ方式、出力側にバッファを設けた出力バッファ方式等、様々な方式が検討されており、各メーカーも1012ビット/sのデータ速度切り換え可能なテラ級のスイッチの開発が急務となっている。
【0004】
この交換機の大容量化には、主にメモリアクセスの点で入力バッファ型が実現性として最も有効であるが、現状の入力バッファ方式では、完全にスイッチ内部でブロッキングが起きないことを保証するまでには至っておらず、スケジューラ等の機能を実現するのに複雑な制御回路が必要となる。
【0005】
ここでは、他の方式と比較して、さほど複雑な制御を必要とせず、全入力回線のパケットデータを順番に時系列でフィルタリング処理するだけの完全ノンブロッキング型である出力バッファの方式に着目した。
【0006】
この出力バッファ方式として、特開平7−283813号公報(特許2682434号)に、出力バッファ型ATMスイッチとして、図7、図8を参照して説明する。
【0007】
図7において、各出力ポート11−3nに対応する受信回路11−5nは、内部バス11−1上を流れるセルの内、ヘッダ部のポート宛先情報がチェックされ、自出力ポート宛のセルのみを選別して受信し、出力バッファ11−6nに一旦蓄える。出力バッファ11−6nに一旦蓄えられたセルは読み込み制御回路11−9nにより回線速度の数倍の速度でフィルタリング回路11−10nに入力される。
【0008】
ここで、回線速度ではなく、回線速度の数倍の速度で読み出すのは、セル到着の揺らぎを吸収するため、及びLANパケットのブロードキャストによる余剰分を吸収するためであり、平均的な回線割り当てを事前に行うことを前提とすれば、回線速度の2〜3倍程度の速度で十分である。即ち、回線速度の数倍の処理速度が必要なのは、フィルタリングで捨てられるセルを除いた速度が最大回線速度を保てるためである。
【0009】
フィルタリング回路11−10nは入力されたセルのヘッダ部またはセルの中身のLAN宛先アドレス部等をチェックし、必要に応じてセルを廃棄して、廃棄しなかったセルを第2の出力バッファ11−11nに入力する。第2の出力バッファ11−11nに入力されたセルは、出力ポート11−3nに回線速度で出力される。
【0010】
次に、図8により、複数の第2の出力バッファを有する出力トラフィック制御部11−8nの動作について説明する。フィルタリング回路11−10n内の優先レベル検出手段(不図示)は、入力したセルのヘッダに書かれた優先レベルに応じて、対応する優先レベル別第2の出力バッファ11−11nにセルを転送する。この際、各優先レベル別第2の出力バッファ11−11nには、バッファ残り容量検出手段(不図示)が設けられており、検出した各バッファ11−11nの残り容量を残り容量信号によってフィルタリング回路11−10nに知らせる。フィルタリング回路11−10nは各バッファ11−11nから知らされる残り容量信号によって、各バッファ11−11nの使用量を知り、例えばもし次にフィルタリング回路11−10nより優先レベル別第2の出力バッファ11−11nに転送すべきセルのレベルが2でレベル2のバッファの残り容量が一定量より小さい場合には、前記転送すべきセルを廃棄する。もし、次にフィルタリング回路11−10nより優先レベル別第2の出力バッファ11−11nに転送すべきセルのレベルが1でレベル1のバッファの残り容量が一定量より小さい場合には、セルをレベル1のバッファの残り容量が前記一定量以上になるまで、フィルタリング回路11−10nに止めておくと共に、バックプレッシャー信号により、読み込み制御回路11−9nは次のセルをスイッチより読み込むのをやめる。
【0011】
このような動作によって、スイッチ速度を一旦第1のバッファで吸収した後、第2の出力バッファに回線速度相当で転送しながらセルの処理ができるので、輻輳状態に応じた複数の優先レベル毎の廃棄処理や、セルヘッダの内側に書かれたLANの宛先アドレスを用いたフィルタリング等の多岐にわたる処理を、実績が多く、安定しているスイッチング素子により、回線速度の数倍程度の低速処理で行うことができるとしている。例えば、回線速度600Mbpsで16×16のスイッチの場合、本従来例前の構成では9.6Gbpsのビットストリームの処理が必要であるのに対して、本従来例では600Mbpsの数倍の速度での処理が可能となるとしている。
【0012】
なお、上記特開平7−283813号公報(特許2682434号)で解決されるとしても、依然、出力バッファの方式の大規模スイッチを構築していく上で、ネックになっていくのが、出力バッファの高速アクセスである。
【0013】
一般に、出力バッファの方式のスイッチでは、内部バスのスループットは各回線のスループットの合計に等しい。これはそのまま、出力バッファのアクセス速度に反映されることを意味する。
【0014】
ここで、回線単位の速度V、ポート数Nとすると、出力バッファ方式の特性上、1パケット時間で、全ポートのパケットを書き込む必要があり、単純に出力回線単位に設けてある出力バッファへのアクセス速度は、V×Nとなる。例えば、N×Nの構成をとる出力バッファ方式のスイッチでは、パケット単位のスイッチング動作の保証をするため、1パケット時間を(N+1)のタイムスロットに分割し、時分割多重により、N回線のパケットデータを、ポートNのタイムスロットに順番に割り当てる。出力回線毎に、パケットのヘッダーにある識別子を基に、フィルタリング処理を行った後、Nタイムスロットで、全回線分のパケットデータを出力バッファに書き込んで、1タイムスロットで、1回線分のパケットデータを読み出すという構成を取る。これは、瞬間に全入力回線から特定の出力回線へ集中してバースト的なトラフィックなパケットデータが入力されたとしても、スイッチ内でのブロッキングやパケット廃棄に十分に耐えうる構成となっている。
【0015】
また、この構成を取れば、入力されたパケットは、待ち受けなしに必ず内部バスに送信されるため、回線の入力側では、パケット廃棄が起きることはないが、そのかわり、出力回線毎に設けられている出力バッファのアクセス速度に負担がかかる。回線速度の高速化、または回線数の増加により、この傾向はさらに大きくなる。
【0016】
例として、回線速度10Gbpsで16×16のスイッチでは、出力回線毎の出力バッファに160Gbpsでアクセスする必要がある。
【0017】
これでは、いくらRAMデバイスの性能を期待しても、処理能力的に破綻をきたしており、スイッチ規模の拡張性を疎外するという課題を孕んでいる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の主な目的は、スイッチの回線数の増加、回線単位のパケットデータの高速度化による多重バスアクセス効率を落とさずに、出力バッファメモリへの書き込み/読み出しスピードを低速化し、既存の技術で大容量スイッチ構成を提供することにある。
【0019】
また、上記特開平7−283813号公報(特許2682434号)では、出力バッファ型スイッチにおいて、出力回線毎にバッファを2段階構成としているが、パケットの平均的な回線割当を事前に行なうことを前提とし、また優先クラス等によるパケットの廃棄等を期待した、フィルタリング速度の低速化を狙った処理について述べているものであり、本発明の目的は、そうした前提条件を必要とせずに、内部多重バスの低速化を図った処理を提供することを課題とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、パケットデータの時分割多重によるスイッチングを行う出力バッファ方式のパケット交換装置において、複数の入力回線からの前記パケットデータを受信する前記各入力回線毎の受信回路と、前記受信回路毎からの前記パケットデータを時分割多重する第1の時分割多重回路と、前記受信回路で前記パケットデータからルーティング情報を検出するルーティング制御回路と、前記時分割多重回路からの複数の多重バスを前記ルーティング制御回路からのルーティング情報に応じてフィルタリングする第1のアドレスフィルタと、前記アドレスフィルタの出力を蓄積する1段目の出力バッファと、前記第1のアドレスフィルタの出力による前記1段目の出力バッファへのパケットデータ蓄積状況を把握して前記1段目の出力バッファと後述する第2の出力バッファ間の制御を行うバッファ間制御回路と、前記1段目の出力バッファの出力を時分割多重する第2の時分割多重回路と、前記第2の時分割多重回路のパケットデータ出力を前記バッファ間制御回路からのフィルタリング情報により送出するか否かを決定する第2のアドレスフィルタと、前記第2のアドレスフィルタの出力を蓄積して前記ルーティング制御回路からのメモリアクセスによって複数の出力回線に出力する第2の出力バッファとを備えたことを特徴とする。
また、本発明は、パケットデータの時分割多重によるスイッチングを行う出力バッファ方式のパケット交換装置において、複数の入力回線からの前記パケットデータを受信する前記各入力回線毎の受信回路と、前記受信回路毎からの前記パケットデータを時分割多重する第1の時分割多重回路と、前記受信回路で前記パケットデータからルーティング情報を検出するルーティング制御回路と、前記時分割多重回路からの複数の多重バスを前記ルーティング制御回路からのルーティング情報に応じてフィルタリングする第1のアドレスフィルタと、前記アドレスフィルタの出力を蓄積する1段目の出力バッファと、前記第1のアドレスフィルタの出力による前記1段目の出力バッファへのパケットデータ蓄積状況を把握して前記1段目の出力バッファと後述する第2の出力バッファ間の制御を行うバッファ間制御回路と、前記1段目の出力バッファの出力を時分割多重する第2の時分割多重回路と、前記第2の時分割多重回路のパケットデータ出力を前記バッファ間制御回路からのフィルタリング情報により送出するか否かを決定する第2のアドレスフィルタと、前記第2のアドレスフィルタの出力を蓄積して前記ルーティング制御回路からのメモリアクセスによって複数の出力回線に出力する前記第2の出力バッファとを備え、前記複数の入力回線数をN(Nは正の整数)とし、入力回線速度をv bps bit per second )とし、前記第1の時分割多重回路に入力される回線数をn(nは正の整数)とし、前記第1のアドレスフィルタでフィルタリングされる回線数をm(mは正の整数)とし、前記出力回線数を1回線以上(回線数に制限なし)とした場合に、前記各第1の出力バッファのバッファ書き込み速度はn×vであり、その読み出し速度はv bps であり、前記各第2の出力バッファのバッファ書き込み速度はm×vであり、その読み出し速度をv bps としたことを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、上記パケット交換装置において、前記入力回線からの入力パケットデータを第1のセル周期で入力し、前記第1の時分割多重回路によって時分割多重処理を行い、次の第2のセル周期で時分割多重フォーマットによって前記1段目の出力バッファに書き込み、前記バッファ間制御回路によって前記1段目の出力バッファから読み出し、次の第3のセル周期で前記読み出しされたパケットデータを前記第2の時分割多重回路によって時分割多重処理を行い、次の第4のセル周期で時分割多重フォーマットによって前記2段目の出力バッファに書き込み、前記ルーティング制御回路によって前記2段目の出力バッファから読み出し、次の第5のセル周期に前記出力回線に出力パケットとして出力することを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、パケットデータの時分割多重によるスイッチングを行う出力バッファ方式のパケット交換装置において、複数の入力回線からの前記パケットデータを受信する前記各入力回線毎の受信回路と、前記受信回路毎からの前記パケットデータを時分割多重する第1の時分割多重回路と、前記受信回路で前記パケットデータからルーティング情報を検出するルーティング制御回路と、前記時分割多重回路からの複数の多重バスを前記ルーティング制御回路からのルーティング情報に応じて前記パケット毎に許可するパケットをパスしてフィルタリングするアドレスフィルタと、前記アドレスフィルタの出力を蓄積する出力バッファと、前記アドレスフィルタの出力による前記出力バッファへの蓄積状況を把握して通過パケットか否かを判定するアービタ回路と、前記出力バッファの出力から前記アービタ回路の選択指示に従って前記パケットデータを選択して出力回線に出力するセレクタと、からなり、前記アービタ回路及び前記セレクタを前記出力回線の回線数を備え、複数の入力回線に対応した複数の出力回線に交換することを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、概念的には、一般に、出力バッファ方式では、全ての入力通信路とひとつの出力通信路でのパケット転送を同時に扱えることが必要となる。つまり、スイッチ速度は入力通信路上のパケット転送速度と収容する入力通信路数の積となる。
【0024】
本発明は、こうした出力バッファ方式のパケットスイッチの構築において、回線速度の高速化、または回線数の増加による内部バスのスループット増大に伴う出力バッファの高速アクセスを軽減させるために、内部多重バスの分割および各出力回線単位に配備している出力バッファを多段構成とし、複数の入力回線からのパケットデータの集中アクセスを分散処理させることで、出力バッファへのアクセス速度を抑えるとともに、ノンブロッキングでのスイッチングを可能とする。
【0025】
また、本発明は、図1を参照しつつ説明すれば、回線速度vで、n×m本の回線を処理する出力バッファ方式のパケットスイッチにおいて、入力回線N本中、n本を入力の基本単位とするm個の時分割多重回路1―3〜1―4を設ける。その時分割多重されたm本の内部多重バス上のパケットデータを、ルーティング制御回路1―9からのフィルタリング制御情報に基づいてフィルタリングした後、出力回線毎に保持している各出力バッファに送出する。
【0026】
また、図2を参照して説明すれば、本発明の出力回線単位の出力バッファ部1―7〜1―8構成を示す。内部多重バス上の時分割多重されたパケットデータは、対応する1段目の出力バッファ2―3〜2―4へn×vの速度で書き込みを行い、出力回線速度vで読み出す。1段目の出力バッファ2―3〜2―4から読み出されたパケットデータは、次に出力バッファ2―3〜2―4の出力m本を基本単位とする2段目の時分割多重回路2―6へと送出される。その時分割多重された内部多重バス上のパケットデータを、対応した2段目の出力バッファ2―8へm×vの速度で書き込みを行い、出力回線速度vで読み出す。こうした全入力回線からの内部多重バスへ多重する際の多重度を分散させて、出力バッファの多段構成を取ることにより、内部メモリへのアクセス速度を落とすことができる。
【0027】
本構成は、全入力回線からのパケットデータが、一つの出力回線にバースト的に集中して入力されても、パケット廃棄を起こすことなく、低速度の内部バスアクセスでスイッチングすることができることを特徴としている。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0029】
[第1の実施形態]
(1)構成の説明
図1に本発明の第1の実施形態によるATMスイッチの構成図を示す。回線速度vで、入力回線数×出力回線数としてN×Nの構成をとる出力バッファ方式のパケットスイッチにおいて、各入力回線の入線1〜Nからのパケットは、一旦受信回路1―1〜1―2に入力される。ここでは、スイッチに入力される全回線のパケットの位相同期をとるための処置(スイッチ側での処置が容易になるように、パケットの先頭をそろえる機能)と、ルーティング情報の抽出が行われる。
【0030】
この受信回路1―1〜1―2から出力された位相の合ったパケットは、入力回線数n本を基本単位とするm個の時分割多重回路1―3〜1―4へと送出される。
【0031】
入力回線数nと、時分割多重回路1―3〜1―4の数mの積n×mは全入力回線数N=n×mに相当する。入力回線数nは、後述する1段目の出力バッファ2―3〜2―4のアクセス速度n×vに影響を与え、入力回線数nが多ければ、それだけメモリのアクセス速度に負荷がかかる。また、同様に時分割多重回路1―3〜1―4の数mは、後述する2段目の出力バッファ2―8のアクセス速度m×vに影響を与える。ここでは、1段目の出力バッファ2―3〜2―4から2段目の出力バッファ2―8のパケット送受信において、速度乗せ換え等の余分な制御をなくし、できるだけ各段のメモリのアクセス速度を同じにするためにも、nとmの数が同じになるように、割り振った方がよい。
【0032】
1段目の時分割多重回路1―3〜1―4では、n本の各入力回線から送出されたパケットの時分割多重を行う。パケット単位のスイッチング動作を保証するため、1パケット時間を(n+1)のタイムスロットに分割し、時分割多重によりn回線のパケットをnのタイムスロットに順番に割り当てる。多重順位は、入力回線順でも、サイクリックでもどちらでもよいが、後述のフィルタリング制御情報に対応させて行う。残りの1タイムスロットは、1回線分のパケットの読み出し用に割り当てる。この処理を、時分割多重回路1―3〜1―4の数m個分、全て同じパケット周期で行う。このことにより、スイッチ内部にn×vの速度をもった内部多重バス1〜m(1−5〜1−6)が、m本存在することになり、これは各出力回線毎の1段目の出力バッファ2―3〜2―4の個数と対応している。
【0033】
一方、受信回路部1―1〜1―2より抽出されたルーティング情報は、ルーティング制御回路1―9へ送出される。
【0034】
ルーティング制御回路1―9は、N個の受信回路1―1〜1―2からそれぞれ入力され、このルーティング情報を基に、パケットをどの出力回線に出力するかを選定し、出力回線毎の出力バッファへの共通バス上のパケットの書き込み指示、および出力バッファ部1−7〜1−8に滞留するパケットの読み出し指示を行う。書き込み/読み出しの指示は、上記時分割多重回路部1―3〜1―4でのパケットの多重順位に対応させて行われる。但し、このルーティング制御回路1―9によるフィルタリング制御情報は、下記に説明する多段バッファ構成の1段目の出力バッファ2―3〜2―4の書き込みと、2段目の出力バッファ2―8の読み出しにのみ適用される。出力バッファ部1−7〜1−8からの読み出しの指示による出力は出力回線の出線1〜Nとして、それぞれ回線速度vとして出力される。
【0035】
図2に本発明の出力回線単位の出力バッファ部1―7〜1―8の構成を示す。図2において、1段目の時分割多重回路1―3〜1―4により時分割多重され、多重バス1〜m上に送出されたパケットは、ルーティング制御回路1―9からのフィルタリング制御情報に基づいて、アドレスフィルタ2―1〜2―2のm個によりフィルタリングした後、出力回線毎に保持している1段目の出力バッファ2―3〜2―4へ送出されて蓄積される。1段目の出力バッファ2―3〜2―4の動作速度は、1段目の多重バス速度と一致し、n×vの速度で書き込みを行い、出力回線速度vで読み出す。つまり、1パケット期間に書き込みn回、読み出し1回行う。
【0036】
1段目の出力バッファ2―3〜2―4からの読み出しは、バッファ間制御回路2―5からの読み出し制御により行われる。バッファ間制御回路2―5は、1段目のm個の出力バッファ2―3〜2―4内のパケット滞留数をそれぞれ監視し、パケットが蓄積されていれば、1パケット周期に、1回線分のパケットの読み出し指示を行う。この処理は、多重バスm本に対応する1段目の出力バッファ2―3〜2―4の数のm個全て、同じパケット周期で行われる。
【0037】
1段目の出力バッファ2―3〜2―4から読み出されたパケットは、入力回線数m本を基本の入力単位とする2段目時分割多重回路2―6へと送出される。2段目の時分割多重回路2―6では、1段目の出力バッファ2―3〜2―4から読み出されたパケットの時分割多重を行う。パケット単位のスイッチング動作を保証するため、1パケット時間を(m+1)のタイムスロットに分割し、時分割多重によりm回線のパケットをmのタイムスロットに順番に割り当てる。多重順位は入力回線順に行う。残りの1タイムスロットは、1段目の出力バッファ2―3〜2―4から、1回線分のパケットデータの読み出し用に割り当てる。
【0038】
つぎに、2段目の時分割多重回路2―6により時分割多重され、多重バス上に送出されたパケットは、バッファ間制御回路2―5からのフィルタリング制御情報に基づいて、アドレスフィルタ2−7でフィルタリング処理を行った後、2段目の出力バッファ2―8へ送出されて蓄積される。バッファ間制御回路2―5は、1段目の出力バッファ2―3〜2―4から読み出されたパケットの管理をすることにより、フィルタリング制御情報を決定する。2段目の出力バッファ2―8の動作速度は、多重バス速度と一致し、m×vの速度で書き込みを行い、出力回線速度vで読み出す。つまり、1パケット期間に書き込みm回、読み出し1回行う。
【0039】
2段目の出力バッファ2―8からの読み出しは、ルーティング制御回路1―9からの読み出し指示により、1パケット周期に、1回線分のパケットの読み出しが行われ、出力回線へと送出される。
【0040】
(2)動作の説明
以下、本実施形態のバッファメモリ動作につき、図3を参照して説明する。ここでは回線速度vでn×mに当たり16×16の出力バッファスイッチ構成を例にして述べる。
【0041】
まず、全16回線の入力回線を、入力4回線を基本とする1段目の時分割多重回路1―3〜1―4の4個に対応させて、入力回線順に均等に4分割する。パケット周期T0に各回線より入力されたパケットは、対応する時分割多重回路1―3〜1―4へと送出される。
【0042】
時分割多重回路1―3〜1―4では有効パケット、無効パケットに関係なく、入力回線順に時分割に多重され、パケットが入力されてから、最低でも1パケット時間処理後のパケット周期T1には時分割多重処理が完了し、4×vの速度をもった内部多重バス1―5〜1―6へと送出される。
【0043】
また、各回線のパケットのヘッダに記載されているルーティング情報は、パケット周期T0にルーティング制御回路1―9へと送出される。ルーティング制御回路1―9では、そのルーティング情報により、パケットが出力される回線やパケットの有効/無効を判断し、出力回線毎に、全入力回線のパケットのイネーブル情報や、出力アドレス情報といったフィルタリング情報を分割された時分割多重回路1―3〜1―4に対応させて入力回線順に多重する。
【0044】
この処理もパケット周期T1には完了し、出力回線毎の4×vの速度をもった内部多重バス1―5〜1―6上の対応するパケットの書き込み指示として送出される。パケットの時分割多重回路1―3〜1―4の多重順番と、イネーブル情報および出力アドレス情報の多重順番を合わせることで、フィルタリング処理とバッファリング処理を容易にしている。
【0045】
例として、入力回線1〜入力回線4を収容する時分割多重回路1―3(他の時分割多重回路には入力回線5〜入力回線8、…を収容)と多重バス1〜m上に送出されるパケットのフィルタリング処理および対応する1段目の出力バッファ2―3〜2―4のバッファリング動作について説明する。
【0046】
図3に参照されるように、時分割多重フォーマット1〜4は1パケット周期を5つのタイムスロットに分割し、1パケット周期の間に、入力回線順に多重順位の領域がアサインされている。このフォーマットはパケットデータ、アドレス情報およびフィルタリング情報共に共通である。また他の入力回線を収容する時分割多重回路1―3〜1―4においても、4つの入力回線を5つのタイムスロットに分割するように、n=4の入力に対して5つのタイムスロットに分割するという共通のフォーマットとなる。
【0047】
時分割多重されたパケットは、多重バス1〜m上、アドレスフィルタ2―1〜2―2で、同様に時分割多重されて、同じタイムスロットにアサインされているアドレスフィルタ2―1〜2―2によるフィルタリング情報により、対応する1段目の出力バッファ2―3〜2―4に送出されるか否かが決定される。フィルタリング情報がイネーブル信号であれば、有効なパケットと判断され、出力バッファ2―3〜2―4に送出される。ディセーブル信号であれば、無効なパケットと判断され、パケットデータはマスクされる。
【0048】
図3の周期T1で、フィルタリング処理が行われると同時に、2段目の出力バッファ2―8のメモリアクセスを行なう。1段目の出力バッファ2―3〜2―4のメモリアクセス1は多重バス上2―1〜2―2の速度4×vがそのまま反映される。つまり、時分割多重のフォーマット1〜4がそのままメモリアクセスに適用される。1セル周期の間に、このタイミングで動作する4つのタイムスロットで4回線のパケットの書き込み(Write)を行い、1つのタイムスロットで1回線分のパケットの読み出し(Read)が行われる。4回線のパケットの書き込みは、ルーティング制御回路1―9により多重されたフィルタリング処理によって、有効と判断されたパケットにのみ、回線順に行ない、1段目の出力バッファ2―3〜2―4に蓄積する。1回線分のパケットの読み出しはバッファ間制御回路2―5によって行われる。
【0049】
4つの時分割多重回路1―3〜1―4を全て同時に処理し、対応する多重バス上アドレスフィルタ2―1〜2―2のフィルタリングとバッファリング処理を並行して行なうことにより、1パケット周期の時間で、全入力回線の入力パケットを1段目の出力バッファ2―3〜2―4に蓄積することが可能となる。
【0050】
次に1段目の出力バッファ2―3〜2―4と2段目の出力バッファ2―8間の処理について説明する。
【0051】
1段目の出力バッファ2―3〜2―4は、出力回線毎に4つに分割された多重バス1〜mで入力するアドレスバッファ2―1〜2―2と対応して4つ配置されており、2段目の出力バッファ2―8は1段目の出力バッファ2―3〜2―4から読み出されたパケットを、時分割多重した多重バスで入力するアドレスフィルタ2―7に対応して、1つ配置されている。出力回線毎に配置されている出力バッファ群のパケット滞留状態は、ルーティング制御回路1―9のアドレス管理により監視されている。これはカウンタ等により簡単に構成できる。このパケット滞留状態等の情報はバッファ間制御回路2―5へと通知され、バッファ間制御回路2―5はその情報を基に、各1段目の出力バッファ2―3〜2―4のパケット滞留状態を把握して、1段目の出力バッファ2―3〜2―4からパケットの読み出しを行なうか否かの判断をする。1段目の出力バッファ2―3〜2―4内に1パケット以上蓄積されており、それがセル周期T1の周期に新規に書き込まれたものであれば、そのT1時間のパケット周期以降でパケットの読み出し処理が行われる。また1段目出力バッファ2―3〜2―4内にパケットが蓄積されていなければ、読み出し処理は行なわない。
【0052】
次に、パケット周期T2に各1段目の出力バッファ2―3〜2―4より読み出されたパケットは、対応する時分割多重回路2―6へと送出される。時分割多重回路2―6では、各1段目の出力バッファ2―3〜2―4から読み出された回線番号の低いパケット順に時分割に多重され、パケットが入力されてから、最低でも1パケット時間後のパケット周期T3には時分割多重処理が完了し、4×vの速度をもった内部多重バスとしてアドレスフィルタ2―7へと送出される。
【0053】
また、バッファ間制御回路2―5では、1段目の出力バッファ2―3〜2―4からのパケットの読み出し制御により、対応するパケットのイネーブル情報やディセーブル情報、出力アドレス情報といったフィルタリング情報を作成し、時分割多重回路2―6に対応させて、回線順に多重する。この処理もパケット周期T3には完了し、4×vの速度をもった内部多重バス上アドレスフィルタ2―7の対応するパケットの書き込み指示として送出される。
【0054】
時分割多重フォーマットは1パケット周期を5つのタイムスロットに分割し、1パケット周期の間に回線順に多重順位の領域がアサインされている。このフォーマットは1段目の出力バッファ2―3〜2―4から読み出したパケットデータ、およびバッファ間制御回路2―5からのフィルタリング情報共に共通となる。
【0055】
時分割多重されたパケットは、多重バス上アドレスフィルタ2―7で、同様に時分割多重されて同じタイムスロットにアサインされているフィルタリング情報により、対応する2段目の出力バッファ2―8に送出されるか否かが決定される。
【0056】
ルーティング制御回路1―9から間接的にパケット滞留状態等の情報を得られたバッファ間制御回路2―5により、フィルタリング情報がイネーブル信号であれば有効なパケットと判断され、2段目の出力バッファ2―8に送出される。ディセーブル信号であれば、対象の1段目の出力バッファ2―3〜2―4から読み出しが行われていないと判断され、データはマスクされる。
【0057】
周期T3でフィルタリング処理が行われると同時に、周期T3で2段目の出力バッファ2―8のメモリアクセスを行なう。2段目の出力バッファ2―8のメモリアクセスは時分割多重回路2―6出力の多重バス上の速度4(=m)×vがそのまま反映される。
【0058】
つまり、時分割多重のフォーマットがそのままメモリアクセス2に適用される。4つのタイムスロットで4回線のパケットの書き込みを行い、1つのタイムスロットで1回線分のパケットの読み出しが行われる。4回線分のパケットの書き込みは、バッファ間制御回路2―5により多重されたフィルタリング処理によって、有効と判断されたパケットにのみ回線順に行ない2段目の出力バッファ2―8に蓄積する。2段目の出力バッファ2―8からの1回線分のパケットの読み出しはルーティング制御回路1―9によって行われる。
【0059】
図3中、T0周期に入力回線から入力されたパケットは、これまで前述したシーケンスを取ることにより、T3周期にはメモリアクセス2に示すように、2段目の出力バッファ2―8に蓄積される。これはルーティング制御回路1―9の2段目の出力バッファ2―8に対する読み出し制御情報が、1段目の出力バッファ2―3〜2―4に対する書き込み制御情報よりも時間的に3パケット時間遅れることを意味する。よって、ルーティング制御回路1―9ではT3周期以降のパケット周期でパケットの読み出し処理が行われ、T4周期に出力回線にパケットが出力パケットとして出力される。また、ルーティング制御回路1―9のアドレス管理により監視されている出力回線毎の出力バッファのパケット滞留状態によって、バッファ内にパケットが蓄積されていなければ、読み出し処理は行なわない。このような処理がセル周期ごとにパイプライン的に実施される。
【0060】
(3)本実施形態の効果
上述した本実施形態によれば、回線単位の速度V、回線数Nとする出力バッファ方式の特性上、1パケット時間で全ポートのパケットを書き込む必要があり、単純に出力回線単位に設けてある出力バッファへのアクセス速度はV×Nとなる。
【0061】
この実施形態によれば、回線数Nをn×mに分割して、出力回線毎に設けてある1段目の出力バッファ2―3〜2―4に回線数n単位の多重バスアクセスを、2段目の出力バッファ2―8にm単位の多重バスアクセスすることで、出力バッファアクセス速度を(N/n)V、もしくは(N/m)Vまで、落とすことができる。
【0062】
これは出力バッファのアクセスを、低速処理で行なうことを可能とし、本パケットスイッチ回路をLSI化の際、高速動作の微細プロセスに依存することなく、比較的普及されているプロセスを使用して、低コストで実現することが可能となり、スイッチ規模の拡張性の速度的制限を回避することができる。
【0063】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、N×Nの構成をとる従来の出力バッファ方式のスイッチに於いて、出線1回線の出力バッファに入線Nポート全てのパケットを1パケット時間に書き込む為には、最低N+1のタイムスロットが必要となる(NWrite/1Read)。
【0064】
入力回線数の増加および、回線速度の高速化に伴い、こうした従来の内部バスアクセス方式では、出力バッファへのアクセススピードが増していくだけである。こうした課題を解決すべく、時分割多重による内部バスの分割、および出力バッファの多段構成により、内部バスのアクセス速度、バッファリング速度の低速化を図り、その手法は第1の実施形態により示した通りである。
【0065】
但し、パケットのフォーマットによる制限により、これ以上の回線数の増加では、時分割多重を行う際、タイムスロットの割り当てにも限界があり、また出力バッファのアクセススピードは増すばかりである。
【0066】
そこで、図4に示す様に、さらなる内部バスの分割、および出力バッファの多段化を推し進めていく。
【0067】
1段目に入力回線a本を基本単位とするb個の時分割多重回路4―1〜4―2を設け、時分割多重された内部多重バス上アドレスフィルタ(AF)4―3〜4―4のパケットデータを、ルーティング制御回路4―18からのフィルタリング制御情報に基づいてフィルタリングした後、出力回線毎に保持している1段目の出力バッファ4―5〜4―6に送出し、書き込み制御を行い蓄積する。次に、1段目の出力バッファ4―5〜4―6からの出力c本を基本単位とするd個の時分割多重回路4―7〜4―8を設け、バッファ間制御回路4―16の指示に従って、1段目の出力バッファ4―5〜4―6からの読み出し制御を行い、時分割多重された第2の内部多重バス上アドレスフィルタ(AF)4―9〜4―10のパケットデータを2段目の出力バッファ4―11〜4―12に送出し、書き込み制御を行い蓄積する。この場合のパケットのフォーマットによる制限は、第1の実施形態と同様でよい。
【0068】
さらに、2段目の出力バッファ4―11〜4―12からの出力e本を基本単位とする1個の時分割多重回路4―13を設け、バッファ間制御回路4―17の指示に従って、2段目の出力バッファ4―11〜4―12からの読み出し制御を行い、時分割多重された第3の内部多重バス上アドレスフィルタ(AF)4―14のパケットデータを、3段目の出力バッファ4―15に送出し、書き込み制御を行って蓄積する。3段目の出力バッファ4―15からの読み出しは、ルーティング制御回路4―18からの読み出し制御にて行われる。
【0069】
それぞれの時分割多重回路への入力回線数の割り振りは、a=c=e(a×c×e=全入力回線)と同じにすることで、内部スイッチング処理が容易となる。
【0070】
また、出力バッファの3段構成を取ることにより、内部アクセス速度のさらなる低速化が望め、タイムスロットの割り当てにも幅が広がる。段数を増やせば、この傾向はさらに顕著なものとなる。
【0071】
[第3の実施形態]
次に、図5に示す第3の実施形態による構成について説明する。図5によれば、図1に示すパケットスイッチ回路中の出力バッファ部の構成を示すものであり、この場合のパケットのフォーマットによる制限は、第1の実施形態と同様でよい。多重バス速度n×vの多重バス1〜mからパケットがアドレスフィルタ5―1〜5―2に入力され、1段目の出力バッファ5―3〜5―4で蓄積され、次に時分割多重回路5―6によって多重される。その後、多重バス速度m×vのパケットはアドレスフィルタ5―7に入力されてバッファ間制御回路5―5のフィルタリング制御情報によってフィルタリングされる。その後、フィルタリングされたパケットは第2段目の出力バッファ5―8に蓄積されてからルーティング制御情報に従って出力される。第2段目の出力バッファ5―8では、伝送速度の上限を示すしきい値に応じて、しきい値越え検出回路によってしきい値越え検出信号をバッファ間制御回路5―5に出力する。
【0072】
ここで、しきい値なしの出力バッファの2段構成をとる場合、1段構成時の約2倍のバッファ量が必要となる。
【0073】
本実施形態では、2段目の出力バッファ5―8にしきい値を設けて、しきい値越えを検出したら、バッファ間制御回路5―5へ通知する。バッファ間制御回路5―5はしきい値越えを認識すると、1段目の出力バッファ5―3〜5―4の数m個全てからの読み出し処理を停止する。2段目の出力バッファ5―8のしきい値が低ければ、それだけ2段目の出力バッファ5―8のバッファ容量を小さくできる。この時、1段目の出力バッファ5―3〜5―4の数m個のパケットの蓄積合計数は1段構成としたときのパケットの蓄積数と限りなく等価になる。よって、1段目の出力バッファ5―3〜5―4には、1段構成としたときと同じバッファ量を設け、2段目の出力バッファ5―8には最低mパケットのバッファ量を設けることで、バッファ量の削減が可能となる。
【0074】
[第4の実施形態]
次に、図6に示す第4の実施形態による構成について説明する。図6において、図1に示すパケットスイッチ回路中の最終段の出力バッファ部の構成を示すものであり、この場合のパケットのフォーマットによる制限は、第1の実施形態と同様でよい。多重バス速度n×vの多重バス1〜mからパケットがアドレスフィルタ6―1〜6―2に入力され、ルーティング制御回路からのルーティング制御情報に従って、1段目の出力バッファ6―3〜6―4に蓄積される。次に、セレクタ6―6に送出され・選択される。このセレクタ6―6は、1段目の出力バッファ6―3〜6―4からのルーティング制御情報に基づくタイミングに従って滞留期間の長さ情報等に従うアービタ回路6―6からの調整情報に従って選択されたパケットを出力する。
【0075】
このセレクタ6―6の出力は、本実施形態が1段だけの出力バッファを備えた本実施形態の場合には、出力回線に出力される。
【0076】
本実施形態では、1段目の出力バッファ6―3〜6―4からの読み出しをアービタ回路6―5によるアービトレーションにより制御する方法をとる。1段目の出力バッファ6―3〜6―4の数m個のパケット蓄積状況により、アービタ回路6―5はパケット周期毎に読み出す出力バッファ6―3〜6―4を決めて、対象の出力バッファ6―3〜6―4の中から優先度の最も高い出力バッファを選択し、パケットの読み出し制御を行い、それ以外の出力バッファからの読み出し処理を停止する。読み出されたパケットはセレクタ6―6へ送信され、アービタ回路6―5からは、読み出された出力バッファを示すセレクト信号によりセレクトされた後、出力回線へと送出される。
【0077】
この構成をとることにより、2段目の出力バッファの削減を図ることができる。なお、本実施形態が2段の出力バッファを備えた場合には、アービタ回路からのバッファリング制御信号により2段目の出力バッファに出力されて蓄積され、図2、図4に示すように、ルーティング制御情報に従って、出力回線に出力される。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、スイッチの回線数の増加、回線単位のパケットデータの高速度化による多重バスアクセス効率を落とすことなく、出力バッファメモリへの書き込み/読み出しスピードを低速化し、既存の技術で大容量スイッチ構成を提供することができる。
【0079】
また、出力バッファ方式のパケットスイッチの構築において、回線速度の高速化、または回線数の増加による内部バスのスループット増大に伴う出力バッファの高速アクセスを軽減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による構成ブロック図である。
【図2】本発明の実施形態による図1の一部分の詳細ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態による動作を説明するための処理シーケンスである。
【図4】本発明の第2の実施形態の構成ブロック図である。
【図5】本発明の第3の実施形態の構成ブロック図である。
【図6】本発明の第4の実施形態の構成ブロック図である。
【図7】従来例による出力バッファ型ATMスイッチの構成ブロック図である。
【図8】従来例による出力トラヒック制御部のブロック説明図である。
【符号の説明】
1―1〜1―2 受信回路
1―3〜1―4 時分割多重回路
1―5〜1―6 多重バス
1―7〜1―8 出力バッファ部
1―9 ルーティング制御回路
2―1〜2―2 多重バス上のアドレスフィルタ部
2―3〜2―4 1段目の出力バッファ
2―5 バッファ間制御回路
2―6 時分割多重回路
2―7 多重バス上のアドレスフィルタ部
2―8 2段目の出力バッファ
4―1〜4―2 時分割多重回路
4―3〜4―4 多重バス上のアドレスフィルタ部
4―5〜4―6 1段目の出力バッファ
4―7〜4―8 時分割多重回路
4―9〜4―10 多重バス上のアドレスフィルタ部
4―11〜4―12 2段目の出力バッファ
4―13 時分割多重回路
4―14 多重バス上のアドレスフィルタ部
4―15 3段目の出力バッファ
4―16 1段目と2段目のバッファ間制御回路
4―17 2段目と3段目のバッファ間制御回路
4―18 ルーティング制御回路
5―1〜5―2 多重バス上のアドレスフィルタ部
5―3〜5―4 1段目の出力バッファ
5―5 1段目と2段目のバッファ間制御回路
5―6 時分割多重回路
5―7 多重バス上のアドレスフィルタ部
5―8 2段目の出力バッファ
5―9 しきい値越え検出部
6―1〜6―2 多重バス上のアドレスフィルタ部
6―3〜6―4 出力バッファ
6―5 アービタ回路
6―6 セレクタ部

Claims (6)

  1. パケットデータの時分割多重によるスイッチングを行う出力バッファ方式のパケット交換装置において、
    複数の入力回線からの前記パケットデータを受信する前記各入力回線毎の受信回路と、
    前記受信回路毎からの前記パケットデータを時分割多重する第1の時分割多重回路と、
    前記受信回路で前記パケットデータからルーティング情報を検出するルーティング制御回路と、
    前記時分割多重回路からの複数の多重バスを前記ルーティング制御回路からのルーティング情報に応じてフィルタリングする第1のアドレスフィルタと、
    前記アドレスフィルタの出力を蓄積する1段目の出力バッファと、
    前記第1のアドレスフィルタの出力による前記1段目の出力バッファへのパケットデータ蓄積状況を把握して前記1段目の出力バッファと後述する第2の出力バッファ間の制御を行うバッファ間制御回路と、
    前記1段目の出力バッファの出力を時分割多重する第2の時分割多重回路と、
    前記第2の時分割多重回路のパケットデータ出力を前記バッファ間制御回路からのフィルタリング情報により送出するか否かを決定する第2のアドレスフィルタと、
    前記第2のアドレスフィルタの出力を蓄積して前記ルーティング制御回路からのメモリアクセスによって複数の出力回線に出力する前記第2の出力バッファとを備え
    前記複数の入力回線数をN(Nは正の整数)とし、入力回線速度をv bps bit per second )とし、前記第1の時分割多重回路に入力される回線数をn(nは正の整数)とし、前記第1のアドレスフィルタでフィルタリングされる回線数をm(mは正の整数)とし、前記出力回線数を1回線以上(回線数に制限なし)とした場合に、
    前記各第1の出力バッファのバッファ書き込み速度はn×vであり、その読み出し速度はv bps であり、前記各第2の出力バッファのバッファ書き込み速度はm×vであり、その読み出し速度をv bps としたことを特徴とするパケット交換装置。
  2. パケットデータの時分割多重によるスイッチングを行う出力バッファ方式のパケット交換装置において、
    複数の入力回線からの前記パケットデータを受信する前記各入力回線毎の受信回路と、
    前記受信回路毎からの前記パケットデータを時分割多重する第1の時分割多重回路と、
    前記受信回路で前記パケットデータからルーティング情報を検出するルーティング制御回路と、
    前記時分割多重回路からの複数の多重バスを前記ルーティング制御回路からのルーティング情報に応じてフィルタリングする第1のアドレスフィルタと、
    前記アドレスフィルタの出力を蓄積する1段目の出力バッファと、
    前記第1のアドレスフィルタの出力による前記1段目の出力バッファへのパケットデータ蓄積状況を把握して前記1段目の出力バッファと後述する第2の出力バッファ間の制御を行うバッファ間制御回路と、
    前記1段目の出力バッファの出力を時分割多重する第2の時分割多重回路と、
    前記第2の時分割多重回路のパケットデータ出力を前記バッファ間制御回路からのフィルタリング情報により送出するか否かを決定する第2のアドレスフィルタと、
    前記第2のアドレスフィルタの出力を蓄積して前記ルーティング制御回路からのメモリアクセスによって複数の出力回線に出力する前記第2の出力バッファとを備え
    前記入力回線の全てからの内部多重バスの多重度を分散させて、前記第1及び第2の出力バッファの多段構成として内部メモリアクセス速度を落としたことを特徴とするパケット交換装置。
  3. パケットデータの時分割多重によるスイッチングを行う出力バッファ方式のパケット交換装置において、
    複数の入力回線からの前記パケットデータを受信する前記各入力回線毎の受信回路と、
    前記受信回路毎からの前記パケットデータを時分割多重する第1の時分割多重回路と、
    前記受信回路で前記パケットデータからルーティング情報を検出するルーティング制御回路と、
    前記時分割多重回路からの複数の多重バスを前記ルーティング制御回路からのルーティング情報に応じてフィルタリングする第1のアドレスフィルタと、
    前記アドレスフィルタの出力を蓄積する1段目の出力バッファと、
    前記第1のアドレスフィルタの出力による前記1段目の出力バッファへのパケットデータ蓄積状況を把握して前記1段目の出力バッファと後述する第2の出力バッファ間の制御を行うバッファ間制御回路と、
    前記1段目の出力バッファの出力を時分割多重する第2の時分割多重回路と、
    前記第2の時分割多重回路のパケットデータ出力を前記バッファ間制御回路からのフィルタリング情報により送出するか否かを決定する第2のアドレスフィルタと、
    前記第2のアドレスフィルタの出力を蓄積して前記ルーティング制御回路からのメモリアクセスによって複数の出力回線に出力する前記第2の出力バッファとを備え
    前記入力回線からの入力パケットデータを第1のセル周期で入力し、前記第1の時分割多重回路によって時分割多重処理を行い、次の第2のセル周期で時分割多重フォーマットによって前記1段目の出力バッファに書き込み、前記バッファ間制御回路によって前記1段目の出力バッファから読み出し、次の第3のセル周期で前記読み出しされたパケットデータを前記第2の時分割多重回路によって時分割多重処理を行い、次の第4のセル周期で時分割多重フォーマットによって前記2段目の出力バッファに書き込み、前記ルーティング制御回路によって前記2段目の出力バッファから読み出し、次の第5のセル周期に前記出力回線に出力パケットとして出力することを特徴とするパケット交換装置。
  4. 請求項に記載のパケット交換装置において、前記入力回線に対する内部多重バスの分割方式を前記時分割多重フォーマットによって規定したことを特徴とするパケット交換装置。
  5. 請求項に記載のパケット交換装置において、前記入力回線のパケットデータを、多段構成になっている前記第1及び第2のバッファへ書き込む際のフィルタリングを行う前記ルーティング制御回路によるルーティング判定回路および、前記出力回線への読み出し制御回路をそれぞれ備えたことを特徴とするパケット交換装置。
  6. 前記1段目の出力バッファからの読み出しを、アービタ回路によるアービトレーションによって制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のパケット交換装置。
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