JP3595719B2 - 電子メール中継装置およびプログラム記録媒体 - Google Patents

電子メール中継装置およびプログラム記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ネットワークを利用してメールサービスを行う際に、送信された電子メールを受信側ホストに中継する電子メール中継装置、および、電子メール中継処理プログラムが記録されたプログラム記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータ機器等を利用した電子メールシステムは、利用者間で情報をやり取りする手段として幅広く利用されている。また、情報機器の小型・軽量化を図る技術の進歩によって電子手帳や携帯電話等の様々な携帯型情報端末が普及し、従来のパーソナルコンピュータ(以下、パソコンと略称する)に加えて、それら携帯型情報機器からの電子メールの送受信が可能になっている。さらに、ディジタル化技術の進歩によって、映像・音声等を含むマルチメディアデータの作成が容易になり、それらのマルチメディアデータを電子メールに添付して送信することも広く行われている。
【0003】
ところが、上記携帯型情報端末の中には、映像・音声等のマルチメディアデータを扱えないものもあるため、携帯型情報端末を用いて電子メールを受信した場合には添付されたマルチメディアデータを活用できない場合がある。
【0004】
上述の問題を解決する手段として、特開平7−66830号公報に記載されたようなメールシステムが提案されている。このメールシステムでは、受信側の出力環境に適合するマルチメディアデータを選択して出力するようにしている。例えば、受信先の端末が電話機のときには、テキストデータは音声データに変換され、画像データは削除されるのである。
【0005】
ところで、上述の問題は、受信側の環境の物理的制約から発生するものであるが、さらに、利用者自身にとって必要な情報や不要な情報がある。例えば、マルチメディアデータは一般にデータ量が多い。そのために、マルチメディアデータを添付した電子メールの送受信には通信回線を浪費し、受信側端末ではその電子メールを受信するのに長時間を要し、さらにその電子メールを端末に取り込むためには膨大なディスク容量が必要となる。したがって、ある利用者にとっては、電子メールに添付のマルチメディアデータは不要なものと感じる場合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平7−66830号公報に記載された従来のメールシステムでは、送信者から送られる電子メールに対して受信者の要望や嗜好が全く反映されない。そのために、上記携帯型情報端末の中にはマルチメディアデータを扱えないものもあると言う問題は解決できるが、利用者自身にとって不要な情報が混在するという問題は解決されない。
【0007】
また、送り手によって一方的に作成された電子メールは、受信者にとって必ずしも読み易く書かれているとは限らない。また、従来の電子メール中継装置には電子メールに広告を掲載することが可能なものもあるが、その場合の広告の掲載は利用者の嗜好とは関係なく行われている。
【0008】
そこで、この発明の目的は、受信者の要望・嗜好を反映し、読み易いように電子メールを変換でき、利用者が興味を持つ広告を選択的に掲載することを可能にする電子メール中継装置、および、電子メール中継処理プログラムが記録されたプログラム記録媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、メールサーバから発信された電子メールを送信先ホストに中継する電子メール中継装置において、電子メール利用者の個人情報を格納する個人情報テーブルと、上記個人情報テーブルに上記個人情報を登録する個人情報登録手段と、上記個人情報テーブルを参照してメール受信者の個人情報を取得する個人情報取得手段と、上記取得された個人情報に基づいて,上記メールサーバからの電子メールを変換するメール変換手段と、上記個人情報テーブルに登録されている利用者の場合には上記メール変換手段を制御して上記電子メールの変換を行わせる一方 , 上記個人情報テーブルに登録されていない利用者の場合には上記個人情報登録手段を制御して利用者初期情報の登録を行わせる制御手段を備えたことを特徴としている。
【0010】
上記構成によれば、メールサーバから発信された電子メールを送信先ホストに中継するに際して、上記個人情報テーブルに登録されている利用者の場合には、制御手段によって上記メール変換手段が制御されて、個人情報取得手段によって個人情報テーブルから取得された個人情報に基づいて上記電子メールが変換される。こうして、受信者の要望・嗜好を反映した変換が行われた電子メールが受信者に送信される。一方、上記個人情報テーブルに登録されていない利用者の場合には、制御手段によって上記個人情報登録手段が制御されて、上記個人情報テーブルに利用者初期情報の登録が行われる。
【0011】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の電子メール中継装置において、上記個人情報登録手段は、電子メール利用者が電子メールを受信するに先立って、上記送信先ホストから上記メールサーバに送信されるユーザ名とパスワードとを読み出して、上記利用者初期情報として上記個人情報テーブルに格納するようになっていることを特徴としている。
【0012】
上記構成によれば、電子メールの受信に先立って送信先ホストからメールサーバに送信されるユーザ名とパスワードとが、上記個人情報登録手段によって読み出されて上記個人情報テーブルに登録される。こうして、電子メール利用者のユーザ名とパスワードとが、利用者自ら登録することなく自動的に登録される。
【0013】
また、請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明の電子メール中継装置において、電子メール利用者によって上記送信先ホストから送信された利用者付加情報を受信する受信手段を備えると共に、上記個人情報登録手段は、電子メール利用者が電子メールを受信するに先立って上記送信先ホストから上記メールサーバに送信されるユーザ名とパスワードとを読み出して,上記利用者初期情報として上記個人情報テーブルに格納する初期情報登録手段と、上記受信手段によって受信された上記利用者付加情報を,上記個人情報テーブルに追加登録する付加情報登録手段を有することを特徴としている。
【0014】
上記構成によれば、電子メール利用者のユーザ名とパスワードとが、利用者自ら登録することなく自動的に個人情報テーブルに登録される。さらに、必要に応じて、上記送信先ホストから送信された利用者付加情報が、先に登録されているユーザ名とパスワードとに対応付けられて上記個人情報テーブルに追加登録される。こうして、電子メール利用者の要望・嗜好が登録されて、利用者のニーズに合せた木目細かなメール変換が可能になる。
【0015】
また、請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明の電子メール中継装置において、上記利用者付加情報は添付文書の処理方法を指定する添付文書処理項目を含んでおり、上記メール変換手段は,上記個人情報テーブルに格納された上記添付文書処理項目の内容を参照して電子メールに添付された添付文書の変換を行うようになっていることを特徴としている。
【0016】
上記構成によれば、添付文書処理項目に添付文書の削除や変換方法を指定おくことによって、電子メール利用者の要望に応じた添付文書の削除や音声データのテキスト変換等が行われる。
【0017】
また、請求項5に係る発明は、請求項3に係る発明の電子メール中継装置において、上記利用者付加情報は年齢情報を含んでおり、上記メール変換手段は,上記個人情報テーブルに格納された上記年齢情報を参照して,メール本文中の漢字の一部または全てを平仮名に変換するようになっていることを特徴としている。
【0018】
上記構成によれば、上記個人情報テーブルに電子メール利用者の年齢を登録しておくことによって、電子メール利用者の年齢に応じた漢字平仮名変換が行われる。
【0019】
また、請求項6に係る発明は、請求項3に係る発明の電子メール中継装置において、広告を利用者の嗜好別に分類して格納する広告格納手段を備えると共に、上記利用者付加情報は利用者の嗜好情報を含んでおり、上記メール変換手段は,上記個人情報テーブルに格納された上記嗜好情報を参照して,利用者の嗜好に適合した広告を上記広告格納手段から読み出して電子メールに付加するようになっていることを特徴としている。
【0020】
上記構成によれば、上記個人情報テーブルに電子メール利用者の嗜好を登録しておくことによって、電子メール利用者の嗜好に合せた広告が電子メールに付加される。
【0021】
また、請求項7に係る発明は、メールサーバから発信された電子メールを電子メール中継装置によって送信先ホストに中継するコンピュータプログラムが記録されたプログラム記録媒体において、上記電子メール中継装置を、個人情報テーブルに電子メール利用者の個人情報を登録する個人情報登録手段と、上記個人情報テーブルを参照してメール受信者の個人情報を取得する個人情報取得手段と、上記取得された個人情報に基づいて上記メールサーバからの電子メールを変換するメール変換手段と、上記個人情報テーブルに登録されている利用者の場合には上記メール変換手段を制御して上記電子メールの変換を行わせる一方 , 上記個人情報テーブルに登録されていない利用者の場合には上記個人情報登録手段を制御して利用者初期情報の登録を行わせる制御手段として機能させるプログラムが記憶されていることを特徴としている。
【0022】
上記構成によれば、請求項1に係る発明の場合と同様に、上記個人情報テーブルに登録された個人情報に基づいて、受信者の要望・嗜好を反映した変換が行われた電子メールが受信者に送信される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。図1は、本実施の形態の電子メール中継装置におけるブロック図である。図1において、1は電子メールをネットワーク4上に配信するメールサーバ、2は電子メール利用者が電子メールの送信および受信を行うための端末であるメールクライアント、3はメールクライアント2からメールサーバ1へ或はメールサーバ1からメールクライアント2ヘ電子メールを中継する電子メール中継装置である。
【0024】
上記メールサーバ1は、メールサーバプログラムが動作するパソコンまたはワークステーション等のサーバ機器を有し、通信ケーブルを介してネットワーク4に接続されているものとする。ここで、上記メールサーバプログラムとしては、例えばサーバが「UNIX」マシンの場合には「sendmail」などが有名である。
【0025】
上記メールクライアント2は、電子メールの本文を作成して指定された宛先に送信する処理や受信された電子メールを画面上に表示する処理等を行うプログラムである通常メーラと呼ばれるものが搭載されたパソコンあるいは電子手帳等の情報処理装置であり、キーボード等の入力装置とディスプレイ等の出力装置を備えている。そして、通信ケーブルを介してネットワーク4’に接続されている。尚、本実施の形態におけるメーラは、電子メール中継装置3を介してメールサーバ1にアクセスするよう設定されているものとする。また、本実施の形態においては、利用者からの追加情報の送信にWWW(World Wide Web)を利用するために、「Netscape」等のブラウザが搭載されているものとする。
【0026】
上記電子メール中継装置3には、個人情報登録部5,個人情報テーブル6,個人情報取得部7,メール変換部8,プロキシ部9,WWWサーバ10,制御部11および広告格納部12が搭載されている。上記個人情報登録部5は、電子メール利用者の個人情報を個人情報テーブル6に登録して保持する。個人情報取得部7は、指定された利用者の個人情報を個人情報テーブル6から取得する。メール変換部8は、個人情報取得部7によって取得された個人情報に基づいて電子メールを変換する。プロキシ部9は、メールクライアント2とメールサーバ1との間の通信を中継する。WWWサーバ10は利用者に対してWWWサービスを提供する。制御部11は、上記各部を制御してメール中継処理や個人情報登録処理やメール変換処理を実行する。広告格納部12には、電子メールに付加する広告が格納される。
【0027】
図2は、上記個人情報テーブル6の構造を示す概念図である。個人情報テーブル6には、利用者毎のユーザ名,パスワードおよび利用者付加情報が登録されている。利用者付加情報としては、年齢,趣味,職業および添付文書の扱い方を示す添付文書処理項目が設定されており、利用者によってそれらの総てあるいは一部が登録されるものとする。
【0028】
本実施の形態における電子メール中継装置3の処理内容には第1の行程と第2の行程とがある。上記第1の工程では、メールクライアント2からのメール受信要求時に対して、既に個人情報テーブル6に登録されている利用者に付いては個人情報に基づいて電子メールを変換する一方、未登録の利用者に付いては利用者初期情報を個人情報テーブル6に登録する。また、上記第2の工程では、個人情報テーブル6に登録された利用者からの追加登録要求に応じて、利用者付加情報を登録する。
【0029】
まず、上記第1の行程の処理内容に付いて詳細に説明する。通常、電子メール利用者は予めメールサーバ1に登録されており、電子メール受信の際にはメールクライアント2がメールサーバ1に対してPOPプロトコルを用いてメール受信リクエストを送信する。そうすると、メールサーバ1は、リクエストに応じてメールクライアント2に電子メールを送信する。その際に、メールクライアント2はメールサーバ1に対して、利用者を特定するためにPOPブロトコルのコマンドであるUSERコマンドおよびPASSコマンドを送信する。上記USERコマンドは登録された利用者のユーザ名を表し、PASSコマンドはパスワードを表す。これらのコマンドによってユーザ名とパスワードが正しく与えられた場合に限り、メールサーバ1から「OK」のレスポンスが得られて電子メールの受信が可能となる。
【0030】
本実施の形態においては、上記個人情報登録部5はプロキシ部9を監視しており、メールクライアント2からプロキシ部9を介して電子メールの受信要求が送信された場合に上記第1の行程のプログラムが起動される。
【0031】
図3は、上記制御部11の制御の下に、個人情報登録部5,個人情報取得部7およびメール変換部8によって実行される第1の行程の処理動作を示すフローチャートである。ここでは、個人情報登録部5はプロキシ部9を監視しており、プロキシ部9によってメールクライアント2からのリクエストを中継する際に、USERコマンドおよびPASSコマンドを読み出すことで利用者を特定する。
【0032】
ステップS1で、上記個人情報登録部5によって、メールクライアント2から送信されるUSERコマンドからユーザ名が読み出され、PASSコマンドからパスワードが読み出される。ステップS2で、メールサーバ1からのレスポンスが取得され、そのレスポンスが「OK」か否かが判別される。その結果、「OK」の場合にはステップS3に進む。一方、そうでなければ、この利用者はメールサーバ1に登録されておらず、電子メールの受信が不可能であるために上記第1の行程の処理動作を終了する。
【0033】
ステップS3で、上記個人情報テーブル6を参照して、上記読み出したユーザ名とパスワードとが既に登録されているか否かが判別される。その結果、登録されていればステップS5に進み、そうでなければステップS4に進む。ステップS4で、上記読み出されたユーザ名とパスワードとをペアにして上記使用者初期情報として個人情報テーブル6に登録される。そうした後、上記第1の行程の処理動作を終了する。
【0034】
ステップS5で、上記個人情報取得部7に処理が渡され、個人情報取得部7によって、上記ユーザ名とパスワードとが参照されて個人情報テーブル6から対応する利用者の利用者付加情報が読み出される。ステップS6で、上記メール変換部8に処理が渡され、メール変換部8によって、プロキシ部9から受け取った電子メールが上記読み出された利用者付加情報に応じて変換される。そして、変換後の電子メールがプロキシ部9に渡されて、上記第1の行程の処理動作を終了する。以後、プロキシ部9によって、変換後の電子メールがメールクライアント2に送信される。
【0035】
以上が、上記第1の行程に関する説明である。尚、メール変換の具体例に付いては後に詳細に説明する。次に、上記第2の行程である利用者付加情報の登録に付いて説明する。
【0036】
ここでは、利用者からの追加情報はブラウザを用いたHTTP(ハイパーテキスト・トランスファ・プロトコル)リクエストによって送信され、WWWサーバ10によって受信された追加情報を利用者付加情報として個人情報テーブル6に追加登録する。図4は、上記第2の行程の処理動作を示すフローチャートである。尚、図4中、ステップS11〜ステップS13は利用者による操作ステップであり、ステップS14〜ステップS16は制御部11の制御の下に個人情報登録部5によって実行される処理ステップである。以下、図4に従って上記第2の工程の処理動作に付いて説明する。
【0037】
ここで、上記個人情報登録部5には利用者の個人情報を追加登録するためのホームページである追加登録ページが用意されており、WWWサーバ10によってインターネット上に公開されている。
【0038】
ステップS11で、追加情報を登録しようとする利用者によって、WWWサーバ10の提供する上記追加登録ぺ―ジにアクセスされる。一般に、WEBページヘのアクセスは、ブラウザからURL(ユニフォーム・リソース・ロケーション)を指定して行う。本実施の形態での追加登録ページヘのアクセスは、ブラウザでURLとして「http://mailconv.sharp.co.jp/tuika.htm1」を指定するものとする。図5は上記追加登録ページの概要を示す。上記追加登録ページは、HTML(ハイパーテキスト・マークアップ言語)で記述されたFORMタグを用いて作成されており、ユーザ名,パスワード及び年齢や職業等の追加情報を書き込む入力エリア15と、入力された項目を送信するための送信ボタン16から構成されている。
【0039】
ステップS12で、利用者によって、ブラウザ上で上記追加登録ページの各項目が入力される。ステップS13で、上記追加登録ページの送信ボタン16が押圧されて、入力された追加登録内容がWWWサーバ10に送信される。
【0040】
ステップS14で、上記個人情報登録部5によって、WWWサーバ10に送信されてきたデータからユーザ名とパスワードとが取得される。ステップS15で、個人情報テーブル6を参照して、上記取得されたユーザ名とパスワードとが登録されているか否かが調べられる。その結果、登録されていればステップS16に進む一方、そうでなければ第2の工程処理動作を終了する。ステップS16で、WWWサーバ10に送信されてきたデータから、更に年齢,職業等の追加情報が順次読み出され、個人情報テーブル6の対応する利用者付加情報欄に書き込まれる。そうした後、第2の行程の処理動作を終了する。
【0041】
以上が、上記第2の行程に関する説明である。尚、利用者によるブラウザからの個人情報の追加情報の入力は、メールクライアント2における上記入力装置からの直接文字入力によって行ってもよいが、予め用意したリストから利用者に選択させるようにしてもよい。
【0042】
以下、上記個人情報テーブル6に登録された利用者付加情報を用いたメール変換に付いて具体例を用いて説明する。最初の例は、利用者付加情報の「添付文書処理項目」の内容に応じて電子メールを変換する例である。ここでは、説明を簡単にするために、添付文書処理項目として、添付文書の削除を指示する「不要」と添付文書が音声データのときにテキストに変換する「テキスト変換」とが用意されていると仮定する。
【0043】
そうすると、上記メール変換部8は、図3に示す第1の行程の処理動作におけるステップS6において、利用者付加情報の「添付文書処理項目」を参照し、その内容が「不要」であれば電子メールから添付文書部分をカットする。一方、「テキスト変換」であれば、添付文書部分が音声データである場合にテキストに変換する。ここで、上記音声データをテキストに変換する処理は、メール変換部8内に音声認識装置を組み込むによって従来技術で容易に実現できるものである。
【0044】
上述の変換処理を、図2に示す個人情報テーブル6の内容を例に従って説明すると、次の様になる。すなわち、上記添付文書の項目を指定しているユーザ名は「asada」と「okada」である。そして、ユーザ「asada」の場合には添付文書は「不要」と設定され、ユーザ「okada」の場合には「テキスト変換」が指定されている。したっがって、この場合には、ユーザ「asada」が受信する電子メールにおける添付文書は削除される一方、ユーザ「okada」が受信する電子メールにおける音声データはテキストに変換される。尚、ここでは、添付文書処理項目の指定がなければ、添付文書に関する変換は行わないものとする。
【0045】
次のメール変換の例は、利用者の年齢に応じて、特に利用者が子どもの場合に漢字を平仮名に変換する例である。ここでは、説明を簡単にするために、ある年齢以下の利用者に対して電子メール中の全漢字を平仮名に変換する例を挙げる。この場合、メール変換部8は利用者付加情報の年齢の項目を参照して、参照年齢が予め設定した所定値以下であれば電子メール中の全ての漢字を平仮名に変換する。尚、上記漢字の平仮名への変換は、メール変換部8に形態素解析装置や単語辞書等を組み込むことによって従来技術で実現可能である。
【0046】
例えば、12歳以下の利用者については漢字を平仮名に変換するとすれば、図2に示す個人情報テーブル6の内容を例に取つて説明すると、次の様になる。すなわち、ユーザ「yamamoto」は10歳であるから、ユーザ「yamamoto」が受信する電子メールに関しては全ての漢字が平仮名に変換されることになる。
【0047】
最後のメール変換の例は、利用者の趣味に応じて、電子メールに適切な広告を掲載する例である。この例の場合には、予め趣味をスポーツ,読書,カメラ,音楽等に分類された複数の広告が広告格納部12に格納されており、利用者は、図5に示す追加登録ページにおける入力エリア15の趣味の項目に上記分類項目の中から選択して入力するものとする。そうすると、メール変換部8は、個人情報テーブル6における利用者付加情報の趣味の項目を参照して、設定された分類項目に属する広告を電子メールに付け加える。尚、電子メールに広告を付け加える方法として、本文に付け加える方法と添付文書として付け加える方法とがあるが、どちらも従来の技術で実現できるものである。
【0048】
上述の変換処理を、図2に示す個人情報テーブル6の内容を例に従って説明すると、次の様になる。すなわち、ユーザ「asada」の趣味は「読書」に設定されているので、受信メールには「読書」に分類された広告が付け加えられる。一方、ユーザ「yamamoto」の趣味は「カメラ」に設定されているので、受信メールには「カメラ」に分類された広告が付け加えられるのである。
【0049】
ところで、上記各実施の形態における制御部11による上記個人情報登録手段,個人情報取得手段およびメール変換手段としての機能は、プログラム記録媒体に記録された電子メール中継処理プログラムによって実現される。上記実施の形態における上記プログラム記録媒体は、例えばROM(リード・オンリ・メモリ)等のメモリ(図示せず)でなるプログラムメディアである。あるいは、外部補助記憶装置(図示せず)に装着されて読み出されるプログラムメディアであってもよい。尚、何れの場合においても、上記プログラムメディアから電子メール中継処理プログラムを読み出すプログラム読み出し手段は、上記プログラムメディアに直接アクセスして読み出す構成を有していてもよいし、制御部11内に設けられたプログラム記憶エリア(図示せず)にダウンロードし、上記プログラム記憶エリアにアクセスして読み出す構成を有していてもよい。尚、上記プログラムメディアから上記プログラム記憶エリアにダウンロードするためのダウンロードプログラムは、予め本体装置に格納されているものとする。
【0050】
ここで、上記プログラムメディアとは、本体側と分離可能に構成され、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピーディスク,ハードディスク等の磁気ディスクやCD(コンパクトディスク)−ROM,MO(光磁気)ディスク,MD(ミニディスク),DVD(ディジタルビデオディスク)等の光ディスクのディスク系、IC(集積回路)カードや光カード等のカード系、マスクROM,EPROM(紫外線消去型ROM),EEPROM(電気的消去型ROM),フラッシュROM等の半導体メモリ系を含めた、固定的にプログラムを坦持する媒体である。
【0051】
また、上記実施の形態における電子メール中継装置は、インターネットを含む通信ネットワークと接続可能な構成を有している。したがって、上記プログラムメディアは、通信ネットワークからのダウンロード等によって流動的にプログラムを坦持する媒体であっても差し支えない。尚、その場合における上記通信ネットワークからダウンロードするためのダウンロードプログラムは、予め本体装置に格納されているものとする。あるいは、別の記録媒体からインストールされるものとする。
【0052】
尚、上記記録媒体に記録されるものはプログラムのみに限定されるものではなく、データも記録することが可能である。
【0053】
以上のごとく、上記実施の形態においては、上記メールサーバ1とメールクライアント2との間で電子メールを中継する電子メール中継装置3に、ユーザ名,パスワードおよび利用者付加情報が登録される個人情報テーブル6を搭載する。そして、メールクライアント2から電子メール中継装置3のプロキシ部9を介してメールサーバ1に対して電子メールの受信要求が送信された場合に、個人情報登録部5はメールクライアント2から送信されるコマンドからユーザ名とパスワードとを取得する。そして、メールサーバ1からのレスポンスが「OK」であり、個人情報テーブル6に上記ユーザ名とパスワードとが登録されていない場合には個人情報テーブル6に当該ユーザ名とパスワードとを登録する。こうして、新たな使用者のユーザ名とパスワードとを、自動的に個人情報テーブル6に上記利用者初期情報として登録するのである。
【0054】
一方、当該ユーザ名とパスワードとが既に登録されている場合には、個人情報取得部7によって対応する利用者の利用者付加情報を読み出し、メール変換部8によってプロキシ部9から受け取った電子メールを読み出された利用者付加情報に応じて次の様に変換してメールクライアント2に送信するようにしている。
(1) 添付文書の削除と音声データのテキストデータへの変換
(2) ユーザ年齢による漢字→平仮名変換
(3) ユーザの趣味による広告の掲載
【0055】
したがって、本実施の形態によれば、受信した電子メールに受信者の要望や嗜好を反映させて、要求先の利用者に送信できる。そのために、音声データを再生できない利用者に音声データが付加された電子メールを送信したり、マルチメディアデータを必要としない利用者にマルチメディアデータが付加された電子メールを送信したり、子供に漢字だらけで読めない電子メールを送信したり、全く興味のない広告が掲載された電子メールを送信したりするという不都合を解消することができるのである。
【0056】
また、上記電子メール中継装置3にはWWWサーバ10を搭載し、個人情報登録部5には利用者の個人情報を追加登録するための追加登録ページを用意して、WWWサーバ10によってインターネット上に公開している。そして、電子メールの利用者は、ブラウザが搭載されたメールクライアント2からWWWを利用して上記追加登録ぺ―ジにアクセスし、上記追加登録ページの各項目内容を入力することによって上記利用者付加情報の追加情報を個人情報テーブル6に登録可能にしている。
【0057】
したがって、電子メールに添付される文書に対する要望の在る利用者は、メールクライアント2から上記追加登録ぺ―ジにアクセスして各項目内容を入力するだけの簡単な処理で、上記利用者付加情報の定まった項目の内容を間違わずに入力できるのである。
【0058】
尚、上記実施の形態における利用者付加情報は、年齢,職業,趣味および添付文書処理項目から構成されているが、この発明はこれに限定されるものではない。また、添付文書の変換例として添付文書の削除と音声データのテキストヘの変換のみを挙げた。しかしながら、この発明はそれらに限定されるものではなく、テキストデータの音声データへの変換,データの圧縮,ワープロ等で作成した文書ファイルのテキストファイルヘの変換,画像の拡大・縮小等を含む多岐に渡るものである。
【0059】
さらに、上記実施の形態においては、利用者の年齢に応じて漢字を平仮名に変換する場合には、所定年齢以下の利用者に対して電子メール中の全漢字を平仮名に変換するようにしているが、予め年齢別に利用できる漢字の範囲を設定しておいて年齢に応じて上記範囲外の漢字のみを平仮名に変換しても差し支えない。また、利用者付加情報に基づく電子メールの変換例として、添付データの変換,漢字→平仮名の変換,広告の掲載の3例を挙げているが、この発明はそれらに限定されるものではない。
【0060】
【発明の効果】
以上より明らかなように、請求項1に係る発明の電子メール中継装置は、メールサーバから発信された電子メールを送信先ホストに中継するに際して、個人情報登録手段によって個人情報テーブルに電子メール利用者の個人情報を登録し、上記個人情報テーブルに登録されている利用者の場合には、個人情報取得手段によって上記個人情報テーブルから取得された個人情報に基づいて、メール変換手段によってメールサーバからの電子メールを変換するので、受信者の要望・嗜好を反映した変換を行った電子メールを受信者に送信できる。一方、上記個人情報テーブルに登録されていない利用者の場合には、上記個人情報登録手段によって利用者初期情報の登録を行うことができる。
【0061】
また、請求項2に係る発明の電子メール中継装置における上記個人情報登録手段は、電子メール利用者がメール受信に先立って上記送信先ホストから上記メールサーバに送信するユーザ名とパスワードとを読み出して、上記利用者初期情報として上記個人情報テーブルに格納するので、電子メール利用者のユーザ名とパスワードとを自動的に登録できる。したがって、利用者がユーザ名とパスワードとを登録する必要が無く、利用者の煩わしさをなくすことができる。
【0062】
また、請求項3に係る発明の電子メール中継装置における上記個人情報登録手段は、電子メール利用者がメール受信に先立って上記送信先ホストから上記メールサーバに送信するユーザ名とパスワードとを読み出して上記利用者初期情報として上記個人情報テーブルに格納し、さらに、受信手段によって受信された利用者付加情報を上記個人情報テーブルに追加登録するので、電子メール利用者のユーザ名とパスワードとを、利用者自ら登録することなく自動的に個人情報テーブルに登録できる。さらに、電子メール利用者の要望・嗜好に合せた木目細かなメール変換が可能になる。
【0063】
また、請求項4に係る発明の電子メール中継装置における上記メール変換手段は、上記個人情報テーブルに格納された上記利用者付加情報の1つとしての添付文書処理項目の内容を参照して、電子メールに添付された添付文書の変換を行うので、添付文書処理項目に添付文書の削除や変換方法を指定おくことによって、電子メール利用者の要望に応じた添付文書の削除や音声データのテキスト変換等を行うことができる。
【0064】
すなわち、この発明によれば、利用者に不要な文書が添付された電子メールが送信されたり、音声データを再生できない利用者に音声データが添付された電子メールが送信されたりする不都合を回避できる。
【0065】
また、請求項5に係る発明の電子メール中継装置における上記メール変換手段は、上記個人情報テーブルに格納された上記利用者付加情報の1つとしての年齢情報を参照して、メール本文中の漢字の一部あるいは全てを平仮名に変換するので、電子メール利用者の年齢に応じた漢字平仮名変換を自動的に行うことができる。
【0066】
すなわち、この発明によれば、利用者が子どもである場合に、年齢に応じて漢字を平仮名に変換して読み易い電子メールを送信できる。したがって、電子メールの使用年齢層を低年齢層まで広げることができる。
【0067】
また、請求項6に係る発明の電子メール中継装置における上記メール変換手段は、上記個人情報テーブルに格納された上記利用者付加情報の1つとしての嗜好情報を参照して、利用者の嗜好に適合した広告を電子メールに付加するので、利用者の趣味に応じて最適な広告を電子メールに掲載することができる。
【0068】
また、請求項7に係る発明のプログラム記録媒体は、メールサーバから発信された電子メールを送信先ホストに中継する電子メール中継装置を、個人情報テーブルに利用者の個人情報を登録する個人情報登録手段と、上記個人情報テーブルからメール受信者の個人情報を取得する個人情報取得手段と、上記取得された個人情報に基づいて電子メールを変換するメール変換手段と、上記個人情報テーブルに登録された利用者の場合は上記メール変換手段に上記電子メールの変換を行わせる一方、上記個人情報テーブルに登録されていない利用者の場合は上記個人情報登録手段に利用者初期情報の登録を行わせる制御手段として機能させるプログラムを記憶しているので、請求項1に係る発明の場合と同様に、上記個人情報テーブルに登録された個人情報に基づいて、受信者の要望・嗜好を反映した変換を行った電子メールを受信者に送信できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の電子メール中継装置におけるブロック図である。
【図2】図1における個人情報テーブルの構造を示す概念図である。
【図3】第1の行程の処理動作を示すフローチャートである。
【図4】第2の行程の処理動作を示すフローチャートである。
【図5】追加登録ページの概要を示す図である。
【符号の説明】
1…メールサーバ、
2…メールクライアント、 3…電子メール中継装置、
4,4’…ネットワーク、 5…個人情報登録部、
6…個人情報テーブル、 7…個人情報取得部、
8…メール変換部、 9…プロキシ部、
10…WWWサーバ、 11…制御部、
12…広告格納部。

Claims (7)

  1. メールサーバから発信された電子メールを送信先ホストに中継する電子メール中継装置において、
    電子メール利用者の個人情報を格納する個人情報テーブルと、
    上記個人情報テーブルに上記個人情報を登録する個人情報登録手段と、
    上記個人情報テーブルを参照して、メール受信者の個人情報を取得する個人情報取得手段と、
    上記取得された個人情報に基づいて、上記メールサーバからの電子メールを変換するメール変換手段と、
    上記個人情報テーブルに登録されている利用者の場合には、上記メール変換手段を制御して上記電子メールの変換を行わせる一方、上記個人情報テーブルに登録されていない利用者の場合には、上記個人情報登録手段を制御して利用者初期情報の登録を行わせる制御手段
    を備えたことを特徴とする電子メール中継装置。
  2. 請求項1に記載の電子メール中継装置において、
    上記個人情報登録手段は、電子メール利用者が電子メールを受信するに先立って、上記送信先ホストから上記メールサーバに送信されるユーザ名とパスワードとを読み出して、上記利用者初期情報として上記個人情報テーブルに格納するようになっている
    ことを特徴とする電子メール中継装置。
  3. 請求項1に記載の電子メール中継装置において、
    電子メール利用者によって上記送信先ホストから送信された利用者付加情報を受信する受信手段を備えると共に、
    上記個人情報登録手段は、
    電子メール利用者が電子メールを受信するに先立って上記送信先ホストから上記メールサーバに送信されるユーザ名とパスワードとを読み出して、上記利用者初期情報として上記個人情報テーブルに格納する初期情報登録手段と、
    上記受信手段によって受信された上記利用者付加情報を、上記個人情報テーブルに追加登録する付加情報登録手段
    を有する
    ことを特徴とする電子メール中継装置。
  4. 請求項3に記載の電子メール中継装置において、
    上記利用者付加情報は、添付文書の処理方法を指定する添付文書処理項目を含んでおり、
    上記メール変換手段は、上記個人情報テーブルに格納された上記添付文書処理項目の内容を参照して電子メールに添付された添付文書の変換を行うようになっている
    ことを特徴とする電子メール中継装置。
  5. 請求項3に記載の電子メール中継装置において、
    上記利用者付加情報は、年齢情報を含んでおり、
    上記メール変換手段は、上記個人情報テーブルに格納された上記年齢情報を参照して、メール本文中の漢字の一部あるいは全てを平仮名に変換するようになっている
    ことを特徴とする電子メール中継装置。
  6. 請求項3に記載の電子メール中継装置において、
    広告を利用者の嗜好別に分類して格納する広告格納手段を備えると共に、
    上記利用者付加情報は、利用者の嗜好情報を含んでおり、
    上記メール変換手段は、上記個人情報テーブルに格納された上記嗜好情報を参照して、利用者の嗜好に適合した広告を上記広告格納手段から読み出して電子メールに付加するようになっている
    ことを特徴とする電子メール中継装置。
  7. メールサーバから発信された電子メールを電子メール中継装置によって送信先ホストに中継するコンピュータプログラムが記憶されたプログラム記録媒体において、
    上記電子メール中継装置を、
    個人情報テーブルに、電子メール利用者の個人情報を登録する個人情報登録手段と、
    上記個人情報テーブルを参照して、メール受信者の個人情報を取得する個人情報取得手段と、
    上記取得された個人情報に基づいて、上記メールサーバからの電子メールを変換するメール変換手段と、
    上記個人情報テーブルに登録されている利用者の場合には、上記メール変換手段を制御して上記電子メールの変換を行わせる一方、上記個人情報テーブルに登録されていない利用者の場合には、上記個人情報登録手段を制御して利用者初期情報の登録を行わせる制御手段
    として
    機能させるプログラムが記憶されていることを特徴とするプログラム記録媒体。
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