JP3594729B2 - Gps信号受信機で使用される遅延ロック・ループ - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は無線信号受信機、特に遅延ロック・ループを備えたGPS衛星から発信される信号の受信機で使用されることを目的とした遅延ロック・ループに関する。
【0002】
【従来の技術】
実際の名称がNAVSTAR−GPS(「航行衛星による時間および距離の全地球位置発見システム=「NAViagation Satellite Time And Ranging Global Positioning System」の略語)であるGPSシステムは、米国国防省によって開発されたものである。このシステムはGPS信号を伝送するために一群の航行衛星を利用しており、そこから地上受信機がその位置、速度および地域的時間を正確に判定することができる。一群は赤道に対して55°傾いた6つの軌道面内に20,183kmの高度で広がっている24基の衛星からなっている。衛星は24時間に亘って継続的に地球のあらゆる場所をカバーできるように広がっている。各衛星は高精度の計時情報を提供できるように、少なくとも一つの原子周波数基準を有する。加えて、各衛星は地上制御ステーションから計時情報と軌道情報を修正できる信号を受信する。
【0003】
各衛星は2つの異なる搬送波信号、すなわち1,575.42MHzの周波数を有する信号L1と、1,227.6MHzの周波数を有する信号L2で2位相偏移キーイング、すなわちBPSKによって同時に信号を発信する。信号L1とL2とは毎秒50ビットの周波数で発信される実際の情報と、大幅に高い周波数を有する衛星識別コードとからなっている。それには2種類のコード、すなわちコードC/A(Clear Access=クリヤ・アクセスの略語)およびコードP(Protested=防護の略語)が使用される。
【0004】
コードC/Aは1ms/sの反復周期を意味する1.023MHzの周波数で発生される1,023ビットからなっている。このようなコードを使用することが正当な理由は次のとおりである。(i)これは短期間中に白色ノイズの全ての特性を有するので疑似ランダム・コードであること、(ii)自己増殖すると無効になること、および(iii) 同じ搬送波信号で複数のユーザーへのアクセスが可能であること、である。コードC/AはL1搬送信号にのみ見い出され、これは民間用に用いられるコードである。衛星から発信される情報は先ずC/AコードでBPSK変調され、それによって初期基本帯域幅の50Hzから1.023MHzへ広がるスペクトルが生ずる。次にL1搬送波での変調が行われ、このようにして得られた信号が受信機に送信される。
【0005】
受信機によって受信された信号の特徴は、第一にエネルギーがノイズのエネルギを上回っていることである。信号/ノイズ比は−20dBの値である。スペクトル展開への逆作用が発信、すなわちその圧縮を行い、それによってメッセージを受入れ可能なエネルギ・レベルにすることができる。そのためには、受信された信号を対応する衛星の疑似ランダム・コードで乗算することが必要であり、それによって誘発される変調が除去される。その結果生じた信号のクオリティは受信機によって発生されたコードと、衛星によって発信されたコードとの同一性の度合いに依存する。このクオリティには、残念なことに、システムの構想に関連する不正確さが伴う。この不正確さの主な原因は、ドップラ効果による周波数偏移と、受信機の一部を構成する発振器、および相対移相の不正確さである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的の一つは、衛星と受信機のそれぞれの2つのC/Aコードを同期化するGPS信号受信機を実現することにある。
本発明の別の目的は、GPS信号スペクトルの圧縮を先行技術の場合よりも簡単に行うことのできるGPS信号受信機を実現することにある。
本発明の別の目的は、簡単で、効率が高く、安価で容易に実施できるGPS信号受信機を実施することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の本発明の目的は、疑似ランダム・コードによって変調された情報を含む、GPS衛星から発信される信号の捕捉段階中に、前記疑似ランダム・コードを識別するためにGPS衛星を探索するように構成された受信機で使用される遅延ロック・ループであって、
前記衛星の前記疑似ランダム・コードの複製を作成する疑似ランダム・コード発生器と、
局部発振器と、
前記疑似ランダム・コード発生器で作成された前記衛星の疑似ランダム・コードの前記複製を前記局部発振器の出力信号で変調する変調器と、
各々が前記変調器の出力に接続された相関器と、その相関器の出力に接続された帯域フィルタと、その帯域フィルタの出力に接続された信号検出回路とを含む複数個の信号チャネルと、
前記信号検出回路の出力信号の関数として前記局部発振器の出力信号の中心周波数を制御するように構成されたデータ処理装置、とを備え、
前記データ処理装置が前記信号捕捉段階中に数ステップで前記帯域フィルタの中心周波数と帯域幅とを制御することによって、前記帯域フィルタが各ステップで、先行するステップの通過帯域の一つを非重複帯域へと分割するように前記データ処理装置を構成したことを特徴とする遅延ロック・ループによって解決される。
【0008】
上記の特徴によって、遅延ロック・ループの3つのチャネル、すなわちGPS信号のトラッキング段階で必要なチャネルの帯域フィルタをGPS衛星の疑似ランダム・コードを識別するために信号捕捉段階でも利用できるように、GPS信号受信機を実施することが可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のその他の特徴と利点を添付図面を参照して説明するが、これは本発明を例示したに過ぎない。
【0010】
図1に本発明によるGPS受信機1の例の概略図が示されている。受信機1はGPS信号を検出することができるアンテナ2と、アンテナ2に接続された前置増幅器3と、公知の態様でGPS信号の無線周波数を中間周波数にする周波数変換(周波数低減)回路4とからなっている。フィードバック・ループ5が周波数変換回路4の出力に接続されていて、これは先ずその疑似ランダム・コードの識別によって衛星を発見し、追跡する役割を果たす。これらの2段階の動作はそれぞれ信号捕捉段階と、トラッキング段階と呼ばれる。疑似ランダム・コードの捕捉後、およびその追跡中に、復調およびトラッキング回路6が連携して前述の中間周波数にもたらされた搬送波信号の復調と、この搬送波信号の追跡とを実行する。回路6によって実行される復調により、GPS衛星によって発信された情報の回復が可能になり、データ判読回路7によってデータの解読が行われる。
【0011】
フィードバック・ループ5は遅延ロック・ループによって構成されている。この遅延ロック・ループは受信機によって発生された疑似ランダム・コードと、当該のGPS衛星から受信した信号との相互関係をさぐる、すなわちそれぞれを相関させる。その結果、2つの疑似ランダム・コードが同一である場合には、もはや白色ノイズとは見なされない信号が得られる。このような信号の検出と追跡は、上記の遅延ロック・ループの機能である。遅延ロック・ループ5は相関回路8と、フィルタ回路9と、信号検出回路10と、ディジタル・データ処理装置11と、疑似ランダム・コード発生回路12と、局部発振器13と変調器14とから構成されている。
【0012】
次にコード・ループ5の動作を、その一実施形態の概略図である図2を参照して説明する。コード・ループ5の入力で受信された信号はGPS衛星のひとつのC/AコードおよびGPS航行メッセージ情報とによって変調された搬送波信号周波数fIF1 である。信号制限器30と高速度スイッチS1とが1ビットで受信された信号のアナログ/ディジタル変換を行う。制限器30の入力で受信された信号の帯域幅LBは約2.046MHzであるので、中間周波数fIF1 は、信号スペクトルの折り重ねを避けるべき場合には、上記の遅延ロック・ループの半分と、前述の周波数偏移の値△fとの和よりも大きくなければならない。図2に示したコード・ループ5の場合は、1.050MHzであるfIF1 の定格値が用いられる。シャノン理論に基づき、サンプリング周波数fS1は少なくとも2×(LB/2+△f)MHzでなければならない。後述するように、1.023MHzに相当する2進値をデータ処理装置11で利用可能である。(この値は受信機1での局部コードの発生周波数と対応する。)従って、サンプリング周波数fS1の値を計算するにはこの値を用いることが便利である。例えば、fS1=4fprn+fprn/23=4,220MHzの値を用いることができる。
【0013】
サンプリングの後に、受信された信号は0Hzを中心とするスペクトルの最初の反復だけを保持するために帯域フィルタ31によって濾波される。帯域フィルタは2桁以上のディジタル・フィルタであることが好ましい。
【0014】
回路13は信号制限器32と、高速度スイッチS2と、低域フィルタ33と、局部発振器34を有している。局部発振器34は、その周波数fLOがデータ処理装置11からの制御信号によって制御される信号を発生する。信号制限器32は局部発振器34によって発生される信号の振幅を制御する。この信号はデータ処理装置11によって制御される高速度スイッチによって周波数fs1でサンプリングされる。このようにして、信号制限器32と高速度スイッチS2(信号制限器30と、高速度スイッチS1と同様に)とがアナログ/ディジタル変換器を構成する。次に、0Mhzを中心とするスペクトルの最初の反復だけを保持するために、信号は帯域フィルタ33によって濾波される。帯域フィルタ33も2桁以上のディジタル・フィルタであることが好ましい。
【0015】
回路12は疑似ランダム・コード発生器35と、高速度スイッチS3と、帯域フィルタ36とを有している。疑似ランダム・コード発生器はGPS衛星の一つによって発信されるC/Aコードと同一である1,023ビットのコードを作成する。発生されたコードの正確さ、ひいては受信機1によって探索され、追跡された衛星は、データ処理装置11からの制御信号によって判定される。受信機によって作成された疑似ランダム・コードは以後「局部コード」と呼ぶ。局部コードを構成するビットは、探索されたGPS衛星によって発信されたC/Aコードの定格周波数に対応する、(データ処理装置11によって供給されるクロック・パルスによって制御された)1.023MHzの周波数で発生される。局部コードはデータ処理装置11によって制御された高速度スイッチS3によって周波数fS1でサンプリングされる。次に、サンプリングされた信号は帯域フィルタ36によって濾波される。帯域フィルタ36も2桁以上のディジタル・フィルタであることが好ましい。
【0016】
図2の遅延ロック・ループ1では、図2に示された変調器14は排他的ORゲートによって実施されている。帯域フィルタ33および36の出力信号はそれぞれ排他的ORゲート14の2つの入力に印加される。その結果、排他的ORゲート14の出力信号は中心周波数fLOに転置された局部コードのスペクトルを有する信号である。
【0017】
別の実施形態(図示せず)では、局部発振器34と疑似ランダム・コード発生器35の出力信号は排他的ORゲート14の2つの入力に直接印加してもよい。この場合は、排他的ORゲート14の出力信号はスイッチS2およびS3と同種類の高速度スイッチによって周波数fS1にてサンプリングすることができる。次に、この信号を帯域フィルタ33および36と同種類の帯域フィルタによって濾波することができる。このような構成では、図2に示した遅延ロック・ループ5よりも部品が少なくて済むことが有利である。
【0018】
相関回路8は、出力がそれぞれ3つのインバータ・ゲート40、41および42へ接続される3つの排他的ORゲート37、38および39と、2つの遅延回路43および44とを有する。帯域フィルタ31の出力は排他的ORゲート37、38および39の入力の一つに接続されている。排他的ORゲート14の出力は排他的ORゲート37、38および39の別の入力に接続されている。しかし、遅延回路43および44は排他的ORゲート37と38の入力信号の間、および排他的ORゲート38と39の入力での信号の間に△/2の遅延をもたらす。この場合、△は1ビットのコードの継続期間に相当する(1ビットのコードは「チップ」と呼ばれる)。遅延回路43と44とは受信機1のトラッキング段階に必要であり、この点に関してその動作を更に説明する。インバータ・ゲート40、41、および42は排他的ORゲート37、38および39のそれぞれの出力信号の論理状態を反転させる。すなわち、排他的ORゲート37、38および39の入力における2つのビットが同じ論理状態にある場合は、すなわち、双方の間に相関関係がある場合には、インバータ・ゲート40、41および42の出力信号は論理レベルが高い状態にあり、排他的ORゲート37、38および39の入力における2つのビットが同じ論理状態にない場合、すなわち双方の間に相関関係がない場合には、インバータ・ゲート40、41および42の出力信号は論理レベルが低い状態にある。
【0019】
排他的ORゲート14と制限器30との出力信号が同じ周波数で効率よくサンプリングされることによって、信号を相互に結合するために乗算器を使用する代わりに遅延ロック・ループ5内の排他的ORゲート37、38および39を使用することが可能になる。同様にして、疑似ランダム・コード発生器の出力信号が同じ周波数を有していることによって、信号を相互に結合するために乗算器を使用せずに排他的ORゲート14を使用することが可能になる。これが、GPS受信路の実施を簡単にするのである。
【0020】
上述の相関によって、信号スペクトルは約2MHzの付加帯域幅から、約100Hzの情報信号のスペクトルにされる。この動作によって直接利用できる信号は得られない。濾波が必要であるのは、圧縮されたスペクトルの外側にある不要な成分を除去するためである。フィルタ回路9はそれぞれがインバター・ゲート40、41および42の出力に接続された全域通過フィルタ45、46および47と、それぞれが全域通過フィルタ45、46および47の出力に接続された帯域フィルタ48、49および50とからなっている。
【0021】
全域通過フィルタ45、46および47はそれぞれが積分器45.1と、高速度スイッチS4と、微分器45.2との組合わせ、積分器46.1と、高速度スイッチS5と、微分器46.2との組合わせ、および積分器47.1と、高速度スイッチS6と、微分器47.2との組合わせから構成されている。
【0022】
フィルタ45、46および47の濾波機能は全域通過機能であるが、高速度スイッチS4、S5およびS6とそれぞれ積分器45.1と微分器45.2との間、積分器46.1と微分器46.2との間、積分器47.1と微分器47.2との間の遮断によって、フィルタ45、46および47の入力に存在する信号をアンダー・サンプリングすることが可能になる。
【0023】
次に、フィルタ48、49および50によって、組合わせフィルタ45、46および47の出力からのそれぞれの低サンプリング周波数信号の所望の帯域濾波機能が達成される。帯域フィルタ48、49および50は4桁以上のディジタル・フィルタであることが好ましい。アンダー・サンプリングによって、下記の利点が得られる。すなわち(i)帯域フィルタ48、49および50の必要な感度を低減できること、および(ii)遅延ロック・ループ5のエネルギ消費を節減できること、である。
【0024】
帯域フィルタ48、49および50の出力で得られる信号はGPSメッセージの(50Hzで発信される)情報によって位相変調(BPSK)された搬送波信号と、局部コードと当該のGPS衛星によって発信されたC/Aコードとの相関関数によって振幅変調された信号とから構成されている。これらの信号は信号検出回路10の入力に印加される。この信号検出回路10はそれぞれが3つの積分とリセットツゥゼロ回路54、55、56に接続された3つの乗算器51、52および53を備えている。乗算器51、52および53は各々がその出力信号の方形波信号である出力信号を生成するように構成されている。
【0025】
乗算器51、52、53による積算で帯域フィルタ48、49および50による濾波の後に得られる信号の累乗が示され、回路54、55および56による積分によって前記信号のエネルギの測定が可能になる。このようにして算出され、帯域フィルタ48、49、50の出力信号の振幅に比例する数値は、局部コードとGPS衛星によって発信されたC/Aコードとの相関のクオリティを示す。
【0026】
積分および帰零回路54、55および56の出力からのディジタル数値全てデータ処理装置11によって処理されるようにこの装置に記憶される。次に、積分とリセットツゥゼロ回路54、55、56内の数値がゼロにリセットされる。
【0027】
受信機1がほぼ同一である3つの信号チャネルC1、C2およびC3からなっていることに留意されたい。すなわち、(i)排他的ORゲート37と、インバータ・ゲート40と、全域通過フィルタ45と、帯域フィルタ48と、乗算器51と、積分とリセットツゥゼロ回路54とから形成された第1チャネルC1と、(ii)排他的ORゲート38と、インバータ・ポート41と、全域通過フィルタ46と、帯域フィルタ49と、乗算器52と、積分とリセットツゥゼロ回路55とから形成された第2チャネルC2と、(iii) 排他的ORゲート39のポートと、インバータ・ポート42と、全域通過フィルタ47と、帯域フィルタ50と、乗算器53と、積分とリセットツゥゼロ回路56とから形成された第3チャネルC3とである。これらの3つのチャネルに存在する信号は同一であるが、互いに△/2だけ位相ずれしている。
次に信号捕捉段階とトラッキング段階中の受信機1の動作を説明する。
【0028】
信号捕捉段階は基本的に、そのC/Aコードを識別することによって受信機1用の可視的なGPS衛星を探索する段階である。捕捉段階は受信機1によって発生された局部コードとGPS衛星が受信した信号とを相関させることからなる。相関させるためには、2つの疑似ランダム・コードの同一性を損なう誤差を修正する必要がある。捕捉を行うには2つの異なる方法を採用することができる。すなわち、順次捕捉または周波数偏移による捕捉である。受信機1はこの2つの方法のうちの第1の方法を採用する。
【0029】
受信機1の順次捕捉段階中に、固定周波数、すなわち周波数fLOで受信機1によって発生された局部コードの可能な位相の全てと、当該衛星から受信された信号との相関が探索される。これを実施するには、ディジタル・データ処理装置11が疑似コード発生器12を制御して、この疑似コード発生器が衛星によって発信されたC/Aコードを構成する1023ビットの幾つかのビット群を順次発生するようにさせる。各群のビットの発生中に、ディジタル・データ処理装置11は疑似ランダム・コード発生器に供給されたクロック・パルスの一つを除去する(一つビット群とはC/Aコードを構成する1023ビットの完全な1サイクルである)。受信機1によって発生された局部コードの各々の完全な周期はこのようにして先行サイクルと位相ずれを生ずる。すなわち、衛星によって発信されたC/Aコードと、受信機1によって発生された局部コードとの間に位相の「スリップ」が生ずる。
【0030】
捕捉段階の開始時点で、局部発振器34はそれが1.023MHzの周波数fLOを有する出力信号を供給するように制御される。その結果、排他的ORゲート14の出力信号は2MHzの帯域幅で1.023MHzの定格周波数に中心が合わせられる。相関回路8による相関によって、定格中心周波数は(1.050−1.023)MHz=27KHzの値になる。
【0031】
前記のコード「スリップ」中に衛星から発信されたC/Aコードと受信機1によって発生された局部コードとの同期化を検知するには、相関された信号と、局部コードを有する相関されない信号との差を観察する必要がある。中間周波数fIF1 と、局部発振器34によって発生された信号の周波数が正確に判明していれば、同期化を検知するために、27KHzを中心とし、相関回路8の出力の一つに接続された100Hzの帯域フィルタを利用することができよう。しかし、探索されている情報は、限界値がドップラ効果および最適値に対する発振器の周波数誤差に起因する周波数変動によって左右される周波数の範囲内に見いだされることがある。定点にいるユーザーに対するGPS衛星の位置は、ドップラ効果の第1の作用として、基準値と±4KHzの誤差を含むことになる。局部発振器の不正確さはその種類と、採用される発振器のテクノロジーによって大きく左右される。一般に、最大誤差の大きさはドップラ効果によって発生する誤差と同じであると見積もることができる。
【0032】
これらの作用を補償するため、遅延ロック・ループ5の3つのチャネルC1、C2、C3の3つの帯域フィルタ48、49、50(後述するようにトラッキング段階で必要なフィルタ)が連続ステップで使用され、これは各ステップで3倍の精度を備えている。図3は受信機1の捕捉段階の連続ステップにおける遅延ロック・ループ5の3つのチャネルC1、C2、C3のフィルタの通過帯域を示している。捕捉段階の開始時点(ステップ1)で、データ処理装置11は、各々が5.994KHzの通過帯域を有し、これらの通過帯域がそれぞれ周波数21KHz、27KHzおよび33KHzに中心を合わせるように帯域フィルタ48、49、50の濾波係数を制御する。5.994KHzの値が選択された理由は、fprn /28 +fprn /29 に等しく、従ってデータ処理装置11によって容易に計算できるからである。データ処理装置11によって実行される、受信機1の捕獲段階の各ステップでの局部発振器34の出力信号の周波数と、中心周波数と、帯域フィルタ48、49および50の帯域幅の値の計算結果は図4に示されている。
【0033】
このステップでの帯域フィルタは18KHzの大きさの帯域幅と、27KHzの中心周波数を有する組合わせの帯域フィルタを形成している。この帯域幅が選択された理由は、受信機と受信信号に影響を及ぼす周波数と少なくとも同じ値であるようにするためである。
【0034】
受信機1の局部コードが衛星によって発信された信号のC/Aコードと相関されると、このようにして復調された信号のエネルギ・レベルは、復調を検知できる信号/ノイズ比を有する当初のスペクトル幅にされていることが判明する。GPS衛星によって送信された信号の一部を構成する別の要素は、スペクトル全体にきっちりと留まり、従ってこの用途に関連する帯域ではパワーが弱い。従って、3つの帯域フィルタ48、49および50によって行われる濾波により、組合わされたフィルタの帯域のどの部分に復調された信号が見いだされるかを検知することが可能である。
【0035】
復調された信号の周波数をより精密に判定するためには、復調された信号の存在が検知された帯域フィルタ48、49、50の帯域幅が3つの帯域フィルタ48、49および50の間で分割される(ステップ2)。この帯域幅用にはfprm /29 =1.998KHzの適正な値を用いることができる。ステップ2における局部発振器34の出力信号の周波数fLO,2は、次のように制御される。すなわち、前記周波数が、(i)復調された信号が21KHzを中心とする帯域フィルタの帯域幅で検出された場合は、ステップ1の局部発振器の周波数FLO1 に等しくなり、(ii)復調された信号が27KHzを中心とする帯域フィルタの帯域幅で検出された場合は、ステップ1の帯域フィルタの帯域幅BW1よりも大きいステップ1の帯域フィルタの周波数FLO1 に等しくなり、または(iii) 復調された信号が33KHzを中心とする帯域フィルタの帯域幅で検出された場合は、ステップ1の帯域フィルタの周波数FLO1 プラス前記ステップの帯域フィルタの帯域幅BW1の2倍に等しくなるように制御される。このように、ステップ1において復調された信号の中心周波数は、ステップ2では最低周波数(ステップ1では21.00KHz)を中心にした帯域フィルタの帯域幅にされる。
【0036】
復調された信号の周波数を更に精密に定めるために、ステップ2で復調された信号の存在が検知された帯域フィルタ48、49および50の帯域幅がステップ3で、3つの帯域フィルタ48、49および50の間で再度分割される。この帯域幅にはfprm/211+fprm/212=749.268Hzの適正値を用いることができる。ステップ3における局部発振器34の出力信号の周波数fLO,3は次のように制御される。すなわち前記周波数が、(i)復調された信号が19.02KHzを中心とする帯域フィルタの帯域幅で検出された場合は、ステップ2の局部発振器の周波数fLO,2に等しくなり、(ii)復調された信号が21.00KHzを中心とする帯域フィルタの帯域幅で検出された場合は、ステップ2の局部発振器の周波数fLO,2プラスこのステップでの帯域フィルタの帯域幅BW2に等しくなり、または(iii) 復調された信号が22.998KHzを中心とする帯域フィルタの帯域幅で検出された場合は、ステップ2の局部発振器の周波数FLO,2プラス前記ステップの帯域フィルタの帯域幅BW2の2倍に等しくなるように制御される。このように、ステップ2において復調された信号の中心周波数は、ステップ3では最低周波数(ステップ3では19.007KHz)を中心にした帯域フィルタの帯域幅にされる。
【0037】
最後に、ステップ3で復調された信号の存在が検知される帯域フィルタ48、49および50の帯域幅はステップ4で、再度3つの帯域フィルタ48、49および50の間で分割される。この帯域幅にはfprm/213 =249.756Hzの適正値を用いることができる。ステップ4における局部発振器34の出力信号の周波数fLO,4は次のように制御される。すなわち前記周波数が、(i)復調された信号が18.259KHzを中心とする帯域フィルタの帯域幅で検出された場合は、ステップ3の局部発振器の周波数fLO,3に等しくなり、(ii)復調された信号が19.008KHzを中心とする帯域フィルタの帯域幅で検出された場合は、ステップ3の局部発振器の周波数fLO,3プラスこのステップでの帯域フィルタの帯域幅BW3に等しくなり、または(iii) 復調された信号が19.757KHzを中心とする帯域フィルタの帯域幅で検出された場合は、ステップ3の局部発振器の周波数FLO,3プラス前記ステップの帯域フィルタの帯域幅BW3の2倍に等しくなるように制御される。このように、ステップ3において復調された信号の中心周波数は、ステップ4では最低周波数(ステップ4では18.259KHz)を中心にした帯域フィルタの帯域幅にされる。
【0038】
図4に示すように、各ステップで検知された信号の中心周波数を次のステップで「同じ」周波数(3つの帯域フィルタ48、49および50の3つの中心周波数のうちの最低周波数、最高周波数または中間周波数のいずれか)にすることによって、データ処理装置11によるこれらのフィルタに送られる係数の計算が明らかに簡略になるとともに、この計算を行うためにデータ処理装置11に記憶されなければならないデータ量を縮減することが可能になる。
【0039】
このように、受信機の捕捉段階中に、帯域フィルタが各ステップで先行ステップの帯域幅の一つを重複しない帯域幅へと分割するように、データ処理装置が幾つかのステップで帯域フィルタの中心周波数と帯域幅とを制御することが判る。
【0040】
前述の特殊な捕捉プロセス、すなわち、各ステップで精度が3倍高くなるように遅延ロック・ループ5の3つの帯域フィルタを利用した4つの連続的なステップでの捕捉プロセスによって、衛星により発信されるGPS信号を±125Hzの誤差で検出することが可能になる。このような誤差マージンによって、復調およびトラッキング回路6は搬送波信号の復調と、相関された信号を中心周波数に周波数偏移することと、この搬送波信号のトラッキングとを連携して行うこととが可能になる。
【0041】
連続ステップの数と、帯域フィルタの帯域幅と、各ステップの帯域フィルタの中心周波数とは、受信機が供される周波数と、相関された信号の中心周波数が判定されなければならない精度とによって左右される。上述の実施形態は単に一例を示したに過ぎない。
【0042】
ここで捕捉段階で何が達成されたかを要約する。受信機1の局部コードとGPS衛星のC/Aコードとは±△/2の位相差を設けることによって同期化される。局部発振器34の出力信号の周波数は、相関された信号の中心周波数が帯域フィルタ48、49または50の一つの帯域幅内に入るように、4つの連続ステップで修正された。
【0043】
遅延回路43および44によって、半ビットの遅延を組込んだC/Aコードの先行バージョンと遅延バージョンとがそれぞれチャネルC3の排他的ORゲート39の入力と、チャネルC1の排他的ORゲート37の入力とに付与される。局部コードのこれらのバージョンは衛星によって発信されるC/Aコードと相関される。相関後の信号の振幅は2つのコード間の位相差の関数である。それぞれ±△/2だけ移相された局部コードで得られた搬送波信号の振幅の2乗の差を利用すること、その結果として、疑似ランダム・コード発生器35を駆動する発振器34を制御することは直線的に移相に依存している。
【0044】
チャネルC1の帯域フィルタ48の出力信号の2乗(「先行」)と、チャネルC3の帯域フィルタ50の出力信号の2乗(「遅延」)との差がゼロである場合は、当該の衛星のC/Aコードと、受信機1のコードとはチャネルC2の位相差ゼロ(「定時」)と同期化される。この時点から、パラサイト、または衛星の視界からの消滅によって遅延ロック・ループが解除(アンロック)されない限り、衛星のC/Aコードのトラッキングが保証される。トラッキング段階ではGPS航行メッセージを取り出すことができるように、帯域フィルタ49の出力で信号が得られる。
【0045】
本発明に従った受信機によって本発明の範囲を離れることなく、上記に幾つか説明したように、多くの修正が可能である。
【0046】
従って、例えば、本発明の上述の実施例では順次捕捉方式を利用して捕捉段階が実施されたが、周波数偏移による捕捉方式を採用することも可能である。この場合は、受信された信号にとって可能である(あらゆる妨害が含まれる)周波数から偏移されるように意図的に固定された周波数で受信機の局部コードが発生される。このように、発生されるコード・ビットの継続期間は受信されたコード・ビットとは異なり、その結果、コードの相互のスリップ現象が生ずる。従って、局部コードのそれぞれの発信中に一つのクロック・パルスを除去するためにデータ処理装置11を必要とせずに、2つのコードの全ての位相をテストすることが可能である。
【0047】
更に、受信機1の捕捉段階中に遅延回路の作用を抑止することも可能である。トラッキング段階中、(上述の)先行信号と遅延信号とを減算することによってトラッキング関数を得るために、平行であり位相外れのチャネルC1、C2、C3が必要である。捕捉段階では、この減算は必要なく、3つのチャネルC1、C2、C3でそれぞれ独自の結果が得られる。従って、遅延回路43および44に起因するディフェーズ・シフトは必要ない。にも係わらず位相外れが保たれている場合は、データ処理装置11は捕捉段階の終了時に、上記のディフェーズ・シフトを考慮に入れることによって、局部コードをGPS衛星から受信されたC/Aコードと同期化させなければならない。捕捉段階中に、例えば遅延退路43および44のそれぞれを短絡させれば、3つのチャネルC1、C2、C3で同相で捕捉を実行することによって、このような複雑さを回避することができる。
【0048】
しかし、受信機1の捕捉段階中に本発明の遅延回路43および44を活用することも可能である。前述したように、受信機1の捕捉段階中に、疑似ランダム・コード発生器12によって1023ビットの幾つかの群を連続的に発生させることができる。局部コードとGPS衛星によって発信されたC/Aコードとの相関を追求するために、発生された局部コードの各々の完全な1サイクルが先行サイクルに対してディフェーズされる。このような位相のスリップ中、帯域フィルタ48、49、50は周波数の中心に留まり、各ステップに規定された帯域幅を有している(図4を参照)。完全なサイクルの局部コードの発生中に3つのチャネルC1、C2、C3内で相関が検知されない場合は、全ての位相のコードが発生されるまで、先行コードに関して位相がディフェーズされた完全なコード・サイクル中に、3つのチャネルC1,C2およびC3の一つで相関が探索される。
【0049】
ここで、遅延回路43および44が3つのチャネルC1、C2、C3の間に移相を導入する。GPSよって発信されたC/Aコードと、受信機1によって発生された局部コードとの間の位相のスリップ速度を高めるために、上記の移相を利用することができる。例えば、捕捉段階の各ステップ中に、第1に、帯域フィルタ48、49および50の中心周波数が全て図3に示した帯域幅の3つの中心周波数の一つにある場合がある。この場合は、局部コードと衛星によって発信されたC/Aコードとの相関が3つのチャネルC1、C2、C3内に存在することが考えられ、これらのチャネルは同じ通過帯域をカバーするが、コード差のディフェーズがある。そこで、第2に、帯域フィルタ48、49、50の周波数の中心が図3に示したステップの通過帯域の3つの中心周波数のうちの第2の周波数にある場合があり、この場合も2つのコードの間に相関があることが考えられる。
【0050】
最後に、第3の場合として、帯域フィルタ48、49および50の周波数が全てこのステップの通過帯域の第3の中心周波数にある場合がある。この場合も2つのコードの間に相関関係があることが考えられる。
【0051】
相関が検知されない場合は、疑似ランダム・コード発生器35によって発生された局部コードの完全なサイクルで前述の手順を再度開始する。このコード・サイクルは先行のコード・サイクルに対して移相状態にある。しかし、遅延回路43および44による移相があるために、疑似ランダム・コード発生器35によって3つの最大位相をスリップさせることができる。それによって、受信機1の捕捉段階の各ステップ中にGPS衛星によって発信されたC/Aコードと、局部コードとをより迅速に相関させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従った遅延ロック・ループを含むGPS信号受信機の概略図である。
【図2】図1のGPS信号受信機の一部を構成するディジタル遅延ロック・ループの概略図である。
【図3】図1の受信機の捕捉段階の連続的なステップでの、図2の遅延ロック・ループの3つのチャネルのフィルタの通過帯域を示す概略図である。
【図4】局部発振器の出力信号周波数と、受信機の帯域フィルタの中心周波数および帯域幅の値を得るために、図1の受信機のデータ処理装置によって行われる計算の結果を示す表である。
【符号の説明】
1 GPS受信機
2 アンテナ
3 前置増幅器
4 周波数変換回路
5 遅延ロック・ループ
6 復調およびトラッキング回路
7 データ判読回路
8 相関回路
9 フィルタ回路
10 信号検出回路
11 ディジタル・データ処理装置
12 疑似ランダム・コード発生回路
13 局部発振器
14 変調器(排他的0Rゲート)
【産業上の利用分野】
本発明は無線信号受信機、特に遅延ロック・ループを備えたGPS衛星から発信される信号の受信機で使用されることを目的とした遅延ロック・ループに関する。
【0002】
【従来の技術】
実際の名称がNAVSTAR−GPS(「航行衛星による時間および距離の全地球位置発見システム=「NAViagation Satellite Time And Ranging Global Positioning System」の略語)であるGPSシステムは、米国国防省によって開発されたものである。このシステムはGPS信号を伝送するために一群の航行衛星を利用しており、そこから地上受信機がその位置、速度および地域的時間を正確に判定することができる。一群は赤道に対して55°傾いた6つの軌道面内に20,183kmの高度で広がっている24基の衛星からなっている。衛星は24時間に亘って継続的に地球のあらゆる場所をカバーできるように広がっている。各衛星は高精度の計時情報を提供できるように、少なくとも一つの原子周波数基準を有する。加えて、各衛星は地上制御ステーションから計時情報と軌道情報を修正できる信号を受信する。
【0003】
各衛星は2つの異なる搬送波信号、すなわち1,575.42MHzの周波数を有する信号L1と、1,227.6MHzの周波数を有する信号L2で2位相偏移キーイング、すなわちBPSKによって同時に信号を発信する。信号L1とL2とは毎秒50ビットの周波数で発信される実際の情報と、大幅に高い周波数を有する衛星識別コードとからなっている。それには2種類のコード、すなわちコードC/A(Clear Access=クリヤ・アクセスの略語)およびコードP(Protested=防護の略語)が使用される。
【0004】
コードC/Aは1ms/sの反復周期を意味する1.023MHzの周波数で発生される1,023ビットからなっている。このようなコードを使用することが正当な理由は次のとおりである。(i)これは短期間中に白色ノイズの全ての特性を有するので疑似ランダム・コードであること、(ii)自己増殖すると無効になること、および(iii) 同じ搬送波信号で複数のユーザーへのアクセスが可能であること、である。コードC/AはL1搬送信号にのみ見い出され、これは民間用に用いられるコードである。衛星から発信される情報は先ずC/AコードでBPSK変調され、それによって初期基本帯域幅の50Hzから1.023MHzへ広がるスペクトルが生ずる。次にL1搬送波での変調が行われ、このようにして得られた信号が受信機に送信される。
【0005】
受信機によって受信された信号の特徴は、第一にエネルギーがノイズのエネルギを上回っていることである。信号/ノイズ比は−20dBの値である。スペクトル展開への逆作用が発信、すなわちその圧縮を行い、それによってメッセージを受入れ可能なエネルギ・レベルにすることができる。そのためには、受信された信号を対応する衛星の疑似ランダム・コードで乗算することが必要であり、それによって誘発される変調が除去される。その結果生じた信号のクオリティは受信機によって発生されたコードと、衛星によって発信されたコードとの同一性の度合いに依存する。このクオリティには、残念なことに、システムの構想に関連する不正確さが伴う。この不正確さの主な原因は、ドップラ効果による周波数偏移と、受信機の一部を構成する発振器、および相対移相の不正確さである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的の一つは、衛星と受信機のそれぞれの2つのC/Aコードを同期化するGPS信号受信機を実現することにある。
本発明の別の目的は、GPS信号スペクトルの圧縮を先行技術の場合よりも簡単に行うことのできるGPS信号受信機を実現することにある。
本発明の別の目的は、簡単で、効率が高く、安価で容易に実施できるGPS信号受信機を実施することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の本発明の目的は、疑似ランダム・コードによって変調された情報を含む、GPS衛星から発信される信号の捕捉段階中に、前記疑似ランダム・コードを識別するためにGPS衛星を探索するように構成された受信機で使用される遅延ロック・ループであって、
前記衛星の前記疑似ランダム・コードの複製を作成する疑似ランダム・コード発生器と、
局部発振器と、
前記疑似ランダム・コード発生器で作成された前記衛星の疑似ランダム・コードの前記複製を前記局部発振器の出力信号で変調する変調器と、
各々が前記変調器の出力に接続された相関器と、その相関器の出力に接続された帯域フィルタと、その帯域フィルタの出力に接続された信号検出回路とを含む複数個の信号チャネルと、
前記信号検出回路の出力信号の関数として前記局部発振器の出力信号の中心周波数を制御するように構成されたデータ処理装置、とを備え、
前記データ処理装置が前記信号捕捉段階中に数ステップで前記帯域フィルタの中心周波数と帯域幅とを制御することによって、前記帯域フィルタが各ステップで、先行するステップの通過帯域の一つを非重複帯域へと分割するように前記データ処理装置を構成したことを特徴とする遅延ロック・ループによって解決される。
【0008】
上記の特徴によって、遅延ロック・ループの3つのチャネル、すなわちGPS信号のトラッキング段階で必要なチャネルの帯域フィルタをGPS衛星の疑似ランダム・コードを識別するために信号捕捉段階でも利用できるように、GPS信号受信機を実施することが可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のその他の特徴と利点を添付図面を参照して説明するが、これは本発明を例示したに過ぎない。
【0010】
図1に本発明によるGPS受信機1の例の概略図が示されている。受信機1はGPS信号を検出することができるアンテナ2と、アンテナ2に接続された前置増幅器3と、公知の態様でGPS信号の無線周波数を中間周波数にする周波数変換(周波数低減)回路4とからなっている。フィードバック・ループ5が周波数変換回路4の出力に接続されていて、これは先ずその疑似ランダム・コードの識別によって衛星を発見し、追跡する役割を果たす。これらの2段階の動作はそれぞれ信号捕捉段階と、トラッキング段階と呼ばれる。疑似ランダム・コードの捕捉後、およびその追跡中に、復調およびトラッキング回路6が連携して前述の中間周波数にもたらされた搬送波信号の復調と、この搬送波信号の追跡とを実行する。回路6によって実行される復調により、GPS衛星によって発信された情報の回復が可能になり、データ判読回路7によってデータの解読が行われる。
【0011】
フィードバック・ループ5は遅延ロック・ループによって構成されている。この遅延ロック・ループは受信機によって発生された疑似ランダム・コードと、当該のGPS衛星から受信した信号との相互関係をさぐる、すなわちそれぞれを相関させる。その結果、2つの疑似ランダム・コードが同一である場合には、もはや白色ノイズとは見なされない信号が得られる。このような信号の検出と追跡は、上記の遅延ロック・ループの機能である。遅延ロック・ループ5は相関回路8と、フィルタ回路9と、信号検出回路10と、ディジタル・データ処理装置11と、疑似ランダム・コード発生回路12と、局部発振器13と変調器14とから構成されている。
【0012】
次にコード・ループ5の動作を、その一実施形態の概略図である図2を参照して説明する。コード・ループ5の入力で受信された信号はGPS衛星のひとつのC/AコードおよびGPS航行メッセージ情報とによって変調された搬送波信号周波数fIF1 である。信号制限器30と高速度スイッチS1とが1ビットで受信された信号のアナログ/ディジタル変換を行う。制限器30の入力で受信された信号の帯域幅LBは約2.046MHzであるので、中間周波数fIF1 は、信号スペクトルの折り重ねを避けるべき場合には、上記の遅延ロック・ループの半分と、前述の周波数偏移の値△fとの和よりも大きくなければならない。図2に示したコード・ループ5の場合は、1.050MHzであるfIF1 の定格値が用いられる。シャノン理論に基づき、サンプリング周波数fS1は少なくとも2×(LB/2+△f)MHzでなければならない。後述するように、1.023MHzに相当する2進値をデータ処理装置11で利用可能である。(この値は受信機1での局部コードの発生周波数と対応する。)従って、サンプリング周波数fS1の値を計算するにはこの値を用いることが便利である。例えば、fS1=4fprn+fprn/23=4,220MHzの値を用いることができる。
【0013】
サンプリングの後に、受信された信号は0Hzを中心とするスペクトルの最初の反復だけを保持するために帯域フィルタ31によって濾波される。帯域フィルタは2桁以上のディジタル・フィルタであることが好ましい。
【0014】
回路13は信号制限器32と、高速度スイッチS2と、低域フィルタ33と、局部発振器34を有している。局部発振器34は、その周波数fLOがデータ処理装置11からの制御信号によって制御される信号を発生する。信号制限器32は局部発振器34によって発生される信号の振幅を制御する。この信号はデータ処理装置11によって制御される高速度スイッチによって周波数fs1でサンプリングされる。このようにして、信号制限器32と高速度スイッチS2(信号制限器30と、高速度スイッチS1と同様に)とがアナログ/ディジタル変換器を構成する。次に、0Mhzを中心とするスペクトルの最初の反復だけを保持するために、信号は帯域フィルタ33によって濾波される。帯域フィルタ33も2桁以上のディジタル・フィルタであることが好ましい。
【0015】
回路12は疑似ランダム・コード発生器35と、高速度スイッチS3と、帯域フィルタ36とを有している。疑似ランダム・コード発生器はGPS衛星の一つによって発信されるC/Aコードと同一である1,023ビットのコードを作成する。発生されたコードの正確さ、ひいては受信機1によって探索され、追跡された衛星は、データ処理装置11からの制御信号によって判定される。受信機によって作成された疑似ランダム・コードは以後「局部コード」と呼ぶ。局部コードを構成するビットは、探索されたGPS衛星によって発信されたC/Aコードの定格周波数に対応する、(データ処理装置11によって供給されるクロック・パルスによって制御された)1.023MHzの周波数で発生される。局部コードはデータ処理装置11によって制御された高速度スイッチS3によって周波数fS1でサンプリングされる。次に、サンプリングされた信号は帯域フィルタ36によって濾波される。帯域フィルタ36も2桁以上のディジタル・フィルタであることが好ましい。
【0016】
図2の遅延ロック・ループ1では、図2に示された変調器14は排他的ORゲートによって実施されている。帯域フィルタ33および36の出力信号はそれぞれ排他的ORゲート14の2つの入力に印加される。その結果、排他的ORゲート14の出力信号は中心周波数fLOに転置された局部コードのスペクトルを有する信号である。
【0017】
別の実施形態(図示せず)では、局部発振器34と疑似ランダム・コード発生器35の出力信号は排他的ORゲート14の2つの入力に直接印加してもよい。この場合は、排他的ORゲート14の出力信号はスイッチS2およびS3と同種類の高速度スイッチによって周波数fS1にてサンプリングすることができる。次に、この信号を帯域フィルタ33および36と同種類の帯域フィルタによって濾波することができる。このような構成では、図2に示した遅延ロック・ループ5よりも部品が少なくて済むことが有利である。
【0018】
相関回路8は、出力がそれぞれ3つのインバータ・ゲート40、41および42へ接続される3つの排他的ORゲート37、38および39と、2つの遅延回路43および44とを有する。帯域フィルタ31の出力は排他的ORゲート37、38および39の入力の一つに接続されている。排他的ORゲート14の出力は排他的ORゲート37、38および39の別の入力に接続されている。しかし、遅延回路43および44は排他的ORゲート37と38の入力信号の間、および排他的ORゲート38と39の入力での信号の間に△/2の遅延をもたらす。この場合、△は1ビットのコードの継続期間に相当する(1ビットのコードは「チップ」と呼ばれる)。遅延回路43と44とは受信機1のトラッキング段階に必要であり、この点に関してその動作を更に説明する。インバータ・ゲート40、41、および42は排他的ORゲート37、38および39のそれぞれの出力信号の論理状態を反転させる。すなわち、排他的ORゲート37、38および39の入力における2つのビットが同じ論理状態にある場合は、すなわち、双方の間に相関関係がある場合には、インバータ・ゲート40、41および42の出力信号は論理レベルが高い状態にあり、排他的ORゲート37、38および39の入力における2つのビットが同じ論理状態にない場合、すなわち双方の間に相関関係がない場合には、インバータ・ゲート40、41および42の出力信号は論理レベルが低い状態にある。
【0019】
排他的ORゲート14と制限器30との出力信号が同じ周波数で効率よくサンプリングされることによって、信号を相互に結合するために乗算器を使用する代わりに遅延ロック・ループ5内の排他的ORゲート37、38および39を使用することが可能になる。同様にして、疑似ランダム・コード発生器の出力信号が同じ周波数を有していることによって、信号を相互に結合するために乗算器を使用せずに排他的ORゲート14を使用することが可能になる。これが、GPS受信路の実施を簡単にするのである。
【0020】
上述の相関によって、信号スペクトルは約2MHzの付加帯域幅から、約100Hzの情報信号のスペクトルにされる。この動作によって直接利用できる信号は得られない。濾波が必要であるのは、圧縮されたスペクトルの外側にある不要な成分を除去するためである。フィルタ回路9はそれぞれがインバター・ゲート40、41および42の出力に接続された全域通過フィルタ45、46および47と、それぞれが全域通過フィルタ45、46および47の出力に接続された帯域フィルタ48、49および50とからなっている。
【0021】
全域通過フィルタ45、46および47はそれぞれが積分器45.1と、高速度スイッチS4と、微分器45.2との組合わせ、積分器46.1と、高速度スイッチS5と、微分器46.2との組合わせ、および積分器47.1と、高速度スイッチS6と、微分器47.2との組合わせから構成されている。
【0022】
フィルタ45、46および47の濾波機能は全域通過機能であるが、高速度スイッチS4、S5およびS6とそれぞれ積分器45.1と微分器45.2との間、積分器46.1と微分器46.2との間、積分器47.1と微分器47.2との間の遮断によって、フィルタ45、46および47の入力に存在する信号をアンダー・サンプリングすることが可能になる。
【0023】
次に、フィルタ48、49および50によって、組合わせフィルタ45、46および47の出力からのそれぞれの低サンプリング周波数信号の所望の帯域濾波機能が達成される。帯域フィルタ48、49および50は4桁以上のディジタル・フィルタであることが好ましい。アンダー・サンプリングによって、下記の利点が得られる。すなわち(i)帯域フィルタ48、49および50の必要な感度を低減できること、および(ii)遅延ロック・ループ5のエネルギ消費を節減できること、である。
【0024】
帯域フィルタ48、49および50の出力で得られる信号はGPSメッセージの(50Hzで発信される)情報によって位相変調(BPSK)された搬送波信号と、局部コードと当該のGPS衛星によって発信されたC/Aコードとの相関関数によって振幅変調された信号とから構成されている。これらの信号は信号検出回路10の入力に印加される。この信号検出回路10はそれぞれが3つの積分とリセットツゥゼロ回路54、55、56に接続された3つの乗算器51、52および53を備えている。乗算器51、52および53は各々がその出力信号の方形波信号である出力信号を生成するように構成されている。
【0025】
乗算器51、52、53による積算で帯域フィルタ48、49および50による濾波の後に得られる信号の累乗が示され、回路54、55および56による積分によって前記信号のエネルギの測定が可能になる。このようにして算出され、帯域フィルタ48、49、50の出力信号の振幅に比例する数値は、局部コードとGPS衛星によって発信されたC/Aコードとの相関のクオリティを示す。
【0026】
積分および帰零回路54、55および56の出力からのディジタル数値全てデータ処理装置11によって処理されるようにこの装置に記憶される。次に、積分とリセットツゥゼロ回路54、55、56内の数値がゼロにリセットされる。
【0027】
受信機1がほぼ同一である3つの信号チャネルC1、C2およびC3からなっていることに留意されたい。すなわち、(i)排他的ORゲート37と、インバータ・ゲート40と、全域通過フィルタ45と、帯域フィルタ48と、乗算器51と、積分とリセットツゥゼロ回路54とから形成された第1チャネルC1と、(ii)排他的ORゲート38と、インバータ・ポート41と、全域通過フィルタ46と、帯域フィルタ49と、乗算器52と、積分とリセットツゥゼロ回路55とから形成された第2チャネルC2と、(iii) 排他的ORゲート39のポートと、インバータ・ポート42と、全域通過フィルタ47と、帯域フィルタ50と、乗算器53と、積分とリセットツゥゼロ回路56とから形成された第3チャネルC3とである。これらの3つのチャネルに存在する信号は同一であるが、互いに△/2だけ位相ずれしている。
次に信号捕捉段階とトラッキング段階中の受信機1の動作を説明する。
【0028】
信号捕捉段階は基本的に、そのC/Aコードを識別することによって受信機1用の可視的なGPS衛星を探索する段階である。捕捉段階は受信機1によって発生された局部コードとGPS衛星が受信した信号とを相関させることからなる。相関させるためには、2つの疑似ランダム・コードの同一性を損なう誤差を修正する必要がある。捕捉を行うには2つの異なる方法を採用することができる。すなわち、順次捕捉または周波数偏移による捕捉である。受信機1はこの2つの方法のうちの第1の方法を採用する。
【0029】
受信機1の順次捕捉段階中に、固定周波数、すなわち周波数fLOで受信機1によって発生された局部コードの可能な位相の全てと、当該衛星から受信された信号との相関が探索される。これを実施するには、ディジタル・データ処理装置11が疑似コード発生器12を制御して、この疑似コード発生器が衛星によって発信されたC/Aコードを構成する1023ビットの幾つかのビット群を順次発生するようにさせる。各群のビットの発生中に、ディジタル・データ処理装置11は疑似ランダム・コード発生器に供給されたクロック・パルスの一つを除去する(一つビット群とはC/Aコードを構成する1023ビットの完全な1サイクルである)。受信機1によって発生された局部コードの各々の完全な周期はこのようにして先行サイクルと位相ずれを生ずる。すなわち、衛星によって発信されたC/Aコードと、受信機1によって発生された局部コードとの間に位相の「スリップ」が生ずる。
【0030】
捕捉段階の開始時点で、局部発振器34はそれが1.023MHzの周波数fLOを有する出力信号を供給するように制御される。その結果、排他的ORゲート14の出力信号は2MHzの帯域幅で1.023MHzの定格周波数に中心が合わせられる。相関回路8による相関によって、定格中心周波数は(1.050−1.023)MHz=27KHzの値になる。
【0031】
前記のコード「スリップ」中に衛星から発信されたC/Aコードと受信機1によって発生された局部コードとの同期化を検知するには、相関された信号と、局部コードを有する相関されない信号との差を観察する必要がある。中間周波数fIF1 と、局部発振器34によって発生された信号の周波数が正確に判明していれば、同期化を検知するために、27KHzを中心とし、相関回路8の出力の一つに接続された100Hzの帯域フィルタを利用することができよう。しかし、探索されている情報は、限界値がドップラ効果および最適値に対する発振器の周波数誤差に起因する周波数変動によって左右される周波数の範囲内に見いだされることがある。定点にいるユーザーに対するGPS衛星の位置は、ドップラ効果の第1の作用として、基準値と±4KHzの誤差を含むことになる。局部発振器の不正確さはその種類と、採用される発振器のテクノロジーによって大きく左右される。一般に、最大誤差の大きさはドップラ効果によって発生する誤差と同じであると見積もることができる。
【0032】
これらの作用を補償するため、遅延ロック・ループ5の3つのチャネルC1、C2、C3の3つの帯域フィルタ48、49、50(後述するようにトラッキング段階で必要なフィルタ)が連続ステップで使用され、これは各ステップで3倍の精度を備えている。図3は受信機1の捕捉段階の連続ステップにおける遅延ロック・ループ5の3つのチャネルC1、C2、C3のフィルタの通過帯域を示している。捕捉段階の開始時点(ステップ1)で、データ処理装置11は、各々が5.994KHzの通過帯域を有し、これらの通過帯域がそれぞれ周波数21KHz、27KHzおよび33KHzに中心を合わせるように帯域フィルタ48、49、50の濾波係数を制御する。5.994KHzの値が選択された理由は、fprn /28 +fprn /29 に等しく、従ってデータ処理装置11によって容易に計算できるからである。データ処理装置11によって実行される、受信機1の捕獲段階の各ステップでの局部発振器34の出力信号の周波数と、中心周波数と、帯域フィルタ48、49および50の帯域幅の値の計算結果は図4に示されている。
【0033】
このステップでの帯域フィルタは18KHzの大きさの帯域幅と、27KHzの中心周波数を有する組合わせの帯域フィルタを形成している。この帯域幅が選択された理由は、受信機と受信信号に影響を及ぼす周波数と少なくとも同じ値であるようにするためである。
【0034】
受信機1の局部コードが衛星によって発信された信号のC/Aコードと相関されると、このようにして復調された信号のエネルギ・レベルは、復調を検知できる信号/ノイズ比を有する当初のスペクトル幅にされていることが判明する。GPS衛星によって送信された信号の一部を構成する別の要素は、スペクトル全体にきっちりと留まり、従ってこの用途に関連する帯域ではパワーが弱い。従って、3つの帯域フィルタ48、49および50によって行われる濾波により、組合わされたフィルタの帯域のどの部分に復調された信号が見いだされるかを検知することが可能である。
【0035】
復調された信号の周波数をより精密に判定するためには、復調された信号の存在が検知された帯域フィルタ48、49、50の帯域幅が3つの帯域フィルタ48、49および50の間で分割される(ステップ2)。この帯域幅用にはfprm /29 =1.998KHzの適正な値を用いることができる。ステップ2における局部発振器34の出力信号の周波数fLO,2は、次のように制御される。すなわち、前記周波数が、(i)復調された信号が21KHzを中心とする帯域フィルタの帯域幅で検出された場合は、ステップ1の局部発振器の周波数FLO1 に等しくなり、(ii)復調された信号が27KHzを中心とする帯域フィルタの帯域幅で検出された場合は、ステップ1の帯域フィルタの帯域幅BW1よりも大きいステップ1の帯域フィルタの周波数FLO1 に等しくなり、または(iii) 復調された信号が33KHzを中心とする帯域フィルタの帯域幅で検出された場合は、ステップ1の帯域フィルタの周波数FLO1 プラス前記ステップの帯域フィルタの帯域幅BW1の2倍に等しくなるように制御される。このように、ステップ1において復調された信号の中心周波数は、ステップ2では最低周波数(ステップ1では21.00KHz)を中心にした帯域フィルタの帯域幅にされる。
【0036】
復調された信号の周波数を更に精密に定めるために、ステップ2で復調された信号の存在が検知された帯域フィルタ48、49および50の帯域幅がステップ3で、3つの帯域フィルタ48、49および50の間で再度分割される。この帯域幅にはfprm/211+fprm/212=749.268Hzの適正値を用いることができる。ステップ3における局部発振器34の出力信号の周波数fLO,3は次のように制御される。すなわち前記周波数が、(i)復調された信号が19.02KHzを中心とする帯域フィルタの帯域幅で検出された場合は、ステップ2の局部発振器の周波数fLO,2に等しくなり、(ii)復調された信号が21.00KHzを中心とする帯域フィルタの帯域幅で検出された場合は、ステップ2の局部発振器の周波数fLO,2プラスこのステップでの帯域フィルタの帯域幅BW2に等しくなり、または(iii) 復調された信号が22.998KHzを中心とする帯域フィルタの帯域幅で検出された場合は、ステップ2の局部発振器の周波数FLO,2プラス前記ステップの帯域フィルタの帯域幅BW2の2倍に等しくなるように制御される。このように、ステップ2において復調された信号の中心周波数は、ステップ3では最低周波数(ステップ3では19.007KHz)を中心にした帯域フィルタの帯域幅にされる。
【0037】
最後に、ステップ3で復調された信号の存在が検知される帯域フィルタ48、49および50の帯域幅はステップ4で、再度3つの帯域フィルタ48、49および50の間で分割される。この帯域幅にはfprm/213 =249.756Hzの適正値を用いることができる。ステップ4における局部発振器34の出力信号の周波数fLO,4は次のように制御される。すなわち前記周波数が、(i)復調された信号が18.259KHzを中心とする帯域フィルタの帯域幅で検出された場合は、ステップ3の局部発振器の周波数fLO,3に等しくなり、(ii)復調された信号が19.008KHzを中心とする帯域フィルタの帯域幅で検出された場合は、ステップ3の局部発振器の周波数fLO,3プラスこのステップでの帯域フィルタの帯域幅BW3に等しくなり、または(iii) 復調された信号が19.757KHzを中心とする帯域フィルタの帯域幅で検出された場合は、ステップ3の局部発振器の周波数FLO,3プラス前記ステップの帯域フィルタの帯域幅BW3の2倍に等しくなるように制御される。このように、ステップ3において復調された信号の中心周波数は、ステップ4では最低周波数(ステップ4では18.259KHz)を中心にした帯域フィルタの帯域幅にされる。
【0038】
図4に示すように、各ステップで検知された信号の中心周波数を次のステップで「同じ」周波数(3つの帯域フィルタ48、49および50の3つの中心周波数のうちの最低周波数、最高周波数または中間周波数のいずれか)にすることによって、データ処理装置11によるこれらのフィルタに送られる係数の計算が明らかに簡略になるとともに、この計算を行うためにデータ処理装置11に記憶されなければならないデータ量を縮減することが可能になる。
【0039】
このように、受信機の捕捉段階中に、帯域フィルタが各ステップで先行ステップの帯域幅の一つを重複しない帯域幅へと分割するように、データ処理装置が幾つかのステップで帯域フィルタの中心周波数と帯域幅とを制御することが判る。
【0040】
前述の特殊な捕捉プロセス、すなわち、各ステップで精度が3倍高くなるように遅延ロック・ループ5の3つの帯域フィルタを利用した4つの連続的なステップでの捕捉プロセスによって、衛星により発信されるGPS信号を±125Hzの誤差で検出することが可能になる。このような誤差マージンによって、復調およびトラッキング回路6は搬送波信号の復調と、相関された信号を中心周波数に周波数偏移することと、この搬送波信号のトラッキングとを連携して行うこととが可能になる。
【0041】
連続ステップの数と、帯域フィルタの帯域幅と、各ステップの帯域フィルタの中心周波数とは、受信機が供される周波数と、相関された信号の中心周波数が判定されなければならない精度とによって左右される。上述の実施形態は単に一例を示したに過ぎない。
【0042】
ここで捕捉段階で何が達成されたかを要約する。受信機1の局部コードとGPS衛星のC/Aコードとは±△/2の位相差を設けることによって同期化される。局部発振器34の出力信号の周波数は、相関された信号の中心周波数が帯域フィルタ48、49または50の一つの帯域幅内に入るように、4つの連続ステップで修正された。
【0043】
遅延回路43および44によって、半ビットの遅延を組込んだC/Aコードの先行バージョンと遅延バージョンとがそれぞれチャネルC3の排他的ORゲート39の入力と、チャネルC1の排他的ORゲート37の入力とに付与される。局部コードのこれらのバージョンは衛星によって発信されるC/Aコードと相関される。相関後の信号の振幅は2つのコード間の位相差の関数である。それぞれ±△/2だけ移相された局部コードで得られた搬送波信号の振幅の2乗の差を利用すること、その結果として、疑似ランダム・コード発生器35を駆動する発振器34を制御することは直線的に移相に依存している。
【0044】
チャネルC1の帯域フィルタ48の出力信号の2乗(「先行」)と、チャネルC3の帯域フィルタ50の出力信号の2乗(「遅延」)との差がゼロである場合は、当該の衛星のC/Aコードと、受信機1のコードとはチャネルC2の位相差ゼロ(「定時」)と同期化される。この時点から、パラサイト、または衛星の視界からの消滅によって遅延ロック・ループが解除(アンロック)されない限り、衛星のC/Aコードのトラッキングが保証される。トラッキング段階ではGPS航行メッセージを取り出すことができるように、帯域フィルタ49の出力で信号が得られる。
【0045】
本発明に従った受信機によって本発明の範囲を離れることなく、上記に幾つか説明したように、多くの修正が可能である。
【0046】
従って、例えば、本発明の上述の実施例では順次捕捉方式を利用して捕捉段階が実施されたが、周波数偏移による捕捉方式を採用することも可能である。この場合は、受信された信号にとって可能である(あらゆる妨害が含まれる)周波数から偏移されるように意図的に固定された周波数で受信機の局部コードが発生される。このように、発生されるコード・ビットの継続期間は受信されたコード・ビットとは異なり、その結果、コードの相互のスリップ現象が生ずる。従って、局部コードのそれぞれの発信中に一つのクロック・パルスを除去するためにデータ処理装置11を必要とせずに、2つのコードの全ての位相をテストすることが可能である。
【0047】
更に、受信機1の捕捉段階中に遅延回路の作用を抑止することも可能である。トラッキング段階中、(上述の)先行信号と遅延信号とを減算することによってトラッキング関数を得るために、平行であり位相外れのチャネルC1、C2、C3が必要である。捕捉段階では、この減算は必要なく、3つのチャネルC1、C2、C3でそれぞれ独自の結果が得られる。従って、遅延回路43および44に起因するディフェーズ・シフトは必要ない。にも係わらず位相外れが保たれている場合は、データ処理装置11は捕捉段階の終了時に、上記のディフェーズ・シフトを考慮に入れることによって、局部コードをGPS衛星から受信されたC/Aコードと同期化させなければならない。捕捉段階中に、例えば遅延退路43および44のそれぞれを短絡させれば、3つのチャネルC1、C2、C3で同相で捕捉を実行することによって、このような複雑さを回避することができる。
【0048】
しかし、受信機1の捕捉段階中に本発明の遅延回路43および44を活用することも可能である。前述したように、受信機1の捕捉段階中に、疑似ランダム・コード発生器12によって1023ビットの幾つかの群を連続的に発生させることができる。局部コードとGPS衛星によって発信されたC/Aコードとの相関を追求するために、発生された局部コードの各々の完全な1サイクルが先行サイクルに対してディフェーズされる。このような位相のスリップ中、帯域フィルタ48、49、50は周波数の中心に留まり、各ステップに規定された帯域幅を有している(図4を参照)。完全なサイクルの局部コードの発生中に3つのチャネルC1、C2、C3内で相関が検知されない場合は、全ての位相のコードが発生されるまで、先行コードに関して位相がディフェーズされた完全なコード・サイクル中に、3つのチャネルC1,C2およびC3の一つで相関が探索される。
【0049】
ここで、遅延回路43および44が3つのチャネルC1、C2、C3の間に移相を導入する。GPSよって発信されたC/Aコードと、受信機1によって発生された局部コードとの間の位相のスリップ速度を高めるために、上記の移相を利用することができる。例えば、捕捉段階の各ステップ中に、第1に、帯域フィルタ48、49および50の中心周波数が全て図3に示した帯域幅の3つの中心周波数の一つにある場合がある。この場合は、局部コードと衛星によって発信されたC/Aコードとの相関が3つのチャネルC1、C2、C3内に存在することが考えられ、これらのチャネルは同じ通過帯域をカバーするが、コード差のディフェーズがある。そこで、第2に、帯域フィルタ48、49、50の周波数の中心が図3に示したステップの通過帯域の3つの中心周波数のうちの第2の周波数にある場合があり、この場合も2つのコードの間に相関があることが考えられる。
【0050】
最後に、第3の場合として、帯域フィルタ48、49および50の周波数が全てこのステップの通過帯域の第3の中心周波数にある場合がある。この場合も2つのコードの間に相関関係があることが考えられる。
【0051】
相関が検知されない場合は、疑似ランダム・コード発生器35によって発生された局部コードの完全なサイクルで前述の手順を再度開始する。このコード・サイクルは先行のコード・サイクルに対して移相状態にある。しかし、遅延回路43および44による移相があるために、疑似ランダム・コード発生器35によって3つの最大位相をスリップさせることができる。それによって、受信機1の捕捉段階の各ステップ中にGPS衛星によって発信されたC/Aコードと、局部コードとをより迅速に相関させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従った遅延ロック・ループを含むGPS信号受信機の概略図である。
【図2】図1のGPS信号受信機の一部を構成するディジタル遅延ロック・ループの概略図である。
【図3】図1の受信機の捕捉段階の連続的なステップでの、図2の遅延ロック・ループの3つのチャネルのフィルタの通過帯域を示す概略図である。
【図4】局部発振器の出力信号周波数と、受信機の帯域フィルタの中心周波数および帯域幅の値を得るために、図1の受信機のデータ処理装置によって行われる計算の結果を示す表である。
【符号の説明】
1 GPS受信機
2 アンテナ
3 前置増幅器
4 周波数変換回路
5 遅延ロック・ループ
6 復調およびトラッキング回路
7 データ判読回路
8 相関回路
9 フィルタ回路
10 信号検出回路
11 ディジタル・データ処理装置
12 疑似ランダム・コード発生回路
13 局部発振器
14 変調器(排他的0Rゲート)
Claims (3)
- 疑似ランダム・コードによって変調された情報を含む信号であって、GPS衛星から発信される信号の受信機で使用される遅延ロック・ループで、その受信機が、捕捉段階中に、前記疑似ランダム・コードを識別するためにGPS衛星を探索するように構成されている遅延ロック・ループにおいて、
前記衛星の前記疑似ランダム・コードの複製を作成する疑似ランダム・コード発生器(35)と、
局部発振器(34)と、
前記疑似ランダム・コード発生器で作成された前記衛星の疑似ランダム・コードの前記複製を、前記局部発振器(34)の出力信号で変調する変調器(14)と、
各々が前記変調器(14)の出力に接続された相関器(37−42)と、その相関器の出力に接続された帯域フィルタ(48−50)と、その帯域フィルタの出力に接続された信号検出回路(51−56)とを含む複数個の信号チャネル(C1、C2、C3)と、
前記信号検出回路の出力信号の関数として前記局部発振器の出力信号の中心周波数を制御するように構成されたデータ処理装置(11)、とを備え、
前記データ処理装置(11)が前記信号捕捉段階中に数ステップで前記帯域フィルタ(48から50)の中心周波数と帯域幅とを制御することによって、前記帯域フィルタが各ステップで、先行するステップの通過帯域の一つを非重複帯域へと分割するように前記データ処理装置(11)を構成することを特徴とする遅延ロック・ループ。 - 各ステップで、複数の信号チャネル(C1、C2、C3)の一つの検出回路(51から56)によって検出された信号の中心周波数が、通過帯域が同じフィルタ(48、49または50)の帯域幅内に入るようにするように前記データ処理装置(11)を構成することを特徴とする請求項1に記載の遅延ロック・ループ。
- 前記相関器(37から42)と前記複数の信号チャネル(C1、C2、C3)の前記帯域フィルタ(48から50)の間にそれぞれ接続された複数個の全域通過フィルタ(45から47)を更に備え、前記全域通過フィルタ(45から47)のそれぞれ一つがスイッチ(S4−S6)によって微分器(45.2,46.2,47.2)に接続され、前記スイッチ(S4−S6)が、前記全域通過フィルタ(45から47)の入力に供給された信号をアンダー・サンプルするように前記データ処理装置(11)によって制御されることを特徴とする請求項1または2に記載の遅延ロック・ループ。
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