JP3593802B2 - Method of fastening intake manifold in internal combustion engine having two cylinder rows - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2つのシリンダ列を有する内燃機関における吸気マニホールドの締結方法に関し、特に、シリンダボアの変形を低減する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、内燃機関のシリンダブロック上にシリンダヘッドを取り付ける際に、シリンダヘッドを締結するシリンダヘッドボルト(以下「ヘッドボルト」という)の締付力(軸力)によりシリンダボアが変形することで、ピストンスラップ音が増大することが問題となっており、このシリンダボアの変形を低減するため、例えば、特開昭58−13256号公報及び特開平6−346782号公報に開示されるように、シリンダブロックをリブやブリッジで補強することが行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば、2つのシリンダ列が略V型に配置されるV型エンジンのように、左右のバンク間に吸気マニホールドが配置される構成の内燃機関では、シリンダボアの変形は、ヘッドボルトの締付力によって発生するだけではなく、吸気マニホールドをシリンダヘッドに取り付けるときのボルトの締付力によっても発生することが明確になってきた。
【0004】
即ち、V型エンジンにおける吸気マニホールドとシリンダヘッドとの接合面は、シリンダヘッド等の加工精度や組付精度のバラツキのために、両バンクにおいて必ずしも平行な面とはならず、従来の吸気マニホールドの締結方法では、吸気マニホールドをシリンダヘッドに締結するボルトの締付力によってシリンダヘッドを移動させ、前記接合面を密着させてシール性能を確保していた。このため、図7に示すように、吸気マニホールド取付時に吸気マニホールド1がシリンダヘッド2を押す力Fの作用線と、シリンダヘッド2の摩擦力f(Fの反力)の作用線と、が一直線上になく、シリンダヘッド2には回転モーメント(偶力)Mが発生する。そして、この回転モーメントMが発生した状態でシリンダヘッド2が移動し、シリンダブロック3の外壁が外側に押されることにより、スラスト方向にシリンダボアの変形が発生していた(図8参照)。さらに、吸気マニホールド1をシリンダヘッド2に締結する吸気マニホールドボルト4の締付力には、接合面のシール性能を確保する面圧のための締付力の他、シリンダヘッド2を移動させるための締付力が余分に加算されているので、シリンダヘッド2のボルト締結孔の雌ねじ部の変形が増大し、この変形によってシリンダボアの変形が増大していた。
【0005】
このようなシリンダボアの変形を低減するためには、従来技術のようにシリンダブロックをリブ等によってさらに補強することが考えられるが、この場合には、シリンダブロックの重量増加が伴い、また、現状のシリンダブロックの設計を変更する必要がある。
そこで、本発明は以上のような従来の問題点に鑑み、吸気マニホールドの締結に際しての作業順序を変更するだけで、シリンダボアの変形を低減できる吸気マニホールドの締結方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1記載の発明は、シリンダが形成されたシリンダブロックと、該シリンダブロックに取り付けられ燃焼室の一部を形成するシリンダヘッドと、該シリンダヘッドに取り付けられ前記シリンダ内に吸入空気を分配する吸気マニホールドと、前記シリンダヘッドをシリンダブロックに締結するシリンダヘッドボルトと、前記吸気マニホールドをシリンダヘッドに締結する吸気マニホールドボルトと、を含んで構成される2つのシリンダ列を有する内燃機関において、前記吸気マニホールドをシリンダヘッドに締結するに際して、前記シリンダヘッドボルトを仮締めした状態で、前記シリンダブロックとシリンダヘッドとの間の面圧に対抗して、該シリンダブロックに対するシリンダヘッドの位置決め、及び、前記シリンダヘッドに対する吸気マニホールドの位置決めを可能にする締付力でもって、前記吸気マニホールドボルトを仮締めし、その後、前記シリンダヘッドボルトの本締め後、前記吸気マニホールドボルトの本締めを行うようにした。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記吸気マニホールドボルトを仮締めした後、一旦、該吸気マニホールドボルトの締付けを緩めるようにした。
請求項3記載の発明は、前記シリンダヘッドボルトを仮締めする第1の締付力を該シリンダヘッドボルトを本締めする第2の締付力より小さく設定し、前記吸気マニホールドボルトを仮締めする第3の締付力を該吸気マニホールドボルトを本締めする第4の締付力より大きく設定した。
【0008】
請求項4記載の発明は、前記内燃機関は、2つのシリンダ列を略V型に配置したV型エンジンである構成とした。
請求項5記載の発明は、前記内燃機関は、2つのシリンダ列を略平行に配置した並列エンジンである構成とした。
ここで、並列エンジンとは、例えば、一部の2輪車で使用されているような2つのシリンダ列を略平行に配置し、各シリンダ列について独立したクランクシャフトを有するエンジン形式をいい、具体的には、スクエア4或いはタンデムツインと呼ばれているものが該当する。
【0009】
請求項6記載の発明は、シリンダが形成されたシリンダブロックと、該シリンダブロックに取り付けられ燃焼室の一部を形成するシリンダヘッドと、該シリンダヘッドに取り付けられ前記シリンダ内に吸入空気を分配する吸気マニホールドと、を含んで構成される2つのシリンダ列を有する内燃機関において、前記吸気マニホールドをシリンダヘッドに締結するに際して、前記シリンダブロックとシリンダヘッドとを仮止めした状態で、前記シリンダブロックとシリンダヘッドとの間の面圧に対抗して、該シリンダブロックに対するシリンダヘッドの位置決め、及び、前記シリンダヘッドに対する吸気マニホールドの位置決めを可能にする締付力でもって、前記吸気マニホールドをシリンダヘッドに仮止めし、その後、該シリンダヘッドの固定後、吸気マニホールドの固定を行うようにした。
【0010】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、シリンダヘッドボルトを仮締めした状態で、シリンダブロックとシリンダヘッドとの間の面圧に対抗して、シリンダブロックに対するシリンダヘッドの位置決め、及び、シリンダヘッドに対する吸気マニホールドの位置決めを可能にする締付力でもって、吸気マニホールドボルトの仮締めを行うようにしたので、吸気マニホールドボルトの仮締めを行う際に、シリンダヘッドに発生する回転モーメントが低減した状態でシリンダヘッドが移動し、吸気マニホールドとシリンダヘッドとの間の接合面が平行な面となる。その後、シリンダヘッドボルトの本締め後、吸気マニホールドボルトの本締めを行うようにしたので、不必要な締付力を廃止することができ、シリンダボアの変形を低減することができる。そして、シリンダボアの変形の低減に伴い、ピストンスラップ音、オイル消費量及びブローバイ量を低減することができる。
【0011】
さらに、例えば、シリンダヘッドとシリンダブロックとの間にシリンダガスケットを介装するものにあっては、シリンダヘッドとシリンダブロックとの間のシール能力が向上するので、従来よりも安価なガスケットを使用することができ、コストの低減を図ることも可能となる。
請求項2記載の発明によれば、吸気マニホールドボルトを仮締めした後、一旦、吸気マニホールドボルトの締付けを緩めるようにしたので、シリンダヘッドを移動させる締付力に起因する回転モーメントが低減し、シリンダボアの変形をより低減することができる。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、吸気マニホールドボルトの本締めを行う締付力が仮締めを行う締付力よりも小さく設定されているので、本締めによる雌ねじ部の変形が低減し、シリンダボアの変形をより低減することができる。
【0013】
請求項4記載の発明によれば、内燃機関は2つのシリンダ列を略V型に配置したV型エンジンである構成としたので、左右のシリンダヘッド間に配置される吸気マニホールドがコンパクトになりその剛性が高まっても、シリンダボアの変形を有効に低減することができる。
請求項5記載の発明によれば、内燃機関は2つのシリンダ列を略平行に配置した並列エンジンである構成としたので、シリンダ列の間に配置される吸気マニホールドがコンパクトになりその剛性が高まっても、シリンダボアの変形を有効に低減することができる。
【0014】
請求項6記載の発明によれば、シリンダブロックとシリンダヘッドとを仮止めした状態で、シリンダブロックとシリンダヘッドとの間の面圧に対抗して、シリンダブロックに対するシリンダヘッドの位置決め、及び、シリンダヘッドに対する吸気マニホールドの位置決めを可能にする締付力でもって、吸気マニホールドをシリンダヘッドに仮止めするようにしたので、吸気マニホールドの仮止めを行う際に、シリンダヘッドに発生する回転モーメントが低減した状態でシリンダヘッドが移動し、吸気マニホールドとシリンダヘッドとの間の接合面が平行な面となる。その後、シリンダヘッドの固定後、吸気マニホールドの固定を行うようにしたので、不必要な締付力を廃止することができ、シリンダボアの変形を低減することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付された図面を参照して本発明を詳述する。
図1は、一般的なV型エンジンにおける吸気マニホールドの取付構造を示したもので、ハーフスカート型のシリンダブロック10と、左右のシリンダヘッド11,12とは、両者間にシリンダガスケット13を介装して図示しない複数本のヘッドボルトによって締結されている。また、左右のシリンダヘッド11,12間に配置される吸気マニホールド14から分岐する左右の吸気ポート15,16の先端部に形成されたシリンダヘッド取付部15a,16aと、左右のシリンダヘッド11,12に夫々形成された吸気マニホールド取付部11a,12aとは、両者間に吸気マニホールドガスケット17を介装して複数本の吸気マニホールドボルト(以下「インマニボルト」という)18によって結合されている。
【0016】
次に、従来の吸気マニホールドの締結方法(以下「STD Assy法」という)、及び、本発明による吸気マニホールドの締結方法(以下「インマニステップ締めAssy法」という)を説明する。
まず、STD Assy法の一例は、次の工程(1’)及び(2’)からなる。
(1’)シリンダブロックにシリンダヘッドを結合する。このときのヘッドボルトの締付トルクは、例えば、3kgfm +60°(29.4Nm+60°)とする。
【0017】
(2’)シリンダヘッドに吸気マニホールドを結合する。このときのインマニボルトの締付トルクは、例えば、2.0 ±0.2kgfm (19.6±1.96Nm)とする。
この締結方法によるシリンダボア変形量の実験データは、図8に示すように、初期状態での変形量を0とすると、ヘッドボルト及びインマニボルトの締付けによって、最終的に#3シリンダ及び#4シリンダのスラスト方向のシリンダボア変形量の平均が約31μmとなる。このシリンダボア変形量はエンジンの暖機によって増大するが、この理由は、シリンダブロックとシリンダヘッドの材質の相違(シリンダブロックは鋳鉄製、シリンダヘッドはアルミ合金製)による線膨張係数の差異によるものである。
【0018】
一方、インマニステップ締めAssy法の一例は、次の工程(1) 〜(5) からなる(図2参照)。
(1) シリンダブロックにシリンダヘッドを仮止めする。このときのヘッドボルトの締付トルクは、例えば、3.0kgfm (29.4Nm)、6.0kgfm (58.8Nm)の2段階で馴らし締めを行った後,一旦0kgfm(0Nm)まで緩め、その後1.0kgfm (9.8Nm )〔第1の締付力〕で仮締めを行う(a〜d)。
【0019】
(2) シリンダヘッドに吸気マニホールドを仮止めする。このときのインマニボルトの締付トルクは、例えば、0.4kgfm (3.92Nm)、1.6kgfm (15.7Nm)の2段階で馴らし締めを行った後、1.6 ±0.1kgfm (15.7±0.98Nm)〔第3の締付力〕で仮締めを行う(e〜g)。この工程における最終的な締付トルク1.6 ±0.1kgfm (15.7±0.98Nm)は、工程(1) においてシリンダヘッドを仮止めしたときのシリンダブロックとシリンダヘッド間の面圧に対抗して、シリンダブロックに対するシリンダヘッドの位置決め、及び、シリンダヘッドに対する吸気マニホールドの位置決めを可能にする締付トルクとして設定されている。
【0020】
(3) インマニボルトの締付トルクを0kgfm(0Nm)まで緩める(h)。
(4) シリンダブロックにシリンダヘッドを固定する。このときのヘッドボルトの締付トルクは、例えば、3.0kgfm +60°(29.4Nm+60°)〔第2の締付力〕とする(i〜j)。
(5) シリンダヘッドに吸気マニホールドを固定する。このときのインマニボルトの締付トルクは、例えば、0.4kgfm (3.92Nm)、0.9kgfm (8.82Nm),0.9 ±0.1kgfm (8.8 ±0.98Nm)〔第4の締付力〕の3段階で本締めを行う(k〜m)。ここで、インマニボルトの最終的な締付トルク0.9 ±0.1kgfm (8.8 ±0.98Nm)は、吸気マニホールドとシリンダヘッドとの接合面のシール性能を確保する面圧を発生させる締付トルク0.9kgfm (8.82Nm)のみとなっている。
【0021】
この締結方法によるシリンダボア変形量の実験データは、図3に示すように、初期状態での変形量を0とすると、ヘッドボルトの仮締め(工程(1) )、インマニボルトの仮締め(工程(2) )、インマニボルトの緩め(工程(3) )、ヘッドボルトの本締め(工程(4) )及びインマニボルトの本締め(工程(5) )によって、最終的に#3シリンダ及び#4シリンダのスラスト方向のシリンダボア変形量の平均が約17μmとなる。このシリンダボア変形量は暖機によって増大するが、この理由はSTD Assy法と同一であるので省略する。
【0022】
従って、V型エンジンにおけるシリンダボア変形量は、STD Assy法では31μmであったものが、インマニステップ締めAssy法では17μmとなり、変形量が14μm低減する。
次に、STD Assy法とインマニステップ締めAssy法との作用・効果の相違を示す実験データを説明する。
【0023】
図4は、インマニボルトの軸力〔kgf 〕とシリンダヘッドの移動量(シリンダボア変形量と相関関係が強い)〔μm〕との相関関係を示し、STD Assy法とインマニステップ締めAssy法とでは略平行した特性を有していることがわかる。これは、インマニボルトを締付けるに従ってシリンダヘッドの移動量が増大することを示し、他の要因、例えば、エンジンの組み付け順序等によって影響を受けないことを表している。
【0024】
図5は、インマニボルトの軸力〔kgf 〕、シリンダヘッドの移動量〔μm〕、シリンダヘッドに発生する回転モーメント〔kgfm〕及びシリンダボア変形量〔μm〕の相関関係を示し、インマニステップ締めAssy法によれば、シリンダヘッド移動量が増大したにも関わらず、インマニボルトの軸力、回転モーメント及びシリンダボア変形量が低減していることがわかる。
【0025】
以上説明した作用・効果が奏される理由は、シリンダブロックにシリンダヘッドを仮止めした(ヘッドボルトを仮締めした状態)後、シリンダブロックとシリンダヘッド間の面圧に対抗して、シリンダブロックに対するシリンダヘッドの位置決め、及び、シリンダヘッドに対する吸気マニホールドの位置決めを可能にする締付トルクでもって、インマニボルトの仮締めを行っているので、シリンダヘッドに発生する回転モーメントが低減した状態でシリンダヘッドが移動し、吸気マニホールドとシリンダヘッドとの接合面が平行な面となるからである。また、従来のSTD Assy法のように、ヘッドボルトの本締め後の面圧に打ち勝ってシリンダヘッドを移動することができる締付トルクでインマニボルトを締付ける必要がなくなるので、シリンダヘッドに形成されたヘッドボルト用の雌ねじ部の変形が低減し、シリンダボアの変形が低減する。さらに、シリンダガスケットのシール性能が向上するので、安価なガスケットの使用が可能となり、コストの低減を図ることも可能となる。
【0026】
その他には、シリンダボアの変形が低減することによってピストンのスラップ音が低減し、図6に示すように、エンジンの騒音評点が向上してより静粛なエンジンとすることができる。さらに、オイル消費量の減少やブローバイ量の低減を図ることもできる。
なお、本実施形態はV型エンジンに関するものであるが、例えば、水平対向エンジンやシリンダ列を略平行に配置した並列エンジン(一部の2輪車で使用され、スクエア4及びタンデムツインと呼ばれているもの)のように、2つのシリンダ列を有する他のエンジン形式に適用しても同様な効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なV型エンジンにおける吸気マニホールドの締結構造図
【図2】本発明に係る吸気マニホールドの締結方法の一例を示す工程図
【図3】同上の締結方法による各工程のシリンダボア変形量を示す線図
【図4】吸気マニホールド締結ボルトの軸力とシリンダヘッドの移動量との相関関係を示す線図
【図5】吸気マニホールド締結ボルトの軸力、シリンダヘッドの移動量、シリンダヘッドに発生する回転モーメント及びシリンダボア変形量の相関関係を示す線図
【図6】従来法及び本発明に係る吸気マニホールドの締結方法による騒音評点を示す線図
【図7】シリンダボアの変形が発生する原因を示す説明図
【図8】従来の吸気マニホールドの締結方法によるシリンダボア変形を示し、(a) はシリンダの配置図、(b) は各工程のシリンダボア変形量を示す線図
【符号の説明】
10 シリンダブロック
11,12 シリンダヘッド
14 吸気マニホールド
18 吸気マニホールドボルト[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for fastening an intake manifold in an internal combustion engine having two cylinder rows, and more particularly to a technique for reducing deformation of a cylinder bore.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, when a cylinder head is mounted on a cylinder block of an internal combustion engine, a cylinder bore is deformed by a tightening force (axial force) of a cylinder head bolt (hereinafter, referred to as a “head bolt”) for fastening the cylinder head, and the piston is deformed. There is a problem that the slap noise increases. In order to reduce the deformation of the cylinder bore, for example, as disclosed in JP-A-58-13256 and JP-A-6-346778, the cylinder block is Reinforcement with ribs and bridges was performed.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, for example, in an internal combustion engine in which an intake manifold is arranged between left and right banks, such as a V-type engine in which two cylinder rows are arranged in a substantially V-shape, deformation of the cylinder bore is caused by tightening of the head bolt. It has been clarified that not only is it caused by force but also by bolt tightening force when the intake manifold is mounted on the cylinder head.
[0004]
That is, the joint surface between the intake manifold and the cylinder head in the V-type engine is not necessarily parallel in both banks due to variations in machining accuracy and assembly accuracy of the cylinder head and the like. In the fastening method, the cylinder head is moved by the tightening force of a bolt for fastening the intake manifold to the cylinder head, and the joining surfaces are brought into close contact to ensure sealing performance. Therefore, as shown in FIG. 7, when the intake manifold is mounted, the line of action of the force F that the
[0005]
In order to reduce such deformation of the cylinder bore, it is conceivable to further reinforce the cylinder block with ribs or the like as in the prior art. However, in this case, the weight of the cylinder block increases, and It is necessary to change the design of the cylinder block.
In view of the above-mentioned conventional problems, an object of the present invention is to provide a method of fastening an intake manifold that can reduce deformation of a cylinder bore by merely changing a work order in fastening an intake manifold.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
For this reason, the invention according to
[0007]
In the invention described in
According to a third aspect of the present invention, the first tightening force for temporarily tightening the cylinder head bolt is set to be smaller than the second tightening force for fully tightening the cylinder head bolt, and the intake manifold bolt is temporarily tightened. The third tightening force was set to be larger than the fourth tightening force for fully tightening the intake manifold bolt.
[0008]
The invention according to
The invention according to
Here, the parallel engine refers to, for example, an engine type in which two cylinder rows as used in some motorcycles are arranged substantially in parallel, and each cylinder row has an independent crankshaft. Specifically, what is called a
[0009]
According to a sixth aspect of the present invention, a cylinder block formed with a cylinder, a cylinder head mounted on the cylinder block to form a part of a combustion chamber, and intake air distributed to the cylinder mounted on the cylinder head. in two of the internal combustion engine having cylinder banks configured to include an intake manifold, and when fastening the intake manifold to the cylinder head, and the cylinder block and the cylinder head temporarily fixed state, the cylinder block and the cylinder The intake manifold is temporarily fixed to the cylinder head with a tightening force that enables the positioning of the cylinder head with respect to the cylinder block and the positioning of the intake manifold with respect to the cylinder head against the surface pressure between the cylinder block and the cylinder head. And then fix the cylinder head After, and to perform the fixing of the intake manifold.
[0010]
【The invention's effect】
As described above, according to the first aspect of the present invention, when the cylinder head bolt is temporarily tightened, the positioning of the cylinder head with respect to the cylinder block against the surface pressure between the cylinder block and the cylinder head, In addition, since the intake manifold bolts are temporarily tightened with a tightening force that enables positioning of the intake manifold with respect to the cylinder head, the rotational moment generated in the cylinder head when the intake manifold bolts are temporarily tightened. The cylinder head moves in a state where is reduced, and the joining surface between the intake manifold and the cylinder head becomes a parallel surface. Thereafter, after the cylinder head bolts are fully tightened, the intake manifold bolts are fully tightened, so that unnecessary tightening force can be eliminated and deformation of the cylinder bore can be reduced. Then, as the deformation of the cylinder bore is reduced, the piston slap noise, the oil consumption and the blow-by amount can be reduced.
[0011]
Further, for example, in the case where a cylinder gasket is interposed between the cylinder head and the cylinder block, a gasket that is less expensive than the conventional one is used because the sealing ability between the cylinder head and the cylinder block is improved. It is also possible to reduce the cost.
According to the invention described in
[0012]
According to the third aspect of the present invention, since the tightening force for performing the final tightening of the intake manifold bolt is set to be smaller than the tightening force for performing the temporary tightening, the deformation of the female screw portion due to the final tightening is reduced, and the cylinder bore is reduced. Can be further reduced.
[0013]
According to the fourth aspect of the present invention, the internal combustion engine is a V-type engine in which two cylinder rows are arranged in a substantially V-shape. Therefore, the intake manifold arranged between the left and right cylinder heads becomes compact, and Even if the rigidity increases, the deformation of the cylinder bore can be effectively reduced.
According to the fifth aspect of the present invention, since the internal combustion engine is configured as a parallel engine in which two cylinder rows are arranged substantially in parallel, the intake manifold disposed between the cylinder rows is made compact and its rigidity is increased. However, the deformation of the cylinder bore can be effectively reduced.
[0014]
According to the invention as set forth in
[0015]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail with reference to the accompanying drawings.
FIG. 1 shows a mounting structure of an intake manifold in a general V-type engine. A half skirt
[0016]
Next, a conventional intake manifold fastening method (hereinafter, referred to as “STD Assy method”) and an intake manifold fastening method according to the present invention (hereinafter, referred to as “in manifold step fastening Assy method”) will be described.
First, an example of the STD Assy method includes the following steps (1 ′) and (2 ′).
(1 ') Connect the cylinder head to the cylinder block. The tightening torque of the head bolt at this time is, for example, 3 kgfm + 60 ° (29.4 Nm + 60 °).
[0017]
(2 ') Connect the intake manifold to the cylinder head. The tightening torque of the intake manifold at this time is, for example, 2.0 ± 0.2 kgfm (19.6 ± 1.96 Nm).
As shown in FIG. 8, as shown in FIG. 8, assuming that the deformation amount in the initial state is 0, the tightening of the head bolt and the in-mani bolt causes the # 3 cylinder and the # 4 cylinder to eventually lose their cylinder bore deformation amounts. The average cylinder bore deformation in the thrust direction is about 31 μm. The cylinder bore deformation increases due to the warm-up of the engine. This is due to the difference in the coefficient of linear expansion between the material of the cylinder block and the cylinder head (the cylinder block is made of cast iron and the cylinder head is made of aluminum alloy). is there.
[0018]
On the other hand, an example of the in-manistep tightening Assy method includes the following steps (1) to (5) (see FIG. 2).
(1) Temporarily fix the cylinder head to the cylinder block. The tightening torque of the head bolt at this time is, for example, 3.0 kgfm (29.4 Nm), 6.0 kgfm (58.8 Nm), and then loosened to 0 kgfm (0 Nm) after performing break-in tightening in two stages. Temporary tightening is performed at 1.0 kgfm (9.8 Nm) [first tightening force] (a to d).
[0019]
(2) Temporarily fix the intake manifold to the cylinder head. The tightening torque of the intake manifold at this time is, for example, 0.4 kgfm (3.92 Nm) and 1.6 kgfm (15.7 Nm). 0.7 ± 0.98 Nm) [Third tightening force] (eg). The final tightening torque of 1.6 ± 0.1 kgfm (15.7 ± 0.98 Nm) in this step corresponds to the surface pressure between the cylinder block and the cylinder head when the cylinder head was temporarily fixed in step (1). In contrast, the tightening torque is set to enable positioning of the cylinder head with respect to the cylinder block and positioning of the intake manifold with respect to the cylinder head.
[0020]
(3) Loosen the tightening torque of the intake manifold bolt to 0 kgfm (0 Nm) (h).
(4) Fix the cylinder head to the cylinder block. The tightening torque of the head bolt at this time is, for example, 3.0 kgfm + 60 ° (29.4 Nm + 60 °) [second tightening force] (i to j).
(5) Fix the intake manifold to the cylinder head. The tightening torque of the intake manifold at this time is, for example, 0.4 kgfm (3.92 Nm), 0.9 kgfm (8.82 Nm), 0.9 ± 0.1 kgfm (8.8 ± 0.98 Nm) [fourth. Final tightening force] (k to m). Here, the final tightening torque of the in-manifold bolt of 0.9 ± 0.1 kgfm (8.8 ± 0.98 Nm) generates a surface pressure that ensures the sealing performance of the joint surface between the intake manifold and the cylinder head. The tightening torque is only 0.9 kgfm (8.82 Nm).
[0021]
As shown in FIG. 3, experimental data of the amount of deformation of the cylinder bore by this fastening method, assuming that the amount of deformation in the initial state is 0, the temporary tightening of the head bolt (step (1)) and the temporary tightening of the inmani bolt (step (1)). 2)), loosening of the manifold bolt (step (3)), final tightening of the head bolt (step (4)) and final tightening of the manifold bolt (step (5)), finally # 3 cylinder and # 4 cylinder The average of the amount of deformation of the cylinder bore in the thrust direction is about 17 μm. The cylinder bore deformation increases with warm-up. The reason for this is the same as in the STD Assy method, and will not be described.
[0022]
Therefore, the cylinder bore deformation amount of the V-type engine was 31 μm by the STD Assy method, but was 17 μm by the in-manistep tightening Assy method, and the deformation amount was reduced by 14 μm.
Next, experimental data showing a difference in operation and effect between the STD Assy method and the in-manistep fastening Assy method will be described.
[0023]
FIG. 4 shows the correlation between the axial force [kgf] of the intake manifold bolt and the moving amount of the cylinder head (which has a strong correlation with the cylinder bore deformation amount) [μm]. It can be seen that they have parallel characteristics. This indicates that the amount of movement of the cylinder head increases as the intake manifold bolt is tightened, indicating that it is not affected by other factors, for example, the order of assembling the engine.
[0024]
FIG. 5 shows the correlation among the axial force [kgf] of the intake manifold bolt, the movement amount [μm] of the cylinder head, the rotation moment [kgfm] generated in the cylinder head, and the cylinder bore deformation amount [μm]. According to the graph, it can be understood that the axial force, the rotational moment and the amount of deformation of the cylinder bore of the intake manifold bolt are reduced although the cylinder head movement amount is increased.
[0025]
The reason why the above-described functions and effects are achieved is that after temporarily fixing the cylinder head to the cylinder block (in a state where the head bolts are temporarily tightened), the surface pressure between the cylinder block and the cylinder head is reduced. Since the intake manifold is temporarily tightened with a tightening torque that enables the positioning of the cylinder head and the positioning of the intake manifold with respect to the cylinder head, the cylinder head is rotated in a state where the rotational moment generated in the cylinder head is reduced. This is because they move and the joining surface between the intake manifold and the cylinder head becomes a parallel surface. Further, unlike the conventional STD Assy method, it is not necessary to tighten the intake manifold bolt with a tightening torque capable of moving the cylinder head by overcoming the surface pressure after the final tightening of the head bolt. The deformation of the female screw portion for the head bolt is reduced, and the deformation of the cylinder bore is reduced. Further, the sealing performance of the cylinder gasket is improved, so that an inexpensive gasket can be used, and the cost can be reduced.
[0026]
In addition, the slap noise of the piston is reduced by reducing the deformation of the cylinder bore, and as shown in FIG. 6, the noise rating of the engine is improved and the engine can be made quieter. Further, it is possible to reduce the oil consumption and the blow-by amount.
Although the present embodiment relates to a V-type engine, for example, a horizontally opposed engine or a parallel engine in which cylinder rows are arranged substantially in parallel (used in some motorcycles and called a
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a fastening structure of an intake manifold in a general V-type engine. FIG. 2 is a process diagram showing an example of a fastening method of an intake manifold according to the present invention. FIG. FIG. 4 is a graph showing the correlation between the axial force of the intake manifold fastening bolt and the moving amount of the cylinder head. FIG. 5 is the axial force of the intake manifold fastening bolt, the moving amount of the cylinder head, and the cylinder head. FIG. 6 is a diagram showing a correlation between a rotational moment and a cylinder bore deformation amount generated in the engine. FIG. 6 is a diagram showing a noise score according to a conventional method and an intake manifold fastening method according to the present invention. FIG. 7 is a cause of the deformation of the cylinder bore. FIG. 8 shows cylinder bore deformation due to a conventional intake manifold fastening method, where (a) is a cylinder arrangement diagram, and (b) is an illustration of each process. Diagram showing the cylinder bore deformation amount of the REFERENCE NUMERALS]
10
Claims (6)
前記吸気マニホールドをシリンダヘッドに締結するに際して、前記シリンダヘッドボルトを仮締めした状態で、前記シリンダブロックとシリンダヘッドとの間の面圧に対抗して、該シリンダブロックに対するシリンダヘッドの位置決め、及び、前記シリンダヘッドに対する吸気マニホールドの位置決めを可能にする締付力でもって、前記吸気マニホールドボルトを仮締めし、その後、前記シリンダヘッドボルトの本締め後、前記吸気マニホールドボルトの本締めを行うことを特徴とする2つのシリンダ列を有する内燃機関における吸気マニホールドの締結方法。A cylinder block formed with a cylinder, a cylinder head attached to the cylinder block to form a part of a combustion chamber, an intake manifold attached to the cylinder head for distributing intake air into the cylinder, and the cylinder head. An internal combustion engine having two cylinder rows including a cylinder head bolt fastened to a cylinder block and an intake manifold bolt fastening the intake manifold to a cylinder head,
When fastening the intake manifold to the cylinder head, with the cylinder head bolts temporarily tightened , against the surface pressure between the cylinder block and the cylinder head, positioning of the cylinder head with respect to the cylinder block, and The intake manifold bolts are temporarily tightened with a tightening force enabling positioning of the intake manifold with respect to the cylinder head , and then, after the cylinder head bolts are fully tightened, the intake manifold bolts are fully tightened. A method for fastening an intake manifold in an internal combustion engine having two cylinder rows.
前記吸気マニホールドをシリンダヘッドに締結するに際して、前記シリンダブロックとシリンダヘッドとを仮止めした状態で、前記シリンダブロックとシリンダヘッドとの間の面圧に対抗して、該シリンダブロックに対するシリンダヘッドの位置決め、及び、前記シリンダヘッドに対する吸気マニホールドの位置決めを可能にする締付力でもって、前記吸気マニホールドをシリンダヘッドに仮止めし、その後、該シリンダヘッドの固定後、吸気マニホールドの固定を行うことを特徴とする2つのシリンダ列を有する内燃機関における吸気マニホールドの締結方法。A cylinder block formed with a cylinder, a cylinder head attached to the cylinder block to form a part of a combustion chamber, and an intake manifold attached to the cylinder head to distribute intake air into the cylinder. Internal combustion engine having two rows of cylinders,
When fastening the intake manifold to the cylinder head, with the cylinder block and the cylinder head temporarily fixed, the cylinder head is positioned relative to the cylinder block against the surface pressure between the cylinder block and the cylinder head. And temporarily fastening the intake manifold to the cylinder head with a tightening force enabling positioning of the intake manifold with respect to the cylinder head, and thereafter, after fixing the cylinder head, fixing the intake manifold. A method for fastening an intake manifold in an internal combustion engine having two cylinder rows.
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