JP3592962B2 - 異常物体監視装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワークを用いた異常物体監視装置に係り、特に、所定監視区域内に異常物体(静止異常物体、移動異常物体のいずれも含む)が存在した場合にこれを検知し、ネットワークを通じてその異常情報をコントロールセンタ等の他所で把握できる異常物体監視装置に係り、より具体的には地下鉄の始業前点検において、作業者の退出、工具類の置き忘れ、不審者の進入等を短時間で把握することの出来る地下鉄始業前点検時における異常物体監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より地下鉄路線においては、終電後翌日の始発電車が走るまでの間に保守点検作業を行ない、その後、始業前点検において、電車の走る走行区域(建築限界)内に、保守作業を行なった作業者が完全に退出したか否か、又線路上等に工具類の置き忘れがないかどうか、不審者の進入があるかどうかを点検した後、始発電車を走らせるようにしている。
【0003】
そしてかかる始業前点検、即ち、地下鉄のような路線の長い広域空間内の移動物体や静止物体を含む異常物体の検知を有効に行なうシステムが従来は存在しない。
例えば前記地下鉄路線内に、ネットワーク等を介してCCDカメラ等で撮影した画像をコントロールセンタ側に送信しているようなシステムは存在する。しかしながら、多数の監視カメラよりの画像情報をネットワーク上に流すことは通信容量が大幅に増大するのみならず、コントロールセンタ側の監視者は常時多数のカメラの撮像データを監視しなければならず、監視カメラの数が多くなればなるほど監視者の負担が増大する。
【0004】
かかる欠点を解消するために、監視カメラに広角機能とズーム機能を持たせるとともに、該カメラ撮像域内に移動物体があった場合にその位置及び特徴情報を抽出可能な画像処理装置を組み込み、広角カメラにより広域を撮影して得られた映像より、前記画像処理装置にて前記移動物体の有無を判断して、移動物体があった場合にその移動対象を自動的に追尾しながら、前記広角カメラをズーム拡大して、ネットワークを介して監視画像を監視装置側に送信する技術が提案されている。(特開平9−130783号)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらかかる技術においても、ズーム拡大したといってもカメラで撮像した画像をネットワークで送信しなければならず、通信容量の低減に必ずしもつながらない。
又、移動追尾しても画像自体を監視するために、監視カメラの数が多くなればなるほど監視者の負担が増大するという基本的な欠点は変わらない。
【0006】
又、前記従来技術においてはカメラ撮像域内に移動物体があった場合にその位置及び特徴情報を抽出できるが、置き忘れ工具等の静止状態にある異常物体においては、これを検知できない。
又、地下鉄の始業前点検の本質的な目的は、車両が走行する空間、即ち、建築限界線内に障害となる物体が存在しないと確かめることであり、前記従来技術を含め、この確認を自動化若しくは補助するための手段は提供されていない。
【0007】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、通信容量の低減と監視者の負担軽減を図りつつ、移動物体のみならず、置き忘れ工具等の静止状態にある異常物体においては、これを容易に検知出来、建築限界線内に存在する障害物の判定を自動化することも可能な異常物体監視装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するため、内部に信号処理装置を備え、所定監視区域の信号を観測する監視端末と、該監視端末より地下鉄車両の車両走行空間に、車両走行の障害となる物体の存在の有無の情報を、ネットワークを介してコントロールセンタで把握する異常物体監視装置において、
前記監視端末が、イメージセンサのセンサ信号を処理する信号処理装置を備えた監視端末と、超音波センサ若しくは渦流センサのセンサ信号を処理する信号処理装置を具えた監視端末の、複数種の監視端末であって、
該監視端末が地下鉄車両線路に沿って複数種混在して配置され且つ該夫々の監視端末側に時刻同期手段を具え、
前記信号処理装置内に、地下鉄車両の車両走行空間の正常状態信号を記憶する手段と、該正常信号と監視端末より取り込んだ車両走行空間の信号とを比較し、該監視区域内に静止状態若しくは移動状態にある異常物体が存在した場合にこれを検知し異常判断信号を出力する異常判断手段を具えるとともに、
前記時刻同期手段よりの同期信号に基づいて、同期した時刻毎で各監視端末が異常判断を行ない、少なくともその異常判断信号をネットワークを通じて前記コントロールセンタに送信するようにしたことを特徴とする。
【0009】
かかる発明によれば、常態において、ネットワーク側に送信されるのは画像そのものではなく、異常判断信号であるために、多数の監視端末を配置した場合でもネットワーク上の通信容量の大幅低減を図ることが出来る。又、コントロ−ルセンタ側で受信するのは常態においては画像そのものではなく、異常判断信号であるために、多数の監視端末を配置した場合でも監視者の負担が大幅に軽減する。
尚、異常判断信号を受信後は、ネットワークを介して切換信号を送信して画像を受信するようにしても良い。
又、本発明は常に正常信号と比較対照しながら異常判断するために、置き忘れ工具等の静止状態にある異常物体においては、これを容易に検知出来る。
【0010】
又、前記同期は、各監視端末同士で同期を取るものであるが、ストロボ照明等を用いる場合は、該照明手段と端末間で同期を取ることも必要である。
【0011】
かかる発明によれば、異なった場所に配置されている監視端末同士、若しくは監視端末と照明手段との間で時刻が同期していることを利用して、三角測量の原理、又は伝播時間を応用した様々な三次元計測手法が適用可能となる。また、コントロールセンタ側で取得される異常判断信号は常に同期しているために、タイミングずれがなく、一つの異常物体を時間を追って順次移動方向、移動スピード等の移動状況を計測することも可能である。
【0012】
尚、前記監視端末は、画像処理装置を組み込んだCCDカメラ等のイメージセンサのみに限定されることなく、波形処理装置を組み込んだ超音波や渦流電波受信装置等を用いた場合も含まれる。
【0013】
請求項2記載の発明は、前記監視端末の少なくとも1が、画像処理装置を組み込んだイメージセンサを含む監視端末である請求項1記載の異常物体監視装置において、
前記画像処理装置内に、正常画像を記憶する手段と、該正常画像とイメージセンサより取り込んだ車両走行空間の取得画像との差分を取り、該差分画像の値が一部での所定の閾値を超えた際に、異常物体が存在したと判断し、少なくともその異常判断信号をネットワークを通じて前記コントロールセンタに送信するようにしたことを特徴とする。
【0014】
かかる発明によれば、図1に示すように、単に差分画像のみを取り出せばよいために、画像処理が簡単であるとともに、正常画像と取得画像との差分を取る構造のために、表面変化を容易に捕らえることが出来る。
【0015】
請求項3記載の発明は、前記監視端末の少なくとも1が、画像処理装置を組み込んだイメージセンサを含む監視端末である請求項1記載の異常物体監視装置において、
前記画像処理装置内に、複数の正常画像を圧縮して記憶する手段と、イメージセンサより取り込んだ車両走行空間の取得画像を圧縮して記憶された正常画像と対応付け、対応する正常画像が無い場合に異常物体が存在したと判断し、少なくともその異常判断信号をネットワークを通じて前記コントロールセンタに送信するようにしたことを特徴とする。
【0016】
かかる発明によれば、例えば照明条件の時間的変化に応じた複数の正常時画像を複数の監視端末で同じように付番して記憶しておく場合、正常時・異常時を問わず対応した画像の番号をコントロールセンタへ送信し、他の監視端末から送信された画像の番号と照合することにより、複数の監視端末が同様の照明条件を判定していることを条件として、監視端末が正常に動作していることを常時確認可能とすることができる。
【0017】
請求項4記載の発明は、前記監視端末の少なくとも1が画像処理装置を組み込んだ第1のイメージセンサと視野を共通する第二のイメージセンサとを具えた請求項1記載の異常物体監視装置において、
前記画像処理装置内に、前記二つのセンサで同時刻に撮像した2つの画像に基づいてステレオ手法で三次元画像を復元する手段と、正常三次元画像を記憶する手段と、該正常三次元画像と復元三次元画像との間で、その差異が大きい部分において、異常物体が存在したと判断し、少なくともその異常判断信号をネットワークを通じて前記コントロールセンタに送信するようにしたことを特徴とする。
【0018】
かかる発明によれば、ステレオ手法で立体的な形状の変化に基づいて異常判断を行なうことが出来、一層精度良い異常判断が可能である。
【0019】
請求項5記載の発明は、前記監視端末の少なくとも1が画像処理装置を組み込んだイメージセンサと、時刻同期手段に基づいて前記イメージセンサとの撮像時期と同期して所定のドットパターンを前記カメラの撮像監視域に投影しながら照明を行なう照明手段とをそれぞれ異なる位置に配置してなる請求項1記載の異常物体監視装置であって、
前記画像処理装置内に、前記正常画像時におけるパターン画像を記憶する手段と、該正常パターンとイメージセンサより取り込んだ車両走行空間の取得パターン画像とを比較して、その差異が大きい部分において異常物体が存在したと判断し、少なくともその異常判断信号をネットワークを通じて前記コントロールセンタに送信するようにしたことを特徴とする。
【0020】
かかる発明によればパターンの一致・不一致という簡単な画像処理で立体的な形状の変化に基づいて異常判断を行なうことが出来るのみならず、ステレオ法による請求項4記載の発明に比較して、広い範囲の領域を一度に判断可能である。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の異常物体監視装置において、前記照明手段がストロボ等のオンオフ可能な照明手段であり、一方イメージセンサ側では、前記オンオフ両者の画像を取得してその差分画像によりパターン画像を作ることを特徴とする。
【0022】
かかる発明によれば、ノイズがなくコントラストの高いパターン画像を作ることが出来る。
この場合、前記パターンは、請求項7に記載のように、格子状の黒白ドットパターンででもよく、又請求項8に記載のように、縞状パターンでもよい。
【0023】
そして縞状パターンの場合は請求項9に記載したように、前記照明手段で、異なる縞状パターンを複数回車両走行空間に投影し、一方イメージセンサ側では、前記複数の画像を取得して三次元形状を復元し、予め記憶された正常三次元画像と復元三次元画像との間で、変化のある部分において、異常物体が存在したと判断し、少なくともその異常判断信号をネットワークを通じて前記コントロールセンタに送信するようにしたことを特徴とする。
【0024】
請求項10記載の発明は、請求項1記載の異常物体監視装置の光源手段としてレーザを用いたもので、前記監視端末の少なくとも1が画像処理装置を組み込んだイメージセンサと、所定のレーザ光を前記カメラの撮像監視域に投影しながら照明を行なう照明手段とをそれぞれ異なる位置に配置してなることを特徴とする。
この場合、請求項11記載のように、レーザスリット光を用いてもよく、又請求項12記載のスポットレーザを用いても良い。
【0025】
即ち、請求項11において、前記レーザ光が監視域を順次光切断するレーザスリット光であり、前記画像処理装置内に、該スリット光の光切断法により取得した三次元画像を復元する手段と、前記正常画像時における三次元画像を記憶する手段とを具え、該2つの三次元画像とを比較して、その差異が大きい部分において異常物体が存在したと判断し、少なくともその異常判断信号をネットワークを通じて前記コントロールセンタに送信するようにしたことを特徴とする。
【0026】
かかる発明によれば、光切断法のために、立体画像の取得が容易であり、且つ光切断法により得られる画像は線形の二次元画像であるために、メモリ容量が小さくて済む。
【0027】
請求項12記載の発明は、前記レーザ光が監視域を順次スポットするレーザポイント光であり、前記スポットレーザが予め定められたポイントを照射しながら、これに同期してイメージセンサによりそのスポット光を取得するとともに、前記画像処理装置内に、該スポット光により取得した三次元座標位置を計算する手段と、前記正常時における三次元座標位置を記憶する手段とを具え、該2つの三次元座標位置とを比較して、その差異が大きい部分において異常物体が存在したと判断し、少なくともその異常判断信号をネットワークを通じて前記他所に送信するようにしたことを特徴とする。
【0028】
かかる発明によれば、レーザスポット光により三次元座標をポイントとして捕らえるために、立体画像の取得が容易であるにも拘わらず、メモリ容量が大幅に小さくて済む。
【0029】
請求項13記載の発明はCCDカメラ等のイメージセンサではなく、超音波を用いたもので、前記車両走行空間内に超音波を発振する超音波発振手段と、前記超音波波形処理装置を組み込んだ複数の超音波受信装置とを具えた請求項1記載の異常物体監視装置において、
前記超音波波形処理装置内に、正常背景波形を記憶する手段と、該正常波形と超音波受信手段より取り込んだ所定監視区域の取得波形とを比較する比較手段を設け、該取得波形と正常波形との差異に基づいて、異常物体が存在したと判断し、少なくともその異常判断信号をネットワークを通じて前記他所に送信するようにしたことを特徴とする。
【0030】
かかる発明によれば、超音波を利用して広い範囲を測定できるとともに、照明等が不要であり、又波形処理も簡単であるために、低コストで出来る。
【0031】
請求項14記載の発明は、内部に信号処理装置を備え、所定監視区域の信号を観測する監視端末と、該監視端末よりの情報を、ネットワークを介してコントロールセンタ等の他所で把握する異常物体監視装置において、
前記所定監視区域内に磁場を発生させる磁場発生手段と、
磁場波形処理装置が組込まれ、前記磁場により前記所定監視区域内に位置する導電体に発生した渦電流を検知する複数の磁場受信手段とを具え、
前記磁場波形処理装置内に、正常背景波形を記憶する手段と、該正常波形と磁場受信手段より取り込んだ所定監視区域の取得波形とを比較する比較手段を設け、該取得波形と正常波形との差異に基づいて、異常物体が存在したと判断し、少なくともその異常判断信号をネットワークを通じて前記他所に送信するようにしたことを特徴とする。
【0032】
かかる発明は、導電性の物体、例えば金属しか検知できないが、工具等の置き忘れに有効であり、また、比較的小さな対象でも発見することができる。さらにまた、特に低コストで異常判断できるという点で有効である。
【0033】
請求項15記載の発明は、前記磁場発生手段が監視区域内を移動しながら、各監視区域内に配置した複数の磁場受信手段と対面可能に構成したことを特徴とする。
また、請求項16記載の発明は、前記磁場受信手段が監視区域内を移動しながら、各監視区域内に配置した複数の磁場発生手段と対面可能に構成したことを特徴とする。
【0034】
かかる発明によれば、地下鉄のように走行路上を、請求項15記載の発明の場合は磁場発生手段が、逆に請求項16記載の発明の場合は磁場受信手段が移動すればよいために、長い経路の異常判断に有効である。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0036】
図2は本発明の実施形態にかかる地下鉄の始業前点検を行なうための監視端末の基本構成図で、内部に波形処理装置100を備え、所定監視区域の波形を受像する監視端末の一例として、ストロボその他の照明手段2と、インテリジェントカメラ1(CCDカメラ)の組み合わせからなるもの、後記する超音波センサや渦流センサを用いたその他のセンサからなる監視端末1A、1B等を、及び照明手段を用いずにインテリジェントカメラ1のみからなる監視端末がネットワーク4上にインターフェース11を介して種々接続され、これらの監視端末は、地下鉄線路の所望箇所夫々に前記監視端末を複数種混在して配置する。
【0037】
そして夫々の監視端末1は、異常時のみ異常判断信号とともに、その他の必要な情報(映像信号、監視端末の位置情報等)を、ネットワーク4を介してコントロールセンタ3に信号を送信する。
又、夫々の監視端末1はコントロールセンタ3側よりの信号に基づいて、若しくは自身の保有するマイクロプロセッサに基づいて自律制御可能に構成されている。
【0038】
かかる監視端末1の内部構成を、例えば図2に示すインテリジェントカメラ1により簡単に説明するに、CCDカメラ本体15より取得した撮像画像はデジタル変換した後、イメージメモリ14に展開される。波形処理装置100は画像処理部13、画像(正常画像)メモリ12及びイメージ(取得画像)メモリ14で構成され、画像処理部13では、その監視撮像域における正常状態画像が記憶されている画像メモリ12と、該正常状態画像と前記イメージメモリ14より取り込んだ所定監視区域の撮像画像とを比較し、該監視区域内に静止状態若しくは移動状態にある異常物体が存在した場合にこれを検知し異常判断信号を出力するように構成されている。
【0039】
又、前記回路内には時刻同期制御部17を具え、該時刻同期制御部17よりの同期信号に基づいて、各監視端末1の撮像時期及び照明手段2の照明時期を同期させる。
16はパンチルト制御部で、CCDカメラ本体15を任意の監視域に指向移動させる。18はこれらを制御するマイクロプロセッサで、前記画像処理部13で行なった異常判断信号及びこれに付随する映像信号や位置信号をネットワーク4を通じて前記コントロールセンタ3側に送信する。
【0040】
照明手段2は、例えば図2、図3に示すように、ストロボからなるフラッシュライト21と、同期時刻制御部23に基づいて発光制御される発光制御部22と、前記発光時期をネットワーク4を介してカメラ1側とコントロールセンタ3側に送信して同期させるインターフェース24とからなる。
コントロールセンタ3ではネットワーク4及びインターフェース31を介して受信した異常判断信号を、制御コントローラ32を介してアラーム、ライト等の警報33を鳴動若しくは点灯させる。
又、8はモニタ等の表示器で、地下鉄内の異常信号位置やその部分の画像を表示する。
尚、前記時刻同期制御部17,23はコントロールセンタ3側に設け、ネットワーク4とは別の専用クロック線により各端末の同期化を図ってもよい。
【0041】
図3は、前記監視端末が画像処理装置を組み込んだインテリジェントカメラ1であって正常画像と取得画像の差分により異常判断を行なう異常物体監視装置の第1の実施形態である。
本実施形態において、ストロボ照明手段2と、インテリジェントカメラ1が一対として構成されている点は、図2と同様である。
該装置においてCCDカメラ本体15は、レンズ15Aと撮像素子15Bからなり、その取得画像は、デジタル変換後、取得画像メモリ14に展開される。
131は差分回路で、正常画像メモリ12より取り込んだ正常画像信号と、CCDカメラ本体15より取得画像メモリ14に取り込んだ所定監視区域の取得画像との差分を取り、該差分画像を判断部132に送る。
【0042】
判断部132では前記差分画像と基準レベル(所定の閾値)を比較し、前記差分画像が基準レベルを超えた部分について異常物体が存在したと判断し、時刻同期部17に同期させた時刻毎にその異常/正常判断信号とともに、異常のあった部位の位置情報と該異常部位の画像を抽出してネットワーク4を通じて前記コントロールセンタ3側に送信する。
【0043】
かかる装置によれば、単に差分画像のみを取り出せばよいために、画像処理が簡単であるとともに、正常画像と取得画像との差分を取る構造のために、表面変化を容易に捕らえることが出来るが、一方では画像を直接差分するために、三次元的な変化として判定できないと言う欠点を有する。
【0044】
図4は、前記監視端末が画像処理装置を組み込んだインテリジェントカメラ1であって正常画像と取得画像とを固有空間法により異常判断を行なう異常物体監視装置の第2の実施形態である。
固有空間法は、複数の二次元画像を後の対応付け(マッチング)に適した形で圧縮し、記憶する手法であり、多次元の特徴量を低次元化することができ、計算量も低下する。
【0045】
以下に固有空間法の原理を説明する。まず、正常時の画像として、時刻又は照明条件を変えて撮影した複数の画像を取得する。この画像を夫々Xiとし、各画像の画素数をnとする。これらを集めて、正常時画像行列;
X=「X1,X2,…,Xk」
を作る。これより得られる共分散行列;
Q=XXt
の固有ベクトルをei,固有値をλiとする。
このn個の固有値λi(1≦i≦n)から、大きい順にm個(m<n)の固有値を選び、それらの固有値に対応するm個の固有ベクトルei(1≦i≦m)を並べて行列Eを作る。この行列を用いて先のn次元の画像ベクトルXiをm次元空間の点giとして投影する。
gi=EtXi
これにより、もともとn次元ベクトル空間内で表現された画像列Xiがm次元空間のベクトルgiとして表現される。通常nは数十万であるが、mは10程度にするため、情報量の多大な圧縮が達成される。
【0046】
図4において、圧縮された正常時画像120は、前記giを正常時画像の枚数kだけ集めたものである。一方、CCDカメラ本体15より取り込まれ、取得画像メモリ14に展開された所定監視区域の取得画像をYとすると、Yはマッチング部133において、
f=EtY
との計算によりm次元空間内のベクトルfに投影される。マッチング部133では、このベクトルfとk個の正常時画像のベクトルgiとの距離をそれぞれ求め、もっとも近い距離にあるベクトルgiがマッチングされたものとする。判断部132では、fと対応付けられたgiとの距離を調べ、その距離が閾値以上である場合に、異常物体が存在するとして判断する。
【0047】
そして、判断部132で、異常物体が存在したと判断した場合は、時刻同期部17に同期させた時刻毎にその異常/正常判断信号とともに、異常判断のあった位置情報とマッチングされた画像の番号を、インターフェース11及びネットワーク4を通じて前記コントロールセンタ3側に送信する。
【0048】
かかる発明によれば、前記実施例と同様な効果とともに時刻同期部17に同期させた時刻毎にその異常/正常判断信号とともに、異常判断のあった位置情報とマッチングされた画像の番号が、ネットワーク4を通じて送信されるために、各監視端末で同じ時刻・照明条件で取得および記憶させた正常時画像に同じ番号を付番しておくことにより、コントロールセンタ3または各々の監視端末でこの番号を照合することにより正常な動作を確認することができる。
【0049】
しかしながら、前記いずれの従来技術も二次元画像の処理であるために、奥行き方向の形状変化や立体画像の把握が困難である。
このような場合、後記実施例の手段を取ることにより、立体画像もある程度の広域画像の取得が可能である。
【0050】
図5は、ステレオ法に基づいて立体画像を取得して異常判断を行なう他の実施形態で、画像処理装置を組み込んだインテリジェントCCDカメラ1と、視野を共通し位置をずらして配置した第二のCCDカメラ10とを具えた異常物体監視装置である。
この場合、第二のCCDカメラ10は、インテリジェントCCDカメラ1側に視野を共通する画像を取得するものであるから画像処理装置を必ずしも組み込む必要はない。
そして前記インテリジェントCCDカメラ1の画像処理装置内には、前記二つのカメラで同時刻に撮像した2つの同一視野の画像(画像メモリ14及び伝送画像メモリ140に記憶される)に基づいてステレオ手法で三次元画像を復元するステレオ処理部134と、正常三次元画像を記憶する画像メモリ12と、該画像メモリ12とステレオ処理部134より、正常三次元画像と復元三次元画像とを読み込み、該2つの画像の差分等を取って、その差異が大きい部分において、異常物体が存在したと判断する判断部132を具えている。
【0051】
そして判断部132で、異常物体が存在したと判断した場合は、時刻同期部17に同期させた時刻毎にその異常判断信号とともに、異常のあった部位の位置情報と該異常部位の画像を抽出して、インターフェース11及びネットワーク4を通じて前記コントロールセンタ3側に送信する点は図2と同様である。
【0052】
かかる装置によれば、ステレオ手法で立体的な形状の変化に基づいて異常判断を行なうことが出来、一層精度良い異常判断が可能である。
また、三次元の形状が定量的に把握できるため、単に正常時の形状と比較して異常の判定を行なうだけでなく、この形状と建築限界線から決まる形状との比較を行ない、取得した形状が建築限界線の内側に突出している場合に別な警報を発生させることができる。
【0053】
図6〜図8は格子状の黒白ドットパターンで立体形状を判断する他の実施形態で、ドットパターンプロジェクタ2Aと、インテリジェントCCDカメラ1よりなる。
ドットパターンプロジェクタ2Aは、図8に示すように、ドットパターンを形成するフィルタ25を前面に設け、その背面側に時刻同期部23に同期させて発光器21を駆動させるドライバ26を具え、前記時刻同期部23はインターフェース24を介してネットワーク4と接続されている。
【0054】
インテリジェントカメラ1は図7に示すように、CCDカメラ本体15より、時刻同期部17,23に基づいて照明(発光器)21をオンオフして形成される照明オン時のパターン取得画像14Aと、照明オフ時の非パターン画像14Bを夫々のイメージメモリ14に展開し、差分器131Aによりその差分を取る。
前記オンオフ両者の画像を取得してその差分画像によりドットパターン画像を作ることは、陰影等の画像ノイズを除去することが出来、これによりコントラストの高いドットパターン画像を得ることが出来る。
【0055】
次に、前記正常画像時におけるドットパターン画像が記憶されている画像(正常パターン)メモリ12より、正常ドットパターンを読み出して、前記差分ドットパターン画像とを差分器131により差分をとる。
【0056】
この結果、図6に示すように、正常時は平面的なドットパターンである場合に、異常物体が存在する場合は、そのドットパターンに歪みが出る。
従って、対象の形状が正常時と同じである場合には差分器131の出力は画像全体で0になるが、異常物体が存在する場合には、差分器131の出力の一部に差分の値が検出されるので、この値が一定レベルより大きい場合は、時刻同期部17に同期させた時刻毎にその異常判断信号とともに、異常のあった部位の位置情報と該異常部位の歪み量を抽出してネットワーク4を通じて前記コントロールセンタ3側に送信する。
【0057】
かかる装置によればドットパターンの一致・不一致という簡単な画像処理で立体的な形状の変化に基づいて異常判断を行なうことが出来るために、単純で空間の変化が安定して検出でき、ステレオ法を用いる実施例に比較して、広い範囲の領域を一度に判断可能である。
【0058】
又、前記実施形態はプロジェクタ2Aの照明21をオンオフしてパターン有り無しの2つの画像を夫々のイメージメモリ14A,14Bに取得後、その差分を取るという構造のために、陰影等のノイズが排除され、コントラストの高いドットパターンを得ることが出来る。
【0059】
図9乃至図12はグレイコードによる縞状パターン立体パターンを形成して異常判断を行なう実施形態を示し、三次元の空間をその変化だけでなく、定量的に計測できるため、建築限界内の障害物の判定を行なうことができるという利点がある。
【0060】
即ち、グレイコードによる縞状パターンの場合は、図9に示すように、3パターンで8分割のパターン画像を得ることが出来る。なお、簡単のため、以下の説明及び図においては3パターンで空間を8区画に分割して照明する例を用いるが、一般にnパターンの投影で空間を2nに分割して照明でき、実際にはパターン数を8程度とする。
即ち、例えば0〜4(白)4〜8(黒)のように2分割した第1のパターン40Aと、0〜2(白)2〜6(黒)6〜8(白)のように3分割した第2のパターン40B、0〜1(白)1〜3(黒)3〜5(白)5〜7(黒)7〜8(白)のように5分割した第3のパターン40Cを組み合わせることにより、容易に8分割パターンを得ることが出来、これを図12に示すように、前記3種の縞状パターン40A、40B、40Cを生成するプロジェクタ2Bの照射方向と、インテリジェントCCDカメラ1の受像方向が所定角度を持つように位置をずらして配置することにより、3パターンの黒白パターンを得ることが出来る。そして、その3つのパターンを演算することにより、3次元の形状の定量的復元が可能である。
【0061】
かかる画像取得法は空間コード化法とよばれるもので、特に建築限界内の画像を取得するのに有利である。
【0062】
そして本実施形態のグレイコードプロジェクタ2Bは、図10に示すように、光源21Bを集光する集光レンズ22Bと投影レンズ24Bとの間にパターン形成マスク23B(液晶シャッタ)が介装されており、該マスク23Bにより前記3種の縞状パターンが形成される。縞状パターンの形成は図8と同様に時刻同期部に同期させてマスク23Bを駆動させる不図示のドライバを具え、インターフェースを介してネットワーク4と接続されている。
【0063】
即ち図11に示すように、インテリジェントカメラ1は、CCDカメラ本体15より、時刻同期部17に基づいて前記マスク23Bの三種のパターン形成毎に撮像して取得される三種の画像を夫々のイメージメモリ14A,14B,14Cに展開し、その三種の画像より三次元形状復元部134で三次元の空間形状画像を取得する。
【0064】
次に、前記正常画像時における三次元の空間形状画像が記憶されている画像メモリ12より、正常三次元の空間形状画像を読み出して、前記三次元の空間形状画像との形状の差異を判断部132で判断して、差異の量が一定レベルより大きい場合は、時刻同期部17に同期させた時刻毎にその異常判断信号とともに、異常のあった部位の位置情報と該異常部位の歪み量を抽出してネットワーク4を通じて前記コントロールセンタ3側に送信する。
【0065】
かかる装置によれば、前記プロジェクタ2Bで、グレイコードによる異なる縞状パターンを複数回所定監視域に投影し、一方CCDカメラ1側では、前記複数の画像を取得して三次元形状を復元し、予め記憶された正常三次元画像と復元三次元画像との間で、変化のある部分において、異常物体が存在したと判断し、少なくとも異常判断信号をネットワーク4を通じて前記コントロールセンタ3に送信するようにしたために、ステレオ法を用いる実施例に比較して、カメラ視野の重なりが不要で、単純で空間の形状変化が安定して検出できる。
【0066】
前記画像はいずれもCCDカメラで三次元的な画像として処理するものであるが光源手段としてレーザを用いる事により、二次元若しくは一次元的処理が可能であり、メモリ必要量が一層単純化する。
【0067】
図13及び図14は、スリットレーザを用いて光切断法にて三次元復元を行なうもので、インテリジェントCCDカメラ1と回転軸に基づいて撮像監視域を横断する如く回動可能なスリットレーザ光源20aを組込んだレーザスリットプロジェクタ2Cをそれぞれ異なる位置に配置する。
尚、光切断法にて三次元復元を行なうことは周知であるので、その詳細な説明は省略する。
【0068】
即ち、図13及び図14において、前記スリットレーザ光を発振する光源20aは回転手段20cと同期する時刻同期部23に基づいて、地下鉄内の建築限界に対応する監視域を順次光切断しながら、前記時刻同期部23に同期した撮像間隔でインテリジェントCCDカメラ1によりその時間間隔毎のレーザスリット光画像を取得して、その都度イメージメモリ14に二次元画像を展開する。前記イメージメモリ14に展開した二次元画像は、すぐさま三次元形状復元部134によりレーザのスリット面の奥行きが復元される。この後、時間間隔に沿って次々とイメージメモリ14に画像を取得し、三次元形状復元部134で奥行きを復元していく。
【0069】
この手順により次々と復元されたレーザのスリット面の奥行きは、三次元形状復元部134ですべての画像取得が終わった後に一つの三次元形状として統合する。この後、正常時形状が記憶されている画像メモリ12より、前記正常時における三次元画像を判断部132に読み出し、該2つの三次元画像を判断部132で比較して、異常物体が存在した場合には、時刻同期部17に同期させた時刻毎にその異常判断信号とともに、異常のあった部位の位置情報と該異常部位のレーザスリットからなる三次元画像を抽出してネットワーク4を通じて前記コントロールセンタ3側に送信する。
【0070】
かかる装置によれば、光切断法のために、立体画像の取得が容易であり、且つ光切断法により得られる画像は、その都度二次元的な奥行き情報に変換されるために、空間コード化法による実施例に比較してメモリ容量が小さくて済む。又、監視区域もスリット光源20aの回転角によって任意に設定でき、地下鉄の保守路線内である建築限界領域に対応した探査が可能である。
【0071】
図15及び図16は、前記レーザ光を、監視域を順次スポットするレーザポイント光を用いた他の実施例である。本実施形態はレーザスポットプロジェクタ2DとインテリジェントCCDカメラ1とよりなり、レーザスポット光を発振する光源20bは回転部21Dと同期する時刻同期部23に基づいて、地下鉄内の建築限界に対応する監視域を順次X−Y軸方向に順次光プロットしながら、前記時刻同期部23に同期した撮像間隔でインテリジェントCCDカメラ1によりその時間間隔毎のレーザスポット光画像を取得して三次元座標計算部140にそのスポット位置を展開する。
【0072】
三次元座標計算部140では、角度メモリ141よりレーザスポットプロジェクタ2Dがスポットした角度データを取り込みながら、三次元座標位置を計算する。
そして前記計算部140で取得した三次元座標位置と、正常時の座標位置が記憶されている画像メモリ120より、前記正常時における三次元座標位置を判断部132に読み出し、該2つの三次元座標位置を該判断部132で比較して、異常物体が存在した場合には、時刻同期部17に同期させた時刻毎にその異常判断信号とともに、異常のあった部位の座標位置を抽出してネットワーク4を通じて前記コントロールセンタ3側に送信する。
【0073】
かかる発明によれば、レーザスポットにより得られる画像は単なる三次元座標プロットであるために、広域探査をしてもメモリ容量が大幅に小さくてすむ。又監視区域も光源の回転角によって三次元的に任意に設定でき、地下鉄の保守路線内である建築限界領域に対応した探査が可能である。
【0074】
図17に示す実施形態はCCDカメラでなく、超音波を用いたもので、本実施形態においては超音波は減衰量が少なく広域に伝搬するために、超音波発信装置2Eは一つにして、複数に分割した各監視区域内に、前記超音波波形処理装置を組み込んだ複数の超音波受信装置1Eとを具えた構造を取る。
前記超音波受信装置1Eは受信センサ15Cと、超音波波形処理装置内に、正常背景波形を記憶する波形記憶メモリ12Eと、該正常波形と超音波受信センサ15Cより取り込んだ所定監視区域の取得波形との一致/不一致を検査する検査手段13Eを設け、該取得波形と正常波形との差異に基づいて、異常物体が存在したと検査手段13Eで判断した場合は、その異常判断信号を、ネットワーク4を通じて制御装置50側に送信するようにしている。
【0075】
かかる装置によれば、超音波を利用して広い範囲を測定できるとともに、照明等が不要であり、又波形処理も簡単であるために、低コストで出来る。
【0076】
図18に示す装置は、前記監視区域内に磁場を発生する磁場発生コイル20Fを具えた磁場発信器2Fと、渦電流波形処理装置を組み込んだ複数の磁場受信装置1Fとを具えた異常物体監視装置である。
そしてこの場合において、磁場発信器2Fは、各監視区域内に配置した複数の磁場受信装置1Fと対面させる必要があるために、図18(1)に示すように、発信器2Fが地下鉄線路上を移動しながら、各監視区域内に配置した複数の磁場受信装置1Fと対面するようにしてもよく、又(2)に示すように各監視区域内に配置した複数の発信器2Fと磁場受信装置1Fとを対面するように固定配置しても良い。
【0077】
さらにまた、上記とは逆に、図19(1)に示すように、磁場受信コイル15Fを具えた受信装置1Fが地下鉄線路上を移動しながら、各監視区域内に配置した複数の磁場発信器2Fと対面するようにしてもよく、また、図19(2)に示すように、各監視区域内に配置した複数の受信装置1Fと発信器2Fとを対面するように固定配置しても良い。
【0078】
そして前記受信器1Fは図18(3)に示すように、前記磁場を受信コイル15Fにより受信し、受信メモリ14Fによりその受信波形を記憶するとともに、比較回路132Fで正常背景波形を記憶メモリ120Fより読み出すとともに、該正常波形と受信メモリ14Fより取り込んだ所定監視区域の取得波形とを比較し、該取得波形と正常波形との差異に基づいて、異常物体が存在したと判断し、異常判断信号をネットワーク4を通じて制御装置50に送信するようにしている。
【0079】
かかる装置は、導電性の物体、例えば金属しか検知できないが、逆に工具等の置き忘れに有効であり、比較的小さな対象でも発見することができる。さらにまた、特に低コストで異常判断できるという点で有効である。
【0080】
尚、前記監視端末1とネットワーク4との接続は必ずしも有線ですることなく、例えば図20に示すように、ネットワーク4上に所定間隔毎に中継器6を設け、監視端末1が線路若しくは移動路(天井レール、側面レール)上を移動するようにしても良い。
尚、移動型の監視端末1は、移動台7を介して監視端末1を移動させながら異常を判断して、異常判断信号については中継器6を介してコントロールセンタ3に送信するが、異常箇所や画像データは端末内に保存してコントロールセンタ3に帰還時にそのデータ解析をするようにしてもよく、又異常物体を発見した場合に、移動型の監視端末1をコントロールセンタ3に直ちに帰還させてそのデータ解析をするようにしてもよい。
【0081】
又、前記移動型の監視端末1はインテリジェントカメラ1を回転機7aに搭載して前記カメラ1を回転させながら建築限界線内を探査するようにしてもよく、又(2)に示すように、前記移動台7上に直動ステージ8を設け、該直動ステージ8上をインテリジェントカメラ1が往復移動しながら多数の画像を取得して、一往復で視差が最大でも数画素以内となるように、各画像間ストロークΔBを設定して前記往復ストロークと撮像間隔を設定することにより、マルチベースアルゴリズムで高精度の立体画像の取得が可能となる。
【0082】
【発明の効果】
以上記載のごとく本発明によれば、通信容量の低減と監視者の負担軽減を図りつつ、移動物のみならず、置き忘れ工具等の静止状態にある異常物体においても、これを容易に検知出来、地下鉄の始業前点検において、作業者の退出、工具類の置き忘れ、不審者の進入等を短時間で把握することの出来る地下鉄始業前点検時における異常物体監視装置として有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】各実施形態の効果と特徴を示す表図である。
【図2】本発明の実施形態にかかる地下鉄の始業前点検を行なうための異常物体監視装置の基本構成図である。
【図3】図2に示す監視端末が、画像処理装置を組み込んだCCDカメラであって正常画像と取得画像の差分により異常判断を行なう異常物体監視装置の第1の実施形態を示すブロック図である。
【図4】図2に示す監視端末が、画像処理装置を組み込んだCCDカメラであって正常画像と取得画像とを固有空間法により異常判断を行なう異常物体監視装置の他の実施形態を示すブロック図である。
【図5】ステレオ法に基づいて立体画像を取得して異常判断を行なう他の実施形態で、画像処理装置を組み込んだインテリジェントCCDカメラと、第二のCCDカメラとを具えた異常物体監視装置を示すブロック図である。
【図6】ドットパターンにより形成された正常画像と異常画像を示す。
【図7】ドットパターンにより立体画像パターンを形成して異常判断を行なう実施形態で監視端末とドットパターンプロジェクタを示すブロック図である。
【図8】図7のドットパターンプロジェクタの内部構成を示すブロック図である。
【図9】図9乃至図12は、グレイコードによる縞状パターンにより立体画像パターンを形成して異常判断を行なう実施形態を示し、図9はその縞状パターンの一例を示す。
【図10】図12に示す照明プロジェクタの内部構成図を示すブロック図である。
【図11】図12に示す監視端末を示すブロック図である。
【図12】グレイコードによる縞状パターンにより立体画像パターンを形成して異常判断を行なう実施形態の概念図である。
【図13】図1に示す照明手段がレーザスリット光であり、該スリット光を用いて光切断法で異常物体監視装置の他の実施形態を示す概念図である。
【図14】図13に示すレーザスリット光の照明手段と該スリット光を光切断により撮像するインテリジェントCCDカメラとを具えた異常物体監視装置を示すブロック図である。
【図15】図1に示す照明手段がレーザポイント光であり、該ポイント光で異常物体監視装置の他の実施形態を示す概念図である。
【図16】図15に示すレーザポイント光の照明手段と該ポイント光を撮像するインテリジェントCCDカメラとを具えた異常物体監視装置を示すブロック図である。
【図17】図1に示す監視端末が超音波発信器であり、超音波波形で異常物体監視装置の他の実施形態を示すブロック図である。
【図18】監視区域内に磁場を発生する磁場発生コイルを具えた磁場発信器と、前記磁場波形処理装置を組み込んだ複数の磁場受信装置とを具えた異常物体監視装置を示すブロック図である。
【図19】図18に示す磁場発信器と磁場受信装置の配置を逆にした概念図である。
【図20】前記異常物体監視装置を地下鉄始業前点検時における異常物体監視装置として適用した場合の1例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 インテリジェントカメラ等の監視端末
2 ストロボその他の照明手段
3 コントロールセンタ
4 ネットワーク
8 モニタ等の表示器
12 画像メモリ
13 画像処理部
14 イメージメモリ
15 CCDカメラ本体
17、23 時刻同期制御部
11、24 インターフェース
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワークを用いた異常物体監視装置に係り、特に、所定監視区域内に異常物体(静止異常物体、移動異常物体のいずれも含む)が存在した場合にこれを検知し、ネットワークを通じてその異常情報をコントロールセンタ等の他所で把握できる異常物体監視装置に係り、より具体的には地下鉄の始業前点検において、作業者の退出、工具類の置き忘れ、不審者の進入等を短時間で把握することの出来る地下鉄始業前点検時における異常物体監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より地下鉄路線においては、終電後翌日の始発電車が走るまでの間に保守点検作業を行ない、その後、始業前点検において、電車の走る走行区域(建築限界)内に、保守作業を行なった作業者が完全に退出したか否か、又線路上等に工具類の置き忘れがないかどうか、不審者の進入があるかどうかを点検した後、始発電車を走らせるようにしている。
【0003】
そしてかかる始業前点検、即ち、地下鉄のような路線の長い広域空間内の移動物体や静止物体を含む異常物体の検知を有効に行なうシステムが従来は存在しない。
例えば前記地下鉄路線内に、ネットワーク等を介してCCDカメラ等で撮影した画像をコントロールセンタ側に送信しているようなシステムは存在する。しかしながら、多数の監視カメラよりの画像情報をネットワーク上に流すことは通信容量が大幅に増大するのみならず、コントロールセンタ側の監視者は常時多数のカメラの撮像データを監視しなければならず、監視カメラの数が多くなればなるほど監視者の負担が増大する。
【0004】
かかる欠点を解消するために、監視カメラに広角機能とズーム機能を持たせるとともに、該カメラ撮像域内に移動物体があった場合にその位置及び特徴情報を抽出可能な画像処理装置を組み込み、広角カメラにより広域を撮影して得られた映像より、前記画像処理装置にて前記移動物体の有無を判断して、移動物体があった場合にその移動対象を自動的に追尾しながら、前記広角カメラをズーム拡大して、ネットワークを介して監視画像を監視装置側に送信する技術が提案されている。(特開平9−130783号)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらかかる技術においても、ズーム拡大したといってもカメラで撮像した画像をネットワークで送信しなければならず、通信容量の低減に必ずしもつながらない。
又、移動追尾しても画像自体を監視するために、監視カメラの数が多くなればなるほど監視者の負担が増大するという基本的な欠点は変わらない。
【0006】
又、前記従来技術においてはカメラ撮像域内に移動物体があった場合にその位置及び特徴情報を抽出できるが、置き忘れ工具等の静止状態にある異常物体においては、これを検知できない。
又、地下鉄の始業前点検の本質的な目的は、車両が走行する空間、即ち、建築限界線内に障害となる物体が存在しないと確かめることであり、前記従来技術を含め、この確認を自動化若しくは補助するための手段は提供されていない。
【0007】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、通信容量の低減と監視者の負担軽減を図りつつ、移動物体のみならず、置き忘れ工具等の静止状態にある異常物体においては、これを容易に検知出来、建築限界線内に存在する障害物の判定を自動化することも可能な異常物体監視装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するため、内部に信号処理装置を備え、所定監視区域の信号を観測する監視端末と、該監視端末より地下鉄車両の車両走行空間に、車両走行の障害となる物体の存在の有無の情報を、ネットワークを介してコントロールセンタで把握する異常物体監視装置において、
前記監視端末が、イメージセンサのセンサ信号を処理する信号処理装置を備えた監視端末と、超音波センサ若しくは渦流センサのセンサ信号を処理する信号処理装置を具えた監視端末の、複数種の監視端末であって、
該監視端末が地下鉄車両線路に沿って複数種混在して配置され且つ該夫々の監視端末側に時刻同期手段を具え、
前記信号処理装置内に、地下鉄車両の車両走行空間の正常状態信号を記憶する手段と、該正常信号と監視端末より取り込んだ車両走行空間の信号とを比較し、該監視区域内に静止状態若しくは移動状態にある異常物体が存在した場合にこれを検知し異常判断信号を出力する異常判断手段を具えるとともに、
前記時刻同期手段よりの同期信号に基づいて、同期した時刻毎で各監視端末が異常判断を行ない、少なくともその異常判断信号をネットワークを通じて前記コントロールセンタに送信するようにしたことを特徴とする。
【0009】
かかる発明によれば、常態において、ネットワーク側に送信されるのは画像そのものではなく、異常判断信号であるために、多数の監視端末を配置した場合でもネットワーク上の通信容量の大幅低減を図ることが出来る。又、コントロ−ルセンタ側で受信するのは常態においては画像そのものではなく、異常判断信号であるために、多数の監視端末を配置した場合でも監視者の負担が大幅に軽減する。
尚、異常判断信号を受信後は、ネットワークを介して切換信号を送信して画像を受信するようにしても良い。
又、本発明は常に正常信号と比較対照しながら異常判断するために、置き忘れ工具等の静止状態にある異常物体においては、これを容易に検知出来る。
【0010】
又、前記同期は、各監視端末同士で同期を取るものであるが、ストロボ照明等を用いる場合は、該照明手段と端末間で同期を取ることも必要である。
【0011】
かかる発明によれば、異なった場所に配置されている監視端末同士、若しくは監視端末と照明手段との間で時刻が同期していることを利用して、三角測量の原理、又は伝播時間を応用した様々な三次元計測手法が適用可能となる。また、コントロールセンタ側で取得される異常判断信号は常に同期しているために、タイミングずれがなく、一つの異常物体を時間を追って順次移動方向、移動スピード等の移動状況を計測することも可能である。
【0012】
尚、前記監視端末は、画像処理装置を組み込んだCCDカメラ等のイメージセンサのみに限定されることなく、波形処理装置を組み込んだ超音波や渦流電波受信装置等を用いた場合も含まれる。
【0013】
請求項2記載の発明は、前記監視端末の少なくとも1が、画像処理装置を組み込んだイメージセンサを含む監視端末である請求項1記載の異常物体監視装置において、
前記画像処理装置内に、正常画像を記憶する手段と、該正常画像とイメージセンサより取り込んだ車両走行空間の取得画像との差分を取り、該差分画像の値が一部での所定の閾値を超えた際に、異常物体が存在したと判断し、少なくともその異常判断信号をネットワークを通じて前記コントロールセンタに送信するようにしたことを特徴とする。
【0014】
かかる発明によれば、図1に示すように、単に差分画像のみを取り出せばよいために、画像処理が簡単であるとともに、正常画像と取得画像との差分を取る構造のために、表面変化を容易に捕らえることが出来る。
【0015】
請求項3記載の発明は、前記監視端末の少なくとも1が、画像処理装置を組み込んだイメージセンサを含む監視端末である請求項1記載の異常物体監視装置において、
前記画像処理装置内に、複数の正常画像を圧縮して記憶する手段と、イメージセンサより取り込んだ車両走行空間の取得画像を圧縮して記憶された正常画像と対応付け、対応する正常画像が無い場合に異常物体が存在したと判断し、少なくともその異常判断信号をネットワークを通じて前記コントロールセンタに送信するようにしたことを特徴とする。
【0016】
かかる発明によれば、例えば照明条件の時間的変化に応じた複数の正常時画像を複数の監視端末で同じように付番して記憶しておく場合、正常時・異常時を問わず対応した画像の番号をコントロールセンタへ送信し、他の監視端末から送信された画像の番号と照合することにより、複数の監視端末が同様の照明条件を判定していることを条件として、監視端末が正常に動作していることを常時確認可能とすることができる。
【0017】
請求項4記載の発明は、前記監視端末の少なくとも1が画像処理装置を組み込んだ第1のイメージセンサと視野を共通する第二のイメージセンサとを具えた請求項1記載の異常物体監視装置において、
前記画像処理装置内に、前記二つのセンサで同時刻に撮像した2つの画像に基づいてステレオ手法で三次元画像を復元する手段と、正常三次元画像を記憶する手段と、該正常三次元画像と復元三次元画像との間で、その差異が大きい部分において、異常物体が存在したと判断し、少なくともその異常判断信号をネットワークを通じて前記コントロールセンタに送信するようにしたことを特徴とする。
【0018】
かかる発明によれば、ステレオ手法で立体的な形状の変化に基づいて異常判断を行なうことが出来、一層精度良い異常判断が可能である。
【0019】
請求項5記載の発明は、前記監視端末の少なくとも1が画像処理装置を組み込んだイメージセンサと、時刻同期手段に基づいて前記イメージセンサとの撮像時期と同期して所定のドットパターンを前記カメラの撮像監視域に投影しながら照明を行なう照明手段とをそれぞれ異なる位置に配置してなる請求項1記載の異常物体監視装置であって、
前記画像処理装置内に、前記正常画像時におけるパターン画像を記憶する手段と、該正常パターンとイメージセンサより取り込んだ車両走行空間の取得パターン画像とを比較して、その差異が大きい部分において異常物体が存在したと判断し、少なくともその異常判断信号をネットワークを通じて前記コントロールセンタに送信するようにしたことを特徴とする。
【0020】
かかる発明によればパターンの一致・不一致という簡単な画像処理で立体的な形状の変化に基づいて異常判断を行なうことが出来るのみならず、ステレオ法による請求項4記載の発明に比較して、広い範囲の領域を一度に判断可能である。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の異常物体監視装置において、前記照明手段がストロボ等のオンオフ可能な照明手段であり、一方イメージセンサ側では、前記オンオフ両者の画像を取得してその差分画像によりパターン画像を作ることを特徴とする。
【0022】
かかる発明によれば、ノイズがなくコントラストの高いパターン画像を作ることが出来る。
この場合、前記パターンは、請求項7に記載のように、格子状の黒白ドットパターンででもよく、又請求項8に記載のように、縞状パターンでもよい。
【0023】
そして縞状パターンの場合は請求項9に記載したように、前記照明手段で、異なる縞状パターンを複数回車両走行空間に投影し、一方イメージセンサ側では、前記複数の画像を取得して三次元形状を復元し、予め記憶された正常三次元画像と復元三次元画像との間で、変化のある部分において、異常物体が存在したと判断し、少なくともその異常判断信号をネットワークを通じて前記コントロールセンタに送信するようにしたことを特徴とする。
【0024】
請求項10記載の発明は、請求項1記載の異常物体監視装置の光源手段としてレーザを用いたもので、前記監視端末の少なくとも1が画像処理装置を組み込んだイメージセンサと、所定のレーザ光を前記カメラの撮像監視域に投影しながら照明を行なう照明手段とをそれぞれ異なる位置に配置してなることを特徴とする。
この場合、請求項11記載のように、レーザスリット光を用いてもよく、又請求項12記載のスポットレーザを用いても良い。
【0025】
即ち、請求項11において、前記レーザ光が監視域を順次光切断するレーザスリット光であり、前記画像処理装置内に、該スリット光の光切断法により取得した三次元画像を復元する手段と、前記正常画像時における三次元画像を記憶する手段とを具え、該2つの三次元画像とを比較して、その差異が大きい部分において異常物体が存在したと判断し、少なくともその異常判断信号をネットワークを通じて前記コントロールセンタに送信するようにしたことを特徴とする。
【0026】
かかる発明によれば、光切断法のために、立体画像の取得が容易であり、且つ光切断法により得られる画像は線形の二次元画像であるために、メモリ容量が小さくて済む。
【0027】
請求項12記載の発明は、前記レーザ光が監視域を順次スポットするレーザポイント光であり、前記スポットレーザが予め定められたポイントを照射しながら、これに同期してイメージセンサによりそのスポット光を取得するとともに、前記画像処理装置内に、該スポット光により取得した三次元座標位置を計算する手段と、前記正常時における三次元座標位置を記憶する手段とを具え、該2つの三次元座標位置とを比較して、その差異が大きい部分において異常物体が存在したと判断し、少なくともその異常判断信号をネットワークを通じて前記他所に送信するようにしたことを特徴とする。
【0028】
かかる発明によれば、レーザスポット光により三次元座標をポイントとして捕らえるために、立体画像の取得が容易であるにも拘わらず、メモリ容量が大幅に小さくて済む。
【0029】
請求項13記載の発明はCCDカメラ等のイメージセンサではなく、超音波を用いたもので、前記車両走行空間内に超音波を発振する超音波発振手段と、前記超音波波形処理装置を組み込んだ複数の超音波受信装置とを具えた請求項1記載の異常物体監視装置において、
前記超音波波形処理装置内に、正常背景波形を記憶する手段と、該正常波形と超音波受信手段より取り込んだ所定監視区域の取得波形とを比較する比較手段を設け、該取得波形と正常波形との差異に基づいて、異常物体が存在したと判断し、少なくともその異常判断信号をネットワークを通じて前記他所に送信するようにしたことを特徴とする。
【0030】
かかる発明によれば、超音波を利用して広い範囲を測定できるとともに、照明等が不要であり、又波形処理も簡単であるために、低コストで出来る。
【0031】
請求項14記載の発明は、内部に信号処理装置を備え、所定監視区域の信号を観測する監視端末と、該監視端末よりの情報を、ネットワークを介してコントロールセンタ等の他所で把握する異常物体監視装置において、
前記所定監視区域内に磁場を発生させる磁場発生手段と、
磁場波形処理装置が組込まれ、前記磁場により前記所定監視区域内に位置する導電体に発生した渦電流を検知する複数の磁場受信手段とを具え、
前記磁場波形処理装置内に、正常背景波形を記憶する手段と、該正常波形と磁場受信手段より取り込んだ所定監視区域の取得波形とを比較する比較手段を設け、該取得波形と正常波形との差異に基づいて、異常物体が存在したと判断し、少なくともその異常判断信号をネットワークを通じて前記他所に送信するようにしたことを特徴とする。
【0032】
かかる発明は、導電性の物体、例えば金属しか検知できないが、工具等の置き忘れに有効であり、また、比較的小さな対象でも発見することができる。さらにまた、特に低コストで異常判断できるという点で有効である。
【0033】
請求項15記載の発明は、前記磁場発生手段が監視区域内を移動しながら、各監視区域内に配置した複数の磁場受信手段と対面可能に構成したことを特徴とする。
また、請求項16記載の発明は、前記磁場受信手段が監視区域内を移動しながら、各監視区域内に配置した複数の磁場発生手段と対面可能に構成したことを特徴とする。
【0034】
かかる発明によれば、地下鉄のように走行路上を、請求項15記載の発明の場合は磁場発生手段が、逆に請求項16記載の発明の場合は磁場受信手段が移動すればよいために、長い経路の異常判断に有効である。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0036】
図2は本発明の実施形態にかかる地下鉄の始業前点検を行なうための監視端末の基本構成図で、内部に波形処理装置100を備え、所定監視区域の波形を受像する監視端末の一例として、ストロボその他の照明手段2と、インテリジェントカメラ1(CCDカメラ)の組み合わせからなるもの、後記する超音波センサや渦流センサを用いたその他のセンサからなる監視端末1A、1B等を、及び照明手段を用いずにインテリジェントカメラ1のみからなる監視端末がネットワーク4上にインターフェース11を介して種々接続され、これらの監視端末は、地下鉄線路の所望箇所夫々に前記監視端末を複数種混在して配置する。
【0037】
そして夫々の監視端末1は、異常時のみ異常判断信号とともに、その他の必要な情報(映像信号、監視端末の位置情報等)を、ネットワーク4を介してコントロールセンタ3に信号を送信する。
又、夫々の監視端末1はコントロールセンタ3側よりの信号に基づいて、若しくは自身の保有するマイクロプロセッサに基づいて自律制御可能に構成されている。
【0038】
かかる監視端末1の内部構成を、例えば図2に示すインテリジェントカメラ1により簡単に説明するに、CCDカメラ本体15より取得した撮像画像はデジタル変換した後、イメージメモリ14に展開される。波形処理装置100は画像処理部13、画像(正常画像)メモリ12及びイメージ(取得画像)メモリ14で構成され、画像処理部13では、その監視撮像域における正常状態画像が記憶されている画像メモリ12と、該正常状態画像と前記イメージメモリ14より取り込んだ所定監視区域の撮像画像とを比較し、該監視区域内に静止状態若しくは移動状態にある異常物体が存在した場合にこれを検知し異常判断信号を出力するように構成されている。
【0039】
又、前記回路内には時刻同期制御部17を具え、該時刻同期制御部17よりの同期信号に基づいて、各監視端末1の撮像時期及び照明手段2の照明時期を同期させる。
16はパンチルト制御部で、CCDカメラ本体15を任意の監視域に指向移動させる。18はこれらを制御するマイクロプロセッサで、前記画像処理部13で行なった異常判断信号及びこれに付随する映像信号や位置信号をネットワーク4を通じて前記コントロールセンタ3側に送信する。
【0040】
照明手段2は、例えば図2、図3に示すように、ストロボからなるフラッシュライト21と、同期時刻制御部23に基づいて発光制御される発光制御部22と、前記発光時期をネットワーク4を介してカメラ1側とコントロールセンタ3側に送信して同期させるインターフェース24とからなる。
コントロールセンタ3ではネットワーク4及びインターフェース31を介して受信した異常判断信号を、制御コントローラ32を介してアラーム、ライト等の警報33を鳴動若しくは点灯させる。
又、8はモニタ等の表示器で、地下鉄内の異常信号位置やその部分の画像を表示する。
尚、前記時刻同期制御部17,23はコントロールセンタ3側に設け、ネットワーク4とは別の専用クロック線により各端末の同期化を図ってもよい。
【0041】
図3は、前記監視端末が画像処理装置を組み込んだインテリジェントカメラ1であって正常画像と取得画像の差分により異常判断を行なう異常物体監視装置の第1の実施形態である。
本実施形態において、ストロボ照明手段2と、インテリジェントカメラ1が一対として構成されている点は、図2と同様である。
該装置においてCCDカメラ本体15は、レンズ15Aと撮像素子15Bからなり、その取得画像は、デジタル変換後、取得画像メモリ14に展開される。
131は差分回路で、正常画像メモリ12より取り込んだ正常画像信号と、CCDカメラ本体15より取得画像メモリ14に取り込んだ所定監視区域の取得画像との差分を取り、該差分画像を判断部132に送る。
【0042】
判断部132では前記差分画像と基準レベル(所定の閾値)を比較し、前記差分画像が基準レベルを超えた部分について異常物体が存在したと判断し、時刻同期部17に同期させた時刻毎にその異常/正常判断信号とともに、異常のあった部位の位置情報と該異常部位の画像を抽出してネットワーク4を通じて前記コントロールセンタ3側に送信する。
【0043】
かかる装置によれば、単に差分画像のみを取り出せばよいために、画像処理が簡単であるとともに、正常画像と取得画像との差分を取る構造のために、表面変化を容易に捕らえることが出来るが、一方では画像を直接差分するために、三次元的な変化として判定できないと言う欠点を有する。
【0044】
図4は、前記監視端末が画像処理装置を組み込んだインテリジェントカメラ1であって正常画像と取得画像とを固有空間法により異常判断を行なう異常物体監視装置の第2の実施形態である。
固有空間法は、複数の二次元画像を後の対応付け(マッチング)に適した形で圧縮し、記憶する手法であり、多次元の特徴量を低次元化することができ、計算量も低下する。
【0045】
以下に固有空間法の原理を説明する。まず、正常時の画像として、時刻又は照明条件を変えて撮影した複数の画像を取得する。この画像を夫々Xiとし、各画像の画素数をnとする。これらを集めて、正常時画像行列;
X=「X1,X2,…,Xk」
を作る。これより得られる共分散行列;
Q=XXt
の固有ベクトルをei,固有値をλiとする。
このn個の固有値λi(1≦i≦n)から、大きい順にm個(m<n)の固有値を選び、それらの固有値に対応するm個の固有ベクトルei(1≦i≦m)を並べて行列Eを作る。この行列を用いて先のn次元の画像ベクトルXiをm次元空間の点giとして投影する。
gi=EtXi
これにより、もともとn次元ベクトル空間内で表現された画像列Xiがm次元空間のベクトルgiとして表現される。通常nは数十万であるが、mは10程度にするため、情報量の多大な圧縮が達成される。
【0046】
図4において、圧縮された正常時画像120は、前記giを正常時画像の枚数kだけ集めたものである。一方、CCDカメラ本体15より取り込まれ、取得画像メモリ14に展開された所定監視区域の取得画像をYとすると、Yはマッチング部133において、
f=EtY
との計算によりm次元空間内のベクトルfに投影される。マッチング部133では、このベクトルfとk個の正常時画像のベクトルgiとの距離をそれぞれ求め、もっとも近い距離にあるベクトルgiがマッチングされたものとする。判断部132では、fと対応付けられたgiとの距離を調べ、その距離が閾値以上である場合に、異常物体が存在するとして判断する。
【0047】
そして、判断部132で、異常物体が存在したと判断した場合は、時刻同期部17に同期させた時刻毎にその異常/正常判断信号とともに、異常判断のあった位置情報とマッチングされた画像の番号を、インターフェース11及びネットワーク4を通じて前記コントロールセンタ3側に送信する。
【0048】
かかる発明によれば、前記実施例と同様な効果とともに時刻同期部17に同期させた時刻毎にその異常/正常判断信号とともに、異常判断のあった位置情報とマッチングされた画像の番号が、ネットワーク4を通じて送信されるために、各監視端末で同じ時刻・照明条件で取得および記憶させた正常時画像に同じ番号を付番しておくことにより、コントロールセンタ3または各々の監視端末でこの番号を照合することにより正常な動作を確認することができる。
【0049】
しかしながら、前記いずれの従来技術も二次元画像の処理であるために、奥行き方向の形状変化や立体画像の把握が困難である。
このような場合、後記実施例の手段を取ることにより、立体画像もある程度の広域画像の取得が可能である。
【0050】
図5は、ステレオ法に基づいて立体画像を取得して異常判断を行なう他の実施形態で、画像処理装置を組み込んだインテリジェントCCDカメラ1と、視野を共通し位置をずらして配置した第二のCCDカメラ10とを具えた異常物体監視装置である。
この場合、第二のCCDカメラ10は、インテリジェントCCDカメラ1側に視野を共通する画像を取得するものであるから画像処理装置を必ずしも組み込む必要はない。
そして前記インテリジェントCCDカメラ1の画像処理装置内には、前記二つのカメラで同時刻に撮像した2つの同一視野の画像(画像メモリ14及び伝送画像メモリ140に記憶される)に基づいてステレオ手法で三次元画像を復元するステレオ処理部134と、正常三次元画像を記憶する画像メモリ12と、該画像メモリ12とステレオ処理部134より、正常三次元画像と復元三次元画像とを読み込み、該2つの画像の差分等を取って、その差異が大きい部分において、異常物体が存在したと判断する判断部132を具えている。
【0051】
そして判断部132で、異常物体が存在したと判断した場合は、時刻同期部17に同期させた時刻毎にその異常判断信号とともに、異常のあった部位の位置情報と該異常部位の画像を抽出して、インターフェース11及びネットワーク4を通じて前記コントロールセンタ3側に送信する点は図2と同様である。
【0052】
かかる装置によれば、ステレオ手法で立体的な形状の変化に基づいて異常判断を行なうことが出来、一層精度良い異常判断が可能である。
また、三次元の形状が定量的に把握できるため、単に正常時の形状と比較して異常の判定を行なうだけでなく、この形状と建築限界線から決まる形状との比較を行ない、取得した形状が建築限界線の内側に突出している場合に別な警報を発生させることができる。
【0053】
図6〜図8は格子状の黒白ドットパターンで立体形状を判断する他の実施形態で、ドットパターンプロジェクタ2Aと、インテリジェントCCDカメラ1よりなる。
ドットパターンプロジェクタ2Aは、図8に示すように、ドットパターンを形成するフィルタ25を前面に設け、その背面側に時刻同期部23に同期させて発光器21を駆動させるドライバ26を具え、前記時刻同期部23はインターフェース24を介してネットワーク4と接続されている。
【0054】
インテリジェントカメラ1は図7に示すように、CCDカメラ本体15より、時刻同期部17,23に基づいて照明(発光器)21をオンオフして形成される照明オン時のパターン取得画像14Aと、照明オフ時の非パターン画像14Bを夫々のイメージメモリ14に展開し、差分器131Aによりその差分を取る。
前記オンオフ両者の画像を取得してその差分画像によりドットパターン画像を作ることは、陰影等の画像ノイズを除去することが出来、これによりコントラストの高いドットパターン画像を得ることが出来る。
【0055】
次に、前記正常画像時におけるドットパターン画像が記憶されている画像(正常パターン)メモリ12より、正常ドットパターンを読み出して、前記差分ドットパターン画像とを差分器131により差分をとる。
【0056】
この結果、図6に示すように、正常時は平面的なドットパターンである場合に、異常物体が存在する場合は、そのドットパターンに歪みが出る。
従って、対象の形状が正常時と同じである場合には差分器131の出力は画像全体で0になるが、異常物体が存在する場合には、差分器131の出力の一部に差分の値が検出されるので、この値が一定レベルより大きい場合は、時刻同期部17に同期させた時刻毎にその異常判断信号とともに、異常のあった部位の位置情報と該異常部位の歪み量を抽出してネットワーク4を通じて前記コントロールセンタ3側に送信する。
【0057】
かかる装置によればドットパターンの一致・不一致という簡単な画像処理で立体的な形状の変化に基づいて異常判断を行なうことが出来るために、単純で空間の変化が安定して検出でき、ステレオ法を用いる実施例に比較して、広い範囲の領域を一度に判断可能である。
【0058】
又、前記実施形態はプロジェクタ2Aの照明21をオンオフしてパターン有り無しの2つの画像を夫々のイメージメモリ14A,14Bに取得後、その差分を取るという構造のために、陰影等のノイズが排除され、コントラストの高いドットパターンを得ることが出来る。
【0059】
図9乃至図12はグレイコードによる縞状パターン立体パターンを形成して異常判断を行なう実施形態を示し、三次元の空間をその変化だけでなく、定量的に計測できるため、建築限界内の障害物の判定を行なうことができるという利点がある。
【0060】
即ち、グレイコードによる縞状パターンの場合は、図9に示すように、3パターンで8分割のパターン画像を得ることが出来る。なお、簡単のため、以下の説明及び図においては3パターンで空間を8区画に分割して照明する例を用いるが、一般にnパターンの投影で空間を2nに分割して照明でき、実際にはパターン数を8程度とする。
即ち、例えば0〜4(白)4〜8(黒)のように2分割した第1のパターン40Aと、0〜2(白)2〜6(黒)6〜8(白)のように3分割した第2のパターン40B、0〜1(白)1〜3(黒)3〜5(白)5〜7(黒)7〜8(白)のように5分割した第3のパターン40Cを組み合わせることにより、容易に8分割パターンを得ることが出来、これを図12に示すように、前記3種の縞状パターン40A、40B、40Cを生成するプロジェクタ2Bの照射方向と、インテリジェントCCDカメラ1の受像方向が所定角度を持つように位置をずらして配置することにより、3パターンの黒白パターンを得ることが出来る。そして、その3つのパターンを演算することにより、3次元の形状の定量的復元が可能である。
【0061】
かかる画像取得法は空間コード化法とよばれるもので、特に建築限界内の画像を取得するのに有利である。
【0062】
そして本実施形態のグレイコードプロジェクタ2Bは、図10に示すように、光源21Bを集光する集光レンズ22Bと投影レンズ24Bとの間にパターン形成マスク23B(液晶シャッタ)が介装されており、該マスク23Bにより前記3種の縞状パターンが形成される。縞状パターンの形成は図8と同様に時刻同期部に同期させてマスク23Bを駆動させる不図示のドライバを具え、インターフェースを介してネットワーク4と接続されている。
【0063】
即ち図11に示すように、インテリジェントカメラ1は、CCDカメラ本体15より、時刻同期部17に基づいて前記マスク23Bの三種のパターン形成毎に撮像して取得される三種の画像を夫々のイメージメモリ14A,14B,14Cに展開し、その三種の画像より三次元形状復元部134で三次元の空間形状画像を取得する。
【0064】
次に、前記正常画像時における三次元の空間形状画像が記憶されている画像メモリ12より、正常三次元の空間形状画像を読み出して、前記三次元の空間形状画像との形状の差異を判断部132で判断して、差異の量が一定レベルより大きい場合は、時刻同期部17に同期させた時刻毎にその異常判断信号とともに、異常のあった部位の位置情報と該異常部位の歪み量を抽出してネットワーク4を通じて前記コントロールセンタ3側に送信する。
【0065】
かかる装置によれば、前記プロジェクタ2Bで、グレイコードによる異なる縞状パターンを複数回所定監視域に投影し、一方CCDカメラ1側では、前記複数の画像を取得して三次元形状を復元し、予め記憶された正常三次元画像と復元三次元画像との間で、変化のある部分において、異常物体が存在したと判断し、少なくとも異常判断信号をネットワーク4を通じて前記コントロールセンタ3に送信するようにしたために、ステレオ法を用いる実施例に比較して、カメラ視野の重なりが不要で、単純で空間の形状変化が安定して検出できる。
【0066】
前記画像はいずれもCCDカメラで三次元的な画像として処理するものであるが光源手段としてレーザを用いる事により、二次元若しくは一次元的処理が可能であり、メモリ必要量が一層単純化する。
【0067】
図13及び図14は、スリットレーザを用いて光切断法にて三次元復元を行なうもので、インテリジェントCCDカメラ1と回転軸に基づいて撮像監視域を横断する如く回動可能なスリットレーザ光源20aを組込んだレーザスリットプロジェクタ2Cをそれぞれ異なる位置に配置する。
尚、光切断法にて三次元復元を行なうことは周知であるので、その詳細な説明は省略する。
【0068】
即ち、図13及び図14において、前記スリットレーザ光を発振する光源20aは回転手段20cと同期する時刻同期部23に基づいて、地下鉄内の建築限界に対応する監視域を順次光切断しながら、前記時刻同期部23に同期した撮像間隔でインテリジェントCCDカメラ1によりその時間間隔毎のレーザスリット光画像を取得して、その都度イメージメモリ14に二次元画像を展開する。前記イメージメモリ14に展開した二次元画像は、すぐさま三次元形状復元部134によりレーザのスリット面の奥行きが復元される。この後、時間間隔に沿って次々とイメージメモリ14に画像を取得し、三次元形状復元部134で奥行きを復元していく。
【0069】
この手順により次々と復元されたレーザのスリット面の奥行きは、三次元形状復元部134ですべての画像取得が終わった後に一つの三次元形状として統合する。この後、正常時形状が記憶されている画像メモリ12より、前記正常時における三次元画像を判断部132に読み出し、該2つの三次元画像を判断部132で比較して、異常物体が存在した場合には、時刻同期部17に同期させた時刻毎にその異常判断信号とともに、異常のあった部位の位置情報と該異常部位のレーザスリットからなる三次元画像を抽出してネットワーク4を通じて前記コントロールセンタ3側に送信する。
【0070】
かかる装置によれば、光切断法のために、立体画像の取得が容易であり、且つ光切断法により得られる画像は、その都度二次元的な奥行き情報に変換されるために、空間コード化法による実施例に比較してメモリ容量が小さくて済む。又、監視区域もスリット光源20aの回転角によって任意に設定でき、地下鉄の保守路線内である建築限界領域に対応した探査が可能である。
【0071】
図15及び図16は、前記レーザ光を、監視域を順次スポットするレーザポイント光を用いた他の実施例である。本実施形態はレーザスポットプロジェクタ2DとインテリジェントCCDカメラ1とよりなり、レーザスポット光を発振する光源20bは回転部21Dと同期する時刻同期部23に基づいて、地下鉄内の建築限界に対応する監視域を順次X−Y軸方向に順次光プロットしながら、前記時刻同期部23に同期した撮像間隔でインテリジェントCCDカメラ1によりその時間間隔毎のレーザスポット光画像を取得して三次元座標計算部140にそのスポット位置を展開する。
【0072】
三次元座標計算部140では、角度メモリ141よりレーザスポットプロジェクタ2Dがスポットした角度データを取り込みながら、三次元座標位置を計算する。
そして前記計算部140で取得した三次元座標位置と、正常時の座標位置が記憶されている画像メモリ120より、前記正常時における三次元座標位置を判断部132に読み出し、該2つの三次元座標位置を該判断部132で比較して、異常物体が存在した場合には、時刻同期部17に同期させた時刻毎にその異常判断信号とともに、異常のあった部位の座標位置を抽出してネットワーク4を通じて前記コントロールセンタ3側に送信する。
【0073】
かかる発明によれば、レーザスポットにより得られる画像は単なる三次元座標プロットであるために、広域探査をしてもメモリ容量が大幅に小さくてすむ。又監視区域も光源の回転角によって三次元的に任意に設定でき、地下鉄の保守路線内である建築限界領域に対応した探査が可能である。
【0074】
図17に示す実施形態はCCDカメラでなく、超音波を用いたもので、本実施形態においては超音波は減衰量が少なく広域に伝搬するために、超音波発信装置2Eは一つにして、複数に分割した各監視区域内に、前記超音波波形処理装置を組み込んだ複数の超音波受信装置1Eとを具えた構造を取る。
前記超音波受信装置1Eは受信センサ15Cと、超音波波形処理装置内に、正常背景波形を記憶する波形記憶メモリ12Eと、該正常波形と超音波受信センサ15Cより取り込んだ所定監視区域の取得波形との一致/不一致を検査する検査手段13Eを設け、該取得波形と正常波形との差異に基づいて、異常物体が存在したと検査手段13Eで判断した場合は、その異常判断信号を、ネットワーク4を通じて制御装置50側に送信するようにしている。
【0075】
かかる装置によれば、超音波を利用して広い範囲を測定できるとともに、照明等が不要であり、又波形処理も簡単であるために、低コストで出来る。
【0076】
図18に示す装置は、前記監視区域内に磁場を発生する磁場発生コイル20Fを具えた磁場発信器2Fと、渦電流波形処理装置を組み込んだ複数の磁場受信装置1Fとを具えた異常物体監視装置である。
そしてこの場合において、磁場発信器2Fは、各監視区域内に配置した複数の磁場受信装置1Fと対面させる必要があるために、図18(1)に示すように、発信器2Fが地下鉄線路上を移動しながら、各監視区域内に配置した複数の磁場受信装置1Fと対面するようにしてもよく、又(2)に示すように各監視区域内に配置した複数の発信器2Fと磁場受信装置1Fとを対面するように固定配置しても良い。
【0077】
さらにまた、上記とは逆に、図19(1)に示すように、磁場受信コイル15Fを具えた受信装置1Fが地下鉄線路上を移動しながら、各監視区域内に配置した複数の磁場発信器2Fと対面するようにしてもよく、また、図19(2)に示すように、各監視区域内に配置した複数の受信装置1Fと発信器2Fとを対面するように固定配置しても良い。
【0078】
そして前記受信器1Fは図18(3)に示すように、前記磁場を受信コイル15Fにより受信し、受信メモリ14Fによりその受信波形を記憶するとともに、比較回路132Fで正常背景波形を記憶メモリ120Fより読み出すとともに、該正常波形と受信メモリ14Fより取り込んだ所定監視区域の取得波形とを比較し、該取得波形と正常波形との差異に基づいて、異常物体が存在したと判断し、異常判断信号をネットワーク4を通じて制御装置50に送信するようにしている。
【0079】
かかる装置は、導電性の物体、例えば金属しか検知できないが、逆に工具等の置き忘れに有効であり、比較的小さな対象でも発見することができる。さらにまた、特に低コストで異常判断できるという点で有効である。
【0080】
尚、前記監視端末1とネットワーク4との接続は必ずしも有線ですることなく、例えば図20に示すように、ネットワーク4上に所定間隔毎に中継器6を設け、監視端末1が線路若しくは移動路(天井レール、側面レール)上を移動するようにしても良い。
尚、移動型の監視端末1は、移動台7を介して監視端末1を移動させながら異常を判断して、異常判断信号については中継器6を介してコントロールセンタ3に送信するが、異常箇所や画像データは端末内に保存してコントロールセンタ3に帰還時にそのデータ解析をするようにしてもよく、又異常物体を発見した場合に、移動型の監視端末1をコントロールセンタ3に直ちに帰還させてそのデータ解析をするようにしてもよい。
【0081】
又、前記移動型の監視端末1はインテリジェントカメラ1を回転機7aに搭載して前記カメラ1を回転させながら建築限界線内を探査するようにしてもよく、又(2)に示すように、前記移動台7上に直動ステージ8を設け、該直動ステージ8上をインテリジェントカメラ1が往復移動しながら多数の画像を取得して、一往復で視差が最大でも数画素以内となるように、各画像間ストロークΔBを設定して前記往復ストロークと撮像間隔を設定することにより、マルチベースアルゴリズムで高精度の立体画像の取得が可能となる。
【0082】
【発明の効果】
以上記載のごとく本発明によれば、通信容量の低減と監視者の負担軽減を図りつつ、移動物のみならず、置き忘れ工具等の静止状態にある異常物体においても、これを容易に検知出来、地下鉄の始業前点検において、作業者の退出、工具類の置き忘れ、不審者の進入等を短時間で把握することの出来る地下鉄始業前点検時における異常物体監視装置として有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】各実施形態の効果と特徴を示す表図である。
【図2】本発明の実施形態にかかる地下鉄の始業前点検を行なうための異常物体監視装置の基本構成図である。
【図3】図2に示す監視端末が、画像処理装置を組み込んだCCDカメラであって正常画像と取得画像の差分により異常判断を行なう異常物体監視装置の第1の実施形態を示すブロック図である。
【図4】図2に示す監視端末が、画像処理装置を組み込んだCCDカメラであって正常画像と取得画像とを固有空間法により異常判断を行なう異常物体監視装置の他の実施形態を示すブロック図である。
【図5】ステレオ法に基づいて立体画像を取得して異常判断を行なう他の実施形態で、画像処理装置を組み込んだインテリジェントCCDカメラと、第二のCCDカメラとを具えた異常物体監視装置を示すブロック図である。
【図6】ドットパターンにより形成された正常画像と異常画像を示す。
【図7】ドットパターンにより立体画像パターンを形成して異常判断を行なう実施形態で監視端末とドットパターンプロジェクタを示すブロック図である。
【図8】図7のドットパターンプロジェクタの内部構成を示すブロック図である。
【図9】図9乃至図12は、グレイコードによる縞状パターンにより立体画像パターンを形成して異常判断を行なう実施形態を示し、図9はその縞状パターンの一例を示す。
【図10】図12に示す照明プロジェクタの内部構成図を示すブロック図である。
【図11】図12に示す監視端末を示すブロック図である。
【図12】グレイコードによる縞状パターンにより立体画像パターンを形成して異常判断を行なう実施形態の概念図である。
【図13】図1に示す照明手段がレーザスリット光であり、該スリット光を用いて光切断法で異常物体監視装置の他の実施形態を示す概念図である。
【図14】図13に示すレーザスリット光の照明手段と該スリット光を光切断により撮像するインテリジェントCCDカメラとを具えた異常物体監視装置を示すブロック図である。
【図15】図1に示す照明手段がレーザポイント光であり、該ポイント光で異常物体監視装置の他の実施形態を示す概念図である。
【図16】図15に示すレーザポイント光の照明手段と該ポイント光を撮像するインテリジェントCCDカメラとを具えた異常物体監視装置を示すブロック図である。
【図17】図1に示す監視端末が超音波発信器であり、超音波波形で異常物体監視装置の他の実施形態を示すブロック図である。
【図18】監視区域内に磁場を発生する磁場発生コイルを具えた磁場発信器と、前記磁場波形処理装置を組み込んだ複数の磁場受信装置とを具えた異常物体監視装置を示すブロック図である。
【図19】図18に示す磁場発信器と磁場受信装置の配置を逆にした概念図である。
【図20】前記異常物体監視装置を地下鉄始業前点検時における異常物体監視装置として適用した場合の1例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 インテリジェントカメラ等の監視端末
2 ストロボその他の照明手段
3 コントロールセンタ
4 ネットワーク
8 モニタ等の表示器
12 画像メモリ
13 画像処理部
14 イメージメモリ
15 CCDカメラ本体
17、23 時刻同期制御部
11、24 インターフェース
Claims (17)
- 内部に信号処理装置を備え、所定監視区域の信号を観測する監視端末と、該監視端末より地下鉄車両の車両走行空間に、車両走行の障害となる物体の存在の有無の情報を、ネットワークを介してコントロールセンタで把握する異常物体監視装置において、
前記監視端末が、イメージセンサのセンサ信号を処理する信号処理装置を備えた監視端末と、超音波センサ若しくは渦流センサのセンサ信号を処理する信号処理装置を具えた監視端末の、複数種の監視端末であって、
該監視端末が地下鉄車両線路に沿って複数種混在して配置され且つ該夫々の監視端末側に時刻同期手段を具え、
前記信号処理装置内に、地下鉄車両の車両走行空間の正常状態信号を記憶する手段と、該正常信号と監視端末より取り込んだ車両走行空間の信号とを比較し、該監視区域内に静止状態若しくは移動状態にある異常物体が存在した場合にこれを検知し異常判断信号を出力する異常判断手段を具えるとともに、
前記時刻同期手段よりの同期信号に基づいて、同期した時刻毎で各監視端末が異常判断を行ない、少なくともその異常判断信号をネットワークを通じて前記コントロールセンタに送信するようにしたことを特徴とする異常物体監視装置。 - 前記監視端末の少なくとも1が、画像処理装置を組み込んだイメージセンサを含む監視端末である請求項1記載の異常物体監視装置において、
前記画像処理装置内に、正常画像を記憶する手段と、該正常画像とイメージセンサより取り込んだ車両走行空間の取得画像との差分を取り、該差分画像の値が一部での所定の閾値を超えた際に、異常物体が存在したと判断し、少なくともその異常判断信号をネットワークを通じて前記コントロールセンタに送信するようにしたことを特徴とする異常物体監視装置。 - 前記監視端末の少なくとも1が、画像処理装置を組み込んだイメージセンサを含む監視端末である請求項1記載の異常物体監視装置において、
前記画像処理装置内に、複数の正常画像を圧縮して記憶する手段と、イメージセンサより取り込んだ車両走行空間の取得画像を圧縮して記憶された正常画像と対応付け、対応する正常画像が無い場合に異常物体が存在したと判断し、少なくともその異常判断信号をネットワークを通じて前記コントロールセンタに送信するようにしたことを特徴とする異常物体監視装置。 - 前記監視端末の少なくとも1が画像処理装置を組み込んだ第1のイメージセンサと視野を共通する第二のイメージセンサとを具えた請求項1記載の異常物体監視装置において、
前記画像処理装置内に、前記二つのセンサで同時刻に撮像した2つの画像に基づいてステレオ手法で三次元画像を復元する手段と、正常三次元画像を記憶する手段と、該正常三次元画像と復元三次元画像との間で、その差異が大きい部分において、異常物体が存在したと判断し、少なくともその異常判断信号をネットワークを通じて前記コントロールセンタに送信するようにしたことを特徴とする異常物体監視装置。 - 前記監視端末の少なくとも1が画像処理装置を組み込んだイメージセンサと、時刻同期手段に基づいて前記イメージセンサとの撮像時期と同期して所定のドットパターンを前記カメラの撮像監視域に投影しながら照明を行なう照明手段とをそれぞれ異なる位置に配置してなる請求項1記載の異常物体監視装置であって、
前記画像処理装置内に、前記正常画像時におけるパターン画像を記憶する手段と、該正常パターンとイメージセンサより取り込んだ車両走行空間の取得パターン画像とを比較して、その差異が大きい部分において異常物体が存在したと判断し、少なくともその異常判断信号をネットワークを通じて前記コントロールセンタに送信するようにしたことを特徴とする異常物体監視装置。 - 前記照明手段がストロボ等のオンオフ可能な照明手段であり、一方イメージセンサ側では、前記オンオフ両者の画像を取得してその差分画像によりパターン画像を作ることを特徴とする請求項5記載の異常物体監視装置。
- 前記パターンが格子状の黒白ドットパターンである請求項5記載の異常物体監視装置。
- 前記パターンが縞状パターンである請求項5記載の異常物体監視装置。
- 前記照明手段で、異なる縞状パターンを複数回車両走行空間に投影し、一方イメージセンサ側では、前記複数の画像を取得して三次元形状を復元し、予め記憶された正常三次元画像と復元三次元画像との間で、変化のある部分において、異常物体が存在したと判断し、少なくともその異常判断信号をネットワークを通じて前記コントロールセンタに送信するようにしたことを特徴とする請求項8記載の異常物体監視装置。
- 前記監視端末の少なくとも1が画像処理装置を組み込んだイメージセンサと、所定のレーザ光を前記カメラの撮像監視域に投影しながら照明を行なう照明手段とをそれぞれ異なる位置に配置してなることを特徴とする請求項1記載の異常物体監視装置。
- 前記レーザ光が監視域を順次光切断するレーザスリット光であり、前記画像処理装置内に、該スリット光の光切断法により取得した三次元画像を復元する手段と、前記正常画像時における三次元画像を記憶する手段とを具え、該2つの三次元画像とを比較して、その差異が大きい部分において異常物体が存在したと判断し、少なくともその異常判断信号をネットワークを通じて前記コントロールセンタに送信するようにしたことを特徴とする請求項10記載の異常物体監視装置。
- 前記レーザ光が監視域を順次スポットするレーザポイント光であり、前記スポットレーザが予め定められたポイントを照射しながら、これに同期してイメージセンサによりそのスポット光を取得するとともに、前記画像処理装置内に、該スポット光により取得した三次元座標位置を計算する手段と、前記正常時における三次元座標位置を記憶する手段とを具え、該2つの三次元座標位置とを比較して、その差異が大きい部分において異常物体が存在したと判断し、少なくともその異常判断信号をネットワークを通じて前記コントロールセンタに送信するようにしたことを特徴とする請求項10記載の異常物体監視装置。
- 前記監視端末の少なくとも1が、車両走行空間内に超音波を発振する超音波発振手段と、前記超音波波形処理装置を組み込んだ複数の超音波受信装置とを具えた監視端末である請求項1記載の異常物体監視装置において、
前記超音波波形処理装置内に、正常背景波形を記憶する手段と、該正常波形と超音波受信手段より取り込んだ車両走行空間の取得波形とを比較する比較手段を設け、該取得波形と正常波形との差異に基づいて、異常物体が存在したと判断し、少なくともその異常判断信号をネットワークを通じて前記コントロールセンタに送信するようにしたことを特徴とする請求項1記載の異常物体監視装置。 - 内部に信号処理装置を備え、所定監視区域の信号を観測する監視端末と、該監視端末よりの情報を、ネットワークを介してコントロールセンタ等の他所で把握する異常物体監視装置において、
前記所定監視区域内に磁場を発生させる磁場発生手段と、
磁場波形処理装置が組込まれ、前記磁場により前記所定監視区域内に位置する導電体に発生した渦電流を検知する複数の磁場受信手段とを具え、
前記磁場波形処理装置内に、正常背景波形を記憶する手段と、該正常波形と磁場受信手段より取り込んだ所定監視区域の取得波形とを比較する比較手段を設け、該取得波形と正常波形との差異に基づいて、異常物体が存在したと判断し、少なくともその異常判断信号をネットワークを通じて前記他所に送信するようにしたことを特徴とする異常物体監視装置。 - 前記磁場発生手段が監視区域内を移動しながら、各監視区域内に配置した複数の磁場受信手段と対面可能に構成したことを特徴とする請求項14記載の異常物体監視装置。
- 前記磁場受信手段が監視区域内を移動しながら、各監視区域内に配置した複数の磁場発生手段と対面可能に構成したことを特徴とする請求項14記載の異常物体監視装置。
- 前記ネットワーク上に所定間隔毎に中継器を設け、前記監視端末が線路、天井レール若しくは側面レール上を移動するようにしたことを特徴とする請求項1若しくは14記載の異常物体監視装置。
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