JP3589955B2 - 火災検知器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、火炎を観測して得られる光エネルギーを検出することにより、火災を検知する火災検知器に関し、特に、トンネル内に所定の間隔で配置され、かつ、トンネルの長手方向に対応させて、一対の検知センサを備えた火災検知器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用や鉄道用等のトンネル内には、通行上の安全を確保するため、照明灯や火災監視設備、消火設備、避難誘導設備等、様々な設備が設置されている。
特に、火災監視設備の主要な機器である火災検知器は、トンネル内での車両火災等を検知し、いち早くトンネル管理者や車両の運転者等に通報することを目的として、トンネル内の見通しがきく壁面に所定間隔(たとえば、25m間隔)で配置されている。
【0003】
ここで、トンネル内に設置されている従来の火災検知器の一例について、図面を参照して説明する。
図12は、従来、一般的に使用されているトンネル用火災検知器の概略構成図である。なお、このような火災検知器の構成は、たとえば、特開平7−175986号公報や特開平7−160969号公報等に記載されている。
【0004】
図12(a)、(b)に示すように、火災検知器100は、概略、入出力用の信号線(図示を省略)が配索される本体ケース101と、該本体ケース101に一体的に取り付けられた上部カバー102と、該上部カバー102の略中央部においてトンネル内部方向に突出するように組み付けられたドーム状の透光性の受光ガラス103と、該受光ガラス103の内部に収納され、火炎から放射される輻射光を検出する受光素子を備えた検知センサ部104a、104bと、検知センサ部104a、104bにより検出された信号を増幅する増幅回路や火災判断を行う信号処理回路等が搭載された主回路基板105と、受光ガラス103の周辺に配置され、該受光ガラス103の汚れ状態等を検知するための試験光CKを投光するチェックランプ(試験光源)106a、106bが収納されたドーム状のグローブ107a、107bと、を有して構成されている。
【0005】
このような構成において、単一の上部カバー102(または、受光ガラス103)内に収納された各々の検知センサ部104a、104bは、図12(b)に示すように、トンネル内壁面TS(埋込型の場合)に垂直な中心線LCを概ね境界にして、各々、図面左方の領域(検知エリア)ALと図面右方の領域(検知エリア)AR、すなわち、トンネルの長手方向(車線の上流、下流方向)の各々を個別に監視するように略対称な検知エリアが設定されている。
ここで、図12(b)においては、検知センサ部104a、104bにより設定される検知エリアAL、ARについて、便宜的に、トンネル長手方向(図面左右方向)の平面的な拡がりのみを示したが、厳密には、各々の検知エリアAL、ARは、3次元的(円錐状)な拡がりを有しており、紙面の前後方向にも拡がりを有している。
【0006】
なお、上述した検知エリアAL、ARは、トンネルの長手方向に対して大きく設定されることにより、隣接して設置された同様の火災検知器100の配置位置まで非監視区域を発生させることなく効率的に監視することができるため、検知センサ部104a、104bをトンネル内壁面TSに対して、概ね45度の角度を有するように設置した構造を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したような従来のトンネル用の火災検知器100にあっては、たとえば、図13に示すように、トンネルの長手2方向(車線の上流方向と下流方向)に対応させて設けられる検知センサ部104a、104bの受光素子を各々搭載したプリント基板111a、111bが、主回路基板105上に取り付けられる単一の突状(山形)の取付基台112に個別に取り付けられた構成を有していた。なお、通常、プリント基板111a、111bには、受光素子のほか、受光回路や増幅回路等を構成する電気回路部品等が実装される。
【0008】
ここで、受光素子が搭載されたプリント基板111a、111bの構成は、従来、車線上流側と車線下流側で、基板形状や配線パターン、部品の実装状態等がそれぞれ異なるように構成されていた。
したがって、単一の火災検知器に収納される一対の検知センサ部において、車線上流側及び車線下流側に対応して、異なる2種類のプリント基板を製造しなければならないうえ、これらが常に一組になるように製品を管理する必要があったため、部品点数や製造プロセスが増大するとともに、取り扱いが繁雑化して、製品コストの高騰を招くという問題を有していた。
【0009】
また、従来のトンネル用の火災検知器100にあっては、たとえば、図14に示すように、異なる構成を有するプリント基板111a、111bが、単一の取付基台112の裏面側(図面下方側)から個別に取り付けられ、さらに、その取付基台112が主回路基板105上の所定の位置に取り付けられ、さらに、各々のプリント基板111a、111bへの外部からのノイズを遮断、低減するためのシールドカバー116を取り付けた構成を有していた。ここで、プリント基板111a、111bと主回路基板105との電気的な接続は、プリント基板111a、111b側から延伸する信号線113に設けられたコネクタ114と、主回路基板105側のコネクタ115とを結合することにより行われる。
【0010】
したがって、センサ関連の各部品の組み付け構造が複雑であったため、組み付け作業が繁雑になるうえ、作業終了後においてしか、各プリント基板(検知センサ)の位置調整や電気的な調整を行うことができないという問題を有していた。また、いずれかのプリント基板で故障や不良が発生した場合には、各部品の分解や個別の修理、交換等の作業が極めて繁雑かつ困難であるという問題も有していた。
【0011】
そこで、本発明は、このような問題点に鑑み、部品点数や製造プロセスを削減して製品コストの削減を図るとともに、組み付け、修理作業等を簡易に行うことができる火災検知器を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明に係る火災検知器は、光エネルギーを電気信号に変換する検知センサを有するセンサモジュールを備え、一対の検知センサにより、所定の対称線を基準として略対称な2つの検知エリアを設定して、特定の空間内で発生する火災を検知する火災検知器において、
前記センサモジュールは、
前記検知センサが搭載される実装基板と、該実装基板を所定の取付位置に固定するための取付基台と、
を備え
前記火災検知器は、
実装基板と取付基台とを備えた該センサモジュールの2つを、前記所定の対称線を基準に対称となるように配置したことを特徴としている。
【0013】
すなわち、火災検知器に備えられ、少なくとも火炎特有の光エネルギーを検知する検知センサを搭載した一対の実装基板(プリント基板)の形状、配線パターン、部品の実装状態等を共通化して、全く同一に構成される。これにより、同一の構成を有する2個の実装基板を、各々異なる2方向の検知エリアに対応させて設置することができるので、1種類の実装基板のみを製造、管理すれば良いことになり、量産効果により、製造コストの大幅な削減を図ることができる。
【0014】
加えて、個別の実装基板を主回路基板等に取り付けるための個別の取付基台も、実装基板と同様に、互いに形状等が全く同一に構成される。これにより、実装基板に加え、取付基台も1種類のみを製造すれば良いことになり、量産効果により、製造コストの一層の削減を図ることができる
【0015】
請求項2記載の発明に係る火災検知器は、請求項1記載の火災検知器において、前記センサモジュールは、前記検知センサが搭載される前記実装基板の一面側を覆うシールドカバーを更に備えていることを特徴とする
【0016】
すなわち、個別の実装基板に取り付けられ、該実装基板に搭載された回路部品等の動作に影響を与える外部ノイズを遮蔽、低減するための個別のシールドカバーも、実装基板及び取付基台と同様に、互いに形状等が全く同一に構成される。これにより、実装基板及び取付基台に加え、シールドカバーも1種類のみを製造、管理すれば良いことになり、量産効果により、製造コストの一層の削減を図ることができる。
【0017】
請求項3記載の発明に係る火災検知器は、請求項1または2記載の火災検知器において、前記火災検知器は、前記一対の検知センサの各々の前面に配置された個別の透光性窓と、前記実装基板ごとに、前記実装基板の中心線に対して線対称の位置であって、かつ、外部から前記透光性窓を介して認識可能な位置に、前記火災検知器の動作状態を表示する2色発光ダイオードにより構成された動作確認灯と、
を備え、
前記動作確認灯は、前記所定の対称線を基準として対称位置となるものが同一の表示内容を示すようにしたことを特徴とする
【0018】
すなわち、各々同一の構成を有する実装基板の中心線に対して線対称の位置であって、かつ、外部から透光性窓を介して見通しのきく(認識可能な)位置に、火災検知器の動作状態を表示する一対の動作確認灯が配置される。これにより、従来グローブを設けて別個に配置されていた動作表示灯を透光性窓内に配置することができるので、火災検知器の構成を簡素化して部品点数の削減を図ることができる。また、一対の動作確認灯として、2色発光ダイオード(以下、2色LEDと記す)を適用しているので、たとえば、トンネルの長手方向(左右方向)に対応して、一対の実装基板の天地左右を逆にして設置する場合であっても、簡易に発光色を切り換えて発光による報知機能を一致させることができる。さらに、この場合、1種類の実装基板を対称に取り付けるだけでよいので、量産効果により、製造コストの一層の削減を図ることができる
【0019】
請求項4記載の発明に係る火災検知器は、請求項1乃至3のいずれかに記載の火災検知器において、前記火災検知器は、前記一対の検知センサの各々の前面に配置された個別の透光性窓と、前記実装基板ごとに、前記実装基板の中心線に対して線対称の位置に配置された一対の反射部材と、を備えていることを特徴とする
【0020】
すなわち、各々同一の構成を有する実装基板の中心線に対して線対称の位置であって、かつ、検知センサによる火災検知の障害にならない位置に、検知センサ及び透光性窓の配置関係により設定される検知エリアの拡がりの外側の領域で発生する火炎からの光エネルギーを反射して、検知センサに受光させる反射部材を配置する。これにより、検知エリアに死角が発生することを防止して、広範囲の検知エリアを略均一化して設定することができるので、実装基板(検知センサ)の配置自由度を向上しつつ、良好な火災検知機能を実現することができる。また、反射部材を実装基板の中心線に対して線対称の位置に配置しているので、たとえば、トンネルの長手方向(左右方向)に対応して、実装基板を一対設置する場合であっても、検知エリアの拡がりをトンネルの長手2方向に略同一に設定することができる。さらに、この場合、1種類の実装基板を対称に取り付けるだけでよいので、量産効果により、製造コストの一層の削減を図ることができる
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明に係る火災検知器の第1の実施形態を示す概略構成図である。図1(a)、(b)に示すように、火災検知器10Aは、大別して、図示を省略した入出力用の信号線ケーブルが配索され、トンネル内の、たとえば、壁面に設置された所定の検知器箱(図示を省略)内に取り付け固定される取付ベース21と、該取付ベース21に一体的に取り付けられた上部カバー11と、を備え、該上部カバー11の内部には、所望の火災検知機能を実現するための電気回路等が搭載された主回路基板12が設けられている。なお、図1に示す火災検知器10Aにおいては、上部カバー11及び上部カバー11に密着して取り付けられたモールドカバー22により密閉された空間を有する検知器ユニットを構成し、該検知器ユニット内の密閉空間に上記主回路基板12が収納されている。また、該検知器ユニットと取付ベース21により形成される空間には、避雷素子等の回路部品23が収納されている。
【0027】
以下、火災検知器の主要な構成について具体的に説明する。
火災検知器10Aは、図1(a)、(b)に示すように、トンネル内壁面への設置状態において、少なくともトンネルの長手方向(図1の左右方向)に所定の曲率半径を有して曲面状に形成された傾斜曲面13a、13bと、傾斜曲面13a、13bの各々の周縁部(外周)に連続して設けられ、所定の傾斜角度を有して形成された急傾斜面14a、14bとを有する上部カバー11と、上部カバー11の内部に収納された主回路基板12と、火炎から放射される輻射光(赤外線エネルギー)を検知する焦電素子等からなる受光素子(検知センサ)や光学フィルタを備え、主回路基板12上の所定の位置に、各々独立して個別に取り付け固定された一対のセンサモジュール15a、15bと、各々のセンサモジュール15a、15b(受光素子)の前方に位置する上部カバー11の傾斜曲面13a、13bに設けられた個別の透光性窓16a、16bと、各透光性窓16a、16bの近傍に個別の試験光源17a、17bを収納し、設置状態において、その下面側に試験光透光窓18a、18bを備えた試験用光源収納部19と、を有して構成されている。
【0028】
上部カバー11の傾斜曲面13a、13bは、曲率半径が大きく平面に近似する単一、または、複合された曲面により構成され、設置状態において、トンネル内部方向(図1(b)の上方向)に突出するように形成されている。また、傾斜曲面13a、13bは、各々トンネルの長手方向の一方側(図1左側)及び他方側(図1右側)に位置し、トンネルの一方側及び他方側に対して所定の傾斜を有するように形成されている。
すなわち、傾斜曲面13a、13bは、トンネル内壁面への設置状態において、中央(上部カバー11の略中央の頭頂部11a)から見て上下方向及び左右方向に向かって、それぞれ設置面方向への突出量が連続的に小さくなる曲面を有するように構成されている。そして、各々の傾斜曲面13a、13bの頭頂部(または、頂辺)11a寄りには、上記個別の透光性窓16a、16bが、設置状態において、トンネル内壁面に対して所定の傾斜角度で設けられている。
【0029】
急傾斜面14a、14bは、傾斜曲面13a、13bの周縁部にあって、傾斜曲面13a、13bに連続して設けられ、かつ、傾斜曲面13a、13bのトンネル内壁面に対する傾斜角度(たとえば、20°程度)に比較して、急峻な傾斜角度(たとえば、60°程度)を有するように形成されている。
また、急傾斜面14a、14bは、各々トンネルの長手方向に頂点(または、頂辺)14c、14dを有して形成されている。ここで、急傾斜面14a、14bの立ち上がり高さ(突出量)は、頂点14c、14d部分の高さに比較して、上部カバー11の上下方向中央部分の高さの方が高くなるように形成されている。
【0030】
透光性窓16a、16bは、上部カバー11内に収納されたセンサモジュール15a、15bの汚れや破損等を防止し、保護する平板状かつ円形状の透明板、たとえば、サファイアガラス等の赤外線透過ガラスにより構成される。ここで、透光性窓16a、16bは、トンネル内壁面、換言すれば、トンネル内に支配的に流れる気流に対して概ね5°〜30°、望ましくは、10°〜25°の傾斜角度を有して(斜向して)設けられている。
【0031】
試験光透光窓18a、18bは、透光性窓16a、16bと同様に、サファイアガラス等の赤外線透過ガラスにより構成される。火災検知器10Aは、試験光源17a、17bから投光され、試験光透光窓18a、18b、透光性窓16a、16bを介してセンサモジュール15a、15bに達する試験光の受光出力により、定期的に各透光性窓16a、16bの汚れ状態を検出して、検知感度の低下を電気的またはソフトウェア的な制御手法により補償する。ここで、試験用光源収納部19の下面側に設けられた試験光透光窓18a、18bは、火災検知器10Aの設置状態において、トンネル内壁面に対して略平行に設けられている。
【0032】
ここで、本実施形態に係る火災検知器に適用されるセンサモジュール15a、15bの具体的な構成について、図面を参照しながら説明する。
図2は、本実施形態に係る火災検知器に適用されるセンサモジュール取り付け構成例を示す概略平面図であり、図3は、本実施形態に係る火災検知器に適用されるセンサモジュールの第1の構成例を示す概略図であり、図4は、本構成例に係るセンサモジュールの組立構造を示す分解図である。なお、図3、図4においては、説明の都合上、センサモジュール15a、15bを総称して、センサモジュール15Aと記す。
【0033】
図1(b)、図2に示すように、センサモジュール15a、15bは、各々同一の構成を有し、上部カバー11内に収納された主回路基板12上の所定の位置に、互いに線対称の位置関係となるように配置にされる。
センサモジュール15A(15a、15b)は、図3、図4に示すように、少なくとも所定の波長を有する光エネルギーを受光して電気信号に変換し、出力する受光素子31a、31bが実装された1種類のセンサ基板(実装基板)31と、該センサ基板31の背面側を取り付けて、主回路基板12上の所定の位置に固定するための1種類の取付基台32と、センサ基板31に実装された回路素子(受光素子を含む)に対する外部からのノイズを遮断、低減するための1種類のシールドカバー33と、を有し、これらの同一の構成を有するセンサ基板31と、取付基台32及びシールドカバー33を順次組み付けて構成されている。
【0034】
ここで、受光素子31a、31bは、図3(b)に示すように、それらの中心線がセンサ基板31の中心線に一致するように配置され、また、一体型の温度調整用キャップ34で覆われた構成を有している。なお、図3、図4に示したセンサモジュール15Aは、2つ(または、複数)の波長帯域における放射線強度を検出して、その相対比に基づいて炎の有無を検出する2波長(または、複数波長)式の火災検知器に対応した構成であって、たとえば、受光素子31aは、概ね4.5μm付近の波長帯域を検出し、受光素子31bは、概ね5.0〜7.0μm付近の波長帯域を検出するように構成されている。
【0035】
また、センサ基板31は、少なくとも受光素子31a、31bが搭載されていれば良く、これに加えて、後述する実施形態に示すように、火災検知器の動作確認灯や火炎からの光エネルギーの反射部材、あるいは、火災検知処理を実行する処理回路の一部または全部を搭載するものであってもよい。
また、センサ基板31の前面に設けられるシールドカバー33には、上記受光素子31a、31bの各々の受光面に対応して、開口部33a、33bが形成されている。
【0036】
そして、このような同一の構成を有するセンサモジュール15A(15a、15b)は、図1(b)に示したように、トンネルの長手方向に所定の拡がりを有する円錐状の3次元的な検知エリアAa、Baが設定されるように、トンネルの長手方向(図1の左右方向)に対して、受光素子の受光面が、たとえば、各々45度の角度を有するように配向して設置される。したがって、火災検知器10Aの中心を境界にして、左右方向に対して各々を個別に監視する略対称な検知エリアAa、Baが設定される。
【0037】
このような構成を有する火災検知器10Aによれば、センサモジュール15Aを構成するセンサ基板31、取付基台32、シールドカバー33を各々1種類として、トンネルの長手2方向に対して、同一の構成を有するセンサモジュール15a、15bを個別に設置することにより、従来技術に示したように、異なる構成を有する検知センサ部(プリント基板)を搭載する必要がなくなるので、部品を共通化して部品点数及び製造プロセスを大幅に削減して、量産効果により、製造コストの大幅な削減を図ることができる。
【0038】
また、各センサモジュール15a、15bが同一の構成を有する部品を組み付けて構成されるので、トンネル内に所定の間隔で大量に設置される火災検知器の動作特性や品質を容易に均一化することができる。
さらに、トンネルの長手方向(左右方向)に対応して、同一の構成を有するセンサモジュール15a、15bを個別に配置することができるので、検知エリアの設定や調整を独立して行うことができるとともに、仮に、一方のセンサモジュールに故障や動作不良が生じた場合であっても、当該センサモジュールのみを独立して修理、交換することができる。
【0039】
なお、本実施形態に示したような上部カバー11の構成を有する火災検知器によれば、トンネル内に生じる気流(図1の左方を上流側とする)に乗って飛来する汚れ原因物質は、傾斜曲面13aの上流側の周縁部に設けられた急傾斜面14aに直接衝突して、その一部が付着するとともに、汚れ原因物質が減少した気流のうち、傾斜曲面13a側に到達した気流、及び、傾斜曲面13aに吹き付け、傾斜曲面13aの形状に沿って流れる気流が、さらに、傾斜曲面13aの形状に沿って、前進方向(図1の右方)及び上下方向に分散されて流れるので、透光性窓16aに達する気流に含まれる汚れ原因物質を大幅に低減することができる。
【0040】
特に、透光性窓16aの気流上流側に対して、傾斜角度の小さい傾斜曲面13a、傾斜角度の大きい急傾斜面14aを連続して形成、配置し、さらに、トンネル内壁面に対して、透光性窓16aの傾斜角度を小さく設定(概ね5°〜30°)したことにより、気流のより上流側において、気流の分散化及び汚れ原因物質の低減化を図り、透光性窓16aへ達する気流を減らすことができるとともに、気流の直接的な吹き付けを抑制することができるので、透光性窓16aへの汚れ原因物質の衝突、付着を大幅に低減することができる。
【0041】
また、試験光透光窓18a、18bを、設置状態において、試験用光源収納部19の下面側で、かつ、トンネル内壁面に対して平行に設けることにより、試験光透光窓18a、18bへの汚れ原因物質の付着が大幅に抑制され、試験光透光窓18a、18bの汚れの影響を極めて小さくした上で、透光性窓16a、16bの汚れ状態を検出して火災検知器10Aの検知感度の低下を補償する手法を採用することができる。
【0042】
<第2の実施形態>
次に、本発明に係る火災検知器の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。
図5は、本発明に係る火災検知器の第2の実施形態を示す概略構成図である。ここで、上述した実施形態と同等の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略または簡略化する。
図5(a)、(b)に示すように、火災検知器10Bは、上述した第1の実施形態と同様に、大別して、トンネル内壁面に設置された所定の検知器箱内に取り付け固定される取付ベース21と、該取付ベース21に一体的に取り付けられた上部カバー11と、を備え、該上部カバー11の内部に、火災検知機能を実現するための電気回路等が搭載された主回路基板12が設けられている。
【0043】
火災検知器10Bは、図5(a)、(b)に示すように、トンネルの長手方向(図5の左右方向)に所定の曲率半径を有して曲面状に形成された傾斜曲面13a、13bと、傾斜曲面13a、13bの各々の周縁部(外周)に連続して設けられ、所定の傾斜角度を有して形成された急傾斜面14a、14bとを有する上部カバー11と、上部カバー11の内部に収納された主回路基板12と、火炎から放射される輻射光(赤外線エネルギー)を検知する受光素子や光学フィルタに加え、火災検知器10Bにおける動作状態を表示する動作確認灯31cを備え、主回路基板12上の所定の位置に、個別に取り付け固定された一対のセンサモジュール15c、15dと、各々のセンサモジュール15c、15dの前方の上部カバー11に設けられた個別の透光性窓16a、16bと、各透光性窓16a、16bに対向する試験光透光窓18a、18bを備え、内部に個別の試験光源17a、17bを収納した試験用光源収納部19と、を有して構成されている。
【0044】
ここで、本実施形態に係る火災検知器に適用されるセンサモジュール15c、15dの具体的な構成について、図面を参照しながら説明する。
図6は、本発明に係る火災検知器に適用されるセンサモジュールの第2の構成例を示す概略図であり、図7は、本構成例に係るセンサモジュールの組立構造を示す分解図である。ここで、上述した実施形態と同等の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略または簡略化する。なお、図6、図7においては、説明の都合上、センサモジュール15c、15dを総称して、センサモジュール15Bと記す。
【0045】
図5に示したように、センサモジュール15c、15dは、各々同一の構成を有し、上部カバー11内に収納された主回路基板12上の所定の位置に、互いに線対称の位置関係となるように配置にされる。
すなわち、センサモジュール15B(15c、15d)は、図6、図7に示すように、少なくとも受光素子31a、31b、及び、火災検知器10Bにおける火災検知処理及び試験処理の動作状態を示す一対の動作確認灯31cが搭載された1種類のセンサ基板(実装基板)31と、センサ基板31を主回路基板12の所定の位置に取り付け固定するための1種類の取付基台32と、センサ基板31に搭載された受光素子31a、31bの受光面及び一対の動作確認灯31cが露出するように開口部33a、33b、33cが形成された1種類のシールドカバー33と、を有し、これらの同一の構成を有するセンサ基板31と、取付基台32及びシールドカバー33を順次組み付けて構成されている。
【0046】
ここで、動作確認灯31cは、2色LEDにより構成され、図6(b)に示すように、センサ基板31の中心線に対して線対称となる位置であって、図5(a)に示したように、上部カバー11の各傾斜曲面13a、13bに設けられた透明な透光性窓16a、16bを介して、外部から視覚的に認識可能な位置に配置されている。そして、一対の動作確認灯31cは、各々センサモジュール15c、15dにおいて火災を検知したか否か、あるいは、試験中か否かという動作状態を個別に表示するように設定されている。
【0047】
具体的には、たとえば、火災検知器10Bをトンネル内壁面に設置した状態において、上側に位置する動作確認灯31cに火災検知表示機能を設定して、当該動作確認灯31cが搭載されたセンサモジュール15c、15dの受光素子からの検知出力により火災を検知した場合には、当該動作確認灯31cを赤色に発光駆動させ、正常時には発光を停止する。
また、同様に、下側に位置する動作確認灯31cに試験動作表示機能を設定して、当該動作確認灯31cが搭載されたセンサモジュール15c、15dの受光素子に対して試験を実行している場合には、当該動作確認灯31cを緑色に発光駆動させ、通常の火災監視動作時には発光を停止する。
【0048】
すなわち、火災検知器10Bの設置状態において、上側の動作確認灯31cは、火災検知表示機能用の光源として使用されて、赤色にのみ発光駆動され、また、下側の動作確認灯31cは、試験動作表示機能用の光源として使用されて、緑色にのみ発光駆動される。
そして、このような同一の構成を有するセンサモジュール15B(15c、15d)は、図5(b)に示したように、トンネルの長手方向に所定の拡がりを有する検知エリアAa、Baが設定されるように、トンネルの長手方向(図5の左右方向)に対して、受光素子の受光面が各々所定の角度(たとえば、45度)を有するように配向して設置される。
【0049】
なお、同一の構成を有するセンサモジュール15c、15dを、図5に示したように、互いに線対称の位置関係となるように配置した場合、一対の動作確認灯31cのそれぞれに設定される機能が上下で反対になるが、動作確認灯31cは、2色LEDにより構成されているので、双方のセンサモジュール15c、15d、あるいは、主回路基板12に搭載された電気回路において、動作確認灯31cに設定された機能が線対称の関係になるように切換制御する。具体的には、動作確認灯31cの発光駆動制御を行う制御部(図示を省略)との信号線の接続状態を相互に入れ替えて制御するハードウェア的な制御方法や、上記制御部における制御プログラムにより発光駆動状態を制御するソフトウェア的な制御方法を採用することができる。
【0050】
このような構成を有する火災検知器10Bによれば、上述した実施形態と同様に、トンネルの長手2方向に対して、同一の構成を有する共通化されたセンサモジュール15c、15dを個別に設置することができるので、部品を共通化して部品点数及び製造プロセスを大幅に削減して、量産効果により、製造コストの大幅な削減を図ることができる。
また、火災検知器10Bの動作状態を表示する一対の動作確認灯31cが、透光性窓16a、16bを介して外部から見通しのきく(視覚的に認識可能な)位置に配置されているので、動作確認灯を収納するためのグローブを別個に設ける必要がなく、火災検知器の構成を簡素化して部品点数の削減を図ることができるとともに、上述したように、透光性窓への汚れが付着しにくい構造を有しているので、火災検知器の動作状態を良好に認識することができる。
【0051】
また、透光性窓16a、16bとして、透明なサファイアガラスを使用することにより、動作確認灯31cの発光を良好に透過させることができるので、外部からの視認性を一層向上することができる。
さらに、上述した実施形態にあっては、センサ基板31の中心線に対して、線対称となる位置に、一対の動作確認灯31cを配置した構成を示したが、センサ基板31の中心線上に、1つのみ配置するようにしてもよい。動作確認灯31cとなる2色LEDを1つのみ配置した構成においては、2色LEDを2つ設けた場合に比べて、上述したような入れ替え制御が不要となり、簡易な構成にすることができる。
【0052】
<第3の実施形態>
次に、本発明に係る火災検知器の第3実施形態について、図面を参照して説明する。
図8は、本発明に係る火災検知器の第3の実施形態を示す概略構成図である。ここで、上述した実施形態と同等の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略または簡略化する。
図8(a)、(b)に示すように、火災検知器10Cは、上述した第1、第2の実施形態と同様に、大別して、トンネル内壁面に設置された所定の検知器箱内に取り付け固定される取付ベース21と、該取付ベース21に一体的に取り付けられた上部カバー11と、を備え、該上部カバー11の内部に、火災検知機能を実現するための電気回路等が搭載された主回路基板12が設けられている。
【0053】
火災検知器10Cは、図8(a)、(b)に示すように、トンネルの長手方向(図8の左右方向)に所定の曲率半径を有して曲面状に形成された傾斜曲面13a、13bと、傾斜曲面13a、13bの各々の周縁部(外周)に連続して設けられ、所定の傾斜角度を有して形成された急傾斜面14a、14bとを有する上部カバー11と、上部カバー11の内部に収納された主回路基板12と、火炎から放射される輻射光(赤外線エネルギー)を検知する受光素子や光学フィルタに加え、火災検知器10Cにおける動作状態を表示する動作確認灯31c、及び、上記受光素子により設定される検知エリアの拡がりを拡大するとともに、略均一化する反射部材31dを備え、主回路基板12上の所定の位置に、個別に取り付け固定された一対のセンサモジュール15e、15fと、各々のセンサモジュール15e、15fの前方の上部カバー11に設けられた個別の透光性窓16a、16bと、各透光性窓16a、16bに対向する試験光透光窓18a、18bを備え、内部に個別の試験光源17a、17bを収納した試験用光源収納部19と、を有して構成されている。
【0054】
ここで、本実施形態に係る火災検知器に適用されるセンサモジュール15e、15fの具体的な構成について、図面を参照しながら説明する。
図9は、本発明に係る火災検知器に適用されるセンサモジュールの第3の構成例を示す概略図であり、図10は、本構成例に係るセンサモジュールの組立構造を示す分解図である。また、図11は、本実施形態に係る火災検知器により設定される検知エリアの拡がりを示す概略図である。ここで、上述した実施形態と同等の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略または簡略化する。なお、図9、図10においては、説明の都合上、センサモジュール15e、15fを総称して、センサモジュール15Cと記す。また、図11においては、センサモジュールにより設定される検知エリアの拡がりを、概略的に示すものであって、厳密なものではない。さらに、図11においては、図示の都合上、便宜的に、一方の透光性窓内に設置されたセンサモジュールにより設定される検知エリアの拡がりのみを示す。
【0055】
図8に示したように、センサモジュール15e、15fは、各々同一の構成を有し、上部カバー11内に収納された主回路基板12上の所定の位置に、互いに線対称の位置関係となるように配置にされる。
すなわち、センサモジュール15C(15e、15f)は、図9、図10に示すように、少なくとも受光素子31a、31b、及び、火災検知器10Cにおける火災検知処理及び試験処理の動作状態を示す一対の動作確認灯31cが搭載された1種類のセンサ基板(実装基板)31と、センサ基板31を主回路基板12の所定の位置に取り付け固定するための1種類の取付基台32と、センサ基板31に搭載された受光素子31a、31bの受光面及び一対の動作確認灯31cが露出するように開口部33a、33b、33cが形成された1種類のシールドカバー33と、受光素子31a、31bに対応してシールドカバー33に形成された開口部33a、33bの近傍に、上記受光素子31a、31bにより設定される検知エリアの拡がりを拡大するとともに、略均一化する一対の反射部材31dを有し、これらの同一の構成を有するセンサ基板31と、取付基台32及びシールドカバー33を順次組み付けて構成されている。
【0056】
ここで、一対の反射部材31dは、図9(b)に示すように、センサ基板31(または、シールドカバー33)の中心線に対して線対称となる位置に配置され、図8(a)に示したように、上部カバー11の各傾斜曲面13a、13bに設けられた透明な透光性窓16a、16bを介して見通しがきく位置に配置されている。
【0057】
そして、一対の反射部材31dは、火災検知器10Cの設置状態において、センサモジュール15e、15f(受光素子31a、31b)により直接設定される検知エリアの死角、または、検知エリアの外側の領域(検知エリアの拡がり角度の周縁側の外側領域)からの光を反射させて受光素子31a、31bに受光させる。そのため、反射部材31dは、所定の検知エリアを良好に監視することが可能な所定の面形状、たとえば、所定の直径を有する円筒形状や円柱形状、または、所定の曲率半径を有する凸曲面形状等に形成されている。
また、反射部材31dの反射面は、たとえば、金コーティング等の処理を施すことにより、耐腐食性に優れ、かつ、赤外線光に対して高い反射効率を有するように構成することができる。ここで、金コーティングを施した反射部材の反射率は、赤外線の波長域にあっては99%程度と極めて高く、熱放射を効率的に反射することができるので、火災検知器に良好に適用することができる。
【0058】
このような構成を有する火災検知器10Cによれば、上述した各実施形態と同様に、トンネルの長手2方向に対して、一対の反射部材31dを備え、同一の構成を有する共通化されたセンサモジュール15e、15fを個別に設置することができるので、センサ関連の部品を共通化して部品点数及び製造プロセスを大幅に削減して、量産効果により、製造コストの大幅な削減を図ることができるとともに、次に示すような問題点を解決して、良好な検知エリアの監視を行うことができる。
【0059】
すなわち、透光性窓16a、16bへの汚れ原因物質の付着を極力押さえるためには、透光性窓16a、16bの有効面をトンネル内壁面に対して、極力平行なフラット面に近くなるように設置することが有効である。しかしながら、透光性窓窓16a、16bの有効面をトンネル内壁面に対して、平行なフラット面に近づけるほど、センサモジュール15e、15fの受光素子による検知エリアの設定自由度が低くなり、たとえば、トンネル内壁面近傍の領域を検知しにくくなって、死角(非監視領域)が発生する可能性があるため、フラット面に近づけるには、必然的に限界が生じるという問題を有している。
【0060】
そこで、本実施形態においては、上述したように、上記透光性窓16a、16b内に配置される受光素子31a、31bの近傍であって、センサモジュール15e、15fの中心線に対して線対称となる位置で、かつ、受光素子31a、31bによって直接的に設定される検知エリアの監視の障害にならない(検知エリアを遮らない)位置に、円柱形状(または、円筒形状)の一対の反射部材31dを配置することにより、透光性窓16a、16bと受光素子31a、31bの位置関係により直接的に設定される検知エリアの外側の領域(死角)からの光を反射して、受光素子に受光させるとともに、透光性窓16a、16bの有効面をトンネル内壁面に対して、極力平行なフラット面に近づけるように設置した構成を有している。
【0061】
具体的には、受光素子31a、31bは、透光性窓16a、16b内にあって、上部カバー11の頭頂部(または、頂辺)11a側に配置され、かつ、該透光性窓16a、16bの傾斜角度よりも、トンネル内壁面TSに対して大きな傾斜角度(たとえば、45度)で取り付け固定されている。これにより、図11(b)に示すように、受光素子31a、31bの受光面(詳しくは、受光素子31a、31bの設置位置及び設置角度)と透光性窓16a、16bの縁辺部との位置関係に基づいて、直接的に設定される検知エリア(検知可能領域)Aaのトンネル内部方向の境界線Lv及びトンネル内壁面方向の境界線Lhが規定される。
【0062】
この場合、受光素子31a、31bの受光面と透光性窓16a、16bとの位置関係によっては、たとえば、トンネル内部方向(火災検知器10Cの設置中心線LC方向)に、死角(非監視領域)が発生する可能性があるが、本実施形態においては、上述したように、火災検知器の設置状態において、受光素子31a、31bの近傍の上方及び下方位置であって、検知エリアAaの監視の障害とならない位置に、たとえば、円柱形状を有する一対の反射部材31dを配置することにより、図11(b)に示すように、検知可能領域を検知エリアAaの外側の領域、すなわち、トンネル内部方向の境界線Lvの外側(設置中心線LC側)の領域まで、具体的には、境界線Lv′にまで拡大することができる。
【0063】
この場合、一対の反射部材31dが受光素子31a、31bの近傍の上方及び下方位置に配置されているので、トンネル内壁面方向に拡大された検知可能な領域は、図11(a)に示すように、主として火災検知器10Cの上方及び下方にも領域Au、Adの拡がりを有することになる。透光性窓16a、16bと受光素子31a、31bの位置関係により直接的に設定される検知エリアは、円錐状の3次元的な拡がりを有していることから、上下方向に死角(非監視領域)が発生する可能性があるが、一対の反射部材31dを配置することにより、上下方向に検知可能領域を拡大して設定することができ、死角(非監視領域)の発生を大幅に抑制することができる。
【0064】
なお、図11(a)、(b)に示した検知エリアの拡がりは、概略的なものであって厳密なものではない。また、図11(a)、(b)では、透光性窓16a内に配置された受光素子31aについてのみ、検知エリアの拡がりを示したが、受光素子31bや、透光性窓16b内に配置された受光素子31a、31bにおいても同様な検知エリアの拡がり設定される。
したがって、本実施形態に係る火災検知器10Cによれば、透光性窓16a、16bの有効面をトンネル内壁面に対して、極力平行なフラット面に近づけるように設置しつつ、検知可能領域(検知エリア)を拡大して設定することができ、死角(非監視領域)の発生を大幅に抑制することができる。
【0065】
なお、上述した各実施形態においては、火災検知器10A〜10Cに設置される一対のセンサモジュール15A〜15Cを、各々同一の構成を有するセンサ基板31に、同一の構成を有する取付基台32及びシールドカバー33を組み付け、トンネルの長手2方向に対応して配置する構成について説明したが、本発明は、たとえば、センサ基板31のみを同一の構成とするものであってもよいし、センサ基板31と取付基台32の組合せのみ、あるいは、センサ基板31とシールドカバー33の組合せのみを同一の構成とするものであってもよい。いずれの場合であっても、火災検知器に適用するセンサ関連の部品を1種類に共通化して、部品点数及び製造プロセスを削減することができ、量産効果により、製造コストの大幅な削減を図ることができる。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、火災検知器に備えられ、少なくとも火炎特有の光エネルギーを検知する検知センサを搭載した一対の実装基板を共通化して、全く同一に構成することにより、1種類の実装基板を、トンネルの長手方向(左右方向)に対応して、個別に設置することができる。したがって、1種類の実装基板のみを製造、管理すれば良いことになり、量産効果により、製造コストの大幅な削減を図ることができるとともに、均一な品質の火災検知器を提供することができる。
【0067】
また、実装基板に加え、シールドカバーや取付基台を同一の構成にすることにより、さらに量産効果が向上し、製造コストの大幅な削減を図ることができるとともに、均一な品質の火災検知器を提供することができる。
さらに、実装基板に、シールドカバーや取付基台、動作確認灯、反射部材等を組み付けた、同一の構成を有する一対のセンサモジュールを個別に配置することができるので、検知エリアの設定や調整を独立して行うことができるとともに、仮に、一方のセンサモジュールに故障や動作不良が生じた場合にであっても、当該センサモジュールのみを独立して修理、交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る火災検知器の第1の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本実施形態に係る火災検知器に適用されるセンサモジュール取り付け構成例を示す概略平面図である。
【図3】本実施形態に係る火災検知器に適用されるセンサモジュールの第1の構成例を示す概略図である。
【図4】本構成例に係るセンサモジュールの組立構造を示す分解図である。
【図5】本発明に係る火災検知器の第2の実施形態を示す概略構成図である。
【図6】本発明に係る火災検知器に適用されるセンサモジュールの第2の構成例を示す概略図である。
【図7】本構成例に係るセンサモジュールの組立構造を示す分解図である。
【図8】本発明に係る火災検知器の第3の実施形態を示す概略構成図である。
【図9】本発明に係る火災検知器に適用されるセンサモジュールの第3の構成例を示す概略図である。
【図10】本構成例に係るセンサモジュールの組立構造を示す分解図である。
【図11】本実施形態に係る火災検知器により設定される検知エリアの拡がりを示す概略図である。
【図12】従来技術におけるトンネル用火災検知器の概略構成図である。
【図13】従来技術におけるトンネル用火災検知器の要部構成図である。
【図14】従来技術におけるトンネル用火災検知器の要部の組立構造を示す分解図である。
【符号の説明】
10A〜10C 火災検知器
11 上部カバー
12 主回路基板
15A〜15C、15a、15b センサモジュール
16a、16b 透光性窓
21 取付ベース
31 センサ基板
31a、31b 受光素子
31c 動作確認灯
31d 反射部材
32 取付基台
33 シールドカバー

Claims (4)

  1. 光エネルギーを電気信号に変換する検知センサを有するセンサモジュールを備え、一対の検知センサにより、所定の対称線を基準として略対称な2つの検知エリアを設定して、特定の空間内で発生する火災を検知する火災検知器において、
    前記センサモジュールは、
    前記検知センサが搭載される実装基板と、該実装基板を所定の取付位置に固定するための取付基台と、
    を備え
    前記火災検知器は、
    実装基板と取付基台とを備えた該センサモジュールの2つを、前記所定の対称線を基準に対称となるように配置したことを特徴とする火災検知器。
  2. 前記センサモジュールは、前記検知センサが搭載される前記実装基板の一面側を覆うシールドカバーを更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の火災検知器。
  3. 前記火災検知器は、前記一対の検知センサの各々の前面に配置された個別の透光性窓と、前記実装基板ごとに、前記実装基板の中心線に対して線対称の位置であって、かつ、外部から前記透光性窓を介して認識可能な位置に、前記火災検知器の動作状態を表示する2色発光ダイオードにより構成された動作確認灯と、
    を備え
    前記動作確認灯は、前記所定の対称線を基準として対称位置となるものが同一の表示内容を示すようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の火災検知器。
  4. 前記火災検知器は、前記一対の検知センサの各々の前面に配置された個別の透光性窓と、前記実装基板ごとに、前記実装基板の中心線に対して線対称の位置に配置された一対の反射部材と、を備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の火災検知器。
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