JP3587501B2 - 異形部品の加熱方法及び加熱装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、断面積の異なる部分が形成された異形部品を加熱する異形部品の加熱方法及び加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
種々の産業機械や製品などには、様々な形状の鋼製の部品が数多く使用されている。これらの部品のなかには、例えば車両のドアを補強するドア補強材のように、長手方向の両端部と中央部とで形の異なるものが多数ある。また、一つの部品のなかの各部分において形だけでなく、厚さの異なる部分もある。このような部品を、ここでは異形部品と呼ぶ。
【0003】
この異形部品の機械的強度を向上させるために、この異形部品を焼入れすることがある。この場合、異形部品を焼入温度に加熱し、その後、急冷することにより、異形部品を強化する。異形部品を焼入温度にまで加熱するための加熱方法としては、誘導加熱法や直接通電法など、様々な加熱方法が知られている。これらの加熱方法のうち、直接通電法とは、被加熱物(ここでは異形部品)に電極を直接に接触させて通電してこの被加熱物を加熱する方法である。
【0004】
この直接通電法で被加熱物を加熱する技術として、H形鋼のウェブ部を加熱する技術が知られている(特開平5−69092号公報参照)。この公報に記載されている技術は、H形鋼のうちウェブ部のみを加熱するために、直接通電法でウェブ部に通電すると共にフランジ部に誘導電流を流すものである。所定条件下でこのように通電することによりウェブ部だけを加熱できる、と上記公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、H形鋼のウェブ部の肉厚はどの部分でもほぼ等しく、また、その形状はほぼ長方形である。このように肉厚が等しく長方形のものは、両端部に電極を接触させてこれらの電極間で通電することにより各部分を一様にほぼ等しい温度に加熱できる。ところが、各部分によって厚さや形状の異なる異形部品を上記のように加熱しても各部分が一様に加熱されずに、異形部品の全体を所定範囲内の温度に加熱できないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、一つの部品のなかの各部分において形や厚さが互いに異なる異形部品を所定範囲内の温度になるように加熱する異形部品の加熱方法及び加熱装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の異形部品の加熱方法は、長手方向に切断したときに得られる縦断面積及びこの長手方向に直交する幅方向に切断したときに得られる横断面積それぞれが長手方向及び幅方向の所定長さに亘って略均一な断面積均一部分と、上記縦断面積及び上記横断面積の少なくとも一方が上記長手方向及び上記幅方向のいずれかに沿って変化する断面積変化部分とを有する、もしくは、上記断面積変化部分を有する異形部品を加熱する異形部品の加熱方法において、
(1)上記断面積均一部分のうち上記長手方向もしくは上記幅方向の両端部に電極を配置してこの両端部のうちの一端部と他端部との間に通電すると共に、
(2)上記断面積変化部分のうち断面積が変化する変化方向に交差する交差方向の両端部に所定間隔で電極を配置してこの両端部のうちの一端部と他端部との間に通電することにより、上記異形部品を加熱することを特徴とするものである。
ここで、上記断面積均一部分に通電するに当り、
(3)上記長手方向もしくは上記幅方向の両端部に一つずつ電極を配置して、これら一対の電極間で通電してもよい。
【0008】
また、上記断面積変化部分に通電するに当り、
(4)上記交差方向に平行な複数の境界線で分割された複数の領域を上記変化方向に沿って切断したときに得られる断面積が略均一になるように上記断面積変化部分を上記複数の境界線で複数の領域に分割し、各領域の上記交差方向両端部に電極を配置して、上記交差方向の両端部のうちの一端部に配置された電極と他端部に配置された電極との間で通電してもよい。
【0009】
さらに、上記断面積変化部分に通電するに当り、
(5)上記断面積変化部分に孔が形成されているときは、上記孔の周縁部にも電極を配置して、この電極と上記交差方向両端部に配置された電極との間で通電してもよい。
【0010】
ここで、上記異形部品を加熱するに当り、
(6)この異形部品を不活性ガス雰囲気中で加熱してもよい。
【0011】
また、上記異形部品を加熱する際に、
(7)異形部品の膨張もしくは収縮に応じて上記電極を移動させてもよい。
【0012】
また、上記目的を達成するための本発明の異形部品の加熱装置は、長手方向に切断したときに得られる縦断面積及びこの長手方向に直交する幅方向に切断したときに得られる横断面積それぞれが長手方向及び幅方向の所定長さに亘って略均一な断面積均一部分と、上記縦面積及び上記横断面積の少なくとも一方が上記長手方向及び上記幅方向のいずれかに沿って変化する断面積変化部分とを有する、もしくは、上記断面積変化部分を有する異形部品を加熱する異形部品の加熱装置において、(8)上記断面積均一部分のうち上記長手方向もしくは上記幅方向のうちのいずれかの方向の両端部に配置される電極と、
(9)上記断面積変化部分のうち断面積が変化する変化方向に交差する交差方向の両端部に所定間隔で配置される複数の電極と
を備えたことを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0014】
図1、図2を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。
【0015】
図1は、異形部品の一例とその加熱方法を模式的に示す平面図である。図2は、図1の異形部品の一部を拡大して示す、(a)は、断面積変化部分を示す平面図であり、(b)は、(a)の部分拡大図である。
【0016】
異形部品10は、1.5mmの均一な板厚を有するものであり、断面積均一部分20と断面積変化部分30とを有する。断面積均一部分20の幅L1は200mmであり、長さL2は250mmである。また、断面積変化部分30の幅L4は150mmであり、長さL3は150mmである。また、断面積変化部分30のほぼ中央部には、長径が40mmの楕円形の孔32が形成されている。
【0017】
断面積均一部分20では、長手方向(矢印A方向)に切断したときに得られる縦断面積及びこの長手方向に直交する幅方向(矢印B方向)に切断したときに得られる横断面積それぞれが長手方向及び幅方向の全長(本発明にいう所定長さの一例である)に亘って略均一になっている。一方、断面積変化部分30では、横断面積が長手方向(本発明にいう変化方向の一例であり、矢印A方向)に沿って変化する。
【0018】
異形部品10を加熱する加熱装置を説明する。
【0019】
この加熱装置は、異形部品10の断面積均一部分20のうち長手方向の両端部に配置される長方形の2つの電極22,24を備えている。また、加熱装置は、断面積変化部分30のうち幅方向(本発明にいう交差方向の一例であり、矢印B方向)の両端部に10mmの間隔で配置される一対の電極40aと40b,41aと41b,……,54aと54b,55aと55bを16組(図1では電極42〜53を省略している)備えている。さらに、加熱装置は、図2に示すように、孔32の周縁部に配置される3組の一対の電極56aと56b,57aと57b,58aと58bも備えている。これらの電極22,24などは交流電源(図示せず)に接続されている。
【0020】
異形部品10を均一温度に加熱するに際しては、断面積均一部分20のうち長手方向の両端部に長方形の電極22,24を一つずつ配置し、この両端部のうちの一端部と他端部との間に通電する。なお、長手方向の両端部ではなくて幅方向の両端部に一対の電極を配置してもよい。この場合は、幅方向両端部のうちの一端部と他端部との間に通電することとなる。
【0021】
また、断面積変化部分30のうち幅方向の両端部に10mmの間隔で一対の電極40aと40b,41aと41b,……,54aと54b,55aと55bを16組配置し、この両端部のうちの一端部と他端部との間に通電する。
【0022】
さらに、図2に示すように、孔32の周縁部にも3組の一対の電極56aと56b,57aと57b,58aと58bを配置する。このように孔32の周縁部にも電極を配置する理由は、断面積変化部分30のうち孔32が形成されている近傍は、この孔32によって幅方向に2分割されることとなるからである。また、これらの電極56aと56b,57aと57b,58aと58bを配置する間隔は、孔32の長径の二分の一以下になるように細かい間隔にした方が全体を一様な温度に加熱できる。
【0023】
上述したように異形部品10に複数の電極22,24,40a,40b,……を固定して通電することにより、断面積均一部分20には長手方向(矢印A方向)両端部のうちの一端部と他端部との間で長手方向に電流が流れるので、断面積均一部分20が一様に加熱される。一方、断面積変化部分30には幅方向(矢印B方向)両端部のうちの一端部と他端部との間で幅方向に電流が流れるので、断面積変化部分30が一様に加熱される。このようにして断面積均一部分20と断面積変化部分30とが互いに独立して加熱され、異形部品10の全体は所定範囲内の温度にまで昇温する。
【0024】
次に、異形部品10を目標温度になるように加熱した具体例を説明する。
【0025】
先ず、異形部品10を目標温度にするための基本式を示す。
【0026】
昇温させる温度を△Tとし、異形部品10に流す電流値をI(アンペア)とし、異形部品10に通電する時間をS(秒)とし、異形部品10の抵抗率をρ(Ω・m)、厚さをt(cm)、幅をW(cm)、比熱をC(J/kg・k)、密度をm(kg/m3 )とすると、
△T=(I2 ・ρ・S)/(t2 ・W2 ・C・m)
3となる。
【0027】
この式に基づいて、図1に示すサイズの異形部品10(材質はJIS規格でS30C)の全体を、10秒間で室温20℃から920℃まで昇温させる。ここでは、△T=900℃となる。また、S30Cの比熱Cは600J/kg・kであり、密度mは7870kg/m3 であり、抵抗率ρは70×10−8(Ω・m)である。
【0028】
断面積均一部分20では、
△T(k)=(70×10−8×I2 ×10(秒))/((1.5×10−3)2 ×(200×10−3)2 ×600×7870)=1.647×10−5×I2
外部への熱の流出が無いものとして△T=900℃とするためには、
900=1.647×10−5×I2
I=7391.9(アンペア)となる。
【0029】
断面積変化部分30では、
△T(k)=(70×10−8×I2 ×10(秒))/((1.5×10−3)2 ×(10×10−3)2 ×600×7870)=6.5885×10−3×I2
外部への熱の流出が無いものとして△T=900℃とするためには、
900=6.5885×10−3×I2
I=369.6(アンペア)となる。
【0030】
以上をまとめると、断面積均一部分20では、一対の電極22,24に7391.9(アンペア)の電流を10秒間流し、一方、断面積変化部分30では、19対の電極40aと40b,41aと41b,……57aと57b,58aと58bそれぞれに369.6(アンペア)の電流を10秒間流す。これにより、異形部品10の全体を同時に920℃に加熱できる。
【0031】
表1に実測値を示す。表1のなかで「セクション」とは、断面積変化部分30のうち、電極40a,40bに挟まれた領域がセクション「1」で、電極41a,41bに挟まれた領域がセクション「2」であるように、一対の電極に挟まれた領域を右側から順に表わしたものである。
【0032】
【表1】
外部への放熱による熱損失があるので、表1に示すように、上記した理論値よりもやや時間がかかったが、異形部品10の全体をほぼ同時に約920℃に加熱できた。
【0033】
図3を参照して、異形部品の加熱方法の第2実施形態を説明する。
【0034】
図3(a)は、第2実施形態との比較のために異形部品が均一厚さのときの加熱方法を示す模式図であり、(b)は、異形部品の加熱方法の第2実施形態を示す模式図である。
【0035】
第2実施形態の特徴は、長さ方向(矢印D方向)に厚さFが変化している異形部品60を所定範囲内の温度に加熱できる点にある。
【0036】
図3(a)に示すように、厚さFが一定の異形部品70を所定範囲内の温度に加熱する場合は、図1に示す第1実施形態と同様に、長さ方向(矢印D方向)に等間隔で複数組の一対の電極72を配置する。各電極72に上記の式に基づいて電流を流すことにより、異形部品70を所定範囲内の温度に加熱できる。
【0037】
異形部品70に電極を配置する位置を、視点を変えて視る。先ず、長さ方向(矢印D方向)に直交する方向(矢印E方向)に平行であって等間隔の複数本の境界線74a,74b,74c,74d,74e,74f,74g(図では7本の境界線)で異形部品70を分割する。この分割により、複数の領域76a,76b,76c,76d,76e,76f,76g,76h(図では8つの領域)が得られる。各領域76a,76b,76c,76d,76e,76f,76g,76hを長手方向に沿って切断したときの断面積は等しい。異形部品70では、このように長手方向(矢印D方向)の断面積が等しい各領域76a,76b,76c,76d,76e,76f,76g,76hそれぞれの矢印E方向の両端部に電極72が配置されていることとなる。このような電極配置は、図1に示す第1実施形態の断面積変化部分30でも同様である。
【0038】
一方、長さ方向(矢印D方向)に厚さFが変化している異形部品60では、長さ方向(矢印D方向であり、本発明にいう変化方向の一例である)に直交する方向(矢印E方向であり、本発明にいう交差方向の一例である)に平行であって等間隔の複数本の境界線で異形部品60を分割して得られる複数の領域を長手方向に沿って切断しても、長手方向に厚さFが減少しているので、各領域の長手方向断面積は等しくならない。
【0039】
そこで、図3(b)に示すように、各領域60A,62A,64A,66A,68A,69Aを長手方向に沿って切断したときに得られる断面積が略均一になるように、異形部品60を複数本の境界線62,64,66,68,69で分割する。このようにして得られた各領域60A,62A,64A,66A,68A,69Aの矢印E方向両端部それぞれに電極61を配置して通電する。この場合、各領域60A,62A,64A,66A,68A,69Aの長手方向断面積が略均一であるので、各領域60A,62A,64A,66A,68A,69Aに流れる電流密度は均一になり、異形部品60は一様に加熱される。この結果、異形部品60を所定範囲内の温度になるように加熱できる。
【0040】
図4から図6までを参照して、異形部品を加熱したり冷却したりするときに、この異形部品が膨張したり収縮したりして変形することを低減する技術を説明する。
【0041】
図4は、加熱冷却台に載置された異形部品を示す斜視図であり、図5は、異形部品10に電極を配置した状態を模式的に示す平面図である。図6は、加熱冷却台に載置された異形部品を冷却する際の様子を模式的に示す正面図である。なお、図6では説明のために、図5に示す電極の位置とは異なる位置に電極を描いている。
【0042】
図4に示すように、加熱冷却台100には、矢印A方向に延びる2本の基準レール102,104が固定されている。基準レール102,104の上には、この基準レール102,104に直交する方向(矢印B方向)に延びる複数本の移動レール106a,106b,108a,108b,110a,110bが配置されている。後述するように複数本の移動レール106a,106b,108a,108b,110a,110bは矢印A方向に自在に移動するように構成されており、図4では3本のみを示すが、実際には電極の数に対応する数のレールが配置されている。移動レール106a,106b,108a,108b,110a,110bには、異形部品10を支える複数本の支持棒112が、矢印B方向に移動自在に固定されている。異形部品10は複数本の支持棒112に載置されて支持されている。
【0043】
図5に示すように、異形部品10の断面積均一部分20には、幅方向(矢印B方向)の両端部それぞれに電極120,122が固定されている。また、異形部品10の断面積変化部分30には、幅方向(矢印B方向)の両端部それぞれに複数の電極130が固定されている。複数の電極130の配置は、図1の場合と同様である。
【0044】
図6に示すように、複数本の移動レール106a,106b,108a,108b,110a,110bはそれぞれ、固定機能付きの移動スライダ140,142,144を介して固定レール102,104に載置されている。移動スライダ140,142,144は、異形部品10の膨張・収縮に応じて固定レール102,104上を自在に移動する。また、異形部品10に固定された電極146,148は、絶縁物150を介して移動スライダ152,154に固定されている。移動スライダ152,154は、異形部品10の膨張・収縮に応じて移動レール106a,110a上を自在に移動する。このように異形部品10の膨張・収縮に応じて移動スライダ140,142,144,152,154が移動し、この移動に伴って電極146,148も移動するので、異形部品10の変形を低減できる。
【0045】
また、異形部品10が薄い板状のものであるときは、冷却時に波打つように変形し易い。このような変形を低減するために、異形部品10の複数箇所を押さえ部材160,162で押さえ付けておく。押さえ部材162は移動スライダ156に固定されている。一方、押さえ部材160は、レール164に移動自在に固定されたシリンダ166の先端に固定されており、上下方向(矢印I方向)に移動できる。このような押さえ部材160,162を複数組用意して、異形部品10の複数箇所を押さえ付けておくことにより、異形部品10の変形を低減できる。
【0046】
なお、上記した例では、加熱冷却台100をほぼ水平に置いた場合を説明したが、この加熱冷却台100を垂直に立てても良い。この場合、例えば移動レール106a,106bが上になるように(図5では矢印A方向が垂直方向になるように)加熱冷却台100を立てたときは、移動レール106a,106bを固定しておく。このように、加熱冷却台100を垂直に立てると、冷却の際に冷却水の流れが良好になる。また、上記した例では板状のものを異形部品として挙げたが、一部もしくは全部をパイプ状に折り曲げたものも異形部品に含まれる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の異形部品加熱方法によれば、幅方向の両端部に電極を配置してこの両端部のうちの一端部と他端部との間に通電することにより断面積均一部分に一様に通電されると共に、交差方向の両端部に所定間隔で電極を配置してこの両端部のうちの一端部と他端部との間に通電することにより断面積変化部分も一様に通電されるので、異形部品が一様に加熱され、異形部品を所定範囲内の温度にすることができる。
【0048】
ここで、上記断面積均一部分に通電するに当り、上記長手方向もしくは上記幅方向の両端部に一つずつ電極を配置して、これら一対の電極間で通電する場合は、電極の数が最小限であるので作業性に優れる。
【0049】
また、上記断面積変化部分に通電するに当り、上記交差方向に平行な複数の境界線で分割された複数の領域を上記変化方向に沿って切断したときに得られる断面積が略均一になるように上記断面積変化部分を上記複数の境界線で複数の領域に分割し、各領域の上記交差方向両端部に電極を配置して、上記交差方向の両端部のうちの一端部に配置された電極と他端部に配置された電極との間で通電する場合は、各領域の断面積が略均一になるように電極を配置するので、断面積変化部分に流れる電流密度が均一になり、この断面積変化部分をいっそう一様に加熱できる。
【0050】
さらに、上記断面積変化部分に通電するに当り、上記断面積変化部分に孔が形成されているときは、上記孔の周縁部にも電極を配置して、この電極と上記交差方向両端部に配置された電極との間で通電する場合は、孔によって幅方向に分けられたこととなるが、孔の周縁部に配置された電極と交差方向両端部に配置された電極との間で通電するので、断面積変化部分に孔が形成されていても断面積変化部分を一様に加熱できる。
【0051】
ここで、上記異形部品を加熱するに当り、この異形部品を不活性ガス雰囲気中で加熱する場合は、異形部品の酸化を防止できる。
【0052】
さらに、上記異形部品を加熱する際に、この異形部品の膨張もしくは収縮に応じて上記電極を移動させる場合は、異形部品の膨張もしくは収縮に応じて電極を移動させるので、異形部品の変形を低減できる。
【0053】
また、本発明の異形部品の加熱装置によれば、幅方向の両端部に電極を配置してこの両端部のうちの一端部と他端部との間に通電することにより断面積均一部分に一様に通電されると共に、交差方向の両端部に所定間隔で電極を配置してこの両端部のうちの一端部と他端部との間に通電することにより断面積変化部分も一様に通電されるので、異形部品が一様に加熱され、異形部品を所定範囲内の温度にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】異形部品の一例とその加熱方法を模式的に示す平面図である。
【図2】
図1の異形部品の一部を拡大して示す、(a)は、断面積変化部分を示す平面図であり、(b)は、(a)の部分拡大図である。
【図3】(a)は、第2実施形態との比較のために異形部品が均一厚さのときの加熱方法を示す模式図であり、(b)は、異形部品の加熱方法の第2実施形態を示す模式図である。
【図4】加熱冷却台に載置された異形部品を示す斜視図である。
【図5】異形部品に電極を配置した状態を模式的に示す平面図である。
【図6】加熱冷却台に載置された異形部品を冷却する際の様子を模式的に示す正面図である。
【符号の説明】
10,60,70 異形部品
20 断面積均一部分
22,24,40a,40b,55a,55b 電極
30 断面積変化部分
32 孔
62,64,74 境界線
Claims (7)
- 幅方向に切断したときに得られる横断面の面積が長手方向に沿って変化する、均一厚さの異形部品の加熱方法において、
この異形部品のうち前記幅方向の一端部及び他端部双方に、前記長手方向に等間隔で複数の電極を配置し、これら複数の電極のうち前記幅方向において向き合う一対の電極間それぞれに同一値の電流を通すことにより前記異形部品の全体を同時に一様な温度に加熱することを特徴とする異形部品の加熱方法。 - 幅方向に切断したときに得られる横断面の面積が長手方向に沿って変化する、均一厚さの異形部品の加熱方法において、
前記異形部品は、前記幅方向の一端部及び他端部双方の間の一部に孔が形成されたものであり、
前記異形部品のうち前記幅方向の一端部及び他端部双方に、前記長手方向に等間隔で複数の電極を配置すると共に、前記一端部及び前記他端部に配置された電極のうち前記孔の周縁部に対向する電極との間で電流が通る電極を前記孔の周縁部に配置し、
前記孔の形成された部分においては、前記一端部及び前記他端部に配置された電極と、これらの電極に対向する孔の周縁部に配置された電極との間で同一値の電流を通し、
前記孔の形成されていない部分においては、前記幅方向の一端部及び他端部双方に前記長手方向に等間隔で配置された複数の電極のうち前記幅方向において向き合う一対の電極間それぞれに前記同一値の電流を通すことにより前記異形部品の全体を同時に一様な温度に加熱することを特徴とする異形部品の加熱方法。 - 所定方向に沿って厚さが変化する厚さ変化部分が形成された異形部品を加熱する異形部品の加熱方法において、
各領域に同一値の電流を通したときにこれら各領域における電流密度が均一になるように前記厚さ変化部分を前記所定方向に直交する境界面で複数の領域に分割し、これら複数の領域それぞれに前記同一値の電流を通すことにより前記異形部品の全体を同時に一様な温度に加熱することを特徴とする異形部品の加熱方法。 - 前記複数の領域それぞれに前記同一値の電流を通す際に、
前記複数の領域のうち前記所定方向に直交する方向の両端部に一つずつ電極を配置して、これら一対の電極間で通電することにより前記異形部品の全体を同時に一様な温度に加熱することを特徴とする請求項3に記載の異形部品の加熱方法。 - 前記異形部品を加熱する際に、
該異形部品の膨張もしくは収縮に応じて前記電極を移動させることを特徴とする請求項1,2,3,又は4に記載の異形部品の加熱方法。 - 厚さの異なる部分が形成された異形部品を加熱する異形部品の加熱方法において、
前記厚さの異なる部分を、この厚さの異なる方向に直交する方向に分割して複数の領域を得、これら複数の領域それぞれにおける電流密度が均一になるようにこれら複数の領域それぞれに電流を通すことにより前記異形部品の全体を同時に一様な温度に加熱することを特徴とする異形部品の加熱方法。 - 幅方向に切断したときに得られる横断面の面積が長手方向に沿って変化する、均一厚さの異形部品を加熱する異形部品の加熱装置において、
この異形部品のうち前記幅方向の一端部及び他端部に等間隔で配置された複数の電極と、
これら複数の電極を前記幅方向に移動させるための移動レールと、
これら複数の電極を前記長手方向に移動させるための基準レールとを備えたことを特徴とする異形部品の加熱装置。
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