JP3586816B2 - タンク防液堤の保護構造 - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、石油又は低温液化ガス等の液体の危険物を貯蔵するタンクの防油堤、防液堤又は仕切堤(以下防液堤という)の保護構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
石油又は低温液化ガス等の液体の危険物を貯蔵するタンク1の周囲には、図5に示すように、タンク1からの貯蔵液の漏洩があった場合にその流出・拡散を防止するために、防液堤2が設けられている。
【0003】
防液堤2は、自重、土圧、液圧、地震の影響、温度変化の影響並びにその他の荷重に対し安全で、かつ荷重によって生ずる応力に対して安全なものとして鉄筋コンクリート又は土で作られている。図6は鉄筋コンクリート構造の一般的な防液堤2の場合を示す。この防液堤2は、地盤6に埋設された下端部の底版7とフーチング8とからなる基礎9と、該基礎9上に直立する壁体10とから逆T字形状に形成されている。
【0004】
防液堤2は法規によって、防液堤2の壁体10に囲まれる容量及び防液堤2の壁体10の高さ等が定められている。また、地震の影響については、地震時慣性力、地震時土圧、地震時動液圧が考慮され、防液堤2の支持力、滑動、転倒について所定の安全率を定めて構築されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
タンクヤード4は、臨海地又は河川流域等の埋立地や造成地など、軟弱な地盤6に設けられることが多く、地下水位が高い所や砂地等では、地震で強い振動を受けると地盤全体が液体のようになる液状化現象が起こり、また砂や水が地下で高圧になって上昇し噴出する流動化現象が生ずるおそれがあった。この場合、液状化した地盤は水の中に砂が混ざった状態になり、砂中にある重いものは沈み軽いものは浮き上がることになる。このような場合、鉄筋コンクリート構造の比重が2.5程度で重量の大きい防液堤2は、緩んだ地盤6に沈下したり、傾斜したり、転倒したり、又は亀裂が入って損傷するおそれがあった。
【0006】
さらにこの時にタンク1内の比重が1より小さい石油又は低温液化ガス等の貯蔵液がタンク1より漏洩した場合、これらの貯蔵液は地震で発生した比重が1より大きい水や液状化した水を含む土砂に浮かび、沈下したり傾いたりなどして損傷した防液堤2を乗り越え、タンクヤード4の外部に流出して大きな災害に進展するおそれが考えられた。また、土で作られた防液堤も同様に、地震による液状化現象等で地盤や防液堤が損傷して、漏洩した貯蔵液を受け止められなくなるおそれが考えられた。
【0007】
この発明はこれらの課題に鑑みてなされたもので、地震発生時のタンクヤード地盤の液状化現象によって防液堤が沈下や傾斜、転倒、若しくは亀裂等損傷が生じても、タンクより漏洩した比重が1以下の貯蔵液を、タンク防液堤の外部に流出させないタンク防液堤の保護構造を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明のタンク防液堤の保護構造は、リング状のフロートと該フロートから上方に向かって設けた壁材とで防護堤を形成し、該防護堤を上記防液堤の内側全周に隔接して非固定状態で地盤に据え置いて設け、タンクから漏れた貯蔵液に対しては上記フロートが浮力を受けても防護堤は、タンクから漏れた貯蔵液を上記壁材であふれさせることなく受け止め沈み、水又は液状化した水を含む土砂等の流体に対してはそのフロートが浮力を受けて防護堤が浮かぶように、上記した壁材とフロートの総重量及びフロートの体積にて上記防護堤を形成したものである。
【0009】
また、上記防護堤は、該防護堤の壁材の外面に弾性材を設け、該弾性材が上記タンク防液堤の内面側に当接し摺動自在になるように形成したものである。
【0010】
また、上記防護堤は、該防護堤のフロートを中空の密閉したリング状に形成し、該中空リング状部を周方向に仕切って複数の密閉した仕切室で形成したものである。
【0011】
また、上記防護堤は、該防護堤のフロートを地表面より低い位置の地盤に有底開渠状に形成したピット内に設けたものである。
【0012】
【作用】
この発明のタンク防液堤の保護構造は、リング状のフロートと該フロートから上方に向かって設けた壁材とで防護堤を形成し、該防護堤を防液堤の内側全周に隔接して非固定状態で地盤に据え置いて設けたので、地震の際に防護堤は防液堤とは結合されておらず別体であるため独立した挙動をする。また、地震による地盤の液状化現象により地盤から水又は水を含む土砂が噴出して地盤が軟弱化して重量の大きい防液堤が沈下したり傾いて部分的に崩れたりクラック等を生じて損傷しても、防護堤は防液堤とは別体であり独立した挙動をするため、荷重の大きい防液堤に引き込まれて一緒に沈下したり傾くなどして共に損傷することがない。
【0013】
また、防護堤はタンクから漏れた比重が1より小さい貯蔵液に対してはそのフロートが浮力を受けても浮力が小さいため浮上することがないのに対し、地震による液状化現象で発生した比重が1より大きい水又は液状化した水を含む土砂等の流体に対してはそのフロートが液体から浮力を受けて防護堤が浮かぶように、防護堤の壁材とフロートの総重量及びフロートの体積にて上記防護堤を形成したので、地震による液状化現象で水又は水を含む土砂などが発生してもフロート自体は浮力を受けて軟弱化した地盤上に浮かぶ。よって、防護堤は軟弱化した地盤内に沈下したり傾いたり部分的に変形したりクラックを生じるなどして損傷することがない。また、比重が1より小さい貯蔵液が漏れてもフロートは比重が1より小さい貯蔵液では浮力が小さいため、防護堤のフロートは浮き上がることなく沈み地盤上に接地しているため、貯蔵液を壁材であふれさせることなく受け止め外側に流出させることがない。上述のように地震による液状化現象で防液堤が損傷しても防護堤は損傷することなく、気密・液密構造を維持してタンクから漏れた貯蔵液を受け止めることができる。
【0014】
また、上記防護堤は、該防護堤の壁材の外面に弾性材を設け、該弾性材が上記タンク防液堤の内面側に弾力をもって当接し摺動自在になるように形成しているので、地震によって防液堤と防護堤が大きく揺れて接触しても、双方が弾性材を介して弾力的に当たるので破損などすることがない。また、タンクの貯蔵液が漏洩し流動して防護堤の壁材に強く当たっても、外面に設けた上記弾性材を介し衝撃力を分散し和らげて外側に位置する防液堤の壁体に弾力的に当たるので、防護堤及び防液堤双方が衝突して破損等することがない。さらにまた、上記弾性材を断熱材で形成し壁材を低温用鋼材で形成した場合には、低温貯蔵液の冷熱を上記断熱材及び防液堤と防護堤に形成される空間を介して緩和し、外側の防液堤壁体に低温貯蔵液の冷熱を急激に伝えないので熱衝撃による防液堤の損傷を防止する。このように、漏洩した低温貯蔵液を受け止める低温タンクの防液堤に適した二重安全の防液堤の保護構造になる。
【0015】
また、上記防護堤は、該防護堤のフロートを中空密閉したリング状に形成し、該中空リング状部を周方向に仕切って複数の密閉した仕切室で形成したので、例え地震等でフロートの一部の仕切室が損傷しその部分の浮力が失われても、フロート全体の浮上機能を損なうことがない。また、フロートの一部が損傷し漏れた場合、漏れ箇所の検出及び漏れ部の補修等も仕切った範囲の仕切室毎に効率良くできる。
【0016】
また、上記防護堤は、該防護堤のフロートを地表面より低い位置の地盤に有底開渠状に形成したピット内に設けたので、地震で発生した水や流動化した水を含む土砂を地表面より低い位置のピット内に集めやすく、この流入した水や流動化した水を含む土砂はピット内のフロートに浮力を与えて滑らかに浮上させ、防護堤は上昇し所定高さを維持する。また、比重が1より小さい貯蔵液が漏洩した場合には、フロートが受ける浮力は小さいため貯蔵液には浮上することなく沈み防護堤は下降し、貯蔵液を防護堤であふれさせることなく受け止める。
【0017】
【実施例】
図面に基づいて、実施例を説明する。 図1に、この発明に係る防護堤3をタンク1の周囲で防液堤2の内側位置全周に、隔接して固定することなく別体に巡らせて設けた場合を示す。図2は、大規模な地震によって地盤6が液状化現象を起こし、防液堤2が軟弱化した地盤17内に沈下し損傷して、さらに加えて地震によってタンク1が損傷等して貯蔵液5が流出し、この貯蔵液5をリング状のフロート11を設けた防護堤3で受け止めた状態を示す。
【0018】
鉄筋コンクリート構造の防液堤2の場合、防液堤2は地盤6に埋設された下端部の底版7とフーチング8とからなる基礎9と、該基礎9上に直立する壁体10とから逆T字形状に形成されている。この防液堤2の内側に所定間隔を置きタンク1の全周にわたって防護堤3を巡らせて設ける。該防護堤3は下端部に浮力体よりなるリング状のフロート11と、該フロート11から上方に向かって平板よりなる壁材12とで形成し、該防護堤3の上端部を上記防液堤2の壁体10の上端より延出して設ける。
【0019】
上記浮力体のフロート11は鋼製などの耐火・耐熱部材で、縦断面矩形又は円形等の形状で、内部が空洞の中空密閉した筒体状又は空洞のない全体軽量材で形成し、腐食しない材料又は外表面を防食コーティングなどして形成する。また上記平板の壁材12は鋼製などの耐火・耐熱部材で、気密・液密の剛性材で形成し、腐食しない材料又は外表面を防食コーティングなどして形成する。このように形成する防護堤3は後に詳述するが、水や液状化した水を含む土砂で浮いて上下可動になるように、地盤6上に載置するか又はフロート11下部の一部又は全部を地盤6に埋没させて据え置く。
【0020】
上記防護堤3は、比重が1より小さい貯蔵液5が漏洩した場合に、フロート11が該貯蔵液5に漬かった状態ではフロート11の浮力が小さいためフロート11が貯蔵液5の底部に沈み防護堤3が浮き上がらないのに対し、比重が1より大きい水又は液状化した水を含む土砂に対してはフロート11が該水等に漬かった状態ではフロート11の浮力が大きいため防護堤3が水等の中で浮かぶように、防護堤3を構成する壁材12部材及びフロート11部材の総重量と浮力を受けるフロート11の体積を設定して防護堤3を構築する。
【0021】
また、上記防護堤3の壁材12の外面には必要に応じて、周方向にわたって所定の上下間隔をおいてリング状の形鋼等の剛性部材よりなる補強材13を設ける。また、図のように防液堤2に当接する場合には、この補強材13の先端部等に耐火・耐熱の弾力部材よりなる弾性材14を設け、防護堤3が防液堤2に弾力的かつ摺動自在に当接するように形成する。また、壁材12の上端部には接続材15を設け、この接続材15の下部には上記弾性材14と同様の部材よりなる支承材16を設けて、弾力的に防液堤2の壁体10上端部と当接し上部を覆い閉塞するように形成する。
【0022】
図2に示すように、大きな地震によって地下水や水を含む土砂が地下から噴出して地盤6が液状化現象を起こした場合、液状化した軟弱な地盤17で荷重の大きいコンクリート構造の防液堤2は部分的に沈下したり傾いたり、壁体10にクラック18などが発生し損傷する。このような場合、上述した防護堤3は防液堤2とは結合することなく別体であるため独立した挙動をして、またフロート11を設けたので水や土砂内に沈下し傾斜するなど部分的に応力を受けることなく液状化した地盤17上に浮かぶため液状化現象によって損傷することがない。
【0023】
さらに、地震によってタンク1が損傷などして貯蔵液5が漏洩した場合、上述したように、防液堤2は沈下などして損傷し貯蔵液5を受け止めることができないが、防護堤3のフロート11は液状化した地盤17に沈んだり傾斜などして損傷することなく、また比重が1より小さい貯蔵液5に対しては浮上することがないので、フロート11の下端部が貯蔵液5下部の地盤17上に接地して貯蔵液5を壁材12であふれさせることなく受け止め、貯蔵液5を外部に流出させることがない。
【0024】
また前述のように、防護堤3の壁材12の外面所定位置に弾性材14を設けたので、地震による大きな揺れで防護堤3が防液堤2の壁面10に接触したり強く当たっても、この弾性材14を介して弾力的に当たるので防液堤2及び防護堤3双方が損傷することがない。さらに、漏洩した貯蔵液5が流動して防護堤3の壁材12に強く衝突しても、上記弾性材14を介し衝撃力を分散緩和して外側に位置する防液堤2の壁体10に弾力的に当たるので、防液堤2及び防護堤3双方が漏洩した貯蔵液5の流出した力で破損などすることがない。
【0025】
また、上記弾性材14を断熱材で形成しかつ上記壁材12を低温用鋼材等で形成した場合には、隔接した防液堤2と防護堤3の空間及び断熱材よりなる弾性材14を介して冷熱が伝わるので、低温貯蔵液の冷熱を外側の防液堤2の壁体10に直接伝えず熱衝撃を与えないので、急冷によるコンクリート体等よりなる壁体10に熱損傷が生じることもない。このように、漏洩した低温貯蔵液5を緩やかに熱影響を小さくして受け止める二重安全の防液堤2の保護構造になる。
【0026】
図3に防護堤3Aの他の実施例を示す。この防護堤3Aのフロート11Aは、内部に密閉した空間を有する中空の周方向に沿ったリング状に形成し、中空部を周方向に仕切る仕切り19を設け複数の独立密閉した仕切室20に形成する。このように独立密閉した仕切室20を形成したので、例え地震等でフロート11Aの一部の仕切室20が損傷しその浮力が失われても、フロート11A全体の浮上機能を損なうことがない。また、フロート11Aの損傷部の検査や補修等も仕切った範囲の仕切室20毎に順次作業効率良くできる。
【0027】
また、図3のフロート11Aは、内側の垂直壁面を壁材12Aを下方に延長して併用して形成した場合を示す。このようにするとフロート11Aは壁材12Aの下部外周をリング状に補強する補強部材になり防護堤3Aの周方向の強度が上がる。また、仕切り区分毎に分割しフロート11Aと壁材12A等を一体に工場内で製作し、現場で分割したものを連結し組立てるようにして製作費の低減及び作業能率を向上することができる。
【0028】
図4は、防液堤2の内側全周に沿って地表面より低い位置の地盤6に、有底開渠状に形成したピット21を設け、このピット21に防護堤3Bを外周壁面を隔接して収容形成した場合を示す。この防護堤3Bのフロート11Bは、タンクヤード4の地盤6に設けたピット21内の水に浮かんで円滑に上下動するように形成する。このフロート11Bは、水や水を含む液状化した土砂等がピット21内に流入した場合、滑らかに浮上して所定高さを維持する。また防護堤3Bは、地震によって傾いたり倒れたりすることなく垂直に上下動して、万一タンクの貯蔵液5が漏洩しても貯蔵液5では浮上することなく、貯蔵液5を受け止めることができる。
【0029】
図4に示すピット21は、地震でタンクヤード4の地盤6が液状化現象を起こした場合に、発生した水や水を含む土砂を地表面より低い位置のピット21内に集めやすいので、タンクヤード4に部分的に発生した液状化した水や土砂をピット21内に集め平均化して、前述したように防護堤3Bの上下動を良くし所定の高さ位置に維持する。また、平常時にはタンクヤード4内の周囲に巡らす雨水などの排水溝に使用することができ、さらにまた、地下水位が高い場合などには地下水と連通させて排水を調整し、地下水位を下げてタンクヤード4の地盤6の軟弱化を防止することもできる。
【0030】
なお、図1及び図2、図4に示した防液堤2はコンクリート構造の場合を示したが、土で構築した防液堤2の場合にも、該防液堤2の内側全周に所定間隔をおいて上述と同様の防護堤3を巡らせて設けることによって、地震による液状化現象に対して沈下などして損傷することがなく上述と同様の効果が得られる。
【0031】
【発明の効果】
この発明のタンク防液堤の保護構造は、リング状のフロートと該フロートから上方に向かって設けた壁材とで防護堤を形成し、該防護堤を防液堤の内側全周に隔接して非固定状態で地盤に据え置いて設けたので、地震があっても防液堤とは独立した挙動をする。よって、地震による地盤の液状化現象により地盤から水又は水を含む液状化した土砂が噴出して基礎が軟弱化して防液堤が沈下したり傾いて損傷しても、防護堤は防液堤とは別体であるため独立した挙動をして同時に損傷することがない。また防護堤は、タンクから漏れた貯蔵液に漬かった場合には上記壁材で貯蔵液をあふれさせることなく受け止めた状態で沈むのに対し、地震で発生した水又は液状化した水を含む土砂等の流体にそのフロートが漬かった場合に浮力を受けて防護堤が浮かぶように、防護堤の壁材とフロートの重量及びフロートの体積にて形成したので、地震による液状化現象が発生しても防護堤は沈下したり傾斜して損傷するといったことがない。従って、貯蔵液が漏れても防護堤は漏れた貯蔵液を受け止め外部に貯蔵液を流出させることがなく安全を維持する。
【0032】
また、防護堤の壁材の外面に弾性材を設け、該弾性材を上記タンク防液堤の内面側に摺動自在に当接して形成した防護堤は、タンクの貯蔵液が漏れて防護堤の壁材に強く当たっても、荷重が弾力的に受け止められ破損等することがなく安全に貯蔵液を受け止めることができる。さらにまた、上記防護堤を低温用材料で形成した場合には、低温貯蔵液の冷熱を防液堤に直接伝えることなく受け止める二重安全の防液堤の保護構造が得られる。
【0033】
また、防護堤のフロートを中空リング状に形成し、該中空リング状部を周方向に仕切って複数の密閉した仕切室で形成した防護堤は、地震等で一部の仕切室が損傷してもフロート全体の機能を損なうことがなく、漏洩した貯蔵液を安全に受け止めることができる。また、防護堤のフロートのメンテナンスや損傷時の補修等も効率良くできる。
【0034】
また、防護堤のフロートを地表面より低い位置の地盤に有底開渠状に形成したピット内に設けた防護堤は、水や水を含む液状化した土砂をピット内に集めやすく、ピット内での上下動が円滑になる。また、防護堤の所定高さを維持し漏洩した貯蔵液を安全に受け止めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る防護堤をタンク防液堤の内側に設けた縦断面説明図である。
【図2】地震で地盤が液状化現象を起こして防液堤が沈下し、さらに流出した貯蔵液を防護堤で受け止めた場合を示す縦断面説明図である。
【図3】防護堤の他の実施例を示す一部を欠除した説明図である。
【図4】地盤に形成したピットに防護堤を設けた場合を示す縦断面説明図である。
【図5】従来のタンク防液堤を示す説明図である。
【図6】従来の鉄筋コンクリート構造の防液堤を示す縦断面説明図である。
【符号の説明】
1 タンク 11,11A,11B フロート
2 防液堤 12,12A,12B 壁材
3,3A,3B 防護堤 13 補強材
4 タンクヤード 14 弾性材
5 貯蔵液 15 接続材
6 地盤 16 支承材
7 底版 17 地盤
8 フーチング 18 クラック
9 基礎 19 仕切り
10 壁体 20 仕切室
21 ピット

Claims (4)

  1. リング状のフロートと該フロートから上方に向かって設けた壁材とで防護堤を形成し、該防護堤を防液堤の内側全周に隔接して非固定状態で地盤に据え置いて設け、かつ上記防護堤を、タンクから漏れた貯蔵液に対しては上記壁材であふれさせることなく受け止めた状態で沈み、水又は液状化した水を含む土砂等の流体に対しては浮かぶ浮力を生じるフロートの体積と防護堤の重量で形成したことを特徴とするタンク防液堤の保護構造。
  2. 上記防護堤の壁材の外面に弾性材を設け、該弾性材を上記タンク防液堤の内面側に摺動自在に当接して形成したことを特徴とする請求項1記載のタンク防液堤の保護構造。
  3. 上記防護堤のフロートを中空リング状に形成し、該中空リング状部を周方向に仕切って複数の密閉した仕切室で形成したことを特徴とする請求項1又は2記載のタンク防液堤の保護構造。
  4. 上記防護堤のフロートを、地表面より低い位置の地盤に有底開渠状に形成したピット内に設けたことを特徴とする請求項1、2又は3記載のタンク防液堤の保護構造。
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