JP3585900B2 - 鋼管構造物内面除錆処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼管構造物の内面を防錆処理する設備において、鋼管構造物の内面から錆を除去する鋼管構造物内面除錆処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼管構造物の内面防錆処理は、大別して鋼管構造物の内面調査過程と、調査結果にもとづく内面除錆処理過程と、除錆後の内面塗装処理過程とがある。
【0003】
(1) 従来の内面調査過程
従来、密閉された鋼管構造物の内面は空気の流通がなく、腐食はほとんどないであろうということを前提にしていた。したがって、適切な調査方法がいまだ確立されていない。しかし、そのうちのいくつかの代表例には次のようなものがある。
まず、現地で鋼管構造物から採取した鋼管部材を縦に二分割し、膜厚測定器で膜厚を測定する方法がある。この方法は、部材を破壊して調査するので、時間とコストの面で効率が悪い。
鋼管部材内部にプローブを挿入し、膜厚を測定する方法もある。この方法は、測定部表面に酸化皮膜があるため、真の膜厚を測定できない。真の値を測定するためには、酸化皮膜を機械的に除去する必要がある。
鋼管部材外部から板厚測定器を用いて鋼管肉厚を測定する方法もある。この方法は、鋼管部材外部からの非破壊検査という点では優れているが、測定精度が低い。
鋼管部材内部に内視鏡を挿入し、目視により評価する方法もある。この方法は、鋼管部材の最初の挿入部が細く、挿入するに従って管径が太く変化するので、内視鏡を部材内部に保持しながら移動させるサポート機構の製作が困難である。場合によっては、部材に孔を開けて内視鏡を挿入することもできるが、開孔後の部材強度が低下する。
さらに、木槌、プラスチックハンマ等で打撃し、腐食生成物の落下または開孔の有無から評価する方法もある。この方法は、錆の進行が著しい箇所の検出には適するが、検出時期が遅くなる。
【0004】
(2) 従来の内面除錆処理過程
従来、密閉された鋼管構造物の内面は空気の流通がなく、腐食はほとんどないであろうということを前提にしていたので、適切な除錆方法がいまだ確立されていない。しかし、そのうちのいくつかの代表例には、次のようなものがある。
鋼管構造物から鋼管部材の一部を取り外し、調査の結果にもとづいて除錆する方法がある。この方法は、取り外した鋼管部材が主柱材である場合、仮の補強材を取り付ける必要がある。主柱材は鋼管構造物に働く主応力を担っている部材であり、容易に取り外すことは困難である。さらに、鋼管構造物の建設場所は山間部が多く、重機の搬入、取外・取付作業に難がある。
そのため、鋼管部材を取り外すことなく鋼管構造物内面の除錆をする方法が必要となる。しかし、鋼管構造物はほぼ垂直に建設されており、部材の長さも200mを越える場合があり、部材内へ除錆装置を挿入した後、必要位置へ移動させて部材内面の除錆をすることは難しい。さらに、主柱材の部材寸法は、地上高が高くなるほど細く、低くなるほど太く変化するため、部材寸法に合わせて使用する装置を替える必要がある。その上、作業員は鋼管構造物の頂部へ昇り、高所、狭隘な作業空間内で作業を行わなくてはならず、大がかりな動力源や複雑な除錆装置を使用することには多くの問題がある。
【0005】
(3) 従来の内面塗装処理過程
上記の(1)および(2)で述べた方法を利用して、内部挿入塗装、外部塗装、一部取外塗装等を行ったとしても、上述と同様な問題が残る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来、密閉された鋼管構造物の内部は原則的には空気の流通がなく、腐食はほとんど発生しない筈である。しかし、鋼管構造物が完全に密閉されていない場合、または経年変化によりわずかな間隙が生じた場合、気温の変化によって内部空気が開口部または間隙部を通じて鋼管構造物内に流出入し、鋼管内面に結露し、その結果、鋼管内面の腐食が進行することもある。さらに、近年、環境破壊の一因として問題視されている酸性雨による腐食も無視できず、また、雨水が鋼管構造物内に流入し、内部に滞留した場合には腐食の進行が著しい。
【0007】
そこで、本発明は、鋼管構造物の内面を防錆処理する設備において、鋼管構造物の内面調査過程、調査結果にもとづく内面除錆処理過程、除錆後の内面塗装処理過程に広く適用できるが、主として内面除錆処理過程に特に適しかつ外部から簡単に遠隔操作できる鋼管構造物内面除錆処理装置を提供することを課題にしている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、鋼管構造物の内面を防錆処理する設備において、鋼管構造物の内面調査過程、調査結果にもとづく内面除錆処理過程、除錆後の内面塗装処理過程に広く適用できる。以下、各過程における課題解決手段について述べる。
【0009】
(1) 鋼管構造物内面調査過程
本過程において使用される鋼管構造物内面調査装置の構成要件は次のとおりである。
a)鋼管部材内面の除錆すべき箇所(以下、単に「除錆部」と言う。)における防錆処理作業を監視、確認するための側方監視カメラ。
b)鋼管部材内の前進方向先端位置に設けられていて、鋼管部材内面の錆を見付けるための前方監視カメラ。
c)各ユニットを鋼管部材内で随意に移動させるための制御可能移動ユニット。
d)各ユニットをその内部に格納して一体化するためのケーシング。
e)位置保持ユニットは、少なくとも2組の開閉脚自在な3本のアームにより構成されること。
【0010】
本発明に適用できる鋼管構造物内面調査装置は、まず、鋼管構造物の構成部材の狭い開口可能部から調査装置を挿入する。内面調査装置は、挿入された後、鋼管部材内部のほぼ中央に保持されるため、部材内を自由に移動でき、内面調査装置に組み込まれた2つのカメラで除錆部を検出できる。内面調査装置に組み込まれた前方のカメラで検出が困難な場合、後方のカメラで観察を行う。後方のカメラにはミラーが装着されかつ回転機能を有しているので詳細な観察が可能である。鋼管構造物の開口可能部にはメジャリング・ロールが設置され、内面調査装置の挿入によりワイヤ等をかいしてメジャリング・ロールが回転し、その回転数で内面調査装置の挿入長を計測することができる。さらに、除錆部の映像データをパーソナルコンピュータへ入力し、画像解析によりその寸法を計測することができる。
【0011】
内面調査装置は、ワイヤで吊り下げられ、部材内部に保持するためのサポート機構により部材内部に保持することが可能である。装置に内蔵された電磁弁を作動させ、エアー・シリンダを駆動してサポート機構が開閉でき、このサポート機構を開いて構造物内面に押し付けることにより、装置を部材内部に保持することができる。そのため、装置が部材内部を移動しても、部材内部に保持され続ける。装置を吊り下げているワイヤを昇降させることで、部材内部を長手方向へ自由に移動できる。さらに、部材に接するサポート機構先端部にベアリング等を配置することで、装置は鋼管内面を滑らかに移動できる。
【0012】
(2) 鋼管構造物内面除錆処理過程
本過程において使用される鋼管構造物内面除錆処理装置の構成要件は次のとおりである。
a)鋼管部材内面の除錆部付近に気密空間を形成するための密閉ユニット。
b)気密空間内を実質的な真空状態にするための真空ユニット。
c)気密空間内にある錆を真空アークによって除去するように気密空間内に設けられた放電電極と、放電電極に放電電圧を印加するための高電圧供給電源とを備えた放電ユニット。
d)少なくとも密閉ユニットを鋼管部材内の所望の位置に固定するための位置保持装置。
e)鋼管部材内面の除錆部における防錆処理作業を監視、確認するための側方監視カメラ。
f)鋼管部材内の前進方向先端位置に設けられていて、鋼管部材内面の錆を見付けるための前方監視カメラ。
g)各ユニットを鋼管部材内で随意に移動させるための制御可能移動ユニット。
h)各ユニットをその内部に格納して一体化するためのケーシング。
i)密閉ユニットは、鋼管部材内面に圧接されてその内部を気密状態に保持可能なマグカップと、マグカップを鋼管部材内面に押圧するためのアーム・リンクとから構成されること。
j)密閉ユニットは空気を注入することにより膨張する1対のバルーンにより構成され、バルーンは膨張時に鋼管内面にそれぞれ圧接することにより両者間に位置する鋼管部材内の空間を密封すること。
k)位置保持ユニットは1対のバルーンであること。
l)位置保持ユニットは、少なくとも2組の開閉脚自在な3本のアームにより構成されること。
m)位置保持ユニットは、少なくとも密閉ユニットの向きを鋼管内周面方向に移動させるための回転ユニットを備えていること。
【0013】
本発明に適用できる鋼管構造物内面除錆処理装置は、上記構成要件を要約すれば、鋼管内面の除錆すべき箇所付近に気密空間を形成するための密閉ユニットと、気密空間内を実質的な真空状態にする真空ユニットと、気密空間内にある錆を真空アークによって除去するように気密空間内に設けられた放電電極および放電電極に放電電圧を印加する高電圧供給電源を備えた放電ユニットとからなる。
【0014】
本発明の鋼管構造物内面除錆処理装置は、まず、鋼管構造物の構成部材の狭い開口可能部から調査装置を挿入する。除錆処理装置は挿入された後、鋼管部材内部に保持されるため、部材内を自由に移動でき、調査装置に組み込まれたカメラで除錆部を検出できる。次に、内面調査装置と同じ方法で、開口可能部から除錆処理装置を検出された除錆部まで挿入し、部材内部に保持し、装置に組み込まれたカメラで除錆部を確認する。鋼管構造物の開口可能部にはメジャリング・ロールが設置され、調査装置の挿入によりワイヤ類を介してメジャリング・ロールが回転し、その回転数で調査装置の挿入長を計測することができる。さらに、除錆部の映像データをパーソナルコンピュータへ入力し、画像解析によりその寸法を計測することができる。
【0015】
装置はワイヤで吊り下げられ、かつ、部材内部に保持するためのサポート機構により部材内部に保持することが可能である。装置に内蔵された電磁弁を作動させ、エアー・シリンダを駆動してサポート機構が開閉でき、このサポート機構を開いて構造物内面に押し付けることにより、装置を部材内部に保持することができる。そのため、装置が部材内部を移動しても、部材内部に保持され続ける。装置を吊り下げているワイヤを昇降させることで、装置は部材内部を長手方向へ自由に移動できる。さらに、部材に接するサポート機構先端部にベアリング等を配置することで、装置は鋼管内面を滑らかに移動できる。
【0016】
(3) 鋼管構造物内面塗装処理過程
本過程において使用される鋼管構造物内面塗装処理装置の構成要件は次のとおりである。
a)除錆部に防錆材料を塗布するための塗布ユニット。
b)鋼管部材内面の除錆部における防錆処理作業を監視、確認するための側方監視カメラ。
c)鋼管部材内の前進方向先端位置に設けられていて、鋼管部材内面の錆を見付けるための前方監視カメラ。
d)各ユニットを鋼管部材内で随意に移動させるための制御可能移動ユニット。
e)各ユニットをその内部に格納して一体化するためのケーシング。
f)位置保持ユニットは、少なくとも2組の開閉脚自在な3本のアームにより構成されること。
g)位置保持ユニットは、少なくとも密閉ユニットの向きを鋼管内周面方向に移動させるための回転ユニットを備えていること。
【0017】
鋼管構造物内面塗装処理装置の内部には、塗装ユニットが組み込まれていて、内蔵されたモータで軸方向に回転できる。塗装ユニットは、塗装するためのノズル、スプレー缶、刷毛塗り用ローラ等が組み込まれている。その他の構成は、上述の鋼管構造物内面除錆処理装置と同様である。
【0018】
鋼管構造物内面塗装処理装置は、単独でも、または鋼管構造物内面除錆処理装置と合体されてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
図面を参照して、本発明が適用される鋼管構造物内面防錆処理設備の実施例について説明する。
【0020】
図1は、鋼管構造物の代表例である通信用鋼管鉄塔100の側面図であって、その構成部材の取付状態を概略的に示す。鉄塔100は、鋼管構造物のなかでは構造が比較的複雑なものである。鉄塔100の構成部材である主柱材Aは地面に対して所定の角度で傾斜して立てられている。主柱材Aの鋼管径サイズは一定区間ごとに異なっており、頂部が細く、地上へ近づくほど太くなる傾向がある。なお、主柱材Aは、フランジ継手Dによって相互に結合されている。
【0021】
図2は、鉄塔頂部主柱材Aの端部Bの拡大側面図である。主柱材Aの端部は頂部プレートCで覆われており、頂部プレートCを取り外した後、主柱材端部Bより内面調査装置Eまたは除錆・塗装処理装置Fを挿入する。除錆・塗装処理装置Fは、除錆処理装置のみ単独で、または塗装処理装置のみ単独であってもよい。
【0022】
図3は、本発明に使用する内面調査装置Eの側面図である。内面調査装置Eは保持部1と、カメラ部2とから構成される。内面調査装置Eは主柱材外部に配置された吊上ユニット13(図2)から伸びるワイヤ3で吊り下げられている。また、内面調査装置Eの上側の保持部1には、サポート機構4が3段に設けられ、各段のサポート機構4には少なくとも3本のアーム41が120度の間隔をあけて開閉自在に取り付けられる。各段のサポート機構4には電磁弁5とエアー・シリンダ6とが連結される。内面調査装置Eは、保持部1の電磁弁5に通電し、エアー・シリンダ6を作動し、サポート機構4のアーム41を開き、主柱材Aの内面を押し付け、そして、内面調査装置Eの上部に取り付けられたワイヤ3の下降を停止することにより、内面調査装置Eを主柱材A内部の任意の位置に安定保持される。
【0023】
図3に示すように、内面調査過程においては、内面調査装置Eを主柱材Aの内部に保持しながら主柱材Aの内面Gをカメラ7または8で観察する。主柱材Aの内部は暗いため、主柱材内面Gを照射する照明9、10が配置される。通常は直視タイプのカメラ7で観察し、観察し難い映像があると、側視タイプのカメラ8で観察する。カメラ8は調査部位に接近することが可能である。ミラー11を回転モータ12で回転させることにより、360度方向の観察が可能である。
【0024】
内面調査装置Eを移動させる場合、下降移動は図3に示す状態で、サポート機構4のアーム41の開き角度を部材内径寸法より若干小さくし、ワイヤ3を下降させる。内面調査装置Eがフランジ継手Dを通過する場合には、下側のサポート機構4のアーム41がフランジ継手Dの段差部H(図4)に接触したとき、下側のサポート機構4のアーム41を閉じ、ワイヤ3を緩め、段差部Hを通過させる。次に、中央のサポート機構4のアーム41が段差部Hに接触したとき、中央のサポート機構4のアーム41を閉じ、ワイヤ3を緩め、段差部Hを通過させる。最後に上側のサポート機構4のアーム41が段差部Hに接触したとき、上側のサポート機構4を閉じ、ワイヤ3を緩め、段差部Hを通過させる。上昇移動は、図3の状態でワイヤ3を引き上げることにより可能となる。フランジ継手Dの段差部H(図4)の部位での上昇移動は、前述の下降移動と同一の手順を逆に行えばよい。
【0025】
内面調査装置Eで腐食等により除錆および防錆が必要な除錆部Jを検出した場合、その位置を計測することが可能である。内面調査装置Eの主柱材Aへの挿入長さは、内面調査装置Eを吊り下げているワイヤ3が、吊上ユニット13内部に組み込まれているメジャリング・ロール14(図2)を回転し、その回転数によってワイヤ挿入長を計測できる。さらに、除錆部Jの映像データをパーソナルコンピュータ(図示せず)に入力し、画像解析によりその寸法を計測することができる。
【0026】
図5は、本発明に使用する内面除錆・塗装処理装置Fの側面図である。本実施例では、内面除錆処理装置と内面塗装処理装置とが一体に組み込まれているが、それらは別体であってもよい。内面除錆・塗装処理装置Fは、保持部1、回転部27、および除錆・塗装部28から構成されている。内面除錆・塗装処理装置Fの挿入長をメジャリング・ロール(図2に示すメジャリング・ロール14と同様なもの)により計測しながら、除錆部Jまで挿入する。除錆・塗装処理装置Fの移動方法は、上述の内面調査装置Eの移動方法と同じである。
【0027】
図5は、アームスイング・モータ17および18を駆動し、アーム19、20でマグカップ15を除錆部Jに接触させている状態を示す。この2つのアーム19、20によりマグカップ15を、除錆部Jに安定かつ直角に当てることが可能である。なお、マグカップ15の円周方向の移動は回転部27の軸回転モータ21により容易に行うことができる。
【0028】
図6は、除錆部Jとマグカップ15とで囲まれた空間を、真空ポンプ16により導管161、162をかいして真空にしている状態を示す説明図である。なお、図6において一点鎖線A1で囲まれた部分は、主柱材Aの内部の一部分を示す。マグカップ15内部が所定の圧力に達した後、マグカップ15内に配置されかつ高電圧供給電源31の電極29と主柱材Aの除錆部Jとの間で真空アーク放電を起こし、除錆部Jの錆を落とすことができる。除錆完了後、除錆部Jの状態をカメラ24(図5)で確認する。マグカップ15に代えて、膨張・収縮自在のバルーン(図示せず)を2個用いてバルーン間の空間を密封することもできる。
【0029】
図5は、電磁弁塗装ユニット22に組み込まれたノズル23から塗料を除錆部Jに吹き付けている状態を示す。これらの除錆・塗装処理装置Fの一連の作業は、除錆・塗装部28に組み込まれているカメラ24、ミラー26、照明25、30で観察する。ミラー26は除錆および/または塗装の状態が鮮明に観察できるように角度を変えることができる。
【0030】
なお、上述の除錆・塗装処理装置Fを鋼管構造物内面除錆処理装置として単独で構成する場合には、この鋼管構造物内面除錆処理装置は、鋼管内面の除錆すべき箇所付近に気密空間を形成するための密閉ユニット(15)と、気密空間内を実質的な真空状態にする真空ユニット(16、161、162)と、気密空間内にある錆を真空アークによって除去するように気密空間内に設けられた放電電極(29)および放電電極に放電電圧を印加する高電圧供給電源(31)を備えた放電ユニット(29、31)とからなる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
(1) 鋼管構造物内面調査過程においては、鋼管構造物の開口可能部から装置をワイヤ等により吊り下げて挿入し、開口可能部でワイヤ等の長さを調節することにより、内面調査装置を鋼管部材の内部に保持した状態で移動しながら、カメラにより鋼管部材内面の腐食状態を観察し、除錆部を検出することができるため、部材を取り外したり、取り替えたりせずに調査ができ、経済的かつ安全に作業時間の短縮ができる。
(2) 鋼管構造物内面調査、除錆、塗装過程において、サポート機構は、狭い場所も容易に挿入できるように小さく設計されており、挿入後は、装置の上側に備えられた3段のサポート機構のアームを自由に開閉できるので、部材寸法が異なる位置の移動および保持が容易にできる。
(3) 内面調査装置には2つのカメラが配置されていて、鋼管構造物の部材寸法、除錆部の大きさ等により観察するカメラを使い分けることにより、腐食状態の検出精度を上げることができる。
(4) 鋼管構造物の開口可能部に配置されたメジャリング・ロールは、内面調査装置にワイヤ等で連結されており、内面調査装置の挿入によりメジャリング・ロールが回転し、その回転数で内面調査装置の挿入長を計測することができる。さらに、除錆部の映像データをパーソナルコンピュータに入力し、画像解析によりその寸法を計測することができる。
(5) 除錆処理装置は、除錆部にマグカップを正確に移動させ、そこに隙間が生じないように接触させることができる。
(6) マグカップ内部を真空ポンプで減圧すると、マグカップは鋼管の湾曲内面に確実に吸着する。マグカップ内の電極と腐食部との間で真空アーク放電させ、限られた空間内で除錆することができる。
(7) 内面除錆・塗装処理装置は、除錆・塗装処理をほぼ同時に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は鋼管構造物の代表例である通信用鋼管鉄塔の側面図であって、その構成部材の取付状態を概略的に示す。
【図2】図2は鉄塔頂部主柱材の端部の拡大側面図である。
【図3】図3は本発明に使用する内面調査装置の側面図である。
【図4】フランジ継手の拡大縦断面図である。
【図5】図5は本発明に使用する内面除錆・塗装処理装置の側面図である。
【図6】図6は除錆部とマグカップとで囲まれた空間を真空ポンプにより真空にしている状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1:保持部、 2:カメラ部、 3:ワイヤ、 4:サポート機構、 5:電磁弁、 6:エアー・シリンダ、 7、8:カメラ、 9、10:照明、 11:ミラー、 12:回転モータ 13:吊上ユニット、 14:メジャリング・ロール、 15:マグカップ、 16:真空ポンプ、 17、18:アームスイング・モータ、 19、20:アーム、 21:軸回転モータ、 22:電磁弁塗装ユニット、 23:ノズル、 24:カメラ、 25、30:照明 26:ミラー、 27:回転部、 28:除錆・塗装部、 29:電極、 31:高電圧供給電源、 41:アーム、 100:通信用鋼管鉄塔、 161、162:導管、 A:主柱材、 B:端部、 C:頂部プレート、 D:フランジ継手、E:内面調査装置、 F:除錆・塗装処理装置、 G:主柱材内面、H:段差部、 J:除錆部。

Claims (2)

  1. 鋼管構造物の内面を防錆処理する設備において、
    鋼管部材内の前進方向先端位置に設けられていて、鋼管部材内面の錆を見付けるための前方監視カメラと、
    鋼管部材内面の除錆部における防錆処理作業を監視、確認するための側方監視カメラと、
    鋼管部材内面に圧接されてその内部を気密状態に保持可能なマグカップと、マグカップを鋼管部材内面に押圧するためのアーム・リンクとから構成される、鋼管部材内面の除錆部付近に気密空間を形成するための密閉ユニットと、
    前記気密空間内を実質的な真空状態にする真空ユニットと、
    前記気密空間内にある錆を真空アークによって除去するように該気密空間内に設けられた放電電極および該放電電極に放電電圧を印加する高電圧供給電源を備えた放電ユニットと、
    少なくとも2組の開閉脚自在な3本のアームにより構成され、前記密閉ユニットおよび側方監視カメラの向きを鋼管内周面方向に移動させるための回転ユニットを備えた位置保持ユニットと、
    各ユニットをその内部に格納して一体化するためのケーシングと、
    各ユニットを鋼管部材内に吊り下げて随意に上下に移動させるための制御可能移動ユニットと
    からなる、鋼管構造物内面除錆処理装置。
  2. 鋼管構造物の内面を防錆処理する設備において、
    鋼管部材内の前進方向先端位置に設けられていて、鋼管部材内面の錆を見付けるための前方監視カメラと
    鋼管部材内面の除錆部における防錆処理作業を監視、確認するための側方監視カメラと、
    1対のバルーンにより構成され、空気を注入して膨張したときに鋼管内面にそれぞれ圧接することにより両者間に位置する鋼管部材内面の除錆部付近に気密空間を形成するための密閉ユニットと、
    前記気密空間内を実質的な真空状態にする真空ユニットと、
    前記気密空間内にある錆を真空アークによって除去するように該気密空間内に設けられた放電電極および該放電電極に放電電圧を印加する高電圧供給電源を備えた放電ユニットと、
    前記1対のバルーンにより構成され、少なくとも放電ユニットおよび側方監視カメラの向きを鋼管内周面方向に移動させるための回転ユニットを備えた位置保持ユニットと、
    各ユニットをその内部に格納して一体化するためのケーシングと、
    各ユニットを鋼管部材内に吊り下げて随意に上下に移動させるための制御可能移動ユニットと
    からなる、鋼管構造物内面除錆処理装置。
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