JP3584923B2

JP3584923B2 - Hot rolled steel sheet manufacturing method

Info

Publication number: JP3584923B2
Application number: JP2001335156A
Authority: JP
Inventors: 良則祝田; 朝志衣笠; 憲治清水; 主税中塚; 茂樹田中
Original assignee: JFE Steel Corp
Current assignee: JFE Steel Corp
Priority date: 2001-10-31
Filing date: 2001-10-31
Publication date: 2004-11-04
Anticipated expiration: 2021-10-31
Also published as: JP2003136113A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱延鋼板の製造方法に関するものであり、より詳細には仕上圧延における圧延方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
熱間圧延ラインで熱延鋼板を製造する際、仕上圧延機出側温度（以下ＦＤＴと略す）は熱延鋼板の材質特性を決めるうえで重要な要素の一つである。そのため、仕上圧延中は、所定のＦＤＴが得られるよう、仕上圧延機スタンド間に設けられた鋼板を冷却するための冷却水（以下、スタンド間冷却と呼ぶ）の流量または噴射ヘッダー数、および圧延速度を制御している。
【０００３】
被圧延材の全長で所定のＦＤＴを確保するため、まず被圧延材先端部で、目標とするＦＤＴを確保するための初期値の設定が行われる。例えば、材料諸元として鋼種、板厚、板幅、目標ＦＤＴを用意しておき、粗出側温度または仕上入側温度の実測結果により、スタンド間冷却の噴射水量または噴射するヘッダー数や位置、および仕上圧延機の初期通板速度（ベース速度）を決定する。
【０００４】
そして、被圧延材先端部が仕上圧延機最終スタンドを通過後、圧延速度の加速を行い、同時にスタンド間冷却の噴射水量（噴射ヘッダー数）も増加して、全長で目標とするＦＤＴを確保する。このようなスタンド間冷却の流量制御方法として、特開平６−５２７号公報には、先端部の通板時には冷却水を止めておき、先端部が巻取機に巻付き後に水量を漸増する方法が記載されている。
【０００５】
ところで、圧延にともなってワークロールの温度は上昇する。そこで、圧延中はワークロールへ冷却水（以下、ワークロール冷却と呼ぶ）を噴射している。ワークロール冷却は、従来は圧延材料待機中のアイドル時には水量を絞り、被圧延材先端の圧延機への噛み込みと同時に定常量まで流量増加していた。それに対し、特開昭６０−１１５３１３号公報には、被圧延材先端の噛み込み後所定時間経過した後に流量増加する方法が記載されている。また、特開昭６１−１５９２１０号公報には、ワークロール冷却水量を圧延ロールの熱負荷に応じて流量を制御する方法が記載されている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
前記仕上圧延機のベース速度には、安定通板性の問題から上限値が存在することが知られている。前記の先端通板時の初期値設定を行う際にこの上限に掛かると、圧延速度を抑える、つまり圧延時間を必要以上に長くとることになり、被圧延材先端部が冷えて目標とするＦＤＴが確保できなくなる。特に、近年その比率が増加している薄物材料の場合に、その傾向が顕著である。このような場合には、一般には、スタンド間冷却の冷却水量を減少あるいは停止する対策が取られる。
【０００７】
しかし、特に最近、製品の表面性状に対する要求が厳しく、スタンド間冷却を停止できない場合が発生している。つまり、仕上圧延中に鋼板表面に２次スケールが生成されると、これを起因とするスケール性欠陥が発生する。そのため、スタンド間での２次スケール生成を抑制する目的から、特に鋼板表面が高温である仕上前段スタンドではスタンド間冷却を止められない場合がある。したがって、特に薄物かつ高表面品質材においては、被圧延材先端部の目標ＦＤＴを確保することが非常に困難となってきた。
【０００８】
ところで、ワークロール冷却の冷却水量を減少すると、結果として被圧延材の温度を上昇することができる。特開平６０−１１５３１３号公報に記載の方法はこれを利用したものである。しかし、この方法は、被圧延材の先端部温度低下によるワークロール表面の当て疵およびそれに伴う製品表面のトップマークの発生防止を目的とするものであり、単に被圧延材先端部の温度低下を低減すればよく、したがって冷却水量も単純に通常の半分程度に設定しているのみである。よって、冷却水量の減少により被圧延材の温度がどの程度上昇するか、あるいはＦＤＴにどの程度影響するかなどは全く考慮されていない。
【０００９】
また、特開昭６１−１５９２１０号公報に記載の方法は、冷却水供給装置の電力原単位低減を目的とするもので、ロールの熱負荷により最低限必要なロール冷却水量を定め、圧延速度変化に比例した流量でワークロール冷却を制御している。つまり、スタンド間冷却については全く考慮されていない。逆に、特開平６−５２７号公報に記載の方法は、スタンド間冷却の冷却水噴射開始の際にゆるやかに水量を変化させることを目的とするもので、被圧延材の温度変化やワークロール冷却水量については全く考慮されていない。
【００１０】
このように、従来の技術には、スタンド間冷却の冷却水量とワークロール冷却の冷却水量の両方を考慮し、ベース速度と合わせてどのように初期設定し、また圧延速度の加速後にこれら両方の冷却水量をどのように制御するべきかを記載したものはない。
【００１１】
本発明の目的は、熱延鋼板製造における仕上圧延を行う際、仕上スタンド間冷却の冷却水量およびワークロール冷却の冷却水量を適切に制御することにより、特に被圧延材先端部において目標ＦＤＴを確保することにある。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
被圧延材先端部で目標とするＦＤＴを確保するためには、スタンド間冷却の冷却水量もワークロール冷却の冷却水量も少ないほどよいが、スケール性欠陥やワークロール肌荒れを防止するためにはある一定の水量が必要である。また、被圧延材先端部通板後の圧延速度の加速時には冷却能力を増加しなければならないが、スタンド間冷却とワークロール冷却の冷却水量をどのように増量すべきかが重要である。
【００１３】
このため、本発明では、安定通板を行うためのベース速度の上限値と、スケール性欠陥を防止するために最低限必要なスタンド間冷却の冷却水量とをあらかじめ定めておき、ベース速度とスタンド間冷却の冷却水量の初期値を決定する際、仕上圧延機ベース速度の上限値およびスタンド間冷却の冷却水量の下限値としても被圧延材先端部の目標ＦＤＴが確保できない場合には、ワークロール冷却の冷却水量を適量減少させることにより、目標とするＦＤＴを確保する。
【００１４】
また、被圧延材先端部の通板後、圧延速度を加速する際には、ワークロールの肌荒れを防止する目的から、まずワークロール冷却の冷却水を増量し、定常圧延中の流量まで達した後、引き続きスタンド間冷却の冷却水量を増量するとよい。
【００１５】
さらに、ワークロール冷却の冷却水量が定常圧延中よりも少ない場合には、圧延潤滑剤の供給も同等には必要ないことから、ワークロール冷却の冷却水量を減量した際には、定常圧延中よりも圧延潤滑剤を低濃度としたり低流量とすることが可能である。
【００１６】
したがって、本発明の熱延鋼板の製造方法は、以下のような特徴を有する。
【００１７】
（１）圧延機のスタンド間で被圧延材を冷却するスタンド間冷却手段と、圧延機に組み込まれたワークロール表面を冷却するワークロール冷却手段とを備えた仕上圧延機による熱延鋼板の製造方法において、仕上圧延機へ被圧延材の先端部を通板する通板速度および前記スタンド間冷却手段の冷却水量の初期値を設定する際、被圧延材先端部の目標仕上出側温度を確保するべく計算された前記通板速度および前記スタンド間冷却手段の冷却水量の初期値が、あらかじめ定められた通板速度の上限値およびスタンド間冷却手段の冷却水量の下限値の範囲内でない場合には、前記通板速度の上限値およびスタンド間冷却手段の冷却水量の下限値をそれぞれの初期値に設定し、さらに前記ワークロール冷却手段の冷却水量の初期値を定常圧延中の冷却水量よりも減量することを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
【００１８】
（２）被圧延材の先端部の通板後、仕上圧延機の圧延速度を加速する際に、ワークロール冷却手段の冷却水量を定常圧延中の値まで増量し、その後にスタンド間冷却手段の冷却水量を増量することを特徴とする（１）に記載の熱延鋼板の製造方法。
【００１９】
（３）仕上圧延機に圧延潤滑剤の供給手段を設けるとともに、ワークロール冷却手段の冷却水量が定常圧延中の流量よりも少ない場合には、定常圧延中よりも低濃度および／または低流量の圧延潤滑剤を供給することを特徴とする（１）または（２）に記載の熱延鋼板の製造方法。
【００２０】
【発明の実施の形態】
図１および図２は本発明の一実施形態を示すもので、図１は仕上圧延機と冷却水系統の概略を示す説明図、図２は仕上圧延機第ｎスタンドにおけるスタンド間冷却手段とワークロール冷却手段の配置の一例を示す説明図である。
【００２１】
図１に示すように、仕上圧延機は７スタンドから構成されている。各スタンド間の鋼板面には、スタンド間冷却流量制御部８からの指令により、それぞれ個別に流量制御されたスタンド間冷却手段から冷却水が噴射される。また、各スタンドのワークロールには、ワークロール冷却流量制御部９からの指令により流量制御されたワークロール冷却手段から冷却水が噴射される。さらに、各スタンドのワークロールには、圧延潤滑制御部１０で濃度や流量が調整された圧延潤滑剤が噴射される。
【００２２】
図２は、前記スタンド間冷却手段とワークロール冷却手段の詳細を示したものである。各スタンドは、ワークロール１ｎおよびバックアップロール２ｎを備えている。そして、圧延機の入側および出側には、ワークロール１ｎの表面へ向けて冷却水を噴射するためのワークロール冷却ヘッダー４ｎおよび該ヘッダーの長手方向に所定の間隔で配置された冷却水噴射ノズルが設置されており、これが前記ワークロール冷却手段を構成している。このワークロール冷却水噴射ノズルからの冷却水の噴射は、ワークロール冷却水量制御部９からの指令により、ワークロール冷却用電動ブースターポンプ７を制御することにより行われる。また、圧延機入側の前記ワークロール冷却ヘッダー４ｎよりも被圧延材に近い位置には、圧延潤滑剤を噴射するための圧延潤滑剤ヘッダー５ｎおよび該ヘッダーの長手方向に所定の間隔で配置された圧延潤滑剤供給ノズルが設置されている。この圧延潤滑剤供給ノズルから噴射される圧延潤滑剤は、圧延潤滑制御部１０で濃度や流量が調整されている。
【００２３】
さらに、第（ｎ−１）スタンドと第ｎスタンドの間には、被圧延材へ向けて冷却水を噴射するためのスタンド間冷却ヘッダー３ｎおよび該ヘッダーの長手方向に所定の間隔で配置された冷却水噴射ノズルが設置されており、これが前記スタンド間冷却手段を構成している。このスタンド間冷却水噴射ノズルからの冷却水の噴射は、スタンド間冷却水量制御部８からの指令により、各スタンド毎に設置されているスタンド間冷却用流量調節弁６ｎが開閉動作を行うことにより行われる。ここで、各スタンド間冷却用流量調節弁６ｎはオンオフ弁とし、仕上圧延機全体としてのスタンド間冷却水量を、冷却水を噴射するスタンド間の数（ヘッダーの数）により調節する方法であってもよい。この場合、一般には被圧延材が高温である前段スタンドが優先して噴射される。
【００２４】
なお、図２に示したヘッダーの個数や、各ヘッダーから噴射される冷却水量の流量調整は、本実施形態に限定されるものではない。例えば、スタンド間冷却ヘッダー３ｎは１つのスタンド間に複数並べて設置してもよいし、後段スタンドには設置しない場合もある。圧延潤滑剤ヘッダー５ｎについても必ずしも全スタンドに設置しなくてよい。また、ワークロール冷却は、電動ブースターポンプ７にかえて、流量調節弁を設置してもよいし、さらに各スタンド毎に流量調節弁を設置して流量調整を行ってもよい。
【００２５】
次に、本発明による被圧延材の仕上圧延方法について説明する。最初に、仕上圧延機へ被圧延材の先端部を通板する際のベース速度、スタンド間冷却およびワークロール冷却の初期値の設定について説明する。
【００２６】
まず、被圧延材先端部を安定的に通板させるためには、圧延速度の上限値が存在する。したがって、鋼種やサイズ毎にベース速度の上限値を定めたテーブルをあらかじめ用意しておく。また、スタンド間冷却は、全て停止とする場合もあるが、表面高品質材などではスケール性欠陥を抑制するため、前段スタンドのスタンド間冷却を停止できない場合がある。したがって、品種や鋼種、サイズ毎に、スタンド間冷却の冷却水量の下限値やスタンド間冷却を停止できないスタンドを定めたテーブルをあらかじめ用意しておく。
【００２７】
図３は、被圧延材の先端部を通板する際のベース速度、スタンド間冷却およびワークロール冷却の初期値の設定フローの概略を示したものである。まず、被圧延材の諸元（鋼種、サイズ、目標ＦＤＴなど）から、目標ＦＤＴを確保するためのベース速度およびスタンド間冷却水量を計算する。次に、あらかじめ用意しておいたベース速度上限値およびスタンド間冷却水量下限値を定めたテーブルを参照し、前記のベース速度およびスタンド間冷却水量の計算結果がこれらの上限値および下限値の範囲内であるかを判定する。これらが範囲内であれば計算結果をそのまま初期値として設定し、ワークロール冷却水量を定常量として設定計算を終了する。一方、これらが範囲内にない場合には、これらの上限値および下限値をそれぞれの初期値として設定し、次に目標ＦＤＴを確保するためのワークロール冷却水量を計算し、これをワークロール冷却水量の初期値として設定する。なお、上記の計算に用いるモデル式としては、従来より様々なものが提案されており、これらを任意に選択して用いればよい。
【００２８】
次に、このようにして定めた各初期値により、被圧延材の先端部を仕上圧延機へ通板する。そして、一般には、被圧延材先端部が仕上圧延機の最終スタンドを通過後、または被圧延材先端部がコイラーへ巻き付き後、圧延速度を加速する。その際、先端通板時にワークロール冷却水量を定常量噴射している場合には、スタンド間冷却水量を徐々に増量すればよい。一方、先端通板時にワークロール冷却水量を定常量よりも減少させていた場合には、ワークロール冷却とスタンド間冷却をどのように増量するかが問題となる。本発明では、このような場合、ワークロールの肌荒れ防止の目的から、まず、ワークロール冷却水量を徐々に増量し、これが定常量に達した時点で、次にスタンド間冷却水量を増量する。
【００２９】
なお、上記の圧延速度加速後の各冷却水量の増量は、一気に増量するとＦＤＴが低下しすぎるため、徐々に増量する。圧延速度の加速レートに合わせて増量するのが好ましいが、急激な増量にさえならなければ、冷却水のポンプ能力によって決まる成り行きの増量カーブで増量するなどの方法であっても実際上は問題がない。
【００３０】
以上の方法により、被圧延材の先端部および先端部通板後の圧延速度加速後においても、ＦＤＴを確保することができるとともに、高表面品質材の表面性状が確保され、ワークロール表面の肌荒れ発生も抑制できる。
【００３１】
ところで、本発明では圧延潤滑を行っているが、ワークロール冷却水量が少ない場合には、圧延潤滑剤の供給も少なくてよい。したがって、ワークロール冷却水量を定常量よりも減量している場合には、圧延潤滑制御部１０により圧延潤滑剤の濃度および／または流量の調整を行い、これを圧延潤滑ヘッダーより噴射する。例えば、ワークロール冷却水量の増減に比例して圧延潤滑剤の濃度または流量を増減する。こうすることにより、圧延潤滑剤の原単位が向上する。
【００３２】
【実施例】
図１および図２に示す仕上圧延機および周辺設備を用いて、高表面品質が要求される熱延鋼板の製造を行った。なお、各スタンド間にはスタンド間冷却ヘッダー３ｎが上下各１列設置されており、仕上圧延機全体のスタンド間冷却流量は、各スタンド間冷却用流量調節弁６ｎをオンオフ弁として、噴射するスタンド間冷却ヘッダーの列数により制御した。
【００３３】
被圧延材として、板厚１．９ｍｍ、板幅９００ｍｍの軟鋼材を用いた。この材料の目標ＦＤＴは８８０℃であり±１０℃が合格範囲である。また、あらかじめ定めたこの材料のベース速度の上限値は７００ｍｐｍである。さらに、この材料は高表面品質材であるためにスタンド間冷却を全て停止とすることはできず、あらかじめ定めたスタンド間冷却水量の下限値は、上下各１列（第１スタンドと第２スタンド間）である。
【００３４】
まず、図３のフローに従い、初期値の設定を行った。その結果、被圧延材先端部でＦＤＴを確保するためのベース速度およびスタンド間冷却水量は、ベース速度の上限値およびスタンド間冷却の下限値の範囲を超えた。そこで、ベース速度を上限値の７００ｍｐｍとし、またスタンド間冷却をこの被圧延材の使用下限である上下各１列（第１スタンドと第２スタンド間）として、ＦＤＴを確保するためのワークロール冷却水量を計算した。その結果、通常時には設備能力の９０％の出力で噴射しているのに対し、同６０％へ減量する必要があるとの結果が得られた。
（実施例１）
上記で計算した初期値を用い、熱延鋼板の製造を行った。その際のワークロール冷却およびスタンド間冷却の条件を表１に示す。
【００３５】
【表１】

【００３６】
ここで、▲１▼は、ワークロール冷却およびスタンド間冷却ともに定常値とした比較例１である。▲２▼は、スタンド間冷却のみ上下各１列へ減少し、加速後もそのまま上下各１列とした比較例２である。▲３▼は、前記▲２▼に加え、ワークロール冷却を先端部通板時は６０％出力とし、圧延速度の加速後９０％出力まで増量した本発明例１である。そして▲４▼は、前記▲３▼のワークロール冷却を増量後、さらにスタンド間冷却を上下各１列から定常時の上下各３列へ増加した本発明例２である。
【００３７】
図４は、それぞれの条件で仕上圧延を行ったＦＤＴの結果を示す温度チャートである。縦軸がＦＤＴ、横軸は被圧延材の長手方向を示しており、右側が先端部、左側が後端部である。
【００３８】
本実施例のベース速度およびスタンド間冷却の初期値計算では、前述のように、初期値計算でベース速度およびスタンド間冷却ともに上限および下限値としても、ＦＤＴが確保できないという計算結果が得られている。したがって、先端部では比較例の▲１▼および▲２▼は目標ＦＤＴの下限値８７０℃を確保できていない。一方、スタンド間冷却を下限値の上下各１列とし、かつワークロール冷却を先端通板時に６０％出力とした本発明例の▲３▼および▲４▼では、先端部のＦＤＴは８７０℃を確保できた。
【００３９】
次に、先端部の通板後、圧延速度を加速するにしたがい、ＦＤＴも上昇する。スタンド間冷却を上下各１列のままとした▲２▼および▲３▼の場合には、後端部で目標ＦＤＴの上限値８９０℃を超えた。一方、圧延速度を加速後、ワークロール冷却を６０％出力から９０％出力へ増量し、スタンド間冷却を上下各１列から上下各３列へ増量した▲４▼では、後端部のＦＤＴを８９０℃以下に抑えることができた。
（実施例２）
上記実施例１における本発明例２（表１の▲４▼）の条件による仕上圧延により、熱延鋼板の製造を１サイクル（約２０００ｔ）継続して行った。ここで、本発明例２ではワークロール冷却を増量した後にスタンド間冷却を増量したが、比較例３として、スタンド間冷却を増量した後にワークロール冷却を増量した場合についても、同様に実施した。他の条件は本発明例２と同様である。ここで、いずれの場合も、ワークロール冷却を６０％出力とした場合には、供給する圧延潤滑の濃度を定常時の６７％へ低下した。
【００４０】
その結果、本発明例２の場合には、圧延後のワークロールの肌荒れは全く問題がなかった。一方、比較例３の場合には、第２および第３スタンドのワークロールにやや肌荒れが見られた。また、圧延潤滑剤の使用量は、比較例３の場合を１００％とすると、本発明例２では８４％となり、圧延潤滑剤の原単位が向上した。
【００４１】
以上のように、スタンド間冷却よりもワークロール冷却から先に増量した場合の方が、良好な結果が得られた。
【００４２】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、熱延鋼板製造における仕上圧延を行う際、仕上スタンド間冷却の冷却水量およびワークロール冷却の冷却水量を適切に制御することにより、被圧延材の全長、特に被圧延材先端部において目標ＦＤＴを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施に供する仕上圧延機と冷却水系統の一例を示す説明図
【図２】本発明の実施に供する仕上圧延機の第ｎスタンドにおけるスタンド間冷却手段とワークロール冷却手段の配置の一例を示す説明図
【図３】被圧延材先端通板時の初期値の設定フローの概略を示す説明図
【図４】実施例におけるＦＤＴの結果の温度チャート
【符号の説明】
１ｎワークロール
２ｎバックアップロール
３ｎスタンド間冷却ヘッダー
４ｎワークロール冷却ヘッダー
５ｎ圧延潤滑ヘッダー
６ｎスタンド間冷却用流量調節弁
７ワークロール冷却用電動ブースターポンプ
８スタンド間冷却水量制御部
９ワークロール冷却水量制御部
１０圧延潤滑制御部[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for manufacturing a hot-rolled steel sheet, and more particularly, to a rolling method in finish rolling.
[0002]
[Prior art]
When a hot-rolled steel sheet is manufactured in a hot-rolling line, the exit temperature of the finishing mill (hereinafter abbreviated as FDT) is one of the important factors in determining the material properties of the hot-rolled steel sheet. Therefore, during the finish rolling, the flow rate of the cooling water for cooling the steel sheet provided between the finishing mill stands (hereinafter referred to as stand-to-stand cooling) or the number of injection headers, and the rolling so that a predetermined FDT can be obtained. Controlling speed.
[0003]
In order to secure a predetermined FDT over the entire length of the material to be rolled, first, an initial value for securing a target FDT is set at the leading end of the material to be rolled. For example, a steel type, a plate thickness, a plate width, and a target FDT are prepared as material specifications. And the initial threading speed (base speed) of the finishing mill is determined.
[0004]
After the leading end of the material to be rolled has passed through the final stand of the finishing mill, the rolling speed is accelerated, and at the same time, the amount of sprayed water for cooling between stands (number of sprayed headers) is increased to secure a target FDT over the entire length. . As a flow control method for such inter-stand cooling, Japanese Patent Application Laid-Open No. 6-527 discloses a method in which cooling water is stopped at the time of passing the leading end and the amount of water is gradually increased after the leading end is wound around the winding machine. Is described.
[0005]
By the way, the temperature of the work roll increases with rolling. Therefore, cooling water (hereinafter, referred to as work roll cooling) is sprayed on the work rolls during rolling. Conventionally, in the work roll cooling, the flow rate is increased to a steady amount at the same time as the amount of water is reduced at the time of idling while the rolling material is on standby and the leading end of the material to be rolled is bitten into the rolling mill. On the other hand, Japanese Patent Application Laid-Open No. S60-115313 discloses a method of increasing the flow rate after a predetermined time has passed after the leading end of a material to be rolled has been engaged. Japanese Patent Application Laid-Open No. Sho 61-159210 discloses a method of controlling the flow rate of a work roll cooling water in accordance with the heat load of a rolling roll.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
It is known that the base speed of the finishing mill has an upper limit value due to a problem of stable threading property. If the upper limit is reached when the initial value is set at the time of passing the leading end, the rolling speed is suppressed, that is, the rolling time is longer than necessary, and the leading end of the material to be cooled cools down to the target FDT. Cannot be secured. In particular, the tendency is remarkable in the case of a thin material whose ratio is increasing in recent years. In such a case, measures are generally taken to reduce or stop the amount of cooling water for inter-stand cooling.
[0007]
However, recently, in particular, there is a case where cooling between the stands cannot be stopped due to severe demands on the surface properties of the product. That is, when a secondary scale is generated on the surface of the steel sheet during finish rolling, a scale defect caused by the secondary scale is generated. Therefore, for the purpose of suppressing the formation of secondary scale between stands, there is a case where cooling between stands cannot be stopped particularly in the finishing pre-stand where the surface of the steel sheet has a high temperature. Therefore, it has become very difficult to secure the target FDT at the leading end of the material to be rolled, especially for a thin material having a high surface quality.
[0008]
By the way, if the amount of cooling water for cooling the work roll is reduced, the temperature of the material to be rolled can be increased as a result. The method described in JP-A-60-115313 utilizes this. However, this method is intended to prevent the occurrence of dents on the work roll surface and the occurrence of top marks on the product surface due to a decrease in the temperature of the tip of the material to be rolled. The amount of cooling water may be reduced, and the amount of cooling water is simply set to about half of the normal amount. Therefore, no consideration is given to how much the temperature of the material to be rolled rises due to the decrease in the amount of cooling water or how much the FDT is affected.
[0009]
Further, the method described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 61-159210 aims to reduce the power consumption of the cooling water supply device. The work roll cooling is controlled at a flow rate proportional to. That is, no consideration is given to cooling between stands. Conversely, the method described in Japanese Patent Application Laid-Open No. Hei 6-527 is intended to slowly change the amount of water at the start of cooling water injection for inter-stand cooling. No consideration is given to the amount of cooling water.
[0010]
As described above, the conventional technology considers both the amount of cooling water for inter-stand cooling and the amount of cooling water for work roll cooling, how to set the initial setting in accordance with the base speed, and the speed of both of these after the rolling speed is accelerated. There is no description on how to control the amount of cooling water.
[0011]
An object of the present invention is to secure a target FDT particularly at the leading end of a material to be rolled by appropriately controlling a cooling water amount for cooling between finishing stands and a cooling water amount for work roll cooling when performing finish rolling in hot rolled steel sheet manufacturing. Is to do.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
In order to secure the target FDT at the leading end of the material to be rolled, the smaller the cooling water amount for cooling between stands and the cooling water amount for cooling work rolls, the better. However, this is necessary to prevent scale defects and rough work roll surfaces. A certain amount of water is required. In addition, the cooling capacity must be increased when the rolling speed is increased after the leading end of the material to be rolled, but it is important how to increase the amount of cooling water for inter-stand cooling and work roll cooling.
[0013]
For this reason, in the present invention, the upper limit value of the base speed for performing the stable passing and the minimum required amount of cooling water for inter-stand cooling to prevent scale defects are determined in advance, and the base speed and the stand When the initial value of the amount of cooling water for inter-cooling is determined, if the target FDT of the leading end of the material to be rolled cannot be secured even as the upper limit of the base speed of the finishing mill and the lower limit of the amount of cooling water for inter-stand cooling, the work roll The target FDT is secured by appropriately reducing the amount of cooling water for cooling.
[0014]
In addition, when the rolling speed was accelerated after passing the leading end of the material to be rolled, the cooling water for work roll cooling was first increased to reach the flow rate during steady rolling, in order to prevent rough work rolls. Thereafter, the amount of cooling water for inter-stand cooling may be increased.
[0015]
Furthermore, when the amount of cooling water for work roll cooling is smaller than during steady rolling, supply of rolling lubricant is not required equally, so when the amount of cooling water for cooling work rolls is reduced, It is also possible to reduce the rolling lubricant concentration and flow rate.
[0016]
Therefore, the method for producing a hot-rolled steel sheet according to the present invention has the following features.
[0017]
(1) Production of a hot-rolled steel sheet by a finishing mill provided with inter-stand cooling means for cooling a material to be rolled between stands of a rolling mill, and work roll cooling means for cooling a work roll surface incorporated in the rolling mill. In the method, when setting the initial value of the sheet passing speed at which the leading end of the material to be rolled is passed to the finishing mill and the amount of cooling water of the inter-stand cooling means, the target finishing temperature at the leading end of the material to be rolled is secured. The initial value of the passing water speed and the cooling water amount of the inter-stand cooling means calculated to be within the range of the predetermined upper limit value of the passing water speed and the lower limit value of the cooling water amount of the inter-stand cooling means are determined. Sets the upper limit value of the passing speed and the lower limit value of the cooling water amount of the inter-stand cooling means to respective initial values, and further sets the initial value of the cooling water amount of the work roll cooling means to the cooling value during steady rolling. Method for manufacturing a hot-rolled steel sheet, characterized by weight loss than water.
[0018]
(2) After passing the leading end of the material to be rolled, when accelerating the rolling speed of the finishing mill, the amount of cooling water of the work roll cooling means is increased to a value during steady rolling, and then the inter-stand cooling means is cooled. The method for producing a hot-rolled steel sheet according to (1), wherein the amount of cooling water is increased.
[0019]
(3) The finishing rolling mill is provided with a means for supplying a rolling lubricant, and when the cooling water amount of the work roll cooling means is smaller than the flow rate during the steady rolling, the concentration and / or the flow rate are lower than during the steady rolling. The method for producing a hot-rolled steel sheet according to (1) or (2), wherein a rolling lubricant is supplied.
[0020]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
1 and 2 show an embodiment of the present invention. FIG. 1 is an explanatory view schematically showing a finishing mill and a cooling water system. FIG. 2 is a stand-to-stand cooling means and a work in an n-th finishing mill. It is an explanatory view showing an example of arrangement of a roll cooling means.
[0021]
As shown in FIG. 1, the finishing mill is composed of seven stands. In accordance with a command from the inter-stand cooling flow rate control unit 8, cooling water is injected from the inter-stand cooling means whose flow rate is individually controlled on the steel plate surface between the stands. In addition, cooling water is injected from the work roll cooling means whose flow rate is controlled by a command from the work roll cooling flow rate control unit 9 to the work roll of each stand. Further, a rolling lubricant whose concentration and flow rate have been adjusted by the rolling lubrication control unit 10 is injected into the work rolls of each stand.
[0022]
FIG. 2 shows details of the inter-stand cooling means and the work roll cooling means. Each stand has a work roll 1n and a backup roll 2n. A work roll cooling header 4n for injecting cooling water toward the surface of the work roll 1n and cooling water jets arranged at predetermined intervals in the longitudinal direction of the header are provided on the entrance side and the exit side of the rolling mill. A nozzle is provided, and this constitutes the work roll cooling means. The injection of the cooling water from the work roll cooling water injection nozzle is performed by controlling the work roll cooling electric booster pump 7 according to a command from the work roll cooling water amount control unit 9. Further, at a position closer to the material to be rolled than the work roll cooling header 4n on the entry side of the rolling mill, a rolling lubricant header 5n for injecting a rolling lubricant and a predetermined interval in the longitudinal direction of the header are arranged. Rolled lubricant supply nozzle is installed. The concentration and flow rate of the rolling lubricant injected from the rolling lubricant supply nozzle are adjusted by the rolling lubrication control unit 10.
[0023]
Furthermore, between the (n-1) -th stand and the n-th stand, an inter-stand cooling header 3n for injecting cooling water toward the material to be rolled and a predetermined interval in the longitudinal direction of the header are arranged. A cooling water injection nozzle is provided, and this constitutes the inter-stand cooling means. The cooling water injection from the inter-stand cooling water injection nozzle is performed by opening and closing the inter-stand cooling flow rate control valve 6n installed for each stand according to a command from the inter-stand cooling water amount control unit 8. Done. Here, each inter-stand cooling flow control valve 6n is an on / off valve, and the inter-stand cooling water amount of the entire finishing mill is adjusted by the number of stands (number of headers) for injecting cooling water. Is also good. In this case, generally, the former stand in which the material to be rolled has a high temperature is preferentially injected.
[0024]
The number of headers shown in FIG. 2 and the flow rate adjustment of the amount of cooling water injected from each header are not limited to the present embodiment. For example, a plurality of inter-stand cooling headers 3n may be arranged side by side between one stand, and may not be installed in a subsequent stand. The rolling lubricant header 5n does not necessarily have to be installed on all stands. For work roll cooling, a flow control valve may be provided instead of the electric booster pump 7, or a flow control valve may be provided for each stand to adjust the flow rate.
[0025]
Next, a method for finish rolling of a material to be rolled according to the present invention will be described. First, a description will be given of the setting of the initial values of the base speed, stand-to-stand cooling, and work roll cooling when the leading end of the material to be rolled is passed through the finishing mill.
[0026]
First, there is an upper limit of the rolling speed in order to stably pass the leading end of the material to be rolled. Therefore, a table in which the upper limit of the base speed is determined for each steel type and size is prepared in advance. In addition, the inter-stand cooling may all be stopped. However, in the case of a high-quality surface material or the like, the inter-stand cooling of the preceding stand may not be stopped in order to suppress scale defects. Therefore, for each type, steel type, and size, a table is prepared in advance that defines the lower limit of the amount of cooling water for inter-stand cooling and stands that cannot stop inter-stand cooling.
[0027]
FIG. 3 shows an outline of a setting flow of initial values of a base speed, inter-stand cooling, and work roll cooling when a leading end portion of a material to be rolled is passed. First, the base speed and the inter-stand cooling water amount for securing the target FDT are calculated from the specifications (steel type, size, target FDT, etc.) of the material to be rolled. Next, with reference to a table in which the base speed upper limit value and the inter-stand cooling water amount lower limit value prepared in advance are determined, the calculation result of the base speed and the inter-stand cooling water amount indicates the range of the upper limit value and the lower limit value. Is determined. If these are within the range, the calculation result is set as an initial value as it is, and the setting calculation is ended with the work roll cooling water amount as a steady amount. On the other hand, if they are not within the range, the upper limit value and the lower limit value are set as respective initial values, and then the work roll cooling water amount for securing the target FDT is calculated, and the calculated work roll cooling water amount is calculated. Set as the initial value of the amount of water. Note that various models have been proposed as model expressions used for the above calculation, and these may be arbitrarily selected and used.
[0028]
Next, the leading end of the material to be rolled is passed through a finishing mill according to the initial values thus determined. Then, generally, the rolling speed is accelerated after the leading end of the material to be rolled passes through the final stand of the finishing mill or after the leading end of the material to be rolled is wound around the coiler. At this time, when a steady amount of the work roll cooling water is injected at the time of the leading edge passing, the inter-stand cooling water amount may be gradually increased. On the other hand, when the work roll cooling water amount is reduced from the steady amount at the time of passing the leading end, how to increase the work roll cooling and the stand-to-stand cooling becomes a problem. According to the present invention, in such a case, for the purpose of preventing the surface of the work roll from becoming rough, first, the work roll cooling water amount is gradually increased, and when this reaches a steady amount, the inter-stand cooling water amount is then increased.
[0029]
The amount of cooling water after the above-mentioned acceleration of the rolling speed is gradually increased because the FDT is too low if the amount is increased at once. It is preferable to increase the amount in accordance with the acceleration rate of the rolling speed, but as long as the amount does not increase rapidly, even if it is a method of increasing the amount according to the resulting increase curve determined by the pumping capacity of the cooling water, there is actually a problem. Absent.
[0030]
By the above method, the FDT can be secured even after the rolling speed is accelerated after the leading end of the material to be rolled and the leading end portion is passed, the surface properties of the high surface quality material are secured, and the surface of the work roll is roughened. Occurrence can also be suppressed.
[0031]
By the way, in the present invention, the rolling lubrication is performed. However, when the work roll cooling water amount is small, the supply of the rolling lubricant may be small. Therefore, when the work roll cooling water amount is smaller than the steady amount, the rolling lubrication control unit 10 adjusts the concentration and / or flow rate of the rolling lubricant, and injects it from the rolling lubrication header. For example, the concentration or flow rate of the rolling lubricant is increased or decreased in proportion to the increase or decrease of the work roll cooling water amount. By doing so, the basic unit of the rolling lubricant is improved.
[0032]
【Example】
Using the finish rolling mill and peripheral equipment shown in FIGS. 1 and 2, a hot-rolled steel sheet requiring high surface quality was manufactured. In addition, a stand-to-stand cooling header 3n is provided between each stand in a row of upper and lower rows. The stand-to-stand cooling flow rate of the entire finishing mill is controlled by using the stand-to-stand cooling flow control valve 6n as an on / off valve. It was controlled by the number of rows of the intercooling header.
[0033]
As the material to be rolled, a mild steel material having a thickness of 1.9 mm and a width of 900 mm was used. The target FDT for this material is 880 ° C, with ± 10 ° C being an acceptable range. The predetermined upper limit of the base speed of this material is 700 mpm. Further, since this material is a high surface quality material, cooling between stands cannot be completely stopped, and the lower limit of the predetermined amount of cooling water between stands is one row above and below each (the first stand and the second stand). Between).
[0034]
First, initial values were set according to the flow of FIG. As a result, the base speed and the inter-stand cooling water amount for securing the FDT at the front end of the material to be rolled exceeded the upper limit of the base speed and the lower limit of the inter-stand cooling. Therefore, the base speed is set to the upper limit of 700 mpm, and the inter-stand cooling is set to each of the upper and lower rows (between the first stand and the second stand), which is the lower limit of the use of the material to be rolled, and work roll cooling for securing the FDT. The amount of water was calculated. As a result, it was found that the injection was performed at an output of 90% of the facility capacity at normal times, but it was necessary to reduce the amount to 60%.
(Example 1)
Using the initial values calculated above, a hot-rolled steel sheet was manufactured. Table 1 shows the conditions of work roll cooling and stand-to-stand cooling at that time.
[0035]
[Table 1]

[0036]
Here, (1) is Comparative Example 1 in which both the work roll cooling and the stand-to-stand cooling were set to steady values. (2) is a comparative example 2 in which only the cooling between stands is reduced to the upper and lower rows, and the upper and lower rows are kept as they are even after acceleration. (3) is Example 1 of the present invention in which, in addition to the above (2), the work roll is cooled to 60% output when the leading end portion is passed, and is increased to 90% output after the rolling speed is accelerated. (4) is a second example of the present invention in which after the work roll cooling in (3) is increased, the inter-stand cooling is further increased from one row in each of the upper and lower rows to three rows in each of the upper and lower rows in a steady state.
[0037]
FIG. 4 is a temperature chart showing the results of FDT after finish rolling under each condition. The vertical axis indicates the FDT, and the horizontal axis indicates the longitudinal direction of the material to be rolled. The right side is the front end, and the left side is the rear end.
[0038]
In the calculation of the initial value of the base speed and the cooling between stands in the present embodiment, as described above, the calculation result that the FDT cannot be secured even if the base speed and the cooling between stands are set as the upper limit and the lower limit in the initial value calculation. I have. Therefore, the lower limit of the target FDT of 870 ° C. cannot be ensured in (1) and (2) of the comparative examples at the tip. On the other hand, in (3) and (4) of the example of the present invention in which the inter-stand cooling is one row above and below the lower limit and the work roll cooling is 60% output when the tip is passed, the FDT at the tip is 870 ° C. I was able to secure it.
[0039]
Next, after the leading end is passed, as the rolling speed is increased, the FDT also increases. In the cases of (2) and (3) in which the inter-stand cooling was kept in each of the upper and lower rows, the upper limit of the target FDT at the rear end exceeded 890 ° C. On the other hand, after the rolling speed was accelerated, the work roll cooling was increased from 60% output to 90% output, and the inter-stand cooling was increased from the upper and lower one row to the upper and lower three rows. 890 ° C or less could be suppressed.
(Example 2)
The production of the hot-rolled steel sheet was continuously performed for one cycle (about 2000 t) by the finish rolling under the conditions of Example 2 of the present invention ((4) in Table 1) in Example 1 above. Here, in Example 2 of the present invention, the inter-stand cooling was increased after the work roll cooling was increased. However, as a comparative example 3, the case where the work roll cooling was increased after the inter-stand cooling was increased was similarly performed. Other conditions are the same as those of Example 2 of the present invention. Here, in each case, when the work roll cooling was set to 60% output, the concentration of the supplied rolling lubrication was reduced to 67% of the steady state.
[0040]
As a result, in the case of Example 2 of the present invention, the surface roughness of the work roll after rolling had no problem at all. On the other hand, in the case of Comparative Example 3, the work rolls of the second and third stands were slightly rough. Further, when the amount of the rolling lubricant used was 100% in Comparative Example 3, it was 84% in Inventive Example 2, and the basic unit of the rolling lubricant was improved.
[0041]
As described above, better results were obtained when the work roll cooling was increased before the inter-stand cooling.
[0042]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, when performing finish rolling in the production of a hot-rolled steel sheet, by appropriately controlling the amount of cooling water for cooling between finishing stands and the amount of cooling water for cooling work rolls, the overall length of the material to be rolled is reduced. In particular, the target FDT can be secured at the leading end of the material to be rolled.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory view showing an example of a finish rolling mill and a cooling water system used for carrying out the present invention. FIG. 2 is a stand-to-stand cooling means and a work roll cooling means in an n-th stand of the finish rolling machine provided for carrying out the present invention. FIG. 3 is an explanatory diagram showing an example of an arrangement of the steel sheet. FIG. 3 is an explanatory diagram showing an outline of a setting flow of an initial value when the leading end of a material to be rolled is passed. FIG. 4 is a temperature chart of a result of FDT in the embodiment.
1n Work roll 2n Backup roll 3n Stand-to-stand cooling header 4n Work roll cooling header 5n Rolling lubrication header 6n Stand-to-stand cooling flow rate control valve 7 Work roll cooling electric booster pump 8 Stand-to-stand cooling water amount control unit 9 Work roll cooling water amount control unit 10 Rolling lubrication control unit

Claims

In a method for producing a hot-rolled steel sheet by a finishing mill having a stand-to-stand cooling means for cooling a material to be rolled between stands of a rolling mill and a work roll cooling means for cooling a work roll surface incorporated in the rolling mill, When setting the threading speed at which the leading end of the material to be rolled is passed through the finish rolling mill and the initial value of the cooling water amount of the inter-stand cooling means, calculation is performed to secure the target finishing side temperature at the leading end of the material to be rolled. When the initial value of the cooling water amount of the passing speed and the inter-stand cooling means is not within the range of the predetermined upper limit value of the passing speed and the lower limit value of the cooling water amount of the inter-stand cooling means, The upper limit value of the passing speed and the lower limit value of the cooling water amount of the inter-stand cooling means are set to respective initial values, and the initial value of the cooling water amount of the work roll cooling means is further set to the cooling water amount during steady rolling. Method for manufacturing a hot-rolled steel sheet, characterized in that the remote lose weight.

After passing the leading end of the material to be rolled, when accelerating the rolling speed of the finishing mill, the cooling water amount of the work roll cooling means is increased to a value during steady rolling, and then the cooling water amount of the inter-stand cooling means is increased. The method for producing a hot-rolled steel sheet according to claim 1, wherein the amount is increased.

In the case where the finishing mill is provided with a means for supplying a rolling lubricant, and when the cooling water amount of the work roll cooling means is smaller than the flow rate during the steady rolling, the rolling lubricant having a lower concentration and / or lower flow rate than during the steady rolling is provided. The method for producing a hot-rolled steel sheet according to claim 1, wherein the hot-rolled steel sheet is supplied.