JP3583564B2 - 光ピックアップ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光カードや光ディスク等の記録媒体に情報を記録したり、記録されている情報を再生するための光ピックアップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の光ピックアップとして、例えば、記録または再生ビームを記録媒体の所望のトラックに正確に追従させたり、情報をベリファイしながら記録したり、あるいは複数のトラックを同時に再生するために、記録媒体上に所定の位置関係で複数の光ビームをスポット状に照射し、それらの記録媒体での反射光を対応する受光素子で受光して、それぞれ所要の信号を検出するようにしたものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の光ピックアップにおいては、記録媒体によっては、隣接する位置にそれぞれ照射される光ビームの戻り光が、他の受光素子にも入射して互いに干渉し合うクロストークが大きくなり、これがため所要の信号を精度良く検出できないという問題がある。
【0004】
例えば、図13に断面図で示す光カード71のように、樹脂よりなる基板72上に、接着層73、記録層74および透明層75を順次積層して構成される記録媒体においては、接着層73、記録層74および透明層75のそれぞれの厚さが、例えば、40μm、数十〜数百nmおよび400μmとなっている。このような光カード71に、透明層75を通して記録層74上に、複数の光ビームをそれぞれの反射光が干渉しないように所定の位置関係で集光させる場合、記録層74上で隣接する光ビームの集光点が近接していると、記録層74を透過して接着層73と基板72との境界面で反射される一方の光ビームの反射光が、隣接する他方の光ビームの戻り光に侵入するクロストークが生じて、所要の信号の検出に悪影響を及ぼすことになる。なお、図13の場合、光カード71に照射される隣接する光ビームは、透明層75の表面でも多少反射され、その戻り光が対応する受光素子上で互いに干渉し合うことになるが、該表面は、光ビームが集光する記録層74から十分離れており、したがって該表面での戻り光は十分拡散されることになるので、ほとんど問題にならない。
【0005】
この発明は、上述した従来の問題点に着目してなされたもので、記録媒体に照射される複数の光ビームの戻り光を、不所望なクロストークを生じることなく、対応する受光素子でそれぞれ受光でき、したがってそれぞれ所要の信号を常に精度良く検出できるよう適切に構成した光ピックアップを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明は、記録層を有する多層構造の記録媒体に対して情報の記録および再生の少なくとも一方を行うために、収束光学系を経て前記記録媒体に複数の光ビームを照射するようにした光ピックアップにおいて、
前記複数の光ビームによって前記記録層上に形成される隣接スポットの最小間隔をL、
前記記録層と隣接する層の厚さおよび屈折率をそれぞれdおよびn、
前記収束光学系の実効的開口数をNAとするとき、
【数2】
Figure 0003583564
を満足するよう構成したことを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1および図2は、この発明に係る光ピックアップの一実施形態を示す平面図および部分側面図である。この光ピックアップは、記録用の半導体レーザ1および再生用の半導体レーザ2を用い、これら半導体レーザ1および2からの光ビームを、共通の対物レンズ3により光カード4に照射して、半導体レーザ1からの光ビームによりトラッキング制御およびフォーカシング制御を行いながら情報の記録および再生を行うものである。
【0008】
半導体レーザ1からの光ビーム(図1において紙面に平行な直線偏光)は、コリメータレンズ5で平行光束として回折格子6に入射させ、ここで回折させて0次光(記録用ビーム)および±1次回折光(トラッキング用ビーム)の3本のビームを得、これらの光ビームをプリズム部材7に入射させる。
【0009】
また、半導体レーザ2からの光ビーム(図1において紙面に平行な直線偏光)は、コリメータレンズ8で平行光束とした後、1/2波長板9で偏光面を90°回転させて回折光学部材10に入射させる。回折光学部材10は、例えば、ガラス基板の入射側および出射側の両表面にそれぞれ形成した異なる回折格子10aおよび10bを有し、入射側の回折格子10aで±1次回折光の2本のビームを得、これら2本のビームを出射側の回折格子10bでそれぞれ回折させて、各々、0次光および±1次回折光の3本のビーム、したがって合計6本のビームを得るようにし、これらの光ビームをプリズム部材7に入射させる。
【0010】
プリズム部材7は、半導体レーザ1からの光ビームと、半導体レーザ2からの光ビームとを合成する機能、および光カード4からの戻り光を往路と分離する機能を有するもので、半導体レーザ1からの光ビームが入射する面を有する第1のプリズム7aと、半導体レーザ2からの光ビームが入射する面を有する第2のプリズム7bと、これら第1,第2のプリズム7a,7bの接合面に設けたビーム合成用の第1の偏光膜11aと、第2のプリズム7bの他の面に設けた往復路分離用の第2の偏光膜11bとを有する。なお、第1の偏光膜11aは、例えば、P偏光透過率Tpが100%、S偏光反射率Rsが100パーセントとし、第2の偏光膜11bは、例えば、Tp=70%、Rs=60%とする。
【0011】
回折格子6を経た半導体レーザ1からの光ビームは、第1のプリズム7aを経て第1の偏光膜11aにP偏光で入射させて、該第1の偏光膜11aを透過させる。また、回折光学部材10を経た半導体レーザ2からの光ビームは、第2のプリズム7bを経て第1の偏光膜11aにS偏光で入射させて、該第1の偏光膜11aで反射させる。これにより、第1の偏光膜11aで、半導体レーザ1からの光ビームと、半導体レーザ2からの光ビームとをほぼ同一光路となるように合成して、それらの光ビームを第2の偏光膜11bから出射させる。
【0012】
この実施形態では、半導体レーザ1,2からそれぞれ出射される光ビームの波長変動、特に、半導体レーザ1を再生パワーと記録パワーとに変化させることにより生じるその出射光の波長変動や、周囲温度の変化によるプリズム部材7と空気との屈折率比の変化によって、光カード4上に形成される半導体レーザ1からの光ビームによるスポット、および半導体レーザ2からの光ビームによるスポットと、トラックとの相対的位置関係がずれるのを防止するため、回折格子6を経た半導体レーザ1からの光ビーム、および回折光学部材10を経た半導体レーザ2からの光ビームを、プリズム部材7でそれぞれビーム整形しないようにする。このため、プリズム部材7を、内部の光線が直線となるように展開したとき、光ビームが入射する表面と出射する表面とが平行となるように構成する。
【0013】
プリズム部材7の第2の偏光膜11bから出射される光ビームは、立ち上げミラー12により、図1において紙面垂直方向に反射させて、図2に示すように、対物レンズ3により光カード4上に照射する。
【0014】
また、光カード4で反射される戻り光は、対物レンズ3および立ち上げミラー12を経てプリズム部材7の第2の偏光膜11bに入射させ、ここで往路と分離される戻り光を、集光レンズ13を経て、光軸に対して45°(トラック方向に対しても45°)傾けて配置した平行平板14に収束光として入射させて、該平行平板14を屈折透過させ、これによりフォーカスエラー検出のための非点収差を発生させて、凹レンズ15を経て光検出器16に入射させる。
【0015】
図3は、この実施形態において、光カード4上に形成される半導体レーザ1からの光ビームによるスポット、および半導体レーザ2からの光ビームによるスポットとトラックとの相対的位置関係を示すものである。図3において、スポット21a〜21cは、半導体レーザ1からの光ビームによるスポットで、スポット21aは、回折格子6の0次光によるスポットを示し、スポット21b,21cは、回折格子6の±1次回折光によるスポットをそれぞれ示す。
【0016】
また、スポット22a〜22fは、半導体レーザ2からの光ビームによるスポットを示す。ここで、スポット22a〜22cは、回折格子10aの、例えば+1次回折光を、回折格子10bで0次光と±1次回折光とに分離したそれぞれの光ビームによるスポットで、スポット22aが0次光によるスポットを、スポット22b,22cが±1次回折光によるスポットをそれぞれ示す。同様に、スポット22d〜22fは、回折格子10aの−1次回折光を、回折格子10bで0次光と±1次回折光とに分離したそれぞれの光ビームによるスポットで、スポット22dが0次光のスポットを、スポット22e,22fが±1次回折光のスポットをそれぞれ示す。
【0017】
すなわち、半導体レーザ1からの光ビームによるスポット21a〜21cは、トラッキング制御によりスポット21aが、光カード4の所望のトラック4a上に位置している状態で、スポット22b,22cが、所望のトラック4aから前後に数トラック離れたガイドトラック4bの一方の側のエッジおよび他方の側のエッジに位置するようにする。
【0018】
また、半導体レーザ2からの光ビームによるスポット22a〜22cは、スポット21aが位置する所望のトラック4aを含む一方の側の順次の3つのトラック上に位置するようにし、スポット22d〜22fは、スポット21aが位置する所望のトラック4aを含む他方の側の順次の3つのトラック上に位置するようにする。
【0019】
このようにして、情報の記録モードでは、半導体レーザ1から、記録すべき情報に応じて所定の再生パワーから記録パワーに変化する光ビームを放射させ、半導体レーザ2からは所定の再生パワーの光ビームを放射させて、スポット21b,21cからの戻り光に基づいてトラッキング制御を行うと共に、光カード4の移動方向に応じて、例えば、先行スポット22cまたは22eで、記録すべきトラックのブランクチェックや欠陥検出を行いながら、スポット21aで所望のトラック4aに情報を記録し、その記録した情報を後方スポット22eまたは22cからの戻り光に基づいてベリファイする。
【0020】
また、情報の再生モードでは、半導体レーザ1および2からそれぞれ所定の再生パワーの光ビームを放射させ、スポット21b,21cからの戻り光に基づいてトラッキング制御を行いながら、スポット22a〜22cおよびスポット22d〜22fからの戻り光に基づいて、5本のトラックを同時に再生するマルチトラックリードを行う。なお、スポット22cおよび22eは、同一トラック4a上に位置するので、当該トラック4aは、そのいずれか一方のスポットからの戻り光に基づいて再生する。
【0021】
図4は、図1に示す光検出器16の受光面の構成を示す平面図である。この光検出器16は、図3に示したスポット21aからの戻り光を受光する受光部25と、スポット21b,21cからの戻り光をそれぞれ受光する受光領域26a,26bと、スポット22a〜22cからの戻り光をそれぞれ受光する受光領域27a〜27cと、スポット22d〜22fからの戻り光をそれぞれ受光する受光領域27d〜27fとを、同一半導体基板上に形成して構成する。なお、受光部25は、4分割した受光領域25a〜25dをもって構成する。
【0022】
このようにして、受光部25の4分割受光領域25a〜25dの出力に基づいて、非点収差法により、対物レンズ3をフォーカス制御するためのフォーカスエラー信号Foを得る。すなわち、受光領域25a〜25dの出力を、それぞれI25a 〜I25d とするとき、
Fo=(I25a +I25C )−(I25b +I25d
によってフォーカスエラー信号Foを得る。
【0023】
また、受光領域26a,26bの出力に基づいて、3ビーム法により、対物レンズ3をトラッキング制御するためのトラッキングエラー信号Trを得る。すなわち、受光領域26a,26bの出力を、それぞれI26a ,I26b とするとき、
Tr=I26a −I26b
によってトラッキングエラー信号Trを得る。
【0024】
さらに、受光領域27a〜27fの出力に基づいて、順次の5本のトラックを同時に再生する。なお、図3において説明したように、スポット22cおよび22eは、同一トラック4a上に位置するので、当該トラック4aは、上述したように、再生においては、そのいずれか一方のスポットからの戻り光を受光する受光領域の出力に基づいて再生し、記録においては、例えば、先行スポットからの戻り光を受光する受光領域からの出力に基づいてトラック4aのブランクチェックや欠陥検出を行い、後方スポットからの戻り光を受光する受光領域からの出力に基づいてベリファイする。
【0025】
なお、上述したように、記録用のスポット21aからの戻り光でフォーカスエラー信号を検出する場合には、受光部25に入射する光量が、他の受光領域に入射する光量に比べて十数倍も大きくなり、受光部25を構成する4分割受光領域25a〜25dの出力のピーク値が、他の受光領域の出力のピーク値よりも大きくなる。このため、例えば、複数のI/V変換回路を集積したI/V変換器で、複数の受光領域の出力電流をそれぞれ電圧に同時に変換する場合には、I/V変換器として、ダイナミックレンジの非常に広いものが必要となり、コスト面で好ましくない。
【0026】
そこで、この実施形態では、各受光領域の出力のピーク値がほぼ等しくなるように、例えば、図4に示すように、光検出器16の受光部25の表面に光減衰層28を設ける。このようにすれば、I/V変換器として、ダイナミックレンジの狭いものが使用可能となるので、コスト面で有利となる。なお、光検出器16自体に光減衰層を設ける代わりに、相対的に強度が高い戻り光が入射する光路中に光の強度を低下させる光減衰部材、例えば、色ガラスフィルタ、回折格子、誘電体膜や金属膜を蒸着した半透過板等を設けるようにしてもよい。
【0027】
ところで、図3に示したように、光カード4に複数の光ビーム(図3の場合は合計9本)を照射して、それぞれの戻り光を対応する受光素子で受光する場合には、所定の光ビームの戻り光を受光する受光素子に、他の光ビームの戻り光が入射するクロストークが生じて、所要の信号の検出に悪影響を及ぼす場合がある。例えば、図13において説明したように、光カード4が、基板上に接着層、記録層および透明層を順次積層して構成されている場合には、記録層上に集光する光ビームが、記録層を透過してその下層にある接着層と基板との境界面で反射され、その反射光が隣接する光ビームの戻り光に侵入するクロストークが生じる。
【0028】
そこで、この実施形態では、光カード4が、例えば図13と同様に構成されている場合において、図5に示すように、記録層31上にスポットS1を形成する光ビームによる、接着層32と基板33との境界面での反射光が、スポットS1に最も隣接して記録層31上に形成される他の光ビームによるスポットS2に入射しないようにする。すなわち、記録層31上でのスポットS1とS2との間隔をL、光ビームがスポットS1を形成する位置から接着層32と基板33との境界面で反射されて再び記録層31に入射する位置までの間隔をDとするとき、L>Dとする。ここで、Dは、接着層32の厚さをd、屈折率をn、入射角をθとすると、D= tanθ×2×dで与えられる。また、θは、対物レンズ3を経て光カード4に入射する光束の実効的開口数をNAとすると、θ= sin−1(NA/n)、で与えられので、
【数3】
Figure 0003583564
を満足するように構成する。
【0029】
このように構成すれば、例えば、記録に用いるスポット21aが複数のスポットのなかで最も高パワーで、周辺スポットの媒体反射光を受光する素子への影響が最も大きいことから、スポット21aからの影響を例にとると、図3において、スポット21aを形成する光ビームの不所望な戻り光が、スポット21b,21c,22a〜22fを形成する光ビームの戻り光を受光する受光素子26a,26b,27a〜27fに入射することがなくなる。したがって、各受光素子の出力が不所望に変調されることなく、それぞれ所要の信号を精度良く検出することができる。
【0030】
なお、上記の条件を満たすには、例えば、回折格子6や回折光学部材10として回折角の大きいものを用いたり、対物レンズ3として焦点距離の長いものを用いれば良いが、回折角を大きくし過ぎると、対物レンズ3の収差が大きくなったり、対物レンズ3での光束のケラレが生じることになり、また、対物レンズ3のNAを確保して焦点距離を長くすると、対物レンズ3を含む光学系全体が大きくなって装置全体が大型化することになるので、これらのことを考慮して、隣接スポット間隔Lが、最小値で上記条件を満たすようにする。
【0031】
さらに、この実施形態では、対物レンズ3のフォーカス制御範囲において、上記のクロストークによる悪影響をより有効に除去するため、光カード4上で最も隣接するスポットの方向と、それらのスポットの戻り光が集光レンズ13および平行平板14による非点収差光学系によってその近側に形成する楕円ビーム形状の短軸方向とがほぼ一致するように構成する。
【0032】
例えば、図6に示すように、媒体上に0次光のスポットBと、x方向の±1次回折光のスポットB+1x ,B−1x と、y方向の±1次回折光のスポットB+1y ,B−1y とが形成されるとする。ここで、x方向の回折角θおよびy方向の回折角θは等しく、したがってスポットB+1x ,B−1x の間隔と、スポットB+1y ,B−1y の間隔とが等しくなっている。これらのスポットの戻り光を、対物レンズ(図示せず)を経て、図7(a),(b)に示すように、集光レンズ35およびx方向に収束作用を有するシリンドリカルレンズ36を有する非点収差光学系により集光させると、対物レンズが媒体に対して合焦している状態では、非点収差光学系の前側焦点と後側焦点との中間の平面37では、図8に示すような位置関係でそれぞれ最小錯乱円のスポットが形成されることになる。なお、図8では、図6に示す媒体上のスポットに対応するスポットを、同一符号に「′」を付して示してある。したがって、合焦状態で最小錯乱円が形成される平面37にそれぞれの光検出器の受光面を配置すれば、各スポットの戻り光を有効に分離して受光することができる。
【0033】
しかしながら、対物レンズの媒体に対する焦点ずれが起こると、平面37上に形成される各スポットは、焦点ずれの方向に応じて長軸方向が互いに反対方向に回転する楕円形となる。さらに、図7(a),(b)から明らかなように、x方向の回折角θとy方向の回折角θとが等しいにもかかわらず、平面37上での回折スポットどうしの間隔はy方向の方が小さく、x方向の方が大きくなる。この関係は、シリンドリカルレンズ36を光軸回りに90°回転して配置すると逆の関係、すなわちx方向の方が小さく、y方向の方が大きくなる。つまり、光検出器上では、非点収差光学系の集光パワーのより大きい軸、図8ではx軸の方向に回折される±1次回折光のスポット間隔の方が、それと直交する方向に回折される±1次回折光のスポット間隔よりも大きくなる。この場合、光検出器上での回折スポットどうしの間隔が、スポット直径の2倍よりも小さくなると、0次光および±1次回折光の各スポットが光検出器上で互いに干渉して、クロストークを生じることになる。
【0034】
そこで、この実施形態では、上述したように、対物レンズ3のフォーカス制御範囲において、光カード4上で最も隣接するスポットの方向と、それらのスポットの戻り光が非点収差光学系によってその近側に形成する楕円ビーム形状の短軸方向とがほぼ一致するようにする。このように構成すれば、図3において、例えば、光カード4上でのスポット21a〜21c,22b,22fは、スポット22b,22fの間隔が狭く、スポット21b,21cの間隔が広いが、光検出器16上では、図9に示すように、スポット22b,22fに対応するスポット22b′,22f′の間隔が少し広がり、スポット21b,21cに対応するスポット21b′,21c′の間隔が少し狭くなる。しかも、各スポット21a′〜21c′,22b′,22f′は、非点収差光学系の近側では、実線で示すように、光カード4上で最も隣接するスポット22b,22fの方向に短軸を有する楕円形となり、非点収差光学系の遠側では、破線で示すように、逆にスポット22b,22fの方向に長軸を有する楕円形となるので、光検出器16上でスポットどうしが重なり合うことがなくなる。なお、図9において、スポット21a′は、光カード4上のスポット21aに対応する光検出器16上でのスポットを示す。
【0035】
したがって、上述したように、記録層31上での隣接スポットS1,S2の間隔Lを、最小値でL>Dの条件を満たすようにして、すなわち、回折格子6や回折光学部材10の回折角を必要以上大きくしたり、対物レンズ3の焦点距離を長くすることなく、小型な構成で、対物レンズ3のフォーカス制御範囲において、光カード4に照射される複数の光ビームの戻り光を、光検出器16のそれぞれ対応する受光素子で有効に分離して受光することができ、不所望なクロストークの発生を有効に防止することができる。
【0036】
なお、上述した実施形態では、記録用の半導体レーザ1からの光ビームを用いてフォーカス制御およびトラッキング制御を行うようにしたが、図1において、3ビーム用の回折格子6を1/2波長板9と回折光学部材10との間の光路中に配置して、再生用の半導体レーザ2からの光ビームを用いてトラッキング制御を行い、記録用の半導体レーザ1からの光ビームでフォーカス制御を行うようにすることもできる。また、この発明は、上述したマルチトラックリード・1トラックライトに限らず、1トラックリード・ライト、マルチトラックリードオンリーあるいは1トラックリードオンリーの場合にも有効に適用することができる。
【0037】
図10は、この発明に係る光ピックアップの他の実施形態を示すもので、1トラックリード・ライトに構成したものである。この実施形態では、記録/再生用の半導体レーザ41から出射される光ビームを、コリメータレンズ42で平行光束としたのち、回折格子43に入射させて、1本の記録/再生用のメインビーム(0次光)と、2本のトラッキング用のサブビーム(±1次回折光)とを得る。これら3本のビームは、往路と復路とを分離する平板プリズム44および立ち上げミラー45を経て、図示しない対物レンズにより光カード上にスポット状に照射する。
【0038】
光カードで反射される戻り光は、対物レンズおよび立ち上げミラー45を経て平板プリズム44に入射させ、ここで反射されて往路と分離される戻り光を、上述した実施形態の場合と同様に、集光レンズ46、平行平板47および凹レンズ48を経て光検出器49で受光するようにする。
【0039】
図11は、この実施形態において、光カード上に形成される半導体レーザ41からの光ビームによるスポットとトラックとの相対的位置関係を示すものである。図11において、光カード50上のスポット51aはメインビームによるスポットを示し、スポット51bおよび51cは、2本のサブビームによるスポットを示す。スポット51a〜51cは、トラッキング制御によりスポット51aが、光カード50の所望のトラック50a上に位置している状態で、スポット51b,51cが、所望のトラック50aから前後に数トラック離れたガイドトラック50bの一方の側のエッジおよび他方の側のエッジに位置するようにする。なお、この実施形態においても、隣接するスポット間隔Lは、図5で説明したように、L>Dを満たすようにする。
【0040】
図12は、図10に示す光検出器49の受光面の構成を示す平面図である。この光検出器49は、図11に示したスポット51aからの戻り光を受光する受光部52と、スポット51b,51cからの戻り光をそれぞれ受光する受光素子53a,53bとを、同一半導体基板上に形成して構成する。なお、受光部52は、4分割した受光素子54a〜54dをもって構成する。この実施形態においても、光カード上で最も隣接するスポットの方向と、それらのスポットの戻り光が集光レンズ46および平行平板47による非点収差光学系によって近側に形成する楕円ビーム形状の短軸方向とがほぼ一致するように構成する。
【0041】
このようにして、上述した実施形態の場合と同様に、受光部52の4分割受光素子54a〜54dの出力に基づいて、非点収差法により対物レンズをフォーカス制御するためのフォーカスエラー信号を得、受光素子53a,53bの出力に基づいて、3ビーム法により対物レンズをトラッキング制御するためのトラッキングエラー信号を得ながら、記録モードにおいては、スポット51aの光パワーを再生パワーから記録情報に応じて記録パワーに変調して、該スポット51aが位置するトラック50aに情報を記録し、再生モードにおいては、スポット51aの光パワーを再生パワーとして、該スポット51aが位置するトラック50aに記録されている情報を、4分割受光素子54a〜54dの出力の和に基づいて再生する。
【0042】
したがって、この実施形態においても、回折格子43の回折角を必要以上大きくしたり、対物レンズの焦点距離を長くすることなく、小型な構成で、対物レンズのフォーカス制御範囲において、光カードに照射される3本の光ビームの戻り光を、光検出器49のそれぞれ対応する受光素子で有効に分離して受光することができ、不所望なクロストークの発生を有効に防止することができる。
【0043】
なお、この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、上述した実施形態では、非点収差光学系を集光レンズと平行平板とをもって構成したが、シリンドリカルレンズやトーリックレンズ等の他の光学素子を用いて構成することもできる。また、図10に示す光ピックアップにおいて、半導体レーザ41を図1に示した半導体レーザ2と同様の再生用のものに変更して、1トラックリードオンリーのピックアップを構成することもできる。さらに、この発明は、光カードに限らず、光ディスク等の他の記録媒体に対して情報の記録や再生を行うピックアップにも有効に適用することができる。
【0044】
付記項
1.記録媒体に対して情報の記録および再生の少なくとも一方を行うために、収束光学系を経て前記記録媒体に複数の光ビームをスポット状に照射し、該記録媒体で反射されるそれぞれの戻り光を非点収差光学系を経て対応する光検出器で受光して、その少なくとも一つの光検出器の出力に基づいて非点収差法により、前記収束光学系と前記記録媒体との相対的位置ずれを表すフォーカスエラー信号を検出するようにした光ピックアップにおいて、
前記記録媒体上で最も隣接するスポットの方向と、それらのスポットの戻り光が前記非点収差光学系によってその近側に形成する楕円ビーム形状の短軸方向とがほぼ一致するように構成したことを特徴とする光ピックアップ。
【0045】
【発明の効果】
この発明によれば、記録媒体に照射される複数の光ビームの戻り光を、不所望なクロストークを生じることなく、対応する受光素子でそれぞれ受光できるようにしたので、それぞれの戻り光に基づいて所要の信号を常に精度良く検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る光ピックアップの一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1の部分側面図である。
【図3】図1に示す実施形態における光カード上でのビームスポットとトラックとの相対的位置関係を示す図である。
【図4】図1に示す光検出器の受光面の構成を示す平面図である。
【図5】図1において、光カード上での隣接スポット間隔の条件を説明するための図である。
【図6】媒体上での複数のビームスポットの配置例を示す図である。
【図7】図6に示すビームスポットの戻り光を非点収差を与えて集光する場合の非点収差光学系による集光状態を説明するための図である。
【図8】図7に示す非点収差光学系による各戻り光の最小錯乱円の形成状態を示す図である。
【図9】図1において、光検出器に入射する戻り光のビーム形状を説明するための図である。
【図10】この発明に係る光ピックアップの他の実施形態を示す図である。
【図11】図10に示す実施形態における光カード上でのビームスポットとトラックとの相対的位置関係を示す図である。
【図12】図10に示す光検出器の受光面の構成を示す平面図である。
【図13】従来の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
1,2 半導体レーザ
3 対物レンズ
4 光カード
5,8 コリメータレンズ
6 回折格子
7 プリズム部材
9 1/2波長板
10 回折光学部材
11a,11b 偏光膜
13 集光レンズ
14 平行平板
15 凹レンズ
16 光検出器
31 記録層
32 接着層
33 基板

Claims (1)

  1. 記録層を有する多層構造の記録媒体に対して情報の記録および再生の少なくとも一方を行うために、収束光学系を経て前記記録媒体に複数の光ビームを照射するようにした光ピックアップにおいて、
    前記複数の光ビームによって前記記録層上に形成される隣接スポットの最小間隔をL、
    前記記録層と隣接する層の厚さおよび屈折率をそれぞれdおよびn、
    前記収束光学系の実効的開口数をNAとするとき、
    Figure 0003583564
    を満足するよう構成したことを特徴とする光ピックアップ。
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