JP3583244B2 - ウォークインシート構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、シートバックの前倒しに連動したシートスライド装置のロック解除のもとで、調整範囲を越えたシートスライド装置のスライド前限位置まで、シートを偏倚手段の偏倚力のもとでスライドさせるウォークインシート構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、シートバックの前倒しに連動するシートスライド装置のロック解除によって所定の調整範囲より前方にシートを移動させる、いわゆるウォークインシートが、2ドア、3ドアタイプの乗用車等のフロントシートとして、広く提供されている。
【0003】
このようなウォークインシート構造として、たとえば、実開昭53−156219号公報に開示の構成が知られている。このような公知の構成においては、たとえば、アウターサイドのシートスライド装置に枢着されたリンクアームが、被覆ワイヤ等の連動手段を介してシートバックに連動可能に連結され、このリンクアームに、他サイド、つまりはインナーサイドに配設されたスライドロック手段のロックアームが、専用のワイヤ等を介して連動可能に連結されている。
【0004】
また、このようなリンクアームは、シートバックの前倒しに連動してスライドロック手段をロック解除させるための機能の他に、シートスライド装置のスライド範囲を、所定の調整範囲内に規定する機能をも一般的に持たされている。
【0005】
このようなシートスライド装置のスライド範囲を規定する機構としては、たとえば、シートスライド装置のスライド方向に延びた長孔状のガイド孔と、ガイド孔に挿入、係合可能なストッパピンとの組み合わせが知られている。このような機構は、通常、スライドロック手段の配置されたの同一サイドに配置され、ストッパピンが、専用のワイヤ等を介して、リンクアームに連動可能に連結されている。そして、シートバックの前倒しに伴うリンクアームの回動のもとでストッパピンを係合解除方向に牽引するように、この機構は構成されている。
【0006】
このような構成では、シートバックの前倒しに連動したリンクアームの回動により、スライドロック手段のロックアーム、および、スライド範囲を規制する機構のストッパピンが対応する個別のワイヤを介してそれぞれ牽引されて、シートスライド装置のスライド規制およびスライド範囲の規制が解除される。そして、これによって、シートスライド装置の調整範囲を越えた前方へのシートのスライドが確保される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、公知の構成においては、シートバックの前倒しによって生じる動力、つまりリンクアームの回動を、他方のシートスライド装置に設けられたスライドロック手段のロックプレートおよびストッパピンに、それぞれのワイヤを介して伝達しなければならないため、リンクアームからの動力の伝達経路が長く、複雑化しやすい。
【0008】
そして、スライドロック手段と、シートスライド装置の調整範囲を規定する機構とが個別に構成されるとともに、これらが、異なるサイドのシートスライド装置に配置されたリンクアームに、個別のワイヤを介して連動可能に連結されるため、部品点数の増加および構成の複雑化が避けられない。
【0009】
この発明は、動力の伝達経路の簡素化および部品点数の削減によって構成の簡単化をはかるウォークインシート構造の提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、この発明によれば、スライドロック手段のロック解除を手動によって行うための操作レバーが、その支軸部に略クランク形状の係合片を部分的に有して形成され、この係合片に係合する係合ピンの立設されたリンクアームが、シートバックの前倒しに連動した回動に伴う当該係合ピンでの係合片の押圧のもとで操作レバーをロック解除方向に回動可能に、スライドロック手段の配設されたのと同一サイドのシートスライド装置のアッパーレールに設けられている。
【0011】
そして、ロアレールサイドの所定の係合端とフックとの係合のもとでシートスライド装置の調整範囲の前限を規定するフックアームが、リンクアームの回動中心の回りを回動自在に支持され、フックアーム、リンクアームのいずれか一方に設けられた突起による他方との係合のもとで、フックアームをリンクアームの回動に追従して係合解除方向に回動可能としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
図1、図2に示すように、この発明に係るウォークインシート構造10においては、インナーサイド、アウターサイド一対のシートスライド装置12i、12o によってシート14が前後方向にスライド可能に支持されるとともに、シートスライド装置のスライドを規制するスライドロック手段16が、シートバック20の前倒しに連動してロック解除可能に構成されている。
【0014】
なお、この発明の実施の形態においては、シート14として、乗用車等のフロントシートのうちの、シートの正面に向かって右サイドにドアの位置するサイドのシートを例示して、以下説明する。
【0015】
図2に示すように、一対のシートスライド装置12i、12o は、シート14、ひいてはシートクッション22の下部の左右位置に離反してそれぞれ配置され、たとえば、自動車の中央サイドに位置するものがインナーサイドのシートスライド装置12i として、また、自動車のドアサイドに位置するものがアウターサイドのシートスライド装置12o として、それぞれ規定されている。
【0016】
図1、図2に示すように、このようなシートスライド装置12i、12o は、シートクッション22の固定されるアッパーレール24と、レッグブラケット26を介して車両の床面(車床)等に固定されるロアレール28とを備えている。そして、たとえば、図3(b) に示すように、アッパーレール24が、ロアレール28に対しスチールボール30、ローラ32等の転動子を介してスライド自在に組み付けられて、シートスライド装置12i、12o は構成されている。
【0017】
ここで、このようなシートスライド装置12i、12o は、そのスライド、つまりはロアレール28に対するアッパーレール24のスライドを規制するためのスライドロック手段16をインナーサイド、アウターサイドのいずれかに備えて形成されている。なお、図1、図3(a) および図3(c) に示すように、この発明の実施の形態においては、スライドロック手段16が、アウターサイドのシートスライド装置12o に設けられている。
【0018】
スライドロック手段16は、たとえば、ブラケット34、36 に支軸部38a の軸支された操作レバー38と、係合爪40a を自由端に有して操作レバーの支軸部に固着されたロックアーム40と、ロックアームの係合爪の挿入、係合可能な一連の係合孔42a を有してロアレール28に固着されたロックプレート42との組み合わせを備えて形成されている。
【0019】
なお、図1の参照符号44は、ロックアーム40、ひいては操作レバー38を、ロックプレートの係合孔42a と係合爪40a との挿入、係合方向に偏倚するためのロックばねであり、このロックばねの偏倚力のもとで、係合爪、係合孔間の係合されたスライドロック手段16のロック状態が保持可能となっている。ロックばね44として、たとえば、操作レバーの支軸部38a に巻装されて各端末をブラケット36および支軸部に係止したねじりばねが利用できる。
【0020】
このような構成では、ロックアーム40がアッパーレールサイドに、また、ロックプレート42がロアレールサイドに、それぞれ設けられているため、ロックばね44の偏倚力のもとでのロックアームの係合爪40a 、ロックプレートの係合孔42a 間の係合、つまりはスライドロック手段16のロックによって、ロアレール28に対するアッパーレール24のスライドが規制される。そして、操作レバー38の先端の折曲によって形成された操作端38b による、ロックばね44の偏倚力に抗したロックアーム40の回動操作のもとでのロックアーム40、ロックプレート42間のロック解除によって、ロアレール28に対するアッパーレール24のスライドが確保可能となっている(図2参照)。
【0021】
つまり、このようなシートスライド装置12i、12o を備えたシート14によれば、操作レバーの操作端38b の操作によって、スライドロック手段16のロック解除が手動で行え、これによって、シートの前後位置が所定の調整範囲内で任意に調整できる。
【0022】
ここで、図1、図3(a) および図3(b) に示すように、この発明のウォークインシート構造10においては、スライドロック手段16の配設されたのと同一サイドのシートスライド装置、つまりアウターサイドのシートスライド装置12o に、略く字形状のリンクアーム46が回動自在に配設されている。
【0023】
シートスライド装置12o のアッパーレール24は、たとえば、上面にベースブラケット48を有して形成され、インナーサイドに延出された延出端に、リンクアーム46が枢支ピン50によって枢着されている(図4参照)。そして、シートバック20の前倒しに連動してリンクアーム46を回動可能に、シートバックとリンクアームの一端46a とが、たとえば、被覆ワイヤ等の連動手段52を介して連結されている。
【0024】
被覆ワイヤ(連動手段)52のシートバックサイドの端末は、実開昭53−156219号公報に開示するように、たとえば、シートバックの前倒しに追従して回動するリクライニング装置の可動部材等に連結される。そして、被覆ワイヤ52のリンクサイドの端末は、係止ピン54等によって、リンクアームの一端46a に回動自在に連結されている。
【0025】
なお、図示のような被覆ワイヤ52においては、そのワイヤ本体52a がリンクアームの一端46a に連結され、ワイヤ本体を覆う被覆管52b の端末は、たとえば、ベースブラケット48に形成された係止片48a に係止、固定される。
【0026】
そして、図1、図3(a) および図3(b) を見るとわかるように、この発明においては、スライドロック手段16の操作レバー38が、その支軸部38a にクランク形状の係合片38c を有して形成されるとともに、この係合片に係合可能な係合ピン56が、リンクアーム46の他端46b に立設されている。この係合ピン56は、シートバック20の前倒しに連動したリンクアーム46の回動によって操作レバーの係合片38c をスライドロック手段16のロック解除方向に押圧可能に構成されている。
【0027】
ここで、この種のウォークインシート構造10においては、シートスライド装置12i、12o によるシート14のスライド範囲が、通常時、たとえば、図5の実線に示す位置と一点鎖線で示す位置との間のような、所定の範囲に規定されている。そして、シートバック20の前倒しに伴うその規定の解除によって、調整範囲を越えた前方のスライド前限までシート14を強制的にスライドさせるように、このウォークインシート構造10は構成されている(図5の二点鎖線参照)。
【0028】
図1および図3(a) に示すように、この発明においては、ロアレールサイドの所定の係合端、たとえば、ロックプレート42の上辺の部分的な切欠き58によって形成された係合端60に係合可能なフック62a を有するフックアーム62が、係合方向への偏倚力を有して、リンクアーム46の回動中心の回りを回動自在に、リンクアームと同一の枢支ピン50によって支持されている。このウォークインシート構造10においては、このフックアームのフック62a と係合端60との係合のもとで、シート14の通常時の調整範囲の調整前限が規定可能となっている。
【0029】
図1、図3(b) に加えて図4を見るとわかるように、フックアーム62は、ベースブラケット48の下方に配置され、枢支ピン50による連続した挿通によって、ベースプレートに対し、リンクアーム46と共に枢着されている。
【0030】
なお、この発明の実施の形態においては、ねじりばね64がベースブラケット48とフックアーム62との間で枢支ピン50に巻装され、このねじりばねの各端末をベースブラケット、フックアームにそれぞれ係止させることによって、係合端60との係合方向への偏倚力が、フックアームに付与されている。しかしながら、係合方向への偏倚力をフックアーム62に付与可能であれば足りるため、ねじりばねに限定されず、他のばね手段等からの偏倚力をフックアームに付与可能とする構成としてもよい。
【0031】
図3(a)、(b) および図4を見るとわかるように、フックアーム62は、たとえば、リンクアーム46に係合可能な突起66を一体に有して形成されている。突起66は、シートバック20の前倒しに伴うリンクアーム46の回動のもとで係合可能な位置に設けられ、このリンクアームの回動に追従して係合解除方向に回動可能に、フックアームは構成されている。
【0032】
たとえば、図3(a) 〜(c) に示す状態を、このウォークインシート構造10の初期状態と仮定する。この初期状態においては、フックアーム62がねじりばね64の偏倚力のもとでロックプレート42の係合端60との係合位置に偏倚、保持されるため、このフックアームのフック62a と係合端との係合のもとで、シートスライド装置12i、12o によるシート14のスライド範囲が、通常時の調整範囲に規定される。
【0033】
そして、このような状態において、シートバック20を前倒しすると、リンクアームの一端46a が被覆ワイヤ52を介して図3(a) の左方に牽引されて、リンクアーム46が枢支ピン50の回りを反時計方向に回動する。このとき、図3(b) に示すように、リンクアームの係合ピン56が操作レバーの折曲片38c に係合するため、反時計方向へのリンクアーム46の回動に伴って、操作レバーの折曲片は同図の右方に押圧され、これによって、ロックアーム40が操作レバーの支軸部38a を中心として時計方向に回動する。
【0034】
つまり、シートバック20の前倒しに連動したリンクアーム46の回動によって、シートスライド装置のスライドロック手段16は、図6(a)、(c) に示すようにロック解除される。
【0035】
また、図3(a) に示すように、フックアームの突起66がリンクアーム46に係合しているため、リンクアーム46がシートバック20の前倒しのもとで回動すると、フックアーム62も、リンクアームの回動に追従して同図の反時計方向に回動する。つまり、このリンクアーム46の回動に追従したフックアーム62の回動によって、シートバック20の前倒しに連動した係合端60、フック62a 間の係合解除、および、係合解除状態でのフックの保持が確保可能となっている(図6(a)、(b) 参照)。従って、通常の調整範囲へのシートスライド装置12i、12o のスライド範囲の規制が、シートバック20の前倒しのもとで解除される。
【0036】
このように、このウォークインシート構造10においては、シートスライド装置16のロック解除、および、フックアーム62による、調整範囲へのシート14のスライド範囲の規制解除が、シートバック20の前倒しのもとで同期して行われる。
【0037】
なお、このようなウォークインシート構造10は、通常、シート14を前方に偏倚するための偏倚手段(図示しない)を有して形成され、スライドロック手段16のロック解除、および、フックアーム62によるスライド範囲の規制解除のもとで、シートが調整範囲を越えたスライド前限まで強制的にスライドされる。この偏倚手段を有するウォークインシート構造自体は、実開昭53−156219号公報に開示のように公知であるため、この偏倚手段に対する詳細な説明は、ここでは省略する。
【0038】
上記のように、この発明のウォークインシート構造10においては、操作レバー38に略リンク形状の係止片38c が設けられるとともに、この係止片に係合可能な係合ピン56を有するリンクアーム46が、スライドロック手段16の配設されたのと同一サイドのシートスライド装置12o に配設されている。そして、シートバック20の前倒しに伴う係合ピン56での係止片38c の係合、押圧によって、スライドロック手段16のロック解除、および、フックアーム62による調整範囲の規制解除を同期して行うように、このウォークインシート構造10は構成されている。
【0039】
つまり、スライドロック手段16およびこれをロック解除するためのリンクアーム46が、同一サイドのシートスライド装置12o に配設でき、リンクアームの係合ピン56による操作レバーの係合片38c の直接的な押圧によってスライドロック手段16のロック解除が得られる。そのため、シートバック20の前倒しによる動力の伝達経路が十分に短くなり、伝達経路の複雑化が防止できる。
【0040】
そして、操作レバーの係合片38c を直接的に押圧可能に、係合ピン56をリンクアーム46の他端に立設すれば足りるため、構成の簡素化がはかられる。
【0041】
更に、フックアーム62をリンクアーム46と同一の枢支ピン50によって回動自在に支持するとともに、リンクアームに係合可能な突起66をフックアームに設ければ足りるため、構成の複雑化を伴うことなく、シートバック20の前倒しに伴うスライド範囲の規定解除が容易に得られる。従って、この点からも、ウォークインシート構造10における構成の簡素化が十分にはかられる。
【0042】
また、リンクアーム46の係合ピン56によって操作レバーの係止片38c を直接的に係合、押圧するため、その動作の確実性が容易に確保できる。
【0043】
ここで、この実施の形態においては、リンクアーム46とフックアーム62とを同一の枢支ピン50によって支持しているが、フックアームはリンクアームの回動中心の回りを回動であれば足りるため、同軸上に配置された個別の枢支ピンによって、リンクアーム、フックアームをそれぞれ支持する構成としてもよい。しかしながら、リンクアーム46、フックアーム62を同一の枢支ピン50によって支持すれば、部品点数の増加を伴うことなく、リンクアーム、フックアームの適切な支持が容易に得られる。
【0044】
また、フックアームのフック62a の係合可能な係合端60をロックプレート42に設けているが、係合端はロアレールサイドに固定されていれば足りるため、ロックプレートに限定されず、たとえば、ロアレール28に固定した専用のブラケット等によって、フックの係合可能な係合端を形成してもよい。しかしながら、ロックプレート42を利用して係合端60を形成すれば、部品点数を伴うことなく、フックアームのフック62a の係合可能な係合端が形成できるため、この点においても、部品点数の増加が防止でき、構成の簡素化が十分にはかられる。
【0045】
更に、この実施の形態においては、アウターサイドのシートスライド装置12o にスライドロック手段16を有する構成として、ウォークインシート構造10を具体化しているが、これに限定されず、インナーサイドのシートスライド装置12i にスライドロック手段を設ける構成としてもよい。この場合においては、リンクアーム46も、スライドロック手段16と同一のサイド、つまりはインナーサイドのシートスライド装置12i に配置される。
【0046】
また、この実施の形態においては、フックアーム62がリンクアーム46に係合可能な突起66を一体に有して形成されているが、これとは逆に、リンクアームに、フックアームと係合可能な突起を設ける構成としてもよい。
【0047】
なお、この発明の実施の形態においては、2ドア、3ドアの乗用車等のウォークインシート構造を例示しているが、乗用車に限定されず、電車、飛行機、船舶等のシートに、この発明を応用してもよい。
【0048】
上述した発明の実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明を何等限定するものでなく、この発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたものも全てこの発明に包含されることはいうまでもない。
【0049】
【発明の効果】
上記のように、この発明に係るウォークインシート構造によれば、スライドロック手段およびこれをロック解除するためのリンクアームを、同一サイドのシートスライド装置に配設し、リンクアームの係合ピンによる操作レバーの係合片の直接的な押圧によって、スライドロック手段のロック解除が得られるため、シートバックの前倒しによる動力の伝達経路が十分に短くなり、伝達経路の複雑化が防止できる。
【0050】
そして、操作レバーの係合片を直接的に押圧可能に、係合ピンをリンクアームの他端に立設すれば足りるため、構成の簡素化がはかられる。
【0051】
更に、フックアームをリンクアームと同一の枢支ピンによって回動自在に支持するとともに、リンクアームに係合可能な突起をフックアームに設ければ足りるため、構成の複雑化を伴うことなく、シートバックの前倒しに伴うスライド範囲の規定解除が容易に得られる。従って、この点からも、ウォークインシート構造における構成の簡素化が十分にはかられる。
【0052】
また、リンクアームの係合ピンによって操作レバーの係止片を直接的に係合、押圧するため、その動作の確実性が容易に確保できる。
【0053】
そして、リンクアーム、フックアームを同一の枢支ピンによって支持すれば、部品点数の増加を伴うことなく、リンクアーム、フックアームの適切な支持が容易に得られる。
【0054】
また、ロックプレートを利用して係合端を形成すれば、部品点数を伴うことなく、フックアームのフックの係合可能な係合端が形成できるため、この点においても、部品点数の増加が防止でき、構成の簡素化が十分にはかられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るウォークインシート構造の一部破断の概略斜視図である。
【図2】シートスライド装置を有するシートの正面図である。
【図3】初期状態における、ウォークインシート構造の一部破断の平面図、この平面図の矢印A方向から見た矢視図、および、平面図の線B−Bに沿った断面図である。
【図4】ベースブラケットに対するリンクアーム、フックアームおよび枢支ピンの分解斜視図である。
【図5】シートのスライド範囲を示す、シートの模式図である。
【図6】シートバックの前倒し時における、図3に類似した、ウォークインシート構造の一部破断の平面図、矢視図および断面図である。
【符号の説明】
10 ウォークインシート構造
12i、12o シートスライド装置
14 シート
16 スライドロック手段
20 シートバック
24 アッパーレール
28 ロアレール
38 操作レバー
38a 支軸部
38c 係合片
40 ロックアーム
42 ロックプレート
46 リンクアーム
50 枢支ピン
56 係合ピン
60 係合端
62 フックアーム
62a フック
66 突起

Claims (3)

  1. ロアレールに対するアッパーレールのスライドを規制可能なスライドロック手段をインナーサイド、アウターサイドのいずれかに有するインナー、アウター一対のシートスライド装置を備え、シートバックの前倒しに連動したスライドロック手段のロック解除により、調整範囲を越えたシートスライド装置のスライド前限位置まで、偏倚手段の偏倚力のもとでシートをスライドさせるウォークインシート構造において、
    上記スライドロック手段のロック解除を手動によって行うための操作レバーが、その支軸部に略クランク形状の係合片を部分的に有して形成され、
    この係合片に係合する係合ピンの立設されたリンクアームが、シートバックの前倒しに連動した回動に伴う当該係合ピンでの係合片の押圧のもとで操作レバーをロック解除方向に回動可能に、スライドロック手段の配設されたのと同一サイドのシートスライド装置のアッパーレールに設けられるとともに、
    ロアレールサイドの所定の係合端とフックとの係合のもとでシートスライド装置の調整範囲の前限を規定するフックアームが、係合方向への偏倚力を有して、リンクアームの回動中心の回りを回動自在に支持され、フックアーム、リンクアームのいずれか一方に設けられた突起による他方との係合のもとで、フックアームをリンクアームの回動に追従して係合解除方向に回動可能としたことを特徴とするウォークインシート構造。
  2. スライドロック手段を有するサイドのシートスライド装置のアッパーレールにベースブラケットが固定され、このベースブラケットに、リンクアーム、フックアームが同一の枢支ピンによって枢着された請求項1記載のウォークインシート構造。
  3. スライドロック手段が、自由端に係合爪を有して操作レバーの支軸部に固着されたロックアームと;ロックアームの係合爪の挿入、係合可能な一連の係合孔を有してロアレールに固着されたロックプレートと;の組み合わせを備えて形成され、
    フックアームのフックの係合される所定の係合端が、上記ロックプレートの上辺の部分的な切欠きによって形成された請求項1または2記載のウォークインシート構造。
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