JP3582611B2 - Method for producing polyarylene sulfide - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ポリアリーレンスルフィド(以下、PASと略すことがある)の製造法に関し、更に詳しくはエポキシ樹脂や熱可塑性樹脂との接着性に優れたPASの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
PASは耐熱性、成形加工性に優れ、更には良好な耐薬品性、難燃性、寸法安定性等を有するため、電気・電子部品あるいは機械部品等に広く使用されている。しかし、PASは他の樹脂との接着性、特にエポキシ樹脂との接着性が比較的悪い。そのため、例えばエポキシ系接着剤によるPAS同士の接合、PASと他の材料との接合、あるいはエポキシ樹脂による電気・電子部品の封止等の際に、PASとエポキシ樹脂との接着性の悪さが問題となっていた。
【0003】
かかる問題に鑑みて、PASとエポキシ樹脂との接着性を改良する種々の試みがなされている。例えば、特開平2‐272063号公報にはカルナバワックスを含むポリフェニレンスルフィド(以下、PPSと略すことがある)樹脂組成物、特開平4‐275368号公報には繊維状及び/又は非繊維状充填剤とポリアルキレンエーテル化合物を配合してなるPPS樹脂組成物、特開平5‐171041号公報には橋かけポリアクリル酸塩等の高吸水性樹脂を含むPPS樹脂組成物、特開平6‐57136号公報には芳香族スルホン化合物、及び繊維状及び/又は非繊維状充填剤を配合してなるPPS樹脂組成物、特開平6‐107946号公報には脂肪族ポリエステル、及び繊維状及び/又は非繊維状充填剤を配合してなるPPS樹脂組成物、また、特開平6‐166816号公報にはポリ(エチレンシクロヘキサンジメチレンテレフタレート)共重合体を配合してなるPPS樹脂組成物が夫々開示されている。しかし、上記のいずれにおいても、PPSより耐熱性の低い物質を添加するため、樹脂組成物の耐熱性が低下し、更には機械的強度が著しく低下する樹脂組成物もあった。
【0004】
また、特開平4‐198267号公報には、カルボキシル基含有PASを含むPAS樹脂組成物、また特開平5‐25388号公報には、アミノ基含有PASを含むPAS樹脂組成物が開示されている。しかし、得られたPASの接着強度は十分なものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のPASの持つ高い耐熱性と機械的強度に加えて、エポキシ樹脂等との接着性にも優れたPASを作ることができ、しかも溶媒の回収率が高く、水洗浄工程を簡略化できるので、生産性高く、かつコスト的に有利に製造する方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、有機アミド系溶媒中でアルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを反応させてポリアリーレンスルフィドを製造する方法において、アルカリ金属硫化物に対して0.1〜3.0モル%の官能基含有ハロ置換芳香族化合物を予めアルカリ金属硫化物と混合加熱した後、ジハロ芳香族化合物を添加して、反応させることにより得たポリアリーレンスルフィドのスラリーを濾過した後、得られた含溶媒濾過ケーキを非酸化性ガス雰囲気下150〜250℃の温度で加熱して溶媒を除去し、次いで水洗浄することを特徴とするポリアリーレンスルフィドの製造法である。
【0007】
官能基含有ハロ置換芳香族化合物を予めアルカリ金属硫化物と混合加熱した後、ジハロ芳香族化合物を添加して反応させる本発明の方法では、官能基含有ハロ置換芳香族化合物とジハロ芳香族化合物を同時的に添加してアルカリ金属硫化物と反応させる従来法に比べて、本質的に反応性の低い官能基含有ハロ置換芳香族化合物の反応率を、大幅に向上させることができ、少量の添加で十分にPASを官能基化することができる。従って、重合終了時に未反応モノマーは著しく少なく、この分離回収処理が容易であり、経済性にも優れている。このように官能基含有ハロ置換芳香族化合物の反応率を大幅に向上することができるのは、予めアルカリ金属硫化物と官能基含有ハロ置換芳香族化合物とを混合加熱することによって、反応の律速となっている官能基含有ハロ置換芳香族化合物のハロゲン原子の置換を容易に生ぜしめることができるためと考えられる。
【0008】
本発明の方法において添加する官能基含有ハロ置換芳香族化合物は、アルカリ金属硫化物に対して、下限が0.1モル%、好ましくは0.2モル%であり、上限が3.0モル%、好ましくは2.5モル%である。上記下限未満では接着性が不十分となり、上記上限を越えては製造したPASの熱安定性が著しく悪くなる。そのため、成形時にゲル状物が発生し、成形性が極めて悪くなる。
【0009】
アルカリ金属硫化物と官能基含有ハロ置換芳香族化合物との混合攪拌は、好ましくは200〜300℃、より好ましくは230〜250℃の温度で、好ましくは1〜30時間、より好ましくは1〜15時間行われる。温度が上記下限未満では、十分に官能基含有ハロ置換芳香族化合物を反応することができず、混合攪拌後の液中に多量の官能基含有ハロ置換芳香族化合物が残存する。上記上限を超えては、溶媒の劣化を招き、また副反応が著しい。混合攪拌時間が上記下限未満では、十分に官能基含有ハロ置換芳香族化合物を反応することができず、上記上限を超えても、官能基含有ハロ置換芳香族化合物の反応に及ぼす効果は殆どない。上記のように、アルカリ金属硫化物と官能基含有ハロ置換芳香族化合物との混合攪拌を実施した後、液温が好ましくは100〜200℃、特に好ましくは150〜200℃となるまで冷却してジハロ芳香族化合物を添加する。上記下限未満では液の流動性が低下するため温度制御が困難となり、上記上限を越えてはジハロ芳香族化合物の添加時に重合反応が急激に起り温度制御が不可能になる。
【0010】
本発明で用いられる官能基含有ハロ置換芳香族化合物としては、少なくとも一の芳香族環を有し、芳香族環を形成する炭素原子のうち少なくとも一の炭素原子及び/又は芳香族環の側鎖を形成する炭素原子の少なくとも一の炭素原子に官能基を有しており、同時に芳香族環を形成する炭素原子のうち少なくとも二の炭素原子にハロゲン原子が結合している芳香族化合物を使用することができる。ここで芳香族環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等を挙げることができる。これらのうちベンゼン環が好ましい。
【0011】
官能基含有ハロ置換芳香族化合物が2個以上の芳香族環を有する場合には、それらの芳香族環は、直接単結合で結合していてもよく、二価の基を介在して結合していてもよい。該二価の基としては、例えば酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基、スルホニル基、カルボニル基、オキシアルキレン基、カルボニルアルキレン基、及びポリメチレン基等の二価の炭化水素残基等を挙げることができる。
【0012】
官能基としては、例えば活性水素含有基即ち‐NH2 、‐SH、‐OH、‐NHR、‐COOH、‐CONH2 、‐CONHRを挙げることができる。上記官能基中のRは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルカリール基、アリール置換アルキル基を示す。これらの官能基のうち、‐NH2 、‐COOHが好ましい。また、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。
【0013】
官能基含有ハロ置換芳香族化合物としては、特開昭62‐95320号又は特開昭62‐185717号公報に記載されているものを使用できる。官能基として‐NH2 を持つ官能基含有ハロ置換芳香族化合物としては、例えば2,5‐ジクロロアニリン、2,6‐ジクロロアニリン、2,4‐ジクロロアニリン、2,3‐ジクロロアニリン、3,5‐ジクロロアニリン、2,4‐ジブロモアニリン、2,2´‐ジアミノ‐4,4´‐ジクロロジフェニルエーテル、2,4´‐ジアミノ‐2´,4‐ジクロロジフェニルエーテル、2,2´‐ジアミノ‐4,4´‐ジクロロジフェニルチオエーテル、2,4´‐ジアミノ‐2´,4‐ジクロロジフェニルチオエーテル、2,2´‐ジアミノ‐4,4´‐ジクロロジフェニルスルホキシド、2,4´‐ジアミノ‐2´,4‐ジクロロジフェニルスルホキシド、2,2´‐ジアミノ‐4,4´‐ジクロロジフェニルメタン、2,4´‐ジアミノ‐2´,4‐ジクロロジフェニルメタン、2,5‐ジクロロ‐4´‐アミノジフェニルエーテル、2,5‐ジブロモ‐4´‐アミノジフェニルエーテル、2,5‐ジクロロ‐4´‐アミノジフェニルチオエーテル、2,5‐ジブロモ‐4´‐アミノジフェニルチオエーテル、2,5‐ジクロロ‐4´‐アミノジフェニルスルホキシド、2,5‐ジブロモ‐4´‐アミノジフェニルスルホキシド、2,5‐ジクロロ‐4´‐アミノジフェニルメタン、2,5‐ジブロモ‐4´‐アミノジフェニルメタン等のジハロ芳香族化合物及び2,3,4‐トリクロロアニリン、2,3,5‐トリクロロアニリン、2,3,6‐トリクロロアニリン、2,4,5‐トリクロロアニリン、2,4,6‐トリクロロアニリン、3,4,5‐トリクロロアニリン、2,3,4‐トリブロモアニリン、2,3,5‐トリブロモアニリン、2,3,6‐トリブロモアニリン、2,4,5‐トリブロモアニリン、2,4,6‐トリブロモアニリン、3,4,5‐トリブロモアニリン、2,5‐ジクロロ‐4‐ブロモアニリン、2,2´‐ジアミノ‐3,4,4´‐トリクロロジフェニルエーテル、2,4´‐ジアミノ‐2´,5´,4‐トリクロロジフェニルエーテル、2,4,5‐トリクロロ‐4´‐アミノジフェニルエーテル、2,3,4‐トリクロロ‐4´‐アミノジフェニルエーテル、2,4,5‐トリブロモ‐4´‐アミノジフェニルエーテル、2,4,6‐トリブロモ‐4´‐アミノジフェニルエーテル、2,5‐ジクロロ‐6‐ブロモ‐4´‐アミノジフェニルエーテル、2,4,5‐トリクロロ‐2´‐アミノジフェニルエーテル、2,2´‐ジアミノ‐3,4,4´‐トリクロロジフェニルチオエーテル、2,4,5‐トリクロロ‐4´‐アミノチオエーテル、2,2´‐ジアミノ‐4,5,4´‐トリクロロジフェニルスルホキシド、2,4,5‐トリクロロ‐4´‐アミノジフェニルスルホキシド、2,2´‐ジアミノ‐3,4,4´‐トリクロロジフェニルメタン、2,4,5‐トリクロロ‐4´‐アミノジフェニルメタン、2,4,4´‐トリクロロ‐2´‐アミノジフェニルプロパン、3,4,4´‐トリクロロ‐3´‐アミノビフェニル等のトリハロ芳香族化合物及び2,3,4,5‐テトラクロロアニリン、2,3,5,6‐テトラクロロアニリン、テトラクロロアミノジフェニルエーテル、テトラクロロアミノジフェニルチオエーテル等のポリハロ芳香族化合物が挙げられる。官能基として‐COOHを持つ官能基含有ハロ置換芳香族化合物としては、例えば2,6‐ジクロロ安息香酸、2,5‐ジクロロ安息香酸、2,4‐ジクロロ安息香酸、2,3‐ジクロロ安息香酸、2,6‐ジブロモ安息香酸、2,5‐ジブロモ安息香酸、2,4‐ジブロモ安息香酸、2,3‐ジブロモ安息香酸等のジハロ芳香族化合物及び2,3,4‐トリクロロ安息香酸、2,3,5‐トリクロロ安息香酸、2,3,6‐トリクロロ安息香酸、2,4,5‐トリクロロ安息香酸、2,4,6‐トリクロロ安息香酸、3,4,5‐トリクロロ安息香酸、2,3,4‐トリブロモ安息香酸、2,3,5‐トリブロモ安息香酸、2,3,6‐トリブロモ安息香酸、2,4,5‐トリブロモ安息香酸、2,4,6‐トリブロモ安息香酸、3,4,5‐トリブロモ安息香酸等のトリハロ芳香族化合物が挙げられる。官能基として‐SHを持つ官能基含有ハロ置換芳香族化合物としては、例えば2,6‐ジクロロチオフェノール、2,5‐ジクロロチオフェノール、2,4‐ジクロロチオフェノール、2,3‐ジクロロチオフェノール、2,2´‐ジメルカプト‐4,4´‐ジクロロジフェニルエーテル、2,4´‐ジメルカプト‐2´,4‐ジクロロジフェニルエーテル、2,2´‐ジメルカプト‐4,4´‐ジクロロジフェニルチオエーテル、2,4´‐ジメルカプト‐2´,4‐ジクロロジフェニルチオエーテル、2,2´‐ジメルカプト‐4,4´‐ジクロロジフェニルスルホキシド、2,4´‐ジメルカプト‐2´,4‐ジクロロジフェニルスルホキシド、2,2´‐ジメルカプト‐4,4´‐ジクロロジフェニルメタン、2,4´‐ジメルカプト‐2´,4‐ジクロロジフェニルメタン、2,5‐ジクロロ‐4´‐メルカプトジフェニルエーテル、2,5‐ジブロモ‐4´‐メルカプトジフェニルエーテル、2,5‐ジクロロ‐4´‐メルカプトジフェニルチオエーテル、2,5‐ジブロモ‐4´‐メルカプトジフェニルチオエーテル、2,5‐ジクロロ‐4´‐メルカプトジフェニルスルホキシド、2,5‐ジブロモ‐4´‐メルカプトジフェニルスルホキシド、2,5‐ジクロロ‐4´‐メルカプトジフェニルメタン、2,5‐ジブロモ‐4´‐メルカプトジフェニルメタン、2,5‐ジブロモ‐4´‐メルカプトジフェニルエーテル等のジハロ芳香族化合物及び2,3,4‐トリクロロチオフェノール、2,3,5‐トリクロロチオフェノール、2,3,6‐トリクロロチオフェノール、2,4,5‐トリクロロチオフェノール、2,4,6‐トリクロロチオフェノール、3,4,5‐トリクロロチオフェノール、2,3,4‐トリブロモチオフェノール、2,3,5‐トリブロモチオフェノール、2,3,6‐トリブロモチオフェノール、2,4,5‐トリブロモチオフェノール、2,4,6‐トリブロモチオフェノール、3,4,5‐トリブロモチオフェノール、2,2´‐ジメルカプト‐3,4,4´‐トリクロロジフェニルエーテル、2,4,5‐トリクロロ‐4´‐メルカプトジフェニルエーテル、2,2´‐ジメルカプト‐4,5,4´‐トリクロロジフェニルチオエーテル、2,4,5‐トリクロロ‐4´‐メルカプトジフェニルチオエーテル、2,2´‐ジメルカプト‐3,5,4´‐トリクロロジフェニルスルホキシド、2,4,5‐トリクロロ‐4´‐メルカプトジフェニルスルホキシド、3,3´‐ジメルカプト‐4,4´,5‐トリクロロジフェニルメタン、2,4,5‐トリクロロ‐4´‐メルカプトジフェニルメタン、3,3´‐ジメルカプト‐4,4´,5‐トリクロロビフェニル、3,4,5‐トリクロロ‐4´‐メルカプトビフェニル等のトリハロ芳香族化合物が挙げられる。官能基として‐OHを持つ官能基含有ハロ置換芳香族化合物としては、例えば2,6‐ジクロロフェノール、2,5‐ジクロロフェノール、2,4‐ジクロロフェノール、2,3‐ジクロロフェノール、3,4‐ジクロロフェノール、3,5‐ジクロロフェノール、2,4‐ジブロモフェノール、2,6‐ジブロモフェノール、2,2´‐ジヒドロキシ‐4,4´‐ジクロロジフェニルエーテル、2,4´‐ジヒドロキシ‐2´,4‐ジクロロジフェニルエーテル、2,2´‐ジヒドロキシ‐4,4´‐ジクロロジフェニルチオエーテル、2,4´‐ジヒドロキシ‐2´,4‐ジクロロジフェニルチオエーテル、2,2´‐ジヒドロキシ‐4,4´‐ジクロロジフェニルスルホキシド、2,4´‐ジヒドロキシ‐2´,4‐ジクロロジフェニルスルホキシド、2,2´‐ジヒドロキシ‐4,4´‐ジクロロジフェニルメタン、2,4´‐ジヒドロキシ‐2´,4‐ジクロロジフェニルメタン、2,5‐ジクロロ‐4´‐ヒドロキシジフェニルエーテル、2,5‐ジブロモ‐4´‐ヒドロキシジフェニルエーテル、2,5‐ジクロロ‐4´‐ヒドロキシジフェニルチオエーテル、2,5‐ジブロモ‐4´‐ヒドロキシジフェニルチオエーテル、2,5‐ジクロロ‐4´‐ヒドロキシジフェニルスルホキシド、2,5‐ジブロモ‐4´‐ヒドロキシジフェニルスルホキシド、2,5‐ジクロロ‐4´‐ヒドロキシジフェニルメタン、2,5‐ジブロモ‐4´‐ヒドロキシジフェニルメタン、2,5‐ジブロモ‐4´‐ヒドロキシジフェニルエーテル等のジハロ芳香族化合物及び2,3,4‐トリクロロフェノール、2,3,5‐トリクロロフェノール、2,3,6‐トリクロロフェノール、2,4,5‐トリクロロフェノール、2,4,6‐トリクロロフェノール、3,4,5‐トリクロロフェノール、2,3,4‐トリブロモフェノール、2,3,5‐トリブロモフェノール、2,3,6‐トリブロモフェノール、2,4,5‐トリブロモフェノール、2,4,6‐トリブロモフェノール、3,4,5‐トリブロモフェノール、2,2´‐ジヒドロキシ‐3,4,4´‐トリクロロジフェニルエーテル、2,4,5‐トリクロロ‐4´‐ヒドロキシジフェニルエーテル、2,2´‐ジヒドロキシ‐3,4,4´‐トリクロロジフェニルチオエーテル、2,4,5‐トリクロロ‐4´‐ヒドロキシジフェニルチオエーテル、2,2´‐ジヒドロキシ‐4,4´,5‐トリクロロジフェニルスルホキシド、2,4,5‐トリクロロ‐4´‐ヒドロキシジフェニルスルホキシド、2,2´‐ジヒドロキシ‐4,4´,5‐トリクロロジフェニルメタン、2,4,6‐トリクロロ‐4´‐ヒドロキシジフェニルメタン、3‐ヒドロキシ‐3,4,4´‐トリクロロビフェニル、3,4,5‐トリクロロ‐4´‐ヒドロキシビフェニル等のトリハロ芳香族化合物が挙げられる。官能基として‐NHRを持つ官能基含有ハロ置換芳香族化合物としては、例えば2,6‐ジクロロ(フェニル)アミノベンゼン、2,5‐ジクロロ(フェニル)アミノベンゼン、2,4‐ジクロロ(フェニル)アミノベンゼン、2,3‐ジクロロ(フェニル)アミノベンゼン等のジハロ芳香族化合物及び2,3,4‐トリクロロ(フェニルアミノ)ベンゼン、2,3,5‐トリクロロ(フェニルアミノ)ベンゼン、2,3,6‐トリクロロ(フェニルアミノ)ベンゼン、2,4,5‐トリクロロ(フェニルアミノ)ベンゼン、2,4,6‐トリクロロ(フェニルアミノ)ベンゼン、3,4,5‐トリクロロ(フェニルアミノ)ベンゼン、2,3,4‐トリブロモ(フェニルアミノ)ベンゼン、2,3,5‐トリブロモ(フェニルアミノ)ベンゼン、2,3,6‐トリブロモ(フェニルアミノ)ベンゼン、2,4,5‐トリブロモ(フェニルアミノ)ベンゼン、2,4,6‐トリブロモ(フェニルアミノ)ベンゼン、3,4,5‐トリブロモ(フェニルアミノ)ベンゼン等のトリハロ芳香族化合物が挙げられる。上記のうち、官能基として‐NH2 を持つ官能基含有ハロ置換芳香族化合物が好ましく使用され、特にジクロロアニリンが好ましい。
【0014】
本発明において使用する有機アミド系溶媒は、PAS重合のために知られており、たとえばN‐メチルピロリドン(NMP)、N,N‐ジメチルホルムアミド、N,N‐ジメチルアセトアミド、N‐メチルカプロラクタム等、及びこれらの混合物を使用でき、NMPが好ましい。これらは全て、水よりも低い蒸気圧を持つ。
【0015】
アルカリ金属硫化物も公知であり、たとえば、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウム及びこれらの混合物である。これらの水和物及び水溶液であっても良い。又、これらにそれぞれ対応する水硫化物及び水和物を、それぞれに対応する水酸化物で中和して用いることができる。安価な硫化ナトリウムが好ましい。
【0016】
ジハロ芳香族化合物は、たとえば特公昭45‐3368号公報記載のものから選ぶことができるが、好ましくはp‐ジクロロベンゼンである。又、少量(20モル%以下)のジフェニルエーテル、ジフェニルスルホン又はビフェニルのパラ、メタ又はオルトジハロ物を1種類以上用いて共重合体を得ることができる。例えば、m‐ジクロロベンゼン、o‐ジクロロベンゼン、p,p´‐ジクロロジフェニルエーテル、m,p´‐ジクロロジフェニルエーテル、m,m´‐ジクロロジフェニルエーテル、p,p´‐ジクロロジフェニルスルホン、m,p´‐ジクロロジフェニルスルホン、m,m´‐ジクロロジフェニルスルホン、p,p´‐ジクロロビフェニル、m,p´‐ジクロロビフェニル、m,m´‐ジクロロビフェニルである。
【0017】
有機アミド溶媒中でのアルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物との反応自体は、公知の通りに行うことができる。該反応中に、反応缶の気相部分を冷却することにより反応缶内の気相の一部を凝縮させ、これを液相に還流せしめることが好ましい。これにより、生成したPASの解重合を回避できると共に、一層高分子量のPASを製造することが可能となる。
【0018】
反応缶の気相部分を冷却することにより反応缶内の気相の一部を凝縮させ、これを液相に還流せしめる方法としては、特開平5‐222196号公報に記載の方法を使用することができる。
【0019】
還流される液体は、水とアミド系溶媒の蒸気圧差の故に、液相バルクに比較して水含有率が高い。この水含有率の高い還流液は、反応溶液上部に水含有率の高い層を形成する。その結果、残存のアルカリ金属硫化物(例えばNa2 S)、ハロゲン化アルカリ金属(例えばNaCl)、オリゴマー等が、その層に多く含有されるようになる。従来法においては230℃以上の高温下で、生成したPASとNa2 S等の原料及び副生成物とが均一に混じりあった状態では、高分子量のPASが得られないばかりでなく、せっかく生成したPASの解重合も生じ、チオフェノールの副生成が認められる。しかし、本発明では、反応缶の気相部分を積極的に冷却して、水分に富む還流液を多量に液相上部に戻してやることによって上記の不都合な現象が回避でき、反応を阻害するような因子を真に効率良く除外でき、高分子量PASを得ることができるものと思われる。但し、本発明は上記現象による効果のみにより限定されるものではなく、気相部分を冷却することによって生じる種々の影響によって、高分子量のPASが得られるのである。
【0020】
本発明においては、従来法のように反応の途中で水を添加することを要しない。しかし、水を添加することを全く排除するものではない。但し、水を添加する操作を行えば、本発明の利点のいくつかは失われる。従って、好ましくは、重合反応系内の全水分量は反応の間中一定である。
【0021】
反応缶の気相部分の冷却は、外部冷却でも内部冷却でも可能であり、自体公知の冷却手段により行える。たとえば、反応缶内の上部に設置した内部コイルに冷媒体を流す方法、反応缶外部の上部に巻きつけた外部コイルまたはジャケットに冷媒体を流す方法、反応缶上部に設置したリフラックスコンデンサーを用いる方法、反応缶外部の上部に水をかける又は気体(空気、窒素等)を吹き付ける等の方法が考えられるが、結果的に缶内の還流量を増大させる効果があるものならば、いずれの方法を用いても良い。外気温度が比較的低いなら(たとえば常温)、反応缶上部に従来備えられている保温材を取外すことによって、適切な冷却を行うことも可能である。外部冷却の場合、反応缶壁面で凝縮した水/アミド系溶媒混合物は反応缶壁を伝わって液相中に入る。従って、該水分に富む混合物は、液相上部に溜り、そこの水分量を比較的高く保つ。内部冷却の場合には、冷却面で凝縮した混合物が同様に冷却装置表面又は反応缶壁を伝わって液相中に入る。
【0022】
一方、液相バルクの温度は、所定の一定温度に保たれ、あるいは所定の温度プロフィールに従ってコントロールされる。一定温度とする場合、 230〜275 ℃の温度で 0.1〜20時間反応を行うことが好ましい。より好ましくは、 240〜265 ℃の温度で1〜6時間である。より高い分子量のPASを得るには、2段階以上の反応温度プロフィールを用いることが好ましい。この2段階操作を行う場合、第1段階は 195〜240 ℃の温度で行うことが好ましい。温度が低いと反応速度が小さすぎ、実用的ではない。 240℃より高いと反応速度が速すぎて、十分に高分子量なPASが得られないのみならず、副反応速度が著しく増大する。第1段階の終了は、重合反応系内ジハロ芳香族化合物残存率が1モル%〜40モル%、且つ分子量が 3,000〜20,000の範囲内の時点で行うことが好ましい。より好ましくは、重合反応系内ジハロ芳香族化合物残存率が2モル%〜15モル%、且つ分子量が 5,000〜15,000の範囲である。残存率が40モル%を越えると、第2段階の反応で解重合など副反応が生じやすく、一方、1モル%未満では、最終的に高分子量PASを得難い。その後昇温して、最終段階の反応は、反応温度 240〜270 ℃の範囲で、1時間〜10時間行うことが好ましい。温度が低いと十分に高分子量化したPASを得ることができず、また 270℃より高い温度では解重合等の副反応が生じやすくなり、安定的に高分子量物を得難くなる。
【0023】
実際の操作としては、先ず不活性ガス雰囲気下で、アミド系溶媒中のアルカリ金属硫化物中の水分量が所定の量となるよう、必要に応じて脱水または水添加する。水分量は、好ましくは、アルカリ金属硫化物1モル当り0.5〜2.5モル、特に0.8〜1.2モルとする。2.5モルを超えては、反応速度が小さくなり、しかも反応終了後の濾液中にフェノール等の副生成物量が増大し、重合度も上がらない。0.5モル未満では、反応速度が速すぎ、十分な高分子量の物を得ることができないと共に、副反応等の好ましくない反応が生ずる。
【0024】
反応時の気相部分の冷却は、一定温度での1段反応の場合では、反応開始時から行うことが望ましいが、少なくとも 250℃以下の昇温途中から行わなければならない。多段階反応では、第1段階の反応から冷却を行うことが望ましいが、遅くとも第1段階反応の終了後の昇温途中から行うことが好ましい。冷却効果の度合いは、通常反応缶内圧力が最も適した指標である。圧力の絶対値については、反応缶の特性、攪拌状態、系内水分量、ジハロ芳香族化合物とアルカリ金属硫化物とのモル比等によって異なる。しかし、同一反応条件下で冷却しない場合に比べて、反応缶圧力が低下すれば、還流液量が増加して、反応溶液気液界面における温度が低下していることを意味しており、その相対的な低下の度合いが水分含有量の多い層と、そうでない層との分離の度合いを示していると考えられる。そこで、冷却は反応缶内圧が、冷却をしない場合と比較して低くなる程度に行うのが好ましい。冷却の程度は、都度の使用する装置、運転条件などに応じて、当業者が適宜設定できる。
【0025】
上記の反応条件を種々選択することにより、所望の粘度を持つPASを製造することができる。
【0026】
PASの分子量をより大きくするために、例えば1,3,5‐トリクロロベンゼン、1,2,4‐トリクロロベンゼン等のポリハロ化合物を、パラ及びメタジハロ芳香族化合物の合計量に対して好ましくは5モル%以下の濃度で使用することもできる。
【0027】
また、他の少量添加物として、末端停止剤、修飾剤としてのモノハロ化物を併用することもできる。
【0028】
本発明においては、上記工程で得られたPASスラリーを濾過した後、得られた含溶媒濾過ケーキを非酸化性ガス雰囲気下150〜250℃の温度で加熱して溶媒を除去し、次いで水洗浄を施す。
【0029】
例えば、上記のようにして得られたPASスラリーを濾過し、溶媒を含むPASケーキを得る。次いで、該PASケーキは、ヘリウム、アルゴン、水素、窒素等の非酸化性ガス気流中、好ましくは酸素濃度5.0体積%未満の窒素ガス気流中、150〜250℃、好ましくは180〜230℃の温度で、好ましくは0.5〜20時間、特に好ましくは1〜10時間加熱される。該加熱は、好ましくは常圧〜3気圧、特に好ましくは常圧下で行われる。該加熱温度が上記下限未満では、溶媒の除去に長時間を必要とし、生産性の低下が生じる。上記上限を越えては、PASの着色が著しくなり好ましくない。上記の加熱による溶媒除去を行うことにより、PASの接着強度を高めることができると共に、従来の水洗浄により溶媒を除去する方法に比べて、水洗浄等の工程を簡略化でき、かつ溶媒の回収率を著しく向上せしめることができるため、生産性が高くコスト的に有利である。
【0030】
水洗浄は、好ましくは上記加熱後の濾過ケーキを水に分散させることにより行われる。例えば、上記のようにして得られた加熱後のPASケーキを、重量で好ましくは1〜5倍の水中に投入して、好ましくは常温〜90℃で、好ましくは5分間〜10時間攪拌混合した後、濾過する。該攪拌混合及び濾過操作を好ましくは2〜10回繰り返すことにより、PASに付着した溶媒及び副生塩の除去を行って水洗浄を終了する。上記のようにして水洗浄を行うことにより、フィルターケーキに水を注ぐ洗浄方法に比べて少ない水量で効率的な洗浄が可能となる。
【0031】
本発明の方法により製造されたPASは、急激な結晶化が進行しないので、成形収縮等によるクラック発生等を抑制することができ、エポキシ樹脂や熱可塑性樹脂と高い接着性を有する。従って、電気・電子部品の封止等の分野において有用である。
【0032】
本発明のPASを成形加工する際には、慣用の添加剤、例えばカーボンブラック、炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン等の粉末状充填剤、又は炭素繊維、ガラス繊維、アスベスト繊維、ポリアラミド繊維等の繊維状充填剤を混入することができる。
【0033】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【0034】
【実施例】
実施例において、溶融粘度V6 は、島津製作所製フローテスターCFT‐500Cを用いて300℃、荷重20kgf/cm2 、L/D=10で6分間保持した後に測定した粘度(ポイズ)である。
【0035】
DSCにより、結晶化温度Tc を測定した。装置としては、セイコー電子製示差走査熱量計SSC/5200を用い、以下のようにして測定した。試料10mgを窒素気流中、昇温速度20℃/分で室温から320℃まで昇温した後、320℃で5分間保持して溶融した。次いで10℃/分の速度で冷却した。このときの発熱ピーク温度を結晶化温度Tc とした。
【0036】
パラジクロルベンゼン(以下ではp‐DCBと略すことがある)及び2,5‐ジクロロアニリン(以下ではDCAと略すことがある)の反応率は、ガスクロマトグラフィーによる測定結果から算出した。ここで、各反応率は下記式により求めた。
【0037】
【数1】
p‐DCBの反応率(%)=
(1−残存p‐DCB重量/仕込p‐DCB重量)×100
【0038】
【数2】
DCAの反応率(%)=
(1−残存DCA重量/仕込DCA重量)×100
接着強度の測定は下記の通りに行った。PPS40重量部にガラスファイバー(CS 3J‐961S、商標、日東紡績株式会社製)30重量部及び炭酸カルシウム(SL‐1000、商標、竹原化学工業株式会社製)30重量部を混合した後、二軸異方向回転押出機を用い320℃で混練して、ペレットを作成した。得られたペレットから、シリンダー温度320℃、金型温度130℃に設定した射出成形機により、JIS K6850に従う試験片を作成した。JIS K6850に準拠し、得られた試験片をエポキシ樹脂系接着剤[長瀬チバ株式会社製、主剤(XNR3101、商標)/硬化剤(XNH3101、商標)=100重量部/33.3重量部]を用いて90℃、30分の硬化条件で接着した後、引張速度5mm/分、チャック間距離130mmで引張試験を行い、接着強度を測定した。但し、実施例3については、ガラスファイバー及び炭酸カルシウムを配合せず、PPSのみにより試験片を作成し、接着強度を測定した。
【0039】
【実施例1】
150リットルオートクレーブに、フレーク状硫化ソーダ(60.4重量%Na2 S)19.381kgと、N‐メチル‐2‐ピロリドン(以下ではNMPと略すことがある)45.0kgを仕込んだ。窒素気流下攪拌しながら209℃まで昇温して、水4.640kgを留出させた(残存する水分量は硫化ソーダ1モル当り1.12モル)。その後、オートクレーブを密閉して200℃まで冷却し、DCA0.122kg(硫化ソーダに対して0.5モル%)とNMP1.0kgを仕込んだ。昇温を開始して、液温が240℃になった時点で昇温を止め、2時間攪拌した。次に、180℃まで冷却して、p‐DCB22.969kg及びNMP18.0kgを仕込んだ。液温150℃で窒素ガスを用いて1kg/cm2 Gに加圧して昇温を開始した。液温260℃で2時間攪拌しつつ反応を進めた。
【0040】
得られたスラリーを濾過して溶媒を除去し、次に含溶媒濾過ケーキを、酸素濃度3.0体積%未満の窒素気流中、220℃で約6時間加熱し溶媒を除去した。次に、得られたPPS粉末に常法により水洗浄、濾過を7回繰り返した後、120℃で約8時間熱風循環乾燥機中で乾燥し、白色粉末状のポリマーを得た。
【0041】
p‐DCBの反応率は98.3%であり、DCAの反応率は89.8%であった。
【0042】
【実施例2】
DCAを0.608kg(硫化ソーダに対して2.5モル%)とした以外は、実施例1と同一の条件で実施した。
【0043】
p‐DCBの反応率は98.1%であり、DCAの反応率は71.0%であった。
【0044】
【実施例3】
p‐DCBを22.161kgとし、オートクレーブ上部を散水により冷却しながら、反応を液温220℃で5時間、その後昇温して液温260℃で5時間行った以外は、実施例1と同一の条件で実施した。
【0045】
p‐DCBの反応率は98.6%であり、DCAの反応率は93.0%であった。
【0046】
【比較例1】
150リットルオートクレーブに、フレーク状硫化ソーダ(60.4重量%Na2 S)19.381kgとNMP45.0kgを仕込んだ。窒素気流下攪拌しながら209℃まで昇温して、水4.640kgを留出させた(残存する水分量は硫化ソーダ1モル当り1.12モル)。その後、オートクレーブを密閉して180℃まで冷却し、p‐DCB22.969kg及びNMP18.0kgを仕込んだ。液温150℃で窒素ガスを用いて1kg/cm2 Gに加圧して昇温を開始した。液温260℃で2時間攪拌しつつ反応を進めた。
【0047】
次いで、得られたスラリーから、実施例1と同一の操作により白色粉末状のポリマーを得た。
【0048】
p‐DCBの反応率は98.0%であった。
【0049】
【比較例2】
DCAを0.753kg(硫化ソーダに対して3.1モル%)とした以外は、実施例1と同一の条件で実施した。
【0050】
p‐DCBの反応率は98.1%であり、DCAの反応率は68.1%であった。得られたポリマーは、増粘が著しく成形できなかった。
【0051】
【比較例3】
溶媒除去のために、含溶媒濾過ケーキの加熱処理を実施せず、水洗浄及び濾過の操作を9回行った以外は、実施例1と同一条件で実施した。
【0052】
以上の結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
実施例1及び2は、DCAの添加量を本発明の範囲内で変化させたものである。いずれも接着強度は高かった。また、DCA添加量を増加すると、接着強度は増加した。実施例3は、反応を二段階とし、かつオートクレーブの上部を冷却したものである。接着強度は高かった。また、実施例3の溶融粘度V6 は高く、高分子量のPPSが得られることが分かった。
【0054】
一方、比較例1は、実施例1と同一条件下、DCAを添加しなかったものである。実施例1に比べて、PPSの接着強度は著しく低かった。比較例2は、実施例1と同一条件下、DCA添加量が本発明の範囲を越えたものである。得られたPPSは、増粘が著しく成形できず実用性に乏しいことが分かった。比較例3は、含溶媒濾過ケーキの加熱処理を実施しなかった以外は、実施例1と同一条件で実施したものである。実施例1と比べて、接着強度は著しく低かった。
【0055】
【発明の効果】
本発明は、従来のPASの持つ高い耐熱性と機械的強度に加えて、エポキシ樹脂等との接着性にも優れたPASを製造する方法を提供する。また、加熱により濾過ケーキ中の溶媒を除去するため、溶媒の回収率が著しく高く、かつ水洗浄工程を簡略化できる。従って、生産性が高く、かつコスト的に有利である。[0001]
[Industrial applications]
The present invention relates to a method for producing polyarylene sulfide (hereinafter sometimes abbreviated as PAS), and more particularly to a method for producing PAS having excellent adhesion to an epoxy resin or a thermoplastic resin.
[0002]
[Prior art]
PAS is widely used for electric / electronic parts, mechanical parts, and the like because PAS has excellent heat resistance, moldability, and good chemical resistance, flame retardancy, dimensional stability, and the like. However, PAS has relatively poor adhesion to other resins, particularly to epoxy resins. Therefore, poor adhesion between the PAS and the epoxy resin is a problem, for example, when joining the PASs with an epoxy-based adhesive, joining the PAS with another material, or sealing an electric or electronic component with an epoxy resin. It was.
[0003]
In view of such a problem, various attempts have been made to improve the adhesion between PAS and epoxy resin. For example, JP-A-2-272603 discloses a polyphenylene sulfide (hereinafter sometimes abbreviated as PPS) resin composition containing carnauba wax, and JP-A-4-275368 discloses a fibrous and / or non-fibrous filler. And a polyalkylene ether compound, a PPS resin composition containing a superabsorbent resin such as a cross-linked polyacrylate, and a Japanese Patent Application Laid-Open No. 6-57136. A PPS resin composition comprising an aromatic sulfone compound and a fibrous and / or non-fibrous filler. JP-A-6-107946 discloses an aliphatic polyester and a fibrous and / or non-fibrous A PPS resin composition containing a filler, and JP-A-6-166816 discloses poly (ethylenecyclohexanedimethyleneterefe). PPS resin composition obtained by blending rate) copolymer are respectively disclosed. However, in any of the above, since a substance having lower heat resistance than PPS is added, the heat resistance of the resin composition is reduced, and further, there is a resin composition in which the mechanical strength is significantly reduced.
[0004]
JP-A-4-198267 discloses a PAS resin composition containing a carboxyl group-containing PAS, and JP-A-5-25388 discloses a PAS resin composition containing an amino group-containing PAS. However, the adhesive strength of the obtained PAS was not sufficient.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention can produce a PAS that has excellent heat resistance and mechanical strength of a conventional PAS, as well as excellent adhesiveness to an epoxy resin, etc., and has a high solvent recovery rate, and requires a water washing process. An object of the present invention is to provide a method of manufacturing with high productivity and being advantageous in cost because it can be simplified.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The present invention relates to a method for producing a polyarylene sulfide by reacting an alkali metal sulfide with a dihalo aromatic compound in an organic amide solvent, wherein 0.1 to 3.0 mol% of the alkali metal sulfide is used. After preliminarily mixing and heating the functional group-containing halo-substituted aromatic compound with the alkali metal sulfide, adding the dihalo-aromatic compound, and reacting, the slurry of the polyarylene sulfide obtained by filtration is filtered, and the obtained solvent-containing solvent is obtained. This is a method for producing polyarylene sulfide, which comprises heating a filter cake at a temperature of 150 to 250 ° C. in a non-oxidizing gas atmosphere to remove a solvent, followed by washing with water.
[0007]
In the method of the present invention in which a functional group-containing halo-substituted aromatic compound is mixed and heated in advance with an alkali metal sulfide, and then a dihalo-aromatic compound is added and reacted, the functional group-containing halo-substituted aromatic compound and the dihalo-aromatic compound are mixed. Compared with the conventional method of simultaneously adding and reacting with an alkali metal sulfide, the reaction rate of a halo-substituted aromatic compound containing a functional group having a substantially lower reactivity can be greatly improved, and a small amount of Can sufficiently functionalize the PAS. Therefore, the amount of unreacted monomer at the end of the polymerization is extremely small, and the separation and recovery treatment is easy, and the economical efficiency is excellent. As described above, the reaction rate of the functional group-containing halo-substituted aromatic compound can be significantly improved because the reaction rate is controlled by mixing and heating the alkali metal sulfide and the functional group-containing halo-substituted aromatic compound in advance. It is considered that the substitution of the halogen atom of the functional group-containing halo-substituted aromatic compound can be easily caused.
[0008]
The lower limit of the functional group-containing halo-substituted aromatic compound to be added in the method of the present invention is 0.1 mol%, preferably 0.2 mol%, and the upper limit is 3.0 mol% based on the alkali metal sulfide. , Preferably 2.5 mol%. If it is less than the above lower limit, the adhesiveness will be insufficient, and if it exceeds the above upper limit, the thermal stability of the produced PAS will be significantly deteriorated. Therefore, a gel-like substance is generated at the time of molding, and the moldability becomes extremely poor.
[0009]
The mixing and stirring of the alkali metal sulfide and the functional group-containing halo-substituted aromatic compound is preferably performed at a temperature of 200 to 300 ° C, more preferably 230 to 250 ° C, preferably 1 to 30 hours, more preferably 1 to 15 hours. Done for hours. If the temperature is lower than the lower limit, the functional group-containing halo-substituted aromatic compound cannot be sufficiently reacted, and a large amount of the functional group-containing halo-substituted aromatic compound remains in the liquid after mixing and stirring. Exceeding the upper limit results in deterioration of the solvent and significant side reactions. If the mixing and stirring time is less than the lower limit, the functional group-containing halo-substituted aromatic compound cannot be sufficiently reacted, and even if it exceeds the upper limit, there is almost no effect on the reaction of the functional group-containing halo-substituted aromatic compound. . As described above, after performing the mixing and stirring of the alkali metal sulfide and the functional group-containing halo-substituted aromatic compound, the solution is cooled to preferably 100 to 200 ° C, particularly preferably 150 to 200 ° C. A dihalo aromatic compound is added. If the amount is less than the above lower limit, the fluidity of the liquid decreases, so that the temperature control becomes difficult. If the amount exceeds the above upper limit, the polymerization reaction occurs rapidly when the dihalo aromatic compound is added, and the temperature control becomes impossible.
[0010]
The functional group-containing halo-substituted aromatic compound used in the present invention has at least one aromatic ring, at least one of carbon atoms forming the aromatic ring and / or a side chain of the aromatic ring. Use an aromatic compound having a functional group on at least one of the carbon atoms forming the compound, and having a halogen atom bonded to at least two of the carbon atoms forming the aromatic ring at the same time. be able to. Here, examples of the aromatic ring include a benzene ring, a naphthalene ring, and an anthracene ring. Of these, a benzene ring is preferred.
[0011]
When the functional group-containing halo-substituted aromatic compound has two or more aromatic rings, those aromatic rings may be directly bonded by a single bond, or may be bonded via a divalent group. May be. Examples of the divalent group include divalent hydrocarbon residues such as an oxygen atom, a sulfur atom, a sulfinyl group, a sulfonyl group, a carbonyl group, an oxyalkylene group, a carbonylalkylene group, and a polymethylene group. .
[0012]
Examples of the functional group include an active hydrogen-containing group, that is, —NH 2 , —SH, —OH, —NHR, —COOH, —CONH 2 , and —CONHR. R in the functional group represents an alkyl group, a cycloalkyl group, an aryl group, an alkaryl group, or an aryl-substituted alkyl group. Among these functional groups, -NH 2 and -COOH are preferable. Further, as the halogen atom, a fluorine, chlorine, bromine or iodine atom is preferable, and a chlorine atom is particularly preferable.
[0013]
As the functional group-containing halo-substituted aromatic compound, those described in JP-A-62-95320 or JP-A-62-185717 can be used. Examples of the functional group-containing halo-substituted aromatic compound having —NH 2 as a functional group include 2,5-dichloroaniline, 2,6-dichloroaniline, 2,4-dichloroaniline, 2,3-dichloroaniline, 5-dichloroaniline, 2,4-dibromoaniline, 2,2'-diamino-4,4'-dichlorodiphenyl ether, 2,4'-diamino-2 ', 4-dichlorodiphenyl ether, 2,2'-diamino-4 , 4'-dichlorodiphenylthioether, 2,4'-diamino-2 ', 4-dichlorodiphenylthioether, 2,2'-diamino-4,4'-dichlorodiphenylsulfoxide, 2,4'-diamino-2', 4-dichlorodiphenylsulfoxide, 2,2'-diamino-4,4'-dichlorodiphenylmethane, 2,4'-diamino-2 ', 4 Dichlorodiphenylmethane, 2,5-dichloro-4'-aminodiphenylether, 2,5-dibromo-4'-aminodiphenylether, 2,5-dichloro-4'-aminodiphenylthioether, 2,5-dibromo-4'-amino Diphenylthioether, 2,5-dichloro-4'-aminodiphenylsulfoxide, 2,5-dibromo-4'-aminodiphenylsulfoxide, 2,5-dichloro-4'-aminodiphenylmethane, 2,5-dibromo-4'- Dihaloaromatic compounds such as aminodiphenylmethane and 2,3,4-trichloroaniline, 2,3,5-trichloroaniline, 2,3,6-trichloroaniline, 2,4,5-trichloroaniline, 2,4,6 -Trichloroaniline, 3,4,5-trichloroaniline, 2,3,4-tri Lomoaniline, 2,3,5-tribromoaniline, 2,3,6-tribromoaniline, 2,4,5-tribromoaniline, 2,4,6-tribromoaniline, 3,4,5-tribromo Aniline, 2,5-dichloro-4-bromoaniline, 2,2'-diamino-3,4,4'-trichlorodiphenyl ether, 2,4'-diamino-2 ', 5', 4-trichlorodiphenyl ether, 2, 4,5-trichloro-4'-aminodiphenyl ether, 2,3,4-trichloro-4'-aminodiphenyl ether, 2,4,5-tribromo-4'-aminodiphenyl ether, 2,4,6-tribromo-4 ' -Aminodiphenyl ether, 2,5-dichloro-6-bromo-4'-aminodiphenyl ether, 2,4,5-trichloro-2'-aminodiphenyl Ether, 2,2'-diamino-3,4,4'-trichlorodiphenylthioether, 2,4,5-trichloro-4'-aminothioether, 2,2'-diamino-4,5,4'-trichlorodiphenyl Sulfoxide, 2,4,5-trichloro-4'-aminodiphenylsulfoxide, 2,2'-diamino-3,4,4'-trichlorodiphenylmethane, 2,4,5-trichloro-4'-aminodiphenylmethane, 2, Trihaloaromatic compounds such as 4,4'-trichloro-2'-aminodiphenylpropane, 3,4,4'-trichloro-3'-aminobiphenyl and 2,3,4,5-tetrachloroaniline, 2,3 Polyhalogens such as 5,5,6-tetrachloroaniline, tetrachloroaminodiphenylether, tetrachloroaminodiphenylthioether And aromatic compounds. Examples of the functional group-containing halo-substituted aromatic compound having —COOH as a functional group include 2,6-dichlorobenzoic acid, 2,5-dichlorobenzoic acid, 2,4-dichlorobenzoic acid, and 2,3-dichlorobenzoic acid Dihaloaromatic compounds such as 2,2,6-dibromobenzoic acid, 2,5-dibromobenzoic acid, 2,4-dibromobenzoic acid, 2,3-dibromobenzoic acid and 2,3,4-trichlorobenzoic acid; 2,3,5-trichlorobenzoic acid, 2,3,6-trichlorobenzoic acid, 2,4,5-trichlorobenzoic acid, 2,4,6-trichlorobenzoic acid, 3,4,5-trichlorobenzoic acid, 2 2,3,4-tribromobenzoic acid, 2,3,5-tribromobenzoic acid, 2,3,6-tribromobenzoic acid, 2,4,5-tribromobenzoic acid, 2,4,6-tribromobenzoic acid, 3 , 4, - trihalo aromatic compounds such as tribromo benzoate. Examples of the functional group-containing halo-substituted aromatic compound having -SH as a functional group include 2,6-dichlorothiophenol, 2,5-dichlorothiophenol, 2,4-dichlorothiophenol, and 2,3-dichlorothiophenol 2,2'-dimercapto-4,4'-dichlorodiphenyl ether, 2,4'-dimercapto-2 ', 4-dichlorodiphenylether, 2,2'-dimercapto-4,4'-dichlorodiphenylthioether, 2,4 '-Dimercapto-2', 4-dichlorodiphenylthioether, 2,2'-dimercapto-4,4'-dichlorodiphenylsulfoxide, 2,4'-dimercapto-2 ', 4-dichlorodiphenylsulfoxide, 2,2'- Dimercapto-4,4'-dichlorodiphenylmethane, 2,4'-dimercapto-2 ', -Dichlorodiphenylmethane, 2,5-dichloro-4'-mercaptodiphenylether, 2,5-dibromo-4'-mercaptodiphenylether, 2,5-dichloro-4'-mercaptodiphenylthioether, 2,5-dibromo-4'- Mercaptodiphenylthioether, 2,5-dichloro-4'-mercaptodiphenylsulfoxide, 2,5-dibromo-4'-mercaptodiphenylsulfoxide, 2,5-dichloro-4'-mercaptodiphenylmethane, 2,5-dibromo-4 ' Dihaloaromatic compounds such as -mercaptodiphenylmethane, 2,5-dibromo-4'-mercaptodiphenylether and 2,3,4-trichlorothiophenol, 2,3,5-trichlorothiophenol, 2,3,6-trichlorothio Phenol, 2,4 5-trichlorothiophenol, 2,4,6-trichlorothiophenol, 3,4,5-trichlorothiophenol, 2,3,4-tribromothiophenol, 2,3,5-tribromothiophenol, 2, 3,6-tribromothiophenol, 2,4,5-tribromothiophenol, 2,4,6-tribromothiophenol, 3,4,5-tribromothiophenol, 2,2′-dimercapto-3 2,4,4'-trichlorodiphenyl ether, 2,4,5-trichloro-4'-mercaptodiphenyl ether, 2,2'-dimercapto-4,5,4'-trichlorodiphenylthioether, 2,4,5-trichloro-4 '-Mercaptodiphenylthioether, 2,2'-dimercapto-3,5,4'-trichlorodiphenylsulfoxide, 2 , 4,5-Trichloro-4'-mercaptodiphenylsulfoxide, 3,3'-dimercapto-4,4 ', 5-trichlorodiphenylmethane, 2,4,5-trichloro-4'-mercaptodiphenylmethane, 3,3'- Trihalo aromatic compounds such as dimercapto-4,4 ', 5-trichlorobiphenyl and 3,4,5-trichloro-4'-mercaptobiphenyl are exemplified. Examples of the functional group-containing halo-substituted aromatic compound having —OH as a functional group include 2,6-dichlorophenol, 2,5-dichlorophenol, 2,4-dichlorophenol, 2,3-dichlorophenol, and 3,4 -Dichlorophenol, 3,5-dichlorophenol, 2,4-dibromophenol, 2,6-dibromophenol, 2,2′-dihydroxy-4,4′-dichlorodiphenyl ether, 2,4′-dihydroxy-2 ′, 4-dichlorodiphenyl ether, 2,2'-dihydroxy-4,4'-dichlorodiphenylthioether, 2,4'-dihydroxy-2 ', 4-dichlorodiphenylthioether, 2,2'-dihydroxy-4,4'-dichloro Diphenyl sulfoxide, 2,4'-dihydroxy-2 ', 4-dichlorodiphenyl sulfoxide Sid, 2,2'-dihydroxy-4,4'-dichlorodiphenylmethane, 2,4'-dihydroxy-2 ', 4-dichlorodiphenylmethane, 2,5-dichloro-4'-hydroxydiphenylether, 2,5-dibromo- 4'-hydroxydiphenyl ether, 2,5-dichloro-4'-hydroxydiphenylthioether, 2,5-dibromo-4'-hydroxydiphenylthioether, 2,5-dichloro-4'-hydroxydiphenylsulfoxide, 2,5-dibromo Dihalo aromatic compounds such as -4'-hydroxydiphenylsulfoxide, 2,5-dichloro-4'-hydroxydiphenylmethane, 2,5-dibromo-4'-hydroxydiphenylmethane, and 2,5-dibromo-4'-hydroxydiphenylether; 2,3,4-trichlorofe Phenol, 2,3,5-trichlorophenol, 2,3,6-trichlorophenol, 2,4,5-trichlorophenol, 2,4,6-trichlorophenol, 3,4,5-trichlorophenol, 2,3 2,4-tribromophenol, 2,3,5-tribromophenol, 2,3,6-tribromophenol, 2,4,5-tribromophenol, 2,4,6-tribromophenol, 3,4 2,5-tribromophenol, 2,2'-dihydroxy-3,4,4'-trichlorodiphenyl ether, 2,4,5-trichloro-4'-hydroxydiphenyl ether, 2,2'-dihydroxy-3,4,4 '-Trichlorodiphenylthioether, 2,4,5-trichloro-4'-hydroxydiphenylthioether, 2,2'-dihydroxy- , 4 ', 5-Trichlorodiphenylsulfoxide, 2,4,5-trichloro-4'-hydroxydiphenylsulfoxide, 2,2'-dihydroxy-4,4', 5-trichlorodiphenylmethane, 2,4,6-trichloro- Examples include trihaloaromatic compounds such as 4'-hydroxydiphenylmethane, 3-hydroxy-3,4,4'-trichlorobiphenyl, and 3,4,5-trichloro-4'-hydroxybiphenyl. Examples of the functional group-containing halo-substituted aromatic compound having -NHR as a functional group include 2,6-dichloro (phenyl) aminobenzene, 2,5-dichloro (phenyl) aminobenzene, and 2,4-dichloro (phenyl) amino Dihaloaromatic compounds such as benzene and 2,3-dichloro (phenyl) aminobenzene, and 2,3,4-trichloro (phenylamino) benzene, 2,3,5-trichloro (phenylamino) benzene, 2,3,6 -Trichloro (phenylamino) benzene, 2,4,5-trichloro (phenylamino) benzene, 2,4,6-trichloro (phenylamino) benzene, 3,4,5-trichloro (phenylamino) benzene, 2,3 , 4-Tribromo (phenylamino) benzene, 2,3,5-tribromo (phenylamino) ben 2,3,6-tribromo (phenylamino) benzene, 2,4,5-tribromo (phenylamino) benzene, 2,4,6-tribromo (phenylamino) benzene, 3,4,5-tribromo (phenyl Trihaloaromatic compounds such as amino) benzene. Of the above, a functional group-containing halo-substituted aromatic compound having —NH 2 as a functional group is preferably used, and dichloroaniline is particularly preferable.
[0014]
The organic amide solvents used in the present invention are known for PAS polymerization, and include, for example, N-methylpyrrolidone (NMP), N, N-dimethylformamide, N, N-dimethylacetamide, N-methylcaprolactam, and the like. And mixtures thereof, NMP being preferred. They all have a lower vapor pressure than water.
[0015]
Alkali metal sulfides are also known, for example, lithium sulfide, sodium sulfide, potassium sulfide, rubidium sulfide, cesium sulfide and mixtures thereof. These hydrates and aqueous solutions may be used. Hydrosulfides and hydrates respectively corresponding to these can be used after being neutralized with the corresponding hydroxides. Inexpensive sodium sulfide is preferred.
[0016]
The dihalo aromatic compound can be selected from, for example, those described in JP-B-45-3368, but is preferably p-dichlorobenzene. In addition, a copolymer can be obtained using one or more kinds of paraphenyl, meta or ortho dihalo compounds of diphenyl ether, diphenyl sulfone or biphenyl in a small amount (20 mol% or less). For example, m-dichlorobenzene, o-dichlorobenzene, p, p'-dichlorodiphenylether, m, p'-dichlorodiphenylether, m, m'-dichlorodiphenylether, p, p'-dichlorodiphenylsulfone, m, p'- Dichlorodiphenylsulfone, m, m'-dichlorodiphenylsulfone, p, p'-dichlorobiphenyl, m, p'-dichlorobiphenyl and m, m'-dichlorobiphenyl.
[0017]
The reaction itself between the alkali metal sulfide and the dihaloaromatic compound in the organic amide solvent can be carried out as known. During the reaction, it is preferable that a part of the gas phase in the reaction vessel is condensed by cooling the gas phase part of the reaction vessel and this is refluxed to the liquid phase. This makes it possible to avoid depolymerization of the generated PAS and to produce a PAS having a higher molecular weight.
[0018]
As a method of condensing a part of the gas phase in the reaction vessel by cooling the gas phase portion of the reaction vessel and refluxing the liquid phase to the liquid phase, a method described in JP-A-5-222196 is used. Can be.
[0019]
The refluxed liquid has a higher water content than liquid bulk due to the vapor pressure difference between water and the amide solvent. The high water content reflux liquid forms a high water content layer above the reaction solution. As a result, the layer contains a large amount of residual alkali metal sulfide (eg, Na 2 S), alkali metal halide (eg, NaCl), oligomers, and the like. In the conventional method, at a high temperature of 230 ° C. or higher, in a state where the produced PAS and the raw materials such as Na 2 S and by-products are uniformly mixed, not only a high molecular weight PAS cannot be obtained, but The depolymerized PAS also occurs, and thiophenol by-product is observed. However, in the present invention, the above disadvantageous phenomenon can be avoided by actively cooling the gas phase portion of the reaction vessel and returning a large amount of the reflux liquid rich in water to the upper part of the liquid phase so as to inhibit the reaction. It can be considered that such factors can be effectively eliminated and a high molecular weight PAS can be obtained. However, the present invention is not limited only to the effect of the above phenomenon, and a high molecular weight PAS can be obtained by various effects caused by cooling the gas phase portion.
[0020]
In the present invention, it is not necessary to add water during the reaction as in the conventional method. However, this does not preclude the addition of water at all. However, if the operation of adding water is performed, some of the advantages of the present invention are lost. Therefore, preferably, the total water content in the polymerization reaction system is constant throughout the reaction.
[0021]
Cooling of the gas phase portion of the reaction vessel can be performed by external cooling or internal cooling, and can be performed by a cooling means known per se. For example, a method of flowing a cooling medium through an internal coil installed at an upper portion in a reaction vessel, a method of flowing a cooling medium through an external coil or a jacket wrapped around an upper portion of the outside of the reaction vessel, and using a reflux condenser installed at the top of the reaction vessel Methods, such as spraying water or blowing gas (air, nitrogen, etc.) on the upper part of the outside of the reaction vessel, are conceivable. However, any method that results in increasing the amount of reflux in the vessel can be considered. May be used. If the outside air temperature is relatively low (for example, normal temperature), appropriate cooling can be performed by removing a heat insulating material conventionally provided on the upper part of the reaction vessel. In the case of external cooling, the water / amide-based solvent mixture condensed on the reactor wall enters the liquid phase along the reactor wall. The water-rich mixture therefore accumulates in the upper part of the liquid phase, keeping the water content relatively high. In the case of internal cooling, the mixture condensed on the cooling surface likewise travels on the cooling device surface or on the reactor wall and enters the liquid phase.
[0022]
On the other hand, the temperature of the liquid phase bulk is kept at a predetermined constant temperature or controlled according to a predetermined temperature profile. When the temperature is kept constant, it is preferable to carry out the reaction at a temperature of 230 to 275 ° C for 0.1 to 20 hours. More preferably, it is at a temperature of 240 to 265 ° C for 1 to 6 hours. In order to obtain a higher molecular weight PAS, it is preferable to use a reaction temperature profile of two or more steps. When performing this two-step operation, the first step is preferably performed at a temperature of 195 to 240 ° C. If the temperature is low, the reaction rate is too low and is not practical. If the temperature is higher than 240 ° C., the reaction rate is too high, so that not only PAS having a sufficiently high molecular weight cannot be obtained, but also the side reaction rate significantly increases. The first stage is preferably terminated when the residual ratio of the dihalo aromatic compound in the polymerization reaction system is 1 mol% to 40 mol% and the molecular weight is in the range of 3,000 to 20,000. More preferably, the residual ratio of the dihaloaromatic compound in the polymerization reaction system is in the range of 2 mol% to 15 mol%, and the molecular weight is in the range of 5,000 to 15,000. If the residual ratio exceeds 40 mol%, side reactions such as depolymerization tend to occur in the second stage reaction, while if it is less than 1 mol%, it is difficult to finally obtain a high molecular weight PAS. Thereafter, the temperature is raised, and the reaction in the final stage is preferably performed at a reaction temperature of 240 to 270 ° C. for 1 hour to 10 hours. If the temperature is low, it is not possible to obtain a PAS having a sufficiently high molecular weight, and if the temperature is higher than 270 ° C., side reactions such as depolymerization are liable to occur, making it difficult to obtain a high molecular weight product stably.
[0023]
As an actual operation, first, under an inert gas atmosphere, dehydration or water addition is performed as necessary so that the amount of water in the alkali metal sulfide in the amide solvent becomes a predetermined amount. The water content is preferably 0.5 to 2.5 mol, particularly 0.8 to 1.2 mol per mol of alkali metal sulfide. If it exceeds 2.5 moles, the reaction rate will be low, and the amount of by-products such as phenol will increase in the filtrate after the reaction, and the degree of polymerization will not increase. If the amount is less than 0.5 mol, the reaction rate is too high to obtain a product having a sufficient high molecular weight, and undesirable reactions such as side reactions occur.
[0024]
In the case of a one-stage reaction at a constant temperature, the cooling of the gas phase during the reaction is desirably performed from the start of the reaction, but must be performed at least during the temperature rise of 250 ° C. or lower. In the multi-stage reaction, it is preferable to perform cooling from the first-stage reaction, but it is preferable to perform cooling at the latest at the middle of the temperature rise after completion of the first-stage reaction. The degree of the cooling effect is usually the most suitable index of the pressure in the reactor. The absolute value of the pressure differs depending on the characteristics of the reaction vessel, the stirring state, the amount of water in the system, the molar ratio of the dihalo aromatic compound to the alkali metal sulfide, and the like. However, when the pressure in the reaction vessel is reduced as compared with the case where the reaction vessel is not cooled under the same reaction conditions, the amount of the reflux liquid increases, which means that the temperature at the gas-liquid interface of the reaction solution decreases. It is considered that the relative degree of decrease indicates the degree of separation between a layer having a high water content and a layer having no water content. Therefore, it is preferable to perform cooling to such an extent that the internal pressure of the reaction vessel is lower than that in the case where no cooling is performed. The degree of cooling can be appropriately set by those skilled in the art according to the equipment used, operating conditions, and the like.
[0025]
By variously selecting the above reaction conditions, a PAS having a desired viscosity can be produced.
[0026]
In order to further increase the molecular weight of the PAS, a polyhalo compound such as 1,3,5-trichlorobenzene, 1,2,4-trichlorobenzene is preferably used in an amount of 5 mol based on the total amount of the para- and metadihalo aromatic compounds. % Can also be used.
[0027]
In addition, a terminal stopper and a monohalide as a modifying agent can be used in combination as other small amount additives.
[0028]
In the present invention, after filtering the PAS slurry obtained in the above step, the obtained solvent-containing filter cake is heated at a temperature of 150 to 250 ° C. in a non-oxidizing gas atmosphere to remove the solvent, and then washed with water. Is applied.
[0029]
For example, the PAS slurry obtained as described above is filtered to obtain a PAS cake containing a solvent. Then, the PAS cake is placed in a non-oxidizing gas stream of helium, argon, hydrogen, nitrogen or the like, preferably in a nitrogen gas stream having an oxygen concentration of less than 5.0% by volume, at 150 to 250 ° C, preferably 180 to 230 ° C. At a temperature of 0.5 to 20 hours, particularly preferably 1 to 10 hours. The heating is preferably performed at normal pressure to 3 atm, particularly preferably at normal pressure. When the heating temperature is lower than the above lower limit, a long time is required for removing the solvent, and the productivity is reduced. Exceeding the upper limit is not preferable because coloring of the PAS becomes remarkable. By performing the above-mentioned solvent removal by heating, the adhesive strength of the PAS can be increased, and compared to the conventional method of removing the solvent by water washing, steps such as water washing can be simplified, and the solvent can be recovered. Since the rate can be significantly improved, the productivity is high and the cost is advantageous.
[0030]
Washing with water is preferably carried out by dispersing the heated filter cake in water. For example, the heated PAS cake obtained as described above is poured into water, preferably 1 to 5 times by weight, and preferably mixed at room temperature to 90 ° C., preferably for 5 minutes to 10 hours. Then, it is filtered. The stirring and mixing and filtration operations are preferably repeated 2 to 10 times to remove the solvent and by-product salts attached to the PAS, thereby completing the water washing. By performing water washing as described above, efficient washing can be performed with a smaller amount of water than in a washing method in which water is poured into the filter cake.
[0031]
Since the PAS produced by the method of the present invention does not undergo rapid crystallization, it can suppress the occurrence of cracks due to molding shrinkage and the like, and has high adhesiveness to epoxy resins and thermoplastic resins. Therefore, it is useful in fields such as sealing of electric / electronic parts.
[0032]
When processing the PAS of the present invention, conventional additives, for example, powdered fillers such as carbon black, calcium carbonate, silica and titanium oxide, or fibers such as carbon fiber, glass fiber, asbestos fiber and polyaramid fiber Fillers can be incorporated.
[0033]
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples.
[0034]
【Example】
In an embodiment, the melt viscosity V 6 is, 300 ° C. using a Shimadzu flow tester CFT-500C, a viscosity measured after holding at a load 20kgf / cm 2, L / D = 10 6 min (poise).
[0035]
The crystallization temperature Tc was measured by DSC. The measurement was performed as follows using a differential scanning calorimeter SSC / 5200 manufactured by Seiko Denshi as an apparatus. 10 mg of the sample was heated from room temperature to 320 ° C. at a temperature rising rate of 20 ° C./min in a nitrogen stream, and then held at 320 ° C. for 5 minutes to melt. Then it was cooled at a rate of 10 ° C./min. The exothermic peak temperature at this time was defined as the crystallization temperature Tc .
[0036]
The reaction rates of paradichlorobenzene (hereinafter may be abbreviated as p-DCB) and 2,5-dichloroaniline (hereinafter may be abbreviated as DCA) were calculated from measurement results by gas chromatography. Here, each reaction rate was determined by the following equation.
[0037]
(Equation 1)
Reaction rate (%) of p-DCB =
(1−weight of remaining p-DCB / weight of charged p-DCB) × 100
[0038]
(Equation 2)
DCA conversion (%) =
(1-weight of remaining DCA / weight of charged DCA) × 100
The measurement of the adhesive strength was performed as follows. After mixing 40 parts by weight of PPS with 30 parts by weight of glass fiber (CS 3J-961S, trademark, manufactured by Nitto Boseki Co., Ltd.) and 30 parts by weight of calcium carbonate (SL-1000, trademark, manufactured by Takehara Chemical Industry Co., Ltd.), biaxial Pellets were prepared by kneading at 320 ° C. using a different direction rotary extruder. From the obtained pellets, a test piece according to JIS K6850 was prepared using an injection molding machine set at a cylinder temperature of 320 ° C and a mold temperature of 130 ° C. In accordance with JIS K6850, the obtained test piece was coated with an epoxy resin-based adhesive [manufactured by Nagase Ciba Co., Ltd., main agent (XNR3101, trademark) / hardener (XNH3101, trademark) = 100 parts by weight / 33.3 parts by weight]. After bonding under a curing condition of 90 ° C. and 30 minutes, a tensile test was performed at a tensile speed of 5 mm / min and a distance between chucks of 130 mm to measure the adhesive strength. However, in Example 3, a test piece was prepared only with PPS without mixing glass fiber and calcium carbonate, and the adhesive strength was measured.
[0039]
Embodiment 1
In a 150-liter autoclave, 19.381 kg of flaky sodium sulfide (60.4% by weight Na 2 S) and 45.0 kg of N-methyl-2-pyrrolidone (hereinafter sometimes abbreviated as NMP) were charged. The temperature was raised to 209 ° C. while stirring under a nitrogen stream to distill 4.640 kg of water (the amount of remaining water was 1.12 mol per mol of sodium sulfide). Thereafter, the autoclave was closed and cooled to 200 ° C., and 0.122 kg of DCA (0.5 mol% based on sodium sulfide) and 1.0 kg of NMP were charged. The temperature was raised and stopped when the liquid temperature reached 240 ° C., and the mixture was stirred for 2 hours. Next, the mixture was cooled to 180 ° C. and charged with 22.969 kg of p-DCB and 18.0 kg of NMP. At a liquid temperature of 150 ° C., the pressure was increased to 1 kg / cm 2 G using nitrogen gas, and the temperature was raised. The reaction proceeded while stirring at a liquid temperature of 260 ° C. for 2 hours.
[0040]
The obtained slurry was filtered to remove the solvent, and then the solvent-containing filter cake was heated at 220 ° C. for about 6 hours in a nitrogen stream having an oxygen concentration of less than 3.0% by volume to remove the solvent. Next, the obtained PPS powder was repeatedly washed with water and filtered seven times by a conventional method, and then dried at 120 ° C. for about 8 hours in a circulating hot air drier to obtain a white powdery polymer.
[0041]
The conversion of p-DCB was 98.3% and the conversion of DCA was 89.8%.
[0042]
Embodiment 2
The operation was performed under the same conditions as in Example 1 except that the DCA was 0.608 kg (2.5 mol% based on sodium sulfide).
[0043]
The conversion of p-DCB was 98.1% and the conversion of DCA was 71.0%.
[0044]
Embodiment 3
The same as Example 1 except that the reaction was carried out at a liquid temperature of 220 ° C. for 5 hours while the p-DCB was set at 22.161 kg and the upper part of the autoclave was cooled by water sprinkling, and then heated to a liquid temperature of 260 ° C. for 5 hours. It carried out on condition of.
[0045]
The conversion of p-DCB was 98.6% and the conversion of DCA was 93.0%.
[0046]
[Comparative Example 1]
In a 150-liter autoclave, 19.381 kg of flaky sodium sulfide (60.4% by weight Na 2 S) and 45.0 kg of NMP were charged. The temperature was raised to 209 ° C. while stirring under a nitrogen stream to distill 4.640 kg of water (the amount of remaining water was 1.12 mol per mol of sodium sulfide). Thereafter, the autoclave was sealed and cooled to 180 ° C., and 22.969 kg of p-DCB and 18.0 kg of NMP were charged. At a liquid temperature of 150 ° C., the pressure was increased to 1 kg / cm 2 G using nitrogen gas, and the temperature was raised. The reaction proceeded while stirring at a liquid temperature of 260 ° C. for 2 hours.
[0047]
Next, a white powdery polymer was obtained from the obtained slurry by the same operation as in Example 1.
[0048]
The conversion of p-DCB was 98.0%.
[0049]
[Comparative Example 2]
The operation was performed under the same conditions as in Example 1 except that the amount of DCA was changed to 0.753 kg (3.1 mol% based on sodium sulfide).
[0050]
The conversion of p-DCB was 98.1% and the conversion of DCA was 68.1%. The obtained polymer had a significant increase in viscosity and could not be molded.
[0051]
[Comparative Example 3]
In order to remove the solvent, the same operation as in Example 1 was performed except that the heat treatment of the solvent-containing filter cake was not performed, and the operations of water washing and filtration were performed nine times.
[0052]
Table 1 shows the above results.
[0053]
[Table 1]
In Examples 1 and 2, the amount of DCA added was changed within the range of the present invention. In each case, the adhesive strength was high. Also, as the amount of DCA added increased, the adhesive strength increased. In Example 3, the reaction was performed in two steps, and the upper part of the autoclave was cooled. The bond strength was high. Further, the melt viscosity V 6 of Example 3 increased, it was found that high molecular weight PPS is obtained.
[0054]
On the other hand, in Comparative Example 1, DCA was not added under the same conditions as in Example 1. Compared with Example 1, the adhesive strength of PPS was remarkably low. In Comparative Example 2, the amount of DCA added exceeded the range of the present invention under the same conditions as in Example 1. It was found that the obtained PPS was not very viscous, could not be molded, and had poor practicality. Comparative Example 3 was performed under the same conditions as Example 1 except that the heat treatment of the solvent-containing filter cake was not performed. As compared with Example 1, the adhesive strength was remarkably low.
[0055]
【The invention's effect】
The present invention provides a method for producing a PAS that has excellent heat resistance and mechanical strength of a conventional PAS, as well as excellent adhesion to an epoxy resin or the like. Further, since the solvent in the filter cake is removed by heating, the recovery rate of the solvent is extremely high, and the water washing step can be simplified. Therefore, the productivity is high and the cost is advantageous.
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