JP3581811B2 - 3dデジタル・オーディオにおける耳間時間遅延を処理するための方法および装置 - Google Patents

3dデジタル・オーディオにおける耳間時間遅延を処理するための方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般に3次元(3D)サウンドに関する。更に特定すれば、本発明は、3Dデジタル・サウンド・アプリケーションにおいて用いる耳間時間遅延のデジタル実装に関する。
【0002】
本出願は、1997年11月14日に出願された「MultipurposeDigital Signal Procesing System(多目的デジタル信号処理システム)」と題する米国特許出願番号第60/065,855号からの優先権を主張する。その明細書は、この言及により本願にも明示的に含まれるものとする。
【0003】
【従来の技術、及び、発明が解決しようとする課題】
多くの最高級消費者デバイスは、3次元(3D)サウンドの選択肢を提供して、サウンドを聴く際に、より現実に近い経験を可能にしている。いくつかの用途では、3Dサウンドによって、聴取者は、3Dオーディオ・システムで再生されるサウンドから、オブジェクトの動きを知覚することができる。
【0004】
AtalおよびSchroederは、1962年に、クロストーク・キャンセラ技術を確立した。これは、米国特許第3,236,949号に記載されており、この言及により本願にも明示的に含まれるものとする。Atal−Schroederの3Dサウンド・クロストーク・キャンセラは、特別なアナログ増幅器およびアナログ・フィルタを用いたアナログ実装であった。2つのラウドスピーカを用いて、より優れたサウンド位置決め性能を得るために、AtalおよびSchroederは、経験的に決定した周波数依存フィルタを含めた。疑いなく、これらの洗練されたアナログ・デバイスは、今日のデジタル・オーディオ技術と共に用いるために適用することはできない。
【0005】
耳間時間差(ITD)、すなわち音波が両耳に届く際の時間差は、3Dサウンド設計において用いられる重要かつ主要なパラメータである。耳間時間差が原因となって、3Dオーディオまたは音響の表示において、両耳間で不一致が生じる。すなわち、サウンド・オブジェクトが水平面で移動する場合、当該サウンド・オブジェクトが一方の耳に入射する時点と、同じサウンド・オブジェクトが他方の耳に入射する時点との間で、連続的な耳間時間遅延が生じる。このITDを用いて、聴取者に対していずれかの所望の方向に移動するサウンドの聴覚的なイメージを作成する。
【0006】
聴取者の耳は、少なくとも一方の耳に対して音波を適切に遅延させることによって、サウンドが聴取者に対して見せかけの位置から発していると信じ込むように「だまされる」可能性がある。これは、通常、他方の耳に対しては、元の音波の適切なキャンセレーションを必要とし、更に、第1の耳に対しては、合成した音波の適切なキャンセレーションを必要とする。
【0007】
Atal−Schroederは、図5および6に示すように、適切なアナログ・フィルタおよびアナログ増幅器によって、遅延およびキャンセレーションを実施した。本明細書中の図5および6は、Atal−Schroederの米国特許番号第3,236,949号では、それぞれ図2および4を参照して詳しく記載されている。本明細書中の図5は、聴取者に対して見せかけの位置からのサウンド・イメージを生成する従来の3Dサウンド・システムを示し、一方、本明細書中の図6は、Atal−Schroederが実施したタップ点を多数有するアナログ遅延線を示す。
【0008】
このように、耳間時間遅延を操作して、特定のサウンドのソースの位置を合成すると共に、特定のサウンドの動きの感覚を生成する。
【0009】
従来の3Dサウンド・システムは、耳間時間差を、経験的に決定した頭部関連伝達関数(HRTF)に組み入れた。これは、通常、耳にマイクロホンを埋め込んだマネキンの頭部を用いて決定した。Atal−Schroederによって開示されているように、利用可能な遅延は、典型的に、例えば100マイクロ秒という比較的大きな刻みを有し、ヌル・フィルタ・タップによって形成される。
【0010】
しかしながら、従来のアナログ手法をデジタル環境において実施するには、少なくとも2つの基本的な問題がある。まず、利用可能な時間遅延において刻みが大きいために、聴取者の予想位置について耳間時間差は離散的にサンプリングされる。このため、「最も近い」または「最適」なITDを選択しなければならないが、これは、理想的なパラメータから最大で50%離れている場合がある。これによって、聴取者によるサウンドの動きの感覚にジッター効果が生じる恐れがある。更に、本明細書中の図6に示すような多タップを有するアナログ・フィルタをエミュレートするデジタル・フィルタの実施は、計算上複雑であり、計算の観点から、あるレベルのシステムの非効率が生じる。
【0011】
所与の刻みに基づいて更に正確なITDを与えるための、従来より提案されているデジタル3Dサウンド・システムの実施の1つは、HRTF設定全体を補間して、ITDも補間されるようにすることであった。しかしながら、補間はそれ自体、計算上厳しい要件であり、救済策とはならず、その他の点でデジタル3Dサウンド・システムに関連する計算上の非効率性を増す可能性がある。
【0012】
このため、デジタル3Dサウンドを提供する効率的で簡略化された方法および装置に対する要望がある。
【0013】
本発明の原理によれば、3Dオーディオ・サウンド・システムにおいて用いるためのデジタル遅延線は、第1の刻み内でいずれかの遅延の選択を与える第1の遅延モジュールを備える。第2の遅延モジュールは、第1の遅延モジュールと直列である。第2の遅延モジュールは、複数の追加の端数遅延のいずれかを選択することを可能とする。追加の端数遅延の各々は、第1の刻みよりも小さい。
【0014】
本発明の別の態様によれば、デジタル3Dサウンド・システムにおいて耳間時間遅延を与えるための方法は、複数の利用可能な第1時間遅延の各々の間で第1の刻みを有する複数の利用可能な第1の時間遅延のうち1つを選択するステップを備える。更に、複数の利用可能な第2の時間遅延のうち1つを選択する。複数の利用可能な第2の時間遅延の各々は、第1の刻みよりも小さい。選択した第1の時間遅延を、第2の時間遅延に加えて、所望の耳間時間遅延を与える。
【0015】
本発明の特徴および利点は、図面を参照した以下の説明から、当業者には明らかとなろう。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の原理によって、測定して経験的に決定したHRTFからITDを抽出し、平滑化し、ルック・アップ・テーブルに実施する。ITDの実施は、遅延線によって与えられる。遅延線は、粗い推定遅延を与える整数部分および、極めて正確な遅延を与えると共に聴取フィールドにおいて不連続性を排除してより緩和した聴取の最適位置を与える端数部分の双方を含む。
【0017】
本発明は、安定したクロストーク・キャンセレーションを実行し、仮想サウンド・イメージの優れた局所化および外面化を与える、簡単かつ元来低コストのアーキテクチャを有するデジタル・フィルタ・バンクを提供する。
【0018】
本発明の原理に従って、聴取者の位置に対応する頭部関連伝達関数を記録し、フィルタ係数を構築するために用いる。スピーカの位置とフィルタ設計との関係を調べ、3Dサウンド効果を最適化する、より緩和した聴取の「スイート・スポット(最適な位置)」を与える。このため、聴取者は、2つのみのラウドスピーカによって表現されるオーディオの3Dアスペクトを鑑賞するために、ラウドスピーカに対して極めて正確に決定した位置に座る必要はない。
【0019】
図1は、本発明の原理による、デジタル耳間時間遅延線を含む、デジタル3Dサウンド・システムの開示する実施形態の基本構成要素を示すブロック図である。
【0020】
具体的には、サウンド・ソース220は、デジタル耳間遅延線254に入力する。耳間遅延線254は、所望の耳間時間遅延の粗い推定値を与える整数遅延モジュール250と、非常に正確な追加の時間遅延を与える端数遅延モジュール252とを含む。開示した実施形態では、整数遅延モジュール250および端数遅延モジュール252の双方の具体的な設定を、複数の所定の遅延から選択することによって、その他の場合に特定の耳間時間遅延を補間するために必要な集中的な計算を、大幅に少なくするか、または皆無にする。
【0021】
局所化制御モジュール270によって、サウンド・イメージの所望の局所化を与える、左(または右)耳信号260および右(または左)耳信号262に関連する特定の遅延が与えられる。
【0022】
図2は、図1に示すデジタル3Dサウンド・システムを示す、より詳細な図である。
【0023】
すなわち、開示した実施形態の整数遅延モジュール250は、先入れ先出し(FIFO)バッファ204を備えている。FIFOバッファ204は、デジタル・オーディオ・サンプルの長さに対応して、例えば16ビット等、いずれかの適切な幅とすれば良い。更に、FIFOバッファ204の長さは、所望の3Dサウンド・イメージ生成を実施するのに必要な最長の遅延に基づいたものである。特定の遅延は、特定のデジタル・オーディオ・サンプルをFIFOバッファ204に入力した後に選択したクロック・サイクル数に関連する。この整数遅延時間の選択は、図2において、多重スイッチ206と共に示されている。特定のデジタル・オーディオ・サンプル224aないし224dのいずれかの使用は、FIFOバッファ204に順次供給され、サンプル224aないし224dの各々からの矢印はタップ数を表す。
【0024】
FIFOバッファ204のクロック・サイクルは、サンプル・レート分の1に関連する。このため、22キロヘルツという例示のサンプル・レートでは、「整数」部分すなわち整数遅延モジュール250の刻みは、1/22,000すなわち約45マイクロ秒(μS)である。
【0025】
デジタル耳間遅延線254の第2部分は、端数遅延モジュール252によって、より正確な「端数」遅延を与える。この端数遅延は、複数の端数遅延フィルタ208ないし212のうちいずれか1つを選択することによって与えられる。
【0026】
端数遅延モジュール252は、整数遅延モジュール250よりも細かい刻みで、調節可能デジタル遅延を効果的に生成する。端数遅延フィルタ208ないし212の各々は、いわゆる全通過フィルタであり、必要な端数遅延に対応した可変の位相ずれを有する。位相(すなわち端数遅延フィルタ208ないし212)の数は、人の聴取挙動試験によって経験的に決定する。
【0027】
開示した実施形態では、64個の端数遅延フィルタを利用し、その各々は、用途に適した細かい刻みの増分で、しだいに遅延を増すようになっている。例えば、22キロヘルツという例示的なサンプル・レートでは、端数遅延フィルタ208ないし212間の刻みは(45μS)/64、すなわち約0.7μS刻みである。この特定の細かい刻み(および整数遅延モジュール250が与える粗い推定刻み)は、特定の用途における要求に基づいて調節可能である。
【0028】
端数遅延フィルタ208ないし212の各々は、有限インパルス応答(FIR)フィルタ、すなわち多相フィルタであり、所望の遅延を実行する。端数遅延フィルタ208ないし212の各々、および/または端数遅延制御スイッチ216および/またはマルチプレクサ214は、例えばデジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロプロセッサ、またはマイクロコントローラ等、いかなる適切なプロセッサにおいても実施可能である。あるいは、デジタル・フィルタは、本発明の原理に従って、ハードウエアでも実施可能である。
【0029】
22キロヘルツというサンプル・レートを用いた例示的な実施形態では、第1の端数遅延フィルタ208は、これを通過するデジタル・オーディオ・サンプルに対して0.7μSの遅延を与え、第2の端数遅延フィルタ210は約1.4μSの遅延を与える等であり、最後の端数遅延フィルタ212は約44.3μSの遅延を与える。
【0030】
適切な端数遅延フィルタ208ないし212の選択は、端数遅延モジュール252のマルチプレクサ214によって実施される。図示した実施形態では、端数遅延フィルタ208ないし212は、各々、例えばデジタル信号プロセッサ等のプロセッサにおいて実施されており、特定のオーディオ・サンプルのために用いられていない端数遅延フィルタ208ないし212を実行することによる無駄な計算上のパワーを回避するために、フロントエンドで、端数遅延フィルタ208ないし212のうち適切な1つを選択することが望ましい。
【0031】
耳間時間遅延は、局所化制御モジュール270によって制御される。局所化制御モジュール270は、3Dオーディオ・アプリケーション・ソース位置コントローラ222、耳間時間遅延(IDT)ルックアップ・テーブル220、ならびに整数および端数遅延セレクタ218を含む。開示した実施形態では、局所化制御モジュール270は、例えばマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、またはデジタル信号プロセッサ(DSP)等の適切なプロセッサにおいて実施される。むろん、これ以外に、局所化制御モジュール270は、例えばプログラム可能アレイ・ロジックを用いて、ハードウエアにおいて部分的または全体的に実施することも可能である。
【0032】
3Dオーディオ・アプリケーション・ソース位置コントローラ222は、デジタル耳間遅延線254に現在入力されているサウンド・サンプルの所望の「見せかけの」位置を選択する。所望の位置は、例えば聴取者の頭部のような基準点に対して、所望のx、yおよびz座標を有すると良い。この所望の位置に基づいて、ITDルックアップ・テーブル220において、関連するITDを決定する。整数および端数遅延セレクタは、所望のITDを超えることなく整数遅延モジュール250の刻み内で達成可能な最大の整数値を決定し、整数遅延モジュール250を適切に制御して、この所望の遅延をオーディオ・サンプルに与える。同様に、整数遅延モジュール250によって与えられなかった所望のITDの残り部分すなわち端数部分は、端数遅延モジュール252において利用可能な端数遅延フィルタ208ないし212のうち所望の1つを適切に選択することによって与えられる。
【0033】
図3は、本発明の原理による、端数遅延フィルタの共通バンクを用いた、多重デジタル・オーディオ・ストリームの実施を示す図である。このように、複数の端数遅延フィルタ208ないし212は、同一の聴取者のための複数のオーディオ・ソースによって利用可能であり、各オーディオ・ソース毎に端数遅延モジュール252を繰り返し設ける必要性を回避する。
【0034】
図4は、図2に示すITDルックアップ・テーブル220を生成するためのプロセスを示す。
【0035】
具体的には、ステップ102において、聴取環境の周囲の様々な位置、例えば、サウンド・ソースを中心とする球体に沿って漸増する各点において、サウンド・ソースを用いた両耳インパルス応答を経験的に測定する。
【0036】
ステップ104では、ステップ102において得た経験的に測定した情報からITD情報を抽出し、球体上の適切な各点毎にITD値の「メッシュ」を決定する。すなわち、相互相関を用いて、測定した左−右耳の頭関連伝達関数(HRTF)からITDサンプルを抽出すれば良い。これらのサンプルは、方位および高さ座標のアンダーライン連続ITD関数の離散サンプルとして見なすことができる。
【0037】
ステップ106では、聴取者に対する「ジッター」およびその他の望ましくない影響を回避するため、いずれかの適切な平滑化アルゴリズムを用いて、ステップ104で決定したITDメッシュを平滑化する。例えば、「一般化スプライン・モデル」を用いてITDサンプルを調整するか、または2次元フィルタによって適切に濾波および補間することによって、平滑さおよび連続性を得ることができる。この平滑化は集中的な計算を必要とし得るが、オフラインで一度実行し、デジタル・オーディオ・サンプルを受信する際にリアルタイムでは実行しない。
【0038】
ステップ108では、ITDルックアップ・テーブル220に、平滑化したITDメッシュを入力する。ITDメッシュは、例えば球座標または標準的なx、yおよびz座標系のような、いずれかの適切な座標系を利用することができる。
【0039】
開示した実施形態では、サウンド・ストリームにおいて生じるいかなる不連続性も通常の人の可聴閾値未満であるように、遅延全体の最も細かい時間刻み、すなわち整数遅延モジュール250および端数遅延モジュール252が与える遅延の組み合わせを、1マイクロ秒(μS)未満とすると好ましいことがわかった。高サンプリング・レートの場合は、時間の刻みがより短いことが好ましい場合がある。例えば、サンプリング・レートが22.05キロヘルツのオーディオ・ストリームでは、64相の多相フィルタを用いて、時間遅延においてマイクロ秒以下の刻みを得た。別の例では、60相の多相フィルタを用いて、48キロヘルツでサンプリングしたオーディオ・ストリームを適切に表現するために必要な時間遅延を得た。
【0040】
開示した実施形態における端数遅延フィルタ208ないし212は、各々、FIR(多相)フィルタであるが、本発明の原理は、デジタル・オーディオ・サンプルにおいて必要な遅延を与える他のフィルタまたはデジタル遅延の使用にも等しく適用可能である。
【0041】
本発明の原理によるデジタル耳間遅延線254は、いかなる適切なプロセッサまたはコンピュータ・システムにおいても実施可能である。例えば、デジタル耳間遅延線254は、標準通りの命令セットまたはMMT(商標)技術を用いたパーソナル・コンピュータ(PC)に基づくプラットフォームにおいてホスト・レベルで実施可能であり、または、デジタル信号プロセッサ(DSP)において実施することも可能である。
【0042】
本発明の原理によって効率を更に向上させるためには、ソース・サウンドの所望の動きに従って、遅延を一方の耳について固定させ、他方の耳に向けられるサウンドについて可変とすれば良い。この代替的な方法では、その他の場合に両耳に対して様々に遅延したサウンドを処理するのに必要であった命令サイクルの半分を省くことができる。
【0043】
適切に遅延した左耳および右耳の信号は、更に処理するために次の段階に送出するか、または単純な両耳信号処理方法として、聴取者に提示するために直接ヘッドホンもしくはラウドスピーカに送出することができる。
【0044】
このように、本発明の原理によれば、3Dオーディオおよび音響仮想表示アプリケーションにおいて適切な耳間時間遅延を発生するという問題は、処理遅延をほとんど必要とせずに解決が図られる。本発明の原理では、従来の補間技法よりも、プロセッサの命令サイクルを省くことができる。更に、FIFOバッファ204を用いることによって、そうでなければ必要であった多数の従来のHRTFフィルタの各々において適切な複数のヌル・タップを格納する必要がなくなる。使用せずに済んだ処理パワーは、HRTF効果を高める等の他の目的に用いることができる。
【0045】
ITDは、粗い刻みの遅延モジュール(すなわち整数遅延モジュール250)とは別個に抽出、処理、および実施されるので、細かく調節した遅延モジュール(すなわち端数遅延モジュール252)において、3Dオーディオ効果を容易に制御および調節して、例えば異なる頭のサイズに対して最適化する等の、他の特別な要求に適合させることができる。本発明の原理による超刻みサブサンプル濾波多相フィルタに基づく遅延線は、聴取者に対する表現において不連続性すなわち「クリック」を生じることなく、必要な遅延を発生させる。
【0046】
本発明の原理は、聴取者が知覚するサウンドの方向の局所化キューとして耳間時間遅延を用いる、いずれの3Dオーディオ・システムにおいて用いるためにも適用可能である。例えば、本発明は、AC3/Dolby(商標)デジタル・システムにおける2つの物理的なスピーカを有する多ラウドスピーカ・アレイ・システム、最新式コンピュータ・ユーザ・インタフェース、建築における通り抜け通路のための仮想音響現実感ソフトウエア、聴覚化ハードウエア/ソフトウエア、一般的なステレオおよび無線ヘッドホン・セットのための3Dエンハンスメント等を楽しみ、仮想化する際の3Dサウンド位置決めに関する。
【0047】
本発明を、その例示的な実施形態を参照して説明してきたが、当業者は、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、記載した本発明の実施形態に様々な変更を行うことが可能であろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理による、デジタル耳間遅延線を含むデジタル3Dサウンド・システムを示すブロック図である。
【図2】本発明の原理による、デジタル環境において3Dサウンドを生成するためのデジタル3Dサウンド・システムを示す、より詳細な図である。
【図3】本発明の原理による、端数遅延フィルタの共通バンクを用いた、多重デジタル・オーディオ・ストリームの実施を示す図である。
【図4】本発明の原理による、図1および2に示すような3Dサウンド・アプリケーションと共に用いる、ITDルック・アップ・テーブルにおいて用いるのに適した、改良されたITDルック・アップ・テーブルを生成するプロセスを示す。
【図5】聴取者に対して見せかけの位置からサウンドのイメージを生成する、従来の3Dサウンド・システムを示す。
【図6】Atal−Schroederによって実施された、タップ点を多数有する従来のアナログ遅延線を示す。

Claims (14)

  1. 3Dオーディオ・サウンド・システムにおいて用いるためのデジタル遅延線であって
    該3Dオーディオ・サウンド・システムで用いるための第1のデジタル分解能であって、デジタル整数値をとる第1のデジタル分解能で選択されたデジタル遅延を与える第1のデジタル遅延モジュールと、
    第1のデジタル遅延モジュールと直列につながれた、複数の追加のデジタル端数遅延のうちいずれかを与える第2のデジタル遅延モジュールであって、追加のデジタル端数遅延の各々が第1のデジタル分解能よりも小さくなっている第2のデジタル遅延モジュールとを含むことを特徴とするデジタル遅延線。
  2. 請求項1に記載の3Dオーディオ・サウンド・システムにおいて用いるためのデジタル遅延線において、前記第1の遅延モジュールが、先入れ先出しバッファから成るデジタル遅延線。
  3. 請求項1に記載の3Dオーディオ・サウンド・システムにおいて用いるためのデジタル遅延線において、前記第2の遅延モジュールが、各々が前記第1のデジタル分解能よりも小さい追加のデジタル端数遅延を与えるような複数の多相フィルタのうちいずれか1つの選択から成るデジタル遅延線。
  4. 請求項1に記載の3Dオーディオ・サウンド・システムにおいて用いるためのデジタル遅延線であって、更に
    特定の耳間時間遅延に所望のサウンド・ソース位置を関連付ける両耳間時間遅延ルックアップ・テーブルを含む定位制御モジュールを備えるデジタル遅延線。
  5. 請求項4に記載の3Dオーディオ・サウンド・システムにおいて用いるためのデジタル遅延線において、前記定位制御モジュールが、更に前記第1のデジタル遅延モジュールが用いるための第1のデジタル時間遅延と、前記第2のデジタル遅延モジュールが用いるための前記追加のデジタル端数遅延とを決定するように構成された整数および端数デジタル遅延セレクタを含むデジタル遅延線。
  6. 請求項1に記載の3Dオーディオ・サウンド・システムにおいて用いるためのデジタル遅延線において、前記第1のデジタル分解能がデジタル・オーディオ信号のサンプリング・レートに基づいているデジタル遅延線。
  7. デジタル3Dサウンド・システムにおいて両耳間時間遅延を与えるための方法であって
    複数の利用可能な第1のデジタル時間遅延の各々の間第1のデジタル分解能であって、所望の両耳間時間遅延の粗い推定値を提供するデジタル整数値をとる第1のデジタル分解能を有する複数の利用可能な第1のデジタル時間遅延のうち1つを選択するステップと
    複数の利用可能な第2のデジタル時間遅延のうち1つを付加的に選択するステップであって、複数の利用可能な第2のデジタル時間遅延の各々が第1のデジタル分解能よりも小さく、高精細の追加のデジタル時間遅延を与えるデジタル端数遅延であるようなステップと、
    該選択された第1のデジタル時間遅延および第2のデジタル時間遅延を加算して、知覚される位置の音を生成するために該デジタル3Dサウンド・システムで用いるための所望の両耳間時間遅延を与えるステップとを含むことを特徴とする方法。
  8. 請求項7に記載のよるデジタル3Dサウンド・システムにおいて両耳間時間遅延を与えるための方法において
    前記所望の両耳間時間遅延は、聴取者の一方の耳に対する所望の両耳間時間遅延に関連し
    前記第1のデジタル時間遅延は、前記聴取者の第2の耳についての所望の両耳間時間遅延に関連するものである方法。
  9. 請求項7に記載のデジタル3Dサウンド・システムにおいて両耳間時間遅延を与えるための方法において、前記複数の利用可能なデジタル時間遅延はデジタル・オーディオ信号のサンプリング・レートに基づいている方法。
  10. 請求項7に記載のデジタル3Dサウンド・システムにおいて両耳間時間遅延を与えるための方法であって、更に
    聴取者の第1の耳に対して第1の両耳間時間遅延を固定するステップと
    前記聴取者の第2の耳に対して前記所望の両耳間時間遅延を与えるステップと
    を含む方法。
  11. デジタル3Dサウンド・システムにおいて両耳間時間遅延を与えるための装置であって
    複数の利用可能な第1のデジタル時間遅延の各々間の第1のデジタル分解能であって、所望の両耳間時間遅延の粗い推定値を与えるデジタル整数値をとる第1のデジタル分解能を有する複数の利用可能な第1のデジタル時間遅延のうち1つを選択するための手段であって、
    各々が該第1のデジタル分解能よりも小さく、高精細の追加の両耳間時間遅延を与えるデジタル端数遅延である複数の利用可能な第2のデジタル時間遅延のうち1つを付加的に選択するための手段と
    選択された第1のデジタル時間遅延および第2のデジタル時間遅延を加算して、知覚される位置の音を生成するために該デジタル3Dサウンド・システムで用いるための所望の両耳間時間遅延を与えるための手段とを含むことを特徴とする装置。
  12. 請求項11に記載のデジタル3Dサウンド・システムにおいて両耳間時間遅延を与えるための装置において
    前記所望の両耳間時間遅延は、聴取者の一方の耳に対する所望の両耳間時間遅延に関連し
    前記第1のデジタル時間遅延は、前記聴取者の第2の耳に対する所望の両耳間時間遅延に関連するものである装置。
  13. 請求項11に記載のデジタル3Dサウンド・システムにおいて両耳間時間遅延を与えるための装置において、前記複数の利用可能なデジタル時間遅延が、デジタル・オーディオ信号のサンプリング・レートに基づいている装置。
  14. 請求項11に記載のデジタル3Dサウンド・システムにおいて耳間時間遅延を与えるための装置であって、更に
    聴取者の第1の耳に対して第1の両耳間時間遅延を固定するための手段と
    前記聴取者の第2の耳に対して前記所望の両耳間時間遅延を与えるための手段とを含む装置。
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