JP3581010B2

JP3581010B2 - Lipid digestion and absorption function improver

Info

Publication number: JP3581010B2
Application number: JP06796298A
Authority: JP
Inventors: 誠一郎青江; 都田中; 範宜松原; 俊朗須栗; 元威村上; 勝己今泉
Original assignee: Snow Brand Milk Products Co Ltd
Current assignee: Snow Brand Milk Products Co Ltd
Priority date: 1998-03-18
Filing date: 1998-03-18
Publication date: 2004-10-27
Anticipated expiration: 2018-03-18
Also published as: JPH11269074A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スフィンゴミエリン及び／又はスフィンゴミエリン含有リン脂質を有効成分とする脂質の消化吸収機能改善剤に関する。また、本発明は、スフィンゴミエリン及び／又はスフィンゴミエリン含有リン脂質を配合して脂質の消化吸収機能改善効果を賦与した医薬又は飲食品に関する。本発明の脂質の消化吸収機能改善剤や脂質の消化吸収機能改善効果を賦与した医薬及び飲食品は、脂質の消化吸収機能が低下した高齢者や各疾患治癒後の患者等の栄養補給に有用である。
【０００２】
【従来の技術】
日常的に摂取する飲食品中に含まれる脂質等の脂溶性成分は、生体の恒常性や機能性の維持に重要な役割を果たしていることが知られている。そして、最近では、特に多価不飽和脂肪酸に関する研究が進展し、ｎ−６系及びｎ−３系の必須脂肪酸についての有効性が明らかになってきた。例えば、リノール酸が血清コレステロールの低下作用を有するということやエイコサペンタエン酸（ＥＰＡ）、ドコサヘキサエン酸（ＤＨＡ）が脳血栓予防効果を有するということ等である。また、以前から、ビタミンＡやビタミンＥ等の脂溶性ビタミンが有する生理的意義に関する研究もなされてきている。
【０００３】
これらの脂溶性成分については、バランスのとれた食生活を営んでいる限り、不足するという事態は生じないし、また、加齢に伴って脂溶性成分の吸収機能が低下するということはないとされている。しかしながら、偏食傾向の食生活やストレスの多い社会生活を営まざるを得ない現代においては、脂溶性成分の摂取に関して、必ずしも問題がないという訳ではない。例えば、高齢者や各疾患治癒後の患者等においては、脂溶性成分の消化吸収機能が衰えている可能性が高く、脂溶性の必須栄養素が慢性的に不足している状態が潜在していると考えられる。したがって、何らかの理由で低下した脂溶性成分の消化吸収機能を改善することにより、脂溶性の必須栄養素の消化吸収性を改善するような医薬や飲食品の開発が求められている。
【０００４】
ところで、通常の食事により摂取された脂質は、生体内において、胆汁酸の働きにより乳化され、また、リパーゼの働きにより加水分解されて、消化吸収される。したがって、脂質の消化吸収性を改善する方法としては、まず、脂質が乳化され易いようにすることが考えられる。例えば、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール等のリン脂質の混合物であるレシチンは、天然乳化剤として使用されているが、この乳化作用により、脂質や脂溶性ビタミン等の脂溶性成分の消化吸収性が促進されることが知られている（菰田衛著，レシチン−その基礎と応用，ｐ１０７，幸書房発行，１９９１）。しかし、これは物理的な乳化作用をレシチンが改善することによる効果であり、消化吸収機能が衰えた者に対すると同様の効果を健常人に対しても示し、健常人においては、カロリーの過剰摂取による肥満の原因となる可能性もある。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、脂質の消化吸収性を改善する方法として、乳化作用を改善するという物理的な方法ではなく、衰えた脂質の消化吸収機能を直接的に改善する方法を見出すべく、鋭意研究を進めていたところ、リン脂質の一種であるスフィンゴミエリンに衰えた脂質の消化吸収機能を改善する効果があることを見出した。そして、スフィンゴミエリンを含有するリン脂質においても同様の効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。
【０００６】
したがって、本発明は、スフィンゴミエリン及び／又はスフィンゴミエリン含有リン脂質を有効成分とする脂質の消化吸収機能改善剤を提供することを課題とする。また、本発明は、スフィンゴミエリン及び／又はスフィンゴミエリン含有リン脂質を配合して脂質の消化吸収機能改善効果を賦与した医薬又は飲食品を提供することを課題とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明では、脂質の消化吸収機能改善剤の有効成分として、スフィンゴミエリン及び／又はスフィンゴミエリン含有リン脂質を使用する。また、本発明では、脂質の消化吸収機能改善効果を賦与するために、スフィンゴミエリン及び／又はスフィンゴミエリン含有リン脂質を使用し、これらを医薬や飲食品に配合する。
【０００８】
本発明で使用するスフィンゴミエリンは、リン脂質の一種で、卵黄や乳中に多く存在しており、細胞膜や血清リポタンパク質の構成成分として分布している。そして、生体内でのスフィンゴミエリンは、情報伝達系を介して細胞の増殖や分化に影響を及ぼしていることが知られている。
【０００９】
本発明においては、精製して純度を高めたスフィンゴミエリンを使用しても良いし、また、スフィンゴミエリンを含有するリン脂質の形態で使用しても良い。なお、スフィンゴミエリンやスフィンゴミエリン含有リン脂質については、次のような方法により調製することができる。例えば、乳やホエータンパク質濃縮物（ＷＰＣ）等の乳製品をエーテルやアセトンで抽出する方法（特開平３− ４７１９２号公報）により得られる乳由来のスフィンゴミエリン含有リン脂質（リン脂質中スフィンゴミエリン約２８％含有）を使用することができ、また、バターを加温融解することにより得られるバターカードやバターセーラムを含む水性画分をスフィンゴミエリン含有リン脂質（リン脂質中スフィンゴミエリン約９％含有）として使用することができ、さらに、バターミルクやバターセーラム中に含まれる乳脂肪球被膜画分をスフィンゴミエリン含有リン脂質（リン脂質中スフィンゴミエリン約９％含有）として使用することができる。そして、これらのスフィンゴミエリン含有リン脂質を透析、硫安分画、ゲル濾過、等電点沈澱、イオン交換クロマトグラフィー、溶媒分画等の手法により精製することにより純度を高めたスフィンゴミエリンを使用しても良い。また、これらのスフィンゴミエリンやスフィンゴミエリン含有リン脂質は、液体の状態で使用しても良いし、粉末の状態で使用しても良い。
【００１０】
ところで、表１に示したように、乳由来のリン脂質の特徴は、その構成成分として、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン及びスフィンゴミエリンを含有していることであり、特に、代表的なリン脂質である大豆由来のリン脂質には殆ど含まれていないスフィンゴミエリンを比較的高い含有率で含んでいることである（菰田衛著，レシチン−その基礎と応用，ｐ．１６０，幸書房発行，１９９１）。
【００１１】
【表１】

【００１２】
したがって、スフィンゴミエリン含有リン脂質としては、乳由来のリン脂質を使用することが好ましいといえる。
【００１３】
【発明の実施の形態】
本発明は、スフィンゴミエリン及び／又はスフィンゴミエリン含有リン脂質を有効成分とする脂質の消化吸収機能改善剤である。この脂質の消化吸収機能改善剤の剤型は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、粉剤等とすれば良い。また、こられの剤型は、従来より知られている方法で製造することができ、例えば、製剤製造上許容されている担体や賦形剤等と混合して成型すれば良い。
【００１４】
また、本発明は、スフィンゴミエリン及び／又はスフィンゴミエリン含有リン脂質を配合して脂質の消化吸収機能改善効果を賦与した医薬や飲食品である。この脂質の消化吸収機能改善効果を賦与した医薬や飲食品は、スフィンゴミエリン及び／又はスフィンゴミエリン含有リン脂質を錠剤や粉剤等の剤型の医薬に配合したり、牛乳、乳飲料、コーヒー飲料、ジュース、ゼリー、ビスケット、パン、麺、ソーセージ等の飲食品や栄養食、さらには、必須脂肪酸や脂溶性ビタミンの補給を目的とした栄養補給用組成物に配合したりしたものである。
【００１５】
なお、本発明で、脂質の消化吸収機能改善効果を発揮させるためには、成人の場合、スフィンゴミエリンとして１日当たり５００〜２，５００ｍｇ摂取できるように配合量等を調整すれば良い。
【００１６】
次に、実施例及び試験例を示し、本発明をさらに詳しく説明する。
【００１７】
【実施例１】
ホエータンパク質濃縮物（ＷＰＣ）の１０％水溶液にプロテアーゼを作用させて得られた反応液をクロロホルム−メタノール（２：１）溶液で抽出した後、濃縮し、さらに、アセトン抽出して複合脂質画分を得た。次に、この複合脂質画分をフロロシリルカラムクロマトグラフィー処理し、クロロホルム−メタノール溶液で段階抽出してリン脂質画分を得た。そして、このリン脂質画分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー処理し、クロロホルム−メタノール溶液で段階抽出してスフィンゴミエリンを得た。得られたスフィンゴミエリンについては、凍結乾燥して脂質の消化吸収改善剤とした。なお、このスフィンゴミエリンを薄層クロマトグラフィー処理した後、ディットマー試薬で発色し、デンシトメトリー法で測定したところ、スフィンゴミエリンの含有率は９５．２％であった。
【００１８】
【試験例１】
実施例１で得られたスフィンゴミエリンを使用し、マウスによる動物実験で、脂質の消化吸収改善効果を調べた。すなわち、１１週齢の老化促進マウス（ＳＡＭＰ／８系）及び通常マウス（ＳＡＭＲ／１系）を各群６匹ずつ実験動物として使用した。そして、表２に示した配合の実験飼料で、スフィンゴミエリン添加量を０．１％とし、その他の配合についてはＡＩＮ−７６組成に準じた実験飼料を２８日間給餌した。
【００１９】
【表２】

【００２０】
なお、脂質の消化吸収機能の評価については、実験飼料投与後、２１〜２８日目の１週間における脂質摂取量と糞便への脂質排泄量から消化吸収率を算出することにより行った。その結果を図１に示す。
【００２１】
これによると、老化促進マウスの対照群において有意に低い消化吸収率を示したが、健常マウスの対照群及び発明群においてスフィンゴミエリンの影響は認められず、老化促進マウスの発明群においてのみスフィンゴミエリンの効果で健常マウスと同等の消化吸収率になるまで機能が改善されていた。したがって、スフィンゴミエリンは、加齢に伴って低下する脂質の消化吸収機能を改善し、消化吸収機能を健常なレベルまで高める効果を有することが判った。
【００２２】
【実施例２】
実施例１に示した方法と同様の方法によりリン脂質画分を調製し、このリン脂質画分をスフィンゴミエリン含有リン脂質とした。そして、得られたスフィンゴミエリン含有リン脂質については、凍結乾燥して脂質の消化吸収改善剤とした。なお、このスフィンゴミエリン含有リン脂質のリン脂質組成について、薄層クロマトグラフィーで分析した結果を表３に示す。
【００２３】
【表３】

【００２４】
【実施例３】
実施例２で得られたスフィンゴミエリン含有リン脂質を配合して、脂質の消化吸収機能改善効果を賦与した乳飲料を製造した。すなわち、牛乳２０ｋｇ、脱脂粉乳２１．６ｋｇ及び水５６ｋｇを調合して乳ベースを調製した後、この乳ベースに、グラニュー糖１ｋｇ及びスフィンゴミエリン含有リン脂質０．３７ｋｇを添加し、ホモジナイザーで均質圧２００ｋｇ／ｃｍ^２として乳化した。そして、充填温度９０℃でこれを２００ｍｌ缶に充填し、巻締めした後、１２１℃、１０分間のレトルト殺菌を行い、冷却して缶入り乳飲料を製造した。なお、この缶入り乳飲料は、殆ど褐変しておらず、牛乳の風味を有するものであった。
【００２５】
【実施例４】
実施例２で得られたスフィンゴミエリン含有リン脂質を配合して、脂質の消化吸収機能改善効果を賦与した経管・経口栄養食を製造した。すなわち、７５℃に加温した水１．５ｌに、デキストリン６３２ｇ、カゼインナトリウム１７４ｇ、脱脂粉乳３３ｇ、ショ糖脂肪酸エステル６ｇ、パーム油分別油６２ｇとスフィンゴミエリン含有リン脂質４５ｇとを混合した油脂混合物１０７ｇ及び第３リン酸カリウム７ｇを水５０ｍｌに溶解した溶液を添加混合し、さらに、塩化カルシウム４ｇ／１６０ｍｌの溶液、硫酸マグネシウム７ｇ／１６０ｍｌの溶液、ビタミン混合物４ｇ／５３ｍｌの溶液及びミネラル混合物６ｇ／５３ｍｌの溶液を添加混合した。次に、この混合物をコロイドミルで予備乳化した後、ホモジナイザーで均質圧４００ｋｇ／ｃｍ^２として乳化した。そして、１２１℃、１５秒で加熱殺菌した後、噴霧乾燥して、経管・経口栄養食約１ｋｇを得、アルミ箔製容器に９２ｇずつ窒素充填包装して経管・経口栄養食を製造した。なお、この経管・経口栄養食を３４０ｍｌの水に溶解すると約１ｋｃａｌ／ｍｌのエネルギーを供給することができる。
【００２６】
【実施例５】
脂肪率を５０％に調整したクリームを３倍量の水で洗浄し、４℃で一晩放置した後、バターチャーンで処理して、バター粒とバターミルクに分離した。次に、このバターミルクについて、硫安分画、遠心分離及び透析を行って乳脂肪球被膜画分を調製し、この乳脂肪球被膜画分をスフィンゴミエリン含有リン脂質とした。そして、得られたスフィンゴミエリン含有リン脂質については、凍結乾燥して脂質の消化吸収改善剤とした。なお、このスフィンゴミエリン含有リン脂質中に含まれるスフィンゴミエリン含量は１０．４％であった。
【００２７】
【実施例６】
実施例５で得られたスフィンゴミエリン含有リン脂質を配合して、脂質の消化吸収機能改善効果を賦与した栄養補給用組成物を製造した。すなわち、溶解水６０ｋｇ中に、乳タンパク質３．４ｋｇ及び大豆タンパク質１．１４ｋｇを分散し、７０℃まで加温して溶解した後、デキストリン１２．４ｋｇを添加し、さらに、大豆油、パーム油及び精製魚油を混合した油脂類２．４ｋｇ、スフィンゴミエリン含有リン脂質０．２ｋｇを添加した。次に、ＴＫホモミキサーで予備乳化した後、濃縮し、噴霧乾燥して、原料粉末を調製した。そして、この原料粉末に、適量のミネラル、ビタミン、香料等を添加し、混合して、粉末状の栄養補給用組成物を製造した。
【００２８】
【発明の効果】
スフィンゴミエリンやスフィンゴミエリン含有リン脂質を有効成分として使用することにより、脂質の消化吸収機能が低下した高齢者や疾病予後の患者のみに脂質の消化吸収機能改善効果をもたらすことができる。したがって、本発明の脂質の消化吸収機能改善剤、あるいは、脂質の消化吸収機能改善効果を賦与した医薬や飲食品を脂質や脂溶性ビタミンと共に摂取することにより、脂質の消化吸収機能が低下した高齢者や疾病予後の患者に、必須脂肪酸や脂溶性ビタミン等の栄養補給を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】試験例１の各実験群における脂質の消化吸収率を示す。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a lipid digestion and absorption function improving agent comprising sphingomyelin and / or sphingomyelin-containing phospholipid as an active ingredient. In addition, the present invention relates to a medicine or food or drink which is added with sphingomyelin and / or sphingomyelin-containing phospholipid to impart an effect of improving the function of digesting and absorbing lipid. INDUSTRIAL APPLICABILITY The agent for improving the function of digesting and absorbing lipids of the present invention and the pharmaceuticals and foods and beverages imparting the effect of improving the function of digesting and absorbing lipids are useful for nutritional supplementation of elderly patients with reduced digestion and absorption functions of lipids and patients after cure of various diseases. It is.
[0002]
[Prior art]
It is known that fat-soluble components such as lipids contained in foods and drinks that are taken in daily play an important role in maintaining homeostasis and functionality of a living body. Recently, research on polyunsaturated fatty acids has been particularly advanced, and the effectiveness of n-6 and n-3 essential fatty acids has become clear. For example, linoleic acid has a serum cholesterol lowering effect, and eicosapentaenoic acid (EPA) and docosahexaenoic acid (DHA) have a cerebral thromboprotective effect. In addition, studies on the physiological significance of fat-soluble vitamins such as vitamin A and vitamin E have been made.
[0003]
As for these fat-soluble components, as long as they have a well-balanced diet, there will be no shortage, and the absorption function of the fat-soluble components will not decrease with aging. ing. However, in the present day, when it is inevitable to carry out eating habits with a tendency toward unbalanced eating and social life with a lot of stress, there is not necessarily no problem with ingestion of fat-soluble components. For example, in the elderly and patients after each disease is cured, there is a high possibility that the digestion and absorption function of fat-soluble components is impaired, and a state in which fat-soluble essential nutrients are chronically deficient is latent. it is conceivable that. Therefore, there is a need for the development of medicines and foods and drinks that improve the digestion and absorption of fat-soluble essential nutrients by improving the function of digestion and absorption of fat-soluble components that have been reduced for some reason.
[0004]
By the way, lipids ingested by a normal meal are emulsified in vivo by the action of bile acids, and are hydrolyzed by the action of lipase to be digested and absorbed. Therefore, as a method for improving the digestibility of lipids, it is conceivable to first make the lipids easily emulsified. For example, lecithin, which is a mixture of phospholipids such as phosphatidylcholine, phosphatidylethanolamine, and phosphatidylinositol, is used as a natural emulsifier.This emulsifying action causes the digestion and absorption of fat-soluble components such as lipids and fat-soluble vitamins. It is known to be promoted (Moto Komoda, Lecithin-Basics and Applications, p 107, published by Koshobo, 1991). However, this is the effect of lecithin improving the physical emulsifying effect, and it shows the same effect on healthy people as those on people with impaired digestion and absorption functions, and in healthy people, excessive intake of calories May cause obesity.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The present inventors have conducted intensive research in order to find a method for directly improving the digestion and absorption function of a weakened lipid, not a physical method of improving the emulsifying action, as a method of improving the digestion and absorption of lipids. As a result, it was found that sphingomyelin, a kind of phospholipid, has an effect of improving the function of digesting and absorbing attenuated lipids. Then, they found that phospholipids containing sphingomyelin had the same effect, and completed the present invention.
[0006]
Therefore, an object of the present invention is to provide a lipid digestion and absorption function improving agent containing sphingomyelin and / or sphingomyelin-containing phospholipid as an active ingredient. Another object of the present invention is to provide a medicine or a food or drink which has a sphingomyelin and / or a sphingomyelin-containing phospholipid and imparts an effect of improving the function of digesting and absorbing lipids.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In the present invention, sphingomyelin and / or sphingomyelin-containing phospholipids are used as active ingredients of the agent for improving the function of digesting and absorbing lipids. In the present invention, sphingomyelin and / or sphingomyelin-containing phospholipids are used in order to impart an effect of improving the function of digestion and absorption of lipids, and these are blended in a medicine or food or drink.
[0008]
Sphingomyelin used in the present invention is a kind of phospholipid, which is abundant in egg yolk and milk, and distributed as a constituent of cell membranes and serum lipoproteins. It is known that sphingomyelin in vivo has an effect on cell growth and differentiation via a signal transduction system.
[0009]
In the present invention, sphingomyelin which has been purified to increase its purity may be used, or may be used in the form of a sphingomyelin-containing phospholipid. Sphingomyelin and sphingomyelin-containing phospholipids can be prepared by the following method. For example, milk-derived sphingomyelin-containing phospholipids (sphingomyelin in phospholipids) obtained by extracting milk or dairy products such as whey protein concentrate (WPC) with ether or acetone (JP-A-3-47192). The sphingomyelin-containing phospholipid (containing about 9% of sphingomyelin in phospholipids) can be used as an aqueous fraction containing butter curd and butter salem obtained by heating and melting butter. Further, the milk fat globule-coated fraction contained in buttermilk or butter serum can be used as a sphingomyelin-containing phospholipid (containing about 9% of sphingomyelin in phospholipids). These sphingomyelin-containing phospholipids are purified by a method such as dialysis, ammonium sulfate fractionation, gel filtration, isoelectric point precipitation, ion exchange chromatography, and solvent fractionation, thereby using sphingomyelin with increased purity. Is also good. These sphingomyelin and sphingomyelin-containing phospholipids may be used in a liquid state or in a powder state.
[0010]
By the way, as shown in Table 1, the characteristic of milk-derived phospholipid is that it contains phosphatidylcholine, phosphatidylethanolamine and sphingomyelin as its constituent components, and is a typical phospholipid. It contains sphingomyelin, which is hardly contained in soybean-derived phospholipids, at a relatively high content (M. Komoda, Lecithin-Basics and Applications, p. 160, published by Koshobo, 1991).
[0011]
[Table 1]

[0012]
Therefore, it can be said that it is preferable to use milk-derived phospholipid as the sphingomyelin-containing phospholipid.
[0013]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The present invention is a lipid digestion / absorption function improving agent comprising sphingomyelin and / or sphingomyelin-containing phospholipid as an active ingredient. The dosage form of the agent for improving the function of digestion and absorption of lipids may be tablets, capsules, granules, powders, powders and the like. In addition, these dosage forms can be produced by a conventionally known method. For example, the dosage form may be mixed with a carrier, excipient, or the like, which is acceptable for the production of a formulation, and then molded.
[0014]
Further, the present invention is a medicine or food or drink which is provided with a sphingomyelin and / or a sphingomyelin-containing phospholipid to impart an effect of improving the function of digesting and absorbing lipids. Pharmaceuticals and foods and beverages imparting the effect of improving the function of digesting and absorbing lipids include sphingomyelin and / or sphingomyelin-containing phospholipids mixed with tablets or powdered pharmaceuticals, milk, milk drinks, coffee drinks, and the like. It is added to foods and drinks such as juices, jellies, biscuits, breads, noodles, sausages and nutritional foods, and further to a nutritional supplement composition for supplementing essential fatty acids and fat-soluble vitamins.
[0015]
In the present invention, in order to exert the effect of improving the function of digesting and absorbing lipids, the amount of sphingomyelin may be adjusted so that 500 to 2,500 mg of sphingomyelin can be taken per day for adults.
[0016]
Next, the present invention will be described in more detail with reference to Examples and Test Examples.
[0017]
Embodiment 1
A reaction solution obtained by allowing a protease to act on a 10% aqueous solution of whey protein concentrate (WPC) was extracted with a chloroform-methanol (2: 1) solution, concentrated, and further extracted with acetone to extract a complex lipid fraction. Got. Next, the complex lipid fraction was subjected to fluorosilyl column chromatography, and stepwise extraction was performed with a chloroform-methanol solution to obtain a phospholipid fraction. Then, the phospholipid fraction was subjected to silica gel column chromatography and stepwise extracted with a chloroform-methanol solution to obtain sphingomyelin. The obtained sphingomyelin was freeze-dried to obtain a lipid digestion and absorption improving agent. The sphingomyelin was subjected to thin-layer chromatography, developed with a Dittmer reagent, and measured by densitometry. The sphingomyelin content was 95.2%.
[0018]
[Test Example 1]
Using sphingomyelin obtained in Example 1, the effect of improving digestion and absorption of lipids was examined in animal experiments using mice. That is, 11-week-old senescence-accelerated mice (SAMP / 8 strain) and normal mice (SAMR / 1 strain) were used as experimental animals, six in each group. Then, with the experimental feed having the composition shown in Table 2, sphingomyelin was added in an amount of 0.1%, and the other diets were fed with an experimental feed according to the AIN-76 composition for 28 days.
[0019]
[Table 2]

[0020]
The evaluation of the function of digesting and absorbing lipid was performed by calculating the digestion and absorption rate from the amount of lipid intake and the amount of lipid excreted into feces during the week from 21 to 28 days after administration of the experimental feed. The result is shown in FIG.
[0021]
According to this, the control group of senescence-accelerated mice showed significantly lower digestion and absorptivity, but no effect of sphingomyelin was observed in the control group of healthy mice and the invention group, and sphingomyelin was found only in the invention group of senescence-accelerated mice. As a result, the function was improved until the digestion and absorption rate became equal to that of healthy mice. Therefore, it was found that sphingomyelin has an effect of improving the digestive and absorptive function of lipid, which decreases with aging, and enhancing the digestive and absorptive function to a healthy level.
[0022]
Embodiment 2
A phospholipid fraction was prepared in the same manner as in Example 1, and this phospholipid fraction was used as a sphingomyelin-containing phospholipid. Then, the obtained sphingomyelin-containing phospholipid was freeze-dried to obtain a lipid digestion and absorption improving agent. Table 3 shows the results of analysis of the phospholipid composition of the sphingomyelin-containing phospholipid by thin-layer chromatography.
[0023]
[Table 3]

[0024]
Embodiment 3
The sphingomyelin-containing phospholipid obtained in Example 2 was blended to produce a milk beverage having an effect of improving the function of digesting and absorbing lipid. That is, after mixing milk 20 kg, skim milk powder 21.6 kg and water 56 kg to prepare a milk base, 1 kg of granulated sugar and 0.37 kg of sphingomyelin-containing phospholipids are added to the milk base, and a homogenizer is used to homogenize at a pressure of 200 kg. / Cm ² . Then, this was filled in a 200 ml can at a filling temperature of 90 ° C., tightened and wound, then subjected to retort sterilization at 121 ° C. for 10 minutes, and cooled to produce a canned milk beverage. In addition, this canned milk drink had almost no browning and had a flavor of milk.
[0025]
Embodiment 4
The sphingomyelin-containing phospholipid obtained in Example 2 was blended to produce a tube-and-oral nutritional food having an effect of improving the function of digesting and absorbing lipid. That is, an oil / fat mixture obtained by mixing 632 g of dextrin, 174 g of sodium caseinate, 33 g of skim milk powder, 6 g of sucrose fatty acid ester, 62 g of palm oil fractionated oil, and 45 g of sphingomyelin-containing phospholipid in 1.5 l of water heated to 75 ° C. A solution obtained by dissolving 107 g and 7 g of tribasic potassium phosphate in 50 ml of water was added and mixed. Further, a solution of 4 g / 160 ml of calcium chloride, a solution of 7 g / 160 ml of magnesium sulfate, a solution of 4 g / 53 ml of a vitamin mixture, and a solution of 6 g of a mineral mixture / 53 ml of the solution was added and mixed. Next, this mixture was preliminarily emulsified by a colloid mill, and then emulsified by a homogenizer at a uniform pressure of 400 kg / cm ² . Then, after sterilizing by heating at 121 ° C. for 15 seconds, it was spray-dried to obtain about 1 kg of a tube and oral nutritional food, and 92 g of aluminum tube was filled and packaged with nitrogen to produce a tube and oral nutritional food. . It should be noted that when this tube and oral nutritional meal is dissolved in 340 ml of water, about 1 kcal / ml of energy can be supplied.
[0026]
Embodiment 5
The cream whose fat percentage was adjusted to 50% was washed with three times the amount of water, left at 4 ° C. overnight, treated with butter churn, and separated into butter grains and butter milk. Next, this buttermilk was subjected to ammonium sulfate fractionation, centrifugation and dialysis to prepare a milk fat globule-coated fraction, and this milk fat globule-coated fraction was used as a sphingomyelin-containing phospholipid. The resulting sphingomyelin-containing phospholipid was freeze-dried to obtain a lipid digestion and absorption improving agent. The sphingomyelin content in this sphingomyelin-containing phospholipid was 10.4%.
[0027]
Embodiment 6
The sphingomyelin-containing phospholipid obtained in Example 5 was blended to produce a nutritional supplement composition having an effect of improving the function of digesting and absorbing lipid. That is, 3.4 kg of milk protein and 1.14 kg of soy protein were dispersed in 60 kg of dissolved water, heated to 70 ° C. and dissolved, and then 12.4 kg of dextrin was added thereto. 2.4 kg of fats and oils mixed with purified fish oil and 0.2 kg of sphingomyelin-containing phospholipids were added. Next, after preliminarily emulsifying with a TK homomixer, the mixture was concentrated and spray-dried to prepare a raw material powder. Then, an appropriate amount of minerals, vitamins, flavors, and the like were added to the raw material powder and mixed to produce a powdery nutritional supplement composition.
[0028]
【The invention's effect】
By using sphingomyelin or a sphingomyelin-containing phospholipid as an active ingredient, an effect of improving the function of digesting and absorbing lipids can be provided only to elderly people whose digestion and absorption functions of lipids are reduced or patients with disease prognosis. Therefore, by ingesting the lipid digestion and absorption function improving agent of the present invention, or a medicament or food or drink that imparts the lipid digestion and absorption function improving effect, together with lipids or fat-soluble vitamins, the elderly whose lipid digestion and absorption functions are reduced Nutritional supplements such as essential fatty acids and fat-soluble vitamins can be provided to elderly people and patients with disease prognosis.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows the rate of digestion and absorption of lipid in each experimental group of Test Example 1.

Claims

An agent for improving lipid digestion and absorption comprising sphingomyelin and / or sphingomyelin-containing phospholipid as an active ingredient.