JP3580552B2 - 整形外科用副子材 - Google Patents
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Description
整形外科用副子包帯において、水硬化性イソシアネート官能樹脂を用いることは定着している。このような包帯は英国特許第2216533号に開示されている。
今日までかなりの間、例えば一体色、印刷及び多色装飾を含む着色ギプス包帯材料を用いることが望まれていた。ギプス包帯材料の着色方法は、米国特許第547638号に開示されている。しかし、このようなギプス包帯は、着色プレポリマーが、それらが接触することになる他の材料を汚し易い欠点がある。この欠点を解消する方法が、欧州特許出願第479269号及び国際出願第WO93/04709号において開示されている。これらの両出願は、概して、編み基体の表面への1以上の顔料を印刷して着色整形外科用ギプス包帯又は多色着色整形外科用ギプス包帯を製造することに関するもので、一部の被覆又は部分被覆をもたらすが、個々のフィラメントではない。さらに、ある色から他の色へ製造を変更する際に機械装置を洗浄する必要があるため、このような印刷方法は、とりわけ製造に費用がかかる。また、それ自体連続的な製造にむいているものではなく、一般にバッチ工程を必要とする。
ギプス包帯を形成することができる好ましい材料は、ガラス繊維糸である。ガラス繊維糸は、従来、フィラメントを形成するためノズルを通して溶融ガラスを延伸することによって製造されている。このフィラメントは、冷却され、寸法規制され、集められてガラス繊維ストランドを形成する。このガラス繊維ストランドは、次いで捩じられ、撚り合わせられてガラス繊維糸を形成する。
ガラス繊維糸は、紡績繊維作業で用いられるような同様の方法を用いることにより、ギプス包帯基体に織り又は編むことができる。
電子産業において、20年間近く、着色繊維ガラスフィラメントから製造された糸でワイヤーを被覆することが知られている。このような糸は、染料で完全にコートされた個々のフィラメントからなる。
我々は、そのような着色糸を、整形外科用ギプス包帯における使用のための着色基体の製造に使用することができることを見いだした。よって、そのような着色糸は、整形外科用ギプス包帯における使用のための着色された、多色着色された又は型押しされた基体を製造するために使用することができる。
従って、このような着色糸を、整形外科用副子材として使用するために好適な基体又は編物に編むことは新規である。
本発明によれば、ガラス繊維糸からなる着色編物又は織物基体が提供される。ここで、ガラス繊維糸は、複数の個々に着色されたフィラメントからなる。
本発明によれば、さらに、基体がガラス繊維糸からなり、硬化性樹脂を担持した基体からなる着色整形外科用副子材が提供される。ここで、ガラス繊維糸は複数の個々に着色されたフィラメントからなることを特長とする。
本発明の好ましい具体例において、ガラス繊維糸からなる着色ガラス繊維基体は、ガラス繊維糸が、複数の個 々に着色されたフィラメントからなるものが適当であ る。
本発明に適する基体は、着色ガラス繊維糸と編み又は織ることによって達成され、比較的伸縮性基体に織られることが好ましい。
基体は、伸長性及び強度について整形外科用包帯の使用のために必要とされる特性を有するいずれの着色ガラス繊維織物であってもよい。ガラス繊維織物は、2つの織物タイプ、つまりラッシェルニット及びトリコットニットが利用できる。
基体は、包帯の形状であることが好ましいが、シート材の他の形状、例えば厚板状に形成したものであってもよい。ガラス繊維基体は、ガラス繊維糸に加えて、従来プラスチック整形外科用ギプス包帯に使用されている1以上の天然又は合成繊維から構成されていてもよい。この繊維は綿、ナイロン、ポリエステル、アクリル系等を含む。
従って、本発明によれば、基体が包帯の形態である上述の着色整形外科用副子材が提供される。
本発明の着色基体は、整形外科用副子材を製造するために硬化性樹脂を担持できる点において、特に有利である。
基体は、それ自体多くの従来の方法で硬化性樹脂を担持することができ、基体は、例えば硬化性樹脂で被覆され、浸漬され又は噴霧されてもよい。好ましい具体例において、基体は硬化性樹脂で被覆される。
硬化性樹脂は、水硬化性樹脂、特にイソシアネート官能樹脂であることか好ましい。ガラス繊維基体を被覆するのに用いられる適切な樹脂は、冷水硬化イソシアネートを末端基とするポリウレタンプレポリマー系である。適当なポリウレタンポリマー系は、米国特許4411262号、4427002号、4433680号及び4574793号に記載されているものである。特に好ましいのは、米国特許4427002号及び4574793号に開示及びクレームされた系である。
特に好ましい樹脂は、また、英国特許2216533号に開示されたものであり、この公報の全てを引用によってここに導入する。
よって、本発明によれば、さらに、硬化性樹脂がイソシアネート官能樹脂である上述の硬化性樹脂を担持する基体からなる着色整形外科用副子材が提供される。
さらに本発明によれば、硬化性樹脂がポリウレタンプレポリマーである上述の着色整形外科用副子材か提供される。
さらに本発明によれば、硬化性樹脂が水硬化性樹脂である上述の着色整形外科用副子材が提供される。
種々の公知の添加剤、例えば、枯度改良剤、UV安定剤及び/又は抗酸化剤等を、樹脂に導入することができる。望ましい場合には、種々の色素を、得られるギプス 包帯へ異なる着色効果を付与するために、樹脂に導入することができる。本発明は、また、水硬化ポリウレタン以外の樹脂を組み合わせることが特に有用である。例えば、本発明のギプス包帯材は、エポキシベース系、不飽和ポリエステル系及びポリウレタン系等の2成分樹脂系の組み合わせで使用することができる。ここで、イソシアネートはポリオールから分離し、維持される。このような系においては、ガラス繊維基体は使用直前まで一方の又は両方の樹脂反応剤から分離し、維持される。ガラス繊維基休は、未被覆で包装されていてもよいし、このように系の単一の成分で被覆包装されてもよく、ロールに巻かれてもよい。パウチの分離部分又は別個のパウチは、第2の樹脂成分又は液体樹脂のいずれかを含む。患者の手足にギプス包帯を形成するために、ギプス包帯材を使用する直前に、医師又はギプス包帯技師は、樹脂材又は第2の成分を、ロールに塗布して樹脂の硬化を始める。
ガラス繊維フィラメントは、それ自体公知の従来法で着色することかできる。これらは、例えばある種の遷移金属イオンのガラスへの溶融、高温でガラス中に溶解し、かつ冷却で沈殿する着色結晶を沈殿させること、顔料、着色剤及び染料の使用を含む。
本発明の好ましい具体例では、ガラス繊維糸は、フィラメントが着色されている、複数の個々に着色されたフィラメントからなる。従来のいずれの着色法が用いられてもよい。着色ガラス繊維糸は光に対して色あせせず、高い熱安定性を有していることが好ましい。
ガラス繊維フィラメントの適用に好適であることが知られている従来の染料として、例えば無機の高温性染料又はアクリル系染料を用いることができる。しかし、樹脂と反応しない染料が好ましく、特にイソシアネート樹脂と反応しないものか好ましい。好ましい染料は、特にアクリル系染料である。
ガラス繊維基体は、フィラメントが多色からなる複数の着色フィラメントからなる糸からなっていてもよい。着色フィラメントは、基体を所望の色調又は装飾的効果を達成するために着色されていないフィラメントを混合してもよい。
異なる着色ガラス繊維糸を製造するための異なる着色フィラメントの使用により、基体に装飾的な型押し及びモチーフを組み込むことができる。2以上の着色ガラス繊維糸を、多色着色糸をつくるために撚り合わせてもよい。
各ガラス繊維フィラメントは均一な色でもよく、又は幾つかの色で着色されていてもよく、又は不均一な色でもよい。
本発明によれば、着色ガラス繊維フィラメント糸から基休に編むか又は織られ、次いで硬化性樹脂で基体を被覆するか又は浸漬することからなる前述の着色整形外科用副子材の製造方法が提供される。
本発明の好ましい具体例では、着色ガラス繊維フィラメント糸から基体に編み、次いで硬化樹脂で基体を被覆することからなる前述の着色整形外科用副子材の製造方法が提供される。
基体に樹脂を被覆する好適な被覆方法としては、平床 上又はローラーに固定されたドクターブレードを用いる 方法やローラーを用いた被覆方式を含む。
被覆中の樹脂は、過剰な水蒸気から保護されることが望ましい。好適な被覆方式は、密閉でもよいし、乾燥した空気のような過剰な水蒸気のない大気中又は例えば二酸化炭素や窒素の不活性ガス中で行われていてもよい。
好ましい連続方法では液状形態の樹脂が、平床上でのブレードにより基体及び平床上のブレードにより被覆基体の縦方向に被覆され、もし必要であれば、被覆基体を乾燥させる。被覆した基体は、次いで好適な大きさの片に分割し、包帯に巻きあげる。
基体上の樹脂量は、得られた副子が適当な強度を有するのを保証するのに十分であるべきである。好適な量は50−500g/m2、好ましくは100−305g/m2、例えば200g/m2、250g/m2又は300g/m2であることか見いだされた。
副子包帯は、早期の固着を防止するため保管中、水及び過剰の水蒸気から保護すべきであり、包帯は、通常金属箔ポリエチレンラミネートやポリエチレンパウチのようなヒートシールした防水パウチに包装されることが好ましい。
使用において、副子包帯は水に接触させ、体の損傷部分の周囲に巻くことかできる。副子包帯は、包帯を配置するのに十分な作業時間と、副子材が硬質になる時間である硬化時間を有する。作業時間は1−6分が好ましく、特に2−4分が好ましい。硬化時間は5−30分が好ましく、特に6−15分が好ましい。
着色繊維ガラス糸を整形外科用副子材において使用することは新規である。つまり、本発明によれば、着色整形外科用副子の製造方法において、複数の個々に着色されたフィラメントからなるガラス繊維糸の使用が提供される。
さらに、硬化性樹脂の重合で固められる副子材を固定化すべき部位の周囲に配置し、その後樹脂の硬化により材を固めることからなる本発明の着色整形外科用副子の形成方法が提供される。
さらに具体例で、水硬化性樹脂の重合で硬化されるようにされて副子材を固定すべき体の一部の周囲に配置し、副子材に水を導入することにより副子材を硬化させることからなる本発明の着色整形外科用副子の形成方法が提供される。
本発明によれば、体の部分に前述のような着色整形外科用副子材をあて、硬化樹脂の硬化で副子材を固定することからなる体の一部の骨折の治療方法がさらに提供される。
本発明は、とりわけ、公知の方法よりも費用をかけず、煩雑でない着色硬化整形外科用副子材の材料の製造方法を提供する利点がある。
単一色の糸からなる整形外科用副子が製造されてもよく、又は異なる色の糸を編んで、多色着色材を提供することができる。
本発明に用いられる着色ガラス繊維糸は、英国ポラックスリミテッドオブロシャデール(Polux Limited of Rochdale)から入手可能である。
本発明を説明するが、以下の実施例により限定されるものではない。
実施例1
プレポリマーAとして米国特許第4574793号に記載のポリウレタンプレポリマーからなり、安定剤としてメタンスルホン酸及び触媒としてビス(2,6ジメチルモルホリノ)ジエチルエーテルを含有する水硬化性ポリウレタン樹脂系を、米国特許第4427002号に記載の方法を用いて、個々に着色されたフィラメントの糸からなる未処理の着色した編物ガラス繊維構造の基体に被覆した。樹脂が被覆された着色ガラス繊維基体は、幅約25cm、長さ500mのマスターロールに巻いた。
Claims (9)
- 基体がガラス繊維糸からなり、このガラス繊維糸が複数の個々に着色されたフィラメントからなることを特徴とする硬化性樹脂を担持する基体からなる着色整形外科用副子材。
- ガラス繊維糸が、複数の個々に着色されたフィラメントからなることを特徴とするガラス繊維糸からなる着色編物基体。
- 硬化性樹脂が水硬化性樹脂である請求項1記載の着色整形外科用副子材。
- 硬化性樹脂がイソシアネート官能樹脂である請求項1記載の着色整形外科用副子材。
- 硬化性樹脂がポリウレタンプレポリマーである請求項1記載の着色整形外科用副子材。
- 基体が包帯の形態である請求項1記載の着色整形外科用副子材。
- フィラメントが着色された請求項1記載の着色整形外科用副子材。
- 染料がアクリル系着色材である請求項1記載の着色整形外科用副子材。
- 着色ガラス繊維フィラメントから基体を編み又は織り、次いでこの基体を硬化性樹脂で被覆又は浸漬することからなる請求項1記載の着色整形外科用副子材の製造方法。
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