JP3580219B2 - 超高圧水銀ランプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超高圧水銀ランプに係わり、特に、液晶プロジェクターやファイバー照明用光源に使用する超高圧水銀ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、液晶プロジェクター等に用いられる光源装置は、投影面での照射照度が大きく、かつ持ち運びに容易なものが求められている。
【0003】
近年、このような装置に用いられるランプとしては、小型で発光効率が高く、かつ演色性の良いショートアーク型の超高圧水銀ランプが用いられるようになっている。
【0004】
図3は、そのような超高圧水銀ランプの発光管付近の構成を示す図である。このランプは、点灯時の管内圧力を14MPa以上の高圧で動作させる必要があるため、発光管1として石英ガラスを使用する場合、所定の機械強度と高い熱輻射を持たせるために発光管1の肉厚を2mm以上にする必要があった。また、水銀を確実に蒸発させるために、発光管1の最冷部3の温度を900℃以上にするために発光管1の形状を略球状にする必要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の超高圧水銀ランプは、同図に示すように、発光管1の肉厚が2mm以上もなると、封止部2の径も太くなり、また、発光管径は球形状に近い形状にするために、発光管1と封止部2間に形成される曲面部6における曲率半径Rは2mm以上にも達していた。そのため、ランプから放射された光のうち、曲面部6や封止部2を通過した光は屈折が大きく発散光等となって有効な光として使用できなかった。
【0006】
具体的には、同図に示すように、曲面部6では、発光管1の所定の曲面を有する球形部から点A付近を境にして2mm以上の曲率半径Rで変化し、さらに封止部2の平面に漸次移行する形状となっている。ここで、2つの電極4,5間のアークスポットAS(=電極間中心)と点Aを結ぶ線を仮想線K1とするとき、アークスポットASから放射される光のうち、有効に使用できる光は、所定の曲面を有する球形部の範囲(θ1×2の角度範囲)を通って放射される光のみであり、仮想線K1より封止部2寄りの曲率半径Rを有する曲面部6を通る光は、レンズ効果等により散乱光となって有効には使用できず、また、当然のこととして封止部2を通る光も有効に利用することはできなかった。
【0007】
さらに、発光管1の作製は、直管状の石英管をバーナー等で加熱して球状に成形して作製されていたが、その成形は高粘性の中で行われるため、曲面部6における曲率半径Rが大きくなり、この方法で作製されたランプは、散乱光が多くなり有効光を多く取り出せなかった。
【0008】
本発明の目的は、上記の問題点に鑑みて、発光管から放射される光のうち、散乱光を減少させ、有効光を増大させた超高圧水銀ランプを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するために、次のような手段を採用した。
【0010】
発光管と一体に形成され、シュリンクシール法により形成された封止部を有し、前記発光管内に1対の電極を備えた超高圧水銀ランプにおいて、前記発光管と前記封止部間に形成される発光管外面の曲面の曲率半径を1mm以下とし、前記1対の電極間の中心点から放射された光が前記電極によって遮蔽され始める端点と前記1対の電極間の中心点とを結ぶ線が、前記発光管の球形部の外面の曲面延長と前記封止部の平面延長とが交差する点と前記1対の電極間の中心点とを結ぶ線より、前記封止部側に形成されるように、前記発光管内に前記電極を配置した。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図1乃至図2を用いて説明する。
【0014】
図1は、本実施形態に係る超高圧水銀ランプの発光管付近の構成を示す一部断面図である。
【0015】
同図において、6は従来技術の超高圧水銀ランプの発光管1と封止部2間に形成される曲面部、Rは発光管1と封止部2間に形成される曲面部における曲率半径、Aは発光管1の所定の曲率を有する球形部の曲面から曲率半径Rに変化する点、Bは曲面部6が形成されないで発光管1の球形部の曲面延長と封止部2の平面延長とが交差する点、CはアークスポットASからの放射された光が電極4,5によって遮蔽され始める端点、K1はアークスポットASと点Aを結ぶ仮想線、K2はアークスポットASと点Bを結ぶ仮想線、K3はアークスポットASと端点Cを結ぶ線である。なお、その他の構成は図3に示す同符号の構成に対応するので説明を省略する。
【0016】
同図に示すように、超高圧水銀ランプが理想的に作製される場合は、発光管1と封止部2は点Bで交差するように形成される。従って、アークスポットASから放射される光のうち、有効に使用できる光は、従来の発光管1の球形部の範囲(θ1×2の角度範囲)を通る光に加えて、発光管1のA−B間の球形部の範囲(θ2×2の角度範囲)を通る光も付加され、有効光を増大させることができる。
【0017】
このように、発光管1と封止部2間の曲面部6を小さく、即ち、曲面部6の曲率半径Rを極力小さくすることにより、アークスポットASから放射される光のうち、有効な光の割合を増大させることができる。
【0018】
なお、図1に示すように、電極4,5によって遮られる放射光の境界線を表す仮想線K3が、仮想線K2より封止部2側にあるときは、A−B間の球形部の範囲(θ2×2の角度範囲)通る光を最大限に有効光として利用できるが、仮想線K3が、仮想線2より発光管1側にあるときは、A−B間の球形部の範囲(θ2×2の角度範囲)を通る光の一部がカットされ、有効光が減少されることになる。
【0019】
例えば、電極4,5先端間の距離が1.4mm、電極4,5と電極間中心部との距離が1.0mm、電極4,5の2重コイル部の径が1.1mmの場合、電極4,5の軸中心線から垂直方向に計った角度が33.4°までの放射光は電極4,5にけられて有効な放射光として利用できなかった。
【0020】
【実施例】
以下に、本発明に係る超高圧水銀ランプの実施例1,2および比較例(従来例)を示す。
【0021】
実施例1
ランプ仕様
150W交流点灯超高圧水銀ランプ
発光管
最大径 Φ9.5
球形部形状 略球形、肉厚2mm
曲率半径R=0.5mm
封止部の作製
焼結石英ガラスで焼結時に発光管と封止部の形状に形成した後に、発光管内部を減圧状態にして封止部周辺を加熱することによって縮径させるシュリンクシールにより作製。
【0022】
実施例2
ランプ仕様
150W交流点灯超高圧水銀ランプ
発光管
最大径 Φ9.5
球形部形状 略球形、肉厚2mm
曲率半径R=1.0mm
封止部の作製
焼結石英ガラスで焼結時に発光管と封止部の形状に形成した後に、発光管内部を減圧状態にして封止部周辺を加熱することによって縮径させるシュリシュリンクシールにより作製。
【0023】
比較例(従来例)
ランプ仕様
150W交流点灯超高圧水銀ランプ
発光管
最大径 Φ9.5
球形部形状 略球形、肉厚2mm
曲率半径R=2.0mm
封止部の作製
溶融石英ガラス管をモールド成形により発光管と封止部の形状に形成した後に、発光管内部を減圧状態にして封止部周辺を加熱することによって縮径させるシュリンクシールにより作製。
【0024】
なお、実施例1,2において、所定の曲率半径Rを得るために、スリップキャスティング法または押し出し成形法によって焼結石英ガラス管を作製した。また、両作製法において、発光管の成形時または仮焼結後に、切削を行うことによってさらに高精度に所望の曲率半径Rを得ることができる。
【0025】
図2は、発散角度を5度に制限したときの、実施例1,2および比較例の超高圧水銀ランプの配光分布を示す図である。
【0026】
同図から明らかなように、実施例1,2および比較例の超高圧水銀ランプは共に、電極軸方向(0度−180度)に対して、直角方向(90度−270度)の相対強度I(θ)は変わらないが、電極軸方向(0度−180度)に近づく程、実施例1,2とも比較例に比べて相対強度I(θ)が増大していることが分かる。このことから、実施例1,2の超高圧水銀ランプは、従来のものに比べて有効光束、即ち、全立体角に亘って相対強度I(θ)を積分した全光束を増大させることができる。
【0027】
計算の結果、比較例の超高圧水銀ランプの有効光束を100%とするとき、実施例1,実施例2のそれぞれの超高圧水銀ランプで得られる有効光束は、107.5%および105.3%にまで増大させることができた。
【0028】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、従来の放電ランプに比べて大幅に散乱光を減らし、有効な光束を増大させることができることに加えて、電極によってカットされる放射光を減少させ、有効な光束を増大させることができる。また、請求項2記載の発明によれば、発光管と封止部間に形成される曲面の曲率半径を1mm以下とする超高圧水銀ランプを容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る超高圧水銀ランプの発光管付近の構成を示す一部断面図である。
【図2】実施例1,2および比較例の超高圧水銀ランプの配光分布を示す図である。
【図3】従来技術に係る超高圧水銀ランプの発光管付近の構成を示す一部断面図である。
【符号の説明】
1 発光管
2 封止部
3 最冷部
4,5 電極
A 発光管1の所定の曲率を有する球形部から曲率半径Rの曲面に変化する点
B 発光管1の球形部と封止部2の平面とが交差する点
C アークスポットASからの放射光が電極4によって遮蔽され始める端点
R 発光管1と封止部2間に形成される曲面部における曲率半径
K1 アークスポットASと点Aを結ぶ仮想線
K2 アークスポットASと点Bを結ぶ仮想線
K3 アークスポットASと端点Cを結ぶ線
Claims (2)
- 発光管と一体に形成され、シュリンクシール法により形成された封止部を有し、前記発光管内に1対の電極を備えた超高圧水銀ランプにおいて、
前記発光管と前記封止部間に形成される発光管外面の曲面の曲率半径を1mm以下とし、
前記1対の電極間の中心点から放射された光が前記電極によって遮蔽され始める端点と前記1対の電極間の中心点とを結ぶ線が、前記発光管の球形部の外面の曲面延長と前記封止部の平面延長とが交差する点と前記1対の電極間の中心点とを結ぶ線より、前記封止部側に形成されるように、前記発光管内に前記電極を配置したことを特徴とする超高圧水銀ランプ。 - 前記発光管および前記封止部は焼結により一体形成された石英ガラスが用いられて形成されることを特徴とする請求項1記載の超高圧水銀ランプ。
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