JP3579393B2 - 情報再生システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、音声,音楽等のオーディオ情報、カメラ,ビデオ機器等から得られる映像情報、及びパーソナルコンピュータ,ワードプロセッサ等から得られるディジタルコードデータ、等を含めた所謂マルチメディア情報を光学的に読み取り可能な2次元コードパターンとして記録した紙等の情報記録媒体から上記コードパターンを光学的に読み取って元のマルチメディア情報を再生する情報再生システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、音声や音楽等を記録する媒体として、磁気テープや光ディスク等、種々のものが知られている。しかしこれらの媒体は、大量に複製を作ったとしても単価はある程度高価なものとなり、またその保管にも多大な場所を必要としていた。さらには、音声を記録した媒体を、遠隔地にいる別の者に渡す必要ができた場合には、郵送するにしても、また直に持っていくにしても、手間と時間がかかるという問題もあった。また、オーディオ情報以外の、カメラ,ビデオ機器等から得られる映像情報、及びパーソナルコンピュータ,ワードプロセッサ等の情報処理機器から得られるディジタルコードデータ、等をも含めた所謂マルチメディア情報全体に関しても同様であった。
【0003】
このような問題に対処するべきものとして、特開平6−231466号公報には、オーディオ情報,映像情報,ディジタルコードデータの少なくとも一つを含むマルチメディア情報を、ファクシミリ伝送が可能で、また大量の複製が安価に可能な画像情報即ち符号化情報としての複数のドットを2次元に配置してなる2次元コードの形で紙等の情報記録媒体に記録するシステム及びそれを再生するためのシステムが開示されている。
【0004】
この公報に開示された情報再生システムでは、情報記録媒体上の2次元コードを光学的に読み取る読み取り部を、手で保持し、記録されているコードに沿って記録媒体上を手動で走査することによって、コードを読み取るようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報の情報再生システムは、基本的な構成を開示しているものの、種々の部品の実装面からの小型化、低コスト化に対するアプローチについては特に言及されていない。例えば、読み取り部は、光学系と電気系とを有し、それらの実装は、通常は、それぞれ本体に取り付けるという構成が考えられる。従って、小型化、低コスト化という点では改良の余地がある。
【0006】
また、撮像素子やメモリ、その他の素子にも、通常の素子、つまり欠陥を含まないような素子を用いることが前提となっているので、この点でも低価格化に関しては課題があった。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、小型化並びに低価格化を図った情報再生システムを提供することを目的とする。
【0008】
さらに本発明は、手動走査を行う読み取り部の主要部をユニット化し、種々の外形のシステムに共通化して使用できるようにして、部品点数の削減並びに量産効果による低価格化をさらに図ることも目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明による情報再生システムは、情報が光学的に読み取り可能なコードで記録されている部分を備える情報記録媒体から、上記コードを光学的に読み取って上記情報を再生する情報再生システムであって、上記コードを撮像してその画像信号を出力する撮像素子と、上記撮像素子から出力された画像信号を画像データとして記憶するメモリと、上記メモリに記憶された画像データから上記情報を再生して出力する際のデータのエラー訂正を行うデータエラー訂正手段と、を備え、上記撮像素子及び上記メモリの少なくとも一つは、半導体製法上における欠陥を有する素子であり、上記データエラー訂正手段は、上記欠陥により発生する誤りも訂正するように構成されたことを特徴とする。
また、本発明による情報再生システムは、情報が光学的に読み取り可能なコードで記録されている部分を備える情報記録媒体から、上記コードを光学的に読み取って上記情報を再生する情報再生システムであって、上記コードを撮像してその画像信号を出力する撮像素子と、上記撮像素子から出力された画像信号を画像データとして記憶するメモリと、上記メモリに記憶された画像データから上記情報を再生して出力する際のデータのエラー訂正を行うデータエラー訂正手段と、を備え、上記撮像素子及び上記メモリの少なくとも一つは、半導体製法上における欠陥を有する素子であり、上記撮像素子及び上記メモリは、これら各素子毎に設定された別個の選別基準に従ってそれぞれ選別されることを特徴とする。
更に、本発明による情報再生システムは、情報が光学的に読み取り可能なコードで記録されている部分を備える情報記録媒体から、上記コードを光学的に読み取って上記情報を再生する情報再生システムであって、上記コードを撮像してその画像信号を出力する撮像素子と、上記撮像素子から出力された画像信号を画像データとして記憶するメモリと、上記メモリに記憶された画像データから上記情報を再生して出力する際のデータのエラー訂正を行うデータエラー訂正手段と、を備え、上記撮像素子及び上記メモリの少なくとも一つは、半導体製法上における欠陥を有する素子であり、上記撮像素子及び上記メモリの何れにも上記欠陥が有るとき、上記撮像素子の欠陥が上記メモリの欠陥よりも多くなるように、上記撮像素子及び上記メモリが選別されることを特徴とする。
【0010】
即ち、本発明の情報再生システムによれば、コードを撮像してその画像信号を出力する撮像素子と、この撮像素子から出力された画像信号を画像データとして記憶するメモリと、上記メモリに記憶された画像データから上記情報を再生して出力する際のデータのエラー訂正を行うデータエラー訂正手段とを備えるものとし、これら撮像素子とメモリの少なくとも一つが半導体製法上における欠陥を有するものとしている。
そして、上記データエラー訂正手段が上記欠陥により発生する誤りも訂正する。
または、上記撮像素子及び上記メモリを、これら各素子毎に設定された別個の選別基準に従ってそれぞれ選別するようにしている。
あるいは、上記撮像素子及び上記メモリの何れにも上記欠陥が有るとき、上記撮像素子の欠陥が上記メモリの欠陥よりも多くなるように、上記撮像素子及び上記メモリを選別するようにしている。
【0011】
従って、システムが所定の性能を維持した上で、各電気回路機能が、欠陥を含むことを可能としたので、部品コストが下がる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の一実施の形態を説明する。
【0013】
図1の(A)は、本発明の一実施の形態に係る情報再生システムに用いられる読み取り部10の構成を示す図で、操作者が手で持って不図示記録媒体上に記録された2次元コードを走査できるようなペン型の形状を持つものとなっている。
【0014】
このペン型の筐体12内には、例えば、撮像素子や画像メモリを含む画像処理部がハイブリッドIC化された基板ユニットSUとして収容されている。即ち、同図の(B)に示すように、基板14上にCCD等の撮像素子16を含むICチップ18と、画像メモリ等を含むその他のICチップ20との合計3チップが登載されている。勿論、システムの構成に応じて、同図の(C)及び(D)に示すように、2チップ構成や1チップ構成とすることができる。
【0015】
ここで、基板14は、ペン型筐体12の長手方向に沿うようにして配置され、この基板14上にその結像面を上にして設けられた撮像素子16に対して入射光を結像するべく当該入射光を略直角に反射する光学系22が設けられている。即ち、ICチップ18上の撮像素子16に走査される2次元コードの像を結像させるための光学系22が、その撮像素子16を含むICチップ18と一体に設けられている。この光学系22は、例えば合成樹脂素材やガラスを図2の(A)に示すように90°曲げた形状に一体成形したものであり、その一端側には、撮像素子16を含むICチップ18を収納するための、凹レンズ面24が設けられた、くぼみ部26が形成され、他端側には、非球面のレンズ面28が形成されている。そして、90°曲げられた屈曲部には反射面30が設けられており、その曲率は、上記2箇所のレンズ面24及び28と併せて収差を補正するように決められている。
【0016】
このように、ペン型形状において、光学系22によって光軸をペンの軸方向からそれと直角方向へ曲げることにより、基板14の長手方向とペンの軸方向とを一致させることが可能となり、操作者が扱い易いペン形状内に基板14が無理なく納まるようになる。
【0017】
なお、光学系22のモールドの一部を取付け部として、これを撮像素子16を含むIC18が取り付けられている基板14に直接圧入又は嵌合することで、光学系22が取り付けられている。
【0018】
また、この光学系22の非球面のレンズ面28近傍位置には、リング状の照明系32が圧入又は嵌合されている。これは、所定の間隔をあけてLED等の照明光源34を円上に配置したものである。
【0019】
なお、上記撮像素子16上に一体に設けられた光学系22の当該取付け基板14からの高さによって、当該ペン型筐体12の太さ(上記基板12に対する高さ)が略決定されることになる。即ち、光学系22の高さによって略一義的に筐体12の太さを決定できるので、筐体12の機械的設計が楽になると共に、筐体12が小形又は小径の外装であっても、容易に取り付けられるようになる。
【0020】
このようにユニット化することで、小型化が可能になり、また、光学調整が不要となる。
【0021】
つまり、一般に光(磁気)ディスク等の光学系では、検出信号の質(フォーカス信号の感度、リード信号のS/N、振幅等)を確保するために複数の光学素子を精密に調整する必要がある。例えば、フォーカス位置の調整、検出ディテクタ上の検出光位置の調整に光学/検出素子の調整が必要である。これに対して、2次元コードでは、撮像素子16つまりエリアセンサでの検出であるので、撮像素子16上に投影される像位置に関しては、ディスク装置ほど精度は要求されない。また、像の歪みに関しても、映像化後の検出アルゴリズムが歪みの影響を排除するように工夫されていれば、高い光学精度は要求されない。
【0022】
従って、本一実施の形態では光学系の実装に関して上記のような、高密度化、低価格化が図り易い背景がある。
【0023】
さらに、ペン型筐体12に限らず、種々の外形の筐体、例えば図2の(B)に示すような一般的なT字型のハンドヘルドスキャナ筐体に、このユニットを応用することで、コストを下げることが可能になる。
【0024】
また、図3の(A)に示すようなポインティングデバイスとして良く知られたマウスに組み込むこともできる。即ち、同図の(B)に示すように、通常マウスが持っているボール36やエンコーダ38等でなる座標発生部40の機能を保持したまま、読み取り部10を付加することにより、一つの筐体で両方の機能を兼ねることができるようになる。但しこの場合は、光学系22は、さらにもう一度90°曲げた形状に形成することが必要となる。
【0025】
以上のような画像処理部を収納した読み取り部10で読み取られた2次元コードは、復調等の詳細は後述するようなデータ処理が施されて再生出力される。
【0026】
例えば、図4の(A)に示すように、ケーブル42を介して読み取り部10に接続されたインタフェース(IF)ボードやIFカード(例えば、PCMCIA規格のカード)44に復調等のデータ処理部を構成し、これをパーソナルコンピュータ(或いはワードプロセッサ,PDA,ノートパソコン,テレビジョン,等)46の拡張スロット48に装着し、このパーソナルコンピュータ46のディスプレイ上に画像を表示出力したり、パーソナルコンピュータ46に接続されたプリンタ50から印字出力したり、あるいは音声をパーソナルコンピュータ46に接続されたスピーカ52から出力したりする。なお、この場合、読み取り部10とIFボードやIFカード44とをケーブル42で接続するのではなく、同図の(B)に示すように、赤外光や電波等によりワイヤレス送信するようにしても良い。
【0027】
また、図5の(A)に示すように、パーソナルコンピュータ46に内蔵のIFにケーブル42で接続して、パーソナルコンピュータ46でソフトウェア的にデータ処理を行うようにしても良い。この場合も、同図の(B)に示すように、赤外光や電波等によりワイヤレス送信するようにしても良いことは勿論である。
【0028】
あるいは、図6の(A)に示すように、読み取り部10にケーブル42Aで接続された独立した処理部54にてデータ処理を行うようにし、この処理部52をパーソナルコンピュータ46に内蔵のIFにケーブル42Bで接続するようにしても良い。この場合も、同図の(B)に示すように、赤外光や電波等により読み取り部10から処理部52にワイヤレス送信するようにしても良いことは勿論である。
【0029】
また、パーソナルコンピュータ46の代わりに、図7の(A)に示すように、CPU内蔵のゲーム機器56を利用して、テレビジョン受像機58に画像及び音声を再生出力することも可能である。
【0030】
また、画像を含まない音声情報だけが2次元コード化されている場合には、データ処理部の構成も簡略化されるため、図7の(B)に示すように、読み取り部と処理部とを一つの筐体内に収容してなる読み取り・処理部60として構成し、これにケーブル42を介してヘッドホン62を接続することで音声を再生出力できる構成とすることが可能である。勿論、同図の(C)に示すように、読み取り部10と処理部54を分けて構成し、それらを送信ケーブル42Aで、又は赤外光や電波等によるワイヤレスで接続するようにしても良い。
【0031】
あるいは、図8の(A)に示すように、読み取り・処理部60に小電力の送信機を内蔵し、再生した音声を送信するようにし、これをラジオ付カセットテープレコーダやラジオ66で受信してヘッドホン62から出力するというようなラジオの空チャンネルを利用した構成とすることもできる。また、同図の(B)に示すように、処理部としてポケットに入れられるようなサイズの小型処理部54’を用い、そこから赤外光や電波等によってワイヤレス送信された音声を、小型受信ユニット68で受けて、それに接続されたヘッドホン62から出力するというような構成や、図9の(A)に示すように、読み取り・処理部60をケーブル42を介してCDやMD、カセットテープ等の音楽情報媒体から音楽情報を再生する音楽情報再生機器70の外部入力端子72に接続するものとしても良い。
【0032】
さらには、図10の(A)に示すように、ペン型筐体12に読み取り及び処理機能を入れ、この読み取り・処理部60からワイヤレスで小型受信ユニット68に転送する構成とすることもできる。この場合、読み取り及び処理部60では、アナログ音声まで復調して電波等で出力する、又はディジタルで出力して小型受信ユニット68側でD/A変換するものとしても良い。また、同図の(B)に示すように、ペン型筐体12に読み取り及び処理機能を入れ、アナログ音声信号まで復調して電波でワイヤレス転送し、受信側の受信アダプタ74は、受信した信号をカセットテープ再生器66’の再生ヘッドに磁気カップリングで出力する構成にすることもできる。即ち、カセットテープ再生器66’の再生系を使って再生することもできる。
【0033】
次に、上記のような読み取り部10や処理部54などの構成を、図11を参照して説明する。この図は、特開平6−231466号公報に図17として示された情報再生システムのブロック構成図である。
【0034】
即ち、この情報再生システムは、2次元コードであるドットコード170が印刷されているシート182からドットコードを読み取るための検出部184、検出部184から供給される画像データをドットコードとして認識しノーマライズを行う走査変換部186、多値データを二値にする二値化処理部188、復調部190、データ列を調整する調整部192、再生時の読み取りエラー,データエラーを訂正するデータエラー訂正部194、データをそれぞれの属性に合わせて分離するデータ分離部196、それぞれの属性に応じたデータ圧縮処理に対する伸長処理部、表示部あるいは再生部、あるいは他の入力機器から成る。
【0035】
検出部184に於いては、上記照明光源34に相当する光源198にてシート182上のドットコード170を照明し、反射光を上記光学系22に相当するレンズ等の結像光学系200及びモアレ等の除去等のための空間フィルタ202を介して、上記撮像素子16に相当する光の情報を電気信号に変換する例えばCCD,CMD等の撮像部204で画像信号として検出し、プリアンプ206にて増幅して出力する。これらの光源198,結像光学系200,空間フィルタ202,撮像部204,及びプリアンプ206は、外光に対する外乱を防ぐための外光遮光部208内に構成される。そして、上記プリアンプ206で増幅された画像信号は、A/D変換部210にてディジタル情報に変換されて、次段の走査変換部186に供給される。
【0036】
なお、上記撮像部204は、撮像部制御部212により制御される。例えば、撮像部204としてインターライン転送方式のCCDを使用する場合には、撮像部制御部212は、撮像部204の制御信号として、垂直同期のためのVブランク信号、情報電荷をリセットするための撮像素子リセットパルス信号、二次元に配列された電荷転送蓄積部に蓄積された電荷を複数の垂直シフトレジスタへ送るための電荷転送ゲートパルス信号、水平方向に電荷を転送し外部に出力する水平シフトレジスタの転送クロック信号である水平電荷転送CLK信号、上記複数の垂直シフトレジスタ電荷を垂直方向に転送して上記水平シフトレジスタに送るための垂直電荷転送パルス信号、等を出力する。
【0037】
そして、撮像部制御部212は、このタイミングに合せながら光源198の発光のタイミングをとるための発光セルコントロールパルスを光源に与える。
【0038】
走査変換部186は、検出部184から供給される画像データをドットコードとして認識し、ノーマライズを行う部分である。その手法として、まず検出部184からの画像データを画像メモリ214に格納し、そこから一度読出してマーカ検出部216に送る。このマーカ検出部216では、各ブロック毎のマーカを検出する。そして、データ配列方向検出部218は、そのマーカを使って、回転あるいは傾き、データの配列方向を検出する。アドレス制御部220は、その結果をもとに上記画像メモリ214からそれを補正するように画像データを読出して補間回路222に供給する。なおこの時に、検出部184の結像光学系200に於けるレンズの収差の歪みを補正用のメモリ224からレンズ収差情報を読出して、レンズの補正も併せ行う。そして、補間回路222は、画像データに補間処理を施して、本来のドットコードのパターンという形に変換していく。
【0039】
補間回路222の出力は、二値化処理部188に与えられる。基本的には、ドットコード170は、白と黒のパターン、即ち二値情報であるので、この二値化処理部188で二値化する。その時に、閾値判定回路226により、外乱の影響、信号振幅等の影響を考慮した閾値の判定を行いながら適応的に二値化が行われる。
【0040】
そして、記録時に行われた変調に対応する復調処理を復調部190で行った後、データ列調整部192にデータが入力される。
【0041】
このデータ列調整部192では、まずブロックアドレス検出部228により2次元ブロックのブロックアドレスを検出し、その後、ブロックアドレスの誤り検出,訂正部230によりブロックアドレスのエラー検出及び訂正を行った後、アドレス制御部232に於いてそのブロック単位でデータをデータメモリ部234に格納していく。このようにブロックアドレスの単位で格納することで、途中抜けた場合、あるいは途中から入った場合でも、無駄なくデータを格納していくことができる。
【0042】
その後、データメモリ部234から読出されたデータに対してデータエラー訂正部194にてエラーの訂正が行われる。このエラー訂正部194の出力は二つに分岐されて、一方はI/F236を介して、ディジタルデータのままパソコンやワープロ,電子手帳,等に送られていく。他方は、データ分離部196に供給され、そこで、画像、手書き文字やグラフ、文字や線画、音(そのままの音の場合と音声合成をされたものとの2種類)に分けられる。
【0043】
画像は、自然画像に相当するもので、多値画像である。これは、伸長処理部238により、圧縮した時のJPEGに対応した伸長処理が施され、さらにデータ補間回路240にてエラー訂正不能なデータの補間が行われる。
【0044】
また、手書き文字やグラフ等の二値画像情報については、伸長処理部242にて、圧縮で行われたMR/MH/MMR等に対する伸長処理が行われ、さらにデータ補間回路244にてエラー訂正不能なデータの補間が行われる。
【0045】
文字や線画については、PDL(ページ記述言語)処理部246を介して表示用の別のパターンに変換される。なおこの場合、線画,文字についても、コード化された後にコード用の圧縮処理が施されているものについては、それに対応する伸長処理部248で伸長(ハフマンやジブレンペル等)処理を行ってから、PDL処理部246に供給されるようになっている。
【0046】
上記データ補間回路240,244及びPDL処理部246の出力は、合成又は切り換え回路250により、合成あるいはセレクトを行って、D/A変換部252でアナログ信号に変換後、CRT(テレビモニタ)やFMD(フェイスマウンテッドディスプレイ)等の表示装置254にて表示される。なお、上記FMDとは、顔面装着用の眼鏡型モニタ(ハンデーモニタ)であり、例えばバーチャルリアリティー等の用途や、小さな場所で大きな画面で構成されたものを見るときに効果がある。
【0047】
また、音声情報については、伸長処理部256にてADPCMに対する伸長処理が行われ、さらにデータ補間回路258にてエラー訂正不能なデータの補間が行われる。
【0048】
あるいは、音声合成の場合には、音声合成部260にて、その音声合成のコードをもらって実際にコードから音声を合成して出力する。なおこの場合、コードそのものが圧縮されている時には、上記文字,線画と同様に、伸長処理部262にてハフマンもしくはジブレンペル等の伸長処理を行ってから音声合成を行う。
【0049】
さらに、文字情報については文章認識部271で文章認識した後、音声合成部260にて音声情報として出力しても良い。
【0050】
また、伸長処理部262は、同248と兼用することは可能であり、その場合、伸長処理するデータの属性に応じてそのデータはスイッチSW1,SW2,SW3にて適宜切り換えられて、PDL処理部246、或は音声合成部260に入力される。
【0051】
データ補間回路258及び音声合成部260の出力は、合成又は切り換え回路264により、合成あるいはセレクトを行って、D/A変換部266でアナログ信号に変換後、スピーカ52やヘッドホン62、その他それに準ずる音声出力装置268に出力される。
【0052】
また、文字や線画等については、データ分離部196からページプリンタやプロッタ等270に直接出力されて、文字等はワープロ文字として紙に印刷され、あるいは、線画等は図面等としてプロッタ出力されることもできる。
【0053】
勿論、画像についても、CRTやFMDだけではなく、ビデオプリンタ等でプリントすることも可能であるし、その画像を写真に撮ることも可能である。
【0054】
また、画像メモリ214とデータメモリ部234は独立してシリーズに構成されているが、バス構成にしても良いし、一つのメモリとして共用しても良いことは勿論である。
【0055】
このような構成の情報再生システムにおいて、図1に関して前述したようなペン型の筐体12内に、撮像素子や画像メモリをハイブリッドIC化した基板ユニットSUとして収容する場合、読み取り部10内の撮像素子16を有するICチップ18として(1チップ構成の場合)、あるいはそれ以外のICチップ20として(2チップ以上の構成の場合)、ICチップには、例えば、上記検出部184におけるプリアンプ206,A/D変換部210,及び撮像部制御部212と、走査変換部186、二値化処理部188、及び閾値判定回路226を含めることができる。つまり、二値化までをIC化することができる。
【0056】
あるいは、ICチップとして、データエラー訂正部194までを含めても良い。即ち、上記検出部184におけるプリアンプ206,A/D変換部210,及び撮像部制御部212と、走査変換部186、二値化処理部188、及び閾値判定回路226に加えて、復調部190、データ列調整部192、及びデータエラー訂正部194をIC化する。
【0057】
また、ICチップには、ある特定のインタフェースの形式でデータを出力する部分までを含めることができる。この場合には、上記データエラー訂正部194までの構成に加えて、例えばMIDI(Musical Instrument Digital Interface)データ出力用のI/F236をIC化する。
【0058】
あるいは、ICチップには、上記データエラー訂正部194に加えて、音声や映像の出力部までを含めることもできる。即ち、上記検出部184におけるプリアンプ206,A/D変換部210,及び撮像部制御部212と、走査変換部186、二値化処理部188、閾値判定回路226、復調部190、データ列調整部192、データエラー訂正部194、データ分離部196、伸長処理部238、データ補間回路240、伸長処理部242、データ補間回路244、PDL処理部246、伸長処理部248、合成又は切り換え回路250、D/A変換部252、伸長処理部256、データ補間回路258、音声合成部260、伸長処理部262、文章認識部271、スイッチSW1,SW2,SW3、合成又は切り換え回路264、及びD/A変換部266をIC化する。
【0059】
ところで、従来は、撮像素子やメモリ、その他の素子にも、通常の素子つまり欠陥を含まないような素子を用いることが前提となっているので、低価格化に関して問題があった。即ち、欠陥部は、事前チェックしてロットから抜き取る、あるいは欠陥部のアドレスを予め記録しておき、そのアドレスを使用しないようにしていた。撮像素子では、欠陥の多さ、集まり具合により、選別して不良品として捨てていたのが実状である。
【0060】
しかし、本一実施の形態では、欠陥部に投影又は記録されたデータは、データエラー訂正部194によりエラー検出/訂正処理によって正しいデータに再構成できるので、また、バースト状の欠陥は、データがインターリーブされているため、データ列調整部192におけるデ・インターリーブ処理で分散されて、ランダムエラーとなるので、撮像素子16(撮像部204)、画像メモリ214、データメモリ部234、等に欠陥のある素子を使うことができる。従って、欠陥のある素子を使うことで、ローコスト化が図れ、また、エラー検出/訂正処理で処理するので、素子や装置毎に欠陥検出して、そこを避ける等の煩わしさをなくすことができるようになる。
【0061】
また、撮像素子やメモリ以外にも、データエラー訂正部194よりも前の部分に関しては、単純なロジックエラーも、それが大きいものでなければ許すことができる。
【0062】
一方、図1に関して前述したようなペン型の筐体12内に、撮像素子や画像メモリをハイブリッドIC化した基板ユニットSUとして収容する場合、回路系をグループに分けて、それぞれ別々にIC化して、そのICを選別するときに、別の選択基準でICを選別することができる。即ち、ある部分はエラー(欠陥)はかなりあっても良いが、ある部分は少ししか許容できず、ある部分について全くエラーがあってはいけない、というように、あるICを選別する選別基準と、別の部分に相当するICを選別する基準と、さらに異なる部分に相当するICを選別する基準とを、それぞれ別個の基準にすることで、欠陥の許容率の大きい部分については、IC製造の精度を落とすことが可能になり、歩留まりが向上し、安価に大量生産できるようになる。
【0063】
ここで、例えば、グループ分けとしては、次のようなものが考えられる。即ち、第1の回路部(撮像素子を有するICチップ18)として、撮像部204、A/D変換部210、撮像部制御部212、画像メモリ214、補間回路222、二値化処理部188、閾値判定回路226、復調部190、及びデータメモリ部234をIC化し、第2の回路部(ICチップ20)として、マーカ検出部216、データ配列方向検出部218、アドレス制御部220、レンズ収差歪み補正用メモリ224、ブロックアドレス検出部228、ブロックアドレスの誤り検出,訂正部230、及びアドレス制御部232をIC化し、第3の回路部(ICチップ20)として、データ列調整部192をICチップ化する。この場合、IC製造装置の欠陥発生の分布を測定し、欠陥発生率の高い領域に上記第1の回路部を、欠陥発生率の低い領域に信頼性・精度を要する第2の回路部を構成する。そして、第3の回路部を構成できる無欠陥の領域が確保できる場合は、この第3の回路部も第2の回路部に一体化する。
【0064】
あるいは、撮像部204と画像メモリ214を別の回路部として構成しても良い。
【0065】
ここで、このような場合におけるエラー配分の例を具体的に説明しておく。
【0066】
まず、撮像素子16にのみ欠陥がある場合には、下記のような条件を設定する(図9の(B)参照)。なお、ここでのブロックとは、既出の特開平6−231466号公報に記載されてある2次元に配列されたデータドットパターンとマーカとを含むブロックを指すものとする。ただし、エラーレートの計算は、ユーザデータに対して概略的に行っている。
【0067】
撮像素子 500×300(=15万)画素
ブロック構成 80×48ドット
撮像範囲 4(=2×2)ブロック/画面
媒体の欠陥率 10−4ビット
このような条件とした場合、1ドットに対して撮像素子16の画素は、
横 500/(80×2)=3
縦 300/(48×2)=3
となり、ドットに対して撮像素子16の9個の画素(セル)が対応するので、3×3画素の範囲に1個しか欠陥がないならば(ランダムな欠陥であるならば)、問題はないことになる。
【0068】
一方、連続する欠陥の場合、例えば2×2画素の欠陥があれば、ドットの検出は困難になる。
【0069】
一般に(バイト)エラーレートが10−12程度であれば、データ記録再生として問題ないとされている。いま、データエラー訂正部194でのエラー検出/訂正処理において、10−2を10−12に訂正できる能力があるとすると、ドット検出でのビットエラーレートが10−3程度あれば良いことになる。
【0070】
1画面中のデータ量は、
80×48×4=15360(ビット)
なので、
15360×10−3=15
一方、媒体自体の欠陥が、
15360×10−4=1.5
あるので、つまり15万画素中に2×2画素の欠陥が、
15−1.5=13(箇所)
あっても良いことになる。この場合、欠陥率は、
13×4/150000=3.5×10−4
である。
【0071】
次に、撮像素子16と画像メモリ214との両方に欠陥がある場合について説明する。
【0072】
上記より撮像素子16からデータエラー訂正部194前までに許されるエラーは13ビットである。
【0073】
仮に、撮像素子16でのエラーが10箇所とする(欠陥率は、10×4/150000=2.7×10−4)。
【0074】
これにより、10ビットのエラーが発生しているので、画像メモリ214には3ビット割り当てられ、
3ビット/15360ビット=1.9×10−4
となる。即ち、
撮像素子: 2.7×10−4
メモリ : 1.9×10−4
画像メモリ214は、デ・インターリーブ前のデータなので、隣接した欠陥があっても。デ・インターリーブで分散するので、影響は小さい。また、ばらついた欠陥が、インターリーブの規則に一致する確率も低いので、いずれにしてもバーストエラーとなる確率は低い。
【0075】
なお、例えば一般的な光(磁気)ディスク等の再生では、センサ(サーボ用のセル、データリード用のセル)とトラック/データの関係は固定なので、どこかに欠陥があると読み取りできなくなるが、これに対して本一実施の形態の適用される2次元コードは、エリアセンサ(読み取り部)を手で走査する形なので、情報記録媒体上のドットと読み取りセルとの関係が固定されない。つまり、欠陥がドット上に乗って読み取れなくても、再度読み取ることで、その欠陥がドットと重ならないことが期待できる。即ち、リトライで救える確率が高い。従って、撮像素子16又は画像メモリ214の欠陥が、上記例の限界値であっても、このリトライで救える可能性はあるので、余裕度がまだあることになる。
【0076】
また、上記撮像素子16と画像メモリ214との間でのエラーの振り分けは、一般的には、メモリの方が撮像素子より歩留まりが良い(欠陥が少ない)ので、撮像素子側に多くの欠陥を振り分けるようにしている。勿論、個々の素子の構造の関係から、歩留まりに対して種々の状況が生じる可能性があるが、その場合、歩留まりの悪い方に多くの欠陥を許すように適宜許容欠陥数を振り分ければ良い。
【0077】
なお、上記エラー配分について、一般的に情報記録再生の場合10−12のエラーレートが必要と説明したが、これは、コンピュータの補助記憶等の装置の場合であって、データの読み取りが頻繁で扱うデータ量が多い場合の基準である。装置が使用期間内で読み取るデータ量が少ない場合は、必ずしもこの10−12レベルのエラー率でなくても良く、更に低いエラー率でも十分実用になる。例えば、読み取るファイルが10KB程度で、装置使用期間(装置寿命内)で読取回数が104=10000回程度であれば、エラーレート=10−9(=1/100000*10*103)以下であればエラーは発生しない。本一実施の形態の情報再生システムを、2次元コードを絵本に記録し、その絵に対する音声を再生するというような用途に使用する場合を考えると、10−9程度のエラーレートが保証されれば十分である。従って、より多くの欠陥を許すことができ、更にコストを下げることができる。
【0078】
なお、IC化のもとになっている回路構成は、前述の一実施の形態に限定されるものではなく、例えば、図12に示すように、操作変換部とデータ復調部及び二値化機能を、画像メモリ,CPU(DSP,RISCチップ)で構成して、ソフトウェアで処理することにより簡略化したものをIC化することもできる。また、DSPの処理の一部をIC化して速度を上げることもできる。
【0079】
以上、一実施の形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した一実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能である。
【0080】
ここで、本発明の要旨をまとめると以下のようになる。
【0081】
(1) オーディオ情報、映像情報、ディジタルコードデータの少なくとも一つを含むマルチメディア情報が光学的に読み取り可能なコードで記録されている部分を備える情報記録媒体から光学的に前記コードを読み取る読取手段と、この読取手段により読み取られたコードを処理して元のマルチメディア情報に復元する処理手段と、この処理手段からの出力信号に基づき各情報を再生して出力する出力手段とからなる情報再生システムにおいて、
前記読取手段が、前記コードを光学的に撮像して画像信号を出力する撮像素子と、この撮像素子に光学的に前記コードを入力させる光学手段とを備え、前記撮像素子と光学手段とを一体に設けたことを特徴とする情報再生システム。
【0082】
即ち、光学素子と撮像素子が一体化されて、単一部品となる。
【0083】
従って、一体化することで、全体で小型化が実現され、取付けの部品点数が減り、コスト、調整費用が削減できる。また、種々の外形のシステムに共通化して使用できる。
【0084】
(2) 前記光学手段を一体に設けた前記撮像素子と前記処理手段とを共通の基板上に設けたことを特徴とする前記(1)に記載の情報再生システム。
【0085】
即ち、光学素子、撮像素子、及び処理手段が同一基板上に一体化されて実装されるので、主要機能が一つの部品(基板ユニット)で実現される。
【0086】
従って、一体化することで、小型化が実現され、取付けの部品点数が減り、コスト、調整費用が削減できる。また、ユニットで調整/検査ができ、本体に組み付けてから不具合が分かるといった無駄がない。さらには、主要部分がユニット化されるので、共通部品として使える。
【0087】
(3) 前記撮像素子上に一体に設けられた前記光学手段が、少なくとも非球面レンズと収差補正ミラー部とを有する一体成形レンズであることを特徴とする前記(2)に記載の情報再生システム。
【0088】
即ち、光学素子が非球面、収差補正反射面を含んで一体成形され、高性能な光学機能が単一部品化される。
【0089】
従って、非球面、収差補正反射面を用いるので、複数レンズと反射部品の構成に相当する光学機能が単一部品化される。これにより、調整誤差の排除や取付けの部品数削減が可能になり、光学性能の向上、コスト及び調整費用の削減ができる。また、光学系が単体で検査ができ、組み上げてから不具合が分かるといった無駄がない。
【0090】
(4) 前記処理手段は、前記撮像素子から出力される画像信号を記憶するメモリと、前記画像信号から前記マルチメディア情報を復元する処理を行う集積回路とを備え、
前記撮像素子、メモリ、及び集積回路がいずれも、半導体製法により作成された半導体素子であり、前記各素子の少なくとも一つの素子が半導体製法上における欠陥を有する素子であることを特徴とする前記(2)に記載の情報再生システム。
【0091】
即ち、各電気回路が、欠陥を含むことを可能としてIC化されて光学素子と一体化される。
【0092】
従って、処理回路をIC化することで、小型化、低コスト化、高信頼性化が可能になる。また、欠陥部品を許すことで、部品レベルでの歩留まりが上がり、部品のコストを大幅に下げられる。
【0093】
(5) 前記欠陥を有する前記撮像素子、メモリ、及び集積回路は、それぞれの半導体製法における歩留まりに応じた欠陥率を有するものであり、各素子毎に許容できる所定の欠陥率を設定し、この設定された所定の欠陥率に応じて選択された素子をそれぞれ用いることを特徴とする前記(4)に記載の情報再生システム。
【0094】
即ち、各素子部品毎に部品選別基準が設定される。
【0095】
従って、部品毎に、許容できる欠陥の種類、数を設定するので、選別が無駄なく行われ、歩留まりが上がる。部品のコストをさらに下げられる。
【0096】
(6) 前記所定の欠陥率が、集積回路、メモリ、撮像素子の順に大きくなるように選択されると共に、前記欠陥により発生する誤りを訂正する欠陥誤り訂正手段をさらに設けたことを特徴とする前記(5)に記載の情報再生システム。
【0097】
即ち、撮像素子、メモリ、回路の順に判定基準をきびしくする。さらに、その後に誤り訂正手段を設ける。
【0098】
従って、一現実的な歩留まり状況に対応するので、歩留まりが上がる。また、部品のコストをさらに下げられる。さらには、誤り訂正を入れることで、それまでの欠陥の影響を排除できる。
【0099】
(7) 前記光学手段がさらに、照明手段を一体にして備えたことを特徴とする前記(2)に記載の情報再生システム。
【0100】
即ち、光学系、撮像系、処理系、照明手段が同一基板上に一体化される。
【0101】
従って、照明手段を含めて一体化することで、小型化が実現され、取付けの部品点数が減り、コスト及び調整費用が削減できる。また、照明条件を含めてユニットで調整/検査ができ、本体に組み付けてから不具合が分かるといった無駄がない。さらには、主要部がユニット化されるので、共通部品として使用できるようになる。
【0102】
(8) 前記読取手段の外形形状が、マウス型もしくはハンドヘルドスキャナ型のいずれかの形状であることを特徴とする前記(2)に記載の情報再生システム。
【0103】
即ち、外形形状及び寸法が、現在一般的な手動操作可能装置と同等になる。
【0104】
従って、手動操作可能な外形寸法にすることにより、一体化したことが生かせる。また、一般的な形状にしたことで、違和感がなく操作することができるようになる。
【0105】
(9) 前記読取手段が、座標を発生する座標発生手段を一体にして備えたことを特徴とする前記(2)に記載の情報再生システム。
【0106】
即ち、マウス等のポインティングデバイスの機能と、コード読取機能の両方が単一の装置で提供される。
【0107】
従って、マルチメディア情報の再生に当たって、座標発生装置でCRTを媒介してユーザインタフェースがとれれば柔軟なシステムができる。操作部が同一であれば、持ち換えがなく操作が簡単になる。
【0108】
(10) 前記読取手段がペン型形状をなし、この読取手段の長手方向に沿うようにして前記基板を配置し、
前記光学手段は、前記基板上にその結像面を上にして設けられた撮像素子に対して入射光を結像するべく当該入射光を略直角に反射する手段を有することを特徴とする前記(2)に記載の情報再生システム。
【0109】
即ち、ペン型形状で光軸をペンの軸方向から、それと直角方向へ曲げる。基板の長手方向とペンの軸方向が一致する。
【0110】
従って、基板が扱い易いペン形状に無理なく収まる。
【0111】
(11) 前記撮像素子上に一体に設けられた前記光学手段が、前記撮像素子側に凹状のレンズ面を有する一体成形レンズであることを特徴とする前記(2)に記載の情報再生システム。
【0112】
即ち、取付け部の形状がシンプルになり、光学的問題(フレア、位置精度)が生じ難くなる。
【0113】
(12) 前記一体成形レンズのモールドの一部を取付け部として、これを前記撮像素子が取り付けられている基板に直接圧入又は嵌合することを特徴とする前記(11)に記載の情報再生システム。
【0114】
即ち、装着による不具合、時間、飛び、分解広がり等の不具合がなくなり、組立精度を向上できる。
【0115】
(13) 前記撮像素子上に一体に設けられた前記光学手段の対物面側にリング状の照明用ユニットが圧入又は嵌合されていることを特徴とする前記(2)に記載の情報再生システム。
【0116】
即ち、読取手段が小形又は小径の外装であっても、容易に照明を取り付けられるようになる。
【0117】
(14) 前記撮像素子上に一体に設けられた前記光学手段の当該取付け基板からの高さが、前記読取手段内の前記基板に対する高さを略決定することを特徴とする前記(2)に記載の情報再生システム。
【0118】
即ち、光学系の高さによって略一義的に読取手段の高さを決定できるので、読取手段の機械的設計が楽になると共に、読取手段が小形又は小径の外装であっても、容易に取り付けられるようになる。
【0119】
(15) 前記撮像素子上に一体に設けられた前記光学手段は、前記撮像素子の前記基板に対する取付け面に設けられた読取用開口部からの入射光を少なくとも1回反射させて前記撮像素子に結像させることを特徴とする前記(2)に記載の情報再生システム。
【0120】
即ち、組立及びメンテナンスを一側(例えば上側)からのみの作業により容易に行うことができるようになる。また、光学系の高さが低くなり、読取手段の外形形状としてマウス形状などを採用できるようになる。
【0121】
(16) オーディオ情報、映像情報、ディジタルコードデータの少なくとも一つを含むマルチメディア情報が光学的に読み取り可能なコードで記録されている部分を備える情報記録媒体から光学的に前記コードを読み取る読取手段と、この読取手段により読み取られたコードを処理して元のマルチメディア情報に復元する処理手段と、この処理手段からの出力信号に基づき各情報を再生して出力する出力手段とからなる情報再生システムにおいて、
前記読取手段が、前記コードを光学的に撮像して画像信号を出力する撮像素子と、この撮像素子に光学的に前記コードを入力させる光学手段とを備え、
前記処理手段が、前記撮像素子から出力される画像信号を記憶するメモリと、前記画像信号から前記マルチメディア情報を復元する処理を行う集積回路とを備え、
前記撮像素子、メモリ、及び集積回路がいずれも、半導体製法により作成された半導体素子であり、前記各素子の少なくとも一つの素子が半導体製法上における欠陥を有する素子であることを特徴とする情報再生システム。
【0122】
即ち、各電気回路機能が、欠陥を含むことを可能とする。
【0123】
従って、部品コストが下がる。
【0124】
(17) 前記欠陥を有する前記撮像素子、メモリ、集積回路は、それぞれの半導体製法上における歩留まりに応じた欠陥率を有するものであり、各素子毎に許容できる所定の欠陥率を設定し、この設定された所定の欠陥率に応じて選択された素子をそれぞれ用いることを特徴とする前記(16)に記載の情報再生システム。
【0125】
即ち、各素子部品毎に部品選別基準が設定される。
【0126】
従って、部品毎に、許容できる欠陥の種類、数を設定するので、選別が無駄なく行われ、歩留まりが上がる。また、部品のコストをさらに下げられる。
【0127】
(18) 前記所定の欠陥率が集積回路、メモリ、撮像素子の順に大きくなるように選択されることを特徴とする前記(17)に記載の情報再生システム。
【0128】
即ち、撮像素子、メモリ、回路の順に判定基準をきびしくする。
【0129】
従って、一現実的な歩留まり状況に対応するので、歩留まりが上がる。また、部品のコストをさらに下げられる。さらには、誤り訂正を入れることで、それまでの欠陥の影響を排除できる。
【0130】
(19) 前記各素子が有する欠陥により発生する誤りを訂正する欠陥誤り訂正手段をさらに設けたことを特徴とする前記(17)に記載の情報再生システム。
【0131】
即ち、各素子部品毎に部品選別基準が設定される。
【0132】
従って、誤り訂正を入れることで、それまでの欠陥の影響を排除できる。
【0133】
(20) 前記読取手段、処理手段、及び出力手段がそれぞれ有する複数の機能を、前記各素子が許容できる所定の欠陥率で分類し、より近い欠陥率で分類された各分類毎の複数の機能を前記素子毎の同一半導体基板上に設けることを特徴とする前記(17)に記載の情報再生システム。
【0134】
即ち、選別基準別に回路が分類され、IC化される。
【0135】
従って、基準の違う回路部分が同一IC上にないので、基準のきびしい部分のために判定不合格になり、基準のゆるい合格部分が無駄になることがない。
【0136】
(21) 前記読取手段、処理手段、及び出力手段が有する複数の機能は、コード撮像機能、アナログ・ディジタル変換機能、信号記憶(メモリ)機能、信号復調機能、エラー訂正機能、信号出力機能、インタフェース機能の少なくとも一つを含むことを特徴とする前記(20)に記載の情報再生システム。
【0137】
即ち、選別基準別に回路が分類され、IC化される。
【0138】
従って、基準の違う回路部分が同一IC上にないので、基準のきびしい部分のために判定不合格になり、基準のゆるい合格部分が無駄になることがない。
【0139】
(22) 手動走査可能なコード読取部と、
情報処理機器と、
前記情報処理機器の拡張スロットに設置され、前記コード読取部よりデータを入力し、復調/処理するためのカード型基板と、
前記コード読取部とカード型基板との間に設けられたワイヤレスデータ送受信手段と、
を具備することを特徴とする情報再生システム。
【0140】
即ち、処理回路が小型のカード基板上に実装されると共に、この処理回路と読取部とがワイヤレスで接続される。
【0141】
従って、処理回路がパーソナルコンピュータ等の情報処理機器本体と一体化されるので、全体で小型化が実現される。特に、ノート型のパーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ等の情報処理端末と組み合わせてコンパクトなシステムができる。また、読取部が処理回路(処理部)と切り離されるので、ケーブルが絡む等の不便さがなく、走査が非常に容易となる。
【0142】
(23) 手動走査可能なコード読取部と、
情報処理機器と、
前記情報処理機器の拡張スロットに設置され、前記コード読取部よりデータを入力し、復調/処理する処理部と、
を具備し、
前記コード読取部と処理部間にワイヤレスのデータ転送機能を備えることを特徴とする情報再生システム。
【0143】
即ち、読取部と処理部とがワイヤレスで接続され、また処理部は情報処理機器のインタフェースに接続される。
【0144】
従って、読取部が処理部と切り離されるので、ケーブルが絡む等の不便さがなく、走査が非常に容易となる。また、情報処理機器のインタフェースに接続されるので、新たなボード追加の必要がない。
【0145】
(24) 手動走査可能なコード読取部と、
テレビジョン受像機と、
前記テレビジョン受像機に接続され、テレビジョン用の音声及び映像信号出力機能を持つゲーム機器と、
前記ゲーム機器に接続され、前記コード読取部からのデータを入力して復調/処理する処理部と、
前記コード読取部と処理部との間に設けられたワイヤレスでのデータ送受信手段と、
を具備することを特徴とする情報再生システム。
【0146】
即ち、ゲーム機器を経由してテレビジョン受像機に出力すると共に、処理部はゲーム機器のカセットに実装し、映像化の機能は、ゲーム機器のそれを利用する。
【0147】
従って、ゲーム機器、テレビジョン受像機共に普及しているので、ユーザは新たな装置の購入が少なくて済む。また、映像化の機能はゲーム機器が受け持つので、復調・処理部の回路量が減り、コストが下がる。さらに、読取部と処理部とが切り離されるので、ケーブルが絡む等の不便さがなく、操作が非常に容易となる。
【0148】
(25) 手動走査可能なコード読取及び処理部と、ラジオ機器とを具備し、前記コード読取及び処理部は、前記ラジオ機器が受信可能に、復調/処理した音声信号を送信する送信機能を備えることを特徴とする情報再生システム。
【0149】
即ち、ラジオ機器とコード読取及び処理部とがワイヤレスで接続される。
【0150】
従って、ラジオ機器は広く普及しているので、ユーザは新たな装置の購入が少なくて済む。また、音声化の機能はラジオ機器が受け持つので、コード読取及び処理部の回路量が減り、コストが下がる。さらには、コード読取及び処理部と音声再生部とが切り離されるので、操作が非常に容易(ケーブルが絡む等の不便さがない)となるだけでなく、音声再生部を離れたところにも設置できるようになる。
【0151】
(26) 手動走査可能なコード読取部と、
前記コード読取部からのデータを復調/処理し、音声信号を得る処理部と、
前記処理部からの音声信号を受信する受信ユニットと、
前記受信ユニットに接続された電気/音声変換手段と、
前記処理部と受信ユニットとの間に設けられたワイヤレスでのデータ送受信手段と、
を具備することを特徴とする情報再生システム。
【0152】
即ち、処理部と再生部(受信ユニット、電気/音声変換手段つまりヘッドホン)がワイヤレスで接続される。
【0153】
従って、全体に小型になり、身体に装着して移動が可能となる。また、コード読取部及び処理部と、再生部とがワイヤレスで接続されるので、身体の動きが制限されない。
【0154】
(27) 手動走査可能なコード読取及び処理部と、音楽情報媒体再生機器とを具備し、
前記コード読取及び処理部は、復調/処理した音声信号を、前記音楽情報媒体再生機器の外部入力端子に出力することを特徴とする情報再生システム。
【0155】
即ち、CD,カセットテープ等の音楽情報媒体から音楽を再生する音楽情報媒体再生機器70を通して再生する(アンプ機能を利用する)。
【0156】
従って、ヘッドホンを含む音楽情報媒体再生機器を利用することで、ユーザは新たな装置の購入が少なくて済む。また、音声化の機能の一部を音楽情報媒体再生機器が受け持つので、コード読取及び処理部の回路量が減り、コストが下がる。
【0157】
(28) 手動走査可能なコード読取及び処理部と、
前記コード読取及び処理部で復調/処理された音声信号を受信する受信ユニットと、
前記受信ユニットに接続された電気/音声変換手段と、
前記コード読取及び処理部と受信ユニットとの間に設けられたワイヤレスでの音声信号送受信手段と、
を具備することを特徴とする情報再生システム。
【0158】
即ち、コード読取及び処理部と、再生部(受信ユニットと電気/音声変換手段つまりヘッドホン)とがワイヤレスで接続される。
【0159】
従って、全体に小型になり、身体に装着して移動が可能になる。また、コード読取及び処理部と再生部とがワイヤレスで接続されるので、身体の動きが制限されない。
【0160】
(29) 手動走査可能なコード読取及び処理部と、
磁気テープ再生機器と、
前記コード読取及び処理部で復調/処理した音声信号を受信し、前記磁気テープ再生機器の再生ヘッドに磁気カップリングで音声信号を出力する受信アダプタと、
前記コード読取及び処理部と受信アダプタの間に設けられたワイヤレスでの音声信号送受信手段と、
を具備することを特徴とする情報再生システム。
【0161】
即ち、磁気テープ再生機器の再生ヘッドに磁気カップリングで音声信号を出力する受信アダプタを利用し、音声化の機能の一部を磁気テープ再生機器で代替する。
【0162】
従って、ヘッドホンを含む磁気テープ再生機器を利用することで、ユーザは新たな装置の購入が少なくて済む。また、音声化の機能の一部を磁気テープ再生機器が受け持つので、コード読取及び処理部内に実装される復調及び処理回路部の回路量が減り、コストが下がる。さらには、コード読取及び処理部が再生部分と切り離されるので、ケーブルが絡む等の不便さがなく、操作が非常に容易となる。
【0163】
(30) 手動走査可能なコード読取部と、
磁気テープ再生機器と、
前記コード読取部からのコードに対応する信号を受信し、復調/処理して音声信号を得、前記磁気テープ再生機器の再生ヘッドに磁気カップリングで音声信号を出力する受信アダプタと、
前記コード読取及び処理部と受信アダプタの間に設けられたワイヤレスでの信号送受信手段と、
を具備することを特徴とする情報再生システム。
【0164】
即ち、磁気テープ再生機器の再生ヘッドに磁気カップリングで音声信号を出力する受信アダプタを利用し、音声化の機能の一部を磁気テープ再生機器で代替する。
【0165】
従って、ヘッドホンを含む磁気テープ再生機器を利用することで、ユーザは新たな装置の購入が少なくて済む。また、音声化の機能の一部を磁気テープ再生機器が受け持つので、受信アダプタ内に実装される復調及び処理回路部の回路量が減り、コストが下がる。さらには、コード読取部が再生部分切り離されるので、ケーブルが絡む等の不便さがなく、操作が非常に容易となる。
【0166】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、小型化並びに低価格化を図った情報再生システムを提供することができる。
【0167】
さらに、本発明によれば、手動走査を行う読み取り部の主要部をユニット化し、種々の外形のシステムに共通化して使用できるようにして、部品点数の削減並びに量産効果による低価格化をさらに図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の一実施の形態に係る情報再生システムに用いられる読み取り部の構成を示す図、(B)乃至(D)はそれぞれハイブリッドIC化された基板ユニットを示す図である。
【図2】(A)は光学系を示す図であり、(B)はハンドヘルド型の読み取り部の外観を示す図である。
【図3】(A)及び(B)はそれぞれマウス型の読み取り部の外観及び内部構造を示す図である。
【図4】(A)及び(B)はそれぞれ一実施の形態に係る情報再生システムの例を示すシステム外観図である。
【図5】(A)及び(B)はそれぞれ一実施の形態に係る情報再生システムの例を示すシステム外観図である。
【図6】(A)及び(B)はそれぞれ一実施の形態に係る情報再生システムの例を示すシステム外観図である。
【図7】(A)乃至(C)はそれぞれ一実施の形態に係る情報再生システムの例を示すシステム外観図である。
【図8】(A)及び(B)はそれぞれ一実施の形態に係る情報再生システムの例を示すシステム外観図である。
【図9】(A)は一実施の形態に係る情報再生システムの例を示すシステム外観図であり、(B)は撮像素子のブロック構成を示す図である。
【図10】(A)及び(B)はそれぞれ一実施の形態に係る情報再生システムの例を示すシステム外観図である。
【図11】一実施の形態に係る情報再生システムのブロック構成図である。
【図12】情報再生システムの変形例を説明するためのブロック構成図である。
【符号の説明】
10 読み取り部
12 ペン型筐体
14 基板
16 撮像素子
18,20 ICチップ
22 光学系
192 データ列調整部
194 データエラー訂正部
204 撮像部
214 画像メモリ
234 データメモリ部
Claims (4)
- 情報が光学的に読み取り可能なコードで記録されている部分を備える情報記録媒体から、前記コードを光学的に読み取って前記情報を再生する情報再生システムにおいて、
前記コードを撮像してその画像信号を出力する撮像素子と、
前記撮像素子から出力された画像信号を画像データとして記憶するメモリと、
前記メモリに記憶された画像データから前記情報を再生して出力する際のデータのエラー訂正を行うデータエラー訂正手段と、
を備え、
前記撮像素子及び前記メモリの少なくとも一つは、半導体製法上における欠陥を有する素子であり、
前記データエラー訂正手段は、前記欠陥により発生する誤りも訂正するように構成されたことを特徴とする情報再生システム。 - 情報が光学的に読み取り可能なコードで記録されている部分を備える情報記録媒体から、前記コードを光学的に読み取って前記情報を再生する情報再生システムにおいて、
前記コードを撮像してその画像信号を出力する撮像素子と、
前記撮像素子から出力された画像信号を画像データとして記憶するメモリと、
前記メモリに記憶された画像データから前記情報を再生して出力する際のデータのエラー訂正を行うデータエラー訂正手段と、
を備え、
前記撮像素子及び前記メモリの少なくとも一つは、半導体製法上における欠陥を有する素子であり、
前記撮像素子及び前記メモリは、これら各素子毎に設定された別個の選別基準に従ってそれぞれ選別されることを特徴とする情報再生システム。 - 情報が光学的に読み取り可能なコードで記録されている部分を備える情報記録媒体から、前記コードを光学的に読み取って前記情報を再生する情報再生システムにおいて、
前記コードを撮像してその画像信号を出力する撮像素子と、
前記撮像素子から出力された画像信号を画像データとして記憶するメモリと、
前記メモリに記憶された画像データから前記情報を再生して出力する際のデータのエラー訂正を行うデータエラー訂正手段と、
を備え、
前記撮像素子及び前記メモリの少なくとも一つは、半導体製法上における欠陥を有する素子であり、
前記撮像素子及び前記メモリの何れにも前記欠陥が有るとき、前記撮像素子の欠陥が前記メモリの欠陥よりも多くなるように、前記撮像素子及び前記メモリが選別されることを特徴とする情報再生システム。 - 前記コードは、手動での読み取りが可能な2次元コードであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の情報再生システム。
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