JP3578719B2 - Information recording medium - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザーにより情報の記録および再生が可能な情報記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
情報の書き込み可能なDRAW(Direct Read After Write)型の情報記録媒体(光ディスク)は、基本構造として、プラスチック、ガラス等からなる円盤状の透明基板と、この上に設けられたBi、Sn、In,Te等の金属または半金属、あるいは色素からなる記録層とを有する。光ディスクへの情報の書き込みは、たとえばレーザービームを光ディスクに照射することにより行なわれ、記録層の照射部分がその光を吸収して局所的に温度上昇する結果、ピット形成等の物理的変化あるいは相変化等の化学的変化を生じて、その光学的特性を変えることにより情報が記録される。光ディスクからの情報の読み取りもまた、レーザービームを光ディスクに照射することなどにより行なわれ、記録層の光学的特性の変化に応じた反射光または透過光を検出することにより情報が再生される。
【0003】
光ディスクへの情報の書き込みおよび読み取りのためのレーザービームの照射は、通常はディスクの表面の所定の位置に行われる。このため、レーザービームを案内して照射予定位置に正確にたどる(一般にトラッキングと呼ばれる)ようにするため、たとえば逆台形型断面のプレグルーブ(トラッキングガイド)がディスク表面に設けられる。さらに、データの記録に必要なアドレス情報などのプレフォーマット情報が、通常は、ディスクの内周側にプレピットとして形成されている。
【0004】
このように、DRAW型の情報記録媒体(光ディスク)は、プレグルーブ、および所望によりプレピットが形成された基板上に記録層等が設けられた基本構成を有する。
【0005】
情報記録媒体の記録層を形成する記録材料として、上記のように金属類や色素等が知られている。色素を用いた情報記録媒体は、記録層を塗布法により簡単に形成することができるという製造上の大きな利点を有している。しかしながら、一般に光ディスクの記録材料中で高感度であるとして有用とされている材料は、金属類であっても色素類であってもその反射率は30ないし40%である。従って、色素からなる記録層も、一般的に反射率が低いとの欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
情報記録媒体の反射率を向上させるために、色素記録層上に金属反射層を設けた情報記録媒体が、特開平2−87340号公報に開示されている。ここでは、高反射率を得るために、反射層を50nm程度の層厚にて設けられている。このような光ディスクは、基板側からの光に対して高い反射率を示すものであるが、本発明者による検討によると、再生レーザーの発振波長より少しずれた、すなわち発振波長より少し短いか、あるいは長い波長領域において、反射率の大きさが極端に変化する傾向があることが判明した。例えば、再生レーザーの発振波長790nmで70%の反射率を示す光ディスクは、785nmにおいては反射率が66%となる。一般に光ディスクドライブに用いられる半導体レーザーの発振波長は、その製品毎に若干異なる傾向があり、また温度などの使用環境によってもその波長は変化する。このため、上記の高反射率を有する公知の光ディスクを用いて記録または再生を行った場合、使用するドライブあるいはその使用環境によってトラッキングエラー、リードエラーなどの誤作動が起こりやすい。
【0007】
このため、再生用のレーザーの発振波長の附近の波長領域で反射率の変動の少ない光ディスクが必要となる。
従って、本発明は、色素からなる記録層を有する光ディスクであって、所定の再生用のレーザーの発振波長の付近の波長領域における反射率の変動の少ない新規な情報記録媒体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、円盤状基板の上に、レーザー光による情報の記録及び再生が可能な色素(但し、シアニン色素と金属錯塩色素を除く)からなる記録層、Ag、Au、及びAlからなる群より選ばれる少なくとも一種の物質からなり、層厚が0.3〜30nmの範囲の薄層であり、使用する所定の再生用レーザーのレーザー光透過率が10%以上を示す反射層、そして50〜5000nmの範囲に層厚の保護層をこの順に有する情報記録媒体であって、該情報記録媒体の反射率特性を、縦軸が反射率(%)で、横軸が波長(nm)である反射率曲線で表わした場合、使用する所定の再生用レーザーの発振波長における該情報記録媒体の接線の勾配(%/nm)が、+0.6〜−0.6の範囲にあることを特徴とする情報記録媒体にある。
【0009】
なお、上記の反射層の透過率は、ガラス板上に反射層を形成した後、ガラス板側から再生波長の光を照射して測定した値である。
【0010】
上記の反射層の層厚は、5〜20nmの範囲にあることが好ましい。
【0011】
本発明の情報記録媒体は、特に下記の態様にあることが好ましい。
(1)上記接線の勾配(%/nm)が+0.5〜−0.5の範囲にあること。
(2)該情報記録媒体が、再生用のレーザーの発振波長の±20nmの波長領域で、該発振波長での反射率の80〜120%の範囲の反射率を有する。
(3)記録層と反射層との間に、層厚が30〜300nmの範囲にあるエンハンス層が設けられている。
(4)反射層が、再生用レーザーのレーザー光に対して15%以上の透過率を有する。
【0012】
(5)反射層の層厚が、1.0〜30nmの範囲にある。
(6)保護層が、紫外線硬化型樹脂の硬化物からなる。
(7)保護層の層厚が、500〜5000nmの範囲にある。
(8)記録層の色素が、インドリジン系色素、イミダゾキノキサリン系色素、チアゾール系色素、インドレニン系色素、メロシアニン系色素およびフタロシアニン系色素から選ばれる少なくとも一種である。
【0013】
【発明の効果】
本発明の情報記録媒体は、記録層の上に反射層と保護層とを積層配置し、かつ反射層を、レーザー光の透過率が10%以上となるように薄層とにすることにより、該反射層を透過したレーザー光が保護層と空気との界面で反射して入手側に戻ってくるようにされている。そして、この保護層と空気との界面の反射光が、反射層と記録層との界面で反射したレーザー光を干渉するように保護層の層厚も設定されているので、実際に用いる再生装置(光ディスクドライブ)におけるレーザー光の発振波長が、所定発振波長付近で若干ずれても、所定発振波長での反射率から大きく変動することはない。
【0014】
従って、実際の光ディスクドライブに用いられる半導体レーザーの発振波長が多少ずれても、また温度などの使用環境によって発振波長が変動しても、本発明の情報記録媒体を用いることにより、再生時のフォーカシングエラー、トラッキングエラーなどの誤作動がほとんど発生することがない。
【0015】
【発明の実施形態】
本発明の情報記録媒体(光ディスク)の例を、添付の第1図を参照しながら説明する。第1図は、基板11の上に、色素からなる記録層12、反射層13および保護層14がこの順で設けられた基本構成を有する本発明の光ディスクの断面図である。
【0016】
上記光ディスクは、プラスチック等からなる透明な基板11の上に、スピンコート法などにより色素層形成用の塗布液を塗布して色素記録層12を形成し、その上に反射層13を金属をスパッタリング等することにより形成し、さらにその上に保護層14を形成したものである。
【0017】
反射層は、従来の光ディスクでは通常、反射率を向上させるために比較的厚い層厚で設けられており、照射されたレーザー光のうち反射層を透過する光はほとんどなかった。本発明では、従来と同様に、入射したレーザー光を反射層で反射させて、ある程度の反射率を確保しながら、一方では、反射しないで透過したレーザー光を保護層と空気との界面で反射できるように、反射層の層厚を比較的薄くして、その透過率を10%以上にしている。そして、この保護層と空気との界面の反射率により、主に反射層と記録層との界面で反射したレーザー光を干渉して、レーザー光の発振波長付近の波長であっても発振波長での反射率と大きく変動しないように、保護層の層厚も特定の範囲に設定している。
【0018】
本発明では、このように、薄層の反射層の上に特定の層厚の保護層を設けることにより、本発明の情報記録媒体の反射率特性を、縦軸が反射率(%)で、横軸が波長(nm)とした座標上に反射率曲線として表わした場合に、所定の再生用のレーザーの発振波長における該情報記録媒体の接線の勾配(%/nm)が+0.6〜−0.6の範囲(好ましくは、+0.5〜−0.5の範囲)にあるようにしている。なお、情報記録媒体が、再生用のレーザーの発振波長の±20nmの波長領域で、該発振波長での反射率の80〜120%の範囲の反射率を有することが、より広範囲の条件で再生可能となるので好ましい。
【0019】
本発明の光情報記録方法に用いられる情報記録媒体の製造は、例えば以下に述べるような材料を用いて行なうことができる。
【0020】
本発明において使用する基板は、従来の情報記録媒体の基板として用いられている各種の材料から任意に選択することができる。基板材料の例としては、ガラス;ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;ポリカーボネート樹脂;アモルファスポリオレフィン;およびポリエステルを挙げることができる。好ましいのは、基板の光学的特性、平面性、加工性、取り扱い性、経時安定性および製造コストなどの点から、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフィンおよびポリメチルメタクリレートである。
【0021】
基板上には、トラッキング用溝またはアドレス信号等の情報を表す凹凸の形成の目的で、プレグルーブ、またはプレグルーブとプレピットとが設けられる。プレピットはプレグルーブのない内周側に形成されるのが一般的である。基板材料がプラスチックの場合は、射出成形あるいは押出成形などにより直接基板にプレグルーブおおびプレビットが設けられることが好ましい。
【0022】
プレグルーブおよびプレビットは、プレグルーブ層等を形成することにより設けてもよい。その材料としては、アクリル酸のモノエステル、ジエステルトリエステルおよびテトラエステルなどのモノマー(またはオリゴマー)と光重合開始剤との混合物を用いることができる。プレグルーブ層の形成は、まず精密に作られた母型(スタンパ)上に、アクリル酸エステルおよび重合開始剤からなる混合液を塗布し、さらにこの塗布液層上に基板を載せたのち、基板または母型を介して紫外線の照射により液層を硬化させて基板と液層とを固着させるような方法が利用される。次いで、基板を母型から剥離することによりプレグルーブ層の設けられた基板が得られる。プレグルーブ層の層厚は一般に0.05〜100μmの範囲にあり、好ましいのは0.1〜50μmの範囲である。
【0023】
プレグルーブの形状は、半値幅が一般に0.2〜1.0μmの範囲で、好ましくは0.3〜0.8μmの範囲、特に好ましくは0.4〜0.7μmの範囲であり、そして深さが一般に40〜400nmの範囲、好ましくは60〜300nmの範囲、そして特に好ましくは60〜200nmの範囲である。
【0024】
基板上には、色素からなる記録層が設けられる。記録層に使用される色素としては、例えば、イミダゾキノキサリン系色素、インドレニン系色素などのシアニン系色素、フタロシアニン系色素、ピリリウム系・チオピリリウム系色素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系色素、Ni、Crなどの金属錯塩系色素、ナフトキノン系・アントラキノン系色素、インドフェノール系色素、インドアニリン系色素、トリフェニルメタン系色素、トリアリルメタン系色素、メロシアニン系色素、オキソノール系色素、アミニウム系・ジインモニウム系色素およびニトロソ化合物を挙げることができる。
【0025】
上記色素の具体例としては以下のものを挙げることができる。
i)シアニン系色素:
【0026】
【化1】
【0027】
(ただし、ΦおよびΨはそれぞれ芳香族環が縮合していてもよいインドレニン環残基、チアゾール環残基、オキサゾール環残基、セレナゾール環残基、イミダゾール環残基、ピリジン環残基、チアゾロピリミジン環残基またはイミダゾキノキサリン環残基であり、Lはモノカルボシアニン、ジカルボシアニン、トリカルボシアニンまたはテトラカルボシアニンを形成するための連結基であり、Xm− はm価の陰イオンであり、mは1または2であり。さらにXm− はΦ、LまたはΨ上に置換して分子内塩を形成しても良く、またΦとL、またはLとΨとはさらに連結して環を形成しても良い)
上記一般式で表される具体的な化合物の例としては以下のa)〜k)等が挙げられる。
【0028】
【化2】
【0029】
【化3】
【0030】
【化4】
【0031】
(ただし、R1 とR2 、R2 とR3 、R3 とR4 、R4 とR5 、R5 とR6 およびR6 とR7 の組合せのうち、少なくとも一つの組合せで置換もしくは未置換の複素環または脂肪族環による環を形成し、環を形成しないときのR1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 およびR7 は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子または一価の有機残基であり、あるいはR1 とR2 、R3 とR4 、R4 とR5 、R5 とR6 およびR6 とR7 の組合せのうち、少なくとも一つの組合せで、置換もしくは未置換の芳香族環を形成してもよく、Aは二重結合によって結合した二価の有機残基であり、Z− はアニオン残基である。なお、アズレン環を構成する少なくとも一つの炭素原子が窒素原子で置き換えられてアザアズレン環となっていてもよい。)
iv)インドフェノール系色素:
【0032】
【化5】
【0033】
(ただし、XおよびYは、それぞれ水素原子、アルキル基、アシルアミノ基、アルコキシ基またはハロゲン原子であり、R1 とR2 およびR3 はそれぞれ水素原子、C1 〜C20 の置換または未置換のアルキル基、アリール基、複素環またはシクロヘキシル基であり、Aは−NHCO−または−CONH−である)
v)金属錯塩系色素:
【0034】
【化6】
【0035】
(ただし、R1 〜R4 はそれぞれアルキル基またはアリール基であり、Mは二価の遷移金属原子である)
【0036】
【化7】
【0037】
(ただし、R1 およびR2 はそれぞれアルキル基またはハロゲン原子であり、Mは二価の遷移金属原子である)
【0038】
【化8】
【0039】
(ただし、R1 およびR2 はそれぞれ置換または未置換のアルキル基またはアリール基であり、R3 はアルキル基、ハロゲン原子または−N−R4R5基(ここで、R4 およびR5 はそれぞれ置換または未置換のアルキル基またはアリール基である)であり、Mは遷移金属原子であり、nは0〜3の整数である)
【0040】
【化9】
【0041】
(ただし、[Cat]は錯塩を中性ならしめるために必要な陽イオンであり、MはNi、Cu、Co、PdまたはPtであり、nは1または2である)
【0042】
【化10】
【0043】
(ただし、[Cat]は錯塩を中性ならしめるために必要な陽イオンであり、MはNi、Cu、Co、PdまたはPtであり、nは1または2である)
【0044】
【化11】
【0045】
(ただし、Xは水素原子、塩素原子、臭素原子またはメチル基であり、nは1〜4の整数であり、Aは第四級アンモニウム基である)
【0046】
【化12】
【0047】
(ただし、X1 およびX2 はそれぞれニトロ基および/またはハロゲン原子であり、n1およびn2はそれぞれ1〜3の整数であり、R1 およびR2 はそれぞれアミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基(置換ベンゾイルアミノ基を含む)であり、X1 とX2 、n1とn2およびR1 とR2 はそれぞれ互いに同じであっても異なっていてもよく、MはCrまたはCo原子であり、Yは水素、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、脂肪族アンモニウム(置換脂肪族アンモニウムを含む)または脂肪族アンモニウムである)
vi)ナフトキノン系、アントラキノン系色素:
【0048】
【化13】
【0049】
(ただし、Rは水素原子、アルキル基、アリル基、アミノ基または置換アミノ基である)
【0050】
【化14】
【0051】
(ただし、Rは水素原子、アルキル基、アリル基、アミノ基または置換アミノ基である)
【0052】
【化15】
【0053】
(ただし、Rは水素原子、アルキル基、アリル基、アミノ基または置換アミノ基である)
【0054】
【化16】
【0055】
(ただし、Xはハロゲン原子であり、nは0〜10の整数である)
【0056】
【化17】
【0057】
(ただし、Xはハロゲン原子である)
【0058】
【化18】
【0059】
vii)インドリジン系色素:
【0060】
【化19】
【0061】
(式中、R1 及びR2 は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、芳香環に置換基を有していてもよいアラルキル基、アルコキシ基、芳香族に置換基を有していてもよいアリールオキシ基、アルキルカルボニルアミノ基、芳香環に置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基、シアノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を表し、R11 及びR41 は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、芳香環に置換基を有していてもよいアラルキル基、アルコキシ基、芳香環に置換基を有していてもよいアリールオキシ基、アルキルカルボニルアミノ基、芳香環に置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基、シアノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を表し、R2 、R3 、R5 、R6 及びR7 は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、芳香環に置換基を有していてもよいアラルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表しR2 及びR3 がアルキル基であるときR2 とR3 とは一緒になって環を形成してもよく、R5 及びR6 がアルキル基であるとき、R5 とR6 とは一緒になって環を形成してもよく、X− はアニオンを表わす。)
【0062】
色素記録層の形成は、上記色素、さらに所望により結合剤を溶剤に溶解して色素塗布液を調製し、次いでこの塗布液を基板表面に塗布して塗膜を形成したのち乾燥することにより行うことができる。
【0063】
色素塗布液の調製用の溶剤の例としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテートなどのエステル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン、ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコール、ジメチルホルムアミドなどのアミド、そして2,2,3,3−テトラフロロプロパノール等のフッ素系溶剤などを挙げることができる。なお、これらの非炭化水素系有機溶剤は、50容量%以内である限り、脂肪族炭化水素溶剤、脂環族炭化水素溶剤、芳香族炭化水素溶剤などの炭化水素系溶媒を含んでいてもよい。
【0064】
塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、滑剤、など各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
【0065】
結合剤を使用する場合に結合剤としては、例えば、ゼラチン、ニトロセルロース、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質:およびポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリオレフィン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子物質を挙げることができる。
【0066】
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などを挙げることができる。
【0067】
結合剤に対する色素の比率は一般に0.01〜99%(重量比)の範囲あり、好ましくは1.0〜95%(重量比)の範囲にある。
【0068】
色素記録層の層厚は、一般には、10〜1000nmの範囲にあり、好ましくは30〜800nmの範囲にあり、さらに好ましくは50〜500nmの範囲にある。
【0069】
色素記録層の上に、反射率を向上させるためにエンハンス層を設けてもよく、エンハンス層の材料としては、SiO2 、AlN、ZnS、およびSi3N4などの無機物質;ポリブタジエン、エチレン系重合体、フッ素系樹脂などのポリマーを挙げることができる。
【0070】
反射層の材料である光反射性物質は、レーザー光に対する反射率が高い物質であって、Ti、Zr、Ta、Cr、Mo、W、Ni、Rh、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Al、In、Si、Ge、Te、Sn、Bi、Sb、Tl、PtおよびCから選ばれ、好ましくは、Ni、Cu、Au、Ag、Zn、Al、In、PtおよびCから選ばれ、特に好ましくはAu、Ag、およびAlから選ばれる。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。
【0071】
本発明では、反射層の層厚を入射したレーザー光を全て反射するのではなく、10%以上(好ましくは12%以上、さらに好ましくは15%)透過させて、保護層と空気との界面で反射できるようにしている。従って、反射層の層厚は一般的には0.3〜30nmの範囲であり、好ましくは1〜30nmの範囲であり、特に好ましくは5〜20nmである。反射層は、例えば上記光反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより基板の上に形成することができる。
【0072】
反射層の上には保護層が設けられる。保護層に用いられる材料の例としては、無機物質としては、SiO、SiO2 、Si3N4 、MgF2 、SnO2 等を挙げることができる。また、有機物質としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等を挙げることができ、好ましくはUV硬化性樹脂である。本発明の効果を得るためには有機物質を塗布により設けることが好ましい。
【0073】
保護層は、たとえばプラスチックの押出加工で得られたフィルムを接着層を介して飽和炭化水素系溶剤に可溶な樹脂からなる保護層上にラミネートすることにより形成することができる。あるいは真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法により設けられてもよい。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのち、この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成することができる。UV硬化性樹脂の場合には、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのちこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても形成することができる。UV硬化性樹脂としては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、等の(メタ)アクリレートのオリゴマー類、(メタ)アクリル酸エステル等のモノマー類等さらに光重合開始剤等の通常のUV硬化剤樹脂を使用することができる。塗布液中には、さらに帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。
【0074】
保護層の層厚は、一般には50〜10000nmの範囲にあり、好ましくは100〜7000nmの範囲、さらに好ましくは500〜5000nmの範囲にある。また、保護層は着色されてもよい。
【0075】
本発明の情報記録媒体では、入射したレーザー光を反射層で反射させてある程度の反射率を確保しながら、反射しないで透過したレーザー光を保護層と空気との界面で反射できるように、上記反射層の層厚を比較的薄くして、その透過率を10%以上の範囲の薄層にしている。そして、この保護層と空気との界面の反射光により、反射層と記録層との界面で反射したレーザー光を干渉して、レーザー光の発振波長付近の波長であっても発振波長での反射率と大きく変動しないようにされている。
【0076】
すなわち、反射層と記録層との界面で反射するレーザー光の位相と保護層と空気との界面で反射するレーザー光の位相の『ずれ』を下記式を満足する光学的膜厚になるように、保護層の層厚を計算して設定することによって、レーザー光の発振波長付近の反射率を変動の少ないものにすることができると考えられる。
nd=jλ
(n:保護層の屈折率、d:保護層の層厚、j:整数、λ:レーザーの波長)
【0077】
しかしながら、色素層と他の層との界面で位相の『とび』等があることから上記計算値の保護層の層厚で規定することは困難であることがわかった。
【0078】
このため、保護層の層厚は、上記光学的層厚を参考にしながら下記のように設定することが好ましい。
1)保護層を設ける前の情報記録媒体の光の波長に対する反射率曲線が、使用するレーザーの発振波長における反射率のほうが長波長側より低くなっている場合には、保護層形成後の情報記録媒体の反射率が該発振波長より10〜200nm程度短波長側で極大を有するように保護層の層厚を設定する。
2)保護層を設ける前の情報記録媒体の光の波長に対する反射率曲線が、使用するレーザーの発振波長における反射率のほうが長波長側で高くなっている場合には、保護層形成後の情報記録媒体の反射率が該発振波長より10〜200nm程度長波長側で極大を有するように保護層の層厚を設定する。
【0079】
このように、薄層の反射層上に上記のように設定された層厚を有する保護層を設けることにより、使用する再生用レーザーの発振波長の付近の波長領域で反射率の変動を少なくすることができる。
【0080】
本発明の光情報記録媒体は、上述した構成からなる単板であってもよいが、あるいはさらに上記構成を有する二枚の基板を反射層が内側となるように向い合わせ、接着剤等を用いて接合することにより、貼合せタイプの記録媒体を製造することもできる。また、本発明の記録層はCDなどの再生専用の光ディスクのアルミニウムなどの反射層の代わりに使用することもできる。
【0081】
光情報記録媒体への記録は、例えば下記のように行われる。
まず、光情報記録媒体を定線速度または定角速度(CDフォーマット信号の場合は、1.2〜1.4m/秒)で回転させながら、半導体レーザー光などの記録用の光を、基板側から該プレグルーブのグルーブにレーザー光を照射してCDフォーマットのEFM信号などの信号を、該グルーブの記録層にピットを形成することにより記録する。一般に、記録光としては750〜850nmの範囲の発振波長を有する半導体レーザービームが用いられる。一般に1〜15mWのレーザーパワーで記録される。
【0082】
上記の記録層のピット形成は、記録層に空洞の形成、基板の記録層側表面の肉盛りの両方の形成、あるいは会合/非会合もしくは配向/無配向等の相変化により行われる。
【0083】
記録に際しては、上記トラッキング用プレグルーブを用いてプッシュプル法などによるトラッキング制御が行われる。情報の記録は、プレグルーブのグルーブまたはグルーブ間のランドに行われる。
【0084】
情報の再生は、例えば記録媒体を上記と同一の定線速度または定角速度で回転させながら半導体レーザー光を基板側から照射してその反射光を検出することにより、3ビーム法などによるトラッキング制御を行いながら情報を再生することができる。
【0085】
【実施例】
[実施例1]
【0086】
【化20】
【0087】
上記の色素4.8gを、2,2,3,3−テトラフロロプロパノール100mLに超音波を1時間付与しながら溶解して、色素塗布液を調製した。この色素塗布液を、プレグルーブが設けられた円盤状のポリカーボネート基板(外径:120mm、内径:15mm、厚さ:1.2mm、トラックピッチ:1.6μm、グルーブ幅:0.45μm、グルーブの深さ:900Å、グルーブ領域:直径44mm〜117mmの範囲)のプレグルーブが設けられている側の基板表面に、スピンコート法により回転数750rpmの速度で5秒間塗布し、毎秒50rpmずつ回転数を上げながら16秒後に最終回転数1000rpmとして30秒間保持して乾燥して層厚が400nmの色素記録層を形成した。
【0088】
上記色素記録層上にAuを、DCスパッタ装置を用いて、Ar圧力が2Pa、電力が480W、蒸着速度2nm(層厚)/秒の条件にて5秒間スパッタリングして、層厚10nmの反射層を形成した。
【0089】
反射層上にさらに上記紫外線硬化型樹脂(商品名:3070、スリーボンド社製)をスピンコート法により回転数1500rpmの速度で塗布した。乾燥後、該塗布層に紫外線を照射(200W/cm2 の水銀灯を10秒間)することによって層厚2.5μmの保護層を形成し、基板上に、色素記録層、反射層および保護層が設けられた情報記録媒体(第1図参照)を製造した。
【0090】
上記と同様にして反射層をガラス板上に形成し、分光光度計((株)日立製作所)を用いて透過率測定したところ、790nmの波長にて40%であった。
【0091】
[実施例2]
実施例1において、反射層の層厚10nmから下記のようにして20nmに変えた以外は実施例1と同様にして情報記録媒体を製造した。
すなわち、色素記録層上にAuを、DCスパッタ装置を用いて、Ar圧力が2Pa、電力が480W、蒸着速度2nm(層厚)/秒の条件にて10秒間スパッタリングして、層厚20nmの反射層を形成した。
【0092】
上記と同様にして反射層をガラス板に形成し、分光光度計((株)日立製作所製)を用いて透過率測定したところ、790nmの波長にて17%であった。
【0093】
[比較例1]
実施例1において、反射層の層厚10nmから下記のようにして50nmに変えた以外は実施例1と同様にして情報記録媒体を製造した。
すなわち、色素記録層上にAuを、DCスパッタ装置を用いて、Ar圧力が2Pa、電力が480W、蒸着速度2nm(層厚)/秒の条件にて25秒間スパッタリングして、層厚50nmの反射層を形成した。
【0094】
上記と同様にして反射層をガラス板に形成し、分光光度計((株)日立製作所製)を用いて透過率測定したところ、790nmの波長にて1%であった。
【0095】
[比較例2]
実施例1において、反射層の層厚10nmから下記のようにして200nmに変えた以外は実施例1と同様にして情報記録媒体を製造した。
すなわち、色素記録層上にAuを、DCスパッタ装置を用いて、Ar圧力が2Pa、電力が480W、蒸着速度2nm(層厚)/秒の条件にて100秒間スパッタリングして、層厚200nmの反射層を形成した。
【0096】
上記と同様にして反射層をガラス板に形成し、分光光度計((株)日立製作所製)を用いて透過率測定したところ、790nmの波長にて0%であった。
【0097】
[情報記録媒体の評価]
1)反射率
得られた情報記録媒体について分光光度計((株)日立製作所製)を用いて、基板側より770〜850nmの範囲にある波長の光を照射して未記録部分の反射率を測定した。
【0098】
2)C/N
ドライブ装置(DDU−1000、パルステック(株)製)を用いて、発振波長790nmのレーザーで記録時のレーザーパワー(記録パワー)7mW、線速度1.3m/秒にて、変調周波数720kHz(デューティー33%)の信号を記録した。そして記録された信号を0.5mWの再生パワーにて再生時のC/Nをスペクトルアナライザー(TR4135、アドバンテスト社製)を用いて測定した。
【0099】
3)フォーカスエラー波長依存性
上記2)で信号が記録された情報記録媒体を再生し、トラッキングフォーカシングが外れたときのフォーカスエラー振幅の、コンパクトディスク(CD)のエラー振幅に対する割合(EFλ:λはレーザー波長)をλnm、λ+5nmおよびλ−5nmでの波長で測定し、下記式よりフォーカスエラーの波長依存性(α(%))を求めた。
【0100】
【数1】
【0101】
上記の測定の結果を第2図および第1表に示す。第2図は、1)反射率において測定された実施例1、2および比較例1の770〜850nmにおける反射率の反射率曲線が示されている。実施例1および2ではレーザーの発振波長である790nm前後で反射率の極端な上昇または低下がないことがわかる。なお、波長790nmでの反射率曲線の勾配は、第2図の反射率曲線を用いて、790nm波長において該曲線に接線を引いて求めた。
【0102】
【表1】
【0103】
第1表より明らかなように、本発明の光ディスク(実施例1および2)は、レーザーの発振波長である790nm前後で反射率の勾配が小さく、790nm前後で反射率の変化が少ない。且つC/Nも低下していない。また、本発明に従って、レーザーの発振波長である790nmで反射率の勾配が小さくなるように設定されているので、フォーカスエラー波長依存性が、790nmの波長のレーザーに対して小さいことは勿論であるが、780nmおよび800nmのどの波長のレーザーに対しても小さいことがわかる。従って、各レーザーに対してフォーカシングの安定性が良好である。
【0104】
一方、従来の反射層が設けられた比較例1および比較例2の光ディスクでは、790nmで反射率の勾配が大きく、790nm付近で反射率の変化が大きい。また、フォーカスエラー波長依存性が、780nmおよび790nmの波長のレーザーに対して大きく(一般に、αは10を超えるとフォーカシングが低下し、フォーカシングエラーが生じ易くなる)、800nmの波長のレーザーに対してのみ小さい。従って、種々のレーザーに対してフォーカシングの安定性が良好であるとは言えない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の情報記録媒体の基本的構成を示す平面図である。
【図2】実施例1、2および比較例1で得られた光ディスクの770〜850nmにおける反射率を示すグラフ(反射率曲線)である。
【符号の説明】
11 基板
12 記録層
13 反射層
14 保護層[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an information recording medium on which information can be recorded and reproduced by a laser.
[0002]
[Prior art]
A DRAW (Direct Read After Write) type information recording medium (optical disk) on which information can be written has a disc-shaped transparent substrate made of plastic, glass, or the like as a basic structure, and Bi, Sn, and In provided thereon. , Te or the like, or a recording layer made of a metal or semimetal, or a dye. The writing of information on the optical disk is performed, for example, by irradiating the optical disk with a laser beam. The irradiated portion of the recording layer absorbs the light and locally rises in temperature, resulting in a physical change or phase change such as pit formation. Information is recorded by causing a chemical change, such as a change, to change its optical properties. Reading of information from the optical disk is also performed by irradiating the optical disk with a laser beam, and the information is reproduced by detecting reflected light or transmitted light corresponding to a change in the optical characteristics of the recording layer.
[0003]
Irradiation of a laser beam for writing and reading information on an optical disk is usually performed at a predetermined position on the surface of the disk. For this reason, in order to guide the laser beam to accurately follow the irradiation target position (generally called tracking), for example, a pre-groove (tracking guide) having an inverted trapezoidal cross section is provided on the disk surface. Further, preformat information such as address information necessary for data recording is usually formed as prepits on the inner peripheral side of the disc.
[0004]
As described above, the DRAW type information recording medium (optical disc) has a basic configuration in which a recording layer and the like are provided on a substrate on which pregrooves and, if desired, prepits are formed.
[0005]
As a recording material for forming a recording layer of an information recording medium, metals and dyes are known as described above. An information recording medium using a dye has a great advantage in manufacturing that a recording layer can be easily formed by a coating method. However, the material which is generally considered to be useful as a high-sensitivity recording material for an optical disc, whether it is a metal or a dye, has a reflectance of 30 to 40%. Therefore, the recording layer made of a dye also has a disadvantage that the reflectance is generally low.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
JP-A-2-87340 discloses an information recording medium in which a metal reflection layer is provided on a dye recording layer in order to improve the reflectance of the information recording medium. Here, in order to obtain a high reflectance, the reflection layer is provided with a layer thickness of about 50 nm. Such an optical disk has a high reflectance with respect to light from the substrate side. However, according to the study by the present inventors, it is slightly shifted from the oscillation wavelength of the reproduction laser, that is, is slightly shorter than the oscillation wavelength, Alternatively, it has been found that the reflectivity tends to change extremely in a long wavelength region. For example, an optical disk that exhibits a reflectance of 70% at a reproduction laser oscillation wavelength of 790 nm has a reflectance of 66% at 785 nm. In general, the oscillation wavelength of a semiconductor laser used in an optical disk drive tends to be slightly different for each product, and the wavelength also changes depending on the use environment such as temperature. For this reason, when recording or reproduction is performed using the above-mentioned known optical disk having a high reflectivity, malfunctions such as tracking errors and read errors are likely to occur depending on the drive used or its use environment.
[0007]
For this reason, there is a need for an optical disk having a small change in reflectance in a wavelength region near the oscillation wavelength of the reproduction laser.
SUMMARY OF THE INVENTION Accordingly, an object of the present invention is to provide a novel information recording medium which has a recording layer made of a dye and has a small change in reflectance in a wavelength region near an oscillation wavelength of a predetermined reproducing laser. And
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The present invention provides a dye capable of recording and reproducing information by a laser beam on a disc-shaped substrate. (However, excluding cyanine dye and metal complex dye) A thin layer having a thickness in the range of 0.3 to 30 nm, and a laser beam of a predetermined reproducing laser to be used. The recording layer is composed of at least one material selected from the group consisting of Ag, Au, and Al. An information recording medium comprising a reflective layer having a transmittance of 10% or more and a protective layer having a thickness in the range of 50 to 5000 nm in this order. %), And the gradient of the tangent line (% / nm) of the information recording medium at the oscillation wavelength of the predetermined reproducing laser to be used is +0.6 when the horizontal axis represents the reflectance curve with the wavelength (nm). An information recording medium characterized by being in the range of -0.6.
[0009]
The transmittance of the reflective layer is a value measured by forming a reflective layer on a glass plate and irradiating light of a reproduction wavelength from the glass plate side.
[0010]
The thickness of the reflective layer is preferably in the range of 5 to 20 nm. Better No.
[0011]
The information recording medium of the present invention is particularly preferably in the following mode.
(1) The gradient (% / nm) of the tangent is in the range of +0.5 to -0.5.
(2) The information recording medium has a reflectance in a range of 80 to 120% of the reflectance at the oscillation wavelength in a wavelength range of ± 20 nm of the oscillation wavelength of the reproduction laser.
(3) An enhancement layer having a layer thickness in the range of 30 to 300 nm is provided between the recording layer and the reflection layer.
(4) The reflection layer has a transmittance of 15% or more to the laser beam of the reproduction laser.
[0012]
(5) The thickness of the reflective layer is in the range of 1.0 to 30 nm.
(6) The protective layer is made of a cured product of an ultraviolet curable resin.
(7) The thickness of the protective layer is in the range of 500 to 5000 nm.
(8) The dye in the recording layer is at least one selected from indolizine dyes, imidazoquinoxaline dyes, thiazole dyes, indolenine dyes, merocyanine dyes, and phthalocyanine dyes.
[0013]
【The invention's effect】
In the information recording medium of the present invention, a reflective layer and a protective layer are stacked and arranged on a recording layer, and the reflective layer is formed as a thin layer so that the transmittance of laser light is 10% or more. The laser light transmitted through the reflective layer is reflected at the interface between the protective layer and air and returns to the acquisition side. The thickness of the protective layer is also set so that the reflected light at the interface between the protective layer and the air interferes with the laser light reflected at the interface between the reflective layer and the recording layer. Even if the oscillation wavelength of the laser beam in the (optical disc drive) is slightly shifted near the predetermined oscillation wavelength, it does not greatly change from the reflectance at the predetermined oscillation wavelength.
[0014]
Therefore, even if the oscillation wavelength of a semiconductor laser used in an actual optical disk drive is slightly shifted, or the oscillation wavelength fluctuates due to a use environment such as temperature, focusing at the time of reproduction can be achieved by using the information recording medium of the present invention. Malfunctions such as errors and tracking errors hardly occur.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
An example of the information recording medium (optical disk) of the present invention will be described with reference to the attached FIG. FIG. 1 is a cross-sectional view of an optical disk of the present invention having a basic structure in which a
[0016]
In the optical disk, a
[0017]
The reflection layer is usually provided with a relatively thick layer in a conventional optical disc in order to improve the reflectance, and almost none of the irradiated laser light passes through the reflection layer. In the present invention, as in the prior art, the incident laser light is reflected by the reflective layer to ensure a certain degree of reflectivity, while the transmitted laser light without reflection is reflected at the interface between the protective layer and air. In order to make it possible, the thickness of the reflective layer is made relatively thin so that its transmittance is 10% or more. The reflectance of the interface between the protective layer and the air mainly interferes with the laser light reflected at the interface between the reflective layer and the recording layer, so that even if the wavelength is near the oscillation wavelength of the laser light, The thickness of the protective layer is also set to a specific range so as not to greatly change the reflectance of the protective layer.
[0018]
In the present invention, as described above, by providing a protective layer having a specific thickness on a thin reflective layer, the reflectance characteristic of the information recording medium of the present invention is plotted on the vertical axis with the reflectance (%). When a horizontal axis represents a reflectance curve on a coordinate having wavelength (nm), a gradient (% / nm) of a tangent line of the information recording medium at a predetermined reproduction laser oscillation wavelength is from +0.6 to-. 0.6 (preferably +0.5 to -0.5). It is to be noted that the fact that the information recording medium has a reflectance in the range of 80 to 120% of the reflectance at the oscillation wavelength in a wavelength range of ± 20 nm of the oscillation wavelength of the reproduction laser means that the reproduction is performed in a wider range of conditions. It is preferable because it becomes possible.
[0019]
The production of the information recording medium used in the optical information recording method of the present invention can be performed using, for example, the materials described below.
[0020]
The substrate used in the present invention can be arbitrarily selected from various materials used as a substrate of a conventional information recording medium. Examples of the substrate material include glass; acrylic resins such as polymethyl methacrylate; vinyl chloride resins such as polyvinyl chloride and vinyl chloride copolymer; epoxy resins; polycarbonate resins; amorphous polyolefins; Preferred are polycarbonate, amorphous polyolefin and polymethyl methacrylate from the viewpoint of the optical properties, flatness, processability, handleability, stability over time and production cost of the substrate.
[0021]
On the substrate, a pre-groove or a pre-groove and a pre-pit are provided for the purpose of forming irregularities representing information such as tracking grooves or address signals. The pre-pit is generally formed on the inner peripheral side without the pre-groove. When the substrate material is plastic, it is preferable that the pregroove and the pre-bit are directly provided on the substrate by injection molding or extrusion molding.
[0022]
The pre-groove and the pre-bit may be provided by forming a pre-groove layer or the like. As the material, a mixture of a monomer (or oligomer) such as a monoester, a diester triester, and a tetraester of acrylic acid and a photopolymerization initiator can be used. The pre-groove layer is formed by first applying a mixed solution composed of an acrylate ester and a polymerization initiator onto a precisely prepared master (stamper), placing the substrate on the coating solution layer, and then placing the substrate on the substrate. Alternatively, a method is used in which the liquid layer is cured by irradiating ultraviolet rays through a matrix to fix the substrate and the liquid layer. Next, the substrate provided with the pre-groove layer is obtained by peeling the substrate from the matrix. The thickness of the pregroove layer is generally in the range of 0.05 to 100 μm, preferably in the range of 0.1 to 50 μm.
[0023]
The shape of the pre-groove has a half width in the range of generally 0.2 to 1.0 μm, preferably 0.3 to 0.8 μm, particularly preferably 0.4 to 0.7 μm, and Is generally in the range from 40 to 400 nm, preferably in the range from 60 to 300 nm, and particularly preferably in the range from 60 to 200 nm.
[0024]
A recording layer made of a dye is provided on the substrate. Examples of dyes used in the recording layer include, for example, imidazoquinoxaline dyes, cyanine dyes such as indolenine dyes, phthalocyanine dyes, pyrylium / thiopyrylium dyes, azulhenium dyes, squalilium dyes, Ni, Cr, and the like. Metal complex salt dyes, naphthoquinone / anthraquinone dyes, indophenol dyes, indoaniline dyes, triphenylmethane dyes, triallylmethane dyes, merocyanine dyes, oxonol dyes, aminium / diimmonium dyes and Nitroso compounds can be mentioned.
[0025]
Specific examples of the above dyes include the following.
i) Cyanine dye:
[0026]
Embedded image
[0027]
(However, Φ and Ψ each represent an indolenine ring residue, a thiazole ring residue, an oxazole ring residue, a selenazole ring residue, an imidazole ring residue, a pyridine ring residue, A zolopyrimidine ring residue or an imidazoquinoxaline ring residue, L is a linking group for forming monocarbocyanine, dicarbocyanine, tricarbocyanine or tetracarbocyanine; m- Is an anion having a valence of m, and m is 1 or 2. Further X m- May be substituted on Φ, L or Ψ to form an inner salt, or Φ and L or L and Ψ may be further linked to form a ring)
Examples of specific compounds represented by the above general formula include the following a) to k).
[0028]
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[0029]
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[0030]
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[0031]
(However, R 1 And R 2 , R 2 And R 3 , R 3 And R 4 , R 4 And R 5 , R 5 And R 6 And R 6 And R 7 Of at least one combination forms a ring with a substituted or unsubstituted heterocyclic or aliphatic ring and does not form a ring. 1 , R 2 , R 3 , R 4 , R 5 , R 6 And R 7 Is a hydrogen atom, a halogen atom or a monovalent organic residue, respectively; 1 And R 2 , R 3 And R 4 , R 4 And R 5 , R 5 And R 6 And R 6 And R 7 May form a substituted or unsubstituted aromatic ring with at least one of the combinations of A, A is a divalent organic residue linked by a double bond, − Is an anionic residue. In addition, at least one carbon atom constituting the azulene ring may be replaced with a nitrogen atom to form an azaazulene ring. )
iv) Indophenol dyes:
[0032]
Embedded image
[0033]
(Where X and Y are each a hydrogen atom, an alkyl group, an acylamino group, an alkoxy group or a halogen atom; 1 And R 2 And R 3 Is a hydrogen atom, C is 1 ~ C 20 A substituted or unsubstituted alkyl group, aryl group, heterocyclic ring or cyclohexyl group, and A is -NHCO- or -CONH-)
v) Metal complex salt dye:
[0034]
Embedded image
[0035]
(However, R 1 ~ R 4 Is an alkyl group or an aryl group, respectively, and M is a divalent transition metal atom.
[0036]
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[0037]
(However, R 1 And R 2 Is an alkyl group or a halogen atom, and M is a divalent transition metal atom.
[0038]
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[0039]
(However, R 1 And R 2 Is a substituted or unsubstituted alkyl group or aryl group, respectively. 3 Is an alkyl group, a halogen atom or -NR. 4 R 5 Group (where R 4 And R 5 Is a substituted or unsubstituted alkyl or aryl group), M is a transition metal atom, and n is an integer of 0 to 3)
[0040]
Embedded image
[0041]
(Where [Cat] is a cation necessary for neutralizing the complex salt, M is Ni, Cu, Co, Pd or Pt, and n is 1 or 2)
[0042]
Embedded image
[0043]
(Where [Cat] is a cation necessary for neutralizing the complex salt, M is Ni, Cu, Co, Pd or Pt, and n is 1 or 2)
[0044]
Embedded image
[0045]
(Where X is a hydrogen atom, a chlorine atom, a bromine atom or a methyl group, n is an integer of 1 to 4, and A is a quaternary ammonium group)
[0046]
Embedded image
[0047]
(However, X 1 And X 2 Is a nitro group and / or a halogen atom, n1 and n2 are each an integer of 1 to 3, 1 And R 2 Is an amino group, a monoalkylamino group, a dialkylamino group, an acetylamino group, a benzoylamino group (including a substituted benzoylamino group), and X 1 And X 2 , N1 and n2 and R 1 And R 2 May be the same or different from each other, M is a Cr or Co atom, and Y is hydrogen, sodium, potassium, ammonium, aliphatic ammonium (including substituted aliphatic ammonium) or aliphatic ammonium )
vi) Naphthoquinone and anthraquinone dyes:
[0048]
Embedded image
[0049]
(Where R is a hydrogen atom, an alkyl group, an allyl group, an amino group or a substituted amino group)
[0050]
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[0051]
(Where R is a hydrogen atom, an alkyl group, an allyl group, an amino group or a substituted amino group)
[0052]
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[0053]
(Where R is a hydrogen atom, an alkyl group, an allyl group, an amino group or a substituted amino group)
[0054]
Embedded image
[0055]
(Where X is a halogen atom and n is an integer of 0 to 10)
[0056]
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[0057]
(Where X is a halogen atom)
[0058]
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[0059]
vii) Indolizine dyes:
[0060]
Embedded image
[0061]
(Where R 1 And R 2 Are each independently an alkyl group which may have a substituent, an aryl group which may have a substituent, an aralkyl group which may have a substituent on an aromatic ring, an alkoxy group, an aromatic group Represents an aryloxy group which may have a substituent, an alkylcarbonylamino group, an arylcarbonylamino group which may have a substituent on an aromatic ring, a cyano group, an acyl group, an alkoxycarbonyl group or a halogen atom. , R 11 And R 41 Are each independently a hydrogen atom, an alkyl group which may have a substituent, an aryl group which may have a substituent, an aralkyl group which may have a substituent on an aromatic ring, or an alkoxy group An aryloxy group optionally having a substituent on an aromatic ring, an alkylcarbonylamino group, an arylcarbonylamino group optionally having a substituent on an aromatic ring, a cyano group, an acyl group, an alkoxycarbonyl group or a halogen Represents an atom, R 2 , R 3 , R 5 , R 6 And R 7 Are each independently a hydrogen atom, an alkyl group which may have a substituent, an aryl group which may have a substituent, an aralkyl group which may have a substituent on an aromatic ring, or an alkoxy group Or R represents a halogen atom 2 And R 3 Is an alkyl group; 2 And R 3 And may form a ring together with 5 And R 6 Is an alkyl group, R 5 And R 6 And may form a ring together with − Represents an anion. )
[0062]
The dye recording layer is formed by dissolving the dye and, if desired, a binder in a solvent to prepare a dye coating solution, and then applying the coating solution to the substrate surface to form a coating film and then drying. be able to.
[0063]
Examples of the solvent for preparing the dye coating solution include esters such as ethyl acetate, butyl acetate, and cellosolve acetate; ketones such as methyl ethyl ketone, cyclohexanone and methyl isobutyl ketone; halogenated carbons such as dichloromethane, 1,2-dichloroethane, and chloroform. Hydrogen, ethers such as tetrahydrofuran, ethyl ether and dioxane, alcohols such as ethanol, n-propanol, isopropanol and n-butanol, amides such as dimethylformamide, and fluorine-based solvents such as 2,2,3,3-tetrafluoropropanol And the like. Note that these non-hydrocarbon organic solvents may include hydrocarbon solvents such as aliphatic hydrocarbon solvents, alicyclic hydrocarbon solvents, and aromatic hydrocarbon solvents as long as the content is within 50% by volume. .
[0064]
Various additives such as an antioxidant, a UV absorber, a plasticizer, a lubricant and the like may be further added to the coating solution according to the purpose.
[0065]
When a binder is used, examples of the binder include natural organic high-molecular substances such as gelatin, nitrocellulose, cellulose derivatives such as cellulose acetate, dextran, rosin, and rubber; and polyethylene, polypropylene, polystyrene, and polyisobutylene. Hydrocarbon resins, polyvinyl chloride, polyvinylidene chloride, vinyl resins such as polyvinyl chloride / polyvinyl acetate copolymer, acrylic resins such as polymethyl acrylate and polymethyl methacrylate, polyvinyl alcohol, chlorinated polyolefin, Synthetic organic high molecular substances such as an epoxy resin, a butyral resin, a rubber derivative, and an initial condensate of a thermosetting resin such as a phenol-formaldehyde resin can be given.
[0066]
Examples of the application method include a spray method, a spin coating method, a dip method, a roll coating method, a blade coating method, a doctor roll method, and a screen printing method.
[0067]
The ratio of dye to binder is generally in the range of 0.01-99% (weight ratio), preferably in the range of 1.0-95% (weight ratio).
[0068]
The thickness of the dye recording layer is generally in the range of 10 to 1000 nm, preferably in the range of 30 to 800 nm, and more preferably in the range of 50 to 500 nm.
[0069]
An enhance layer may be provided on the dye recording layer to improve the reflectance, and the material of the enhance layer may be SiO 2 2 , AlN, ZnS, and Si 3 N 4 And inorganic materials such as polybutadiene, ethylene-based polymers, and fluorine-based resins.
[0070]
The light-reflective substance that is the material of the reflection layer is a substance having a high reflectance to laser light, and is Ti, Zr, Ta, Cr, Mo, W, Ni, Rh, Pd, Pt, Cu, Ag, Au, Selected from Zn, Al, In, Si, Ge, Te, Sn, Bi, Sb, Tl, Pt and C, preferably selected from Ni, Cu, Au, Ag, Zn, Al, In, Pt and C And particularly preferably selected from Au, Ag and Al. These substances may be used alone, in combination of two or more kinds, or as an alloy.
[0071]
In the present invention, not all the laser light incident on the reflective layer is reflected but transmitted by 10% or more (preferably 12% or more, more preferably 15%) at the interface between the protective layer and air. We can make it reflect. Therefore, the thickness of the reflective layer is generally in the range of 0.3 to 30 nm, preferably in the range of 1 to 30 nm, and particularly preferably in the range of 5 to 20 nm. The reflection layer can be formed on the substrate by, for example, vapor deposition, sputtering, or ion plating of the light-reflective substance.
[0072]
A protective layer is provided on the reflective layer. Examples of the material used for the protective layer include inorganic substances such as SiO and SiO. 2 , Si 3 N 4 , MgF 2 , SnO 2 And the like. Further, examples of the organic substance include a thermoplastic resin, a thermosetting resin, a UV-curable resin, and the like, and a UV-curable resin is preferable. In order to obtain the effects of the present invention, it is preferable to provide an organic substance by coating.
[0073]
The protective layer can be formed, for example, by laminating a film obtained by extrusion of a plastic on a protective layer made of a resin soluble in a saturated hydrocarbon solvent via an adhesive layer. Alternatively, it may be provided by a method such as vacuum deposition, sputtering, or coating. In the case of a thermoplastic resin or a thermosetting resin, they can also be formed by dissolving these in an appropriate solvent to prepare a coating solution, applying the coating solution, and drying. In the case of a UV curable resin, it can also be formed by preparing a coating solution as it is or by dissolving it in an appropriate solvent, applying the coating solution, and irradiating with UV light to cure. UV-curable resins include oligomers of (meth) acrylates such as urethane (meth) acrylate, epoxy (meth) acrylate, polyester (meth) acrylate, and monomers such as (meth) acrylic acid ester. An ordinary UV curing agent resin such as an agent can be used. Various additives such as an antistatic agent, an antioxidant, and a UV absorber may be further added to the coating solution according to the purpose.
[0074]
The thickness of the protective layer is generally in the range of 50 to 10000 nm, preferably in the range of 100 to 7000 nm, and more preferably in the range of 500 to 5000 nm. Further, the protective layer may be colored.
[0075]
In the information recording medium of the present invention, while ensuring that the incident laser light is reflected by the reflective layer to a certain degree of reflectivity, the laser light transmitted without reflection can be reflected at the interface between the protective layer and the air. The thickness of the reflective layer is made relatively thin, and the transmittance is made as thin as 10% or more. The reflected light at the interface between the protective layer and the air interferes with the laser light reflected at the interface between the reflective layer and the recording layer, so that even if the wavelength is near the oscillation wavelength of the laser light, it is reflected at the oscillation wavelength. The rate does not fluctuate significantly.
[0076]
That is, the "shift" between the phase of the laser beam reflected at the interface between the reflective layer and the recording layer and the phase of the laser beam reflected at the interface between the protective layer and the air is adjusted so that the optical film thickness satisfies the following equation. By calculating and setting the thickness of the protective layer, it is considered that the reflectance near the oscillation wavelength of the laser light can be reduced.
nd = jλ
(N: refractive index of protective layer, d: layer thickness of protective layer, j: integer, λ: wavelength of laser)
[0077]
However, it has been found that it is difficult to define the above-mentioned calculated value by the thickness of the protective layer, since there is a phase jump or the like at the interface between the dye layer and another layer.
[0078]
For this reason, it is preferable that the layer thickness of the protective layer is set as follows while referring to the optical layer thickness.
1) If the reflectance curve of the information recording medium before providing the protective layer with respect to the light wavelength is lower than the longer wavelength side at the oscillation wavelength of the laser to be used, the information after forming the protective layer is obtained. The thickness of the protective layer is set so that the reflectance of the recording medium has a maximum on the short wavelength side of about 10 to 200 nm from the oscillation wavelength.
2) If the reflectance curve for the light wavelength of the information recording medium before the protective layer is provided has a higher reflectance at the oscillation wavelength of the laser used on the longer wavelength side, the information after the protective layer is formed. The thickness of the protective layer is set so that the reflectance of the recording medium has a maximum on the long wavelength side of about 10 to 200 nm from the oscillation wavelength.
[0079]
As described above, by providing the protective layer having the layer thickness set as described above on the thin reflective layer, the fluctuation of the reflectance in a wavelength region near the oscillation wavelength of the reproducing laser to be used is reduced. be able to.
[0080]
The optical information recording medium of the present invention may be a single plate having the above-described configuration, or two substrates having the above-mentioned configuration are arranged such that the reflection layer faces inside, and an adhesive or the like is used. By bonding together, a recording medium of a lamination type can also be manufactured. Further, the recording layer of the present invention can be used in place of a reflective layer such as aluminum of a read-only optical disk such as a CD.
[0081]
Recording on the optical information recording medium is performed, for example, as follows.
First, while rotating the optical information recording medium at a constant linear velocity or a constant angular velocity (1.2 to 1.4 m / sec in the case of a CD format signal), recording light such as a semiconductor laser beam is applied from the substrate side. By irradiating a laser beam to the groove of the pre-groove, a signal such as an EFM signal in a CD format is recorded by forming pits in a recording layer of the groove. Generally, a semiconductor laser beam having an oscillation wavelength in the range of 750 to 850 nm is used as the recording light. Generally, recording is performed with a laser power of 1 to 15 mW.
[0082]
The formation of the pits in the recording layer is performed by forming a cavity in the recording layer, forming both the cladding on the surface of the substrate on the recording layer side, or a phase change such as association / non-association or alignment / non-alignment.
[0083]
At the time of recording, tracking control is performed by a push-pull method or the like using the tracking pre-groove. Recording of information is performed on the grooves of the pre-grooves or lands between the grooves.
[0084]
For information reproduction, tracking control by a three-beam method or the like is performed, for example, by irradiating a semiconductor laser beam from the substrate side and detecting the reflected light while rotating the recording medium at the same constant linear velocity or constant angular velocity as described above. Information can be reproduced while performing.
[0085]
【Example】
[Example 1]
[0086]
Embedded image
[0087]
4.8 g of the above dye was dissolved in 100 mL of 2,2,3,3-tetrafluoropropanol while applying ultrasonic waves for 1 hour to prepare a dye coating solution. A disc-shaped polycarbonate substrate provided with a pre-groove (outer diameter: 120 mm, inner diameter: 15 mm, thickness: 1.2 mm, track pitch: 1.6 μm, groove width: 0.45 μm, (Depth: 900 °, groove area: 44 mm to 117 mm in diameter) on the surface of the substrate on which the pre-groove is provided by spin coating at a rotation speed of 750 rpm for 5 seconds, and a rotation speed of 50 rpm per second. After 16 seconds while raising, the final rotation number was kept at 1000 rpm for 30 seconds and dried to form a dye recording layer having a layer thickness of 400 nm.
[0088]
Au was sputtered on the dye recording layer for 5 seconds using a DC sputtering apparatus under the conditions of an Ar pressure of 2 Pa, an electric power of 480 W, and a deposition rate of 2 nm (layer thickness) / sec. Was formed.
[0089]
The above-mentioned ultraviolet curable resin (trade name: 3070, manufactured by Three Bond Co.) was further applied onto the reflective layer by a spin coating method at a rotation speed of 1500 rpm. After drying, the coating layer is irradiated with ultraviolet rays (200 W / cm 2 A protective layer having a layer thickness of 2.5 μm was formed by applying a mercury lamp for 10 seconds to produce an information recording medium (see FIG. 1) provided with a dye recording layer, a reflective layer and a protective layer on a substrate. .
[0090]
A reflective layer was formed on a glass plate in the same manner as described above, and the transmittance was measured using a spectrophotometer (Hitachi, Ltd.). The result was 40% at a wavelength of 790 nm.
[0091]
[Example 2]
An information recording medium was manufactured in the same manner as in Example 1 except that the thickness of the reflective layer was changed from 10 nm to 20 nm as described below.
That is, Au was sputtered on the dye recording layer for 10 seconds using a DC sputtering apparatus under the conditions of an Ar pressure of 2 Pa, an electric power of 480 W, and a deposition rate of 2 nm (layer thickness) / second, and a reflection of 20 nm in layer thickness. A layer was formed.
[0092]
A reflective layer was formed on a glass plate in the same manner as above, and the transmittance was measured using a spectrophotometer (manufactured by Hitachi, Ltd.). As a result, it was 17% at a wavelength of 790 nm.
[0093]
[Comparative Example 1]
An information recording medium was manufactured in the same manner as in Example 1, except that the thickness of the reflective layer was changed from 10 nm to 50 nm as described below.
That is, Au was sputtered on the dye recording layer for 25 seconds using a DC sputtering apparatus under the conditions of an Ar pressure of 2 Pa, a power of 480 W, and a deposition rate of 2 nm (layer thickness) / second, and a reflection of 50 nm in layer thickness. A layer was formed.
[0094]
A reflective layer was formed on a glass plate in the same manner as above, and the transmittance was measured using a spectrophotometer (manufactured by Hitachi, Ltd.). As a result, it was 1% at a wavelength of 790 nm.
[0095]
[Comparative Example 2]
An information recording medium was manufactured in the same manner as in Example 1 except that the thickness of the reflective layer was changed from 10 nm to 200 nm as described below.
That is, Au was sputtered on the dye recording layer for 100 seconds using a DC sputtering apparatus under the conditions of an Ar pressure of 2 Pa, a power of 480 W, and a deposition rate of 2 nm (layer thickness) / second, and a reflection of 200 nm in layer thickness. A layer was formed.
[0096]
A reflective layer was formed on a glass plate in the same manner as described above, and the transmittance was measured using a spectrophotometer (manufactured by Hitachi, Ltd.). As a result, it was 0% at a wavelength of 790 nm.
[0097]
[Evaluation of information recording medium]
1) Reflectivity
The obtained information recording medium was irradiated with light having a wavelength in the range of 770 to 850 nm from the substrate side using a spectrophotometer (manufactured by Hitachi, Ltd.) to measure the reflectance of the unrecorded portion.
[0098]
2) C / N
Using a drive unit (DDU-1000, manufactured by Pulstec Co., Ltd.), a modulation frequency of 720 kHz (duty: 7 mW, a linear velocity of 1.3 m / sec when recording with a laser having an oscillation wavelength of 790 nm, and a linear velocity of 1.3 m / sec. 33%). Then, the C / N during reproduction of the recorded signal with a reproduction power of 0.5 mW was measured using a spectrum analyzer (TR4135, manufactured by Advantest).
[0099]
3) Focus error wavelength dependence
The information recording medium on which the signal is recorded in the above 2) is reproduced, and the ratio of the focus error amplitude when tracking focusing is deviated to the error amplitude of the compact disc (CD) (EFλ: λ is a laser wavelength) is λnm, λ + 5 nm. And wavelength at λ-5 nm, and the wavelength dependence (α (%)) of the focus error was determined from the following equation.
[0100]
(Equation 1)
[0101]
The results of the above measurements are shown in FIG. 2 and Table 1. FIG. 2 shows the reflectance curves of the reflectance at 770 to 850 nm of Examples 1 and 2 and Comparative Example 1 measured in 1) reflectance. In Examples 1 and 2, it can be seen that there is no extreme increase or decrease in reflectance at around 790 nm, which is the laser oscillation wavelength. The slope of the reflectance curve at a wavelength of 790 nm was determined by drawing a tangent to the curve at a wavelength of 790 nm using the reflectance curve of FIG.
[0102]
[Table 1]
[0103]
As is clear from Table 1, the optical disc of the present invention (Examples 1 and 2) has a small reflectance gradient around 790 nm, which is the laser oscillation wavelength, and a small change in reflectance around 790 nm. Also, the C / N has not decreased. Further, according to the present invention, since the gradient of the reflectance is set to be small at 790 nm, which is the oscillation wavelength of the laser, the focus error wavelength dependency is, of course, small for a laser having a wavelength of 790 nm. Is small for lasers with any wavelength of 780 nm and 800 nm. Therefore, focusing stability is good for each laser.
[0104]
On the other hand, in the optical disks of Comparative Examples 1 and 2 provided with the conventional reflective layer, the gradient of the reflectance is large at 790 nm, and the change in the reflectance is large near 790 nm. Further, the focus error wavelength dependency is large for lasers having wavelengths of 780 nm and 790 nm (generally, when α exceeds 10, focusing decreases and a focusing error is likely to occur). Only small. Therefore, it cannot be said that focusing stability is good for various lasers.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a plan view showing a basic configuration of an information recording medium of the present invention.
FIG. 2 is a graph (reflectance curve) showing the reflectance at 770 to 850 nm of the optical disks obtained in Examples 1 and 2 and Comparative Example 1.
[Explanation of symbols]
11 Substrate
12 Recording layer
13 Reflective layer
14 Protective layer
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