JP3578312B2 - データキャリアシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、それぞれに固有なID、または、データ・コードを持った複数個のデータキャリアのID認識やデータ検索を、1つのアンテナを持つ質問機との間で行うようなシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、駅の改札機等において、ゲート管理等を行うデータキャリアシステムではデータ検索を行う質問機(又は親機)の検索エリア内には原則1個のデータキャリアしか存在しないので、常に検索エリア内に入ってきたデータキャリアは自己のIDを質問機に送る様にしておけば良い。しかし、棚に置かれた商品の在庫管理等をデータキャリアで行おうとするシステムの場合には、検索エリア内に複数のデータキャリアが存在し、この様な方法により検索エリア内にある全てのデータキャリアのIDを知ることは出来ない。そこで、複数個のデータキャリア(子機)が同時に信号の応答を行ってもIDコードを認識できる手法が提案された。ここではその方法を一般的にアンチ・コリジョンと呼ぶことにする。
【0003】
特開平8−36623号公報に記載の発明もアンチ・コリジョンを実現する1つの方法である。この発明では、IDコードの1ビットの信号レベルに対応して、データキャリア(タグ)が応答する期間は2つに分割されている。例えば、IDコードの信号レベルが“H”の場合には応答期間の前半の第一の期間にデータキャリアが応答し、IDコードの信号レベルが“L”の場合には応答期間の後半の第二の期間にデータキャリアが応答するようになっている。その際、一回のID検索のシーケンスにより、一種類のIDを認識するために、第一の期間に応答するデータキャリアが存在した場合には、質問機から第二の期間に応答すべき“L”レベルのIDコードを持ったデータキャリアは、以降応答を禁止するためのコマンド信号を送るようにしている。
【0004】
一般的なアンチ・コリジョンのシーケンスの例を示すと、図5のとおりになる。このようなシーケンスを継続することにより、定められたIDコード長に対するデータキャリアからの応答期間の履歴を蓄積することによって、質問機は、同一のアンテナ中に複数のデータキャリアが存在し、多数のデータキャリアが同時に返答するという状況下においても、IDの認識を行うことができる。尚、図5は、前記の特開平8−36623号公報に記載のものと同じであるので、その詳細な説明は省略する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図5で示された従来手法では、ID認識に必要となる時間が大きかった。
図5に示されたシーケンスにおいて、1ビットあたりの検索に必要とされる時間を計算する。1ビットのシーケンスは、IDが”L”レベルの場合には以下のようになる。
(1) 質問機からの、IDが”H”レベルのデータキャリアに対する応答命令送信(2) 第一のデータキャリア応答期間(質問機の命令送信後の待ち時間を含む)
(3) 質問機からの、IDが”L”レベルのデータキャリアに対する応答命令送信(4) 第二のデータキャリア応答期間(質問機の命令送信後の待ち時間を含む)
ここで、データ送受信の単位データ周期(理想的には1クロック期間で有るが、FSK方式、ASK方式等どの変調方式を用いてもデータの変化時には有限の応答期間が必要なので、数クロック以上の期間が単位データ周期に割り当てられる。)をTとすると、質問機からの応答命令送信時間は2T、タグの応答期間に必要な期間は4Tとなる。この時間を必要とする理由は以下のとおりである。まず、質問機ではデータキャリアからの信号検出から応答命令送信に時間がかかること、データの送信は単位ビットごとにしか行えないために命令自体を単位データ周期よりも短くできないことから、2Tの期間が必要となる。また、データキャリアの応答期間には、質問機が命令を送信したことにより質問機の受信系に大きな信号が混入することによって検出系がデータキャリアの返信を受け付けなくなってから正常に戻るまでの時間(この期間にデータキャリアは質問機からの応答命令信号の認識と、自分が次の期間に応答すべきかの判断を行っている)Tと、データキャリアが応答命令を受信してから実際に応答を行うまでの時間的なばらつきがあっても動作できるようにするためのデータキャリアの送信時間3Tが含まれる。
【0006】
この結果、IDが”H”レベルのデータキャリアについての1ビット当たりの検索期間は6T、”L”レベルについては12Tとなり、平均としては1ビットあたり9Tもの時間をかけて検索されていた。
この1ビット当たりの検索期間は検索対象データキャリアに割り当てられたIDコードの桁数Nが多くなり、さらに認識しなければならないデータキャリアの最大個数が増えると全体の認識時間に大きく影響することになる。1個のデータキャリアに対する検索期間の平均は9T×Nとなる。この様なシステムを用いてベルトコンベヤで搬送される複数の商品、荷物等に着けられたデータキャリアの検索を行う場合には検索時間が間に合わないと言う弊害が発生する可能性がある。
【0007】
本発明の目的は、アンチ・コリジョンを行う場合の平均ID検索時間を短縮することにある。
本発明の他の目的は、複数のデータキャリアが質問機の応答エリア内に存在する場合にそのIDの検索を速く行うことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のデータキャリアシステムは、データキャリア毎に割り当てられた複数ビットからなるID番号を基に応答エリア内に存在するデータキャリアを検索するシーケンスを実行する場合に、
質問機は、前記IDの2桁分の検索を実行するために、連続する2ビットのデータパターンに対応する4つの組み合わせパターンの中の第1の組み合わせパターンの応答要求を送信し、第1の組み合わせパターンの応答要求に対してデータキャリアから応答が無かった場合には、第2の組み合わせパターンの応答要求を送信し、以後同様に各組み合わせパターンの応答要求にデータキャリアから応答が無かった場合には順に次の組み合わせパターンの応答要求を送信し、最後に第4の組み合わせパターンの応答要求を送信し、何れかの組み合わせパターンの応答要求に対して少なくとも1つのデータキャリアから応答が有った場合には、次の応答要求の前半部に応答確認データを含めて送信し、検索対象のIDのうち検索対象の2桁の検索を終了し続いて前記IDの次の2桁分の検索に移行し、データキャリアは、受け取った応答要求の前半部に応答確認データが無く、検索データパターンと同じデータパターンが自己のIDの検索対象ビットに有る場合に、応答要求の後半部で応答を返し、受け取った応答要求の前半部に応答確認データがある場合には、応答要求に対し既に返信したデータキャリアは検索対象ビットを次の2ビットに桁上げさせるとともに、応答要求に返信しなかったデータキャリアは以後そのシーケンスにおける応答を停止する。
【0009】
本発明の他の視点からのデータキャリアシステムは、データキャリアから応答が有った場合に質問機から応答確認信号を送信し、応答したデータキャリアに検索対象の2ビットの桁上げを指示するとともに、応答しなかったデータキャリアに対してそのシーケンスでの応答禁止を指示する第1の期間と、前記第1の期間に引き続く期間であって検索対象の2ビットに該当するデータパターンが存在する場合に前記データキャリアから応答を返す第2の期間とをくり返し用いて前記データキャリア毎に割り当てられた複数ビットID番号を基に2ビットずつ順次、応答エリア内に存在するデータキャリアを検索するデータキャリアシステムであって、前記質問機は前記第2の期間に前記データキャリアから応答が有った場合には、それに続く前記第1の期間に前記応答確認信号を送信し、前記第2の期間に前記データキャリアから応答が無かった場合にはそれに続く前記第1の期間に前記応答確認信号と異なる応答無しを意味する特定の信号を送信するか、或いは応答確認信号を返さずに無変調の全ビット同一の信号を持つブランクデータを送信し続けると供に、それに続く前記第2の期間中は前記ブランクデータを送信し続け、前記データキャリアは前記第1の期間に前記質問機から前記応答確認信号を受信していない場合には自己のIDの検索対象の2ビットを参照し、前記検索対象の2ビットが該当データパターンの場合のみ応答信号を返すとともに、前記第1の期間に前記質問機から前記応答確認信号を受信した場合には、直前の前記第2の期間に応答を返している場合は自己のIDの検索対象の2ビットを所定ビット桁上げし、応答を返していない場合は、同シーケンスの以後の検索に対して応答を停止する。
【0010】
ここで、検索対象ビットは2ビットづつ桁上げされるともに、2ビットのデータの組み合わせからなる4つのデータパターンについて少なくとも1台のデータキャリアから応答が有るまで順次データパターンを変えて検索を繰り返すことが望ましい。
また、ここで第1の期間と第2の期間を合わせて検索期間と定義した場合に、質問機は前記データキャリアから応答が来るまで、
4つのデータパターンの第1のデータパターンを検索するタイミングとして予め定められている第1の検索期間と、
4つのデータパターンの第2のデータパターンを検索するタイミングとして予め定められている第2の検索期間と、
4つのデータパターンの第3のデータパターンを検索するタイミングとして予め定められている第3の検索期間と、
前記4つのデータパターンの第4のデータパターンを検索するタイミングとして予め定められている第4の検索期間までの最大4つの検索期間の検索を繰り返し、
データキャリアは質問機から送信される検索開始信号若しくは応答確認信号を基に第1から第4のいずれの検索期間であるかを判定し、その検索期間に割り当てられたデータパターンと自己のIDの検索対象ビットとの比較を行い、比較結果に応じて第2の期間で応答を返す。
【0011】
第1、第2の特定信号の少なくとも一方は無変調信号を持つ搬送波であることが望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明する前に、本発明の原理を図3を用いて説明する。図3は本発明のアンチ・コリジョンの動作タイミング例を示す図である。以下の説明ではデータキャリアを「子機」と呼ぶことにする。
図3には、本発明のアンチ・コリジョンの動作タイミング例を示した。この例では子機のIDコードの2ビットごとに対して、4つの応答期間を設けた例を示している。
【0013】
質問機からのアンチ・コリジョン動作時にはまずID検索モードであることを示す応答要求データIDを送信し、それに引き続いて1つの応答期間に対してそれぞれ8ビットのブランクデータを送信する。応答期間はHHを検索する為のT1期間と、HLを検索する為のT2期間、LHを検索する為のT3期間およびLLを検索する為のT4期間に分けられる。この8ビットのブランクデータの前半4ビットの期間に質問機から応答確認信号を送信(4ビットの内の特定ビットを”H”または”L”とすることにより応答確認とする。)し、この前半の4ビット期間中に各子機は自己のIDの検索対象ビットとの参照を行う。各子機は自己のIDの特定の検索対象となっている2ビットとT1期間から順に比較していき該当のデータパターンである場合にはその検索期間の後半の4ビットの間に応答を返す。
【0014】
T1期間から順に検索していき応答が有った時には以降の検索パターンでの検索は行わず、次の2ビットの検索に移る。質問機は応答を受けた場合には応答確認信号を、応答を受けた応答期間の次の8ビットブランク信号の前半部で送信し、子機に次の2ビットへの移行を知らせるとともに、応答をしなかった子機に対しては応答停止を指示する。この基本的な動作は特開平8−36623号公報に記載の発明とほぼ同じであるので詳細な説明は省略する。前半の4ビット期間に質問機からの応答確認信号が無い場合には、子機は次のパターン(例えばHHを検索していたときはHLの検索)の検索と判断して自己のIDの検索対象ビットの参照を行う。
【0015】
図4は本発明の実施の形態のデータキャリアを用いたデータキャリアシステムの構成例を示す図である。図において、質問機10は搬送波の基本信号を発生する発振回路11と、発振回路11からの基本信号をそれぞれ異なる分周比で分周して第1、第2の搬送波を発生する分周回路12、13、と第1、第2の搬送波から1つの搬送波を選択して出力する選択回路15と、出力増幅器16、第1の同調回路17および第2の同調回路18を備える。質問機10は更に、送信信号を生成する内部処理回路19と、同調回路17、18で受信した信号を処理する復調回路20を備える。内部処理回路19で生成された送信信号は、選択回路15において搬送波をFSK変調する。第1の同調回路17はアンテナコイルL1と同調コンデンサC1で構成され、第2の同調回路18はアンテナコイルL2と同調コンデンサC2で構成される。第1の同調回路17と第2の同調回路18は図に示すように並列に接続されているが、両同調回路の調整用のコンデンサC3を介して接続している。
【0016】
子機30は送受信コイル31と、送受信コイル31に並列に接続された同調コンデンサ32と、整流回路33と、FSK復調を行う復調回路34、内部処理回路35、送信用変調回路36、送信用負荷トランジスタ37を有する。内部処理回路35は一般的な信号処理回路と同様に、CPU35a、RAM35b、プログラム等を記憶したROM35c、電気的に書き換え可能なEEPROM35dおよびインタフェース35eを備えている。
【0017】
発振回路11はたとえば4MHzの基準信号を生成する。この基準信号は第1、第2の分周回路12、13に供給され、第1の分周回路12で1/32に分周された信号(125KHz)と第2の分周回路13で1/34に分周された信号(117.6470588KHz)が得られる。
内部処理回路19が論理値”H”のデータの送信を指示する場合には選択回路15で第1の分周回路12の出力を選択して125KHzの信号を出力増幅器16を介して同調回路17、18に送る。一方、内部処理回路19が論理値”L”のデータの送信を指示する場合には選択回路15で第2の分周回路13の出力を選択して117.6470588KHzの信号を出力増幅器16を介して同調回路17、18に送る。
【0018】
子機30はASK変調でデータ送信を行う。以下その子機30の動作を説明する。子機30での電力は送受信コイル31と同調コンデンサ32から構成される同調回路で受信した搬送波を整流回路33のダイオードおよび平滑コンデンサで直流に変換して使用している。
子機30から質問機10へデータ送信を行う場合には、内部処理回路35の内部のCPUで発生したデータがインタフェース35eを介して変調回路36に伝えられ、変調回路の出力に応じて送信用負荷トランジスタ37をオン・オフ動作させる。すると送受信コイル31に流れる電流が変化し、送受信コイル31とアンテナコイルL1間の電磁結合の強さが変化する。質問機10の復調回路20はアンテナコイル17の両端に発生する電圧の変化、具体的には第1の分周回路12から出力される125KHzの信号の振幅変化を検出して子機30からのデータを復調する。実際にはバンドパスフィルタで、第1の分周回路12から出力される125KHzの信号に対して、データキャリアより送られて来たサブバンド信号の振幅および位相の変化をとらえて復調動作を行う。
【0019】
図1に本発明の実施の形態のデータキャリアシステムのアンチコリジョン動作のフローを示す。
質問機10はマルチID認識コマンドを送信する(ステップ201)。
質問機10、子機30のデータ授受開始の準備期間として予め設定された待ち時間が用意されている。また、この待ち時間に、初期化作業としてまず検索対象が先頭の2ビットから始まる様に不図示のカウンタを1にセットする(ステップ202)。
【0020】
ID認識コマンドの送信に続き8ビットのブランク信号を送信する(ステップ203)。この8ビット期間T1は第1の応答期間として”HH”のIDを持つ子機が応答する期間である。自己のIDの1、2ビット目に”HH”を持つ子機はブランク信号の5ビット目以降の4ビットの期間で応答信号を返す。具体的には図4の変調回路36でトランジスタ37をオンさせ、コイル31、17間の結合関係を変化させ、質問機10からのブランクデータを表す125KHzの信号に変調をかけ、復調回路20でこの変化を検出する(ステップ204)。
【0021】
質問機10は子機30からの応答を検出すると応答確認信号を送信する。この応答確認信号を受けると、応答を返した子機はカウンタを2ビット桁上げし、次の検索に備える。一方応答を返さなかった子機は応答を停止する(ステップ206)。次に2ビットの検索に移るためステップ214に移り、質問機のカウンタを桁上げし(ステップ215)、ステップ203にもどる。
【0022】
どの子機からも応答信号が帰ってこない場合には、質問機10は引き続き8ビットのブランク信号を送信する(ステップ205)。この8ビット期間T2は第2の応答期間として”HL”のIDを持つ子機が応答する期間である。
自己のIDの1、2ビット目に”HL”を持つ子機はブランク信号の5ビット目以降の4ビットの期間で応答信号を返す(これはID呼び出しモード信号から見ると8+5ビット目以降となる)。以後同様にステップ208、214、215と進みステップ203にもどる。
【0023】
ここでも応答が無い場合には質問機10は引き続き8ビットのブランク信号を送信する(ステップ209)。この8ビット期間T3は第3の応答期間として”LH”のIDを持つ子機が応答する期間である。動作は同様なので説明は省略する。
ここでも応答が無い場合には質問機10は引き続き8ビットのブランク信号を送信する(ステップ212)。この8ビット期間T4は第4の応答期間として”LL”のIDを持つ子機が応答する期間である。動作は同様なので説明は省略する。
【0024】
ここで、具体的な例を図2を用いて説明する。子機として子機1(ID:HHHL・・・)、子機2(ID:LH・・・)、子機3(ID:HHLH・・・)の3台が棚に格納されている場合を用いて動作を説明する。
質問機はID検索モードであることを示す応答要求データIDに引き続き8ビットのブランクデータを送信する。応答要求データIDを受信した子機1、2、3は自己のIDの1、2ビット目をチェックし、HHである時には応答信号をブランク信号の5ビット目以降の4ビット期間に送信する。図2の例では子機1と子機3のIDの先頭から2ビットはHHであるのでこの2台の子機が応答を返す。一方子機2のIDの先頭から2ビットはLHであるので応答を返さない。少なくとも1台の子機から(もっとも質問機は何台から応答が有ったかは認識出来ないが)応答が有った場合には質問機は応答確認信号を送信する。この応答確認信号を受けた子機は応答を返していた場合には自己の中に持っているカウンタを桁上げし、次のブランク信号期間に比較する対象をIDの3ビット目、4ビット目にする。一方応答を返さなかった子機は応答停止状態になり、次の応答要求データIDが送られてくるまで待機する。
【0025】
図2ではHHを検索する為のT1期間に子機1、3から応答が有ったので、質問機は次の検索期間であるT1’の前半の4ビット期間で応答確認信号を送信し、次の2ビットの検索に入るが、もし、先頭2ビットにHHのIDパターンを持つ子機がいなかった場合には、質問機は引き続きT2期間として8ビットのブランク信号を送信し、先頭2ビットにHLのIDパターンを持つ子機からの応答を待ち、それも応答が無かった場合には更にT3期間として8ビットのブランク信号を送信し、先頭2ビットにLHのIDパターンを持つ子機からの応答を待ち、それも応答が無かった場合には更にT4期間として8ビットのブランク信号を送信し、先頭2ビットにLLのIDパターンを持つ子機からの応答を待つ。
【0026】
今回はT1期間に応答が有ったのでIDの3ビット目、4ビット目の検索に移る。T1’期間の前半の4ビットで応答確認信号を送信しているので、各子機は検索対象ビットがをIDの3ビット、4ビットの検索に移ったことを知ることができる。
T1’期間では子機1、3共に3、4ビット目にHHのIDパターンを持たないので無応答となる。質問機は引き続きT2期間として8ビットのブランク信号を送信する。子機1は3、4ビット目にHLのIDパターンを持つのでこのT2期間に応答を返し、子機3は3、4ビット目にHLのIDパターンを持たないので無応答となる。
【0027】
子機1から応答が有ったので質問機は検索対象3ビット目、4ビット目のT3期間の検索に進まず、検索対象5ビット目、6ビット目に進む。質問機はT1”期間の前半の4ビットで応答確認信号を送信する。子機1はカウンタを桁上げし、次に比較する対象をIDの5ビット目、6ビット目にする。一方応答を返さなかった子機3は応答停止状態になり、次の応答要求データIDが送られてくるまで待機する。
【0028】
以上で、3台の内2台が応答停止になったので、以後は子機1のIDの最後のビットまでそれぞれ2ビット毎のパターンに対応する検出期間T1、T2、T3、T4で応答を検出し、子機1のIDを判別することが出来る。子機1は応答停止し、以後子機2、子機3について上記と同じ手法によりIDを検出する。
図1に示されたシーケンスにおいて、1ビットあたりの検索に必要とされる時間を計算する。1ビットのシーケンスは、IDが”LL”レベルの場合には以下のようになる。
【0029】
(1) 質問機からの、IDが”HH”レベルの子機に対する応答命令送信
(2) 第一の子機応答期間(質問機の命令送信後の待ち時間を含む)
(3) 質問機からの、IDが”HL”レベルの子機に対する応答命令送信
(4) 第二の子機応答期間(質問機の命令送信後の待ち時間を含む)
(5) 質問機からの、IDが”LH”レベルの子機に対する応答命令送信
(6) 第三の子機応答期間(質問機の命令送信後の待ち時間を含む)
(7) 質問機からの、IDが”LL”レベルの子機に対する応答命令送信
(8) 第四の子機応答期間(質問機の命令送信後の待ち時間を含む)
図5の場合と同様に、データ送受信の単位データ周期をTとすると、質問機からの応答命令送信時間は2T、子機の応答期間に必要な期間は4Tとなる。この結果、IDが”LL”の子機に対する検索期間は24Tとなる。ところが、応答期間が第一、第二、第三の場合に、応答する子機もあり、これらに要する検索期間は、それぞれ、6T、12T、18Tとなり、2ビットあたりの平均の検索期間は15Tとなる。1ビットあたり換算すると検索期間は7.5Tとなり、図5に示した従来方法での検索期間9Tに比べて17%の改善が見られた。
【0030】
同様な手法をIDを3ビットづつ検索する方式で行うと、1ビットあたりの平均の検索期間は9Tとなり、2ビットの場合に比べて長くなる。この理由は、3ビットの場合の応答期間は8個設定することになり、1ビット毎の応答期間を3ビット繰り返した6回の応答期間よりも上回ることに起因する。このように、IDは2ビットごとに検索することが望ましい。
【0031】
【発明の効果】
以上の様に本発明によれば効率よくアンチコリジョンを行え、データキャリアのID検索が高速に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のデータキャリアシステムの動作を説明するフローチャートである。
【図2】本発明の実施の形態のデータキャリアシステムの動作を説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態のデータキャリアシステムの動作原理を説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態のデータキャリアシステムの構成を説明するブロック図である。
【図5】従来のデータキャリアシステムの動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10 質問機
30 子機(データキャリア)
Claims (5)
- データキャリア毎に割り当てられた複数ビットからなるID番号を基に応答エリア内に存在するデータキャリアを検索するシーケンスを実行する場合に、
各データキャリアのIDの連続する2ビットのデータに対応する4つの組み合わせパターンから選択された1つのデータパターンにより予め定められた遅延時間後に応答を返す様に質問機から指示を出す第1のステップと、
少なくとも1つのデータキャリアから応答が有った場合に応答を返さなかったデータキャリアへの同一シーケンスにおける以後の応答を禁止するとともに、応答したデータキャリアの検索ビットを次の2ビットに桁上げさせる様質問機から指示する第2のステップと、
を前記IDの全ビットが終了するまで繰り返すことを特徴とするデータキャリア検索方法。 - データキャリア毎に割り当てられた複数ビットからなるID番号を基に応答エリア内に存在するデータキャリアを検索するシーケンスを実行する場合に、
質問機は、前記IDの2桁分の検索を実行するために、連続する2ビットのデータパターンに対応する4つの組み合わせパターンの中の第1の組み合わせパターンの応答要求を送信し、第1の組み合わせパターンの応答要求に対してデータキャリアから応答が無かった場合には、第2の組み合わせパターンの応答要求を送信し、以後同様に各組み合わせパターンの応答要求にデータキャリアから応答が無かった場合には順に次の組み合わせパターンの応答要求を送信し、最後に第4の組み合わせパターンの応答要求を送信し、何れかの組み合わせパターンの応答要求に対して少なくとも1つのデータキャリアから応答が有った場合には、次の応答要求の前半部に応答確認データを含めて送信し、検索対象のIDのうち検索対象の2桁の検索を終了し続いて前記IDの次の2桁分の検索に移行し、
データキャリアは、受け取った応答要求の前半部に応答確認データが無く、検索データパターンと同じデータパターンが自己のIDの検索対象ビットに有る場合に、応答要求の後半部で応答を返し、受け取った応答要求の前半部に応答確認データがある場合には、応答要求に対し既に返信したデータキャリアは検索対象ビットを次の2ビットに桁上げさせるとともに、応答要求に返信しなかったデータキャリアは以後そのシーケンスにおける応答を停止することを特徴とするデータキャリアシステム。 - 請求項2おいて、データキャリアから応答が有った場合に質問機から応答確認信号を送信し、応答したデータキャリアに検索対象の2ビットの桁上げを指示するとともに、応答しなかったデータキャリアに対してそのシーケンスでの応答禁止を指示する第1の期間と、前記第1の期間に引き続く期間であって検索対象の2ビットに該当するデータパターンが存在する場合に前記データキャリアから応答を返す第2の期間とをくり返し用いて前記データキャリア毎に割り当てられた複数ビットID番号を基に2ビットずつ順次、応答エリア内に存在するデータキャリアを検索するデータキャリアシステムであって、
前記質問機は前記第2の期間に前記データキャリアから応答が有った場合には、それに続く前記第1の期間に前記応答確認信号を送信し、前記第2の期間に前記データキャリアから応答が無かった場合にはそれに続く前記第1の期間に前記応答確認信号と異なる応答無しを意味する特定のデータパターンの信号を送信するか、或いは応答確認信号を返さずに無変調の全ビット同一の信号を持つブランクデータを送信し続けると供に、それに続く前記第2の期間中は前記ブランクデータを送信し続け、
前記データキャリアは前記第1の期間に前記質問機から前記応答確認信号を受信していない場合には自己のIDの検索対象の2ビットを参照し、前記検索対象の2ビットが該当データパターンの場合のみ応答信号を返すとともに、前記第1の期間に前記質問機から前記応答確認信号を受信した場合には、直前の前記第2の期間に応答を返している場合は自己のIDの検索対象の2ビットを所定ビット桁上げし、応答を返していない場合は、同シーケンスの以後の検索に対して応答を停止することを特徴とするデータキャリアシステム。 - 請求項3において、前記検索対象の2ビットは2ビットずつ桁上げされるともに、2ビットのデータの組み合わせからなる4つのデータパターンについて少なくとも1台の子機から応答が有るまで順次データパターンを変えて検索を繰り返すことを特徴とするデータキャリアシステム。
- 請求項4において、前記第1の期間と前記第2の期間を合わせて検索期間と定義した場合に、前記質問機は前記データキャリアから応答が来るまで、
前記4つのデータパターンの第1のデータパターンを検索するタイミングとして予め定められている第1の検索期間と、
前記4つのデータパターンの第2のデータパターンを検索するタイミングとして予め定められている第2の検索期間と、
前記4つのデータパターンの第3のデータパターンを検索するタイミングとして予め定められている第3の検索期間と、
前記4つのデータパターンの第4のデータパターンを検索するタイミングとして予め定められている第4の検索期間までの最大4つの検索期間の検索を繰り返し、
前記データキャリアは質問機から送信される検索開始信号若しくは前記応答確認信号を基に前記第1から第4のいずれの検索期間であるかを判定し、その検索期間に割り当てられたデータパターンと自己のIDの検索対象ビットとの比較を行い、比較結果に応じて前記第2の期間で応答を返すことを特徴とするデータキャリアシステム。
Priority Applications (1)
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JP11257798A JP3578312B2 (ja) | 1998-04-22 | 1998-04-22 | データキャリアシステム |
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JP11257798A JP3578312B2 (ja) | 1998-04-22 | 1998-04-22 | データキャリアシステム |
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